(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172667
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】廃棄物処理システム
(51)【国際特許分類】
B09B 1/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B09B1/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090530
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】323007559
【氏名又は名称】株式会社ミダック
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 清彦
(72)【発明者】
【氏名】國弘 彩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 佳和
(72)【発明者】
【氏名】蓼沼 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】大原 健
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AB10
4D004BB03
4D004CA35
4D004CC12
4D004DA01
(57)【要約】
【課題】安定してCO
2固定化および貯留を行うことのできる産業廃棄物処理システムを提供する。
【解決手段】廃棄物処理システムであって、少なくとも一部に二酸化炭素(CO
2)を吸着したCO
2固定化素材が堆積された堆積場と、前記堆積場の水素イオン指数を検知する水素イオン検知サブシステムと、前記堆積場にアルカリ性の水素イオン指数改質剤を散布する散布サブシステムと、を備え、前記散布サブシステムは、前記水素イオン検知サブシステムの測定結果に基づいて前記水素イオン指数改質剤を散布する、廃棄物処理システムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処理システムであって、
少なくとも一部に二酸化炭素(CO2)を吸着したCO2固定化素材が堆積された堆積場と、
前記堆積場の水素イオン指数を検知する水素イオン検知サブシステムと、
前記堆積場にアルカリ性の水素イオン指数改質剤を散布する散布サブシステムと、を備え、
前記散布サブシステムは、前記水素イオン検知サブシステムの測定結果に基づいて前記水素イオン指数改質剤を散布する、廃棄物処理システム。
【請求項2】
前記CO2固定化素材は、燃焼系副産物に二酸化炭素を固定化させたものである、請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項3】
前記燃焼系副産物は、煤塵、燃焼灰、燃え殻、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の廃棄物処理システム。
【請求項4】
前記水素イオン指数改質剤は、石灰、苦土石灰、有機石灰、消石灰、燃焼灰およびそれらの混合物を含む、請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項5】
前記水素イオン検知サブシステムは複数設けられ、前記散布サブシステムはあらかじめ設定したpH以下の測定値を検知した前記水素イオン検知サブシステムに対応する区域に前記水素イオン指数改質剤を散布する、請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項6】
前記あらかじめ設定したpHは、pH7.0以下である、請求項5に記載の廃棄物処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理システムに関し、特に、二酸化炭素を吸着させた廃棄物からの二酸化炭素の放出を抑制する廃棄物処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大気中に放出される二酸化炭素(以下、「CO2」と記す)の量が増加することにより、気温上昇や、それに伴う異常気象の発生等が起こることが知られている。この点を抑止するため、石灰や燃焼系副産物にCO2を固定化し、大気に放出されるCO2の量を低減するための基礎実験が行われている。このような技術は、例えば、非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】小峯秀雄 他, CO2固定化素材を活用したカーボンキャプチャー都市環境創生に関する基礎研究,土木学会論文集 2023年 79巻 第1号.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、CO2を固定化した燃焼系副産物等(以下、「CO2固定化素材」と記す)を、上記の非特許文献1のように埋め立てた場合、堆積場(埋立地)に埋められたCO2固定化素材が、当該CO2固定化素材の特性、もしくは他の埋め立て廃棄物の特性、あるいは酸性雨等の環境により酸性に傾くことが考えられる。CO2固定化素材が酸性に傾くことにより、CO2固定化素材に固定化されたCO2は、CO2固定化素材から脱離して大気中に再度放出される恐れがある。本願の発明者らは、この点に着目し、堆積場におけるCO2固定化素材の酸性化を抑制し、埋め立てられたCO2固定化素材からCO2が脱離しないように、安定してCO2固定化および貯留を行うことのできる産業廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の一形態の廃棄物処理システムは、
少なくとも一部に二酸化炭素(CO2)を吸着したCO2固定化素材が堆積された堆積場と、
前記堆積場の水素イオン指数を検知する水素イオン検知サブシステムと、
前記堆積場にアルカリ性の水素イオン指数改質剤を散布する水素イオン指数改質剤散布サブシステムと、を備え、
前記散布サブシステムは、前記水素イオン検知サブシステムの測定結果に基づいて前記水素イオン指数改質剤を散布することを特徴とする。
【0006】
本発明の一実施形態において、CO2固定化素材は、燃焼系副産物にCO2を固定化させたものである。また、燃焼系副産物は、煤塵、燃焼灰、燃え殻、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0007】
また、本発明の一実施形態において、水素イオン指数改質剤は、石灰、苦土石灰、有機石灰、消石灰、燃焼灰およびそれらの混合物を含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
以上の形態によれば、堆積場におけるCO2固定化素材の酸性化を抑制し、埋め立てられたCO2固定化素材からCO2が脱離しないように、安定してCO2固定化および貯留を行うことのできる産業廃棄物処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の廃棄物処理システムの上面図である。
【
図2】(a)は
図1中に示した線分IIA-IIAに沿う断面図、(b)は線分IIB-IIBに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態の廃棄物処理システムを説明する。本実施形態に用いる図面は、本発明の構成、各部の配置、機能、作用及び効果を説明することを目的とし、本発明の具体的な形状や縦横比等を限定するものではない。
【0011】
[廃棄物処理システム]
図1は、本実施形態の廃棄物処理システム100を説明するための上面図である。廃棄物処理システム100は、CO
2固定化素材が堆積された堆積場20と、堆積場20の水素イオン指数を検知する水素イオン検知サブシステム40と、堆積場20に水素イオン指数改質剤を散布する水素イオン指数改質剤散布サブシステム(不図示)と、を備える。本実施形態は、以下、廃棄物処理システム100においてCO
2固定化素材を含む廃棄物を堆積可能な領域の各々を「区画」と記す。以下、本実施形態では、
図1中に記したx,y,z座標を基準にして説明を行うものとする。
【0012】
1.堆積場
堆積場20は、少なくとも一部にCO2を吸着したCO2固定化素材が堆積される領域である。
【0013】
本発明の一実施形態において、CO2固定化素材は、好ましくは燃焼系副産物にCO2を固定化させたものである。燃焼系副産物は、煤塵、燃焼灰、燃え殻、およびそれらの混合物を含む。燃焼系副産物は、好ましくは、廃棄物処理施設で焼却された際に生成する煤塵、燃焼灰、燃え殻、およびそれらの混合物である。
【0014】
CO2固定化素材は、燃焼系副産物に廃棄物処理施設や工場から排出されるCO2を吸着させたものであってもよい。例えば、CO2固定化素材は、廃棄物処理施設で生成した燃焼系副産物に、当該廃棄物処理施設から排出されるCO2を吸着させることにより生成してもよい。
【0015】
堆積場20には、CO2固定化素材のほか、CO2を吸着していない燃焼系副産物や、他の廃棄物が堆積されてもよい。以下、堆積場20に堆積された物質を「堆積物」とする。
【0016】
2.水素イオン指数検知サブシステム
水素イオン検知サブシステム40は、堆積場20の水素イオン指数を検知するサブシステムであれば、任意の検知設備を用いることができる。例えば、一実施形態において、水素イオン検知サブシステム40は、堆積場20をX軸方向に延在する幹線21と、幹線21から幹線21と交差するY軸方向に延在する複数の枝線23と、センサ3と、を備えている。雨水などが周囲領域の堆積場20の堆積物を通って枝線23に浸透し、さらに幹線21へと流入する。幹線21に入った排水Wは斜面を流れ、取水塔50に集められ、処理後に排出される。本実施形態では、幹線21には、排水管内で発生する気体を外部に放出するためのガス抜き用管25が鉛直上向き(z方向)に接続されている。
【0017】
ガス抜き用管25を介して、センサ3が幹線21に設けられている。センサ3は、幹線21を流れる排水の水素イオン指数を測定するpHセンサである。センサ3は、例えば、ガラス電極を含むセンサヘッド31と、ガラス電極を流れる電流値に応じた電気信号を外部に送出するワイヤ32と、を含む。一実施形態において、センサ3は、ガス抜き用管25の上端部251からワイヤ32により吊り下げられて、センサヘッド31の少なくとも一部が幹線21の内部の排水Wに位置するように設置される(
図2(b))。ワイヤ32から出力された電気信号は、通信装置により、例えばネットワーク回線等の無線で散布区画判定部(不図示)に送信される。
【0018】
散布区画判定部は、通信装置から送信された信号を受信する通信部を備えている。通信部が受信する信号は、前述のpH信号と、センサ3の各々を特定する符号とを含んでいる。なお、本実施形態は、複数のセンサ3の全てからpH信号を受信することに限定されるものでなく、少なくともその一部からpH信号を受信するようにしてもよい。例えば、CO2の脱離が問題にならない区画に設置されたセンサ3、あるいは未だ廃棄物が堆積されていない区画に設置されたセンサ3を稼働させないようにすることが考えられる。また、経験的に水素イオン指数の検出の粒度が粗くてよい場合、一部のセンサ3の稼働を停止することが考えられる。このようにすれば、センサ3の稼働に係る電力を抑える、あるいは通信装置や散布区画判定部における処理の負荷を低減しながら検出に必要な情報を取得することができる。
【0019】
また、散布区画判定部は、酸性区画判定部を備えている。酸性区画判定部は、センサ3によって検出された水素イオン指数(以下、「センサpH」と記す)と、このセンサpHを検出したセンサ3の位置と、に基づいて、堆積場20に堆積された廃棄物の水素イオン指数があらかじめ設定した値以下であるか否かを判定する。例えば、あらかじめ設定した値が7より小さい場合、少なくとも酸性である区画を判定する。ここで、「酸性」は、pH信号が示す水素イオン指数が7より小さいことを示す。
【0020】
また、酸性区画判定部は、pH信号に付された符号と、この符号が付されたセンサ3の位置とを対応付けるデータを予め有してもよい。その場合、酸性区画判定部は、符号に対応するセンサ3の位置を特定し、この位置を含む領域を特定することができる。領域は、例えば、センサ3の位置を中心とする所定の範囲であってもよい。そして、酸性区画判定部は、pH信号が酸性を示す場合、このpH信号を送信してきたセンサ3の符号からセンサ3の位置を特定し、特定されたセンサ3に対応する区画に後述する水素イオン指数改質剤を散布する散布サブシステムを稼働させるように通知する。
【0021】
さらに、本実施形態は、水素イオン指数が7である場合、このセンサ3が設置されている区画が酸性に向かう可能性があると判定してもよい。さらに、本実施形態は、水素イオン指数が7より小さい、すなわち酸性であると判定した後、pHの値によってはCO2の脱離に影響しないと判定するようにしてもよい。このような判定は、例えば、各堆積場の特性や廃棄物の特性により任意に応用可能である。また、酸性区画判定部は、少なくとも酸性である領域を検出し、これを水素イオン指数改質剤散布区画として判定する。しかし、本実施形態は、このような構成に限定されるものでなく、同時に各区画の中性あるいはアルカリ性及びアルカリ性の程度を判定してもよい。例えば、酸性区画判定部のあらかじめ設定した値をpH8などの弱アルカリ性領域とし、アルカリ性領域から弱アルカリ性領域への変化を検知することで、酸性化する前に水素イオン指数改質剤を散布して、堆積物の酸性化を抑制することができる。
【0022】
また、散布区画判定部は、酸性区画推定部を備えている。酸性区画推定部は、酸性区画判定部が測定により酸性区画であると判定した情報に基づき、さらに酸性を示すであろう区画を推定する。
【0023】
以上説明した散布区画判定部に含まれる通信部、酸性区画判定部、酸性区画推定部は、いずれもCPU(Central Processor Unit)、CPUの処理に必要な情報を少なくとも一時的に保存するメモリ、CPUの処理に使用されるワークメモリ等の公知のハードウェアと、ハードウェア上で実行されるプログラム等のソフトウェアが共同することにより実現してもよい。
【0024】
また、本実施形態は、散布区画判定部を堆積場20毎に、または堆積場20を管理する管理者毎に設け、排水管21、23及びセンサ3と合せて酸性度検出装置を構成するようにしてもよい。また、本実施形態は、散布区画判定部をサーバ装置として構成し、クラウドシステムを構築するようにしてもよい。サーバ装置として構成される散布区画判定部は、異なる管理者によって管理される複数の堆積場20からpH信号を収取し、酸性区画の判定、または推定の結果を各管理者に提供するようにしてもよい。
【0025】
他の実施形態において、ガス抜き用管25は、枝線23の略中央に設けてもよい。枝線23の中央にガス抜き用管25を設ければ、幹線21を流れる排水の影響を受け難く、かつ各枝線23を流れる排水Wの平均的な水素イオン指数を検出することができる点で好ましい。また、幹線21と枝線23の両方にガス抜き用管25を設け、水素イオン指数を検出してもよい。
【0026】
他の実施態様において、水素イオン検知サブシステム40は、任意の箇所の堆積場20の堆積物の水素イオン指数を測定することにより検知してもよい。例えば、対象箇所の堆積物を掘削し、pHセンサやpH検査薬を用いて、堆積場20の堆積物のpHを検知してもよい。次いで、得られた検知結果を基に、上述するような散布区画判定を行い、当該箇所の水素イオン指数改質剤の散布の要否を判定してもよい。
【0027】
3.水素イオン指数改質剤散布サブシステム
水素イオン指数改良剤散布サブシステムは、水素イオン検知サブシステム40の測定結果に基づいて水素イオン指数改質剤を散布する。
【0028】
水素イオン指数改質剤は、アルカリ性であり、酸性または中性の堆積物をアルカリ性にする物質であれば、任意の物質を用いることができる。例えば、石灰、苦土石灰、有機石灰、消石灰、燃焼灰およびそれらの混合物を、水素イオン指数改質剤として用いることができる。例えば、水素イオン指数改質剤として、廃棄物処理施設から排出されたアルカリ性の燃焼灰を用いてもよい。
【0029】
水素イオン指数改質剤は、水素イオン指数検知サブシステム40の測定結果により、散布区画と判定された区画に散布される。一実施態様において、pH信号が酸性を示す場合、このpH信号を送信してきたセンサ3の符号からセンサ3の位置を特定し、特定されたセンサ3に対応する区画に、水素イオン指数改質剤を散布する散布サブシステムが稼働される。また他の実施態様において、水素イオン指数が7である場合、このセンサ3が設置されている区画が酸性に向かう可能性があると判定し、散布サブシステムを稼働させてもよい。散布サブシステムから散布される水素イオン指数改質剤の量および濃度、ならびに散布時間は、水素イオン指数検知サブシステム40の測定結果や各堆積場の特性や廃棄物の特性により、堆積物の水素イオン指数がアルカリ性に調整されるように適宜調整される。さらに水素イオン指数改質剤は、粉体などの固体状態で散布してもよく、また、水に溶解もしくは分散させたものを散布してもよい。当該散布は自動的に行われてもよく、また、手動により行われてもよい。アルカリ性の水素イオン指数改質剤を散布することにより、堆積物の水素イオン指数がアルカリ性に調整されるため、堆積物中のCO2固定化素材からのCO2の脱離を抑制することができる。
【0030】
他の実施態様において、水素イオン指数改質剤の散布ののち、再度水素イオン指数検知サブシステム40により散布区画の水素イオン指数を測定してもよい。その結果、水素イオン指数改質剤の散布後であっても適切な水素イオン指数を示さない場合には、水素イオン指数改質剤を再度散布してもよい。
【0031】
このように、本発明では、堆積場20の水素イオン指数を水素イオン指数検知サブシステム40により検知し、その測定結果に基づいて、アルカリ性の水素イオン指数改質剤を堆積場20に散布することで、堆積場20をアルカリ性に調整し、堆積物中のCO2固定化素材からのCO2の脱離を抑制することができる。堆積場20の堆積物が廃棄物処理施設で生成した燃焼系副産物に、当該廃棄物処理施設から排出されるCO2を吸着させることにより生成したものであった場合、システムからのCO2の排出を抑制しつつ、安定してCO2固定化および貯留を行う廃棄物処理システムを提供することができる。
【0032】
上記では、種々の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。また、上述の各実施の形態の一つもしくは複数を、適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0033】
3 センサ
20 堆積場
21 幹線
23 枝線
25a ガス抜き用管
25b ガス抜き用管
25c ガス抜き用管
25d ガス抜き用管
31 センサヘッド
32 ワイヤ
40 水素イオン検知サブシステム
50 取水塔
100 廃棄物処理システム
251 上端部
W 排水
【手続補正書】
【提出日】2024-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処理システムであって、
少なくとも一部に二酸化炭素(CO2)を吸着させたCO2固定化素材が堆積された堆積場と、
前記堆積場の水素イオン指数を検知する水素イオン検知サブシステムと、
前記堆積場にアルカリ性の水素イオン指数改質剤を散布する散布サブシステムと、を備え、
前記水素イオン指数改質剤は、石灰、苦土石灰、有機石灰、消石灰、燃焼灰、およびそれらの混合物からなる群から選択され、
前記散布サブシステムは、前記水素イオン検知サブシステムの測定結果に基づいて前記水素イオン指数改質剤を散布する、廃棄物処理システム。
【請求項2】
前記CO2固定化素材は、燃焼系副産物に二酸化炭素を固定化させたものである、請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項3】
前記燃焼系副産物は、煤塵、燃焼灰、燃え殻、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の廃棄物処理システム。
【請求項4】
前記水素イオン検知サブシステムは複数設けられ、前記散布サブシステムはあらかじめ設定したpH以下の測定値を検知した前記水素イオン検知サブシステムに対応する区域に前記水素イオン指数改質剤を散布する、請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項5】
前記あらかじめ設定したpHは、pH7.0以下である、請求項4に記載の廃棄物処理システム。
【請求項6】
前記堆積場は任意の区画に分割され、前記水素イオン検知サブシステムは複数設けられ、前記水素イオン検知サブシステムにより検知された水素イオン指数に基づき、前記区画のアルカリ度が判定される、請求項1に記載の廃棄物処理システム。
【請求項7】
前記アルカリ度がアルカリ性から弱アルカリ性に変化した際に、前記散布サブシステムは、対応する前記区画に前記水素イオン指数改質剤を散布する、請求項6に記載の廃棄物処理システム。