IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立工機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電気機器 図1
  • 特開-電気機器 図2
  • 特開-電気機器 図3
  • 特開-電気機器 図4
  • 特開-電気機器 図5
  • 特開-電気機器 図6
  • 特開-電気機器 図7
  • 特開-電気機器 図8
  • 特開-電気機器 図9
  • 特開-電気機器 図10
  • 特開-電気機器 図11
  • 特開-電気機器 図12
  • 特開-電気機器 図13
  • 特開-電気機器 図14
  • 特開-電気機器 図15
  • 特開-電気機器 図16
  • 特開-電気機器 図17
  • 特開-電気機器 図18
  • 特開-電気機器 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172591
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/00 20060101AFI20241205BHJP
   B25F 5/02 20060101ALI20241205BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20241205BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F04B41/00 D
B25F5/02
B25F5/00 H
F25D11/00 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090410
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】圷 康輔
(72)【発明者】
【氏名】横田 伴義
(72)【発明者】
【氏名】野田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】百鳥 大輔
(72)【発明者】
【氏名】仲野 領祐
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智之
【テーマコード(参考)】
3C064
3H076
3L045
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA04
3C064AA06
3C064AA07
3C064AA08
3C064AA20
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA23
3C064BB71
3C064BB81
3C064BB89
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA53
3C064CB17
3C064CB62
3C064CB71
3C064CB76
3C064CB81
3C064CB86
3C064CB95
3C064EA04
3H076AA03
3H076AA33
3H076AA35
3H076BB50
3H076CC07
3L045AA04
3L045BA01
3L045DA02
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】紛失防止に適した電気機器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る空気圧縮機AC1は、駆動源の一例であるモータと、駆動源の駆動力を受けて作動する作動部の一例である気体圧縮機構と、駆動源に固定されるハウジング40と、自身の所在地を特定するための電波を発信する外部機器の一例である紛失防止用デバイス43が収容される収容室の一例である紛失防止用収容室48を、ハウジング40との間に形成する蓋部の一例であるフィルタカバー47と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、
前記駆動源の駆動力を受けて作動する作動部と、
前記駆動源に固定されるハウジングと、
自身の所在地を特定するための電波を発信する外部機器が収容される収容室を前記ハウジングとの間に形成する蓋部と、
を有する、
電気機器。
【請求項2】
前記蓋部は、前記ハウジングを前記駆動源から取り外すことなく、前記収容室を開閉可能に構成される、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記蓋部を前記ハウジングに固定する固定部材を有する、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項4】
前記収容室は、前記作動部の作動に伴い劣化し作業者によって取り外される交換部材が、前記外部機器とともに収容可能となるように形成される、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項5】
前記蓋部は、前記交換部材の部材名を表示する表示部を有する、
請求項4に記載の電気機器。
【請求項6】
前記交換部材は、弾性を有するフィルタである、
請求項4に記載の電気機器。
【請求項7】
前記収容室は、前記ハウジングの外内方向に沿った第1方向の一方側に窪んだ形状を有し、前記外部機器と前記交換部材とが前記第1方向に重ねて収容されるように構成され、
前記蓋部は、前記ハウジングに固定されると、前記外部機器と前記交換部材とを前記第1方向に押し付けるように構成される、
請求項4に記載の電気機器。
【請求項8】
前記収容室は、前記外部機器が前記交換部材よりも前記第1方向の一方側に位置することができるように構成される、
請求項7に記載の電気機器。
【請求項9】
前記ハウジングは、振動低減部を介して前記作動部と接続される、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項10】
電源部として前記ハウジングに着脱可能なバッテリパックを含む、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項11】
前記駆動源としてのモータと、前記作動部としての気体圧縮部と、を有する気体圧縮機として機能する、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項12】
前記駆動源としてのモータと、先端工具へ駆動力を伝達する前記作動部としての動力伝達部と、を有する電動工具として機能する、
請求項1に記載の電気機器。
【請求項13】
前記駆動源としてのモータと、前記作動部としての冷却機構と、を有する冷蔵庫として機能する、
請求項1に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力によって作動する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電源から供給される電力によって駆動源を駆動し、その駆動力によって作動部を作動させる電気機器が知られている。このような電気機器としては、例えば、気体圧縮機、電動ドライバ、冷温庫などが知られている。これらの電気機器は、例えば、工事現場などで使用される。特許文献1には、気体圧縮機の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-119300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力によって駆動源を駆動し、その駆動力によって作動部を作動させる電気機器は、比較的高価であることが多い。また、このような電気機器の小型化、軽量化が進んでおり、特に、持ち運びが容易な電気機器が数多く提供されている。一方、持ち運びが容易な電気機器は、紛失したり盗難被害に合ったりして、所在が分からなくなることがある。
【0005】
本発明の目的は、紛失防止に適した電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る電気機器は、駆動源と、前記駆動源の駆動力を受けて作動する作動部と、前記駆動源に固定されるハウジングと、自身の所在地を特定するための電波を発信する外部機器が収容される収容室を前記ハウジングとの間に形成する蓋部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、紛失防止に適した電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る空気圧縮機の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る空気圧縮機の背面図である。
図3】第1実施形態に係る空気圧縮機の側面図である。
図4】第1実施形態に係る空気圧縮機の横断面図である。
図5】第1実施形態に係る空気圧縮機の縦断面図である。
図6】第1実施形態に係る空気圧縮機の縦断面図である。
図7】第1実施形態に係る空気圧縮機の上面における奥側中央部の構成を示す図である。
図8】第1実施形態に係る空気圧縮機の上面図である。
図9】第1実施形態に係る空気圧縮機の上面図である。
図10】第1実施形態に係る空気圧縮機の上面図である。
図11】第1実施形態に係る空気圧縮機の上面図である。
図12】第1実施形態に係る空気圧縮機の上面における奥側中央部の断面図である。
図13】第2実施形態に係る電動ドライバの外観図である。
図14】第2実施形態に係る電動ドライバの側面から見た場合の構造図である。
図15】第2実施形態に係る電動ドライバの背面斜視図である。
図16】第2実施形態に係る電動ドライバの底面斜視図である。
図17】第3実施形態に係る冷温庫の外観図である。
図18】第3実施形態に係る冷温庫のバッテリパック挿入口を示す図である。
図19】第3実施形態に係る冷温庫の側面から見た場合の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施形態を説明するために参照する全ての図面において、同一又は実質的に同一の構成や要素には同一の符号を用いる。また、一度説明した構成や要素については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0010】
<空気圧縮機の概要>
本実施形態に係る電気機器は、空気を圧縮して貯留する可搬型の空気圧縮機である。当該空気圧縮機は、外部機器としての紛失防止用デバイスの収容に適した構造を備えている。図1は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の背面図である。図3は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の側面図である。なお、空気圧縮機AC1は、空気と異なる気体を圧縮することも可能であるため、気体圧縮機と呼ぶこともできる。
【0011】
空気圧縮機AC1の用途は特に限定されない。空気圧縮機AC1は、例えば、工事現場あるいは建築現場に持ち込まれ、圧縮空気の供給源として使用される。より特定的には、空気圧縮機AC1は、設置面Gに設置された状態で運転され、釘打機など空気工具に圧縮空気を供給する供給源として使用される。
【0012】
空気圧縮機AC1は、ハウジング40を備えている。ハウジング40の左右両側にはハンドル2が設けられている。作業者は、ハンドル2を把持して空気圧縮機AC1を運搬することができる。
【0013】
図1に示されるように、空気圧縮機AC1の正面には複数のカプラ5が設けられている。これらカプラ5に、圧縮空気を動力として作動する釘打機などの空気工具すなわちエアーツールが接続される。
【0014】
カプラ5の上方に、ダイヤル式の調圧弁6が設けられている。調圧弁6を操作することにより、カプラ5から出力される圧縮空気の圧力を調節することができる。カプラ5の下方に、2つの空圧機器接続部7が設けられている。これら空圧機器接続部7には、他の空気圧縮機を接続することができる。また、調圧弁6の上方に、操作パネル8が設けられている。
【0015】
<圧縮部>
図4は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の横断面図である。図4は、図3のC-C断面を示している。空気圧縮機AC1は、周囲の空気を取り込み、取り込んだ空気を圧縮する、気体圧縮部としての圧縮部20を備えている。
【0016】
圧縮部20において圧縮された空気すなわち圧縮空気は、圧縮部20から流出して第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14に流入する。別の見方をすると、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、圧縮部20で生成された圧縮空気を貯留する。
【0017】
圧縮部20は、空気圧縮機AC1の四隅に配置されている第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の内側に配置され、これら4本の空気タンク11,12,13,14に囲まれている。
【0018】
圧縮部20は、駆動源としてのモータ21と、モータ21の駆動力により作動する作動部としての2つの圧縮機構22,23と、ファン24と、を備えている。圧縮部20は、2つの圧縮機構22,23によって、空気を2段階で圧縮する。より特定的には、圧縮部20は、吸気口51(図7)から取り込んだ周囲の空気を圧縮機構22で圧縮し、圧縮機構22によって圧縮された空気を圧縮機構23によってさらに圧縮する。
【0019】
図5は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の縦断面図である。図5は、図2のA-A断面を示している。図5に示されるように、モータ21は、扁平なブラシレスモータであって、駆動軸25を備えている。図4に示されるように、駆動軸25には、圧縮機構22が備えるピストン22a及び圧縮機構23が備えるピストン23aが連結されている。
【0020】
モータ21に電力が供給され、駆動軸25が回転すると、圧縮機構22が備えるピストン22a及び圧縮機構23が備えるピストン23aがシリンダ内で往復動し、シリンダ内の空気が圧縮される。つまり、圧縮機構22及び圧縮機構23は、モータ21によって駆動されて圧縮空気を生成する。
【0021】
圧縮機構22及び圧縮機構23によって生成された圧縮空気は、図4に示されている第2空気タンク12に流入し、その後、第1空気タンク11および第3空気タンク13に流入し、最後に第4空気タンク14に流入する。
【0022】
第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、互いに連通している。よって、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の内圧は同圧に保持される。このようにして、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14に、同じ圧力の圧縮空気が貯留される。
【0023】
なお、圧縮機構23と第2空気タンク12とは、可撓性を備えたフレキシブルパイプアルミニウム製の配管によって接続されている。また、第1空気タンク11と調圧弁6とは、アルミニウム製の配管によって接続されている。さらに、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、アルミニウム製の配管によって互いに接続されている。なお、これらの配管を、可撓性を有する樹脂製としてもよく、この場合、振動や衝撃などによる第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13,第4空気タンク14の相対移動が許容される。この結果、配管や接続部の変形や破損が防止される。
【0024】
図4図5に示されるように、圧縮部20が備えるファン24は、モータ21の駆動軸25の上に設けられた軸流ファンである。ファン24は、モータ21に電力が供給され、駆動軸25が回転すると、駆動軸25と一体的に回転する。
【0025】
ファン24が回転すると、空気圧縮機AC1の背面に設けられている吸気口15(図2)から空気圧縮機AC1の内部に空気が吸い込まれる。空気圧縮機AC1の内部に吸い込まれた空気は、空気圧縮機AC1の各部から熱を奪った後、空気圧縮機AC1の外部に排出される。つまり、ファン24は、モータ21によって駆動されて冷却風を生成する。
【0026】
冷却風は、空気圧縮機AC1の両側面に設けられている排気口16(図3)から空気圧縮機AC1の外に流出する。なお、図示されていない空気圧縮機AC1の左側面にも、図3に示されている排気口16と同様の排気口16が設けられている。
【0027】
<コントローラ>
図6は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の縦断面図である。図6は、図3のB-B断面を示している。図6に示されるように、空気圧縮機AC1は、コントローラ30を備えている。コントローラ30は、交流電源と直流電源との一方または双方に接続され、モータ21に電力を供給する。より特定的には、コントローラ30は、電源プラグを介して交流電源と接続され、モータ21に電力を供給する。また、コントローラ30は、空気圧縮機AC1に装着されたバッテリパック32と接続され、モータ21に電力を供給する。別の見方をすると、モータ21は、交流電源と直流電源との一方または双方から電力の供給を受けることができる。
【0028】
コントローラ30は、バッテリパック32とモータ21とを接続する第1の給電路が設けられた第1基板を含む第1コントローラ30Aと、交流電源とモータ21とを接続する第2の給電路が設けられた第2基板を含む第2コントローラ30Bと、から構成される。
【0029】
別の見方をすると、空気圧縮機AC1では、モータ21に電力を供給するための給電路が複数の基板に分散されている。さらに別の見方をすると、空気圧縮機AC1では、モータ21に電力を供給するための給電路が複数のコントローラに分散されている。したがって、第1基板や第2基板は、モータ21に電力を供給したり、モータ21を制御したりするために必要な要素の全てを搭載可能な1枚の基板に比べて小さく、形状や配置に関する制約も少なく、発熱する部品を冷却効率の高い場所に配置してより効果的に冷却することができる。
【0030】
なお、図5図6に示されるように、圧縮部20およびモータ21は、振動低減部材であるゴム部材41を介してハウジング40と接続されている。このような構造により、モータ21の駆動あるいは圧縮部20の作動によって生じる振動が、ハウジング40に伝達され難くなっている。
【0031】
<紛失防止用デバイス収容室>
空気圧縮機AC1は、紛失防止用デバイス収容室を備えている。紛失防止用デバイス収容室について、図を参照しながら説明する。
【0032】
図7は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の上面における奥側中央部の構成を示す図である。図7に示されるように、空気圧縮機AC1の上面における奥側中央部100は、樹脂カバー42、フィルタ46、およびフィルタカバー47を備えている。紛失防止用デバイス43を収容する紛失防止用デバイス収容室48は、ハウジング40の一部である樹脂カバー42と、蓋部であるフィルタカバー47とにより構成される。
【0033】
樹脂カバー42は、奥側中央部100において最下層に位置する。樹脂カバー42の左側には、フィルタ収容凹部45が形成されている。フィルタ収容凹部45は、ハウジング40の外内方向に沿った第1方向Zの一方側である内部方向側に窪んだ形状を有している。フィルタ収容凹部45の内部領域は、略平たい直方体形状を有している。フィルタ収容凹部45の底面には、吸気口51が形成されている。吸気口51の上方には、フィルタ収容凹部45に収まるフィルタ46が配置される。フィルタ46は、略平板形状を有しており、吸気口51の全体を覆う。フィルタ46は、空気中の塵、砂、微小な異物などが吸気口51から内部に吸い込まれるのを防ぐ。フィルタ46は、例えば、スポンジのような多孔質の弾性体によって構成される。フィルタ46は、汚れて劣化したら交換される交換部品であり、作業者によって定期的に交換される。
【0034】
樹脂カバー42の右側には、デバイス収容凹部44が形成されている。デバイス収容凹部44は、ハウジング40の外内方向に沿った第1方向Zの一方側である内部方向側に窪んだ形状を有している。デバイス収容凹部44の内部領域は、フィルタ収容凹部45の内部領域と同様に、略平たい直方体形状を有している。デバイス収容凹部44には、紛失防止用デバイス43が収容される。紛失防止用デバイス43は、例えば、ボタン型電池などのバッテリを内部に付帯しており、そのバッテリから供給される電力を受けて外部機器自身の所在地を特定するための電波を発信する発信機を備えている。この電波は、紛失防止用デバイス43自身の位置情報を含むものであってもよいし、紛失防止用デバイス43自身の識別情報を含むものであってもよい。
【0035】
デバイス収容凹部44は、底面とその底面を囲むように底面に立設された側壁とにより構成される。デバイス収容凹部44の底面は、略平面であり、底面の形状は、略矩形状である。底面の大きさは、一般的な紛失防止用デバイスのほぼすべての種類のものが収容可能となるような大きさであり、例えば、縦×横が4cm×4cm程度である。デバイス収容凹部44の側壁の高さは、紛失防止用デバイス43の厚み方向の高さよりも僅かに低くなるような高さであり、例えば、5mm程度である。
【0036】
デバイス収容凹部44の上方には、デバイス収容凹部44を覆い、デバイス収容凹部44に収容された紛失防止用デバイス43と第1方向Zにおいて重なるように、弾性体が配置される。本実施形態では、その弾性体として、フィルタ46が配置される。デバイス収容凹部44の上方に配置されるフィルタ46は、予備用あるいは交換用のフィルタであり、汚れて劣化したフィルタ46と交換するためのフィルタである。
【0037】
フィルタ収容凹部45およびデバイス収容凹部44の上方に配置されたフィルタ46の上方には、フィルタカバー47が配置される。フィルタカバー47は、フィルタ46を上から押さえ付けるようにして、樹脂カバー42に装着される。
【0038】
空気圧縮機AC1の上面の奥側中央部100の構造について、さらに図を参照しながら説明する。
【0039】
図8図11は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の上面図である。図12は、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1の上面における奥側中央部100の断面図である。図12は、図11のD-D断面を拡大して示している。
【0040】
図8では、奥側中央部100において、フィルタカバー47、フィルタ46、および紛失防止用デバイス43が配置されておらず、樹脂カバー42の全体が視認される状態が示されている。図12(A)では、当該状態に対応した、奥側中央部100の断面が示されている。
【0041】
図9では、奥側中央部100において、樹脂カバー42に形成されたデバイス収容凹部44に、紛失防止用デバイス43が収容されている状態が示されている。図12(B)では、当該状態に対応した、奥側中央部100の断面が示されている。
【0042】
図10では、樹脂カバー42において、フィルタ収容凹部45にフィルタ46が収容されるように配置され、デバイス収容凹部44に紛失防止用デバイス43が収容され、紛失防止用デバイス43の上方にフィルタ46が配置されている状態が示されている。図12(C)では、当該状態に対応した、奥側中央部100の断面が示されている。
【0043】
図11では、フィルタ46の上方からフィルタカバー47が配置されている状態が示されている。図12(D)では、当該状態に対応した、奥側中央部100の断面が示されている。
【0044】
図8図12に示されるように、樹脂カバー42には、左右に一つずつ、ねじ孔50が形成されている。フィルタカバー47には、ねじ孔50と対応する位置に、固定部材であるねじ49が挿通する貫通孔470が形成されている。また、フィルタカバー47の下面側には、フィルタ46を上から押さえるための複数の突起部471が形成されている。フィルタカバー47は、貫通孔470にねじ49が挿入され、そのねじ49が樹脂カバー42のねじ孔50にねじ込まれて結合されることにより、樹脂カバー42に装着される。
【0045】
紛失防止用デバイス43を収容する紛失防止用デバイス収容室48は、ハウジング40の一部である樹脂カバー42に形成されたデバイス収容凹部44と、蓋部であるフィルタカバー47との間で形成される。
【0046】
また、フィルタカバー47には、フィルタカバー47の下に交換部材であるフィルタ46が配置されていること、あるいは、予備のフィルタ46が配置されていることが分かるように、交換部材の名称が表示された表示部472が設けられている。本実施形態では、表示部472として、「AIR FILTER(エアフィルタ)」の文字が、フィルタカバー47の上面に成形または印刷されている。
【0047】
なお、デバイス収容凹部44の底面の形状は、略矩形状に限定されず、例えば略円形状であってもよい。
【0048】
また、フィルタカバー47は、樹脂カバー42に対して、着脱機構を用いて開閉可能に構成されてもよいし、ヒンジ機構などを用いて開閉可能に構成されてもよい。
【0049】
<第1実施形態による効果>
第1実施形態によれば、紛失防止に適した空気圧縮機AC1を提供することができる。すなわち、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1によれば、上述した構造により、例えば、以下に示すような種々の効果を得ることができる。
【0050】
空気圧縮機AC1は、モータ21に固定されるハウジング40と、紛失防止用デバイス43を収容する紛失防止用デバイス収容室48をハウジング40との間に形成するフィルタカバー47と、を有する。紛失防止用デバイス43は、付帯されるバッテリから供給される電力を受けて自身の所在地の特定に用いられる情報が含まれる電波を発信する。すなわち、空気圧縮機AC1には、紛失防止用デバイス43を収容できる空間が、予め形成される。そのため、空気圧縮機AC1に紛失防止用デバイス43を取り付けたい場合に、空気圧縮機AC1の取扱いの邪魔にならないように、紛失防止用デバイス43を取り付けることができる。そして、紛失防止用デバイス収容室48に紛失防止用デバイス43を収容すれば、空気圧縮機AC1を紛失してしまった場合、あるいは、盗まれてしまった場合であっても、紛失防止用デバイス43から発せられる電波を利用して、空気圧縮機AC1の所在地を突き止めることができる。
【0051】
また、フィルタカバー47は、ハウジング40をモータ21や4本の空気タンク11,12,13,14、圧縮部20等から取り外すことなく、ハウジング40に対して着脱可能または開閉可能となるように構成される。そのため、ハウジング40をモータ21や4本の空気タンク11,12,13,14、圧縮部20等から取り外すといった煩雑な作業を行うことなく、フィルタカバー47を脱着または開閉するだけで、紛失防止用デバイス43を空気圧縮機AC1に取り付けることができる。
【0052】
また、空気圧縮機AC1は、蓋部であるフィルタカバー47をハウジング40に固定する固定部材である、ねじ49を備えている。そのため、紛失防止用デバイス43を取り出すためには、工具を用いてねじ49を緩めて抜き取り、フィルタカバー47を外す、という作業が必要である。したがって、例えば、空気圧縮機AC1のフィルタカバー47の下に紛失防止用デバイス43が収容されている可能性があることを知っており、かつ、空気圧縮機AC1を盗難する意思がある者が居た場合を想定する。この場合において、空気圧縮機AC1を盗難する意思がある者は、上記の煩雑な作業を嫌い、盗難を思い止まる可能性が高まる。つまり、空気圧縮機AC1のこのような構造は、盗難の抑止力を働かせることにつながる。
【0053】
また、紛失防止用デバイス収容室48は、圧縮部20の作動に伴い劣化し作業者によって交換されるフィルタ46が、紛失防止用デバイス43とともに収容可能となるように形成される。フィルタ46の交換頻度は、空気圧縮機AC1の使用環境、使用頻度にも依るが、例えば、1か月から数か月に一度程度であると考えられる。一方、紛失防止用デバイス43のバッテリの交換頻度あるいは充電頻度は、例えば、数か月から1年に一度程度であると考えられる。したがって、劣化したフィルタ46を交換するためにフィルタカバー47を外すタイミングに合わせて、紛失防止用デバイス43のバッテリを交換または充電することができる。すなわち、紛失防止用デバイス43のバッテリの交換または充電だけのためにフィルタカバー47を外す必要がないため、紛失防止用デバイス43のバッテリの交換または充電の作業が煩雑にならず容易である。
【0054】
さらに、フィルタカバー47は、交換部材の部材名である「フィルタ」を表示する表示部472を有する。そのため、紛失防止用デバイス43がフィルタカバー47の下方に収容されていることが気付かれ難い。したがって、仮に、空気圧縮機AC1が盗まれた場合であっても、紛失防止用デバイス43が取り出されて、空気圧縮機AC1の所在地が特定できなくなる可能性を低くすることができる。
【0055】
また、交換部材は、弾性を有するフィルタ46である。そのため、交換部材であるフィルタ46を、紛失防止用デバイス43へ振動が伝達するのを抑制するための弾性体として用いるとともに、フィルタ46の予備としても用いることができ、利便性が向上する。
【0056】
また、紛失防止用デバイス収容室48は、ハウジング40の外内方向に沿った第1方向Zの一方側に窪んだ形状を有し、紛失防止用デバイス43とフィルタ46とが、第1方向Zに重ねて収容されるように構成される。そして、フィルタカバー47は、ハウジング40に固定されると、紛失防止用デバイス43とフィルタ46とを第1方向Zに押し付けるように構成される。そのため、紛失防止用デバイス収容室48は、種々の形状を有する紛失防止用デバイス43を収容することができる。さらに、フィルタ46が有する弾性により、紛失防止用デバイス43に振動が伝わり難く、紛失防止用デバイス43の振動による故障リスクを低減することができる。
【0057】
さらに、紛失防止用デバイス収容室48は、紛失防止用デバイス43がフィルタ46よりも、外内方向に沿った第1方向Zの一方側に位置することができるように構成される。そのため、紛失防止用デバイス43は、フィルタカバー47を外しただけでは、外から視認することができないため、盗難者に気づかれ難くすることができる。
【0058】
また、ハウジング40は、振動低減部であるゴム部材41を介してモータ21、および圧縮部20と、接続される。そのため、モータ21および圧縮部20の振動がハウジング40を伝って、紛失防止用デバイス43に及ぶことを抑制することができる。
【0059】
また、紛失防止用デバイス43は、ハウジング40に弾性体であるフィルタ46を挟んで押さえ付けられるため、紛失防止用デバイス43の形状あるいは大きさの変化がある程度許容され、形状、大きさなどが異なる種々の紛失防止用デバイスを収容することができる。
【0060】
また、空気圧縮機AC1は、電源部としてハウジング40に着脱可能なバッテリパック32を含む。このような空気圧縮機AC1は、運搬が容易であるだけでなく、バッテリパック32そのものが、高価であり、さらに他の電気機器と互換性があることから、盗難され易い。したがって、上述した紛失防止用デバイスの収容機能は、バッテリパック32を電力部として用いる電気機器に対して、紛失防止の効果が特に高い。
【0061】
(第2実施形態)
本発明の他の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る電気機器は、モータで先端工具であるドライバあるいはドリルのビットを回転させて、ねじの締緩作業あるいは部材の穴あけ加工を行うための電動工具である電動ドライバである。
【0062】
第2実施形態に係る電動ドライバについて、図13図16を参照しながら説明する。図13は、第2実施形態に係る電動ドライバの外観図である。図14は、第2実施形態に係る電動ドライバの側面から見た場合の構造図である。図15は、第2実施形態に係る電動ドライバの背面斜視図である。図16は、第2実施形態に係る電動ドライバの底面斜視図である。
【0063】
第2実施形態に係る電動ドライバED1は、ハウジング60、スライド取付機構61、バッテリパック62、モータ63、打撃機構部64、回転部641、駆動軸65、コントローラ66、トリガスイッチ67、配線68、テールカバー601、およびオプショナルカバー70を備えている。
【0064】
ハウジング60の内部には、モータ63、打撃機構部64、駆動軸65、およびコントローラ66が配置されている。
【0065】
ハウジング60の底部には、バッテリパック62のスライド取付機構61が形成されている。バッテリパック62は、このスライド取付機構61によりハウジング60の底部に取り付けられる。スライド取付機構61には、バッテリパック62が取り付けられた場合に、バッテリパック62の電極と接触する端子が設けられている。端子とコントローラ66とは配線68で電気的に接続され、コントローラ66とモータ63とは配線68で電気的に接続されている。トリガスイッチ67は、コントローラ66と電気的に接続されている。
【0066】
モータ63は、駆動軸65を備えている。作業者がトリガスイッチ67を引くと、コントローラ66は、そのトリガスイッチ67の引き量に応じた電力を、バッテリパック62からモータ63に供給する。モータ63の駆動軸65は、その電力の大きさに応じたトルクあるいはスピードで回転する。モータ63の駆動軸65は、動力伝達部としての打撃機構部64に接続されている。打撃機構部64は、駆動軸65の回転に伴って回転し、回転部641を、打撃を与えながら回転させることが可能である。回転部641には、ドライバあるいはドリルのビットが取り付けられる。
【0067】
テールカバー601は、モータ63の背面を覆う蓋形状を有している。テールカバー601は、ハウジング60に複数のねじで締め付けられ固定されるように構成されている。
【0068】
オプショナルカバー70は、ハウジング60の一部であるテールカバー601をさらに覆う蓋部として機能する。オプショナルカバー70は、ハウジング60にテールカバー601を介して複数のねじで締め付けられ固定されるように構成されている。オプショナルカバー70がテールカバー601を覆うように取り付けられると、テールカバー601とオプショナルカバー70との間には、紛失防止用デバイス73を収容する紛失防止用デバイス収容室71が形成される。紛失防止用デバイス収容室71は、例えば、テールカバー601の後側の面と、オプショナルカバー70の内面に形成されるデバイス収容凹部72とにより構成される。
【0069】
デバイス収容凹部72は、オプショナルカバー70の内面とその内面に立設される壁部とにより構成される。デバイス収容凹部72の壁部の高さは、紛失防止用デバイス73の厚みより僅かに低くなるように形成されている。オプショナルカバー70とテールカバー601との間には、弾性体74が挿入される。紛失防止用デバイス73は、デバイス収容凹部72に収容され、弾性体74で覆われる。この状態でオプショナルカバー70が取り付けられることより、オプショナルカバー70の内面は、紛失防止用デバイス73を、弾性体74へ押し付けて半固定する。
【0070】
なお、オプショナルカバー70が、テールカバー601を介してハウジング60に固定される場合に、テールカバー601を固定するねじ69と、オプショナルカバー70を固定するねじとは、共通のねじであってもよい。すなわち、オプショナルカバー70には、テールカバー601のねじ孔に対応する位置に、ねじ69が挿通される貫通孔が形成され、共通のねじで、テールカバー601およびオプショナルカバー70が、ハウジング60にねじ締めされるようにしてもよい。このような構造によれば、既存の電動ドライバEDに対して、オプショナルカバー70と相対的に長いねじを新たに用意するだけで、オプショナルカバー70を電動ドライバEDに取り付けることができる。すなわち、紛失防止用デバイス収容室71を、後付けで容易に設けることができる。
【0071】
ハウジング60とバッテリパック62との間には、紛失防止用デバイス77が収容される紛失防止用デバイス収容室78が形成される。ハウジング60の底部には、ハウジング60の内側方向に窪んだデバイス収容凹部75が形成されている。デバイス収容凹部75の内部には、弾性体76が配置される。弾性体76は、例えば、スポンジである。弾性体76は、デバイス収容凹部75の内壁に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。弾性体76には、紛失防止用デバイス77が挿入可能な切り込み領域または切欠き領域が形成されている。紛失防止用デバイス77は、この弾性体76の切り込み領域または切欠き領域に挿入される。紛失防止用デバイス77が、この弾性体76に挿入されている状態で、バッテリパック62がスライド取付け機構に取り付けられる。バッテリパック62は蓋部として機能し、デバイス収容凹部75とバッテリパック62との間に、紛失防止用デバイス収容室78が構成される。紛失防止用デバイス77は、バッテリパック62で隠れて見えなくなる。また、紛失防止用デバイス77は、バッテリパック62を外さないと取り出すことができない。
【0072】
このような構造により、電動ドライバED1の作動時の振動は、弾性体74,76により吸収され、紛失防止用デバイス収容室71,78に収容された紛失防止用デバイス73,77は、振動を受け難くなる。よって、紛失防止用デバイス73,77が電動ドライバED1の作動時の振動を受けて故障するリスクを低減することができる。
【0073】
また、紛失防止用デバイス収容室71,78を構成する壁部の断面積、および、紛失防止用デバイス収容室71,78を構成する窪みの底面の領域は、一般的な紛失防止用デバイスの略平面方向におけるサイズよりも大き目に設計される。よって、紛失防止用デバイス収容室71,78には、種々の形状あるいは寸法の紛失防止用デバイスを収容させることができる。
【0074】
(第3実施形態)
本発明のさらに他の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る電気機器は、モータで圧縮部を作動させ圧縮されたガスを用いて冷温対象収容室内の温度を設定温度に保つ冷温庫である。
【0075】
第3実施形態に係る冷温庫について、図17図19を参照しながら説明する。図17は、第3実施形態に係る冷温庫の外観図である。図18は、第3実施形態に係る冷温庫のバッテリパック挿入口を示す図である。図19は、第3実施形態に係る冷温庫の側面から見た場合の構造図である。
【0076】
図17図19に示されるように、第3実施形態に係る冷温庫CB1は、ハウジング80、冷温対象収容室カバー81、バッテリ収容室カバー82、バッテリパック83、モータ88、コントローラ89、および冷却機構としての圧縮部90を備えている。なお、バッテリパック83は、複数個であってもよい。
【0077】
ハウジング80には、飲み物などの冷温対象物が収容される冷温対象収容室91が形成されている。また、ハウジング80には、バッテリパック83が収容されるバッテリ収容室84が形成されている。バッテリ収容室84には、バッテリパック83が収容された場合に、バッテリパック83の電極と接触する端子が設けられている。端子は、コントローラ89を介してモータ88に電気的に接続されている。
【0078】
モータ88は、駆動軸を備えている。モータ88の駆動軸は、圧縮部90の圧縮機構と機械的に接続されている。モータ88に電力が供給されると、駆動軸が回転して圧縮機構が作動し、冷媒ガスなどのガスが圧縮される。ハウジング80内の冷温対象収容室91の周りには配管が設置されている。圧縮されたガスは、この配管内を通って循環され、冷温対象収容室91内は冷却される。
【0079】
コントローラ89は、作業者による操作部の操作に応じて、バッテリパック83からモータ88に供給する電力を制御することにより、冷温対象収容室91内の温度を設定温度に保つ。
【0080】
冷温対象収容室カバー81は、冷温対象収容室91を上方から覆うように、ハウジング80に開閉可能に取り付けられている。
【0081】
バッテリ収容室カバー82は、バッテリ収容室84を上方から覆うように、ハウジング80に開閉可能に取り付けられている。
【0082】
バッテリ収容室カバー82とハウジング80におけるバッテリ収容室84の底部との間には、紛失防止用デバイス87が収容される紛失防止用デバイス収容室92が形成されている。バッテリ収容室84の底部には、鉛直下方向に窪んだデバイス収容凹部85が形成されている。デバイス収容凹部85の内部には、弾性体86が配置される。弾性体86は、デバイス収容凹部85の内壁に、固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。弾性体86には、紛失防止用デバイス87が挿入可能な切り込み領域または切欠き領域が形成されている。紛失防止用デバイス87は、この弾性体86の切り込み領域または切欠き領域に挿入される。紛失防止用デバイス87が、この弾性体86に挿入されている状態で、バッテリパック83がバッテリ収容室84に収容され、バッテリ収容室カバー82が閉じられる。
【0083】
このような構造により、冷温庫CB1における振動、すなわちモータ88の駆動による振動、圧縮部90の作動による振動、あるいは冷温庫CB1の搬送時の振動は、弾性体86により吸収され、紛失防止用デバイス収容室92に収容された紛失防止用デバイス87は、振動を受け難くなる。よって、紛失防止用デバイス87が冷温庫CB1において生じる振動を受けて故障するリスクを低減することができる。
【0084】
また、紛失防止用デバイス収容室92を構成する壁部の断面積、および、紛失防止用デバイス収容室92を構成するデバイス収容凹部85の領域は、一般的な紛失防止用デバイスより大き目に設計される。よって、紛失防止用デバイス収容室92には、種々の形状あるいは寸法の紛失防止用デバイスを収容させることができる。
【0085】
以上、第2および第3実施形態においても、第1実施形態における紛失防止用デバイス収容室と略同様の構成を有する紛失防止用デバイス収容室を実現させることができる。これにより、第2および第3実施形態においても、第1実施形態と略同様の効果を得ることができる。具体的には、例えば、電気機器に、紛失防止用デバイスを、電気機器の使用や搬送に障害とならない位置に、容易に収容することが可能である。また、紛失防止用デバイスを、外側から視認し難い場所に収容することができ、盗難者に気づかれて取り外されるリスクを低減させることが可能である。また、電源部としてハウジングに着脱可能なバッテリパック含むことから、運搬が容易であるだけでなく、バッテリパックそのものが高価であり、さらに他の電気機器と互換性があることから、盗難され易い。したがって、上述した紛失防止用デバイスの収容機能は、紛失防止に対して特に効果が高い。
【0086】
なお、本願明細書では、主な実施形態として、本発明を空気圧縮機、電動ドライバ、冷温庫に適用した例を説明した。しかしながら、本発明は、当然、これらの実施形態に限定されず、他の可搬の電気機器にも適用可能である。本発明は、例えば、集塵機、送風機(ブロワ)、研磨機、ハンマドリル、グラインダ、剪定機、丸鋸、電気のこぎり、鉄筋カッターなどにも適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
2…ハンドル、5…カプラ、6…調圧弁、7…空圧機器接続部、8…操作パネル、11…第1空気タンク、12…第2空気タンク、13…第3空気タンク、14…第4空気タンク、15…吸気口、16…排気口、20…圧縮部(作動部)(気体圧縮部)、21…モータ(駆動源)、22…圧縮機構、22a…ピストン、23…圧縮機構、23a…ピストン、24…ファン、25…駆動軸、30…コントローラ、30A…第1コントローラ、30B…第2コントローラ、32…バッテリパック(バッテリパック)、40…ハウジング(ハウジング)、41…ゴム部材(振動低減部材)、42…樹脂カバー、43…紛失防止用デバイス(外部機器)、44…デバイス収容凹部、45…フィルタ収容凹部、46…フィルタ(弾性体)、47…フィルタカバー(蓋部)、470…貫通孔、471…突起部、472…表示部(表示部)、48…紛失防止用デイバス収容室(収容室)、49…ねじ(固定部材)、50…ねじ孔、60…ハウジング(ハウジング)、61…スライド取付機構、62:バッテリパック、(バッテリパック)(蓋部)、63…モータ(駆動源)、64…打撃機構部(作動部)(動力伝達部)、641…回転部、65…駆動軸、66…コントローラ、67…トリガスイッチ、68…配線、69…ねじ(固定部材)、601…テールカバー(ハウジング)、70…オプショナルカバー(蓋部)、71…紛失防止用デバイス収容室、(収容室)、72…デバイス収容凹部、73…紛失防止用デバイス(外部機器)、74…弾性体(弾性体)、75…デバイス収容凹部、76…弾性体、77…紛失防止用デバイス(外部機器)、78…紛失防止用デバイス収容室(収容室)、80…ハウジング(ハウジング)、81…冷温対象収容室カバー、82…バッテリ収容室カバー(蓋部)、83…バッテリパック(バッテリパック)(蓋部)、84…バッテリ収容室、85…デバイス収容凹部、86…弾性体、87…紛失防止用デバイス(外部機器)、88…モータ(駆動源)、89…コントローラ、90…圧縮部(作動部)(冷却機構)、91…冷温対象収容室、92…紛失防止用デバイス収容室(収容室)、AC1…空気圧縮機(電気機器)(気体圧縮機)、ED1…電動ドライバ(電気機器)、CB1…冷温庫(電気機器)、G…設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19