(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172590
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】筒状ラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20241205BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G09F3/02 M
G09F3/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090409
(22)【出願日】2023-05-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ピナクル
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】庵下 展義
(57)【要約】
【課題】排気口の形成時に異物を排出する可能性の低い筒状ラベルであって、効率的な排気ができる筒状ラベルを提供する。
【解決手段】長尺の筒状ラベル(100)であって、排気口を形成し得る切り込み線(10)を有しており、筒状ラベル(100)が扁平に折り畳まれた状態において、切り込み線(10)は、第1端部(11)および第2端部(12)よりも、筒状ラベル(100)の幅方向に突出する突出部(13)を有している
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の筒状ラベルであって、
排気口を形成し得る切り込み線を有しており、
前記筒状ラベルが扁平に折り畳まれた状態において、前記切り込み線は、
第1端部および第2端部と、
前記第1端部および前記第2端部の間に位置し、前記第1端部および前記第2端部よりも、前記筒状ラベルの幅方向に突出する突出部を有している、筒状ラベル。
【請求項2】
前記筒状ラベルが扁平に折り畳まれた状態において、前記長尺の筒状ラベルの長軸に平行な仮想線を基準線とし、
前記基準線と前記切り込み線との交点における前記切り込み線の接線と前記基準線とがなす角度のうち、前記第1端部および前記第2端部の間の領域側に開く角度は、90°以下である、請求項1に記載の筒状ラベル。
【請求項3】
前記切り込み線は、前記筒状ラベルの幅方向における中央部および前記筒状ラベルの2つの外縁部以外の領域に形成され、
前記突出部は、前記筒状ラベルの2つの外縁のうち、当該突出部に近い方の外縁側に突出している、請求項1に記載の筒状ラベル。
【請求項4】
前記突出部は、前記筒状ラベルの外縁に向かって凸となる湾曲形状を有している、請求項1に記載の筒状ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筒状ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、熱収縮させて容器の胴部に密着させる筒状ラベルを接続する装置であって、筒状ラベル内部からの排気が可能な線状の切り込みを形成する開口形成手段を備える装置が知られている。
【0003】
筒状ラベルの排気口を形成する別の手法として、筒状ラベルの内部の空気を効率的に排気できる排気口を形成するために、パンチ穴などの抜き型を用いて排気口を形成することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、抜き型によって排気口を形成した場合、抜き取られたラベルの一部は異物としてラベルに付着するリスクがあるため、吸引機等を用いて確実に取り除く必要があった。
【0006】
本開示は、排気口の形成時に異物が排出される可能性を低減しつつ、効率的な排気ができる長尺の筒状ラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る筒状ラベルは、長尺の筒状ラベルであって、排気口を形成し得る切り込み線を有しており、前記筒状ラベルが扁平に折り畳まれた状態において、前記切り込み線は、第1端部および第2端部と、前記第1端部および前記第2端部の間に位置し、前記第1端部および前記第2端部よりも、前記筒状ラベルの幅方向に突出する突出部を有している。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、排気口の形成時に異物が排出される可能性を低減しつつ、効率的な排気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態1に係る筒状ラベルの平面図である。
【
図2】筒状ラベルを容器に装着するラベル装着装置を示す概略図である。
【
図3】
図2における折り返し部周辺の拡大図である。
【
図4】切り込み線の端部の位置が異なる実施形態に係る筒状ラベルの平面図である。
【
図5】比較例としての切り込み線の一例を示す平面図である。
【
図6】
図5に示す切り込み線を有する筒状ラベルの形状変化を示す図である。
【
図7】実施形態1に係る筒状ラベルが有する切り込み線の別の例を示す平面図である。
【
図8】切り込み線の形状を説明するための平面図である。
【
図9】実施形態2に係る筒状ラベルの平面図である。
【
図10】実施形態3に係る筒状ラベルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、
図1~3を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、図面には互いに直行するX軸およびY軸の座標軸を示している。この座標軸において、筒状ラベル100の長尺方向をY軸方向とし、Y軸に直行する方向をX軸方向(幅方向)とする。筒状ラベル100は、例えばPETボトルなどの飲料容器に備え付けられるラベル、または食品、医薬品、日用品等の容器やケースに装着されるラベルであり、シュリンクラベル(熱収縮性ラベル)であってもよく、筒状のラベルであればよい。以下の説明では、PETボトルなどの容器に嵌装し加熱収縮して装着するシュリンクラベルを例示して説明する。
【0011】
〔筒状ラベル100の概略構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る筒状ラベル100を示す平面図である。筒状ラベル100の長尺方向の端部は省略している。
図2は、筒状ラベル100を搬送するラベル装着装置900の概略図である。
【0012】
図1に示す通り、筒状ラベル100は長尺のラベルであり、筒状ラベル100は、中央部25と、外縁部26と、切り込み線10とを有している。中央部25は、扁平の筒状ラベル100の幅方向における、長尺方向に沿った中央近傍の領域である。外縁部26は、扁平の筒状ラベル100の幅方向における、長尺方向に沿った両縁部の領域である。
【0013】
切り込み線10は、排気口を形成し得る切り込み線である。切り込み線10は、第1端部11と、第2端部12と、突出部13とを有している。突出部13は、第1端部11および第2端部12の間に位置し、筒状ラベル100が扁平に折り畳まれた状態において、第1端部11および第2端部12よりも、筒状ラベル100の幅方向に突出する。
【0014】
切り込み線10は、カッターなどの刃物を用いて切ることで形成されていてもよく、所望の形状のトムソン刃やピナクル刃等の刃物を用いて形成されていてもよい。従来、排気口として用いられるパンチ穴の形成は、環状の刃を有する抜き型を押し込むようにして形成される。そのようにして、切り込み線10と同じ形状の刃物を用意し、刃物を筒状ラベル100に押し込むことで切り込み線10を形成してもよい。筒状ラベル100は通常、扁平の状態で取り扱われるため、
図1に示されている筒状ラベル100の表側の面の奥にある裏側の面にも形成されうる。
【0015】
切り込み線10は、
図1において弧を描くように形成されているが、角を有する形に形成されていてもよい。角は丸みを帯びた形状に加工をされているのが好ましい。
【0016】
図2に示す通り、筒状ラベル100は、通常、数千枚から数万枚の、装着対象の商品1個分の筒状ラベルが長尺方向に繋がった状態で、扁平に折り畳まれ、紙管等のコアの周囲にロール状に巻き取られた状態で取り扱われる。装着対象の商品1個分の筒状ラベルを個別ラベル101と称する。ロール状に巻き取られた状態の筒状ラベル100を以下、ロールと称する。筒状ラベル100は、例えばデザインおよび商品表示が印刷された帯状のフィルムを、フィルムの幅方向が周方向となるように筒状に形成し、かつこのフィルムの幅における縁同士を接合(センターシール)することにより形成することができる。こうして形成された筒状ラベル100は、装着する容器の大きさ、および寸法により適宜設計されるが、実施形態の切り込み線を設けるに適した寸法としては、扁平に折り畳まれた状態において幅60mm~150mmが好ましく、例えば112mmである。また、ロールの状態において、その長尺方向の個別ラベル101の長さは、100m~500mが好ましい。
【0017】
筒状ラベル100は、合成樹脂フィルムによって形成されていてよく、例えば、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリスチレン系樹脂(スチレン・ブタジエン共重合体等)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を主に幅方向に延伸して形成された熱収縮性フィルムを採用することができる。さらに、1種、または2種以上の層によって形成される複層フィルムでもよい。複層フィルムとしては、例えば、ポリエステル系樹脂の層と、ポリスチレン系樹脂の層とが積層されたフィルムを用いることができる。
【0018】
筒状ラベル100の幅方向における熱収縮率は、特に限定されないが、例えば、90℃の熱水に10秒浸漬したときの熱収縮率は40%以上であり、好ましくは50%以上である。幅方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、通常、85%以下である。
【0019】
筒状ラベル100の長尺方向における熱収縮率は、特に限定されないが、例えば、90℃の熱水に10秒浸漬したときの熱収縮率は-5%以上15%以下であり、好ましくは-1%以上10%以下である。マイナスの値は熱によって伸長したことを示している。また、筒状ラベル100には、PETボトルから筒状ラベルを除去してリサイクルし易くするため切り取り用のミシン目が施されていてもよい。
【0020】
〔ラベル装着方法〕
図2に示すラベル装着装置900は、筒状ラベル100を送り出す複数のローラー901と、折り返し部800とを備えている。ラベル装着装置900は、長尺方向に繋がった筒状ラベル100を個別ラベル101に切断し、容器102に個別ラベル101を装着させることができる。容器102に取り付けられる前工程で、筒状ラベル100は立体的に折り返され、個別ラベル101毎に切断される。その後、個別ラベル101は容器102に取り付けられる。
【0021】
筒状ラベル100を矢印A方向へ送る過程で、筒状ラベル100の中にごくわずかに入っている空気がローラーの手前(領域Rなど)で筒状ラベル100の内部に溜まり、筒状ラベル100が膨らむことがある。膨らみが大きくなると、膨らんだ部分にいわゆるバタツキが発生し、筒状ラベル100を高速かつ安定的に搬送することが困難となる。そのため、筒状ラベル100には空気を排気するための排気口を形成するために、切り込み線10が形成されている。筒状ラベル100の内部に溜まった空気は、切り込み線10に沿って筒状ラベル100の表面の一部が開口することにより外部に逃がされる。
【0022】
図3は、
図2に示す折り返し部800の拡大図である。折り返し部800は、扁平状態の筒状ラベル100を折り返すことにより開口させ、容器102に装着しやすくする目的で設けられている。折り返し部800は、第1ピンチロール801と、第2ピンチロール802と、テトラガイド(不図示)を備える。筒状ラベル100は、第1ピンチロール801にガイドされ、筒状ラベル100の内部に位置するテトラガイドに対して摺動することで拡げられ、その後、第2ピンチロール802によって折り返しされる。このとき、筒状ラベル100は中央部25を新たに外縁部とするよう折り返される。外縁部26は、折り返し工程後に中央部となるよう折り返される。折り返し工程の前後による中央部25と外縁部26との混同を避けるため、本開示においては、折り返し工程前の状態について説明する。
【0023】
中央部25の幅は、ラベル装着装置900および折り返し部800によって適宜決定されるが、例えば20mm~30mmである。外縁部26の幅は、ラベル装着装置900および折り返し部800によって適宜決定されるが、例えば10mm~15mmである。折り返しによりセンターシールが剥がれる事を避けるため、センターシールは、折り返しの前後において折り位置にならない位置に配置される。
【0024】
〔切り込み線10の詳細〕
図1に示すように、切り込み線10の2つの端部を第1端部11および第2端部12とする。すなわち、筒状ラベル100の内部の空気を外部に逃がすための排気口は、筒状ラベル100の一部を抜き取られることで形成されるのではなく、第1端部11および第2端部12を有する切り込み線10により形成される。そのため、当該排気口の形成により異物が発生する可能性を低減できる。
【0025】
切り込み線10は、筒状ラベル100の幅方向に突出するように形成されている。このように突出した部分を突出部13と称する。突出部13は、第1端部11および第2端部12の間に位置し、第1端部11および第2端部12よりも、筒状ラベル100の幅方向に突出するように形成されている。
【0026】
筒状ラベル100の内部に空気が溜まり、筒状ラベル100が膨れると、突出部13は筒状ラベル100の他の部分から乖離し、排気口が形成される。従って当該排気口から空気を効率的に排出することができる。
【0027】
長尺の筒状ラベル100は、扁平に折り畳まれた状態において長軸を有している。本明細書では、
図1に示すように、筒状ラベル100が扁平に折り畳まれた状態において、幅方向の中央に位置する仮想的な長軸を軸20として示している。軸20は、
図1においてはY軸と平行である。軸20に平行であり、第1端部11を通る仮想線を基準線21とし、第1端部11における切り込み線10の接線を第1接線22とする。基準線21と、第1接線22とがなす角度のうち、第1端部11および第2端部12の間の領域側に開く角度θ
1は、90°以下であることが好ましい。または、基準線21に垂直な仮想線のうち、第1端部11を通る仮想線を第1垂線23とし、第2端部12を通る仮想線を第2垂線24とし、突出部13の全体は、第1垂線23と第2垂線24との間の領域に位置していると解してもよい。
【0028】
図1に示す例では、第1端部11および第2端部12は、同一の基準線21上に位置している。第2端部12における切り込み線10の接線を第2接線27とし、基準線21と、第2接線27とがなす角度のうち、第1端部11および第2端部12の間の領域側に開く角度をθ
2とする。θ
2は、θ
1と同一の角度である。
【0029】
図4に示すように、第1端部11と第2端部12とが同一の仮想線上になくてもよい。この場合、筒状ラベル100の長尺方向の軸20に平行であり、第2端部12を通る仮想線を基準線28とする。基準線28と第2接線27とがなす角度のうち、第1端部11および第2端部12の間の領域側に開く角度θ
3は、θ
1と異なる。この場合も、θ
3はθ
1と同様に90°以下であることが好ましい。
【0030】
上述の条件が好ましいことを説明するため、
図5および
図6に、上述の条件を満たしていない比較例としての筒状ラベル200および、
図7に実施例としての筒状ラベル201を示す。
図5に示す筒状ラベル200では、基準線21と第1接線222とのなす角度θは90°よりも大きく、基準線21と第1接線227とのなす角度θは90°よりも大きい。切り込み線210の一部は、第1垂線223と第2垂線224との間の領域からはみ出している。
【0031】
このような筒状ラベル200がラベル装着装置900によって長尺方向に搬送されるとき、切り込み線210が形成された筒状ラベル200の一部がラベル装着装置900と干渉し、
図6に示すようにまくれあがる事が考えられる。まくれあがった部分がラベル装着装置900の部品と引っ掛かり、破れてしまうことも考えられる。完全に破れてしまった場合は、この筒状ラベル200の一部が異物となってしまう。まくれあがらずとも、開口した部分が進行方向に引っ掛かり破れてしまうこと、または引っ掛かりにより変形し、排気口の形成が不十分になってしまうなども考えられる。このように、搬送中のトラブルを予防するために、上述の条件は好適である。
【0032】
図7に、本実施形態の別の例として、切り込み線230を有する示す筒状ラベル201を示す。長尺方向の軸20に平行な仮想線を基準線21Aとし、基準線21Aと第1接線231とのなす角度のうち、第1端部211および第2端部212の間の領域側に開く角度を角度θ
Aとする。切り込み線230では、第1端部211の近傍では角度θ
A(角度θ
A1とする)が90°以下であるが、基準線21Aが筒状ラベル100の幅方向に移動すると、筒状ラベル100の長尺方向に突出する部分が存在することにより角度θ
Aが90°よりも大きくなる(このときの角度θ
Aを角度θ
A2とする)。
【0033】
このような切り込み線230を有する示す筒状ラベル201は、排気口の形成時に異物が排出される可能性を低減しつつ、効率的な排気ができるという効果を奏するものであるが、
図6に示したようなまくれあがりが発生する可能性がある。そのため、上述の条件をより好ましい表現にすると次のようになる。すなわち、
図8に示すように、長尺の筒状ラベル100の軸20に平行な仮想線を基準線21Aとし、基準線21Aと切り込み線10との交点における切り込み線10の接線22Aと基準線21Aとがなす角度のうち、第1端部211および第2端部212の間の領域側に開く角度θ
Aは、基準線21Aの位置に関わらず、いずれも90°以下である。
【0034】
切り込み線10は、中央部25および2つの外縁部26以外の領域に形成され、突出部13は、筒状ラベル100の2つの外縁のうち、突出部13に近い方の外縁側に突出していてもよい。筒状ラベル100を搬送するとき、中央部25および外縁部26は、中央部25および外縁部26以外の領域と比較して、ラベル装着装置900の有する部材と多く接触する。切り込み線10を中央部25および2つの外縁部26以外の領域に形成することにより、切り込み線10がラベル装着装置900と接触する可能性を低減できる。また、突出部13を、筒状ラベル100の2つの外縁のうち、突出部13に近い方の外縁側に突出する形状とすることで、筒状ラベルの内部に溜まった空気により筒状ラベルが膨れたときに、突出部13が筒状ラベル100の他の部分から乖離する距離が大きくなり、排気口の開口面積を大きくすることができる。
【0035】
また、切り込み線10は、センターシールと重複しないように形成されるのが好ましい。例えば、センターシールが中央部25の近傍に位置するとき、切り込み線10は外縁部26の近傍に配置されてよい。
【0036】
筒状ラベル100は、前記のロール状に巻き取られる際に、複数の長尺の筒状ラベル100を連結して巻き取られることがあり、この連結にアルミニウム箔からなる粘着テープ(アルミテープ)を用いてもよい。アルミテープの幅は、20~50mm程度で、扁平に折り畳んだ長尺の筒状ラベルの連結部の両面又は全周に亘って貼り付けてよい。切り込み線10は、前記アルミテープが位置する部分に対して形成されていてもよい。このとき、接続位置を含む部分の長尺方向長さは、個別ラベル101と同じ長さになるように調整して接続することが好ましい。このように、連結部と、アルミテープと、切り込み線10とを1つの個別ラベル101の1つ分の長さの範囲内に集約することで、下流工程において個別ラベル101の送り寸法を変えることなく稼働させながら切断し、アルミテープを貼り付けた個別ラベルを除去することができる。
【0037】
なお、可能な限り個別ラベル101の破棄を減らすことが好ましいため、切り込み線10は、1ロールあたり3つ~5つが好ましい。
【0038】
また、アルミテープが位置する部分に切り込み線10を形成することにより、アルミテープによって切り込み線10が補強され。切り込み線10からラベルの一部が破断することを防止することができる。
【0039】
さらに、アルミテープを張付けられた筒状ラベル100は、金属検知器などによって検知することが可能となる。個別ラベル101は食品の包装や容器の景品表示のために用いられるため、切り込み線10が形成された個別ラベル101は、製品として用いるには不適である。従って、アルミテープに重複するよう切り込み線10を形成することで、筒状ラベル100の除去を容易かつ確実に行うことができる。なお、アルミテープに替えて、セロファンやプラスチックフィルム製の着色テープを使用し、色差を検知して除去するようにしてもよい。
【0040】
さらに、突出部13は、筒状ラベル100の外縁に向かって凸となる湾曲形状を有していてもよい。ラベル装着装置900が備える部材との接触による引っ掛かりおよび、めくれあがりは、突出部13のうち角張っている部分において生じやすい。
【0041】
切り込み線10を湾曲形状とすることにより、排気口の開閉がスムーズになるとともに、突出部13の引っ掛かりおよび不要なめくれあがりを低減できる。
【0042】
なお、
図1および
図2において、切り込み線10は、構成を明確にするために、筒状ラベル100の大きさと比較して、あえて拡大して図示した。例えば、好ましい寸法は、筒状ラベル100の幅が112mmであった場合、同一の基準線21上に位置する第1端部11から第2端部12までの距離が5mm~15mm程度であり、突出部13の幅方向寸法が3~10mm程度である。
【0043】
切り込み線10の数、大きさ、および位置は必要に応じて設定されてよい。例えば形成する切り込み線10に対して筒状ラベル100の幅が小さく、
図1のように幅方向に切り込み線10を複数並べることができない場合、切り込み線10は1つでもよい。さらに、排気量を増加させるため、切り込み線10は長尺方向に複数並べるように形成されていてもよい。
【0044】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
図9は、本実施形態に係る筒状ラベル100Aの平面図である。筒状ラベル100Aは、切り込み線10Aを有している。切り込み線10Aは、第1端部11Aを有する第1線分14と、第2端部12Aを有する第2線分15とが1点で角度をなして連結した折れ線形状を有している。これら2つの線分がなす突出形状を突出部13Aと称する。突出部13Aは、筒状ラベル100Aが扁平に折り畳まれた状態において幅方向に突出している。
図9に示す例では、第1端部11Aおよび第2端部12Aは、共通の基準線21上に位置している。第1端部11Aおよび第2端部12Aは、
図4に示す例と同様に、異なる基準線上にそれぞれ位置していてもよい。
【0046】
第1線分14と基準線21とがなす角度のうち、第1端部11Aおよび第2端部12Aの間の領域側に開く角度θ5は、90°以下(好ましくは60°以下、例えば30°~60°)である。第2線分15と基準線21とがなす角度のうち、第1端部11Aおよび第2端部12Aの間の領域側に開く角度θ6は、90°以下(好ましくは60°以下、例えば30°~60°)である。
【0047】
切り込み線10Aは、筒状ラベル100Aの幅方向における中央部25および2つの外縁部26以外の領域に形成され、突出部13Aは、2つの外縁部26のうち、近い方の外縁側に突出している。突出部13Aの先端部は、丸みを帯びていてもよい。
【0048】
〔実施形態3〕
図10は、本実施形態に係る筒状ラベル100Bの平面図である。筒状ラベル100Bは、切り込み線10Bを有している。切り込み線10Bは、第1端部11Bと、第2端部12Bと、突出部13Bを有している。第1端部11Bおよび第2端部12Bは、共通の基準線21上に位置している。第1端部11Aおよび第2端部12Aは、
図4に示す例と同様に、異なる基準線上にそれぞれ位置していてもよい。
【0049】
突出部13Bは、第1端部11Bを有する第1線分16と、第2端部12Bを有する第2線分17と、長尺方向に平行な第3線分18とを有している。第3線分18は、第1線分の第1端部11Bとは反対側の端部と、第2線分の第2端部12Bとは反対側の端部とを繋いでいる。第3線分18と第1線分16とが交わる部分(角部)および、第3線分18と第2線分17とが交わる部分(角部)は、丸みを帯びていてもよい。突出部13Bは、筒状ラベル100Bが扁平に折り畳まれた状態において幅方向に突出している。
【0050】
第1線分16と基準線21とがなす角度のうち、第1端部11Bおよび第2端部12Bの間の領域側に開く角度θ7は、90°以下(好ましくは90°未満、例えば40°~80°)である。第2線分17と基準線21とがなす角度のうち、第1端部11Bおよび第2端部12Bの間の領域側に開く角度θ8は、90°以下(好ましくは90°未満、例えば40°~80°)である。
【0051】
切り込み線10Bは、筒状ラベル100Bの幅方向における中央部25および2つの外縁部26以外の領域に形成され、突出部13Bは、2つの外縁部26のうち、近い方の外縁側に突出している。
【0052】
第3線分18は、長尺方向に対して平行である。この構成により、切り込み線10Bは、排気量を維持しつつ、幅方向に突出する長さを短くすることが可能となる。従って、筒状ラベル100Bの幅が狭い場合に好適である。さらに、切り込み線10Bは、θ7およびθ8がそれぞれ90°以下であり、かつ突出部13Bが角部を有していないため、引っ掛かりおよび、めくれあがりの発生を低減することができる。
【0053】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0054】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る筒状ラベルは、長尺の筒状ラベルであって、排気口を形成し得る切り込み線を有しており、前記筒状ラベルが扁平に折り畳まれた状態において、前記切り込み線は、第1端部および第2端部と、前記第1端部および前記第2端部の間に位置し、前記第1端部および前記第2端部よりも、前記筒状ラベルの幅方向に突出する突出部を有している。
【0055】
本開示の態様2に係る筒状ラベルは、態様1において、前記筒状ラベルが扁平に折り畳まれた状態において、前記長尺の筒状ラベルの長軸に平行な仮想線を基準線とし、前記基準線と前記切り込み線との交点における前記切り込み線の接線と前記基準線とがなす角度のうち、前記第1端部および前記第2端部の間の領域側に開く角度は、90°以下である。
【0056】
本開示の態様3に係る筒状ラベルは、態様1および2において、前記切り込み線は、前記筒状ラベルの幅方向における中央部以外および、前記筒状ラベルの2つの外縁部以外の領域に形成され、前記突出部は、前記筒状ラベルの2つの外縁のうち、当該突出部に近い方の外縁側に突出している。
【0057】
本開示の態様4に係る筒状ラベルは、態様1から3の何れか1つにおいて、前記突出部は、前記筒状ラベルの外縁に向かって凸となる湾曲形状を有している。
【符号の説明】
【0058】
10、10A、10B 切り込み線
11、11A、11B 第1端部
12、12A、12B 第2端部
13、13A、13B 突出部
21 基準線
21A 基準線
22 第1接線
22A 接線
23 第1垂線
24 第2垂線
25 中央部
26 外縁部
27 第2接線
100 筒状ラベル
100A 筒状ラベル
100B 筒状ラベル
201筒状ラベル