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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172610
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01B 79/00 20060101AFI20241205BHJP
   E02F 3/43 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A01B79/00
E02F3/43 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090443
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 大輔
(72)【発明者】
【氏名】久岡 泰裕
【テーマコード(参考)】
2B041
2D003
【Fターム(参考)】
2B041AA11
2B041AA15
2B041AA17
2B041AB05
2B041AC03
2B041CA02
2B041CA03
2B041CA16
2B041CA17
2B041GA01
2B041HA07
2B041HA15
2B041HA17
2B041HA25
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003AC02
2D003BA02
2D003BB04
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB04
(57)【要約】
【課題】専用の均平作業機を使用せずに圃場の均平作業を行うこと。
【解決手段】走行車体(1a)に支持されて、圃場(302)内での農作業が可能であると共に圃場(302)の整地も可能な作業機(22)と、測位装置(SN3)の3次元の測位結果に基づいて、各位置(302a)の高さが平均高さに近づくように作業機(22)の高さを調整する調整手段(203)と、を備えることで、専用の均平作業機を使用せずに圃場の均平作業を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1a)と、
前記走行車体(1a)に支持されて、圃場(302)内での農作業が可能であると共に圃場(302)の整地も可能な作業機(22)と、
前記走行車体(1a)の3次元の位置を測位する測位装置(SN3)と、
前記走行車体(1a)が圃場(302)内を走行した時の前記測位装置(SN3)の測位結果に基づいて、圃場(302)の各位置(302a)における高さと平均高さとを計測する高さ計測手段(201)と、
前記平均高さに対する前記圃場(302)の各位置(302a)における高さに基づいて、前記各位置(302a)の高さが平均高さに近づくように前記作業機(22)の高さを調整する調整手段(203)と、
を備えたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記走行車体(1a)に支持されて測位用の人工衛星(41)との通信で測位を行う前記測位装置(SN3)と、
前記走行車体(1a)の前方に配置されて、土砂を収容可能なバケット(22b)と、前記バケット(22b)の角度を調整可能且つ前記走行車体(1a)に対する角度を調整可能なアーム(22a)と、を有する前記作業機(22)と、
前記平均高さに対する前記圃場(302)の各位置における高さに基づいて、前記バケット(22b)の前記アーム(22a)に対する角度と、前記アーム(22a)の前記走行車体(1a)に対する角度とを調整することで、前記作業機(22)の高さを調整する前記調整手段(203)と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタや整地用のローダ、ブルドーザー等の作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
米穀や小麦、野菜等の作物が植えられる圃場において、トラクタ(10)に設置されたGPS受信機(20)での測定結果に応じて、トラクタ(10)の後側に配置された均平機(30)を一定の高さに保持しながら牽引することで、運土して、圃場の全体を均平にする技術が公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4739860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の従来の技術では、専用の均平機が必要である問題がある。一度、均平作業をすると次回の均平作業までに相当の年数、期間が空くことが多く、使用頻度の低い専用の均平機を準備すると、購入費用の問題や使用後の均平機を倉庫で保管する保管費用の問題等もある。
【0005】
本発明は、専用の均平作業機を使用せずに圃場の均平作業を行うことを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は次の解決手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、走行車体(1a)と、前記走行車体(1a)に支持されて、圃場(302)内での農作業が可能であると共に圃場(302)の整地も可能な作業機(22)と、前記走行車体(1a)の3次元の位置を測位する測位装置(SN3)と、前記走行車体(1a)が圃場(302)内を走行した時の前記測位装置(SN3)の測位結果に基づいて、圃場(302)の各位置(302a)における高さと平均高さとを計測する高さ計測手段(201)と、前記平均高さに対する前記圃場(302)の各位置(302a)における高さに基づいて、前記各位置(302a)の高さが平均高さに近づくように前記作業機(22)の高さを調整する調整手段(203)と、を備えたことを特徴とする作業車両である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記走行車体(1a)に支持されて測位用の人工衛星(41)との通信で測位を行う前記測位装置(SN3)と、前記走行車体(1a)の前方に配置されて、土砂を収容可能なバケット(22b)と、前記バケット(22b)の角度を調整可能且つ前記走行車体(1a)に対する角度を調整可能なアーム(22a)と、を有する前記作業機(22)と、前記平均高さに対する前記圃場(302)の各位置における高さに基づいて、前記バケット(22b)の前記アーム(22a)に対する角度と、前記アーム(22a)の前記走行車体(1a)に対する角度とを調整することで、前記作業機(22)の高さを調整する前記調整手段(203)と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、圃場(302)の各位置(302a)の高さが平均高さに近づくように農作業が可能な作業機(22)の高さを調整することで、専用の均平作業機を使用せずに圃場の均平作業を行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、走行車体(1a)の前方のバケット(22b)を有する作業機で均平作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は実施の形態の作業車両の一例としてのトラクタの説明図であり、作業機としてロータリ耕耘機が装着された状態の説明図である。
図2図2は実施の形態の制御部の機能ブロック図である。
図3図3は実施の形態の圃場の高さマップの一例の説明図である。
図4図4図3のマップにおいて均平作業計画を策定する一例の説明図である。
図5図5は実施の形態のトラクタのフロントローダの高さの説明図であり、図5(A)は平均高さよりも高い場所での説明図、図5(B)は平均高さよりも低い場所での説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は実施の形態の作業車両の一例としてのトラクタの説明図であり、作業機としてロータリ耕耘機が装着された状態の説明図である。
図1において、本発明の作業車両の一例としての耕耘用のトラクタ1は、走行車体1aの前後部に前輪2,2と後輪3,3とを備え、走行車体前部のエンジンルーム4内に搭載したエンジンEの回転動力をトランスミッションケース5内の変速装置によって適宜減速して、これらを前輪2,2と後輪3,3に伝えるように構成している。前記エンジンルーム4はボンネット6で覆う構成である。
なお、本明細書ではトラクタ1の前進方向に向かって左右をそれぞれ左側と右側といい、前進方向を前側、後進方向を後側という。
【0011】
トラクタ1の機体後部には、トラクタ1の後方の地面(圃場)を耕耘する耕耘機18などの作業機を装着し、PTO軸(図示せず)で動力が伝達されて作業機を駆動する構成としている。
トラクタ1の機体前部には、作業機の一例としてのフロントローダ22が装着されている。フロントローダ22は、基端部が走行車体1aに回転可能に支持された左右一対のアーム22aと、アーム22aの先端部に回転可能に支持されたバケット22bとを有する。アーム22aの基端部と先端部には、それぞれ油圧シリンダ22c,22dと、角度を検出する角度センサ(図示せず)が支持されており、アーム22aの走行車体1aに対する角度と、アーム22aに対するバケット22bの角度とを調整可能に構成されている。
【0012】
なお、フロントローダ22は、バケット22bの内部に作物や資材、土等を収容可能であり、作物等をバケット22bに収容した状態で、アーム22aの角度やバケット22bの角度を変えることで、作物等を掬い上げたり、掬い上げた作物等を圃場や道路、トラックの荷台等に下ろしたりすることが可能である。フロントローダ22は、例えば、農作業として、かぼちゃやキャベツ等の重量のある野菜の収穫や運搬、ジャガイモや玉ねぎ等が収容されたコンテナ(フレコンバッグ)の運搬、堆肥の圃場への運搬や散布、収穫物のトラックへの積み込み・積み下ろし作業が可能であるし、整地作業として、土壌改良用の穴掘り作業、圃場の除石作業、圃場の鎮圧(踏み固め)作業、土の運搬、土寄せ作業等も可能である。
【0013】
走行車体1aの上部には、キャビン7が支持されている。キャビン7の内部では、トランスミッションケース5の上部位置に運転座席8が配置され、この運転座席8の前方には、ステアリングハンドル10や、駐車ブレーキ(図示せず)等が配置されている。また、運転座席8の前方には、速度メータ(図示せず)等の表示パネルや、操作用の各種スイッチ(図示せず)などが配置されている。運転座席8の前方下部には、ブレーキペダル12や、前進ペダルや後進ペダルを有するアクセルペダル13等の走行操作具が配置されている。
【0014】
また、キャビン7の天井部には、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)用の人工衛星41からの信号を受信するGNSS受信機(図示せず)が設置されている。なお、GNSSの方式は、従来公知の任意の方式を利用可能であるが、基地局を併用して精度を高めるRTK-GNSS(Real Time Kinematic - GNSS)を利用することが好ましい。このとき、基地局は圃場外の水平な場所に設置されることが望ましい。
さらに、実施の形態のトラクタ1は、無線通信装置(図示せず)を内蔵しており、通信回線51を介して、端末の一例としてのタブレット52や、営農管理サーバ53と情報の送受信が可能に構成されている。
【0015】
図1において、トラクタ1の後部には作業機の一例としての耕耘機18が連結されている。耕耘機18は、リフトアーム(図示せず)やロワーリンク16の作動に伴って昇降する。
【0016】
(作業車両の制御部の説明)
図2は実施の形態の制御部の機能ブロック図である。
実施の形態のトラクタ1は、各機能を制御する制御部200を有する。制御部200は、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部200は、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部200は、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部200は、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施の形態の制御部200は、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部200は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0017】
制御部200には、アーム角度センサSN1やバケット角度センサSN2、測位装置の一例としてのGNSS受信機SN3、その他の図示しない各種センサ等の信号入力要素から信号が入力される。
アーム角度センサSN1は、フロントローダ22のアーム22aの走行車体1aに対する角度を検知する。なお、角度を検知するセンサは、従来公知の任意の構成を使用可能であり、例えば、光センサを使用することも可能であるし、ジャイロセンサを使用することも可能である。
バケット角度センサSN2は、フロントローダ22のバケット22bのアーム22aに対する角度を検知する。
GNSS受信機SN3は、GNSS用の人工衛星からの信号(測位用の信号)を受信する。
【0018】
制御部200は、油圧シリンダ14aやアーム角度調整シリンダ22c、バケット角度調整シリンダ22d、その他の図示しない被制御要素に対して制御信号を出力する。
アーム角度調整シリンダ22cは、フロントローダ22のアーム22aの走行車体1aに対する角度を調整する。
バケット角度調整シリンダ22dは、フロントローダ22のバケット22bのアーム22aに対する角度を調整する。
【0019】
実施の形態の制御部200は、以下の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
高さ計測手段201は、平均高さ算出手段201aを有し、GNSS受信機SN3の受信する測位信号に基づいてトラクタ1の位置を計測する。実施の形態の高さ計測手段201は、トラクタ1の位置を3次元で計測する。
平均高さ算出手段201aは、圃場の各位置で高さ計測手段201で計測された位置において、高さ(標高)の平均を算出する。実施の形態では、トラクタ1のGNSS受信機SN3の圃場に対する高さを差し引くことで、圃場の平均高さを算出する。
【0020】
図3は実施の形態の圃場の高さマップの一例の説明図である。
マップ作成手段202は、圃場の高さの分布を示すマップ301を作成する。マップ301では、圃場302が予め定められた広さの区画302aに区分けされている。区画302aの大きさは、例えば、「1m四方」のようにすることも可能であるし、フロントローダ22の幅を区画302aの一辺の長さに対応させることも可能である。そして、各区画302aのそれぞれの高さの平均高さに対する差分値(「+1」や「-1」等)が割り付けられると共に、差分値に応じて各区画302aが色分けされている。例えば、平均高さと同じ高さは黄色、高い部分は赤色、低い部分は青色として、差分値が大きいほど赤色や青色を濃く表示することが可能である。
【0021】
図4図3のマップにおいて均平作業計画を策定する一例の説明図である。
なお、マップ301は、タブレット52に表示して、作業者が操作して、図4に示すように、高さの高い部分から低い部分に土を移動させる計画(均平作業計画)を策定することに活用することが可能である。
また、トラクタ1が自律走行可能な構成の場合は、作成された均平作業計画に沿ってトラクタ1を自律走行させて、高さの高い部分から低い部分に向けてフロントローダ22で土を移動させる構成とすることも可能である。トラクタ1が自律走行しない場合でも、作成された均平作業計画に沿って、トラクタ1が走行するように音声案内(カーナビゲーション)を行う構成とすることも可能である。
【0022】
図5は実施の形態のトラクタのフロントローダの高さの説明図であり、図5(A)は平均高さよりも高い場所での説明図、図5(B)は平均高さよりも低い場所での説明図である。
調整手段203は、平均高さに対する圃場302の各位置(各区画302a)における高さに基づいて、各位置の高さが平均高さに近づくようにフロントローダ22の高さを調整する。
【0023】
実施の形態では、調整手段203で圃場302の均平作業を実行する前に、予めトラクタ1で圃場内を走行して、マップ301を作成しておく。なお、マップ作成用(高さ計測用)のトラクタ1の走行は、農作業を行わずに走行してもよいし、耕耘機18を作動させて圃場の荒起こし等を行いながらマップ作成用の走行を行うことも可能である。
そして、均平作業開始の入力がキャビン7内のスイッチ(またはタブレット端末)で行われると、トラクタ1を走行中に、トラクタ1の現在位置と、マップ301に登録されている各区画302aの高さと平均高さに基づいて、調整手段203がフロントローダ22を制御する。なお、均平作業開始の入力は、トラクタ1の現在位置が圃場内である場合のみ受け付けるようにしたり、圃場内で且つ作業者の操作でバケット22bが平均高さまで移動した状態でのみ受け付けるようにすることが望ましい。他にも、営農管理サーバ53に登録されている圃場302である場合のみ可能にすることも可能である。
【0024】
なお、フロントローダ22の位置や角度は、基準となる位置、角度を予め設定しておくことが可能である。例えば、トラクタ1が水平な地面(道路等)に停止した状態で、且つ、フロントローダ22のバケット22bが接地した状態を、フロントローダ22のGNSS受信機SN3に対する相対位置や角度の基準(デフォルト)とすることが可能である。
【0025】
図5(A)において、実施の形態の調整手段203では、トラクタ1が走行している区画302aの高さ401が平均高さ402よりも高い場合は、図5(A)に示すように、平均高さ402に応じてアーム22aの先端が下降するようにアーム22aの角度が調整されると共に、バケット22bの角度も底面403の先端が水平または水平より上向きに調整される。図5(A)に示す状態では、平均高さ402よりも上方の土は、トラクタ1の進行に伴ってバケット22bで前方に寄せられたり、バケット22bに収容されたりする。よって、区画302aの表面の高さが平均高さ402に近づく。そして、トラクタ1が走行して次の区画302aに進入すると、当該区画302aの高さに応じてフロントローダ22が調整される。
【0026】
図5(B)において、実施の形態の調整手段203では、トラクタ1が走行している区画302aの高さ401が平均高さ402よりも低い場合は、図5(B)に示すように、平均高さ402に応じてアーム22aの先端が上昇するようにアーム22aの角度が調整されると共に、バケット22bの角度も底面403の先端が水平または水平より下向きに調整される。図5(B)に示す状態では、少なくとも平均高さよりも低い圃場の土がバケット22bで移動させられることがなく、図5(A)の状態で寄せられたりバケット22bに収容された土が、平均高さ402よりも低い箇所に移動される。よって、区画302aの表面の高さが平均高さ402に近づく。
【0027】
なお、トラクタ1は、前部のバケット22bが土を移動させて高さが変わった後に、キャビン7すなわちGNSS受信機SN3の位置が通過することとなる。よって、トラクタ1は、均平作業を行いつつ、均平作業直後の圃場302の最新の高さをGNSS受信機SN3から算出可能である。したがって、圃場302の高さの最新の情報を取得し、マップ301を随時更新することが可能である。なお、均平作業中はトラクタ1が振動等して測位結果の精度が低下しやすいため、均平作業中は測位を行わないようにしたり、バケット22bに土が掬い上げられた状態ではトラクタ1の重量が重くなり測位される高さが低くなる場合があるため、バケット22bに土がない状態のみで測位を行うようにすることが可能である。
【0028】
(実施の形態の作用)
前記構成を備えた実施の形態のトラクタ1では、圃場内を走行して圃場302の各区画302aの高さと平均高さを算出し、算出された平均高さと各区画302aの高さに基づいて、トラクタ1のフロントローダ22の高さを調整して、圃場302の高さが平均高さに近づけられる。実施の形態のトラクタ1では、農作業で使用されるフロントローダ22、すなわち、均平作業専用ではない作業機であるフロントローダ22を使用して均平作業が可能である。したがって、専用の均平機が必要な特許文献1に記載の技術に比べて、購入費用や保管費用等を抑制することが可能である。
【0029】
特に、フロントローダ22のアーム22aの角度とバケット22bの角度を調整、制御することで、平均高さよりも高い場所から土を移動させたり、平均高さよりも低い場所に土を移動させたりすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 トラクタ
1a 走行車体
2 前輪
3 後輪
4 エンジンルーム
5 トランスミッションケース
6 ボンネット
7 キャビン
8 運転座席
10 ステアリングハンドル
12 ブレーキペダル
13 アクセルペダル
14a 油圧シリンダ
16 ロワーリンク
18 作業機、耕耘機
22 作業機、フロントローダ
22a アーム
22b バケット
22c アーム角度調整シリンダ
22d バケット角度調整シリンダ
41 人工衛星
51 通信回線
52 タブレット
53 営農管理サーバ
200 制御部
201 高さ計測手段
201a 平均高さ算出手段
202 マップ作成手段
203 調整手段
E エンジン
SN1 アーム角度センサ
SN2 バケット角度センサ
SN3 GNSS受信機
図1
図2
図3
図4
図5