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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172585
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090385
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100220663
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中三川 京弥
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】管理区域内における利用者の位置の推定における精度を向上させる。
【解決手段】情報処理装置は、管理区域内に入域する各利用者の活動量の情報を当該利用者の端末装置から取得し、管理区域内に設置される各器具から当該器具の使用状態の情報を取得し、活動量の情報と使用状態の情報とに基づいて、器具が使用された時間帯に当該器具の使用状態に対応する活動量を示す利用者を判別する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
前記通信部により通信を行う制御部と、を有する情報処理装置であって、
前記制御部は、管理区域内に入域する各利用者の活動量の情報を当該利用者の端末装置から取得し、前記管理区域内に設置される各器具から当該器具の使用状態の情報を取得し、前記活動量の情報と前記使用状態の情報とに基づいて、前記器具が使用された時間帯に当該器具の使用状態に対応する活動量を示す前記利用者を判別する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、更に、前記管理区域内に入域する各利用者の映像の情報をカメラから取得し、前記映像の情報に基づいて、前記器具が使用された時間帯に当該器具の使用状態に対応する活動を示す前記利用者を判別する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記使用状態の情報は、前記利用者が前記器具の使用を開始する開始時刻と、使用を終了する終了時刻とを含み、
前記制御部は、前記開始時刻及び前記終了時刻から、前記器具が使用された時間帯を算出する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記器具が使用された際に、前記端末装置から出力される活動量の基準範囲として、第1の閾値以上かつ第2の閾値未満の範囲の基準値を設定する、情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置により、
管理区域内に入域する各利用者の活動量の情報を当該利用者の端末装置から取得することと、
前記管理区域内に設置される各器具から当該器具の使用状態の情報を取得することと、
前記活動量の情報と前記使用状態の情報とに基づいて、前記器具が使用された時間帯に当該器具の使用状態に対応する活動量を示す前記利用者を判別することと、
を実行する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定のエリア内での利用者の位置を推定する技術が知られている。例えば特許文献1には、管理区域内において、カメラ又は近距離無線通信方式の電波の使用により、利用者の位置を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-57070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
管理区域内における利用者の位置を推定する技術には推定精度の向上の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑み、以下では、管理区域内における利用者の位置の推定における精度を向上させることが可能な情報処理装置等が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、通信部と、前記通信部により通信を行う制御部と、を有する情報処理装置であって、前記制御部は、管理区域内に入域する各利用者の活動量の情報を当該利用者の端末装置から取得し、前記管理区域内に設置される各器具から当該器具の使用状態の情報を取得し、前記活動量の情報と前記使用状態の情報とに基づいて、前記器具が使用された時間帯に当該器具の使用状態に対応する活動量を示す前記利用者を判別する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置により、管理区域内に入域する各利用者の活動量の情報を当該利用者の端末装置から取得することと、前記管理区域内に設置される各器具から当該器具の使用状態の情報を取得することと、前記活動量の情報と前記使用状態の情報とに基づいて、前記器具が使用された時間帯に当該器具の使用状態に対応する活動量を示す前記利用者を判別することと、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本開示における情報処理装置等によれば、管理区域内における利用者の位置の推定精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの概略構成例を示すブロック図である。
図2】管理区域内における利用者の行動例を示す図である。
図3】情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
図4】仮眠ベッドの利用者を推定する記録例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について説明する。
<実施形態の概要>
図1は、一実施形態に係る情報処理システム1の概略構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、それぞれ一以上の、端末装置10と、器具20と、情報処理装置30と、カメラ40と、ゲート50と、を備える。端末装置10と、器具20と、情報処理装置30と、カメラ40と、ゲート50とは、ネットワーク2を介して通信可能に接続される。
【0011】
端末装置10は、例えばスマートフォン、又はスマートウォッチであるが、これに限られず任意の情報処理端末であってもよい。端末装置10は、ネットワーク2を介して情報処理装置30と通信可能に接続される。
【0012】
器具20は、例えばトレッドミル、又は仮眠ベッド等の健康器具であるが、これらに限られず任意の器具であってもよい。器具20は、ネットワーク2を介して情報処理装置30と通信可能に接続される。
【0013】
情報処理装置30は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置30は、ネットワーク2を介して端末装置10、器具20、カメラ40、及びゲート50と通信可能に接続される。
【0014】
カメラ40は、例えば管理区域内に設置されるビデオカメラであり、動画像又は静止画像を撮影する。カメラ40は、ネットワーク2を介して、情報処理装置30と通信可能に接続される。
【0015】
ゲート50は、例えば管理区域内に入域又は退出する利用者を管理する入退出ゲートである。ゲート50は、ネットワーク2を介して、情報処理装置30と通信可能に接続される。
【0016】
本実施形態の情報処理装置30は、管理区域内に入域する各利用者の活動量の情報を当該利用者の端末装置10から取得し、管理区域内に設置される各器具20から器具20の使用状態の情報を取得し、活動量の情報と使用状態の情報とに基づいて、器具20が使用された時間帯に器具20の使用状態に対応する活動量を示す利用者を判別する。情報処理装置30は、各利用者の活動量の情報と、各器具20の使用状態の情報とを照合することにより、器具20が使用された時間帯における使用者を判別するので、利用者を常時カメラにより監視したり、カメラ以外に利用者の行動を検知するための追加的な装置を導入したりすることなく、器具20の使用者を判別する蓋然性を向上させることができる。よって、管理区域内における利用者の位置の推定精度を向上させることが可能となる。
【0017】
(端末装置の構成)
端末装置10は、通信部11と、記憶部12と、測位部13と、計測部14と、制御部15と、を備える。
【0018】
通信部11は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、端末装置10は、通信部11及びネットワーク2を介して情報処理装置30と通信する。通信部11は、制御部15が算出した活動量の情報を情報処理装置30へ定常的に送信する。
【0019】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェアを記憶する。さらに、記憶部12は、活動量、心拍数等を計測するアプリケーションプログラムを記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0020】
測位部13は、端末装置10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部13は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応する受信機(GPSセンサ)を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0021】
計測部14は、利用者の活動状態を監視する1つ以上の装置を含む。1つ以上の装置は、例えば加速度センサ、ジャイロセンサ、心拍数センサ、血中酸素濃度センサ、皮膚温センサ、血圧センサ、気圧センサ、又は磁気センサ等であって、端末装置10を携行又は装着する利用者の活動量の情報又は生体情報を計測し収集する。ただし、1つ以上の装置は、これらに限られない。
【0022】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサで5あるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、例えばGPSセンサ、加速度センサ、又はジャイロセンサ等に基づいて活動量を算出する。制御部15は、端末装置10全体の動作を制御する。
【0023】
(器具の構成)
器具20は、通信部21と、記憶部22と、計測部23と、制御部24と、を備える。
【0024】
通信部21は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、器具20は、通信部21及びネットワーク2を介して情報処理装置30と通信する。通信部21は、記憶部22に記憶された器具20の使用状態の情報を情報処理装置30へ送信する。
【0025】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、器具20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェアを記憶する。さらに、記憶部22は、器具20の使用状態の情報、すなわち利用者が器具20の使用を開始した開始時刻、及び使用を終了した終了時刻を記憶する。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0026】
計測部23は、利用者の活動状態を監視する1つ以上の装置を含む。1つ以上の装置は、例えば加速度センサ、ジャイロセンサ、心拍数センサ、血中酸素濃度センサ、皮膚温センサ、血圧センサ、気圧センサ、又は磁気センサ等であって、器具20を使用する利用者の活動量の情報又は生体情報を計測し収集する。ただし、1つ以上の装置は、これらに限られない。
【0027】
制御部24は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部24は、器具20全体の動作を制御する。制御部24は、利用者により器具20が使用されると、利用者による器具20の使用開始時刻と、使用終了時刻とを記憶部22に記録させる。制御部24は、利用者による器具20の使用が終了する度に、記憶部22に記録させた使用開始時刻及び使用終了時刻を、通信部21及びネットワーク2を介して、情報処理装置30へ送信させる。
【0028】
(情報処理装置の構成)
情報処理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0029】
通信部31は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置30は、通信部31及びネットワーク2を介して端末装置10、器具20、カメラ40、及びゲート50と通信する。
【0030】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、情報処理装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベースを記憶する。記憶部32は、使用する器具20ごとに、端末装置10から出力される活動量の基準値として設定される、第1の閾値及び第2の閾値を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0031】
制御部33は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部33は、情報処理装置30全体の動作を制御する。
【0032】
(カメラの構成)
カメラ40は、通信部41と、記憶部42と、撮影部43と、制御部44と、を備える。カメラ40は、管理区域全体が見渡し可能な場所(例えば、壁面上部等)に設置される。カメラ40は、動画像又は静止画像を撮影するビデオカメラである。
【0033】
通信部41は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、カメラ40は、通信部41及びネットワーク2を介して情報処理装置30と通信する。通信部41は、記憶部42に記憶された映像の情報を情報処理装置30へ送信する。
【0034】
記憶部42は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部42に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部42は、カメラ40の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェアを記憶する。さらに、記憶部42は、管理区域内で撮影された映像の情報(動画像又は静止画像)を記憶する。記憶部42に記憶された情報は、例えば通信部41を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0035】
撮影部43は、管理区域内の利用者及び器具20の動画像又は静止画像を撮影する撮像素子である。撮像素子は、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサ、又はCCD(Charge Coupled Device)センサであるが、これらに限られない。撮影部43は、制御部44の指示に基づいて撮影を行う。
【0036】
制御部44は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部44は、カメラ40全体の動作を制御する。制御部44は、ゲート50に記憶されている利用者の顔写真に基づいて、管理区域内で活動する利用者を特定する。制御部44は、管理区域内で利用者又は器具20の動きが撮影部43により検知されると、当該利用者又は器具20の動画像又は静止画像を撮影するように構成してもよい。制御部44は、情報処理装置30からの要求に基づいて、記憶部42に記憶された所定の時間帯における映像の情報を、通信部41及びネットワーク2を介して、情報処理装置30へ送信させる。
【0037】
(ゲートの構成)
ゲート50は、通信部51と、記憶部52と、開閉部53と、制御部54とを備える。
【0038】
通信部51は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、ゲート50は、通信部51及びネットワーク2を介して情報処理装置30と通信する。
【0039】
記憶部52は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部52に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部52は、ゲート50の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部52は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェアを記憶する。また、記憶部52は、利用者の入退室を管理するための利用者の顔認証に用いられる顔写真と、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、又はICカード認証に用いられる個人情報とを記憶する。さらに、記憶部52は、管理区域内に入域している利用者と、入域していた時間帯とを記憶する。記憶部52に記憶された情報は、例えば通信部51を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0040】
開閉部53は、利用者が入退出を行う管理区域の扉である。開閉部53は、制御部54からの指示により、扉を開錠して利用者を入退出させ、利用者が入退出を終えた後は扉を施錠する。
【0041】
制御部54は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部54は、ゲート50全体の動作を制御する。制御部54は、入退出を行う利用者の認証情報と、記憶部52に記憶された認証情報とを照合し、これらが合致すると、開閉部53を開き利用者を入退出させる。制御部54は、利用者が入退出すると、記憶部52に記憶された管理機域内に入域している利用者の記録を更新させる。制御部54は、情報処理装置30からの要求に基づいて、記憶部52に記憶された所定の時間帯に管理区域内に入域している利用者の情報を、通信部41及びネットワーク2を介して、情報処理装置30へ送信させる。
【0042】
(情報処理装置の動作フロー)
図2は、管理区域4内における利用者3の行動例を示す図である。図3は、情報処理装置30の動作例を示すフローチャートである。本動作は、情報処理装置30による管理区域4内における利用者3の位置の推定精度の向上に関する。
【0043】
ステップS101:制御部33は、管理区域4内に入域する各利用者3の活動量の情報を利用者3の端末装置10(10A,10B,10C)から取得する。
【0044】
活動量の情報は、各利用者3の端末装置10から定常的に送信される、活動量の時系列データである。活動量は、人の身体活動の量を表す単位であり、以下の式1により算出される。
活動量(メッツ・時)=運動量(メッツ)×継続時間(時間) (式1)
【0045】
運動量(メッツ)の目安は、任意に設定される離散的なスコアであって、例えば安静状態では1メッツ、ゆっくり歩きでは3メッツ、早歩きでは4メッツ、軽いジョギングでは6メッツ、ランニングでは8メッツである。
【0046】
活動量は、利用者3のスマートウォッチ10A、又はスマートフォン10B等の端末装置10により計測される。本開示において、利用者3の全員が端末装置10を装着又は携行していない場合が示される。
【0047】
管理区域4は、例えばスポーツジム、リハビリ施設、トレーニング施設、仮眠施設等の、施設の内部である。図2に示すように、管理区域4は、一部に仮眠スペース5を備えていてもよい。利用者3は、各施設と使用契約を締結する会員である。使用契約を締結していない会員以外の人は、管理区域4に入域できないものとする。
【0048】
利用者3は、あらかじめ、各施設に顔認証、指紋認証、静脈認証又は虹彩認証等の生体情報を登録しており、各施設から会員専用のICカードの発行を受けている。利用者3は、生体認証又はカード認証より、ゲート50から入退出することができる。なお、生体認証に利用される生体情報又はICカードに記憶されている個人情報は、あらかじめゲート50の記憶部52に記憶されていてもよいし、情報処理装置30等から逐次取得される構成としてもよい。
【0049】
ステップS102:制御部33は、管理区域4内に設置される各器具20から器具20の使用状態の情報を取得する。
【0050】
器具20の使用状態の情報は、利用者3が器具20の使用を開始する開始時刻と、使用を終了する終了時刻とを含む。利用者3が器具20の使用を開始すると、器具20は自動的に開始時刻を記憶部22に記録し、利用者3が使用を終了すると、自動的に終了時刻を記憶部22に記録する。器具20は、使用される度に、記録された開始時刻及び終了時刻を通信部31へ送信する。例えば、図2の例を参照すると、トレッドミル20A及び仮眠ベッド20B(睡眠計20B―1)が、開始時刻及び終了時刻を通信部31へ送信する。
【0051】
器具20は、例えばトレッドミル20A又は仮眠ベッド20B等の健康器具であるが、これらに限られない。トレッドミル20Aは、施設内でランニング又はウォーキングを行うための健康器具である。仮眠ベッド20Bは、睡眠計20B―1を備える。各器具20は、1人の利用者3により使用可能であり、2人以上の利用者3に同時に使用されることがないような形状、寸法に構成される。
【0052】
制御部33は、器具20が使用された際に、端末装置10から出力される活動量の基準範囲として、第1の閾値以上かつ第2の閾値未満の範囲の基準値を設定する。例えば、利用者3がトレッドミル20Aを使用して軽いジョギングをした場合、第1の閾値は6メッツ・時に、第2の閾値は7メッツ・時に設定される。かかる場合、基準値は6メッツ・時以上かつ7メッツ・時未満である。また、利用者3が仮眠ベッドで仮眠をとった場合、第1の閾値は0メッツ・時に、第2の閾値は1メッツ・時に設定される。かかる場合、基準値は0メッツ・時以上かつ1メッツ・時未満である。
【0053】
ステップS103:制御部33は、器具20が使用された時間帯を算出する。
【0054】
制御部33は、通信部31が受信した開始時刻及び終了時刻から、器具20が使用された時間帯を算出する。例えば、器具20の使用開始時刻が15:00,使用終了時刻が16:00であれば、器具20が使用された時間帯は、15:00~16:00である。
【0055】
ステップS104:制御部33は、活動量の情報と使用状態の情報とに基づいて、器具20が使用された時間帯に器具20の使用状態に対応する活動量を示す利用者3を判別する。利用者3を判別できる場合は、ステップS106へ進む。利用者を判別できない場合は、ステップS105へ進む。
【0056】
図4は、仮眠ベッド20Bの利用者3を推定する記録例を示す図である。仮眠ベッド20Bは、睡眠計20B―1を備える。睡眠計20B―1は、利用者3が仮眠ベッド20Bの使用開始時刻及び使用終了時刻を記憶部22に記録させるとともに、利用者3の睡眠の状態を計測する。図中のA,B,C,D,Eは、利用者の別を示す。図4に示すように、仮眠ベッド20Bが使用された時間帯は、使用開始時刻が15:00、使用終了時刻が16:00であるため、15:00~16:00と算出される。一方、利用者3が仮眠ベッド20Bを使用すると、利用者3は身体活動を停止するため、活動量は安静時の1メッツ・時よりも低い値になる。このため、制御部33は、15:00~16:00の時間帯に、活動量の第1の閾値(0メッツ・時)以上、かつ第2の閾値(1メッツ・時)未満の利用者3を検索する。その結果、制御部33は利用者Aが仮眠ベッド20Bの使用者であると判別する。
【0057】
通信部31は、ゲート50から、管理区域4に入域した利用者3と入退出の日時履歴とが紐づけられた情報を受信する。制御部33は、当該情報に基づいて、器具20の使用者を判別するにあたり、判別の対象となる利用者3を、例えば15:00~16:00の時間帯に管理区域4に入域していた利用者3に絞り込む。この結果、器具20を使用する利用者3を判別する処理時間が短縮される。
【0058】
ステップS105:制御部33は、管理区域4内に入域する各利用者3の映像の情報をカメラ40から取得し、映像の情報に基づいて、器具20が使用された時間帯に、器具20の使用状態に対応する活動を示す利用者3を判別する。
【0059】
映像の情報は、静止画像又は動画像のデータである。制御部33は、管理区域4内に設置されたカメラ40により撮影された利用者の静止画像又は動画像に基づいて、器具20を明らかに使用していない利用者3を選別し、当該利用者3を器具20の使用者の判別処理から除外してもよい。この結果、器具20を使用する利用者3を判別する処理時間が短縮される。
【0060】
端末装置10を携行していない利用者3の人数が1名であれば、残りの利用者全員から活動量の情報を取得することにより、器具20の使用者の判別は可能である。しかし、端末装置10を携行していない利用者3の人数が2名以上である場合、使用者の判別ができない場合がある。かかる場合、カメラ40からの静止画像又は動画像を参照することにより、器具20を使用する利用者3を判別する処理が補完される。
【0061】
ステップS106:制御部33は、器具20を使用した利用者3を判別し、処理を終了する。
【0062】
以上述べたように、本実施形態の情報処理装置30は、通信部31と、通信部31により通信を行う制御部33と、を有する情報処理装置30であって、制御部33は、管理区域4内に入域する各利用者3の活動量の情報を利用者3の端末装置10から取得し、管理区域4内に設置される各器具20から器具20の使用状態の情報を取得し、活動量の情報と使用状態の情報とに基づいて、器具20が使用された時間帯に器具20の使用状態に対応する活動量を示す利用者3を判別する。かかる構成によれば、情報処理装置30は、各利用者3の活動量の情報と、各器具20の使用状態の情報とを照合することにより、器具20が使用された時間帯における使用者を判別するので、利用者3を常時カメラにより監視したり、カメラ以外に利用者の行動を検知するための追加的な装置を導入したりすることなく、器具20の使用者を判別する蓋然性を向上させることができる。よって、管理区域内における利用者3の位置の推定精度を向上させることが可能となる。
【0063】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0064】
上述した実施形態において、情報処理装置30は、端末装置10から受信した活動量の情報と、器具20から受信した器具20の使用状態の情報とに基づいて使用者を判別した。しかし、情報処理装置30は、活動量の情報に加え、端末装置10により計測される心拍数等の生体情報に基づいて、器具20を使用した利用者を判定してもよい。例えば、利用者3がトレッドミル20Aを使用してランニングを行った場合、活動量の増加に加え、心拍数が上昇する。このため、情報処理装置30は、端末装置10から受信した複数の情報(例えば、活動量及び心拍数)と、器具20から受信した情報とを比較すれば、器具20を使用した利用者を推定する技術の精度が向上する。
【0065】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0066】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 システム
2 ネットワーク
3 利用者
4 管理区域
5 仮眠スペース
10 端末装置
10A スマートウォッチ
10B スマートフォン
11 通信部
12 記憶部
13 測位部
14 計測部
15 制御部
20 器具
20A トレッドミル
20B 仮眠ベッド
20B―1 睡眠計
21 通信部
22 記憶部
23 計測部
24 制御部
30 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 カメラ
41 通信部
42 記憶部
43 撮影部
44 制御部
50 ゲート
51 通信部
52 記憶部
53 開閉部
54 制御部
図1
図2
図3
図4