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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172597
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電源制御装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/30 20060101AFI20241205BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06F1/30
H02J7/00 B
H02J7/00 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090417
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100174573
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 知美
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 一浩
(72)【発明者】
【氏名】坂東 真一郎
【テーマコード(参考)】
5B011
5G503
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011DA13
5B011EA04
5B011EA08
5B011GG03
5B011JA07
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA13
(57)【要約】
【課題】蓄電池の残量低下時に制御モジュールの再起動が繰り返されることを抑制可能な電源制御装置および電子機器を提供する。
【解決手段】電源制御装置13は、切替部21と、電力変換部22と、動作制御部23と、電源制御部24と、を備える。電源制御部24は、蓄電池11の残量が、制御モジュール14の最低動作電圧に応じて定められる第1閾値電圧を制御モジュール14に印加するための最低残量を下回ると、切替部21を制御して電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。電源制御部24は、電力変換部22への入力電力が制御モジュール14に最低動作電圧を印加するための最低入力電力を下回ると、電力変換部22を停止させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池から制御モジュールへの電力供給を制御する電源制御装置であって、
前記蓄電池から供給される電力を前記制御モジュールに供給するための電力に変換し、変換した電力を前記制御モジュールに出力する電力変換部と、
前記電力変換部を前記蓄電池に電気的に接続し、または、前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離す切替部と、
前記制御モジュールの入力電圧が、前記制御モジュールの最低動作電圧に応じて定められる第1閾値電圧未満であるときは、前記制御モジュールを停止させ、前記制御モジュールの入力電圧が前記第1閾値電圧以上であるときは、前記制御モジュールを動作させる動作制御部と、
前記蓄電池の残量が前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための最低残量を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離し、前記電力変換部の入力電力が前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための最低入力電力を下回ると、前記電力変換部を停止させる電源制御部と、
を備える電源制御装置。
【請求項2】
前記電源制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための最低出力電圧を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離し、前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための前記電力変換部の最低入力電圧より高く、かつ、前記最低出力電圧より低い第2閾値電圧を用いて、前記電力変換部の入力電圧が前記第2閾値電圧を下回ると、前記電力変換部を停止させる、
請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
前記電源制御部は、前記電力変換部の入力電圧が前記第2閾値電圧以上であるときは、前記電力変換部を制御して前記電力変換部による電力変換を行わせて、前記電力変換部の入力電圧が前記第2閾値電圧未満であるときは、前記電力変換部を停止させる変換制御部を有する、
請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
前記電源制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記最低出力電圧を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離す切替制御部をさらに有する、
請求項2または3に記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記切替制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記最低出力電圧を下回った後に、前記切替部の入力電圧が前記第2閾値電圧以下の値である第3閾値電圧を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池に電気的に接続する、
請求項4に記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記切替制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記最低出力電圧以上であるときは、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池に電気的に接続する、
請求項4に記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記電力変換部は、降圧型DC(Direct Current:直流)/DCコンバータである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電源制御装置。
【請求項8】
充電式の電子機器であって、
前記電子機器が有する主回路の動作を制御する制御モジュールと、
前記電子機器が動作するための電力を供給する蓄電池と、
前記蓄電池から前記制御モジュールへの電力供給を制御する請求項1から3のいずれか1項に記載の電源制御装置と、
を備える電子機器。
【請求項9】
前記主回路は、
他の無線機器に送信信号を送信し、または他の無線機器から受信信号を受信する通信回路と、
前記蓄電池から前記電源制御装置を介して供給される電力を前記通信回路を動作させるための電力に変換し、変換した電力を前記通信回路に出力する通信用電力変換部と、
前記通信用電力変換部を制御する通信用変換制御部と、を有し、
前記電源制御装置は、前記蓄電池から前記制御モジュールおよび前記通信用電力変換部への電力供給を制御する、
請求項8に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池に充電された電力で動作する充電式の電子機器には、蓄電池の残量が低下すると、蓄電池からの電力供給を遮断するものがある。この種の電子機器の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される携帯型データ処理装置が備えるCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)は、電池電圧が許容電圧レベル未満、または、電池電圧の低下量が許容電圧差以上であれば、蓄電池からの電力供給を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-306734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の省電力化のために、例えば1.8Vのような低電圧で動作可能なCPUが電子機器に採用される。この電子機器において、蓄電池の電池電圧が低下したときに、特許文献1に開示される携帯型データ処理装置のように、蓄電池からの電力供給を遮断してCPUが停止すると、負荷電流の減少によってCPUの入力電圧が上昇する。CPUの入力電圧が、CPUの最低動作電圧に到達すると、蓄電池が十分に充電されていなくても、CPUが再起動する。
【0005】
低電圧で動作可能なCPUでは、停止時のCPUの電圧である最低動作電圧より通常のCPUの動作電圧を高くすることでヒステリシスをもたせていても、最低動作電圧と通常の動作電圧との差が小さくなるため、上述のように蓄電池が十分に充電されていない状態でCPUが再起動することがある。蓄電池が十分に充電されていなければ、CPUが再び停止するため、蓄電池の残量低下時に上述のように不要なCPUの再起動が繰り返される。蓄電池の残量低下時の不要なCPUの再起動は、任意の充電式の電子機器で起こり得る。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、蓄電池の残量低下時に制御モジュールの再起動が繰り返されることを抑制可能な電源制御装置および電子機器を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電源制御装置は、
蓄電池から制御モジュールへの電力供給を制御する電源制御装置であって、
前記蓄電池から供給される電力を前記制御モジュールに供給するための電力に変換し、変換した電力を前記制御モジュールに出力する電力変換部と、
前記電力変換部を前記蓄電池に電気的に接続し、または、前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離す切替部と、
前記制御モジュールの入力電圧が、前記制御モジュールの最低動作電圧に応じて定められる第1閾値電圧未満であるときは、前記制御モジュールを停止させ、前記制御モジュールの入力電圧が前記第1閾値電圧以上であるときは、前記制御モジュールを動作させる動作制御部と、
前記蓄電池の残量が前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための最低残量を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離し、前記電力変換部の入力電力が前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための最低入力電力を下回ると、前記電力変換部を停止させる電源制御部と、
を備える。
【0008】
好ましくは、前記電源制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための最低出力電圧を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離し、前記制御モジュールに前記第1閾値電圧を印加するための前記電力変換部の最低入力電圧より高く、かつ、前記最低出力電圧より低い第2閾値電圧を用いて、前記電力変換部の入力電圧が前記第2閾値電圧を下回ると、前記電力変換部を停止させる。
【0009】
好ましくは、前記電源制御部は、前記電力変換部の入力電圧が前記第2閾値電圧以上であるときは、前記電力変換部を制御して前記電力変換部による電力変換を行わせて、前記電力変換部の入力電圧が前記第2閾値電圧未満であるときは、前記電力変換部を停止させる変換制御部を有する。
【0010】
好ましくは、前記電源制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記最低出力電圧を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池から電気的に切り離す切替制御部をさらに有する。
【0011】
好ましくは、前記切替制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記最低出力電圧を下回った後に、前記切替部の入力電圧が前記第2閾値電圧以下の値である第3閾値電圧を下回ると、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池に電気的に接続する。
【0012】
好ましくは、前記切替制御部は、前記蓄電池の出力電圧が前記最低出力電圧以上であるときは、前記切替部を制御して前記電力変換部を前記蓄電池に電気的に接続する。
【0013】
好ましくは、前記電力変換部は、降圧型DC(Direct Current:直流)/DCコンバータである。
【0014】
本発明の第2の観点に係る電子機器は、
充電式の電子機器であって、
前記電子機器が有する主回路の動作を制御する制御モジュールと、
前記電子機器が動作するための電力を供給する蓄電池と、
前記蓄電池から前記制御モジュールへの電力供給を制御する上記電源制御装置と、
を備える。
【0015】
好ましくは、前記主回路は、
他の無線機器に送信信号を送信し、または他の無線機器から受信信号を受信する通信回路と、
前記蓄電池から前記電源制御装置を介して供給される電力を前記通信回路を動作させるための電力に変換し、変換した電力を前記通信回路に出力する通信用電力変換部と、
前記通信電力変換部を制御する通信用変換制御部と、を有し、
前記電源制御装置は、前記蓄電池から前記制御モジュールおよび前記通信用電力変換部への電力供給を制御する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る電源制御装置は、蓄電池の残量が制御モジュールの最低動作電圧に応じて定められる第1閾値電圧を制御モジュールに印加するための最低残量を下回ると、電力変換部を蓄電池から電気的に切り離し、電力変換部の入力電力が制御モジュールに第1閾値電圧を印加するための最小入力電力を下回ると、電力変換部を停止させる。これにより、電力変換部から電力の供給を受ける制御モジュールが蓄電池の残量低下時に再起動を繰り返すことが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図
図2】実施の形態に係る無線局の構成を示すブロック図
図3】実施の形態に係る電源制御装置が行う電力供給停止処理の動作の一例を示すフローチャート
図4】実施の形態に係る電源制御装置が行う電力供給開始処理の動作の一例を示すフローチャート
図5】実施の形態に係る電源制御装置が行う電力供給制御の動作の一例を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る電源制御装置および電子機器について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0019】
図1に示す電子機器1は、充電式の電子機器であって、蓄電池11と、充放電回路12と、電源制御装置13と、制御モジュール14と、を備える。
【0020】
蓄電池11は、点線の矢印で示すように、図示しない外部電源から充放電回路12を介して供給される電力で充電される。蓄電池11は、電子機器1が動作するための電力を供給する。詳細には、蓄電池11は、充放電回路12および電源制御装置13を介して、制御モジュール14および制御モジュール14に制御される図示しない主回路に電力を供給する。図1において、蓄電池11から制御モジュール14への電力供給を太い実線の矢印で示す。
【0021】
充放電回路12は、保護回路、ヒューズ、充電IC(Integrated Circuit:集積回路)等を有する。充放電回路12は、電子機器1が外部電源に接続されると、外部電源から供給される電力で蓄電池11を充電する。充放電回路12は、電子機器1が外部電源に接続されていないときは、蓄電池11から放電される直流電力を、電源制御装置13に供給する。
【0022】
電源制御装置13は、蓄電池11から制御モジュール14への電力供給を制御する。電源制御装置13は、切替部21と、電力変換部22と、動作制御部23と、電源制御部24と、を備える。電源制御部24は、切替制御部25と、変換制御部26と、を有する。
【0023】
切替部21は、電力変換部22を蓄電池11に電気的に接続し、または、電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。実施の形態では、切替部21は、電力変換部22を、蓄電池11に接続されている充放電回路12に電気的に接続し、または、該充放電回路12から電気的に切り離す。切替部21は、例えば、DC(Direct Current:直流)スイッチである。
【0024】
電力変換部22は、蓄電池11から充放電回路12および切替部21を介して供給される電力を制御モジュール14に供給するための電力に変換し、変換した電力を制御モジュール14に出力する。電力変換部22は、例えば、降圧型のDC/DCコンバータである。
【0025】
動作制御部23は、電力変換部22と制御モジュール14との接続点に接続される。動作制御部23は、制御モジュール14の入力電圧が、換言すれば、電力変換部22の出力電圧が、制御モジュール14の最低動作電圧に応じて定められる第1閾値電圧未満であるときは、制御モジュール14を停止させる動作制御信号S1を出力する。制御モジュール14の最低動作電圧は、制御モジュール14が正常に動作することを可能とする制御モジュール14の入力電圧の最小値である。第1閾値電圧は、最低動作電圧以上の値であればよい。例えば、第1閾値電圧として、最低動作電圧が用いられる。動作制御部23は、制御モジュール14の入力電圧が、第1閾値電圧以上であるときは、制御モジュール14を動作させる動作制御信号S1を出力する。
【0026】
電源制御部24は、切替部21のオンオフの切替および電力変換部22の制御を行う。詳細には、電源制御部24は、蓄電池11の残量が、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための最低残量を下回ると、切替部21を制御して電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。電源制御部24は、電力変換部22の入力電力が、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための最低入力電力を下回ると、電力変換部22を停止させる。
【0027】
蓄電池11の残量が少なくなると、蓄電池11の出力電圧は急激に低下する。実施の形態では、蓄電池11の残量が最低残量を下回るか否かの判別は、蓄電池11の出力電圧に基づいて行われる。詳細には、電源制御部24は、蓄電池11の出力電圧が、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための最低出力電圧を下回ると、切替部21を制御して電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。蓄電池11の最低出力電圧は、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加することを可能とする蓄電池11の出力電圧の最小値である。
【0028】
電力変換部22の入力電力と最低入力電力との比較は、電力変換部22の入力電圧に基づいて行われる。詳細には、電源制御部24は、電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧を下回ると、電力変換部22を停止させる。第2閾値電圧は、制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための電力変換部22の最低入力電圧より高く、かつ、蓄電池11の最低出力電圧より低い値である。電力変換部22の最低入力電圧は、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加することを可能とする電力変換部22の入力電圧の最小値である。
【0029】
実施の形態では、電源制御部24は、切替部21のオンオフを切り替える切替制御部25と、電力変換部22が有するスイッチング素子を制御する変換制御部26と、を有する。
【0030】
切替制御部25は、充放電回路12と切替部21との接続点に接続される。切替制御部25は、蓄電池11の出力電圧を監視している制御モジュール14から、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満であるか否かを示す切替制御信号S2を取得する。切替制御部25は、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満であることを示す切替制御信号S2を取得すると、切替部21を制御して、電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。詳細には、切替制御部25は、切替部21が有するスイッチング素子をオフにすることで、電力変換部22を蓄電池11に接続されている充放電回路12から電気的に切り離す。
【0031】
切替制御部25は、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧を下回った後に、切替部21の入力電圧が、第3閾値電圧を下回ると、蓄電池11が十分に充電された際または蓄電池11が十分な残量をもつ蓄電池11に交換された際の制御モジュール11の自動的な再起動を可能にするために、切替部21を制御して電力変換部22を蓄電池11に電気的に接続する。第3閾値電圧は、第2閾値電圧以下の値である。実施の形態では、第3閾値電圧と第2閾値電圧の値は一致するとみなすことができる。
【0032】
切替制御部25は、切替制御信号S2が蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満であることを示している状態で、切替部21の入力電圧が第3閾値電圧に到達すると、一定時間の経過後に、切替部21を制御して電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。
【0033】
切替制御部25は、制御モジュール14から、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧以上であることを示す切替制御信号S2を取得すると、切替部21を制御して、電力変換部22を蓄電池11に電気的に接続する。
【0034】
変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧以上であるときは、電力変換部22を制御して電力変換部22による電力変換を行わせる。詳細には、変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧と出力電圧から、電力変換部22の出力電圧を目標値に近づけるための通流率を求める。変換制御部26は、電力変換部22の出力電圧の目標値についての情報を予め保持している。変換制御部26は、通流率に応じたPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号を電力変換部22のスイッチング素子に送ることで、電力変換部22の電力変換を制御する。電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧未満であるときは、変換制御部26は、電力変換部22のスイッチング素子をオフするPWM信号を出力することで、電力変換部22を停止させる。
【0035】
制御モジュール14は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)等で構成される。制御モジュール14は、図示しないメモリに記憶されている制御プログラムを実行して、電子機器1の各部の処理の開始、終了、処理内容の制御等を行う。
【0036】
制御モジュール14は、低電圧で動作して上述の制御を行う。制御モジュール14の通常の動作電圧は、例えば1.8Vの低電圧であって、制御モジュール14の最低動作電圧は、例えば1.6Vである。制御モジュール14の通常の動作電圧と最低動作電圧との差は、CPUの停止時に負荷電流が減少することで起こり得るCPUの入力電圧の上昇量よりも小さい。
【0037】
制御モジュール14は、電子機器1の動作、具体的には、図示しない主回路の動作を制御する。制御モジュール14は、動作制御部23が出力する動作制御信号S1に応じて起動または停止する。詳細には、制御モジュール14は、停止している状態で、動作制御信号S1がL(Low)レベルからH(High)レベルに変化すると、起動して主回路の動作制御を開始する。制御モジュール14は、起動している状態で、動作制御信号S1がHレベルからLレベルになると、動作を停止する。
【0038】
制御モジュール14は、起動中に蓄電池11の出力電圧を監視し、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧以上のときにH(High)レベルであって、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満のときにL(Low)レベルである切替制御信号S2を出力する。
【0039】
上記構成を有する電源制御装置13は、図2に示すように、電子機器1の一例である無線局2に設けられてもよい。無線局2は、無線機器と通信する。無線機器は、無線局、中継装置等を含むものとする。無線局2は、図1に示す電子機器1の構成に加えて、通信用電力変換部31と、通信用変換制御部32と、通信回路33と、アンテナ34と、を備える。
【0040】
通信用電力変換部31は、充放電回路12および切替部21を介して蓄電池11から供給される電力を通信回路33に供給するための電力に変換し、変換した電力を通信回路33に供給する。通信用電力変換部31は、例えば、DC/DCコンバータである。
【0041】
通信用変換制御部32は、制御モジュール14からの指示に応じて通信用電力変換部31の制御を開始または停止する。通信用変換制御部32は、通信用電力変換部31が有するスイッチング素子を制御することで、通信用電力変換部31を制御する。詳細には、通信用変換制御部32は、通信用電力変換部31の入力電圧と出力電圧から、通信用電力変換部31の出力電圧を目標値に近づけるための通流率を求める。通信用変換制御部32は、通流率に応じたPWM信号を通信用電力変換部31のスイッチング素子に送ることで、通信用電力変換部31の電力変換を制御する。
【0042】
通信回路33は、制御モジュール14からの指示に応じて動作する。通信回路33は、図示しない入力部から入力される送信用データ、例えば、音声データについて、A/D(Analog/Digital)変換、増幅、減衰、フィルタリング、変調、周波数変換等の信号処理を施して送信信号を生成し、アンテナ34から無線機器に送信する。通信回路33は、アンテナ34から無線機器からの受信信号を取得し、受信信号について、周波数変換、復調、フィルタリング、増幅、減衰、D/A(Digital/Analog)変換等の信号処理を施して出力用データを生成し、図示しない出力部に出力用データを送信する。
【0043】
通信用電力変換部31、通信用変換制御部32および通信回路33は、制御モジュール14の制御対象である主回路に相当する。電源制御装置13は、蓄電池11から制御モジュール14および通信用電力変換部31への電力供給を制御する。
【0044】
図1に示す電子機器1が備える電源制御装置13は、稼働時に図3に示す電力供給停止処理を開始する。電源制御装置13は、蓄電池11の残量が、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加できない程度まで低下すると、図3に示す電力供給停止処理によって、蓄電池11から制御モジュール14への電力供給を停止し、制御モジュール14を停止させる。
【0045】
電源制御装置13が備える電源制御部24の切替制御部25は、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満であるか否かを判別する(ステップS11)。具体的には、切替制御部25は、制御モジュール14から取得した切替制御信号S2がLレベルであるか否かを判別する。
【0046】
蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧以上である、換言すれば、切替制御信号S2がHレベルであれば(ステップS11;No)、切替制御部25は、ステップS11の処理を繰り返す。蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満である、換言すれば、切替制御信号S2がLレベルであれば(ステップS11;Yes)、切替制御部25は、切替部21をオフにする(ステップS12)。
【0047】
変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧未満であるか否かを判別する(ステップS13)。電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧以上である間は(ステップS13;No)、変換制御部26は、ステップS13の処理を繰り返す。電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧未満になると(ステップS13;Yes)、変換制御部26は、電力変換部22を停止させる(ステップS14)。
【0048】
動作制御部23は、制御モジュール14の入力電圧が第1閾値電圧未満であるか否かを判別する(ステップS15)。動作制御部23は、制御モジュール14の入力電圧が第1閾値電圧以上である間は(ステップS15;No)、ステップS15の処理を繰り返す。動作制御部23は、制御モジュール14の入力電圧が第1閾値電圧未満になると(ステップS15;Yes)、制御モジュール14を停止させる動作制御信号S1を制御モジュール14に出力することで、制御モジュール14を停止させる(ステップS16)。図3のステップS16の処理が終了すると、電源制御装置13は、電力供給停止処理を終了する。
【0049】
蓄電池11の残量低下時に図3に示す電力供給停止処理によって停止された制御モジュール14を、蓄電池11が十分に充電された際または蓄電池11が十分な残量をもつ蓄電池11に交換された際に自動的に再起動する処理について以下に説明する。図3の電力供給停止処理が終わると、電源制御装置13は、図4に示す電力供給開始処理を開始する。電子機器1が外部電源に接続されて蓄電池11が十分に充電されると、電源制御装置13は、図4に示す電力供給開始処理によって、蓄電池11から制御モジュール14への電力供給を開始し、制御モジュール14を再起動する。
【0050】
切替制御部25は、上述のように蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧を下回った後に切替部21の入力電圧が第3閾値電圧を下回ると、蓄電池11が充電された際の制御モジュール11の再起動を可能にするために、切替部21を制御して電力変換部22を蓄電池11に電気的に接続する。詳細には、切替制御部25は、切替部21の入力電圧が第3閾値電圧未満であるか否かを判別する(ステップS21)。切替部21の入力電圧が第3閾値電圧以上である間は(ステップS21;No)、切替制御部25は、ステップS21の処理を繰り返す。切替部21の入力電圧が第3閾値電圧未満になると(ステップS21;Yes)、切替制御部25は、切替部21をオンにする(ステップS22)。
【0051】
蓄電池11が十分に充電された、または蓄電池11が十分な残量をもつ蓄電池11に交換されたことによって、電力変換部22の入力電圧が、制御モジュール14を正常に動作させるための電圧を制御モジュール14に印加することが可能となる程度に高くなると、変換制御部26は、電力変換部22の動作を開始させる。詳細には、変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧以上であるか否かを判別する(ステップS23)。変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧未満である間は(ステップS23;No)、ステップS23の処理を繰り返す。変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧以上になると(ステップS23;Yes)、電力変換部22の動作を開始する(ステップS24)。
【0052】
動作制御部23は、制御モジュール14が正常に動作することが可能になると、制御モジュール14の動作を開始させる。詳細には、動作制御部23は、制御モジュール14の入力電圧が第1閾値電圧以上であるか否かを判別する(ステップS25)。制御モジュール14の入力電圧が第1閾値電圧未満である間は(ステップS25;No)、動作制御部23は、ステップS25の処理を繰り返す。制御モジュール14の入力電圧が第1閾値電圧以上になると(ステップS25;Yes)、動作制御部23は、制御モジュール14を動作させる動作制御信号S1を制御モジュール14に出力することで、制御モジュール14の動作を開始させる(ステップS26)。ステップS26の処理によって、制御モジュール14が再起動する。
【0053】
切替制御部25は、蓄電池11の残量が十分であれば、蓄電池11から制御モジュール14への電力供給を維持する。詳細には、切替制御部25は、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧以上であることを示すか否かを判別する(ステップS27)。具体的には、切替制御部25は、再起動した制御モジュール14から取得した切替制御信号S2がHレベルであるか否かを判別する。蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧以上である、換言すれば、切替制御信号S2がHレベルであれば(ステップS27;Yes)、切替制御部25は、ステップS22でオンになった切替部21をオンに維持する(ステップS28)。蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満である、換言すれば、切替制御信号S2がLレベルであれば(ステップS27;No)、ステップS28の処理は行われない。ステップS28の処理が終了したとき、または、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満であるときは(ステップS27;No)、電源制御装置13は、電力供給開始処理を終了する。図4に示す電力供給開始処理によって、蓄電池11が十分に充電された際または蓄電池11が十分な残量をもつ蓄電池11に交換された際に、制御モジュール14が自動的に再起動される。制御モジュール14が自動的に再起動された後、電源制御装置13は、図3に示す電力供給停止処理を行う。
【0054】
図3に示す電力供給停止処理および図4に示す電力供給開始処理を行う際の電源制御装置13の各部の状態を図5に示す。蓄電池11の残量が十分にあるとき、図5のグラフAに示すように、蓄電池11の出力電圧V1は、例えば4.2Vである。このとき、グラフB,Eに示すように、切替部21の入力電圧V2、および、電力変換部22の入力電圧V3は4.2Vであるとみなせる。
【0055】
蓄電池11の残量が低下し、蓄電池11の出力電圧V1が低下し始めるタイミングを時刻T1とする。その後、蓄電池11の出力電圧V1が最低出力電圧VLを下回るタイミングを時刻T2とする。最低出力電圧VLは、例えば3.3Vである。時刻T2までは、蓄電池11の出力電圧V1が最低出力電圧VL以上であるため、グラフCに示すように、制御モジュール14が出力する切替制御信号S2は、Hレベルである。このため、切替制御部25は、グラフDに示すように切替部21をオンに維持する。
【0056】
時刻T2までの期間において、グラフEに示すように、電力変換部22の入力電圧V3は、第2閾値電圧Th2以上であるため、グラフFに示すように、変換制御部26は、電力変換部22を制御して動作させる。第2閾値電圧Th2は、例えば、2.2Vである。電力変換部22が動作することで、電力変換部22から制御モジュール14に電圧が印加される。時刻T2までは、電力変換部22の出力電圧、換言すれば、制御モジュール14の入力電圧V4は、グラフGに示すように、例えば、1.8Vである。
【0057】
時刻T2までは、制御モジュール14の入力電圧V4は、第1閾値電圧Th1以上であるため、グラフHに示すように、動作制御部23が出力する動作制御信号S1は、Hレベルである。第1閾値電圧Th1は、例えば、1.6Vである。
【0058】
グラフAに示すように、時刻T2において、蓄電池11の出力電圧V1が最低出力電圧VL未満になると、グラフCに示すように、制御モジュール14が出力する切替制御信号S2がHレベルからLレベルになる。このため、グラフDに示すように、時刻T2において、切替制御部25は、切替部21をオフにする。
【0059】
グラフD,Eに示すように、時刻T2で切替部21がオフにされると、電力変換部22の入力電圧V3が急激に低下する。電力変換部22の入力電圧V3が第2閾値電圧Th2を下回るタイミングを時刻T3とする。グラフFに示すように、時刻T3において、電力変換部22の入力電圧V3が第2閾値電圧Th2を下回ると、変換制御部26は電力変換部22を停止する。
【0060】
グラフF,Gに示すように、時刻T3において電力変換部22が動作を停止すると、制御モジュール14の入力電圧V4は、徐々に低下する。制御モジュール14の入力電圧V4が第1閾値電圧Th1を下回るタイミングを時刻T4とする。時刻T4において、制御モジュール14の入力電圧V4が第1閾値電圧Th1を下回るため、動作制御部23が出力する動作制御信号S1は、Lレベルになる。Lレベルの動作制御信号S1が入力されると、制御モジュール14は停止する。
【0061】
時刻T4で制御モジュール14が停止すると、負荷電流が減少するため、グラフEに示すように、電力変換部22の入力電圧V3は徐々に上昇する。しかしながら、負荷電流が減少することによる入力電圧V3の上昇量は、第1閾値電圧Th1より大きい値に設定されている第2閾値電圧Th2に到達する程の上昇量ではないので、蓄電池11の残量低下時における制御モジュール14の再起動が抑制される。
【0062】
グラフBに示すように、蓄電池11の出力電圧V1の低下に伴って、切替部21の入力電圧V2は低下する。切替部21の入力電圧V2が第3閾値電圧Th3を下回るタイミングを時刻T5とする。第3閾値電圧Th3は、例えば、2.2Vである。時刻T5において、切替部21の入力電圧V2が第3閾値電圧Th3を下回ると、グラフDに示すように、切替制御部25は、切替部21をオンにする。この結果、制御モジュール14が停止している状態で、切替部21はオンになる。
【0063】
電子機器1が外部電源に接続されて、蓄電池11の出力電圧V1が上昇し始めるタイミングを時刻T6とする。時刻T6において、グラフAに示すように、蓄電池11の出力電圧V1が上昇し始める。蓄電池11の出力電圧V1の上昇に伴って、グラフBに示すように切替部21の入力電圧V2が上昇する。時刻T5において切替部21がオンになっているため、切替部21の入力電圧V2の上昇に伴って、グラフEに示すように電力変換部22の入力電圧V3が上昇する。
【0064】
切替部21の入力電圧V2が第3閾値電圧Th3に到達するタイミングを時刻T7とする。時刻T7において、切替制御信号S2がLレベルである状態で、切替部21の入力電圧V2が第3閾値電圧Th3に到達すると、切替制御部25は、切替部21をオフにする。ただし切替制御信号S2がLレベルであるときは、切替制御部25による切替部21をオンからオフにする制御は、リレー回路によって一定期間遅延されてから行われる。この結果、時刻T7の後の一定期間は、グラフDに示すように、切替部21はオンに維持される。
【0065】
電力変換部22の入力電圧V4が第2閾値電圧Th2に到達するタイミングを時刻T8とする。時刻T8において、グラフEに示すように電力変換部22の入力電圧V3が第2閾値電圧Th2に到達すると、変換制御部26は、グラフFに示すように、電力変換部22の動作を開始する。時刻T8において、電力変換部22が動作を開始すると、グラフGに示すように、制御モジュール14の入力電圧V4が増大し始める。
【0066】
制御モジュール14の入力電圧V4が第1閾値電圧Th1に到達するタイミングを時刻T9とする。時刻T9において、制御モジュール14の入力電圧V4が第1閾値電圧Th1に到達すると、グラフHに示すように、動作制御部23が出力する動作制御信号S1がHレベルになる。制御モジュール14は、Hレベルである動作制御信号S1が供給されると、起動する。
【0067】
グラフAに示すように、時刻T9において、蓄電池11の出力電圧V1は、最低出力電圧VLより高いため、制御モジュール14は起動すると、グラフCに示すように、Hレベルの切替制御信号S2を出力する。切替制御部25は、Hレベルである切替制御信号S2を取得すると、グラフDに示すように、切替部21をオンに維持する。切替制御部25は、切替制御信号S2がHレベルである間は、切替部21の入力電圧V2の値によらず、切替部21をオンに維持する。
【0068】
以上説明した通り、実施の形態に係る電源制御装置13は、蓄電池11の残量が、制御モジュール14の最低動作電圧に応じて定められる第1閾値電圧を制御モジュール14に印加するための最低残量を下回ると、電力変換部22を蓄電池11から電気的に切り離す。電源制御装置13は、電力変換部22の入力電力が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための最小入力電力を下回ると、電力変換部22を停止させる。その後、蓄電池11が充電されて電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧に到達するまでは、電力変換部22は停止した状態に維持される。電力変換部22が停止されている間は、電力変換部22から電力の供給を受ける制御モジュール14の入力電圧が増大することが抑制される。
【0069】
低電圧で動作可能なCPUでは、最低動作電圧より通常の動作電圧を高くすることでヒステリシスをもたせていても、低電圧動作時に再起動を繰り返す。これに対し、実施の形態に係る電源制御装置13は、上述のように、蓄電池11が充電されて電力変換部22の入力電圧が第2閾値電圧に到達するまでは、電力変換部22を停止状態に維持するため、制御モジュール14が蓄電池11の残量低下時に不要な再起動を繰り返すことが抑制される。
【0070】
本発明は、上述の実施の形態の例に限られない。電源制御装置13は、以上説明した以外に様々な変形が可能である。
【0071】
第1に、蓄電池11の残量が、電力変換部22が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための最低残量を下回るか否かの判定方法は、上述の例に限られない。一例として、電源制御装置13は、蓄電池11の出力電圧と出力電流に基づいて蓄電池11の残量を推定し、推定された蓄電池11の残量と最低残量とを比較してもよい。他の一例として、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満であるか否かの判別は、電源制御装置13、例えば、動作制御部23で行ってもよい。このとき、動作制御部23が切替制御信号S2を切替制御部25に送ればよい。
【0072】
第2に、電力変換部22の入力電力が制御モジュール14に第1閾値電圧を印加するための最低入力電力を下回るか否かの判定方法は、上述の例に限られない。一例として、変換制御部26は、電力変換部22の入力電圧と入力電流に基づいて電力変換部22の入力電力を求め、求めた入力電力と最低入力電力とを比較してもよい。
【0073】
第3に、動作制御信号S1および切替制御信号S2による制御方法は、上述の例に限られない。一例として、動作制御信号S1は、Lレベルで制御モジュール14を動作させることを指示し、Hレベルで制御モジュール14を停止させることを指示してもよい。他の一例として、制御モジュール14は、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧以上のときにLレベルであって、蓄電池11の出力電圧が最低出力電圧未満のときにHレベルである切替制御信号S2を出力してもよい。
【0074】
第4に、電源制御装置13は、蓄電池11と制御モジュール14とを有する任意の電子機器1に搭載可能である。
【0075】
その他、上述のハードウェア構成および回路構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 電子機器
2 無線局
11 蓄電池
12 充放電回路
13 電源制御装置
14 制御モジュール
21 切替部
22 電力変換部
23 動作制御部
24 電源制御部
25 切替制御部
26 変換制御部
31 通信用電力変換部
32 通信用変換制御部
33 通信回路
34 アンテナ
S1 動作制御信号
S2 切替制御信号
図1
図2
図3
図4
図5