(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172595
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090415
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】浅山 幹
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】藤田 実智昭
(72)【発明者】
【氏名】千葉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岡田 透
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】収容箱の利用効率をより向上することを可能とする。
【解決手段】複数の場所間で搬送される収容箱に付与されたID情報に基づき、前記収容箱が最新の場所に到着した時間を示す到着時間情報を前記ID情報と関連付けて取得する取得部210と、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱を判定する判定部250と、を備える、情報処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の場所間で搬送される収容箱に付与されたID情報に基づき、前記収容箱が最新の場所に到着した時間を示す到着時間情報を前記ID情報と関連付けて取得する取得部と、
最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱を判定する判定部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記所定の基準は、前記最新の場所に応じて異なる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記所定の基準は、前記収容箱が収容する物品に応じて異なる、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報処理システムは、
前記最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱に関する提案情報を生成する生成部、
を更に備える、請求項1~3までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記生成部は、
前記最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱に関する、前記最新の場所に応じた提案情報を生成する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記生成部は、
前記最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱が収容する物品に応じた提案情報を生成する、
請求項4または5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記最新の場所に到着してからの期間の、所定の基準が複数存在し、
前記判定部は、
当該複数の所定の基準の、各々を満たした収容箱を判定する、
請求項4~6までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記生成部は、
前期複数の所定の基準の内、満たした基準に応じた提案情報を生成する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記判定部は、
一の収容箱が滞在する場所に、同一の物品を収容する他の収容箱が後に到着した場合、当該他の収容箱が到着してからの期間が所定の基準を満たした当該一の収容箱を判定し、
前記生成部は、
前記判定部により当該所定の基準を満たしたと判定された収容箱に関する提案情報を生成する、
請求項4~8までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記収容箱は、合成樹脂を用いて構成される、
請求項1~9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
情報端末に読み取らせた複数の場所間で搬送される収容箱に付与されたID情報に基づき、
コンピュータに、
前記ID情報と関連付けて記憶された前記収容箱が最新の場所に到着した時間を示す到着時間情報を用いて、
当該最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱を判定すること、
を実行させる、プログラム。
【請求項12】
請求項4~9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システムに用いる情報端末であって、
前記生成部により生成された提案情報を表示する表示部を備える、
情報端末。
【請求項13】
前記情報端末は、前記収容箱に付与されたID情報を読み取るためのID情報読み取り部を備え、
前記表示部は、前記ID情報を読み取った収容箱に関する提案情報が発せられていた場合に、当該提案情報を表示する、
請求項12に記載の情報端末。
【請求項14】
請求項4~9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システムを用いる収容箱の管理方法であって、
前記最新の場所に到着してからの期間の所定の基準は、ユーザにより設定されること、
を含む、コンピュータにより実行される収容箱の管理方法。
【請求項15】
請求項4~9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システムを用いる収容箱の管理方法であって、
ユーザにより、前記生成部が生成する提案情報の少なくとも一部の内容が入力される工程と、
前記生成部が前記提案情報を生成する際に、前記内容を当該提案情報に組み入れる工程と、
を含む、コンピュータにより実行される収容箱の管理方法。
【請求項16】
請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理システムを用いて前記判定が行われる収容箱であって、
当該収容箱の前記ID情報を提示するID情報提示部を備える、
収容箱。
【請求項17】
収容された物品が外部から視認可能、かつ取り出し可能であり、店頭での展示に使用される、
請求項16に記載の収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の流通の過程では、複数の物品を収容する収容箱が用いられる。例えば、物品を製造するメーカの倉庫から物流倉庫への物品の搬送、物流倉庫から販売店倉庫への物品の搬送などは、物品が収容箱に収容された状態で行われる。このような収容箱としては、段ボール箱が普及している。また、物品が収容される容器は収容箱に限定されない。例えば、物品がビールであることを想定すると、当該ビールは、ビール樽に収容され得る。
【0003】
このような、様々な物品を収容する容器を用いた流通における工夫を開示する文献として、特許文献1が挙げられる。具体的には、特許文献1には、ビール樽毎のIDナンバー、入庫年月日および出庫年月日等のデータを管理し、工場で所有しているビール樽の総数が適切であることを判断することが可能になる技術などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ある場所に収容箱が搬送された後、当該場所で収容箱が滞留する場合がある。このような場合、収容箱の利用効率が低減され得る。
【0006】
本発明は、収容箱の利用効率をより向上することが可能な技術に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の場所間で搬送される収容箱に付与されたID情報に基づき、前記収容箱が最新の場所に到着した時間を示す到着時間情報を前記ID情報と関連付けて取得する取得部と、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱を判定する判定部と、を備える、情報処理システムに関する。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明の技術によれば、収容箱の利用効率をより向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態の概要を説明するための図面である。
【
図3】本発明の一実施形態で使用される収容箱50の外観構成の一例である。
【
図4】本発明の一実施形態による流通管理装置20の構成を示す説明図である。
【
図5】搬送履歴テーブルの一例を示す説明図である。
【
図6】滞在履歴テーブルの一例を示す説明図である。
【
図8】本発明の一実施形態の構成を示す説明図である。
【
図9】一日一度、所定の時刻に起動される、本発明の一実施形態による流通管理装置20の滞留確認動作を示すフローチャートである。
【
図10】ハードウェア構成90を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
本発明の実施形態は、収容箱を用いて物品が搬送される物流システムに適用される。本発明の実施形態における収容箱は、複数の拠点間での物品の搬送に繰り返し利用可能である。以下、
図1を参照して、このような収容箱が用いられる本発明の一実施形態の概要を説明する。
【0012】
<概要>
図1は、本発明の実施形態の概要を説明するための図面である。
図1には、複数の拠点として、メーカ工場、メーカ倉庫、物流倉庫、販売店倉庫、店舗および収容箱回収場を示している。メーカ工場およびメーカ倉庫は、物品の製造業者であるメーカの拠点である。メーカ工場で物品が製造され、製造された物品がメーカ倉庫で保管される。物流倉庫は、物流業者の拠点であり、物流倉庫に物品が保管される。販売店倉庫および店舗は、店舗の運営業者の拠点である。販売店倉庫では物品が保管され、店舗では物品が販売、消費または使用される。収容箱回収場は、収容箱50の回収先となる拠点である。まず、これら拠点間で収容箱50が搬送される流れを説明する。
【0013】
なお、各拠点間で車両40が収容箱50を搬送する例を示しているが、車両40は移動体の一例に過ぎず、他の移動体により収容箱50の搬送が行われてもよい。他の移動体としては、例えば、船舶、列車、航空機およびドローンなどが挙げられる。
【0014】
(搬送の流れ)
メーカ工場で物品が製造されると、物品が収容箱50に収容されて、車両40が収容箱50をメーカ倉庫に搬送する。収容箱50がメーカ倉庫に搬送されると、メーカ倉庫にて収容箱50が保管される。その後、収容箱50は車両40によりメーカ倉庫から物流倉庫に搬送され、物流倉庫で保管される。さらに、収容箱50は、車両40により物流倉庫から販売店倉庫に搬送され、販売店倉庫での保管を経て店舗に搬送される。
【0015】
そして、収容箱50に収容されていた物品が店舗の店頭にて販売または陳列などにより無くなり、収容箱50が空になると、店舗のスタッフが収容箱50を折り畳み、収容箱50を定位置に保管する。ここでの定位置とは、例えば、店舗内または店舗外の空の収容箱置き場であってもよい。
【0016】
その後、例えば回収業者が店舗から収容箱50を回収し、収容箱50を収容箱回収場に搬送する。収容箱回収場においては、回収業者は、収容箱50を選択的に洗浄または廃棄してもよい。そして、回収業者が収容箱50を収容箱回収場からメーカ工場に搬送することにより、収容箱50が最初に説明したメーカ工場に戻る。上述したサイクルの繰り返しにより、同一の収容箱50が繰り返して利用される。
【0017】
なお、上述した収容箱50の搬送の流れは一例であり、収容箱50の搬送の流れは他の流れであってもよい。例えば、店舗で空になった収容箱50は、販売店倉庫に戻され、販売店倉庫から収容箱回収場に搬送されてもよい。また、
図1に示した全ての拠点が存在する必要もない。例えば、店舗で空になった収容箱50は店舗から物流倉庫に搬送され、さらに、メーカ倉庫やメーカ工場に搬送されてもよい。
【0018】
なお、上述した各拠点および各拠点内に存在する収容箱50の保管位置(例えば、店舗に存在する空の収容箱置き場)は、複数の場所の一例である。以下では、各拠点および各拠点に存在する収容箱50の保管位置を総称して、「場所」と表現する場合がある。
【0019】
(収容箱の構成)
ここで、
図2、3を参照して、本発明の一実施形態による収容箱50の構成例を説明する。
【0020】
図2は、収容箱50の外観構成例である。
図2に示したように、収容箱50は、組み立てられた状態と、折り畳まれた状態の間で変形可能である。収容箱50は、組み立てられた状態では物品を収容する収容空間を有し、折り畳まれた状態では当該収容空間を有さない。ここで、
図2、3においては変形のために必要な構造を示す線を省略している。なお、収容箱50は、組み立てられた状態において、
図2に示したように直方体形状を有してもよいし、他の形状を有してもよい。
【0021】
図3は、本発明の一実施形態で使用される収容箱50の外観構成の一例である。
図3に示す収容箱50は、
図2に示した収容箱50と同様に変形可能である。さらに、組立てられた状態で、少なくとも側面の1つを、収容箱50に収容された物品に影響を与えることなく、着脱や回動等により、開放することができる。
図3左側に示す収容箱50は、開放後の状態を示している。開放後の状態では、収容箱50に収容された物品は外部から視認や出し入れが可能であり、収容箱50を店頭での展示用にも使用することができる。このような展示用の収容箱50の変形例として、組立てられた状態で、1つの側面の一部を有さない収容箱50を用いてもよい。単独及び/又は後述するパレット等に複数荷積みされた状態で、搬送時には保護フィルム等で収容箱の外周(後述するパレットに載った複数の収容箱50全体の外周)を保護し、店頭でフィルムを除去することで、収容箱50単独で、また、複数の収容箱50をパレットに載せた状態で店頭に展示することができる。
【0022】
収容箱50に収容される物品の種類は特に限定されない。例えば、物品は、化粧品、飲食物、生活用品、娯楽用品、運動競技用品、事務用品、電子素子、医療品または衣服などであってもよい。
【0023】
また、本発明の実施形態による収容箱50には、各収容箱50を識別するID情報が付与されており、付与されたID情報を情報端末10の後述する読取部120で読み取ることが出来るように、ID情報提示部が備えられている。例えば、収容箱50には、ID情報が格納されているICチップ52がID情報提示部として埋め込まれていてもよい。また、非接触で読み取り可能なRFIDがID情報提示として用いられてもよい。他の例として、収容箱50には、バーコードまたは二次元コードなどの光学的に読み取り可能なコードがID情報提示部として付されていて、これらコードから収容箱50のID情報が読み取り可能であってもよい。
【0024】
収容箱50は、例えば、合成樹脂によって構成され得る。このような収容箱50は、段ボール箱と比較して耐用性が高いため、繰り返し利用可能である。また、このような収容箱50は、付着した汚れを洗浄により落し易い。なお、洗浄は、対象物から汚れを落とす処理であり、水又は洗剤などを用いて行われてもよく、水又は洗剤などを用いずに行われてもよい(エアー洗浄など)。
【0025】
(パレットに関して)
上述した収容箱50の搬送および保管は、パレット単位で行われてもよい。パレットは、複数の収容箱50を載せることが可能な扁平な台である。当該パレットの利用に関連して、収容箱50の搬送および店舗における収容箱50の利用には幾つかの方法が考えられ、以下に2つ例をあげる。
【0026】
第1の方法例として、収容箱50として展示用の収容箱50を用いる方法がある。すなわち、収容箱50に収容された物品が外部から視認可能、かつ取り出し可能となる収容箱50を用いることで、収容箱50を展示にも使用する方法である。第1の方法例によれば、複数の収容箱50の搬入から物品の展示までを迅速に行うことが可能である。収容箱50は複数段で配置してもよい。この場合、搬送に用いたパレットごと複数の収容箱50を店舗に搬入してもよい。
【0027】
第2の方法例として、収容箱50から物品を取り出して、物品を棚などに陳列することにより物品を展示する方法がある。
【0028】
上述した方法以外にも、収容箱50を用いた搬送や展示の方法は各種考えられるが、いずれの方法においても、使用される段ボール箱の数が削減され、環境負荷を低減することが可能である。
【0029】
(流通管理に関して)
図1に示したように、本発明の一実施形態においては、複数の情報端末10(情報端末10A~10F)および流通管理装置20が情報処理システムとして実装されることで、多様な効果を奏することができる。例えば、収容箱50の企業間での共有、輸送最適化、荷待ち時間の削減などにより効率的な物流が実現され得る。また、収容箱50の回収または洗浄の場所、洗浄のタイミング、搬送ルート最適化および収容箱50の個体管理などにより環境に資する収容箱50の循環が実現され得る。また、収容箱50の標準化に伴い省人かつ省力での収容箱50の生産も実現し得る。以下、各情報端末10および流通管理装置20の概要を説明する。なお、本明細書においては、上述した多くの期待される効果のうち、主に、効率的な物流、に関する説明を行う。
【0030】
情報端末10は、メーカ工場、メーカ倉庫、および物流倉庫などの各拠点で利用される端末である。
図1では、メーカ工場で利用される情報端末10A、メーカ倉庫で利用される情報端末10B、物流倉庫で利用される情報端末10C、販売店倉庫で利用される情報端末10D、店舗で利用される情報端末10Eおよび収容箱回収場で利用される情報端末10Fを示している。
【0031】
各情報端末10は、流通管理装置20と通信可能に接続されている。例えば、各情報端末10は、有線または無線の伝送路を含むネットワークを介して流通管理装置20に接続されていてもよい。ネットワークは、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワークは、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
【0032】
各情報端末10は、各収容箱50のID情報提示部からID情報を読み取り、読み取ったID情報を含む情報を流通管理装置20に送信する。例えば、拠点間での収容箱50の搬送が開始される際に、情報端末10は、搬送される収容箱50のID情報を読み取り、当該ID情報および搬送元の拠点を示す搬送元情報などを含む搬送情報を流通管理装置20に送信してもよい。また、情報端末10は、ある拠点に収容箱50が搬送された際に、当該収容箱50のID情報を読み取り、当該ID情報および搬送先の拠点を示す搬送先情報などを含む搬送情報を流通管理装置20に送信してもよい。
【0033】
また、例えば、倉庫から店頭への搬送、店頭から収容箱の保管位置への搬送のように、同一の拠点内で収容箱50の搬送が行われる場合がある。当該搬送が開始される際に、情報端末10は、搬送される収容箱50のID情報提示部からID情報を読み取り、当該ID情報および搬送元の場所を示す搬送元情報などを含む搬送情報を流通管理装置20に送信してもよい。また、情報端末10は、同一の拠点内で収容箱50が搬送された際に、当該収容箱50のID情報提示部からID情報を読み取り、当該ID情報および搬送先の場所を示す搬送先情報などを含む搬送情報を流通管理装置20に送信してもよい。
【0034】
なお、各情報端末10の構成および機能は、同一であってもよいし、異なってもよい。また、情報端末10は、据え置き式の端末であってもよいし、持ち運び可能な端末であってもよい。また、
図1においては各拠点に1つの情報端末10のみを示しているが、各拠点には複数の情報端末10が存在してもよい。
【0035】
流通管理装置20は、収容箱50の流通の全般を管理する。例えば、流通管理装置20は、各情報端末10から収容箱50の搬送情報を受信し、当該搬送情報に基づいて各収容箱50が現在滞在している場所(拠点)、および収容箱50の搬送履歴などを管理する。また、流通管理装置20は、各収容箱50が収容している物品の情報も管理しており、このため、各情報端末10に、どの収容箱50を、いつ、どこへ、どの車両40で搬送すべきかの指示を送信することも可能である。
【0036】
(背景)
収容箱50は、上述したように複数の場所間で搬送される。例えば、ある物品を収容する収容箱50は、ある場所(例えば、販売店倉庫等)から他の場所(例えば、店舗等)に搬送される。しかし、このように複数の場所間で搬送された収容箱50は、最新の場所に到着した後、一定期間滞留してしまう場合があった。
【0037】
ここで、効率的な物流の実現を想定した場合、一つの場所に収容箱50が長期間滞留してしまう事態は避けたい場合がある。例えば、収容箱50が収容する物品によっては、品質保証期間や販売計画等が存在する。そのため、品質保証期間や販売計画等から逸脱する程度の期間にわたり、一つの場所に収容箱50が滞留してしまう事態は回避したい。
【0038】
具体例を挙げると、収容箱50が収容する物品が食料品であることを想定すると、当該食料品には賞味期限や販売計画等が存在する。この場合、食料品を収容する収容箱50は、当該食料品の賞味期限や販売計画等に基づいて決まる、各場所における目標滞在期間内だけ当該場所に滞在するように、複数の場所間を搬送されることが望ましい。
【0039】
本発明の実施形態は、上記事情を一着眼点にして創作された。本発明の実施形態によれば、より効率的な物流を実現するために最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50の判定を行うことが可能である。以下、このような本発明の実施形態による流通管理装置20および情報端末10の構成を順次詳細に説明する。なお、所定の基準は、多くの場合、日を単位として日数や期限となる日付で定めるが、必ずしもこれらに限らず期限である時間を示すことができればよい。以下では「所定の日数」、「所定の期間」、「所定の期限」などと表現することもあるが、いずれも本発明における所定の基準であることに変わりない。
【0040】
<流通管理装置の構成>
図4は、本発明の一実施形態による流通管理装置20の構成を示す説明図である。
図4に示したように、本発明の一実施形態による流通管理装置20は、通信部210、記憶部220および制御部250を備える。
【0041】
通信部210は、各情報端末10とのインタフェースであり、各情報端末10から情報を受信する受信部、および各情報端末10に情報を送信する送信部としての機能を有する。例えば、通信部210は、各情報端末10から収容箱50のID情報を含む搬送情報を受信する。また、通信部210は、制御部250からの制御に基づいて情報端末10に収容箱50の搬送についての指示を送信することも可能である。
【0042】
また、通信部210は、取得部の一例であり、複数の場所間で搬送される収容箱50に付与されたID情報に基づき、当該収容箱50が最新の場所に到着した時間を示す到着時間情報を当該ID情報と関連付けて取得する。ここでの、到着時間情報とは、日付であってもよいし、日時であってもよい。以下では、到着時間情報が日付であるものとして説明する。
【0043】
記憶部220は、流通管理装置20の動作に用いられる多様な情報、テーブルなどを記憶する。制御部250は、流通管理装置20の動作全般を制御する。特に、本発明の一実施形態による制御部250は、通信部210から受信される搬送情報などに基づき、記憶部220が記憶する各種テーブルを管理および更新する管理部としての機能を有する。
【0044】
各種テーブルとしては、搬送履歴テーブル、滞在履歴テーブルおよび収容物テーブルなどが挙げられる。搬送履歴テーブルおよび滞在履歴テーブルは、収容箱50の利用履歴を示すテーブルの一例である。なお、各種テーブルは、それぞれ異なる装置により管理されてもよい。
【0045】
また、制御部250は、判定部の一例であり、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50の判定を行う。例えば、制御部250は、滞在履歴テーブルおよび収容物テーブルなどを参照し、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50の判定を行ってもよい。換言すると、制御部250は、最新の場所に滞在している収容箱50を対象に、当該滞在期間が所定の基準を満たした収容箱50の判定を行ってもよい。
【0046】
以下、記憶部220に記憶される各種テーブルおよび各種テーブルにより、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱を判定する方法の詳細を説明する。
【0047】
(搬送履歴テーブル)
図5は、搬送履歴テーブルの一例を示す説明図である。搬送履歴テーブルは、各収容箱50が搬送された履歴を示すテーブルである。
図5に示したように、搬送履歴テーブルにおいては、ID情報と、搬送元情報と、搬送先情報と、搬送距離と、搬送車両情報と、道路種別と、が関連付けられている。
【0048】
搬送履歴テーブルにおけるID情報は、収容箱50のID情報である。搬送元情報は、収容箱50が拠点間を搬送された際の搬送元を示す。搬送先情報は、収容箱50が拠点間を搬送された際の搬送先を示す。搬送距離は、搬送元および搬送先間の距離を示す。搬送車両情報は、収容箱50の搬送に用いられた車両40の種類を示す。道路種別は、収容箱50が搬送された経路上の道路の種別を示す。
【0049】
図示の例では、具体的には、ID情報「001」と、搬送元情報「メーカ倉庫」と、搬送先情報「物流倉庫」と、搬送距離「300km」と、搬送車両情報「大型」と、道路種別「高速道路」と、が関連付けられている。また、図示の例では、ID情報「001」と、搬送元情報「物流倉庫」と、搬送先情報「A販売店倉庫」と、搬送距離「80km」と、搬送車両情報「小型」と、道路種別「一般道路」と、が関連付けられている。また、図示の例では、ID情報「002」と、搬送元情報「メーカ工場」と、搬送先情報「メーカ倉庫」と、搬送距離「150km」と、搬送車両情報「中型」と、道路種別「高速道路」と、が関連付けられている。
【0050】
制御部250は、このような搬送履歴テーブルを多様な方法で作成および更新し得る。例えば、制御部250は、通信部210により収容箱50のID情報および搬送元情報を示す搬送情報が受信されると、当該搬送情報に含まれるID情報および搬送元情報を搬送履歴テーブルに設定する。さらに、制御部250は、通信部210により収容箱50のID情報および搬送先情報を示す搬送情報が受信されると、搬送履歴テーブルにおいて当該搬送情報に含まれるID情報に関連付けられたエントリのうちで、搬送先情報が未設定であるエントリを抽出し、当該エントリに上記搬送情報に含まれる搬送先情報を設定する。
【0051】
なお、搬送が開始される時点で搬送先が決まっており、ID情報、搬送元情報および搬送先情報を含む搬送情報が通信部210により受信されることも考えられる。この場合、制御部250は、通信部210により受信された搬送情報に含まれるID情報、搬送元情報および搬送先情報を搬送履歴テーブルに設定してもよい。また、流通管理装置20が収容箱50の搬送に関する指示を各情報端末10に送信する場合、制御部250は、当該指示の内容に従ってID情報、搬送元情報および搬送先情報を搬送履歴テーブルに設定してもよい。
【0052】
そして、制御部250は、搬送元情報および搬送先情報に基づき、搬送履歴テーブルに搬送距離を設定する。制御部250は、地図情報に基づき搬送元および搬送先間の距離を特定し、特定した距離を搬送距離として設定してもよい。または、搬送元および搬送先の組み合わせに応じた距離が既知な情報である場合には、制御部250は、当該情報に基づいて搬送距離を設定してもよい。
【0053】
また、制御部250は、情報端末10から受信された搬送情報に搬送車両を示す情報が含まれる場合には、当該情報に基づいて搬送車両情報を設定してもよい。また、流通管理装置20が搬送車両の指定を含む収容箱50の搬送に関する指示を各情報端末10に送信する場合、制御部250は、当該指示の内容に従って搬送車両情報を設定してもよい。なお、大型車両は、例えば、最大積載量が6.5ton超の車両である。中型車両は、例えば、最大積載量が3ton超6.5ton以下の車両である。小型車両は、例えば、最大積載量が3ton以下の車両である。
【0054】
また、制御部250は、搬送元情報および搬送先情報に基づき、搬送履歴テーブルに道路種別を設定する。制御部250は、地図情報に基づき搬送元および搬送先間の経路で支配的な道路の種別を特定し、特定した種別を道路種別として搬送履歴テーブルに設定してもよい。また、制御部250は、搬送元および搬送先の組み合わせと、支配的な道路の種別との関係が既知である場合には、制御部250は、当該情報に基づいて道路種別を設定してもよい。
【0055】
なお、各情報端末10が送信する搬送情報にはタイムスタンプが含まれていてもよく、制御部250は、当該タイムスタンプに基づき、搬送開始時刻および搬送終了時刻も搬送履歴テーブルにおいて管理してもよい。または、制御部250は、各搬送情報の受信時刻に基づいて搬送開始時刻および搬送終了時刻を搬送履歴テーブルにおいて管理してもよい。
【0056】
(滞在履歴テーブル)
図6は、滞在履歴テーブルの一例を示す説明図である。滞在履歴テーブルは、各収容箱50が、どこに、いつから、いつまで滞在したかを示すテーブルである。
図6に示したように、滞在履歴テーブルにおいては、ID情報と、滞在場所と、滞在開始日と、滞在終了日と、が関連付けられている。
【0057】
滞在履歴テーブルにおけるID情報は、収容箱50のID情報である。滞在場所は、収容箱50が滞在した場所を示す。滞在開始日は、収容箱50の滞在場所への滞在が開始した日を示す。滞在終了日は、収容箱50の滞在場所への滞在が終了した日を示す。
【0058】
図示の例では、具体的には、ID情報「001」と、滞在場所「X店舗」と、滞在開始日「2023/2/1」と、滞在終了日「2023/2/17」と、が関連付けられている。また、図示の例では、ID情報「002」と、滞在場所「Y店舗」と、滞在開始日「2023/3/1」と、滞在終了日「-」(ID情報「002」である収容箱50はY店舗に現在も滞在中であるため、滞在終了日には情報が未設定である。)と、が関連付けられている。
【0059】
制御部250は、このような滞在履歴テーブルを多様な方法で作成および更新し得る。例えば、制御部250は、通信部210により収容箱50のID情報および搬送先情報を示す搬送情報が受信されると、当該搬送情報に含まれるID情報および搬送先情報を、ID情報および滞在場所として滞在履歴テーブルに設定する。
【0060】
ここで、
図6に示した滞在履歴テーブルでは、拠点単位で収容箱50の滞在場所が管理されている一例を示しているが、滞在履歴テーブルとして、各拠点内における収容箱50の保管場所単位(例えば、店舗Aの倉庫や店頭等)で収容箱50の滞在場所を管理してもよい。また、滞在履歴テーブルとして、拠点と当該拠点における収容箱50の保管場所の両方が収容箱50の滞在場所として管理されてもよい。例えば、制御部250は、収容箱50が搬送されたある拠点(例えば、店舗A)と、当該拠点内において収容箱50が搬送された収容箱50の保管場所(例えば、店舗Aの倉庫)と、を関連付けて滞在履歴テーブルにおける滞在場所として設定してもよい。また、制御部250は、各拠点を識別可能な拠点IDや収容箱50の各保管場所を識別可能な場所IDにより、収容箱50の滞在場所として滞在履歴テーブルに設定してもよい。
【0061】
また、制御部250は、取得部である通信部210により受信された上記搬送情報にタイムスタンプすなわち到着時間情報が含まれる場合には、当該タイムスタンプが示す日付を滞在開始日として滞在履歴テーブルに設定してもよい。または、制御部250は、上記搬送情報の受信時刻に到着時間情報として滞在開始日を設定してもよい。
【0062】
また、制御部250は、通信部210により収容箱50のID情報および搬送元情報を示す搬送情報が受信されると、滞在履歴テーブルにおいて当該搬送情報に含まれるID情報に関連付けられたエントリのうちで、滞在終了日が未設定であるエントリを抽出し、当該エントリに滞在終了日を設定する。制御部250は、滞在終了日の設定を、滞在開始日の設定と同様に、搬送情報に含まれるタイムスタンプ、または搬送情報の受信時刻などに基づいて行ってもよい。
【0063】
(収容物テーブル)
図7は、収容物テーブルの一例を示す説明図である。収容物テーブルは、各収容箱50が収容する収容物(即ち、物品)の情報を示すテーブルである。
図7に示したように、収容物テーブルにおいては、ID情報と、収容物と、数量と、期限と、が関連付けられている。
【0064】
収容物テーブルにおけるID情報は、収容箱50のID情報である。収容物は、収容箱50が収容する物品を示す。数量は、収容箱50が収容する物品の数量を示す。期限は、収容箱50が収容する物品の期限を示す。なお、ここでの期限とは、賞味期限や品質管理上の期限であってもよいし、ユーザにより手動で設定されてもよい。
【0065】
図示の例では、具体的には、ID情報「001」と、収容物「洗剤」と、数量「10個」と、期限「2023/12/13」と、が関連付けられている。また、図示の例では、ID情報「002」と、収容物「食料品」と、数量「10個」と、期限「2023/12/13」と、が関連付けられている。
【0066】
制御部250は、このような収容物テーブルを多様な方法で作成および更新し得る。例えば、制御部250は、メーカ側のユーザの手動入力により、各収容箱50が収容する物品、数量、期限等の各種情報が設定されてもよい。
【0067】
また、メーカ側のユーザは、必ずしも収容物テーブルに含まれる全ての項目を入力しなくてもよい。例えば、メーカ側のユーザは、収容箱50が収容する物品に関する情報のみを入力してもよい。この場合、制御部250は、ユーザにより入力された物品に関する情報に基づいて、収容箱50に収容する数量および期限を自動設定してもよい。
【0068】
制御部250は、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50を判定する判定部として、以下に述べるように動作する。例えば、制御部250は、上述した滞在履歴テーブルおよび収容物テーブルに基づいて、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50を判定してもよい。ここでの、所定の基準は、ユーザにより所定の基準となる期間あるいは期日を入力することにより手動で設定されてもよいし、制御部250により自動で設定されてもよい。
【0069】
例えば、所定の基準は、収容箱50が存在する最新の場所に応じて異なってもよい。具体的には、所定の基準は、収容箱50が滞留する最新の場所がメーカ工場である場合、物流倉庫である場合または店舗である場合によってそれぞれ異なっていてもよい。また、所定の基準は、店舗等の各拠点に含まれる各場所によっても異なっていてもよい。具体的には、所定の基準は、収容箱50が滞留する最新の場所が店舗のバックヤードである場合、店舗の展示場所(即ち、店頭)である場合、店舗の空の収容箱50の置き場である場合によってそれぞれ異なっていてもよい。これにより、制御部250は、収容箱50が滞留する場所に応じた提案情報を発出するタイミングを制御することが可能になり、提案情報を受けるユーザの利便性がより向上され得る。提案情報に関する具体例については後述する。
【0070】
また、所定の基準は、収容箱50が収容する物品に応じて異なっていてもよい。例えば、所定の基準は、収容箱50が収容する物品が飲食物であるか、または生活用品であるか等によって異なっていてもよい。これにより、制御部250は、収容箱50が収容する物品に応じた提案情報を発出するタイミングを制御することが可能になり、提案情報を受けるユーザの利便性がより向上され得る。提案情報に関する具体例については後述する。
【0071】
所定の基準の一例を挙げると、例えば、制御部250は、最新の場所に到着してからの期間が所定の時間を超えた収容箱50を判定してもよい。ここでの所定の時間とは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0072】
所定の時間が複数存在する場合、制御部250は、最新の場所に到着してからの期間が複数の所定の時間の各々を超えた収容箱50を判定してもよい。例えば、ある場所(例えば、メーカ倉庫)におけるある物品(例えば、洗剤等)には、複数の所定の時間として、第1の時間(例えば、2か月)、第2の時間(例えば、2.5か月)、第3の時間(例えば、6か月)の3つが設定されているとする。この場合、制御部250は、最新の場所(例えば、メーカ倉庫)に到着してからの期間が第1の時間を超えた収容箱50と、第2の時間を超えた収容箱50と、第3の時間を超えた収容箱50と、をそれぞれ判定してもよい。
【0073】
制御部250は、生成部としても動作する。すなわち、制御部250は、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50に関する提案情報を生成してもよい。そして、通信部210は、制御部250により生成された提案情報に対応する収容箱50が存在する場所の情報端末10に対し、当該提案情報を送信してもよい。これにより、例えば売れた時以外で物品が出ていかないことを前提とした展示用の収容箱50を用いた場合、流通管理装置20は、当該展示用の収容箱50に収容された物品の期限等に関する提案をユーザに行うことが可能である。
【0074】
ここで、制御部250により生成される提案情報は、当該提案情報に対応する収容箱50が滞留する最新の場所に応じて異なっていてもよい。例えば、制御部250は、収容箱50が滞留する最新の場所がメーカ倉庫である場合、物流倉庫である場合または店舗である場合によってそれぞれ異なる提案情報を生成するのが好ましい。これにより、ユーザは、収容箱50が存在する場所に基づく提案情報を確認することができ、当該収容箱50の滞留状況の把握および施策の検討を行うことが可能になる。
【0075】
また、制御部250により生成される提案情報は、当該提案情報に対応する収容箱50が収容する物品に応じて異なっていてもよい。例えば、制御部250は、収容箱50が収容する物品が飲食物であるか、または生活用品であるか等によってそれぞれ異なる提案情報を生成してもよい。これにより、制御部250は、収容箱50が収容する物品に適した提案情報を発出することが可能になり、提案情報を受けるユーザの利便性がより向上され得る。
【0076】
また、制御部250により生成される提案情報は、ユーザにより設定されてもよい。例えば、制御部250が生成する提案情報の少なくとも一部の内容は、ユーザにより入力されてもよい。ここで、ユーザは、情報端末10により提案情報の内容を文章として入力してもよいし、プルダウンメニューに含まれる複数の提案情報の内容の候補から一の内容を選択することで提案情報の内容を入力してもよい。この場合、制御部250は、提案情報を生成する際に、ユーザにより入力された内容を提案情報に組み入れてもよい。
【0077】
また、制御部250は、最新の場所に到着してからの期間が超えた所定の時間に応じた提案情報を生成してもよい。例えば、複数の所定の時間として、上述した第1の時間、第2の時間、第3の時間の3つが設定されている場合、制御部250は、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第1の時間、第2の時間、第3の時間のいずれを超えたかによって、それぞれ異なる提案情報を生成してもよい。なお、所定の時間は所定の日数であってもよい。所定の日数は、収容箱50が収容する物品に応じて異なっていてもよい。例えば、収容箱50が収容する物品が食料品である場合、食料品でない場合と比較して所定の日数は短くなり得る。
【0078】
また、所定の基準の他の例を挙げると、制御部250は、ある物品を収容する収容箱50が先に到着している場所に、後に同一の物品を収容する他の収容箱50が到着した場合に、当該場所に搬送されてからの期間がより長い収容箱50を示す先入収容箱を判定してもよい。この場合、制御部250は、当該先に到着した収容箱50(先入収容箱)について、当該後に到着した収容箱50の存在に応じた提案情報を生成してもよい。
【0079】
また、収容箱50が収容する物品が、季節限定の企画品またはキャンペーンに対応した商品である場合、所定の基準は、季節やキャンペーンの時期に基づき設定されてもよい。例えば、収容箱50が収容する物品がキャンペーンに対応した商品である場合、制御部250は、最新の場所に到着してからの期間が、当該キャンペーンの終了日程より所定日数前の日を超えた収容箱50を判定してもよい。
【0080】
また、制御部250は、ある場所において過去に同一物品を収容した収容箱50が滞留していた期間を参照してもよい。例えば、ある店舗において過去に洗剤を収容した収容箱50が40日間滞留していた場合、制御部250は、所定の日数を40日間とし、当該洗剤を収容する収容箱50のうち、当該店舗に到着してからの期間が所定日数を超えた収容箱50を判定してもよい。これにより、制御部250は、過去の実績と比較した提案情報をユーザに提供することができる。
【0081】
続いて、最新の場所が、メーカ倉庫である場合、物流倉庫である場合、店舗である場合、および当該店舗における空の収容箱50の置き場である場合について、制御部250の各処理に関するより詳細な具体例を順次説明する。また、以下では、提案情報をアラートと表現する場合がある。
【0082】
(メーカ倉庫)
例えば、制御部250は、ある収容箱50がメーカ倉庫に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、アラートを生成し、発出してもよい。この目標在庫期間は、所定の基準の一例であり、収容箱50が収容する物品の品質保証期間や販売計画等により設定され得る。また、このアラートを発出する回数は、所定の期間を複数とすることで、複数回設定され得る。
【0083】
例えば、制御部250は、ある収容箱50がメーカ倉庫に到着してからの期間が第1の時間を超えた際に、1回目のアラートとして生産計画の調整を行う提案情報を生成してもよい。また、制御部250は、ある収容箱50がメーカ倉庫に到着してからの期間が第2の時間を超えた際に、2回目のアラートとして販売施策を強化するように促す提案情報を生成してもよい。更に、制御部250は、ある収容箱50がメーカ倉庫に到着してからの期間が第3の時間を超えた際に、3回目のアラートとして廃棄などの処理を行うことを促す提案情報を生成してもよい。そして、通信部210は、各アラートのタイミングで生成された各提案情報を、メーカ倉庫に存在する情報端末10Bに送信してもよい。
【0084】
また、ある収容箱50がメーカ倉庫に到着してからの期間によらず、同一物品を収容する他の収容箱50がメーカ倉庫から出荷されているにもかかわらず、先にメーカ倉庫に入庫したのに出荷されない収容箱50があった場合、制御部250は、例えばその差が所定の基準(例えば、5日)を超えた場合に、先に入庫したのに出荷されていない収容箱50が存在する旨の、すなわち先入後出の状態にある収容箱50が存在する旨のアラートを生成してもよい。これにより、制御部250は、メーカ倉庫に先入後出の状態にある収容箱50の出荷を促すことになる。
【0085】
(物流倉庫)
制御部250は、ある収容箱50が物流倉庫に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、アラートを生成し、発出してもよい。この目標在庫期間は、所定の基準の一例であり、収容箱50が収容する物品の品質保証期間や販売計画等により設定され得る。また、このアラートを発出する回数は複数回設定され得る。
【0086】
例えば、制御部250は、ある収容箱50が物流倉庫に到着してからの期間が第1の時間を超えた際に、1回目のアラートとして購入計画の調整を行う提案情報を生成してもよい。また、制御部250は、ある収容箱50が物流倉庫に到着してからの期間が第2の時間を超えた際に、2回目のアラートとして販売施策を強化するように促す提案情報を生成してもよい。更に、制御部250は、ある収容箱50が物流倉庫に到着してからの期間が第3の時間を超えた際に、3回目のアラートとして廃棄などの処理を行うことを促す提案情報を生成してもよい。そして、通信部210は、各アラートとして生成された各提案情報を、物流倉庫に存在する情報端末10Cに送信してもよい。
【0087】
また、ある収容箱50が物流倉庫に到着してからの期間によらず、同一物品を収容する他の収容箱50が物流倉庫から出荷されているにもかかわらず、先に物流倉庫に入庫したのに出荷されない収容箱50があった場合、制御部250は、例えばその差が所定の基準(例えば、5日)を超えた場合に、先に入庫したのに出荷されていない収容箱50が存在する旨のアラートを生成してもよい。これにより、制御部250は、物流倉庫に先入先出の出荷を促すことになる。
【0088】
なお、これらの収容箱50の移動情報は当該収容箱50を出荷したメーカ側で確認ができてもよい。具体的には、メーカ側のユーザは、メーカ工場またはメーカ倉庫から出荷後の収容箱50および当該収容箱50に収容される物品の移動情報を情報端末10A、10Bを用いて、確認することができてもよい。
【0089】
(店舗)
制御部250は、ある収容箱50が店舗に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、アラートを生成し、発出してもよい。この目標在庫期間は、所定の基準の一例であり、収容箱50が収容する物品の品質保証期間や販売計画等により設定され得る。また、このアラートを発出する回数は複数回設定され得る。
【0090】
例えば、制御部250は、ある収容箱50が店舗に到着してからの期間が第1の時間を超えた際に、1回目のアラートとして仕入計画の調整を行う提案情報を生成してもよい。また、制御部250は、ある収容箱50が店舗に到着してからの期間が第2の時間を超えた際に、2回目のアラートとして販売施策を強化するように促す提案情報を生成してもよい。更に、制御部250は、ある収容箱50が店舗に到着してからの期間が第3の時間を超えた際に、3回目のアラートとして返品や廃棄などの処理を行うことを促す提案情報を生成してもよい。そして、通信部210は、各タイミングで生成された各提案情報を、店舗に存在する情報端末10Eに送信してもよい。なお、より詳細な例を挙げると、販売施策を強化するように促す提案情報とは、例えば、収容箱50が収容する物品が洗剤である場合は、値引きや陳列場所の変更に係るアラートであってもよいし、収容箱50が収容する物品が食料品である場合は、当該食料品を加工または調理(総菜等)に用いることを促すアラートであってもよい。
【0091】
また、ある収容箱50が店舗に到着してからの期間によらず、同一物品を収容する他の収容箱50が店舗から出荷(返却)されているにもかかわらず、先に店舗に入庫(納品)したのに出荷(返却)されない収容箱50があった場合、制御部250は、例えばその差が所定の基準(例えば、5日)を超えた場合に、先に入庫(納品)したのに出荷(返却)されていない収容箱50が存在する旨のアラートを生成してもよい。これにより、制御部250は、店舗に先入先出による収容箱50の出荷(返却)を促すことになる。
【0092】
なお、これらの収容箱50の移動情報は当該収容箱50を出荷したメーカ側で確認ができてもよい。具体的には、メーカ側のユーザは、メーカ工場またはメーカ倉庫から出荷後の収容箱50および当該収容箱50に収容される物品の移動情報を情報端末10A、10Bを用いて、確認することができてもよい。これにより、メーカ側のユーザは、収容箱50が返却されたことを確認でき、収容箱50単位で物品が売れたことを把握し得る。
【0093】
また、制御部250は、ある収容箱50が店舗に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、メーカ側に対するアラートを生成し、当該メーカ側の情報端末10A、10Bに発出してもよい。
【0094】
(空の収容箱50の置き場)
制御部250は、空の収容箱50の置き場に収容箱50が搬送された情報を得た場合には、その情報を基に空の収容箱50の回収のトリガーとするアラートを生成し、発出してもよい。具体的には、制御部250は、ある収容箱50が空の収容箱50の置き場に到着してからの期間が所定の時間を超えた際に、空の収容箱50の回収を促すアラートを生成してもよい。そして、通信部210は、収容箱回収場の情報端末10F(例えば、収容箱回収場の業者が携帯する端末等)に対し、空の収容箱50の回収を促すアラートを送信してもよい。
【0095】
なお、上述したアラートの内容は一例であり、制御部250により生成されるアラートは係る例に限定されない。例えば、制御部250は、ある収容箱50がメーカ倉庫に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、収容箱50の再加工を促すアラートを生成してもよい。
【0096】
また、制御部250は、ある収容箱50が物流倉庫に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、メーカ返品を促すアラートを生成してもよい。
【0097】
また、制御部250は、ある収容箱50が販売店倉庫(または、店舗)に到着してからの期間が、当該収容箱50が収容する物品に設定された目標在庫期間を超えた場合、卸返品を促すアラートを生成し、通信部210は、当該アラートを販売店倉庫(または、店舗)の情報端末10D(または情報端末10E)に送信してもよい。
【0098】
また、制御部250は、メーカ工場に存在する空の収容箱50の置き場に到着してからの期間が所定の基準を満たした際に、収容箱50の仕入れ数量の調整を促すアラートを生成し、通信部210は、当該アラートをメーカ工場の情報端末10に送信してもよい。
【0099】
(補足)
本実施形態に係る流通管理装置20は、各拠点(場所)における収容箱50の滞留状況を把握することが可能である。このような滞留状況の把握によれば、各拠点のユーザに対し多様な利点が提供され得る。
【0100】
例えば、店舗または倉庫(例えば、物流倉庫や販売店倉庫等)における収容箱50の滞留状況が把握可能になることで、多様な利点がユーザに提供され得る。具体的には、本実施形態に係る流通管理装置20によれば、空の収容箱50の返却忘れの可能性が判断できる。同時期(例えば、同日~1週間程度)に出荷された収容箱50のうち、返却された収容箱50が多くを占め、一部の収容箱50のみが返却されていない場合、返却忘れと判断することが可能になり得る。また、同じ物品が収容され、後から出荷された収容箱50が返却されているのに、先に出荷された収容箱50が返却されていない場合も、返却忘れの可能性が判断でき得る。なお、このような、返却忘れの判断は、メーカ側のユーザにより行われてもよいし、制御部250により自動的に行われてもよい。
【0101】
返却忘れの可能性があると判断された場合、流通管理装置20またはメーカ側のユーザは、店舗のユーザに対してその旨を好ましくはメールやSNS(Social Networking Service)等で直接に伝え、返却を促進してもよい。ここで、当該連絡の発信は、流通管理装置20によるのが、自動的に行うことができるため好ましい。もしくは、流通管理装置20は、店舗ごとの返却忘れ率を算出し、当該算出結果から環境負荷低減への悪影響を数値化し、店舗のユーザに対して当該数値を伝えてもよい。これにより、収容箱50の返却に関する店舗のユーザのモチベーションが向上され得る。
【0102】
また、本実施形態に係る流通管理装置20によれば、新製品入れ替え時における旧製品の返品有無の確認が可能になり得る。例えば、旧品を入れて出荷した収容箱50が返却されていない場合、その返却されていない収容箱50の数量から旧製品の店頭在庫をメーカ側および店舗側で予測することが可能になり得る。返却忘れを削減する活動が効果を示していると仮定すると、メーカ側のユーザは、出荷先の店舗にある収容箱50には製品が満たされていると判断することが可能である。すなわち、収容箱50の数量に対して当該収容箱50が収容する物品のする数量を乗算した値が製品在庫となり、メーカ側のユーザは、返却されていない収容箱50の数量から、収容箱50が収容する物品の店頭在庫を判断することが可能になり得る。
【0103】
また、本実施形態に係る流通管理装置20によれば、先入先出の運用状況の確認が可能になり得る。例えば、同一物品を収容した収容箱50が返却された順番と当該収容箱50の出荷日との相関を調査することで、出荷先(即ち、店舗)の先入先出の管理状況を類推することが可能になり得る。
【0104】
また、本実施形態に係る流通管理装置20によれば、収容箱50単位での長期保管在庫の確認が可能になり得る。一般的な在庫管理方法として、品番と数量による在庫管理方法が挙げられるが、流通管理装置20では、物品が収容箱50に収容されている場合において、出荷日から出荷先での保管期間を収容箱50単位で算出することが可能になり得る。
【0105】
また、本実施形態に係る流通管理装置20によれば、収容箱50単位での鮮度管理(在庫期限超過の確認)が可能になり得る。例えば、食料品などの鮮度管理が必要な物品が収容箱50に収容されている場合を想定すると、収容箱50が返却されていない際に、出荷日からの経過日数により収容箱50単位での在庫日数の把握が可能になり得る。これにより、収容箱50単位での物品の鮮度管理が可能になり得る。
【0106】
以上、本実施形態に係る流通管理装置20により、各拠点(場所)における収容箱50の滞留状況を把握することで提供され得るユーザの利点について説明した。なお、流通管理装置20は、このような収容箱50の滞留状況を、アラートの回数やアラートの内容に反映してもよい。例えば、制御部250は、空の収容箱50の返却忘れ率が所定値以上である店舗に対し、アラートの回数を増加してもよい。また、制御部250は、空の収容箱50の返却忘れ率が所定値以上である店舗へのアラートとして、空の収容箱50の返却を忘れていないかの確認を促すアラートを生成してもよい。
【0107】
<情報端末の構成>
以上、本発明の一実施形態による流通管理装置20の構成を説明した。続いて、
図8を参照して、本発明の一実施形態による情報端末10の構成を説明する。
【0108】
図8は、本発明の一実施形態の構成を示す説明図である。
図8に示したように、情報端末10は、通信部110と、読取部120と、操作部130と、出力部140と、制御部150と、を備える。なお、読取部120、操作部130および出力部140などは、情報端末10の外部装置の一機能として実現されてもよい。
【0109】
(通信部110)
通信部110は、流通管理装置20とのインタフェースであり、流通管理装置20から多様な情報を受信する受信部、および流通管理装置20に多様な情報を送信する送信部としての機能を有する。例えば、通信部110は、収容箱50が他の場所に搬送される際に、読取部120により収容箱50から読み取られたID情報を含む搬送情報を制御部150による制御に従って流通管理装置20に送信する。また、通信部110は、収容箱50の搬送に関する指示を流通管理装置20から受信してもよい。
【0110】
(読取部120)
読取部120は、収容箱50のID提示部から収容箱50のID情報を読み取る。読取部120は、ID情報提示部の形態に応じたものを用いる。すなわち、収容箱50のID情報が
図2を参照して説明したようにICチップに格納されている場合、読取部120は、当該ICチップからID情報を読み取る機能を有する。また、収容箱50にバーコードまたは二次元コードのようなコードが付されている場合、読取部120は当該コードからID情報を読み取る機能を有する。なお、ID情報提示部がRFIDである場合は、複数の収容箱50の情報を一括して取得することも可能であるが、収容箱50単位の情報管理を確実にする観点から、一括して情報を取得する場合にも収容箱50ごとに情報を管理する。
【0111】
(操作部130)
操作部130は、情報端末10の利用者が情報端末10に情報または指示を入力するために操作する部分である。操作部130は、例えば、キーボード、マウスまたはタッチパネルなどにより実現されてもよい。
【0112】
(出力部140)
出力部140は、制御部150からの制御に基づいて情報または通知を出力する。例えば、出力部140は、表示機能を有し、情報または通知を表示として出力してもよい。具体的には、出力部140は、読取部120によりID情報が読み取られた収容箱50に関する提案情報が発せられていた場合に、当該提案情報を表示する。また、出力部140は、音の出力機能を有し、情報または通知を音として出力してもよい。
【0113】
本発明の一実施形態において、出力部140は、制御部150からの制御に基づき、流通管理装置20から受信した提案情報を出力してもよい。
【0114】
(制御部150)
制御部150は、情報端末10の動作全般を制御する。例えば、制御部150は、読取部120により読み取られた収容箱50のID情報を含む搬送情報の送信を通信部110に指示する。
【0115】
<動作>
以上、本発明の一実施形態による各装置の構成を説明した。続いて、上述した流通管理装置20の動作を整理する。
【0116】
(流通管理装置20の動作)
図9は、一日一度、所定の時刻に起動される、本発明の一実施形態による流通管理装置20の滞留確認動作を示すフローチャートである。
図9に示したように、流通管理装置20は、収容箱50のすべて、すなわち、すべてのID情報について、以下の処理を繰り返す(S404)。
【0117】
次いで、制御部250は、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第1の時間を超えたか否かを判定する(S412)。収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第1の時間を超えた場合(S412/Yes)、処理はS416に進められ、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第1の時間を超えずに他の場所に搬送された場合(S412/No)、流通管理装置20は処理を終了する。
【0118】
収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第1の時間を超えた場合(S412/Yes)、制御部250は、第1の時間に応じた提案情報を生成し、通信部210は、当該提案情報を情報端末10に送信する(S416)。
【0119】
続いて、制御部250は、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第2の時間を超えたか否かを判定する(S420)。収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第2の時間を超えた場合(S420/Yes)、処理はS424に進められ、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第2の時間を超えずに他の場所に搬送された場合(S420/No)、流通管理装置20は処理を終了する。
【0120】
収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第2の時間を超えた場合(S420/Yes)、制御部250は、第2の時間に応じた提案情報を生成し、通信部210は、当該提案情報を情報端末10に送信する(S424)。
【0121】
続いて、制御部250は、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第3の時間を超えたか否かを判定する(S428)。収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第3の時間を超えた場合(S428/Yes)、処理はS432に進められ、収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第3の時間を超えずに他の場所に搬送された場合(S428/No)、流通管理装置20は処理を終了する。
【0122】
収容箱50が最新の場所に到着してからの期間が第3の時間を超えた場合(S428/Yes)、制御部250は、第3の時間に応じた提案情報を生成し、通信部210は、当該提案情報を情報端末10に送信する(S432)。全ID情報について、S412からS432までの一連の処理を終えると(S436)、流通管理装置20は処理を終了する。なお、本実施形態では、一日1回、制御部250が、上記のように滞留確認動作を行うが、ユーザの指定により、例えば店舗など特定の場所について滞留確認動作を行うことも可能である。その際は、所定の基準は、操作部130よりのユーザの指定によるのが好ましい。
【0123】
<作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態によれば、多様な作用効果が実現される。例えば、本発明の一実施形態によれば、流通管理装置20の通信部210が複数の場所間で搬送される収容箱50に付されたID情報に基づき、当該収容箱50が最新の場所に到着した時間を示す到着時間情報を受信し、当該到着時間情報に基づき、制御部250が最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50を、例えば夜間バッチ処理で判定する。かかる構成によれば、一の場所で滞留している収容箱50を判別することができ、収容箱50の利用効率をより向上することが可能になり得る。
【0124】
<ハードウェア構成>
以上、本発明の実施形態を説明した。上述したポイントの管理、洗浄または廃棄の判定などの情報処理は、ソフトウェアと、ハードウェアとの協働により実現される。以下、情報端末10および流通管理装置20などに適用され得るハードウェア構成例を説明する。
【0125】
図10は、ハードウェア構成90を示した説明図である。
図10に示したように、ハードウェア構成90は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、入力装置908と、出力装置910と、メモリ装置911と、撮像装置913と、通信装置915とを備える。
【0126】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってハードウェア構成90内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。これらCPU901、ROM902およびRAM903とソフトウェアとの協働により、流通管理装置20の制御部250および情報端末10の制御部150などの機能が実現され得る。
【0127】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。ユーザは、該入力装置908を操作することにより、各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0128】
出力装置910は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置910は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。例えば、表示装置は、撮像された画像や生成された画像などを表示する。一方、音声出力装置は、音声データ等を音声に変換して出力する。
【0129】
メモリ装置911は、データ格納用の装置であり、流通管理装置20の記憶部220などに対応する。メモリ装置911は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。このメモリ装置911は、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0130】
撮像装置913は、光を集光する撮影レンズおよびズームレンズなどの撮像光学系、およびCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサなどの信号変換素子を備える。撮像光学系は、被写体から発せられる光を集光して信号変換部に被写体像を形成し、信号変換素子は、形成された被写体像を電気的な画像信号に変換する。
【0131】
通信装置915は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースであり、情報端末10の通信部110および流通管理装置20の通信部210などに対応する。また、通信装置915は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0132】
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
例えば、本明細書の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、流通管理装置20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0134】
また、情報端末10および流通管理装置20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報端末10および流通管理装置20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムが記憶された非一時的な記憶媒体も提供される。
【0135】
例えば、流通管理装置20にて、収容箱50の情報を情報端末10で管理するにあたり、管理装置に記憶された、複数の場所間で搬送される収容箱50に付与されたID情報と関連付けて記憶された最新の場所に到着した時期(日時や日)などを用いて、最新の場所に到着してからの期間が所定の基準を満たした収容箱50を判定することを実行させる、プログラムを、店舗向けの情報端末10用に提供することが出来る。この場合、提供されるプログラムより、情報端末10にユーザが提案情報を入力したり、所定の期間を入力したりすることを実行可能にすることが好ましい。
【符号の説明】
【0136】
10 情報端末
110 通信部
120 読取部
130 操作部
140 出力部
150 制御部
20 流通管理装置
210 通信部
220 記憶部
250 制御部
40 車両
50 収容箱
52 ICチップ