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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172631
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】小便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 13/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E03D13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090473
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高市 康太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 靖史
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA04
2D039DB04
(57)【要約】
【課題】ボウル面の左右方向における端部が洗浄水により洗浄されやすい小便器装置を提供する。
【解決手段】小便器装置1は、小便器本体11と、吐水部12と、を備える。小便器装置1を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。小便器本体11は、前側を向く前受け面21を有するボウル面2を有する。吐水部12は、底壁71と、複数個の吐水口70と、給水部73と、を有する。底壁71は、ボウル面2の上側に位置する。複数個の吐水口70は、底壁71に形成され、左右方向に並んで底壁71を上下方向に貫通する。給水部73は、底壁71の上側に位置して底壁71の上面に給水する給水口72を有する。複数個の吐水口70のうち、給水口72から遠い方の吐水口70の開口面積は、給水口72に近い方の吐水口70の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小便器本体と、吐水部と、を備える小便器装置であって、
前記小便器装置を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定し、
前記小便器本体は、前側を向く前受け面を有するボウル面を有し、
前記吐水部は、
前記ボウル面の上側に位置する底壁と、
前記底壁に形成され、左右方向に並んで前記底壁を上下方向に貫通する複数個の吐水口と、
前記底壁の上側に位置して前記底壁の上面に給水する給水口を有する給水部と、を有し、
前記複数個の吐水口のうち、前記給水口から遠い方の吐水口の開口面積は、前記給水口に近い方の吐水口の開口面積と比較して、等しいか又は大きい、
小便器装置。
【請求項2】
前記複数個の吐水口のうち、一部又は全部の吐水口において、前記給水口から遠いほど、前記吐水口の開口面積が大きくなる、
請求項1に記載の小便器装置。
【請求項3】
前記吐水口は、前後方向に延びている、
請求項1に記載の小便器装置。
【請求項4】
小便器本体と、吐水部と、を備える小便器装置であって、
前記小便器装置を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定し、
前記小便器本体は、前側を向く前受け面を有するボウル面を有し、
前記吐水部は、
前記ボウル面の上側に位置する底壁と、
前記底壁に形成され、左右方向に並んで前記底壁を上下方向に貫通する複数個の吐水口と、
前記底壁の上側に位置して前記底壁の上面に給水する給水口を有する給水部と、を有し、
前記複数個の吐水口のうち、前記給水口から遠い二個の吐水口の間隔は、前記給水口に近い二個の吐水口の間隔と比較して、等しいか又は小さい、
小便器装置。
【請求項5】
前記小便器本体は、前記ボウル面の上側に位置して下側を向く天井面を有する庇を更に有し、
前記吐水部は、前記庇に配置されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の小便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、小便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の小便器が開示されている。この小便器は、小便を受けるボウル面及びこのボウル面の底部に設けられた排水口を備えたボウル部と、ボウル面を洗浄する吐水装置と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-134494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された小便器にあっては、ボウル面の左右方向における端部が洗浄水により洗浄されにくいものであった。
【0005】
本開示の目的は、ボウル面の左右方向における端部が洗浄水により洗浄されやすい小便器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の小便器装置は、小便器本体と、吐水部と、を備える。前記小便器装置を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。前記小便器本体は、前側を向く前受け面を有するボウル面を有する。前記吐水部は、底壁と、複数個の吐水口と、給水部と、を有する。前記底壁は、前記ボウル面の上側に位置する。前記複数個の吐水口は、前記底壁に形成され、左右方向に並んで前記底壁を上下方向に貫通する。前記給水部は、前記底壁の上側に位置して前記底壁の上面に給水する給水口を有する。前記複数個の吐水口のうち、前記給水口から遠い方の吐水口の開口面積は、前記給水口に近い方の吐水口の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。
【0007】
本開示の他の態様の小便器装置は、小便器本体と、吐水部と、を備える。前記小便器装置を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。前記小便器本体は、前側を向く前受け面を有するボウル面を有する。前記吐水部は、底壁と、複数個の吐水口と、給水部と、を有する。前記底壁は、前記ボウル面の上側に位置する。前記複数個の吐水口は、前記底壁に形成され、左右方向に並んで前記底壁を上下方向に貫通する。前記給水部は、前記底壁の上側に位置して前記底壁の上面に給水する給水口を有する。前記複数個の吐水口のうち、前記給水口から遠い二個の吐水口の間隔は、前記給水口に近い二個の吐水口の間隔と比較して、等しいか又は小さい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の小便器装置にあっては、ボウル面の左右方向における端部が洗浄水により洗浄されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る小便器装置の正面図である。
図2図2は、同上の小便器装置の平面図である。
図3図3は、同上の小便器装置の左側面図である。
図4図4は、図1におけるA-A断面図である。
図5図5は、図1におけるB-B断面図である。
図6図6は、図1におけるC-C断面図である。
図7図7は、図1におけるD-D断面図である。
図8図8Aは、図1におけるE-E断面図である。図8Bは、図8Aの要部拡大図である。
図9図9は、図1におけるF-F断面図である。
図10図10Aは、図2におけるG-G断面図である。図10Bは、図10Aの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)概要
本開示に係る小便器装置について説明する。以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎないものであり、以下の実施形態において、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
図1に示すように、本開示に係る小便器装置1は、小便器本体11と、吐水部12と、を備える。小便器装置1を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。小便器本体11は、前側を向く前受け面21を有するボウル面2を有する。吐水部12は、底壁71と、複数個の吐水口70と、給水部73と、を有する。底壁71は、ボウル面2の上側に位置する。複数個の吐水口70は、底壁71に形成され、左右方向に並んで底壁71を上下方向に貫通する。給水部73は、底壁71の上側に位置して底壁71の上面に給水する給水口72を有する。複数個の吐水口70のうち、給水口72から遠い方の吐水口70の開口面積は、給水口72に近い方の吐水口70の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。
【0012】
上記の小便器装置1にあっては、洗浄水は、洗浄棚面3において広がってから、ボウル面2の上端部へ流れるため、ボウル面の左右方向における端部が洗浄水により洗浄されやすい。
【0013】
(2)一実施形態
以下、本開示の一実施形態に係る小便器装置1について図1図10に基づいて説明する。図1図3に示すように、小便器装置1は、小便器本体11と、吐水部12と、を備える。
【0014】
(2.1)小便器本体
小便器本体11は、小便を受ける容器であり、樹脂又は陶器等の材質(本実施形態においては樹脂)により形成される。小便器本体11は、ボウル面2と、洗浄棚面3とを有する。また、小便器本体11は、庇4と、ガイド面5と、縦面6と、を有する。
【0015】
ここで、以下の説明における前後方向及び左右方向について規定する。小便器装置1を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。すなわち、小便器装置1から見て、設計上、使用者が位置する方を前方とし、その反対を後方とする。また、左右については、前方に位置する使用者が後方(すなわち小便器装置1の方)を向いたときの左方及び右方を以下の説明における左方及び右方とする。
【0016】
(2.2)ボウル面
ボウル面2は、前受け面21と、側受け面22と、下受け面23と、を有する。
【0017】
前受け面21は、ボウル面2のうち、前側を向いて、後方に向けて放出される小便を主として受ける部分である。また、前受け面21には、洗浄水が流れる。前受け面21の法線ベクトルが向く方向は、前方に対して45度以下の角度をなす方向である。言い換えると、前受け面21は、ボウル面2のうち法線ベクトルが前方に対して45度以下の角度をなす部分である。
【0018】
図5図7に示すように、前受け面21は、後方に凹む凹面状に形成される。図5及び図6に示すように、前受け面21にあっては、水平断面において、左右方向の中央部が最も後方に位置し、中央部から左右方向へ離れるほど前方に位置する凹状に形成される。また、前受け面21にあっては、図7に示すように、左右方向を向く垂直断面において、上下方向における上部は前方に凸となる凸状に形成され、上下方向における下部は前方に凹となる凹状に形成される。また、前受け面21の上部は、下方へ行くほど後方に位置するように傾斜しているため、下方かつ後方に向けて流下する小便に前受け面21が沿いやすく、小便が前受け面21に対して大きな角度で当たりにくく、前受け面21に当たった小便が跳ねにくい。
【0019】
側受け面22は、図6に示すように、前受け面21の左右両側にそれぞれ隣接して内側を向いて、後方に向けて放出される小便を補助的に受ける部分である。また、側受け面22には、洗浄水が流れる。側受け面22の法線ベクトルが向く方向は、内側方に対して45度以下の角度をなす方向である。具体的には、前受け面21の左側に形成される側受け面22の法線ベクトルは、右方に対して45度以下の角度をなす。また、前受け面21の右側に形成される側受け面22の法線ベクトルは、左方に対して45度以下の角度をなす。
【0020】
前受け面21と側受け面22とは、連続している。すなわち、前受け面21の左右方向における外端部と、側受け面22の前後方向における後端部とは、連続している。前受け面21と側受け面22との間に、明確な境界は特にない。
【0021】
なお、図5及び図7に示すように、本実施形態においては、側受け面22は、ボウル面2の上端部には形成されていない。側受け面22は、同じ高さにおいて前受け面21よりも必然的に前側に位置することになるが、前受け面21は上側に行くほど前側に位置しており、ボウル面2の上端部においては側受け面22が形成される余地がない。
【0022】
下受け面23は、前受け面21及び側受け面22から流下する小便及び洗浄水を受ける。下受け面23は、ボウル面2のうち、前受け面21及び側受け面22の下側に隣接して、上側を向く部分である。
【0023】
下受け面23と前受け面21とは、連続している。すなわち、下受け面23の上端部と、前受け面21の下端部とは、連続している。また、下受け面23と側受け面22とは、連続している。すなわち、下受け面23の上端部と、側受け面22の下端部とは、連続している。下受け面23と前受け面21との間、及び、下受け面23と側受け面22との間に、明確な境界はない。下受け面23の法線ベクトルが向く方向は、上方に対して45度以下の角度をなす方向である。
【0024】
図2に示すように、本実施形態においては、小便器本体11の下端部に、小便器本体11の下端部より上側の部分よりも前側に位置し、上方に向けて開口して上方に露出する
小便器前部111が形成されている。少なくとも小便器前部111の内面は、下受け面23である。
【0025】
下受け面23の下端部には、排水口24が形成される。排水口24には、目皿25が配置される。排水口24に排水管14が接続されて、排水流路が構成される。
【0026】
(2.3)洗浄棚面
図1図4図7及び図9に示すように、洗浄棚面3は、少なくともボウル面2の上側に隣接して上側を向く面である。本実施形態においては、洗浄棚面3は、ボウル面2及びガイド面5の上側に隣接して上側を向く面である。
【0027】
図4に示すように、洗浄棚面3は、前後方向に所定の幅を有し、左右方向に延びる、平面視矩形状をした面である。更に説明すると、洗浄棚面3は、平面視において、左右方向の中央において最も後方に位置し、左右方向の両側方へ行くほど前方に位置するように湾曲した形状をしている。
【0028】
洗浄棚面3の法線ベクトルが向く方向は、上方に対して20度以下の角度をなす方向であり、好ましくは、上方に対して10度以下の角度をなす方向である。洗浄棚面3の法線ベクトルが上方を向いても勿論よく、この場合は要するに洗浄棚面3が水平面となる。
【0029】
図9に示すように、本実施形態においては、洗浄棚面3は、前方に向けて下り傾斜している。すなわち、洗浄棚面3の法線ベクトルは、前向きの成分を有する。
【0030】
洗浄棚面3には、吐水部12より洗浄水(水)が吐出される。洗浄棚面3に吐出された洗浄水は、ボウル面2の上端部へと流出する。本実施形態においては、洗浄棚面3の前端部と、ボウル面2の上端部及びガイド面5の上端部とが連続している。洗浄棚面3の前端部とボウル面2の上端部との間に、明確な境界は特にない。洗浄棚面3の前端部とボウル面2の上端部の連続する部分の断面形状は、丸みを帯びた形状となっている。
【0031】
洗浄棚面3は、ボウル面2(前受け面21)の上端部よりも後方に位置している。洗浄棚面3の上側でかつ、後述する庇4の天井面40の下側の空間であって、ボウル面2の上端部よりも後方に凹む凹所である、吐水空間30が形成される。吐水空間30は、前方に向けて開口している。
【0032】
また、吐水空間30は、左右方向においては開口していない。すなわち、吐水空間30の左右両側には、吐水空間30の内側面31が位置しており、吐水空間30は左右方向において内側面31に閉塞されている。内側面31の下端部と、洗浄棚面3の左右方向における外端部とは、連続している。
【0033】
また、吐水空間30は、後方には開口していない。すなわち、吐水空間30の後方には、吐水空間30の内奥面32が位置しており、吐水空間30の後方は内奥面32に閉塞されている。内奥面32の下端部と、洗浄棚面3の後端部とは、連続している。また、内奥面32の左右方向における外端部と、内側面31の後端部とは、連続している。
【0034】
吐水部12より吐水空間30に吐出された洗浄水は、洗浄棚面3上を前方に流れ、ボウル面2の上端部へと流出する。本実施形態においては、洗浄棚面3は、左右方向において傾斜していない。すなわち、洗浄棚面3の法線ベクトルは、左方向き又は右方向きの成分を有しない。
【0035】
(2.4)庇
図7及び図9に示すように、庇4は、洗浄棚面3及びボウル面2の上側に位置する。庇4は、下側を向く天井面40を有する。天井面40の法線ベクトルが向く方向は、下方に対して45度以下の角度をなす方向である。
【0036】
図8に示すように、天井面40は、平面視において、洗浄棚面3の形状(図4参照)と概ね同様の形状をしている。すなわち、天井面40は、平面視において、左右方向の中央において最も後方に位置し、左右方向の両側方へ行くほど前方に位置するように湾曲した形状をしている。平面視において、天井面40は、洗浄棚面3と略重なる。
【0037】
図7及び図9に示すように、庇4は、下面が天井面40となる底壁と、底壁の前端部から上方に延びて前面41を構成する前壁と、前壁の上端部から後方に延びて上面42を構成する上壁と、を有する。天井面40と内側面31とは連続しており、天井面40と内奥面32とは連続している。すなわち、天井面40の左右方向における外端部と、内側面31の上端部とは、連続している。また、天井面40の後端部と、内奥面32の上端部とは、連続している。
【0038】
下受け面23、側受け面22、前受け面21、洗浄棚面3、内側面31、内奥面32、天井面40、前面41及び上面42は、小便器本体11において一つの連続した表面を構成する。庇4には、吐水部12が配置される。具体的には、庇4の底壁に、吐水部12が配置される。
【0039】
(2.5)吐水部
図1図7図10Bに示すように、吐水部12は、洗浄棚面3に水を吐出する。吐水部12は、下方に向けて開口する吐水口70を有する。図8A図10Bに示すように、本実施形態においては、吐水部12は、ケース7の一部により構成される。ケース7は、洗浄棚面3の上方に配置される。
【0040】
ケース7は、略閉塞された空間である給水空間700を内部に有する。ケース7の底壁71は、左右方向に離れた2箇所において、他の部分よりも下方に延びており、下方に延びた部分が吐水部12となる。ケース7の本体から下方に延びる吐水部12は、庇4の底壁に形成された開口400を通って、庇4の底壁の下方に位置する(図9参照)。吐水部12の底壁71及び吐水口70は、天井面40よりも下方に位置する。底壁71及び吐水口70は、洗浄棚面3及びボウル面2の上側に位置する。
【0041】
吐水部12は、底壁71を有する。底壁71のうち、吐水部12となる下方に延びた部分に、吐水口70が形成されている。吐水口70は、底壁71を上下方向に貫通する孔である。なお、吐水口70の貫通する方向は、厳密な上下方向(鉛直方向)でなくてもよく、吐水口70の貫通する方向のベクトルが上下方向の成分を含んでいればよい。吐水部12は、複数個の吐水口70を有する。
【0042】
図8Aに示すように、吐水部12は、給水部73を有する。給水部73は、底壁71の上側に位置して底壁71の上面に給水する給水口72を有する。具体的には、給水部73は、管により構成され、この管の下流側の端部の開口が給水口72となる。給水部73及び給水口72は、小便器本体11の左右方向における中央部に配置されている。給水口72は、前方を向いており、給水口72から吐出される水は、前方に向けて吐出される。給水部73の上流側の端部には、水道等の水源と接続される給水管13(図3及び図7参照)が接続される。
【0043】
図8A及び図8Bに示すように、複数個の吐水口70は、左右方向に並んでいる。複数の吐水口70が並ぶ方向は、厳密な左右方向でなくてもよい。本実施形態においては、洗浄棚面3及び天井面40の延びる方向に沿った方向に、複数個の吐水口70が並んでいる。具体的には、複数個の吐水口70は、平面視において、左右方向の中央側へ行くほど後方に位置し、左右方向の両側方へ行くほど前方に位置するように、左右方向から若干傾斜した方向に直線状に並んでいる。また、複数個の吐水口70は、等ピッチで並んでいる。
【0044】
吐水口70は、前後方向に延びている。吐水口70の延びる方向は、厳密な前後方向でなくてもよい。本実施形態においては、吐水口70は、複数の吐水口70が並ぶ方向と直交する方向に延びている。
【0045】
吐水口70の後部の幅は、吐水口70の前部の幅よりも長い。更に具体的に説明すると、吐水口70の少なくとも前部は、前後方向に延びる第1開口部701である。また、吐水口70の後端部は、円形状をした第2開口部702である。第1開口部701と第2開口部702とは連続しており、一つの吐水口70を構成している。
【0046】
第1開口部701は、吐水口70のうち円形状の第2開口部702以外の部分を占めており、吐水口70の後部にまで達している。なお、第1開口部701の前端縁は円弧状をしており、第1開口部701の前端部に半円形状を含んでいる。
【0047】
第1開口部701の幅(すなわち、吐水口70の延びる方向と直交する方向の長さ)の平均値及び最大値は、第2開口部702の幅の平均値及び最大値よりもそれぞれ短い。従って、吐水口70の後半部の幅の平均値及び最大値は、吐水口70の前半部の幅の平均値及び最大値よりもそれぞれ長いといえる。
【0048】
複数個の吐水口70のうち、給水口72から遠い方の吐水口70の開口面積は、給水口72に近い方の吐水口70の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。本実施形態においては、給水口72は小便器本体11及びケース7の左右方向における中央部に配置されている。このため、複数個の吐水口70のうち、左右方向における中央部から遠い方の吐水口70の開口面積は、左右方向における中央部に近い方の吐水口70の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。
【0049】
複数個の吐水口70のうち、一部又は全部の吐水口70において、給水口72から遠いほど、吐水口70の開口面積が大きくなる。図8Bに示すように、本実施形態においては、例えば右側の吐水部12では、左から3番目~6番目の吐水口70について、この順で開口面積が大きくなっている。なお、左から1番目~3番目の吐水口70、左から6番目以降の吐水口70については、開口面積はそれぞれ等しくなっている。
【0050】
図9に示すように、吐水部12の吐水口70から下側に吐出される洗浄水の吐出方向は、前後方向においては下方を向いている。すなわち、洗浄水の吐出方向ベクトルは、前後方向成分を含まない。
【0051】
また、図10Bに示すように、吐水部12の吐水口70から下側に吐出される洗浄水の吐出方向は、一部の吐水口70(右から1番目~3番目の吐水口70)については、左右方向においては下方に対して傾斜している。すなわち、一部の吐水口70については、洗浄水の吐出方向ベクトルは、左右方向成分を含んでいる。具体的には、左右方向における外端部側の吐水口70から吐出される洗浄水の吐出方向ベクトルは、左右方向のうちの外側向きの成分を含んでいる。なお、右から4番目以降の吐水口70については、洗浄水は吐水口70から下方に吐出される。
【0052】
(2.6)ガイド面
図1図2及び図6に示すように、ガイド面5は、側受け面22の左右両側にそれぞれ隣接して前側を向く面である。ガイド面5と洗浄棚面3とは、連続している。すなわち、ガイド面5の上端部と、洗浄棚面3の前端部とは、連続している。ガイド面5と側受け面22とは、連続している。すなわち、ガイド面5の左右方向における内端部と、側受け面22の左右方向における外端部とは、連続している。また、ガイド面5は、下受け面23と連続している。すなわち、ガイド面5の内端部と、下受け面23の外端部とは、連続している。
【0053】
ガイド面5の法線ベクトルが向く方向は、前方に対して30度以下の角度をなす方向である。
【0054】
ガイド面5は、ボウル面2を構成しない。すなわち、ガイド面5は、積極的に小便を受ける部分ではないため、小便を受ける部分であるボウル面2は、ガイド面5を含まない。ガイド面5には、洗浄棚面3から流下した洗浄水が流れる。
【0055】
(2.7)縦面
縦面6は、ガイド面5の左右両側にそれぞれ隣接して内側を向く面である。縦面6とガイド面5とは、連続している。すなわち、縦面6の後端部と、ガイド面5の左右方向における外端部とは、連続している。
【0056】
縦面6の法線ベクトルが向く方向は、左右方向における内方に対して30度以下の角度をなす方向である。
【0057】
ガイド面5と縦面6とにより、側受け面22の延長面上から凹む溝部(凹所)が形成される。このとき、ガイド面5と縦面6とは、80度以上でかつ120度以下の角度をなすことが好ましく、直角をなすことが更に好ましい。
【0058】
(2.8)吐水部における洗浄水の流れ
図7図9に示すように、水源から供給される洗浄水は、給水管13を介して給水部73に供給され、給水口72よりケース7内の給水空間700に吐出される。給水空間700に吐出された洗浄水は、底壁71の吐水部12が形成されていない部分(すなわち下方に突出していない部分)を左右方向の両側に分かれて流れ、吐水部12の部分に流下した洗浄水も、一部は吐水口70より流下し、残りは吐水口70をまたいで底壁71上を左右方向の両側に向かって流れる。
【0059】
図8A及び図8Bに示すように、左右方向における中央部から遠い方の吐水口70の開口面積は、左右方向における中央部に近い方の吐水口70の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。このため、複数個の吐水口70から吐出する洗浄水の量の左右方向におけるばらつきを低減し、吐水口70から吐出する洗浄水の量を左右方向において均一にしやすくなる。また、各吐水部12では、中央側から3番目~6番目の吐水口70について、この順で開口面積が大きくなっている。このため、より一層、吐水口70から吐出する洗浄水の量を左右方向において均一にしやすくなる。
【0060】
吐水口70は、前後方向に延びている。このため、洗浄水は、吐水口70から、前後方向において広い範囲に吐出されやすくなる。また、吐水口70の後部の幅は、吐水口70の前部の幅よりも長い。これにより、洗浄水は、吐水口70の後部から吐出されやすく、吐水口70の前部から吐出されにくくなる。
【0061】
特に、給水口72から前方に洗浄水が吐出される場合、吐水口70が前後方向に均一な幅で延びていると、吐水口70の前部から吐出される洗浄水の量の方が、吐水口70の後部から吐出される洗浄水の量よりも多くなる。このような場合には、吐水口70の後部の幅は、吐水口70の前部の幅よりも長くなることにより、吐水口70から吐出する洗浄水の量を前後方向において均一にしやすくなる。
【0062】
また、吐水口70の後端部は、円形状をした第2開口部702であり、吐水口70の第2開口部702よりも前側の部分は、前後方向に延びる第1開口部701である。これにより、吐水口70の後端部に円形状した第2開口部702を形成するだけで、吐水口70の後部の幅を、吐水口70の前部の幅よりも長くすることができる。
【0063】
図10Bに示すように、左右方向における外端部側の吐水口70から吐出される洗浄水の吐出方向ベクトルは、左右方向のうちの外側向きの成分を含んでいる。これにより、洗浄水は、複数個の吐水口70から、左右方向において広い範囲に吐出されやすくなる。
【0064】
(2.9)吐水部から吐出された洗浄水の流れ
吐水部12の吐水口70から吐出された洗浄水は、下側に位置する洗浄棚面3に流下して、左右方向の外側に向けて流れて、洗浄棚面3において左右方向に広がる。洗浄水は、洗浄棚面3の前端部からボウル面2の上端部へと流れ、ボウル面2を流下する。洗浄水は、洗浄棚面3において左右方向に広がってから、ボウル面2の上端部へと流れる。これにより、ボウル面2の上端部の左右方向に広い範囲から、洗浄水を流下させやすくなる。
【0065】
図7及び図9に示すように、小便器本体11は、洗浄棚面3及びボウル面2の上側に位置して下側を向く天井面40を有する庇4を有する。これにより、洗浄棚面3に吐出された洗浄水が洗浄棚面3で跳ねても、天井面40で洗浄水を受けることができ、洗浄水が小便器本体11の上方に飛散しにくくなる。また、洗浄棚面3の上方に配置される庇4を利用して吐水部12を配置できて、吐水部12を洗浄棚面3の上方に配置するための専用の部材が不要となる。
【0066】
図9に示すように、洗浄棚面3の前端部とボウル面2(前受け面21)の上端部とが連続しているため、前受け面21を下方へ行くほど後方に位置するように傾斜させやすく、前受け面21に当たった小便を跳ねにくくすることができる。
【0067】
洗浄棚面3は、前方に向けて下り傾斜しているため、洗浄棚面3に吐出された洗浄水がボウル面2の上端部へ流れやすい。
【0068】
(2.10)ボウル面における洗浄水の流れ
図1及び図4に示すように、洗浄水は、洗浄棚面3において左右方向に広がってから、ボウル面2の上端部へと流れるため、ボウル面2の上端部の左右方向に広い範囲から、洗浄水が流下する。これにより、ボウル面2の広い範囲における洗浄を確保しやすくなる。
【0069】
ガイド面5と縦面6とにより、側受け面22の延長面上から凹む、洗浄水が流れる溝部が形成される。洗浄棚面3上を左右方向における端部まで流れた洗浄水は、溝部内(主にガイド面5上)を流下する。ガイド面5を流下する洗浄水は、縦面6により、小便器本体11の側方にこぼれ落ちない。また、ガイド面5を流下する洗浄水は、途中で少しずつ側受け面22に流れる。これにより、ボウル面2の左右方向における端部が、洗浄水により洗浄されやすくなり、ボウル面2の広い範囲における洗浄をより一層確保しやすくなる。
【0070】
ガイド面5と縦面6とが、80度以上でかつ120度以下の角度をなすことにより、側受け面22の延長面上から凹む、洗浄水が流れる溝部を深く形成しやすい。
【0071】
(3)変形例
(3.1)小便器本体
洗浄棚面3、ガイド面5及び縦面6は任意の構成であり、小便器本体11に設けられなくてもよい。
【0072】
(3.2)ボウル面
前受け面21の法線ベクトルの向く方向は、前方に対して45度以下の角度をなす範囲でなくてもよく、前受け面21の法線ベクトルの向く方向が前方に対してなす角度の範囲は限定されない。
【0073】
前受け面21は、凹面状又は凸面状の曲面状に形成されなくてもよく、平面状に形成されてもよい。
【0074】
側受け面22の法線ベクトルの向く方向は、内側方に対して45度以下の角度をなす範囲でなくてもよく、側受け面22の法線ベクトルの向く方向が内側方に対してなす角度の範囲は限定されない。
【0075】
前受け面21と側受け面22との間に、例えば形状、材質等における明確な境界があってもよい。
【0076】
側受け面22は、ボウル面2の上端部に形成されてもよく、ボウル面2の高さ方向の全長にわたって形成されてもよい。
【0077】
下受け面23と前受け面21との間、及び、下受け面23と側受け面22との間に、例えば形状、材質等における明確な境界があってもよい。
【0078】
下受け面23の法線ベクトルの向く方向は、上方に対して45度以下の角度をなす範囲でなくてもよく、下受け面23の法線ベクトルの向く方向が上方に対してなす角度の範囲は限定されない。
【0079】
目皿25は、小便器装置1に設けられる必要はない。
【0080】
(3.3)洗浄棚面
洗浄棚面3の形状は、特に限定されない。
【0081】
洗浄棚面3は、前方に向けて下り傾斜している必要はない。
【0082】
洗浄棚面3の前端部とボウル面2の上端部との間に、例えば形状、材質等における明確な境界があってもよい。
【0083】
洗浄棚面3は、左右方向において傾斜してもよい。特に、吐水口70の直下の部分が最も高く、吐水口70から離れるほど低くなるように傾斜してもよい。
【0084】
(3.4)庇
天井面40の法線ベクトルの向く方向は、下方に対して45度以下の角度をなす範囲でなくてもよく、天井面40の法線ベクトルの向く方向が下方に対してなす角度の範囲は限定されない。
【0085】
平面視において、天井面40は、洗浄棚面3と重なってもよいし、洗浄棚面3を内部に含んでもよいし、天井面40の一部と洗浄棚面3の一部とが重なる状態であってもよい。
【0086】
吐水部12は、必ずしも庇4に配置されなくてもよい。
【0087】
(3.5)吐水部
吐水部12(底壁71、吐水口70)は、天井面40よりも下方に位置しなくてもよい。
【0088】
給水部73は、管により構成されず、例えば給水口72が形成された筐体により構成されてもよく、特に限定されない。
【0089】
吐水部12に吐水口70が複数個設けられる場合、複数個の吐水口70が並ぶ方向は、特に限定されない。また、複数個の吐水口70は、直線状に並ばなくてもよい。また、複数個の吐水口70は、等ピッチで並ばなくてもよい。また、複数個の吐水口70は、等ピッチではなく、等間隔で並んでもよい。また、吐水口70の個数は特に限定されない。
【0090】
吐水口70の延びる方向は、特に限定されない。また、吐水口70の形状は、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、多角形状等、様々な形状をとり得るものであり、特に限定されない。
【0091】
複数個の吐水口70の開口面積は、全て等しくてもよいし、それぞれ異なってもよく、特に限定されない。
【0092】
一部又は全部の吐水口70から下側に吐出される洗浄水の吐出方向ベクトルは、前後方向成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0093】
一部又は全部の吐水口70から下側に吐出される洗浄水の吐出方向ベクトルは、左右方向成分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0094】
複数個の吐水口70のうち、給水口72から遠い二個の吐水口70の間隔は、給水口72に近い二個の吐水口70の間隔と比較して、等しいか又は小さい。底壁71の上面において、給水口72から遠い方の領域の単位面積あたりの吐水口70の開口面積は、給水口72に近い方の領域の単位面積あたりの吐水口70の開口面積と比較して、等しいか又は大きくなる。これにより、複数個の吐水口70から吐出する洗浄水の量の左右方向におけるばらつきを低減し、吐水口70から吐出する洗浄水の量を左右方向において均一にしやすくなる。
【0095】
(3.6)ガイド面
ガイド面5と側受け面22との間、及び、ガイド面5と下受け面23との間に、明確な境界はなくてもよいし、あってもよい。
【0096】
ガイド面5の法線ベクトルが向く方向は、前方に対して30度以下の角度をなす範囲でなくてもよく、ガイド面5の法線ベクトルの向く方向が前方に対してなす角度の範囲は限定されない。
【0097】
ガイド面5は、積極的に小便を受けるようには設計されていないが、ガイド面5で受けた小便は、最終的に排水口24へ流すことができる。このため、概念上、ボウル面2がガイド面5を含んでもよい。
【0098】
(3.7)縦面
縦面6とガイド面5との間に、明確な境界はなくてもよいし、あってもよい。
【0099】
縦面6の法線ベクトルが向く方向は、左右方向における内方に対して30度以下の角度をなす範囲でなくてもよく、縦面6の法線ベクトルの向く方向が前方に対してなす角度の範囲は限定されない。
【0100】
ガイド面5と縦面6とがなす角度の範囲は、限定されない。
【0101】
縦面6は、積極的に小便を受けるようには設計されていないが、縦面6で受けた小便は、最終的に排水口24へ流すことができる。このため、概念上、ボウル面2が縦面6を含んでもよい。
【0102】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様の小便器装置(1)は、小便器本体(11)と、吐水部(12)と、を備える。小便器装置(1)を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。小便器本体(11)は、前側を向く前受け面(21)を有するボウル面(2)を有する。吐水部(12)は、底壁(71)と、複数個の吐水口(70)と、給水部(73)と、を有する。底壁(71)は、ボウル面(2)の上側に位置する。複数個の吐水口(70)は、底壁(71)に形成され、左右方向に並んで底壁(71)を上下方向に貫通する。給水部(73)は、底壁(71)の上側に位置して底壁(71)の上面に給水する給水口(72)を有する。複数個の吐水口(70)のうち、給水口(72)から遠い方の吐水口(70)の開口面積は、給水口(72)に近い方の吐水口(70)の開口面積と比較して、等しいか又は大きい。
【0103】
第1の態様では、複数個の吐水口(70)から吐出する洗浄水の量の左右方向におけるばらつきを低減し、吐水口(70)から吐出する洗浄水の量を左右方向において均一にしやすくなる。
【0104】
第2の態様は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、複数個の吐水口(70)のうち、一部又は全部の吐水口(70)において、給水口(72)から遠いほど、吐水口(70)の開口面積が大きくなる。
【0105】
第2の態様では、より一層、吐水口(70)から吐出する洗浄水の量を左右方向において均一にしやすくなる。
【0106】
第3の態様は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、吐水口(70)は、前後方向に延びている。
【0107】
第3の態様では、洗浄水は、吐水口(70)から、前後方向における広い範囲に吐出されやすくなる。
【0108】
第4の態様の小便器装置(1)は、小便器本体(11)と、吐水部(12)と、を備える。小便器装置(1)を基準として、使用者が位置する前方及びその反対の後方、後方を向くときの左方及び右方を規定する。小便器本体(11)は、前側を向く前受け面(21)を有するボウル面(2)を有する。吐水部(12)は、底壁(71)と、複数個の吐水口(70)と、給水部(73)と、を有する。底壁(71)は、ボウル面(2)の上側に位置する。複数個の吐水口(70)は、底壁(71)に形成され、左右方向に並んで底壁(71)を上下方向に貫通する。給水部(73)は、底壁(71)の上側に位置して底壁(71)の上面に給水する給水口(72)を有する。複数個の吐水口(70)のうち、給水口(72)から遠い二個の吐水口(70)の間隔は、給水口(72)に近い二個の吐水口(70)の間隔と比較して、等しいか又は小さい。
【0109】
第4の態様では、複数個の吐水口(70)から吐出する洗浄水の量の左右方向におけるばらつきを低減し、吐水口(70)から吐出する洗浄水の量を左右方向において均一にしやすくなる。
【0110】
第5の態様は、第1~4のいずれかの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、小便器本体(11)は、ボウル面(2)の上側に位置して下側を向く天井面(40)を有する庇(4)を更に有する。吐水部(12)は、庇(4)に配置されている。
【0111】
第5の態様では、洗浄棚面(3)の上方に配置される庇(4)を利用して吐水部(12)を配置できて、吐水部(12)を洗浄棚面(3)の上方に配置するための専用の部材が不要となる。
【符号の説明】
【0112】
1 小便器装置
11 小便器本体
12 吐水部
2 ボウル面
21 前受け面
4 庇
40 天井面
70 吐水口
71 底壁
72 給水口
73 給水部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10