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  • 特開-吐出キャップ 図1
  • 特開-吐出キャップ 図2
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  • 特開-吐出キャップ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172651
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】吐出キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/24 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65D47/24 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090503
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智
(72)【発明者】
【氏名】當麻 徹
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA06
3E084GB06
3E084KB01
3E084LA18
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD02
(57)【要約】
【課題】内容物の固化による弁体の固着によって吐出不良が生じることを抑制できる吐出キャップを提供する。
【解決手段】吐出キャップ1は、吐出口5aを有し上側に位置する上側天壁3と、通過口5bを有する下側天壁4と、通過口5bから吐出口5aまで連なる内容物流路5内に、下側天壁4に着座する着座位置と非着座位置との間で移動できるように保持される弁体6と、吐出口5aを開閉する蓋体7とを有し、弁体6は、着座位置において収容空間S内への内容物流路5を通した外気の流入を抑制し、非着座位置において収容空間S内の内容物が内容物流路5を通して吐出されることを許容し、蓋体7は、蓋体7の閉動作によって吐出口5aに挿入される嵌合体7aを有し、弁体6は、被嵌合部6aと、被嵌合部6aに挿入されて取り付けられ且つ被嵌合部6aを径方向内側から支持する挿入体6bとを有し、嵌合体7aは、蓋体7の閉動作によって被嵌合部6aの外周面に嵌合する嵌合穴7a1を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の内容物を収容する収容空間を形成する容器本体の口部に装着される吐出キャップであって、
吐出口を有し正立姿勢状態での上側に位置する上側天壁と、
通過口を有し前記上側天壁よりも前記正立姿勢状態での下側に位置する下側天壁と、
前記通過口から前記吐出口まで連なる内容物流路内に、前記下側天壁に着座する着座位置と非着座位置との間で移動できるように保持される弁体と、
前記吐出口を開閉する蓋体とを有し、
前記弁体は、前記着座位置において前記収容空間内への前記内容物流路を通した外気の流入を抑制し、前記非着座位置において前記収容空間内の前記内容物が前記内容物流路を通して吐出されることを許容し、
前記蓋体は、前記蓋体の閉動作によって前記吐出口に挿入される嵌合体を有し、
前記弁体は、被嵌合部と、前記被嵌合部に挿入されて取り付けられ且つ前記被嵌合部を径方向内側から支持する挿入体とを有し、
前記嵌合体は、前記蓋体の前記閉動作によって前記被嵌合部の外周面に嵌合する嵌合穴を有する、吐出キャップ。
【請求項2】
前記弁体は、前記内容物を前記収容空間に向けて流す戻し流路を前記被嵌合部と前記挿入体との間に有する、請求項1に記載の吐出キャップ。
【請求項3】
前記弁体は、前記被嵌合部から径方向外側へ伸びる受け部を有し、
前記嵌合体は、前記蓋体の閉状態において、前記着座位置にある前記弁体の前記受け部を前記上側から支持し、
前記挿入体は、前記弁体が前記着座位置にあって前記蓋体が前記閉状態であって前記挿入体が前記通過口の縁部に破断予定部を介して連なった状態から前記上側へ押されることで、前記破断予定部の破断により、前記被嵌合部に上側へ挿入される、請求項1に記載の吐出キャップ。
【請求項4】
前記被嵌合部は、前記被嵌合部の上端から前記下側に向けて伸びるスリットを有する、請求項1に記載の吐出キャップ。
【請求項5】
前記上側天壁と前記下側天壁との間に取り付けられる弁支持部と、
前記弁体を前記下側に向けて前記着座位置まで付勢する付勢部とを有し、
前記付勢部は、前記弁支持部と前記弁体とを連ねる弾性体によって形成される、請求項1に記載の吐出キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吐出キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
液状の内容物を収容する収容空間を形成する容器本体の口部に装着される吐出キャップであって、着座位置において吐出口から収容空間内への外気の流入を抑制し、非着座位置において収容空間内の内容物が吐出口から吐出されることを許容する弁体を有する吐出キャップが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-180775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような吐出キャップは、内容物の固化による弁体の固着によって吐出不良が生じることを抑制できることが好ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、内容物の固化による弁体の固着によって吐出不良が生じることを抑制できる吐出キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
液状の内容物を収容する収容空間を形成する容器本体の口部に装着される吐出キャップであって、
吐出口を有し正立姿勢状態での上側に位置する上側天壁と、
通過口を有し前記上側天壁よりも前記正立姿勢状態での下側に位置する下側天壁と、
前記通過口から前記吐出口まで連なる内容物流路内に、前記下側天壁に着座する着座位置と非着座位置との間で移動できるように保持される弁体と、
前記吐出口を開閉する蓋体とを有し、
前記弁体は、前記着座位置において前記収容空間内への前記内容物流路を通した外気の流入を抑制し、前記非着座位置において前記収容空間内の前記内容物が前記内容物流路を通して吐出されることを許容し、
前記蓋体は、前記蓋体の閉動作によって前記吐出口に挿入される嵌合体を有し、
前記弁体は、被嵌合部と、前記被嵌合部に挿入されて取り付けられ且つ前記被嵌合部を径方向内側から支持する挿入体とを有し、
前記嵌合体は、前記蓋体の前記閉動作によって前記被嵌合部の外周面に嵌合する嵌合穴を有する、吐出キャップ。
【0008】
[2]
前記弁体は、前記内容物を前記収容空間に向けて流す戻し流路を前記被嵌合部と前記挿入体との間に有する、[1]に記載の吐出キャップ。
【0009】
[3]
前記弁体は、前記被嵌合部から径方向外側へ伸びる受け部を有し、
前記嵌合体は、前記蓋体の閉状態において、前記着座位置にある前記弁体の前記受け部を前記上側から支持し、
前記挿入体は、前記弁体が前記着座位置にあって前記蓋体が前記閉状態であって前記挿入体が前記通過口の縁部に破断予定部を介して連なった状態から前記上側へ押されることで、前記破断予定部の破断により、前記被嵌合部に上側へ挿入される、[1]又は[2]に記載の吐出キャップ。
【0010】
[4]
前記被嵌合部は、前記被嵌合部の上端から前記下側に向けて伸びるスリットを有する、[1]~[3]の何れか1項に記載の吐出キャップ。
【0011】
[5]
前記上側天壁と前記下側天壁との間に取り付けられる弁支持部と、
前記弁体を前記下側に向けて前記着座位置まで付勢する付勢部とを有し、
前記付勢部は、前記弁支持部と前記弁体とを連ねる弾性体によって形成される、[1]~[4]の何れか1項に記載の吐出キャップ。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内容物の固化による弁体の固着によって吐出不良が生じることを抑制できる吐出キャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の吐出キャップを、挿入体が被嵌合部に取り付けられる前の状態で示す断面図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3図2に示す状態から、挿入体を被嵌合部に取り付けた時の状態を示す部分拡大図である。
図4図1のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0015】
図1図4に示すように、本発明の一実施形態において吐出キャップ1は、液状の内容物を収容する収容空間Sを形成する容器本体2の口部2aに装着される吐出キャップ1であって、吐出口5aを有し正立姿勢状態での上側に位置する上側天壁3と、通過口5bを有し上側天壁3よりも正立姿勢状態での下側に位置する下側天壁4と、通過口5bから吐出口5aまで連なる内容物流路5内に、下側天壁4に着座する着座位置(図1に示す位置)と非着座位置との間で移動できるように保持される弁体6と、吐出口5aを開閉する蓋体7とを有し、弁体6は、着座位置において収容空間S内への内容物流路5を通した外気の流入を抑制し、非着座位置において収容空間S内の内容物が内容物流路5を通して吐出されることを許容し、蓋体7は、蓋体7の閉動作によって吐出口5aに挿入される嵌合体7aを有し、弁体6は、被嵌合部6aと、被嵌合部6aに挿入されて取り付けられ(図3参照)且つ被嵌合部6aを径方向内側から支持する(図3中の白抜き矢印参照)挿入体6bとを有し、嵌合体7aは、蓋体7の閉動作によって被嵌合部6aの外周面に嵌合する(図3参照)嵌合穴7a1を有する。以下、単に上、下というときは正立姿勢状態での上、下を意味するものとする。
【0016】
上記構成によれば、蓋体7の開動作により、弁体6に嵌合した嵌合体7aを介して弁体6に上側への引張力を与えてから嵌合を解消させて吐出口5aを開くことができる。したがって、内容物の固化によって弁体6が着座位置で固着していた場合でも、上記引張力によって弁体6の固着の解消を図ることができる。また、弁体6の被嵌合部6aが挿入体6bによって径方向内側から支持されるため、嵌合体7aと弁体6との嵌合力が強化され、その結果、上記引張力が強化される。したがって、弁体6の固着による吐出不良の発生を抑制できる。
【0017】
弁体6は、内容物を収容空間Sに向けて流す戻し流路5cを被嵌合部6aと挿入体6bとの間に有する(図3参照)。上記構成によれば、内容物の吐出後に吐出口5a内に残された内容物を戻し流路5cを通して収容空間S内に戻すことができるので、吐出口5aから内容物が零れることを抑制できる。また、詳細は後述するが、挿入体6bを被嵌合部6aに取り付けることで簡単に戻し流路5cを形成できる。本実施形態では複数の溝8aからなる溝部8を挿入体6bの外周面に設けることで戻し流路5cが形成されるがこれに限らず、例えば、上記溝部8を被嵌合部6aの内周面に設けることで戻し流路5cを形成してもよい。また溝部8を構成する溝8aの数は本実施形態では4つであるがこれに限らず、1つであってもよいし、4つ以外の複数であってもよい。各々の溝8aは本実施形態では上下方向に沿って伸びるがこれに限らず、例えば螺旋状に伸びる構成としてもよい。
【0018】
弁体6は、被嵌合部6aから径方向外側へ伸びる受け部6cを有し、嵌合体7aは、蓋体7の閉状態において、着座位置にある弁体6の受け部6cを上側から支持し、挿入体6bは、弁体6が着座位置にあって蓋体7が閉状態であって挿入体6bが通過口5bの縁部に破断予定部9を介して連なった状態(図2に示す状態)から上側へ押される(図3中の太線矢印参照)ことで、破断予定部9の破断により、被嵌合部6aに上側へ挿入される(図3参照)。上記構成によれば、弁体6における挿入体6bを除く部分と、下側天壁4とを蓋体7に組付けた後、治具等で挿入体6bを押し上げることで被嵌合部6a内に組み付けることができる。また挿入体6bを下側天壁4と一体に成形できるのでコストを低減できる。
【0019】
挿入体6bは柱状をなし、破断予定部9は挿入体6bの下端部に連なる。上記構成によれば、被嵌合部6aに挿入体6bを特に容易に取り付けることができる。
【0020】
通過口5bは、下側天壁4における被着座部から下側に伸びる通過口形成部4aによって形成される。通過口形成部4aは、下側の端縁から上側に向けて伸びるスリット4a1が形成され、下端部において径方向内側へ屈曲する筒状をなし、破断予定部9は、通過口形成部4aの下端部において通過口5bの縁部に連なる。上記構成によれば、柱状をなす挿入体6bを、被嵌合部6aに特に容易に取り付けできる適切な位置に容易に成形できる。通過口形成部4aに形成されるスリット4a1の数は本実施形態では4つであるがこれに限らず、1つであってもよいし、4つ以外の複数であってもよい。破断予定部9の数は本実施形態では4つであるがこれに限らず、1つであってもよいし、4つ以外の複数であってもよい。
【0021】
被嵌合部6aは、上側の端縁から下側に向けて伸びるスリット6a1が形成された筒状をなす。上記構成によれば、被嵌合部6aと嵌合体7aの嵌合穴7a1との嵌合力を挿入体6bによって効率的に強化できる。被嵌合部6aに形成されるスリット6a1の数は本実施形態では4つであるがこれに限らず、1つであってもよいし、4つ以外の複数であってもよい。
【0022】
弁体6は、受け部6cに径方向外側から連なり受け部6cよりも下側まで伸びる外周部6dを有し、着座位置で外周部6dの下端部において下側天壁4に着座し、着座位置から上側へ移動することで外周部6dの上端部において上側天壁3における吐出口5aの外周縁部に突き当たり得る。上記構成によれば、簡単な構造によって弁体6を内容物流路5内に着座位置と非着座位置との間で移動できるように保持することができる。
【0023】
吐出キャップ1は、上側天壁3と下側天壁4との間に取り付けられる弁支持部10と、弁体6を下側に向けて着座位置まで付勢する付勢部11とを有し、付勢部11は、弁支持部10と弁体6とを連ねる弾性体によって形成される。上記構成によれば、内容物の吐出後に付勢部11によって弁体6を速やかに着座位置に戻すことができる。なお付勢部11は、本実施形態では、それぞれ弁支持部10と弁体6とを連ねる弾性体によって形成される複数の弾性部11aからなるが、これに限らない。弾性部11aは、本実施形態では、弁体6の外周部6dから径方向外側に伸びる一端部11a1と、弁支持部10から径方向内側に伸びる他端部11a2と、周方向に伸び、上記一端部11a1を上記他端部11a2に連ねる中間部11a3とを有するが、これに限らない。本実施形態では、弁支持部10の上端部は上側天壁3に設けられた溝状の凹部3cに嵌合し、弁支持部10の下端部は下側天壁4に設けられた溝状の凹部4bに嵌合するが、これに限らない。
【0024】
嵌合体7aは、蓋体7の閉動作によって吐出口5aに挿入されて吐出口5aの内周面に密着することで吐出口5aを塞ぐ。上記構成によれば、蓋体7を閉状態にすることで、吐出口5aを嵌合体7aによって閉塞できる。
【0025】
蓋体7は、閉状態において吐出口5aを覆う蓋本体部7bと、閉状態において蓋本体部7bから下側に伸びる嵌合体7aとを有する。上記構成によれば、蓋体7を閉状態にすることで、吐出口5aを蓋体7によって保護できる。なお、本願において吐出口5aを「閉じる」とは、吐出口5aを閉塞し、又は覆い、あるいは、閉塞し且つ覆うことを意味する。
【0026】
嵌合体7aは蓋本体部7bから下側に伸びる筒状をなす。上記構成によれば、嵌合体7aの構造を簡単にできる。
【0027】
被嵌合部6aに取り付けられた状態の挿入体6bは、蓋体7の閉状態において、嵌合体7aの中心軸線O上に位置する。上記構成によれば、嵌合体7aと弁体6との嵌合力を挿入体6bによって効率的に強化できる。
【0028】
本実施形態において吐出容器12は、吐出キャップ1と容器本体2とを有し、容器本体2は、口部2a、胴部2b及び底部をこの順に有し、収容空間Sを内側に形成する内層体2cと外層体2dとによって形成され、且つ、導入口13aを有し、導入口13aは、内容物の吐出に伴う収容空間Sを収縮させる内層体2cの変形と外層体2dの弾性変形からの復元とによって、内層体2cと外層体2dとの間に外気を導入する。上記構成によれば、容器本体2をスクイズ操作することで、弁体6を着座位置から非着座位置へ移動させ、収容空間S内の内容物を内容物流路5を通して吐出口5aから吐出させることができる。また、容器本体2へのスクイズ操作を解除することで、弁体6を非着座位置から着座位置へ移動させ、その後は吐出口5a内の内容物を戻し流路5cを通して収容空間S内に戻すことができる。したがって、吐出口5aから内容物が零れることを抑制できる。また、容器本体2へのスクイズ操作を解除することで、導入口13aを通して外気を内層体2cと外層体2dとの間に導入して外層体2dの形状を復元できる。またその後は、着座位置にある弁体6によって収容空間S内への外気の侵入を抑制でき、その際、戻し流路5c内に残った内容物により、外気が戻し流路5cを通して収容空間S内に侵入することを抑制できる。したがって、収容空間S内の内容物への外気の接触を抑制し、内容物の品質を良好に維持できる。
【0029】
口部2aは導入口13aを有し、上側天壁3は通気口13bを有し、吐出容器12は、外気を通気口13bから導入口13aまで通過させる導入路13を有し、吐出キャップ1は、筒状の弁支持部10から全周に亘って径方向外側に伸びる環状をなす通気弁体14を有し、通気弁体14は、外気が通気口13bを通って導入口13aに流入することを許容する一方、外気が導入口13aを通って通気口13bから流出することを抑制する。上記構成によれば、容器本体2をスクイズ操作する時に導入口13aからの外気の漏れを通気弁体14によって抑制することで内容物を容易に吐出でき、スクイズ操作の解除により外気を導入路13から導入口13aに導入して外層体2dを復元変形させることができる。なお、口部2aに設けられる導入口13aの数は本実施形態では2つだがこれに限らず、1つであってもよいし、2つ以外の複数であってもよい。
【0030】
吐出キャップ1は、上側天壁3を有し且つ口部2aに装着されるキャップ本体15と、下側天壁4、挿入体6b及び破断予定部9を有し且つキャップ本体15の内側に取り付けられる内側部材16とを有する。上記構成によれば、簡単な構造で吐出キャップ1を実現できる。なお蓋体7は本実施形態では、ヒンジ部17を介してキャップ本体15に連なるが、これに限らない。
【0031】
キャップ本体15は、口部2aの外周面にねじ部15a1を介して嵌合するキャップ周壁15aと、キャップ周壁15aから径方向内側に伸びる上側天壁3とを有し、上側天壁3は、筒状をなし、内側に吐出口5aを形成する吐出ノズル3aと、吐出ノズル3aをキャップ周壁15aに連ねる上側天壁本体3bとを有する。上記構成によれば、簡単な構造によって吐出キャップ1を実現できる。なおキャップ周壁15aは口部2aの外周面にねじ部15a1以外の嵌合構造(例えば口部2aに対して下側に押し付ける操作によって嵌合できる構造)を介して嵌合する構成としてもよい。
【0032】
弁体6における被嵌合部6a、受け部6c及び外周部6dと、弁支持部10と、付勢部11と、通気弁体14とは、ゴム、エラストマー又は合成樹脂などの弾性変形できる材料による一体成形物であり、キャップ本体15、ヒンジ部17及び蓋体7は、合成樹脂材料による一体成形物である。内側部材16は合成樹脂材料による一体成形物である。上記構成によれば、部品点数を抑制できる。なお図中で弁体6の外周部6dの下端部に示す二点鎖線は、弾性変形前の形状を示す。
【0033】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0034】
例えば、弁体6における被嵌合部6a、受け部6c及び外周部6dは、前述した実施形態では弁支持部10を介して通気弁体14と一体成形されるが、別体に形成してもよい。導入口13aを容器本体2における口部2a以外の部分(胴部2b又は底部など)に設けることで、通気口13b、通気弁体14及び導入路13を設けない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 吐出キャップ
2 容器本体
2a 口部
2b 胴部
2c 内層体
2d 外層体
3 上側天壁
3a 吐出ノズル
3b 上側天壁本体
3c 凹部
4 下側天壁
4a 通過口形成部
4a1 スリット
4b 凹部
5 内容物流路
5a 吐出口
5b 通過口
5c 戻し流路
6 弁体
6a 被嵌合部
6a1 スリット
6b 挿入体
6c 受け部
6d 外周部
7 蓋体
7a 嵌合体
7a1 嵌合穴
7b 蓋本体部
8 溝部
8a 溝
9 破断予定部
10 弁支持部
11 付勢部
11a 弾性部
11a1 一端部
11a2 他端部
11a3 中間部
12 吐出容器
13 導入路
13a 導入口
13b 通気口
14 通気弁体
15 キャップ本体
15a キャップ周壁
15a1 ねじ部
16 内側部材
17 ヒンジ部
O 中心軸線
S 収容空間
図1
図2
図3
図4