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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172638
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20241205BHJP
   F21V 31/03 20060101ALI20241205BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241205BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20241205BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241205BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V31/03
F21Y115:30
F21Y115:15
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090482
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 信久
(72)【発明者】
【氏名】永井 克典
(72)【発明者】
【氏名】後藤 芳朗
(72)【発明者】
【氏名】桑畑 暢彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 隼人
(72)【発明者】
【氏名】久下 聡志
(72)【発明者】
【氏名】立花 則子
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA09
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、カバー部材の取付け作業の作業性向上を図ることである。
【解決手段】照明器具A1は、二つの光源ユニット2と、二つの光源ユニット2を収容する器具本体1と、器具本体1に着脱可能に取り付けられる板状のカバー部材3と、を備える。器具本体1は、それぞれに光源ユニット2を一つずつ収容する第1収容領域12A及び第2収容領域12Bと、第1収容領域12Aと第2収容領域12Bに挟まれた一つ以上の第3収容領域12Cと、を含む。第1仕切板11A及び第2仕切板11Bは、それぞれの開口に近い側の第1端部にカバー部材3の端部が載せ掛けられる載置部111を有する。第1仕切板11A及び第2仕切板11Bの少なくとも一方は、開口から遠い側の第2端部を、第1端部に対して第3収容領域12Cから離れた位置に有する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの光源ユニットと、
前記二つの光源ユニットを収容する器具本体と、
前記器具本体に着脱可能に取り付けられる板状のカバー部材と、
を備え、
前記器具本体は、
下面が開口した箱状の本体部と、
本体部の内部を仕切って三つ以上の収容領域を形成する複数の仕切板と、
を有し、
前記三つ以上の収容領域は、
それぞれに前記光源ユニットを一つずつ収容する第1収容領域及び第2収容領域と、
前記第1収容領域と前記第2収容領域に挟まれた一つ以上の第3収容領域と、
を含み、
前記複数の仕切板は、
前記第1収容領域と前記第3収容領域を仕切る第1仕切板と、
前記第2収容領域と前記第3収容領域を仕切る第2仕切板と、
を含み、
前記第1仕切板及び前記第2仕切板は、それぞれの前記開口に近い側の第1端部に前記カバー部材の端部が載せ掛けられる載置部を有し、
前記第1仕切板及び前記第2仕切板の少なくとも一方は、前記開口から遠い側の第2端部を、前記第1端部に対して前記第3収容領域から離れた位置に有する、
照明器具。
【請求項2】
前記第1仕切板の前記第1端部と前記第2仕切板の前記第1端部との間隔に対して、前記第1仕切板の前記第2端部と前記第2仕切板の前記第2端部との間隔が大きい、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1仕切板及び前記第2仕切板の少なくとも一方は、階段状の段部を有する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1仕切板及び前記第2仕切板の少なくとも一方は、前記第2端部から前記第1端部に向かって前記第3収容領域に近付く向きに傾斜する傾斜部を有する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項5】
前記第1仕切板及び前記第2仕切板の少なくとも一方は、前記第3収容領域から離れる向きに湾曲する湾曲部を有する、
請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項6】
前記本体部における前記第1収容領域及び前記第2収容領域の底面にそれぞれ通気口が設けられ、前記第1仕切板と前記第1収容領域の間及び前記第2仕切板と前記第2収容領域の間のそれぞれに前記通気口と繋がる流路が形成される、
請求項1又は2記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、設備機器を収容可能に構成される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1記載の照明器具を例示する。特許文献1記載の照明器具(以下、従来例という。)は、いわゆるTバーが格子状に複数組み合わされて形成されたシステム天井の天井開口に取り付けられる。従来例は、器具本体と、光源ユニットと、設備プレートと、取付部材と、を備える。器具本体は、それぞれに光源ユニットを収容する二つの光源収容部と、二つの光源収容部に挟まれた設備収容部と、を有する。設備収容部は、例えば、スピーカ又は非常灯などの設備機器を収容可能である。設備プレートは、矩形状をなしている板状の部材である。設備プレートは、設備収容部を覆うように器具本体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-99941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来例のような照明器具において、設備プレート(カバー部材)は、斜めに傾けた状態で器具本体の下方から設備収容部に挿入された後、水平な状態に戻され、設備収容部の縁から突出する鍔に載せ掛けて器具本体に取り付けられる。
【0005】
しかしながら、設備プレート(カバー部材)の幅に対して、設備収容部の奥行き(高さ)が足りない場合、設備プレート(カバー部材)を設備収容部に挿入することが困難であった。
【0006】
本開示の目的は、カバー部材の取付け作業の作業性向上を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、二つの光源ユニットと、前記二つの光源ユニットを収容する器具本体と、前記器具本体に着脱可能に取り付けられる板状のカバー部材と、を備える。前記器具本体は、下面が開口した箱状の本体部と、本体部の内部を仕切って三つ以上の収容領域を形成する複数の仕切板と、を有する。前記三つ以上の収容領域は、それぞれに前記光源ユニットを一つずつ収容する第1収容領域及び第2収容領域と、前記第1収容領域と前記第2収容領域に挟まれた一つ以上の第3収容領域と、を含む。前記複数の仕切板は、前記第1収容領域と前記第3収容領域を仕切る第1仕切板と、前記第2収容領域と前記第3収容領域を仕切る第2仕切板と、を含む。前記第1仕切板及び前記第2仕切板は、それぞれの前記開口に近い側の第1端部に前記カバー部材の端部が載せ掛けられる載置部を有する。前記第1仕切板及び前記第2仕切板の少なくとも一方は、前記開口から遠い側の第2端部を、前記第1端部に対して前記第3収容領域から離れた位置に有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明器具は、カバー部材の取付け作業の作業性向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る照明器具をシステム天井に設置した状態の斜視図である。
図2図2は、同上の照明器具の分解斜視図である。
図3図3は、同上の照明器具における器具本体の本体部の正面図である。
図4図4は、同上の照明器具の第1側板を省略した側面図である。
図5図5は、同上の照明器具の器具本体にカバー部材を取り付ける途中の側面図である。
図6図6は、同上の照明器具の器具本体にカバー部材を取り付ける途中の側面図である。
図7図7は、同上の照明器具の器具本体にカバー部材を取り付ける途中の側面図である。
図8図8は、同上の照明器具の第1側板を省略した斜視図である。
図9図9は、同上の照明器具の変形例1における仕切板の側面図である。
図10図10は、同上の照明器具の変形例2における仕切板の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る照明器具A1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)概要
実施形態に係る照明器具A1は、二つの光源ユニット2と、二つの光源ユニット2を収容する器具本体1と、器具本体1に着脱可能に取り付けられる板状のカバー部材3と、を備える(図1及び図2参照)。
【0012】
器具本体1は、下面が開口した箱状の本体部10と、本体部10の内部を仕切って三つ以上の収容領域12を形成する複数の仕切板11と、を有する(図2及び図3参照)。三つ以上の収容領域12は、それぞれに光源ユニット2を一つずつ収容する第1収容領域12A及び第2収容領域12Bと、第1収容領域12Aと第2収容領域12Bに挟まれた一つ以上の第3収容領域12Cと、を含む。なお、実施形態における器具本体1は、第1収容領域12Aと第2収容領域12Bの間に第3収容領域12Cを一つだけ有しているが、二つ以上の第3収容領域12Cを有しても構わない。
【0013】
複数の仕切板11は、第1収容領域12Aと第3収容領域12Cを仕切る第1仕切板11Aと、第2収容領域12Bと第3収容領域12Cを仕切る第2仕切板11Bと、を含む。なお、仕切板11の数は二つに限定されず、三つ以上であっても構わない。
【0014】
第1仕切板11A及び第2仕切板11Bは、それぞれの開口(本体部10の開口)に近い側の第1端部(下端部)にカバー部材3の端部が載せ掛けられる載置部111を有する(図3及び図4参照)。第1仕切板11A及び第2仕切板11Bは、それぞれの開口から遠い側の第2端部(上端部)を、第1端部に対して第3収容領域12Cから離れた位置に有する(図4参照)。つまり、第1仕切板11Aの第1端部と第2仕切板11Bの第1端部との間隔D1に対して、第1仕切板11Aの第2端部と第2仕切板11Bの第2端部との間隔D2が大きくなっている(図4参照)。
【0015】
しかして、実施形態に係る照明器具A1において、第3収容領域12Cに対応する開口からカバー部材3の一端を挿入し、仕切板11に邪魔されずに、カバー部材3の他端が仕切板11の載置部111を乗り越えることができる(図6及び図7参照)。その結果、実施形態に係る照明器具A1は、カバー部材3を器具本体1に取り付ける際に第3収容領域12Cに対するカバー部材3の挿入量(高さ方向の挿入量)を少なくできるので、カバー部材3の取付け作業の作業性向上を図ることができる。
【0016】
(2)詳細
実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、システム天井を構成する複数のTバー9に取り付けられる(図1参照)。システム天井は、複数のTバー9を格子状に組み合わせて構成されている。複数のTバー9は、建物の天井スラブに埋め込まれた複数のつりボルトの各々に取り付けられた複数のTハンガによって各つりボルトと接合されている。複数のTバー9が格子状に組み合わされることにより、一辺の長さが隣り合うTバー9の間隔に等しい略正方形状の複数の開口部(以下、天井開口部S1と呼ぶ。)が格子状に並ぶように設けられる(図1参照)。
【0017】
しかして、照明器具A1は、複数のTバー9に支持されて一つの天井開口部S1に設置される(図1参照)。なお、照明器具A1が設置されない天井開口部S1には、空調機器の吹き出し口などの照明器具以外の設備機器が設置される。また、照明器具A1及び設備機器が設置されない天井開口部S1には、正方形の平板状に形成された天井パネルが設置される。
【0018】
照明器具A1は、二つの光源ユニット2と、二つの光源ユニット2を収容する器具本体1と、器具本体1に着脱可能に取り付けられる板状のカバー部材3と、を備える(図2参照)。さらに、照明器具A1は、二つの光源ユニット2に直流電流を供給して点灯させる電源ユニット4を更に備える。
【0019】
(2-1)器具本体
器具本体1は、下面が開口した箱状の本体部10と、本体部10の内部を仕切って三つの収容領域12を形成する二つの仕切板11と、を有する(図2及び図3参照)。さらに、器具本体1は、二つのルーバ13を備える。
【0020】
本体部10は、一対の底板100と、一対の第1側板101と、一対の第2側板102と、一対の取付板103と、を有する(図2及び図3参照)。一対の第1側板101は、それぞれ長尺の略長方形状に形成されている。なお、一対の第1側板101は、同一の形状及び大きさに形成されている。また、一対の第2側板102は、それぞれ長尺の略長方形状に形成され、かつ、互いに同一の形状及び大きさに形成されている。一つの第1側板101の長手方向の両端と一対の第2側板102の長手方向の一端が結合され、もう一つの第1側板101の長手方向の両端と一対の第2側板102の長手方向の他端が結合される。なお、一対の第1側板101と一対の第2側板102の長手方向の長さは同一である。
【0021】
一対の底板100は、それぞれ長尺の略長方形状に形成されている。なお、一対の底板100は、同一の形状及び大きさに形成されている。一対の底板100の長手方向の長さは、第2側板102の長手方向の長さにほぼ等しく、一対の底板100の短手方向の長さは、第1側板101の長手方向の長さの3分の1の長さにほぼ等しい(図3参照)。
【0022】
各底板100は、複数(図示例では6個)の通気口1000を有する(図3参照)。複数の通気口1000は、それぞれ底板100を厚み方向に貫通する長円形に形成される。各底板100の長手方向に沿った一端は、対応する第2側板102の上端とつながっている。
【0023】
二つの仕切板11は第1仕切板11Aと第2仕切板11Bを含む。第1仕切板11Aと第2仕切板11Bは同一の形状及び大きさに形成される。なお、以下の説明において、第1仕切板11Aと第2仕切板11Bに共通の構成を説明する場合、第1仕切板11Aと第2仕切板11Bを区別せずに仕切板11と呼ぶ場合がある。
【0024】
仕切板11は、全体として長尺の略長方形状に形成される。仕切板11は、長方形の平板状に形成された主部110と、主部110の下端から主部110の厚み方向に突出する載置部111と、主部110の上端から載置部111と反対方向に突出する階段状(L字状)の段部112と、を有する(図2図4参照)。なお、仕切板11は、1枚の金属板が打ち抜き加工及び曲げ加工されることで底板100及び第2側板102と一体に形成されている。ただし、仕切板11は、底板100及び第2側板102と別体に形成され、溶接又はねじ締結などの適宜の方法で結合されても構わない。
【0025】
ここで、二つの仕切板11は、本体部10の内部を仕切って三つの収容領域12(第1収容領域12A、第2収容領域12B、第3収容領域12C)を形成している(図3参照)。第1収容領域12Aは、第1仕切板11Aと一対の第1側板101と一つの第2側板102と一方の底板100に囲われている。第2収容領域12Bは、第2仕切板11Bと一対の第1側板101ともう一つの第2側板102と他方の底板100に囲われている。第3収容領域12Cは、一対の仕切板11と一対の第1側板101に囲われている。なお、後述するように、第1収容領域12Aに一つの光源ユニット2が収容され、第2収容領域12Bにもう一つの光源ユニット2が収容される。そして、第3収容領域12Cには、種々の機能ユニットが収容可能である。第3収容領域12Cに収容可能な機能ユニットは、スピーカ、非常灯、スプリンクラーなどの設備機器、及び、火災感知器、センサ装置(人感センサ又は明るさセンサの少なくとも一方を含むセンサ装置)を含む。ただし、これらの機能ユニットは一例であり、第3収容領域12Cに収容可能な機能ユニットは、これらの機能ユニットに限定されない。
【0026】
一対のルーバ13は、同一の形状及び大きさに形成されている。各ルーバ13は、複数の遮光板130と、複数の遮光板130を等間隔に並べて支持する一対の支持板131と、を有する(図2参照)。各支持板131は、長尺の長方形状に形成された側片132と、側片132の長手方向に沿った一端(下端)から側片132の厚み方向に突出する支持片133と、を有する。側片132と支持片133は、側片132の長手方向から見てV字状に形成されている(図4参照)。支持片133は、複数の遮光板130の端部を支持する。側片132の長手方向に沿った他端(上端)に一対の固定片134が設けられる(図2参照)。一対の固定片134は、長方形状に形成され、側片132の他端(上端)における長手方向の両端から遮光板130と反対方向に突出している(図2参照)。
【0027】
これら一対のルーバ13は、一対の側片132の上端に設けられた各一対の固定片134を、底板100にねじ止めして本体部10に取り付けられる(図1参照)。
【0028】
(2-2)光源ユニット
二つの光源ユニット2は同一の構造を有している。各光源ユニット2は、筐体21、光源モジュール20、透光カバー22、一対のストッパ23などを備える(図2参照)。
【0029】
筐体21は、例えば、金属製の板材により、角とい状の取付部210と、一対の枠部211と、一対のフランジ部212とが一体に形成されて構成される。一対の枠部211はそれぞれ、取付部210の長手方向に沿った両端から、取付部210の底面と平行し、かつ外向きに突出するように形成される(図2参照)。また、一対のフランジ部212はそれぞれ、取付部210の長手方向に沿った両端から、取付部210の底面と平行し、かつ内向きに突出するように形成される(図2参照)。
【0030】
光源モジュール20は、図2に示すように、長方形状の基板200と、複数個の発光素子201とを有する。複数個の発光素子201はそれぞれ、パッケージ型の照明用白色LEDである。これら複数個の発光素子201は、基板200の下面における短手方向の中央に、基板200の長手方向に沿って一列かつ等間隔に並ぶように実装されている。また、これら複数個の発光素子201は、基板200の下面に形成されているプリント配線により、基板200の上面における長手方向の一端部に実装されているレセプタクルコネクタと電気的に直列接続されている。ただし、発光素子は、いわゆるCOB(Chip on Board)型の照明用白色LEDでも構わないし、半導体レーザダイオード及び有機エレクトロルミネッセンス素子などのLED以外の発光素子であっても構わない。
【0031】
光源モジュール20は、筐体21の取付部210の底面(下面)に取り付けられる。なお、基板200の上面に実装されているレセプタクルコネクタは、筐体21の取付部210に設けられた穴を通して取付部210から上方に突き出ている。
【0032】
透光カバー22は、透光部220と、突片221と、を有している(図2参照)。透光部220は、透光性を有する材料(例えば、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂等の透光性を有する合成樹脂材料)によって略半円筒形に形成されている。突片221は、枠状に形成されて透光部220の周縁から外向きに突出している。なお、突片221は、透光部220と一体に形成されている。
【0033】
透光カバー22は、突片221を筐体21の一対の枠部211の上に載せるようにして、筐体21の取付部210に取り付けられる。そして、取付部210の長手方向の両端にそれぞれストッパ23が一つずつ取り付けられる。各ストッパ23は、合成樹脂材料により、長手方向から見てL字状に形成される。各ストッパ23は、筐体21の枠部211との間で透光カバー22の突片221を挟み込んで支持する。しかして、光源モジュール20が放射する照明光は、透光カバー22の透光部220を透過して照明空間に照射される。
【0034】
二つの光源ユニット2のうちの一方の光源ユニット2は、器具本体1の第1収容領域12Aに収容され、他方の光源ユニット2は、器具本体1の第2収容領域12Bに収容される(図2参照)。第1収容領域12A及び第2収容領域12Bにおける一対の第1側板101には、それぞれ一対の固定片1010が切り起こされている(図2参照)。すなわち、各光源ユニット2の枠部211の長手方向の両端がそれぞれ固定片1010の上に載せられ、かつ、枠部211と各固定片1010がねじ止めされることによって、各光源ユニット2が器具本体1(本体部10)に固定される。なお、二つの光源ユニット2のそれぞれのレセプタクルコネクタは、電線を介して電気的に接続される。
【0035】
(2-3)電源ユニット
電源ユニット4は、プリント回路板と、プリント回路板を収容するケース40とを有する。プリント回路板は、長方形状のプリント配線板に集積回路を含む種々の電子部品が実装されて構成されている。ケース40は、金属板により、長手方向の両端が開放された長尺の箱状に形成されている。ケース40は、プリント回路板を収容し、本体部10の第1収容領域12Aにおける底板100の内底面にねじ止めされる(図2参照)。
【0036】
電源ユニット4は、外部電源(商用の電力系統)から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力(直流電流)を二つの光源ユニット2に供給することで各光源ユニット2を点灯させる。また、照明器具A1は、有線通信装置41と無線通信装置42を更に備える(図2参照)。有線通信装置41は、信号線を介して伝送される制御信号を受信し、受信した制御信号を電源ユニット4に伝送する。無線通信装置42は、電波又は赤外線などの電磁波を媒体とした無線信号を受信し、受信した無線信号から取得する制御信号を電源ユニット4に伝送する。電源ユニット4は、有線通信装置41及び無線通信装置42から伝送される制御信号に応じて、光源ユニット2の点灯と消灯を切り替えたり、光源ユニット2の光出力を増減(調光)するように構成されている。
【0037】
(2-4)カバー部材
カバー部材3は、金属板によって長方形の平板状に形成されている(図2参照)。ただし、カバー部材3を形成する材料は金属板に限定されず、例えば、天井パネルと同様の石膏ボード又は木材などでも構わない。実施形態におけるカバー部材3は、第3収容領域12Cに機能ユニットが収容されない場合に使用される。なお、第3収容領域12Cに何らかの機能ユニットが収容される場合、第3収容領域12Cに収容される機能ユニットに対応したカバー部材が使用される。例えば、第3収容領域12Cにスピーカが収容される場合、カバー部材にはスピーカから出力される音を通過させるための穴が設けられる。また、第3収容領域12Cにセンサ装置が収容される場合、カバー部材にはセンサ装置の一部を露出させる窓が設けられる。
【0038】
カバー部材3は、長手方向に沿った両端部を、本体部10の一対の仕切板11の載置部111に載せ掛けることで器具本体1に取り付けられる(図4参照)。しかして、本体部10の第3収容領域12Cの開口がカバー部材3によって塞がれる。なお、カバー部材3が器具本体1から外れて落下することを防ぐため、カバー部材3の短手方向の幅寸法L2が、第3収容領域12Cの開口の幅寸法L1(一対の仕切板11の載置部111間の距離)よりも数cm程度大きい(図4参照)。
【0039】
(2-5)実施形態の利点
ここで、システム天井に設置された器具本体1にカバー部材3を取り付ける取付け作業の手順を説明する。
【0040】
取付け作業を行う作業者(以下、作業者という。)は、器具本体1(本体部10)の下面中央の開口から第3収容領域12Cにカバー部材3を挿入する。ただし、カバー部材3の短手方向の幅寸法L2が第3収容領域12Cの開口の幅寸法L1よりも大きいので、作業者は、短手方向に傾けた状態でカバー部材3を第3収容領域12Cに挿入する必要がある(図5参照)。
【0041】
作業者は、短手方向に傾けたカバー部材3の下側の端部(図5における右側の端部)が第2仕切板11Bの載置部111を乗り越えるまで、カバー部材3を第3収容領域12Cの奥に挿入しなければならない。このとき、一対の第3収容領域12Cの短手方向の幅が下端から上端まで均一であった場合、作業者は、より大きく傾け、かつ、より奥までカバー部材3を挿入する必要がある。
【0042】
これに対して、照明器具A1は、第1仕切板11Aの第1端部と第2仕切板11Bの第1端部との間隔D1に対して、第1仕切板11Aの第2端部と第2仕切板11Bの第2端部との間隔D2を大きくしている。そのため、作業者は、カバー部材3の挿入方向の先端(図5における左端)を第1仕切板11Aの段部112の上方に逃がすことができる(図5参照)。その結果、作業者は、先端が第3収容領域12Cの外(本体部10の上)に出るまでカバー部材3を第3収容領域12Cに挿入しなくても、カバー部材3の下側の端部に第2仕切板11Bの載置部111を乗り越えさせることができる(図6参照)。
【0043】
作業者は、第3収容領域12Cに挿入したカバー部材3を水平な状態に戻し(図7参照)、そのままカバー部材3を下方に移動させ、カバー部材3の短手方向の両端を各仕切板11の載置部111に載せ掛ける(図4参照)。
【0044】
以上の手順で器具本体1に対するカバー部材3の取付け作業が完了する。
【0045】
しかして、照明器具A1は、第1仕切板11A及び第2仕切板11Bの第2端部(上側の端部)を、第1端部(下側の端部)に対して第3収容領域12Cから離れた位置としている。言い換えると、照明器具A1は、第1仕切板11Aの第1端部と第2仕切板11Bの第1端部との間隔D1に対して、第1仕切板11Aの第2端部と第2仕切板11Bの第2端部との間隔D2を大きくしている。その結果、照明器具A1は、従来例と比較して、器具本体1に対するカバー部材3の取付け作業の作業性向上を図ることができる。また、照明器具A1は、第3収容領域12Cの高さ方向におけるカバー部材3の挿入量を低減できるので、カバー部材3の短手方向の幅寸法L2を変えずに、本体部10の低背化(高さ寸法の短縮)を図ることができる。つまり、照明器具A1は、低背化していない本体部に取付け可能なカバー部材3を、そのまま本体部10に取り付けることができるので、部品の流用によるコストの削減を図ることができる。ただし、照明器具A1は、第1仕切板11A又は第2仕切板11Bのいずれか一方の第2端部を、第1端部に対して第3収容領域12Cから同じ位置としても構わない。言い換えると、照明器具A1は、第1仕切板11A又は第2仕切板11Bの一方の仕切板11から段部112をなくしても構わない。
【0046】
ところで、照明器具A1は、本体部10における第1収容領域12A及び第2収容領域12Bの底面(底板100)にそれぞれ通気口1000を設けている。さらに、照明器具A1は、第1仕切板11Aと第1収容領域12Aの間及び第2仕切板11Bと第2収容領域12Bの間のそれぞれに通気口1000と繋がる流路R1を形成している(図8参照)。すなわち、照明器具A1は、室内の空気をシステム天井の天井裏へ導くための、いわゆる空調リターンとなる流路R1を有するので、同室内に設置する空調リターンの台数を減らしてコストの削減を図ることができる。
【0047】
(3)変形例
次に、照明器具A1の幾つかの変形例を説明する。ただし、以下に説明する変形例の照明器具A1は、仕切板11(第1仕切板11Aと第2仕切板11Bの少なくとも一方の仕切板11)の構造に特徴があり、仕切板11以外の構成については実施形態と共通である。したがって、仕切板11以外の構成要素については図示及び説明を省略する。
【0048】
(3-1)変形例1
変形例1における仕切板11は、図9に示すように、第2端部から第1端部に向かって第3収容領域に近付く向き(図9における右向き)に傾斜する傾斜部113を有する。傾斜部113は、第1端部から第2端部までの範囲に形成されている。ただし、傾斜部113は、仕切板11の第2端部に近い上部のみに形成されても構わない。
【0049】
しかして、変形例1の照明器具は、仕切板11に傾斜部113を設けているので、仕切板11に段部を設ける場合と同様に簡易な構成で一対の仕切板11の第2端部同士の間隔を拡大できる。
【0050】
(3-2)変形例2
変形例2における仕切板11は、図10に示すように、第3収容領域から離れる向き(図10における左向き)に湾曲する湾曲部114を有する。湾曲部114は、実施形態における仕切板11の第2端部から段部112までの範囲に形成されている。ただし、湾曲部114は、第1端部から第2端部までの範囲に形成されても構わない。
【0051】
しかして、変形例2の照明器具は、仕切板11に湾曲部114を設けているので、仕切板11に段部を設ける場合と同様に簡易な構成で一対の仕切板11の第2端部同士の間隔を拡大できる。
【0052】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明器具(A1)は、二つの光源ユニット(2)と、二つの光源ユニット(2)を収容する器具本体(1)と、器具本体(1)に着脱可能に取り付けられる板状のカバー部材(3)と、を備える。器具本体(1)は、下面が開口した箱状の本体部(10)と、本体部(10)の内部を仕切って三つ以上の収容領域(12)を形成する複数の仕切板(11)と、を有する。三つ以上の収容領域(12)は、それぞれに光源ユニット(2)を一つずつ収容する第1収容領域(12A)及び第2収容領域(12B)と、第1収容領域(12A)と第2収容領域(12B)に挟まれた一つ以上の第3収容領域(12C)と、を含む。複数の仕切板(11)は、第1収容領域(12A)と第3収容領域(12C)を仕切る第1仕切板(11A)と、第2収容領域(12B)と第3収容領域(12C)を仕切る第2仕切板(11B)と、を含む。第1仕切板(11A)及び第2仕切板(11B)は、それぞれの開口に近い側の第1端部にカバー部材(3)の端部が載せ掛けられる載置部(111)を有する。第1仕切板(11A)及び第2仕切板(11B)の少なくとも一方は、開口から遠い側の第2端部を、第1端部に対して第3収容領域(12C)から離れた位置に有する。
【0053】
第1の態様に係る照明器具(A1)は、カバー部材(3)の取付け作業の作業性向上を図ることができる。
【0054】
本開示の第2の態様に係る照明器具(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(A1)において、第1仕切板(11A)の第1端部と第2仕切板(11B)の第1端部との間隔(D1)に対して、第1仕切板(11A)の第2端部と第2仕切板(11B)の第2端部との間隔(D2)が大きいことが好ましい。
【0055】
第2の態様に係る照明器具(A1)は、器具本体(1)に対するカバー部材(3)の取付け作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0056】
本開示の第3の態様に係る照明器具(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(A1)において、第1仕切板(11A)及び第2仕切板(11B)の少なくとも一方は、階段状の段部(112)を有することが好ましい。
【0057】
第3の態様に係る照明器具(A1)は、簡易な構成で第1仕切板(11A)の第2端部と第2仕切板(11B)の第2端部との間隔(D2)を拡大できる。
【0058】
本開示の第4の態様に係る照明器具(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(A1)において、第1仕切板(11A)及び第2仕切板(11B)の少なくとも一方は、第2端部から第1端部に向かって第3収容領域(12C)に近付く向きに傾斜する傾斜部(113)を有することが好ましい。
【0059】
第4の態様に係る照明器具(A1)は、簡易な構成で第1仕切板(11A)の第2端部と第2仕切板(11B)の第2端部との間隔(D2)を拡大できる。
【0060】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(A1)において、第1仕切板(11A)及び第2仕切板(11B)の少なくとも一方は、第3収容領域(12C)から離れる向きに湾曲する湾曲部(114)を有することが好ましい。
【0061】
第5の態様に係る照明器具(A1)は、簡易な構成で第1仕切板(11A)の第2端部と第2仕切板(11B)の第2端部との間隔(D2)を拡大できる。
【0062】
本開示の第6の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(A1)において、本体部(10)における第1収容領域(12A)及び第2収容領域(12B)の底面にそれぞれ通気口(1000)が設けられ、第1仕切板(11A)と第1収容領域(12A)の間及び第2仕切板(11B)と第2収容領域(12B)の間のそれぞれに通気口(1000)と繋がる流路(R1)が形成されることが好ましい。
【0063】
第6の態様に係る照明器具(A1)は、同室内に設置する、いわゆる空調リターンの台数を減らしてコストの削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0064】
A1 照明器具
D1 間隔
D2 間隔
R1 流路
1 器具本体
2 光源ユニット
3 カバー部材
10 本体部
11 仕切板
11A 第1仕切板
11B 第2仕切板
12 収容領域
12A 第1収容領域
12B 第2収容領域
12C 第3収容領域
112 段部
113 傾斜部
114 湾曲部
1000 通気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10