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特開2024-172617配管ラインチェックシステム及び配管ラインチェック方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172617
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】配管ラインチェックシステム及び配管ラインチェック方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241205BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G02B23/24 B
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090452
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】595145050
【氏名又は名称】株式会社日立プラントサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】栗原 恒弥
(72)【発明者】
【氏名】坪倉 徹哉
(72)【発明者】
【氏名】平畠 諒大
【テーマコード(参考)】
2H040
5B050
【Fターム(参考)】
2H040AA02
2H040GA02
2H040GA10
2H040GA11
5B050AA03
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA10
5B050BA13
5B050BA17
5B050BA20
5B050CA07
5B050DA04
5B050DA07
5B050EA04
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5B050GA08
(57)【要約】
【課題】
配管のラインチェックを効率よく行う
【解決手段】
3次元CADデータを用いて配管のチェックを行う配管ラインチェック装置において、配管リストを出力し、チェックする配管の選択を受け付ける図面選択部と、選択された配管が設置されている画像をカメラから受け取り、受け取った画像に選択された配管のCG画像を重畳した重畳画像を作成するライン特定部と、ライン特定部が作成した重畳画像を出力する出力部を備える配管ラインチェック装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元CADデータを用いて配管のチェックを行う配管ラインチェック装置において、
配管リストを出力し、チェックする配管の選択を受け付ける図面選択部と、
選択された配管が設置されている画像をカメラから受け取り、受け取った画像に選択された配管のCG画像を重畳した重畳画像を作成するライン特定部と、
ライン特定部が作成した重畳画像を出力する出力部を備える配管ラインチェック装置。
【請求項2】
ライン特定部は3次元CADデータの配管とカメラから受け取った配管画像を比較し差分を求め、
ライン特定部が求めた差分を記憶装置の配管検査記録へ出力するラインチェック部を備える請求項1に記載の配管ラインチェック装置。
【請求項3】
ライン特定部は配管の選択を受付けたとき、配管の位置と方向示した平面図と、配管を含むCG画像を作成し、
出力部が作成された平面図とCG画像を出力する請求項1に記載の配管ラインチェック装置。
【請求項4】
配管の検査項目を受付け、受付けた検査項目を検査するための位置を設定する検査対象設定部を備え、
ライン特定部は設定された位置で撮影された配管と検査項目であることを示す画像を重畳表示し、
ラインチェック部が重畳表示された検査項目を含む画像を記憶装置の配管検査記録へ出力する請求項1に記載のラインチェック装置。
【請求項5】
3次元CADデータを用いて配管のチェックを行う配管ラインチェック方法において、
図面選択部が配管リストを出力し、チェックする配管の選択を受け付け、
ライン特定部が選択された配管が設置されている画像をカメラから受け取り、受け取った画像に選択された配管のCG画像を重畳した重畳画像を作成し、
出力部が作成された重畳画像を出力する配管ラインチェック方法。
【請求項6】
ライン特定部は3次元CADデータの配管とカメラから受け取った配管画像を比較し差分を求め、
ラインチェック部が求められた差分を記憶装置の配管検査記録へ出力する請求項5に記載の配管ラインチェック方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,配管のラインチェックシステム及び配管ラインチェック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス配管のラインチェックとは,プラント建設時に,配管やバルブなどの位置や向きが図面通りに施工されており,プロセス要求が守られているかを確認することである。
【0003】
配管ラインチェックではP&ID(Piping & Instrumentation Diagram:配管計装図)や施工図,CAD図を元に人が現物を見て確認し,記録を取っている。P&IDは標準的な専用P&ID記号で配管プロセスと他の機器や計測器との相互作用を示すダイアグラムである。
【0004】
このため,配管ラインチェックでは,P&IDに関する専門的な知識が必要であり,さらに図面と現場位置との照合が必要となる。このため,高い技能を持つ専門家が必要であり,また,その工数も膨大なものであった。
【0005】
さらに、プロセス配管のラインチェックにおいては,バルブやメーターの取り付け位置,型番などが,図面通りに施工されているかどうかをチェックし,その記録を残すことが重要である。
【0006】
このような作業をできるだけ効率化し,工数を低減させる工夫が求められている。
【0007】
特許文献1には現実空間に位置や縮尺を合わせて図面情報を投影することが可能な図面投影システムが開示されている。
【0008】
図面投影システムは、3次元の図面データを現実空間に重畳して表示する。図面投影システム100は、現実空間をスキャンして空間形状を認識する空間スキャン手段と、図面データを現実空間に合わせてスケーリングする投影画像生成手段と、スケーリングされた図面データを現実空間にマッピングして表示する投影手段を含む。
【0009】
特許文献2には建造物管理システムが開示されている。
【0010】
この建造物管理システムは、建造物を撮像した写真から、写真が撮像された位置を判定する位置判定装置と、位置判定装置が位置を判定するために使用する判定基準を機械学習により生成する学習装置とを備える。
【0011】
学習装置は、建造物をモデリングした三次元形状データを記憶する三次元形状データ記憶部と、視点位置及び視線方向を設定して三次元形状データをレンダリングすることにより、建造物の二次元画像を生成する二次元画像生成部と、二次元画像生成部により生成された二次元画像から抽出される抽出情報と、その二次元画像を生成する際に設定された視点位置との関係を学習することにより、判定基準を生成する学習部とを備える。
【0012】
位置判定装置は、建造物を撮像した写真を受け付ける写真受付部と、学習装置により生成された判定基準に基づいて、写真が撮像された位置を判定する判定部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2018-163466号公報
【特許文献2】特開2019-175144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に開示されている発明は図面データを現実空間に位置や縮尺を合わせて重畳し表示する発明である。この発明では柱や屋根など建物を構成する構造部材を投影することが説明されているが、プラントのプロセス要求が守られているかどうかを確認するには不十分であった。
【0015】
例えば設置されたバルブの取付位置や向き、パッキンやフランジの型番をチェックすることについては開示が無い。
【0016】
特許文献2に開示されている発明は建造物を適切に管理するための発明である。三次元形状データから得られた二次元画像を学習することにより、撮影された写真から撮影者の位置を判定するものである。
【0017】
しかしながら、配管チェックは建設中のプラントで行うものであり、撮影された写真は設計図とは異なる場合が多く学習させることはできない。
【0018】
本発明の目的は検査を行う配管の位置へ検査者を誘導し、検査に必要な情報を得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的は3次元CADデータを用いて配管のチェックを行う配管ラインチェック装置において、配管リストを出力し、チェックする配管の選択を受け付ける図面選択部と、選択された配管が設置されている画像をカメラから受け取り、受け取った画像に選択された配管のCG画像を重畳した重畳画像を作成するライン特定部と、ライン特定部が作成した重畳画像を出力する出力部を備える配管ラインチェック装置により達成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば,配管施工時に配管が正しく施工されているかどうかをチェックし記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態におけるシステム構成図の例である。
図2】タブレット型の配管ラインチェックシステムのハードウェアの例である。
図3】本発明の実施形態におけるエンティティリストの例である。
図4】本発明の実施形態における配管リストの例である。
図5】配管の例を示す図である。
図6】本発明の実施形態における配管の画面例である。
図7】地図情報を用いた誘導の画面例である
図8】本発明の実施形態における配管付近CG映像の例である。
図9】本発明の実施形態における配管重畳映像の例である。
図10】本発明の実施形態における検査項目重畳表示画像の例である。
図11】本発明の実施形態における処理を示すフロチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態におけるシステム構成図の例である。配管ラインチェック装置1は、単一のコンピュータシステムとして構成することができる。配管ラインチェック装置1は、バス8で接続されたCPU(Central Processing Unit)2、入力部3、表示部4、カメラ5、メモリ6、補助記憶装置7を備える。
【0024】
CPU2は、配管ラインチェック装置1の動作を制御する。CPU2は、補助記憶装置7に記憶された所定のコンピュータプログラムをメモリ6に読み込んで実行することで、配管ラインチェック装置の各機能を実現する。この例ではメモリ6にローディングされている図面選択部9,検査対象指定部10、ライン特定部11、ラインチェック部等が相当する。これらのソフトウェアモジュールがCPU2により実行される。これらのソフトウェアモジュールはハードウェアとして実現されてもよい。
【0025】
入力部3は、ユーザが配管ラインチェック装置1へ指示や情報を入力するための装置である。入力部3は、例えば、手動スイッチ、操作ボタン、操作コントローラ、タッチパネル、音声認識装置などのように構成される。表示部4は、配管ラインチェック装置1からユーザへ情報を提供する装置であり、ディスプレイ装置や液晶パネルである。
【0026】
カメラ5は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary MOS)カメラのようなカラーデジタルカメラであり、撮影した画像をデジタルデータとして出力する。カメラ5は、投射したレーザー光が対象物から戻ってくるまでの時間、あるいはパターンの照射やステレオカメラの原理などに基づいて、対象物までの距離を測定する機能を備えることができる。このようなカメラをここではRGBDカメラと呼ぶ。
【0027】
メモリ6は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を含む記憶装置である。
【0028】
補助記憶装置7は、例えばハードディスク、フラッシュメモリデバイスのような比較的大容量の不揮発性記憶装置である。補助記憶装置7は、着脱可能な記録媒体を備えてもよい。補助記憶装置7には、配管の3次元CADデータ13(CADデータ)が格納されており、その中には個々の部品の種別やサイズを記憶したエンティティリスト14や、エンティティリストに含まれる部品を組み合わせた部品のセットであるスプールを記憶した配管リスト15が格納されている。
【0029】
また、作業者を配管が設置されている場所へ誘導するための平面図情報16も格納されている。平面図情報16は地図情報として利用できる。
【0030】
これらの情報はネットワークを通じてアクセス可能なクラウド上に存在していてもよい。そうすることによりCADデータ、平面図からなる地図情報を短期間で更新することが可能である。補助記憶装置に格納している場合は通信環境の悪い建物内等においても通信品質に左右されることなく作業を進めることができるというメリットがある。
【0031】
カメラ5で撮影した画像や重畳表示された画面などを配管検査記録17として保存することができる。なお、補助記憶装置7は、コンピュータプログラムを記憶してもよい。例えば、図面選択部9、検査対象指定部10,ライン特定部11,ラインチェック部12を実現するコンピュータプログラムを補助記憶装置7へ格納してもよい。
【0032】
図2は、タブレットか型の配管ラインチェックシステムのハードウェアの例である。いわゆるタブレット型コンピュータであり本体18の背面にカメラ5が設けられており、タッチパネル19を備える。
【0033】
図3は本発明の実施形態におけるエンティティリスト14の例である。Id92が付けられた部品の種類93、サイズ94、クラス95、部品をグループにしたときのグループを示すスプール番号96、部品が設置される場所を示す位置97、部品の形状を示す幾何データ98などが格納される。
【0034】
図4は本発明の実施形態における配管リストの例である。部品のグループを表すスプール番号102毎にサイズ103、クラス104、部品のIdであるIdのリスト105を対応づけて格納している。
【0035】
図5-図10を用いて図11の本発明の実施形態における処理を示すフロチャートの例を説明する。図5は配管の例を示す図である。この図では,機器31,35,44,37,39が配管33,34,36,38で接続されている。
【0036】
先ず,3次元CADデータ13を読み込む(S3)。CADデータはどのような形式のデータでもよいが,一例としてBIM(Building Information Modeling:ビルディング・インフォメーション・モデリング)で用いられるIFCデータを用いてもよい。IFCデータを用いることで,CADデータから配管要素を抽出することが可能である。
【0037】
次に検査対象となる配管リスト15を作成し,表示する(S4)。機器間をつなぐ配管は,運搬可能な大きさに分割して工場で製作され、現場で溶接して接続されるが、この分割された部分配管が配管スプールである。
【0038】
配管リストには,検査対象となる一塊の配管(配管スプール)のリストを表示する。図4にCADデータと作成した配管リストの例を示す。
【0039】
CADデータは,部品の集合(エンティティリスト14)で定義されており,個々の部品はId,部品の種類,サイズ,クラス、位置,幾何データなどから構成される。ここで部品がパイプである場合には,スプール番号が付与されているものとする。配管リスト15は,同一のスプール番号からなる部品のIdをエンティティリスト14のスプール番号96を参照することにより求めることができる。
【0040】
図5の配管設備の例では,配管リストの一つのスプール番号に33,34,36,38の配管が入る。配管リスト15に記載された配管スプールのリストから検査者が指定した検査する配管が含まれる配管スプールの選択を受け付ける(S5)。
【0041】
ここでは,検査者は図5の配管36を選択した場合について説明する。検査したい配管スプールが選択されると,対応する配管データを取得する(S6)。さらに検査対象の配管周辺の3Dデータ306を生成する。このデータは後述するライン特定部11において,配管のライブ映像とCADデータを重畳表示するために利用される。
【0042】
検査対象の配管周辺の3Dデータ306の例を図6に示す。図6に示すように,配管周辺の3Dデータ306は選択した配管36および,配管36が接続される機器35,44を含む周辺の3Dデータである。
【0043】
次に検査対象指定部10によって,検査対象の配管に関連する検査項目とその位置を設定する。検査項目とは,配管ラインチェックで検査する項目であり,例えばバルブの位置と方向,メーターと位置方向,フリンジの位置や型番などである。まず検査項目を指定する(S8)。次にその検査項目の位置を3次元CAD上で設定する(S9)。
【0044】
図5の例では,配管36の検査項目は41のバルブ,43のメーターである。これらの検査項目に対して設定された位置を図5の41,43に示す。位置は,図に示すように40,42のようなピンを用いて設定する。以上により検査項目302が設定される。
【0045】
ライン特定部11は,拡張現実技術によってライブ映像に対して,CADデータや検査項目を重畳表示する。
【0046】
ライン特定部11では,まず,検査者が移動すべき位置とカメラを向ける方向を平面図から構成される地図303に表示する(S11)。さらに,その位置から見えると思われる配管付近のCG映像304を検査者に提示する(S12)。
【0047】
図7は地図303の例である。この図に示すように3次元CADデータからグリッド情報,壁情報および柱情報を取得し,地図を表示する。さらに検査者が向かうべき位置およびカメラを構える方向を地図上に指示する。図7でX0,・・・,X6やY1,・・・.Y4はグリッド情報から抽出した位置情報である。
【0048】
図8は配管付近のCG映像304の例である。図7に示す地図303図8に示す配管付近のCG映像304を用いることで検査者は容易に撮影すべき配管をみつけることが可能である。
【0049】
図303と配管付近のCG映像304をもとに検査者は所定の位置に向かい,配管にカメラを向ける。カメラは前述のようにRGBカメラでもRGBDカメラでもよい。ここでは,精度よく3次元形状を取得できるRGBDカメラを用いることとする。
【0050】
作業者が撮影(S13)した配管付近の画像である1枚のRGBD情報,あるいは複数枚のRGBD映像を合成することで配管付近の撮影点群データ305を作成する。
【0051】
撮影点群データ305と配管付近の3Dデータ306との位置合わせを行う(S14)。この位置合わせによって,CADデータとライブ映像から生成される点群データとの座標変換データを求められる。得られた座標変換データをもとに対象配管をライブ映像に重畳表示する(S15)。この配管重畳映像307を用いて適切な位置に配管が設置されているかを検査者が判断できる。
【0052】
配管重畳映像307の例を図9に示す。この図に示すように位置合わせの誤差により重畳された配管は少しずれる場合もあるが,大幅なずれが生じていない場合には配管の施工は適切であると判断する。
【0053】
さらに撮影点群データの配管部分とCADの配管データとの差分データ308を求める(S16)。この部分の差異の大小によって配管施工が適切かどうかを自動で判定できる。
【0054】
以上は配管形状がCAD図面と現場の施工とで差異がないかどうかの検査であった。
【0055】
次にラインチェック部12によって配管の検査項目のチェックと記録を行う。まず,検査項目の選択を受け付ける(S18)。次に,検査対象の配管と検査項目をライブ映像に重畳表示する(S19)。検査項目重畳映像309を用いて検査者は検査対象の位置を観察し,検査項目が正しく施工されているかを判定する。
【0056】
すなわち検査項目のピンが表示されている部分のライブ映像を観察し,例えばバルブが正しく施工されているかどうかを目視で確認する。さらに,検査項目が施工されているかどうかを記録するための撮影を行い(S20),配管検査項目写真310を得る。なお,ここでは正しく施工されているかどうかを目視で確認する例を示したが,将来的には計算機で自動的に判定する方法も考えられる。
【0057】
図10に検査項目重畳表示画像309の例を示す。この図で40のピンと42のピンが配管以外に重畳されている。40のピンはバルブを検査するためのピン,42はメーターを検査するためのピンである。検査者はピン40の付近のバルブをチェックし,正しい方向に設置されているかを調べる。さらにピン40を参考にバルブの写真を撮影し(S20),配管検査項目写真310を得る。
【0058】
さらに,検査者はピン42の付近のメーターをチェックし,正しい型番のメーターが設置されているかを調べる。次にピン42を参考にメーターの写真を撮影し(S20),配管検査項目写真310を得る。この写真は型番が読み取れるような方向から撮影する。
【0059】
配管重畳映像307,差分データ308,配管検査項目写真310などを配管検査記録17に保存する(S21)。
【0060】
以上で拡張現実技術を用いた,配管のラインチェック,検査項目のチェック,検査の記録が実現される。
【0061】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0062】
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることもでき、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換することもできる。
【0063】
上記各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部や全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 配管ラインチェック装置、2 CPU、3 入力部、4 表示部、5 カメラ、6 メモリ、7 補助記憶装置、8 バス、9 図面選択部、 10 検査対象指定部、11 ライン特定部、12 ラインチェック部、13 3次元CADデータ、14 エンティティリスト、15 配管リスト、16 平面図情報、17 配管検査記録
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11