(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017262
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240201BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01C21/26 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119784
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
2F129
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129AA11
2F129AA14
2F129CC02
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD20
2F129DD37
2F129DD45
2F129DD46
2F129EE23
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129EE82
2F129EE89
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF47
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF65
2F129FF66
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】環境負荷の大きさを考慮した移動経路を提案する。
【解決手段】プログラムは、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、環境負荷の基準値を示す環境負荷基準を交通事業者毎に記憶する記憶手段、端末装置から出発地点及び目的地点を取得する取得手段、出発地点から目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を複数検索する検索手段、検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準及び当該移動経路に基づいて、環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する算出手段、検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を環境負荷値に基づいて抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置のユーザに提案する提案手段として機能させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
環境負荷の基準値を示す環境負荷基準を交通事業者の種類毎に記憶する記憶手段、
前記端末装置から出発地点及び目的地点を取得する取得手段、
前記出発地点から前記目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を複数検索する検索手段、
検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する前記交通事業者に対応する前記環境負荷基準及び当該移動経路に基づいて、環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する算出手段、
検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路を前記環境負荷値に基づいて抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザに提案する提案手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記提案手段は、前記環境負荷値が小さい移動経路から順に所定数の移動経路を検索した移動経路から抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザに提案する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提案手段は、抽出した移動経路のうち、前記環境負荷値が最も小さくなる移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を最初に前記端末装置のユーザに提案する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記取得手段は、前記交通事業者における交通事業者サーバから環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む経路情報を取得し、
前記算出手段は、検索した移動経路毎に、前記環境負荷基準、前記経路情報及び当該移動経路に基づいて前記環境負荷値を算出する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
複数の前記交通事業者のうち一の交通事業者は、車両貸出事業者であり、
前記一の交通事業者に対応する前記経路情報は、車両の貸出が可能な一の拠点から前記一の拠点とは異なる他の拠点に向かう経路のうち環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記他の拠点は、前記一の拠点において貸し出される車両が帰属している拠点である、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータをさらに、
前記提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザが承諾した場合に、前記端末装置のユーザに対して、前記環境負荷値に基づいて報酬を付与する付与手段、
として機能させる請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータをさらに、
前記提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザが承諾し、かつ環境負荷が小さくなる経路を前記一の移動経路が含む場合に、前記端末装置のユーザに対して前記経路毎に前記経路に応じた報酬を付与する付与手段、
として機能させる請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
環境負荷の基準値を示す環境負荷基準を交通事業者の種類毎に記憶する記憶手段と、
前記端末装置から出発地点及び目的地点を取得する取得手段と、
前記出発地点から前記目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を複数検索する検索手段と、
検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する前記交通事業者に対応する前記環境負荷基準及び当該移動経路に基づいて、環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する算出手段と、
検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路を前記環境負荷値に基づいて抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザに提案する提案手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両貸出事業者の利用を含めて出発地点から目的地点までの移動経路を検索するシステムが開示されている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、出発地から目的地までの候補経路として貸出車両経路及び他の移動手段経路を経路探索により取得し、貸出車両経路の利用可能性に関する情報をさらに取得し、候補経路の概要情報の出力にあたって貸出車両経路の概要情報及び貸出車両経路の利用可能性に関する情報を出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、車両貸出事業者の利用を含めて移動経路を検索し検索結果を出力するものの、移動経路の環境負荷についてなんら考慮されていなかった。したがって、特許文献1に記載の技術では、環境負荷が大きい移動経路を利用者が選択した場合に移動経路の利用による環境負荷が大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境負荷の大きさを考慮した移動経路を提案できるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、環境負荷の基準値を示す環境負荷基準を交通事業者の種類毎に記憶する記憶手段、前記端末装置から出発地点及び目的地点を取得する取得手段、前記出発地点から前記目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を複数検索する検索手段、検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する前記交通事業者に対応する前記環境負荷基準及び当該移動経路に基づいて、環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する算出手段、検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路を前記環境負荷値に基づいて抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザに提案する提案手段、として機能させる。
【0008】
また、前記提案手段は、前記環境負荷値が小さい移動経路から順に所定数の移動経路を検索した移動経路から抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザに提案する。
【0009】
また、前記提案手段は、抽出した移動経路のうち、前記環境負荷値が最も小さくなる移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を最初に前記端末装置のユーザに提案する。
【0010】
また、前記取得手段は、前記交通事業者における交通事業者サーバから環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む経路情報を取得し、前記算出手段は、検索した移動経路毎に、前記環境負荷基準、前記経路情報及び当該移動経路に基づいて前記環境負荷値を算出する。
【0011】
また、複数の前記交通事業者のうち一の交通事業者は、車両貸出事業者であり、前記一の交通事業者に対応する前記経路情報は、車両の貸出が可能な一の拠点から前記一の拠点とは異なる他の拠点に向かう経路のうち環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む。
【0012】
また、前記他の拠点は、前記一の拠点において貸し出される車両が帰属している拠点である。
【0013】
また、本発明のプログラムは、前記コンピュータをさらに、前記提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザが承諾した場合に、前記端末装置のユーザに対して、前記環境負荷値に基づいて報酬を付与する付与手段、として機能させる。
【0014】
また、本発明のプログラムは、前記コンピュータをさらに、前記提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザが承諾し、かつ環境負荷が小さくなる経路を前記一の移動経路が含む場合に、前記端末装置のユーザに対して前記経路毎に前記経路に応じた報酬を付与する付与手段、として機能させる。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、環境負荷の基準値を示す環境負荷基準を交通事業者の種類毎に記憶する記憶手段と、前記端末装置から出発地点及び目的地点を取得する取得手段と、前記出発地点から前記目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を複数検索する検索手段と、検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する前記交通事業者に対応する前記環境負荷基準及び当該移動経路に基づいて、環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する算出手段と、検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路を前記環境負荷値に基づいて抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する前記交通事業者を前記端末装置のユーザに提案する提案手段と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プログラム及び情報処理装置は、環境負荷の大きさを考慮した移動経路を提案できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る経路検索システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す経路検索システムにおける処理の流れの一例を示す図である。
【
図5】
図1に示す経路検索システムにおける処理の流れの他の例を示す図である。
【
図6】
図1に示す端末装置に表示される経路検索を行うためのウェブページの一例を示す説明図である。
【
図7】
図1に示す端末装置に表示される移動経路の検索結果を表示するためのウェブページの一例を示す説明図である。
【
図8】
図1に示す経路検索システムがユーザに提案した移動経路の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0019】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る経路検索システム1の構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、経路検索システム1は、例えば、サーバ装置10と、ユーザの端末装置20と、複数の交通事業者サーバ30とを含んで主要部が構成される。
【0020】
サーバ装置10は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置である。サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、ユーザの端末装置20から出発地点及び目的地点に関する情報を取得する。また、サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、複数の交通事業者サーバ30から経路情報112を取得する。また、サーバ装置10は、出発地点から目的地点に至る移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を複数検索する。さらに、サーバ装置10は、検索した移動経路毎に環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出し、検索した移動経路から環境負荷値に基づいて少なくとも1つ以上の移動経路を抽出する。そして、サーバ装置10は、通信ネットワークNTを介して、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者をユーザの端末装置20に提案する。
【0021】
ユーザの端末装置20は、例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等であり、ユーザが操作する装置である。ユーザの端末装置20は、ユーザの操作を受け付けて当該操作に従って出発地点目的地点を決定し、通信ネットワークNTを介して、決定した出発地点目的地点をサーバ装置10に送信する。
【0022】
交通事業者サーバ30は、例えば、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの情報処理装置である。交通事業者サーバ30は、通信ネットワークNTを介して、対応する交通事業者が運行する交通機関に関する経路情報112をサーバ装置10に送信する。
【0023】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、サーバ装置10は、例えば、記憶装置11と、制御装置12と、通信装置13とを含んで主要部が構成される。制御装置12は、CPU(Central Processing Unit)121及びメモリ122を主に備えて構成される。
【0024】
記憶装置11は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置11は、制御装置12における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0025】
制御装置12では、CPU121がメモリ122或いは記憶装置11等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0026】
通信装置13は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置13は、例えば、ユーザの端末装置20及び交通事業者サーバ30との間で各種の情報を送受信する。
【0027】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えても良い。
【0028】
<機能手段>
図3は、
図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、例えば、取得手段100と、検索手段101と、算出手段102と、提案手段103と、付与手段104と、記憶手段110とを備える。記憶手段110以外の機能手段は、記憶装置11等に格納されたプログラムを制御装置12が実行することにより実現される。
【0029】
記憶手段110は、例えば、環境負荷の基準値を示す環境負荷基準111と、経路情報112とを交通事業者の種類毎に記憶し、報酬情報113と、ウェブページ114とを記憶する。
【0030】
環境負荷基準111は、交通事業者の種類毎に設定される基準値であり、対応する交通事業者を利用した場合にかかる環境負荷の基準となる値である。環境負荷基準111は、例えば、交通事業者によって移動手段が所定距離だけ運行された場合における輸送量(旅客人数や積載重量など)に対する二酸化炭素排出量や消費される電力、燃料の量などである。環境負荷基準111は、例えば、レンタサイクルが最も小さい値に設定され、鉄道、航空機、バス、レンタカー、船舶の順に大きくなるように値が設定される。
【0031】
経路情報112は、例えば、日本全国にある電車やバス、タクシー、レンタカー、レンタサイクル、航空機、船舶等の移動手段の各経路及び各拠点の名称やリンク情報、各経路における移動手段の出発時間、到着時間、料金等を含む。また、経路情報112は、例えば、運行状況や各経路の混雑度、移動手段の予約状況を含む。また、経路情報112は、交通事業者が車両貸出事業者である場合、各拠点における利用可能な車両の数を含む。さらに、経路情報112は、交通事業者によって随時設定される環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む。具体的には、経路情報112は、交通事業者が車両貸出事業者である場合、車両の貸出が可能な一の拠点から一の拠点とは異なる他の拠点に向かう経路のうち環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む。ここで、他の拠点は、一の拠点において貸し出される車両が帰属している拠点である。
【0032】
経路情報112に含まれる環境負荷が小さくなる経路について
図8を参照しつつ説明する。
図8は、
図1に示す経路検索システム1がユーザに提案した移動経路の一例を示す説明図である。
図8に示される地域には、出発地点STARTと、目的地点GOALと、駅S1、S2、S3及びS4と、車両貸出事業者の拠点P1、P2、P3及びP4とが存在するものとする。ここで、車両貸出事業者の拠点P1~P4は、ユーザが車両を借りるレンタル及び返却することが可能な拠点である。
【0033】
図8において、経路検索システム1は、出発地点STARTから徒歩で駅S1に向かう経路と、駅S1から鉄道で駅S2に向かう経路と、駅S2から徒歩で拠点P1に向かう経路と、拠点P1からレンタカーcar1で拠点P2に向かう経路と、拠点P2から目的地点GOALに向かう経路とを含む移動経路をユーザに提案したものとする。
【0034】
また、レンタカーcar1は、拠点P2に帰属しているとともに、現在拠点P1にあるものとする。すなわち拠点P2は、レンタカーcar1の帰属拠点である。帰属拠点は、帰属拠点に帰属しているレンタカーを管理するための拠点である。レンタカーは、ユーザに貸し出された後に帰属拠点とは異なる他の拠点に返却された場合、管理のために、帰属拠点に戻される必要がある。レンタカーが返却された拠点からレンタカーの帰属拠点へのレンタカーの帰着は、車両交通事業者の従業員の運転によって行われたり、ユーザから帰属拠点の方面に向かう車両の貸出の依頼があった場合に当該ユーザの利用によって行われたりする。ここで、レンタカーが返却された拠点からレンタカーの帰属拠点に向かうレンタカーの移動がユーザのレンタカーの利用によって行われた場合、レンタカーが帰属拠点に帰着する移動を有効に利用しているため、環境負荷は、従業員の運転によって行われる場合と比べて小さくなる。
【0035】
図8において、
図8に示す移動経路に含まれる経路のうち、拠点P1からレンタカーcar1を利用して拠点P2に向かう経路は、環境負荷が小さくなる経路である。レンタカーcar1は、帰属拠点である拠点P2に帰着されなければならない所、ユーザが拠点P1にあるレンタカーcar1を利用して、レンタカーcar1の帰属拠点である拠点P2に向かうことによって、拠点P2への帰着がなされているためである。
【0036】
図3に戻って、報酬情報113は、ユーザに対して付与する報酬に関する情報である。報酬情報113は、例えば、移動手段や移動経路上の施設で利用可能なポイントや、割引チケット、無料チケット等であり、予め定められている。また、このポイントは、例えば、金銭的な価値を有するものであってもよいし、プレゼント抽選の応募に必要となるものであってもよい。
【0037】
ウェブページ114は、ユーザの端末装置20からの入力に従って出発地点から目的地点までの移動経路を検索し検索結果を表示するす経路検索ページ等、ユーザの端末装置20に表示される複数のウェブページを含む。
【0038】
図6及び
図7を参照して、ユーザの端末装置20に表示されるウェブページ114について説明する。
図6は、
図1に示す端末装置20に表示される経路検索を行うためのウェブページ600の一例を示す説明図である。
図6に示すように、ウェブページ600は、例えば、入力欄601及び602と、チェックボックス603と、ボタン604とを含んで構成される。また、ウェブページ600は、ウェブページ114に含まれる。
【0039】
入力欄601及び602は、ユーザによる入力を受け付けるためのテキストボックスである。入力欄601及び602のうち、入力欄601は、出発地点に関する情報を入力するためのテキストボックスである。また、入力欄602は、目的地点に関する情報を入力するためのテキストボックスである。
【0040】
チェックボックス603は、チェックの有無によって移動経路の検索条件や表示条件を変更するためのオブジェクトである。具体的には、一方、チェックボックス603にチェックが入っている場合、検索結果の表示にあたって、環境負荷が小さくなる移動経路が優先して表示される。他方、チェックボックス603にチェックが入っていない場合、検索結果の表示にあたって、例えば、移動時間や移動にかかる料金、乗換回数の少なさなどに従う優先順位で移動経路が表示される。
【0041】
ボタン604は、移動経路の検索を行うためのボタンである。ユーザによりボタン604が押下されると、入力欄601に入力された出発地点から入力欄602に入力された目的地点に至る移動経路の検索が実行される。
【0042】
図7は、
図1に示す端末装置20に表示される移動経路の検索結果を表示するためのウェブページ700の一例を示す説明図である。
図7に示すように、ウェブページ700は、例えば、複数のタブ701と、移動経路情報702と、割引情報703とを含んで構成される。また、ウェブページ700は、ウェブページ114に含まれる。
【0043】
タブ701は、選択することによって表示を切り替えることができる領域である。タブ701は、それぞれ正面側から背面側に重なっており、かつ一部がはみ出るように表示領域に配置されている。ユーザの操作によりタブ701のうちのいずれかが選択された場合、選択されたタブ701が表示画面の最も正面側となるようにタブ701の配置が変更される。これにより、ユーザは、タブ701を選択することによって、選択したタブ701に記載されている情報を確認することとなる。
【0044】
移動経路情報702は、出発地点から到着地点までに至る移動経路に関する情報であり、タブ701上に配置される。移動経路情報702は、出発地点、到着地点及び経由地点を含む各拠点における到着時刻、出発時刻、利用する交通事業者及び料金に関する情報を含む。
【0045】
割引情報703は、タブ701に表示されている移動経路に環境負荷が小さくなる経路が含まれており、かつ当該経路を利用した場合にユーザに割引などの報酬が付与される場合に、当該報酬に関する情報をユーザに伝えるための情報である。割引情報703は、タブ701の移動経路情報702における対応する経路の付近に配置される。本例では、ユーザが大月から甲府まで△△レンタカーを利用した場合、グリーン割引という報酬がユーザに付与されるという割引情報703がタブ701に配置されている。
【0046】
図3に戻って、取得手段100は、通信ネットワークNTを介して、ユーザの端末装置20や交通事業者サーバ30から各種情報を取得する。具体的には、取得手段100は、通信ネットワークNTを介して、ユーザの端末装置20から送信される出発地点及び目的地点を取得する。また、取得手段100は、通信ネットワークNTを介して、交通事業者サーバ30から環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む経路情報112を取得する。
【0047】
検索手段101は、出発地点から目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を複数検索する。具体的には、検索手段101は、経路情報112を参照して、取得手段100が取得した出発地点から目的地点までの移動に利用可能な移動経路と、当該移動経路において利用する交通事業者とを検索する。
【0048】
算出手段102は、検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準及び移動経路に基づいて、環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する。具体的には、算出手段102は、移動経路毎に、当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準111に当該交通事業者による移動距離を乗算し乗算結果を利用する交通事業者の数だけ加算することによって移動経路の環境負荷値を算出する。
【0049】
また、算出手段102は、検索した移動経路毎に、当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準111、経路情報112及び移動経路に基づいて環境負荷値を算出しても良い。具体的には、算出手段102は、まず、一の移動経路において、出発値から目的地までに至るまでに経由する拠点間の各経路における環境負荷値を当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準111に当該交通事業者による移動距離を乗算することによって算出する。続いて、算出手段102は、各経路に対して、対応する交通事業者の経路情報112を参照し、環境負荷が小さくなる経路であるか否かを判定する。算出手段102は、当該判定が肯定判定である場合、当該経路における環境負荷値に対して減算や1.0未満の係数を乗算、所定値に変更するなどの演算を行うことによって環境負荷値を減少させる。そして、算出手段102は、算出した各経路の環境負荷値を加算することによって、一の移動経路の環境負荷値を算出する。算出手段102は、移動経路毎に、上述した一の移動経路の環境負荷値の算出を行う。
【0050】
提案手段103は、検索手段101が検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路を算出手段102が算出した環境負荷値に基づいて抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案する。また、提案手段103は、環境負荷値が小さい移動経路から順に所定数の移動経路を検索手段101が検索した移動経路から抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案しても良い。さらに、提案手段103は、抽出した移動経路のうち、環境負荷値が最も小さくなる移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を最初に端末装置20のユーザに提案しても良い。なお、提案手段103は、例えば、
図7に示すウェブページ700をユーザの端末装置20に表示することによって移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を提案する。
図7に示すように、提案手段103は、環境負荷値が最も小さくなる移動経路が記載されているタブ701を最前面となるようにユーザの端末装置20に表示する。また、提案手段103は、環境負荷値が小さい移動経路から順に前面から後面に向かって重なるようにタブをウェブページ700に表示している。
【0051】
図3に戻って、付与手段104は、ユーザに報酬を付与する。具体的には、付与手段104は、提案手段103による提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザが承諾した場合に、端末装置20のユーザに対して、環境負荷値に基づいて報酬を付与する。ユーザに付与される報酬の量は、環境負荷値が小さいほど、多くなるか又は価値が高くなる。この報酬としては、移動手段や移動経路上の施設で利用可能なポイントや、割引チケット、無料チケット等が挙げられる。このポイントは、例えば、金銭的な価値を有するものであってもよいし、プレゼント抽選の応募に必要となるものであってもよい。
【0052】
また、付与手段104は、提案手段103による提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザが承諾し、かつ環境負荷が小さくなる経路を一の移動経路が含む場合に、端末装置20のユーザに対して経路毎に経路に応じた報酬を付与しても良い。具体的には、付与手段104は、経路情報112を参照し、環境負荷が小さくなる経路をユーザが承諾した一の移動経路が含むか否かを判定する。付与手段104は、当該判定が肯定判定である場合、端末装置20のユーザに対して、移動経路に含まれる環境負荷が小さくなる経路毎に、当該経路に応じた報酬を付与する。
【0053】
<一連の処理の流れ>
以上、経路検索システム1の回路構成について説明した。次に、経路検索システム1の一連の処理の流れについて詳しく説明する。
図4は、
図1に示す経路検索システム1の一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0054】
(ステップSP10)
経路検索システム1は、通信ネットワークNTを介して、ユーザの端末装置20から送信される出発地点及び目的地点を取得する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP12)
経路検索システム1は、取得手段100によって、通信ネットワークNTを介して、交通事業者サーバ30から経路情報112を取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP14)
経路検索システム1は、検索手段101によって、経路情報112を参照して、取得手段100が取得した出発地点から目的地点までの移動に利用可能な移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を検索する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP16)
経路検索システム1は、算出手段102によって、移動経路毎に、及び当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準111に当該交通事業者による移動距離を乗算する。続いて、経路検索システム1は、算出手段102によって、乗算結果を利用する交通事業者の数だけ加算し、加算結果を移動経路の環境負荷値とする。これにより、経路検索システム1は、環境負荷値を算出することとなる。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP18)
経路検索システム1は、提案手段103によって、環境負荷値が小さい移動経路から順に所定数の移動経路を検索手段101が検索した移動経路から抽出する。続いて、経路検索システム1は、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP20)
経路検索システム1は、付与手段104によって、提案手段103による提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザが承諾したか否かを判定する。一方、提案手段103による判定が肯定判定である場合、処理は、ステップSP22の処理に移行する。他方、提案手段103による判定が否定判定である場合、
図4における一連の処理は、終了する。
【0060】
(ステップSP22)
経路検索システム1は、提案手段103によって、環境負荷値に従う量の報酬を端末装置20のユーザに対して付与する。ここで、端末装置20のユーザに付与される報酬の量は、環境負荷値が小さいほど、多くなるか又は価値が高くなる。そして、
図4に示す一連の処理は、終了する。
【0061】
続いて、経路検索システム1の一連の処理の流れの他の例について詳しく説明する。
図5は、
図1に示す経路検索システム1の一連の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。なお、
図5に示す一連の処理のうち、ステップSP10の処理からステップSP20までの処理については、上述した処理の流れと同じであるため、その説明を省略する。
【0062】
(ステップSP20)
経路検索システム1は、付与手段104によって、提案手段103による提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザが承諾したか否かを判定する。一方、提案手段103による判定が肯定判定である場合、処理は、ステップSP52の処理に移行する。他方、提案手段103による判定が否定判定である場合、
図5における一連の処理は、終了する。
【0063】
(ステップSP52)
経路検索システム1は、付与手段104によって、経路情報112を参照し、環境負荷が小さくなる経路をユーザが承諾した一の移動経路が含むか否かを判定する。一方、付与手段104による判定が肯定判定である場合、処理は、ステップSP54の処理に移行する。他方、他方、付与手段104による判定が否定判定である場合、
図5における一連の処理は、終了する。
【0064】
(ステップSP54)
経路検索システム1は、付与手段104によって、端末装置20のユーザに対して、移動経路に含まれる環境負荷が小さくなる経路毎に、当該経路に応じた報酬を付与する。そして、
図5に示す一連の処理は、終了する。
【0065】
<効果>
以上、本実施形態では、経路検索システム1は、コンピュータを、環境負荷の基準値を示す環境負荷基準111を交通事業者の種類毎に記憶する記憶手段110、ユーザの端末装置20から出発地点及び目的地点を取得する取得手段100、出発地点から目的地点までの移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を複数検索する検索手段101、検索した移動経路毎に当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準111及び当該移動経路に基づいて環境負荷の大きさを示す環境負荷値を算出する算出手段102、検索した移動経路の中で少なくとも一つの移動経路を環境負荷値に基づいて抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案する提案手段103、として機能させる。
【0066】
この構成によれば、経路検索システム1は、環境負荷の大きさを示す環境負荷値に基づいて抽出した移動経路を提案するため、環境負荷の大きさを考慮して移動経路を提案できる。
【0067】
また、本実施形態では、提案手段103は、環境負荷値が小さい移動経路から順に所定数の移動経路を検索した移動経路から抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案する。
【0068】
この構成によれば、経路検索システム1は、環境負荷が小さい移動経路から順に抽出した移動経路をユーザに提案するため、したがって移動に伴う環境負荷を抑えることをユーザに提案できる。
【0069】
また、本実施形態では、提案手段103は、抽出した移動経路のうち、環境負荷値が最も小さくなる移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を最初に端末装置20のユーザに提案する。
【0070】
この構成によれば、経路検索システム1は、環境負荷が最も小さい移動経路をユーザに提案するため、より移動に伴う環境負荷を抑えることをユーザに提案できる。
【0071】
また、本実施形態では、取得手段100は、交通事業者における交通事業者サーバ30から環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む経路情報112を取得する。さらに、算出手段102は、検索した移動経路毎に、及び当該移動経路において利用する交通事業者に対応する環境負荷基準111、経路情報112及び当該移動経路に基づいて環境負荷値を算出する。
【0072】
この構成によれば、経路検索システム1は、環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む経路情報112を環境負荷値に算出に含めるため、交通事業者が提供する環境負荷が小さくなる経路を考慮した移動経路をユーザに提案できる。
【0073】
また、本実施形態では、複数の交通事業者のうち一の交通事業者は、車両貸出事業者である。さらに、一の交通事業者に対応する経路情報112は、車両の貸出が可能な一の拠点から一の拠点とは異なる他の拠点に向かう経路のうち環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含む。
【0074】
この構成によれば、経路検索システム1は、車両貸出事業者において環境負荷が小さくなる経路を含む経路情報112に基づいて環境負荷値を算出するため、ユーザが車両貸出事業者を利用する場合においても、環境負荷が小さくなる移動経路を提案できる。
【0075】
また、本実施形態では、他の拠点は、一の拠点において貸し出される車両が帰属している拠点である。
【0076】
この構成によれば、経路検索システム1は、一の拠点から車両が帰属している拠点である他の拠点に向かう経路を含む経路情報112に基づいて環境負荷値を算出するため、ユーザが車両貸出事業者を利用する場合において、より環境負荷が小さくなる移動経路を提案できる。
【0077】
また、本実施形態では、経路検索システム1は、コンピュータをさらに、提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザが承諾した場合に、端末装置20のユーザに対して、環境負荷値に基づいて報酬を付与する付与手段104として機能させる。
【0078】
この構成によれば、経路検索システム1は、環境負荷値に基づいてユーザに報酬を付与するため、ユーザが移動経路を検討する際に環境負荷を考慮することを促すことができる。
【0079】
また、本実施形態では、経路検索システム1は、コンピュータをさらに、提案のうち一の移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザが承諾し、かつ環境負荷が小さくなる経路を一の移動経路が含む場合に、端末装置20のユーザに対して経路毎に経路に応じた報酬を付与する付与手段104として機能させる。
【0080】
この構成によれば、経路検索システム1は、環境負荷が小さくなる経路をユーザが承諾した移動経路が含む場合にユーザに対して報酬を付与するため、ユーザに対してより環境負荷が小さくなる移動経路を選択するように促すことができる。
【0081】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0082】
例えば、本実施形態では、経路情報112は、車両の貸出が可能な一の拠点P1から一の拠点とは異なり車両が帰属している拠点である他の拠点P2に向かう経路のうち環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含むが、これに限られるものではない。経路情報112は、一の拠点P1から、一の拠点P1及び他の拠点P2の間にある中継拠点である拠点P3に向かう経路のうち環境負荷が小さくなる経路に関する情報を含んでいても良い。
【0083】
この構成によれば、経路検索システム1は、一の拠点P1から帰属拠点である他の拠点P2に向かう経路だけでなく、一の拠点から、一の拠点P1及び他の拠点P2の間にある中継拠点である拠点P3に向かう経路も環境負荷が小さくなる経路として含むため、ユーザに対して、環境負荷が小さくなる経路を提案する機会をより多く提供できる。
【0084】
また、経路情報112は、例えば、交通事業者がタクシー事業者や車両貸出事業者であり、既に別のユーザによってタクシーの手配や車両の予約がなされていて、かつ当該別のユーザが相乗りを許容している場合におけるタクシーやレンタカーが移動する予定の経路に関する情報を含んでも良い。交通事業者が車両貸出事業者である場合、経路情報112は、別のユーザによって車両がレンタルされる予定の拠点と車両が返却される予定の拠点との情報を含む。また、交通事業者がタクシー事業者である場合、経路情報112は、別のユーザがタクシーの乗車する予定の位置と、タクシーから降車する予定の位置との情報を含む。
【0085】
この構成によれば、経路検索システム1は、相乗りを許容している別のユーザと同じ車両(タクシーやレンタカーなど)に同乗する経路を含む移動経路をユーザの端末装置20に提案するため、環境負荷をより小さくする移動経路をユーザに提案できる。
【0086】
また、取得手段100は、ユーザの端末装置20から検索を行った移動経路の表示の優先順位に関する情報を取得しても良い。取得手段100は、例えば、
図6に示すチェックボックス603にチェックが入れられているか否かに関する情報を取得する。そして、提案手段103は、取得した情報がチェックボックス603にチェックが入れられていることを示す場合、環境負荷値が小さい移動経路から順に所定数の移動経路を検索した移動経路から抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案する一方で、取得した情報がチェックボックス603にチェックが入れられていないことを示す場合、移動にかかる料金や時間、乗換回数などに基づいて移動経路を抽出し、抽出した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者を端末装置20のユーザに提案しても良い。
【0087】
この構成によれば、経路検索システム1は、ユーザが選択した優先順位に従って、移動経路を抽出し、抽出した移動経路をユーザの端末装置20に移動経路を表示できる。
【0088】
また、経路検索システム1は、提案した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者がユーザによって承諾された場合に、承諾された移動経路の環境負荷値と、当該移動経路に含まれる環境負荷が小さくなる経路の環境負荷値の合計値とを対応付けて記憶手段110に記憶しても良い。
【0089】
この構成によれば、経路検索システム1は、経路検索システム1によって提案しユーザによって承諾された移動経路のうち環境負荷が小さくなる経路が担った移動に伴う環境負荷がどの程度であるかを記憶できる。
【0090】
また、経路検索システム1は、提案した移動経路及び当該移動経路において利用する交通事業者がユーザによって承諾された場合に、承諾された移動経路と、環境負荷が小さくなる経路を承諾された移動経路が含むか否かに関する情報とを対応付けて記憶手段110に記憶しても良い。
【0091】
この構成によれば、経路検索システム1は、経路検索システム1によって提案しユーザによって承諾された移動経路のうち、環境負荷が小さくなる経路を含む移動経路をユーザが承諾した割合を記憶できる。
【符号の説明】
【0092】
1…経路検索システム、10…サーバ装置、20…端末装置、30…交通事業者サーバ、100…取得手段、101…検索手段、102…算出手段、103…提案手段、110…記憶手段、111…環境負荷基準