IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 福助工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-食品包装用袋 図1
  • 特開-食品包装用袋 図2
  • 特開-食品包装用袋 図3
  • 特開-食品包装用袋 図4
  • 特開-食品包装用袋 図5
  • 特開-食品包装用袋 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172688
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】食品包装用袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/40 20060101AFI20241205BHJP
   B65D 30/02 20060101ALI20241205BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65D65/40 D BRL
B65D30/02 BSG
B65D85/50 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090558
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】390000387
【氏名又は名称】福助工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】松原 求
(72)【発明者】
【氏名】山内 克之
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 史郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 大河
【テーマコード(参考)】
3E035
3E064
3E086
【Fターム(参考)】
3E035AA04
3E035BA08
3E035BC01
3E035BC02
3E035BD02
3E035BD04
3E035BD06
3E064AA05
3E064AB23
3E064BA01
3E064BA27
3E064BA30
3E064BC13
3E064EA30
3E064HM01
3E086AA23
3E086AD01
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BA33
3E086BB21
3E086BB41
3E086BB51
3E086BB71
3E086BB74
3E086BB85
3E086CA01
3E086DA03
(57)【要約】
【課題】内容物が加熱調理物でも手に持ちやすく、内容物の視認性に優れるとともに、環境負荷の低減が可能な食品包装用袋の提供。
【解決手段】紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを備え、紙基材2とポリプロピレン積層シート3とがヒートシールにより直接接合されることにより袋状とされており、ポリプロピレン積層シート3が、延伸ポリプロピレンフィルムと、未延伸ポリプロピレンフィルムとを少なくとも有し、ポリプロピレン積層シート3は、延伸ポリプロピレンフィルムが表層に位置し、未延伸ポリプロピレンフィルムが紙基材2と対向するように配置される、食品包装用袋1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材とポリプロピレン積層シートとを備え、前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとがヒートシールにより直接接合されることにより袋状とされている食品包装用袋であって、
前記ポリプロピレン積層シートが、延伸ポリプロピレンフィルムと、未延伸ポリプロピレンフィルムとを少なくとも有し、
前記ポリプロピレン積層シートは、前記延伸ポリプロピレンフィルムが表層に位置し、前記未延伸ポリプロピレンフィルムが前記紙基材と対向するように配置される、食品包装用袋。
【請求項2】
前記ポリプロピレン積層シートが、防曇剤を含む、請求項1に記載の食品包装用袋。
【請求項3】
前記紙基材が、耐油性を有する、請求項1に記載の食品包装用袋。
【請求項4】
前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとがそれぞれ矩形であり、
前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとを重ね合わせた四辺のうち、少なくとも隣接する二辺がヒートシールにより接合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の食品包装用袋。
【請求項5】
前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとを重ね合わせた四辺のうち、三辺がヒートシールにより接合され、残りの一辺が開口部である、請求項4に記載の食品包装用袋。
【請求項6】
前記ポリプロピレン積層シートが、前記開口部と反対側に折り返し部を有し、
前記折り返し部は、前記ポリプロピレン積層シートにおいて対向する前記未延伸ポリプロピレンフィルムの端部同士がヒートシールによりそれぞれ接合されて、底部を構成する、請求項5に記載の食品包装用袋。
【請求項7】
前記折り返し部は、前記ポリプロピレン積層シートにおいて対向する前記延伸ポリプロピレンフィルムの端部同士がそれぞれ接合される、請求項6に記載の食品包装用袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品包装用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
コロッケや唐揚げなどの揚げ物は、袋に入れられた状態で販売される場合がある。特許文献1には、そのような袋として、防曇剤を含有するポリオレフィンフィルムと耐油性を有する紙とがヒートシールにより接合された接合部を有する食品包装用袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-014525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の食品包装用袋によれば、内容物が高温であっても持ちやすく、視認性に優れ、袋内部での結露を抑制することが可能とされている。しかしながら、特許文献1に開示された食品包装用袋では、ポリオレフィンフィルムとしてポリプロピレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムとの積層フィルムが用いられており、耐油性を有する紙から分離して廃棄する際にリサイクルが難しいため、環境負荷の低減が可能な食品包装用袋が望まれていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内容物が加熱調理物でも手に持ちやすく、内容物の視認性に優れるとともに、環境負荷の低減が可能な食品包装用袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様としての食品包装用袋は、紙基材とポリプロピレン積層シートとを備え、前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとがヒートシールにより直接接合されることにより袋状とされており、前記ポリプロピレン積層シートが、延伸ポリプロピレンフィルムと、未延伸ポリプロピレンフィルムとを少なくとも有し、前記ポリプロピレン積層シートは、前記延伸ポリプロピレンフィルムが表層に位置し、前記未延伸ポリプロピレンフィルムが前記紙基材と対向するように配置される構成とする。
【0007】
前記ポリプロピレン積層シートが、防曇剤を含む構成としてもよい。
【0008】
前記紙基材が、耐油性を有する構成としてもよい。
【0009】
前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとがそれぞれ矩形であり、前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとを重ね合わせた四辺のうち、少なくとも隣接する二辺がヒートシールにより接合される構成であってもよい。
【0010】
前記紙基材と前記ポリプロピレン積層シートとを重ね合わせた四辺のうち、三辺がヒートシールにより接合され、残りの一辺が開口部である構成としてもよい。
【0011】
前記ポリプロピレン積層シートが、前記開口部と反対側に折り返し部を有し、前記折り返し部は、前記ポリプロピレン積層シートにおいて対向する前記未延伸ポリプロピレンフィルムの端部同士がヒートシールによりそれぞれ接合されて、底部を構成してもよい。
【0012】
前記折り返し部は、前記ポリプロピレン積層シートにおいて対向する前記延伸ポリプロピレンフィルムの端部同士がそれぞれ接合される構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の食品包装用袋によれば、紙基材とポリプロピレン積層シートとがヒートシールによって直接接合されており、ポリプロピレン積層シートが、延伸ポリプロピレンフィルムと未延伸ポリプロピレンフィルムとを少なくとも有し、延伸ポリプロピレンフィルムが表層に位置し、未延伸ポリプロピレンフィルムが紙基材と対向するように配置される構成であるため、内容物が加熱調理物でも手に持ちやすく、内容物の視認性に優れるとともに、リサイクルする際に環境負荷の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態である食品包装用袋を模式的に示す斜視図である。
図2】本実施形態の食品包装用袋を構成するポリプロピレン積層シートを示す斜視図であり、(A)は折り返し前の状態、(B)は折り返し後の状態をそれぞれ示す。
図3】本実施形態の食品包装用袋を構成する紙基材とポリプロピレン積層シートとのヒートシールの位置を示す斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態である食品包装用袋を模式的に示す斜視図である。
図5】本発明の他の実施形態である食品包装用袋を模式的に示す斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態である食品包装用袋を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態として、例えば、図1~3に示す食品包装用袋1について説明する。
【0016】
なお、図1は、本実施形態の食品包装用袋1を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態の食品包装用袋1を構成するポリプロピレン積層シート3を示す斜視図であり、(A)は折り返し前の状態であり、(B)は折り返し後の状態である。図3は、本実施形態の食品包装用袋1を構成する紙基材2とポリプロピレン積層シート3とのヒートシールの位置を示す斜視図である。
【0017】
本実施形態の食品包装用袋1は、図1に示すように、紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを備え、紙基材2とポリプロピレン積層シート3とがヒートシールにより直接接合されることにより袋状とされている。
【0018】
具体的には、本実施形態の食品包装用袋1は、ガゼッド(マチ)付きの底部を有するスタンド型の袋となっている。食品包装用袋1では、紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを重ね合わせた四辺のうち、三辺がヒートシールにより接合された接合部(ヒートシール部)6となっており、残りの一辺が開口部となっている。
【0019】
図1では、食品包装用袋1の両側の端部と下側の端部との三辺が接合部6であり、上側が開口部である。また、ポリプロピレン積層シート3の上端部が紙基材2の上端よりも上方に突出するように設けられており、この突出した部分が食品包装用袋1の開口部を覆う蓋部3Aとなっている。
【0020】
紙基材2は、図3に示すように、矩形シート状の紙である。
紙基材2としては、上質紙などの紙、合成紙、耐油紙、耐油耐水紙等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、食品包装用袋1に収納する内容物に応じて適宜選択できる。
【0021】
上質紙などの紙とは、食物繊維その他の繊維を膠着させて製造したものである。
合成紙とは、合成樹脂を主原料として製造したシート状物のことである。
耐油紙とは、耐油性を有する紙である。耐油性とは、油が紙を通過して反対面に漏れ出さない油バリア性を有すること、付着した油が耐油紙の表面に広がりにくく、油が染み込んだような外観を呈さないことなどの特性をいう。耐油紙は、製造方法から大別すると、内添法耐油紙、外添法耐油紙がある。内添法耐油紙とは、耐油紙の製造の食物繊維その他の繊維を膠着させる際に、耐油剤を添加させることによって紙に耐油性を持たせるものである。外添法耐油紙とは、製造された紙の表面の例えば一方に耐油剤を被覆させることによって紙に耐油性を持たせるものである。耐油性を有する紙としては、市販品(例えば、天満特殊製紙株式会社製、UEC耐油紙)を使用することができる。
耐油耐水紙とは、製紙用繊維から得られ、耐油耐水剤の内添、含浸、塗布等により耐油耐水性を付与されたものである(例えば、特開2001-254293号公報を参照)。
【0022】
これらの中でも耐油性を有することから、耐油紙および耐水耐油紙が好ましく、表面の一方に耐油剤を被覆させた外添法耐油紙がより好ましい。
【0023】
紙基材2を構成する紙は、その目付量が20~100g/mであるものが好ましい。食品包装用袋の強度として十分な強度を有しているためである。紙の目付量が20g/m未満だと紙基材2の引裂き強度が十分でなく強度不足となるおそれがある。一方、100g/mを超えると紙基材2の引裂き強度等が過剰なものとなり、かつ、食品包装用袋の製品単価が上がるおそれがある。紙基材2を構成する紙の目付量は、より好ましくは、30~80g/mであり、さらに好ましくは、40~60g/mである。
【0024】
ポリプロピレン積層シート3は、図2(A)に示すように、矩形の樹脂シートである延伸ポリプロピレンフィルム4と未延伸ポリプロピレンフィルム5との積層材である。
【0025】
延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)4は、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。延伸ポリプロピレンフィルムは、光沢があり、透明性も高く、防湿性、耐水性に優れており、かつ、耐熱性、耐油性にも優れ、引張強度、引き裂き強度ともに優れる。しかしながら、延伸ポリプロピレンフィルムはヒートシール性がないため、延伸ポリプロピレンフィルム4を単層で用いるのではなく、未延伸ポリプロピレンフィルム5との積層材として用いる。
【0026】
未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)5は、光沢があり、透明性も高く、ヒートシール性にも優れている。また、耐熱性、防湿性、耐水性、耐油性にも優れている。
【0027】
ポリプロピレン積層シート3は、延伸ポリプロピレンフィルム4及び未延伸ポリプロピレンフィルム5の少なくとも一方又は両方が防曇剤を含んでいてもよい。
防曇剤は、水滴の付着等によりフィルムが曇ることを防止するために添加される界面活性剤であり、フィルム表面を防曇剤によって親水性にすることにより防曇効果を発揮する。
【0028】
防曇剤としては、市販品を使用することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルなどを好適に使用することができる。
防曇剤の添加量は、ポリプロピレンフィルムに対して、0.1~5質量%とすることが好ましい。
【0029】
延伸ポリプロピレンフィルム4の厚みは、フィルム強度の観点から10μm以上が好ましく、加工性の観点から60μm以下が好ましい。フィルムの厚みは、12μm以上40μm以下がより好ましく、16μm以上20μm以下がさらに好ましい。
【0030】
未延伸ポリプロピレンフィルム5の厚みは、ヒートシール強度の観点から10μm以上が好ましく、ヒートシール性の観点から100μm以下が好ましい。フィルムの厚みは、15μm以上60μm以下がより好ましく、20μm以上40μm以下がさらに好ましい。
【0031】
ポリプロピレン積層シート3の全体の厚みは、フィルム強度、加工性、およびヒートシール強度の観点から20μm以上が好ましく、視認性および透明度の観点から100μm以下が好ましい。フィルムの厚みは、30μm以上60μm以下がより好ましく、35μm以上50μm以下がさらに好ましい。
【0032】
延伸ポリプロピレンフィルム4と未延伸ポリプロピレンフィルム5との貼り合わせは、接着剤を使用したドライラミネートや、溶融したLDPE(低密度ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)で貼り合わせる押し出しラミネートなどの加工により行うことができる。
【0033】
ポリプロピレン積層シート3は、図2(A)中に示すように、矩形の長辺において中央よりも下端寄りに位置し、矩形の短辺と平行なI-I’線に沿って、未延伸ポリプロピレンフィルム5同士が向かい合うように折り曲げられ、さらに上記I-I’線よりも下端寄りに位置し、上記I-I’線と平行なII-II’線に沿って、延伸ポリエチレンフィルム4同士が向かい合うように折り曲げられている。これにより、ポリプロピレン積層シート3は、図2(B)に示すように、開口部となる上端とは反対側の下端に、折り返し部3Bを有する。
【0034】
折り返し部3Bを有するポリプロピレン積層シート3は、図3に示すように、未延伸ポリプロピレンフィルム5の面側において、矩形の長辺の両側に上方から下方に向かって端部5a、5b、5c、5dがそれぞれ位置し、矩形の下方の短辺に沿って端部5eが位置する。
また、延伸ポリエチレンフィルム4の面側において、端部5cの反対側の端部4aと、端部5dの反対側の端部4bとが、折り返し部3Bにおいて互いに対向する。
【0035】
一方、紙基材2は、図2に示すように、矩形シートの両側の辺に沿って端部2aがそれぞれ位置し、下側の辺に沿って端部2bが位置する。
【0036】
本実施形態の食品包装用袋1は、図3に示すように、紙基材2とポリプロピレン積層シート3とをヒートシールする際、延伸ポリプロピレンフィルム4が表層となり、未延伸ポリプロピレンフィルム5が紙基材2と対向するように配置される。
なお、紙基材2として表面の一方に耐油剤を被覆させた外添法耐油紙を用いる場合、対油剤が被覆されていない表面がポリプロピレン積層シート3と対向するように配置することが好ましい。
【0037】
折り返し部3Bでは、ポリプロピレン積層シート3において対向する未延伸ポリプロピレンフィルム5の端部5bと端部5cとが、ヒートシールによりそれぞれ接合される。
【0038】
また、折り返し部3Bでは、ポリプロピレン積層シート3において対向する延伸ポリプロピレンフィルム4の端部4aと端部4bとが、接着剤によってそれぞれ接合される。接着剤は、延伸ポリエチレンフィルム(OPP)4同士を接着できるものであれば、特に限定されない。接着材としては、公知のヒートシール剤やアンカーコート剤が挙げられる。
なお、延伸ポリエチレンフィルム4の端部4aと端部4bとは、接着剤を使用せずにヒートシールによって接合してもよい。
【0039】
紙基材2とポリプロピレン積層シート3とは、紙基材2の端部2aとポリプロピレン積層シート3の端部5a及び端部5dとがそれぞれヒートシールされるとともに、紙基材2の端部2bとポリプロピレン積層シート3の端部5eとがヒートシールされる。
【0040】
具体的には、紙基材2の端部2aとポリプロピレン積層シート3の端部5aとの接合部が、図1中に示す接合部6Aである。
また、紙基材2の端部2aと、ポリプロピレン積層シート3の折り返し部3B(端部5b、端部5c、端部4a、端部4b、および端部5d)との接合部が、図1中に示す接合部6Bである。
また、紙基材2の端部2bとポリプロピレン積層シート3の端部5eとの接合部が、図1中に示す接合部6Cである。
【0041】
このようにして、本実施形態の食品包装用袋1は、図1に示すように、両側の端部と下側の端部との三辺が接合部6(6A、6B、6C)となる。そして、本実施形態の食品包装用袋1は、上側が開口部となり、ポリプロピレン積層シート3の下方に設けられた折り返し部3Bがガゼッド(マチ)付きの底部を構成する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の食品包装用袋1は、熱伝導が少ない紙基材2を用いるため、内容物が加熱調理物でも手に持ちやすい。
また、本実施形態の食品包装用袋1は、透明なポリプロピレン積層シート3を用いるため、内容物の視認性に優れる。
【0043】
本実施形態の食品包装用袋1は、ポリプロピレン積層シート3が延伸ポリプロピレンフィルム4を有するため、耐熱性に優れ、ポリプロピレン積層シート3が未延伸ポリプロピレンフィルム5を有するため、紙基材2との接合強度に優れる。
また、本実施形態の食品包装用袋1は、ポリプロピレン積層シート3が単一材料から構成されるため、使用後に紙基材2と分離した後にリサイクルが容易であり、環境負荷の低減が可能となる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明を適用した食品包装用袋1は、ポリプロピレン積層シート3として延伸ポリエチレンフィルム4と未延伸ポリプロピレンフィルム5との2層積層材である場合を一例として説明したが、これに限定されない。ポリプロピレン積層シートとして、ポリプロピレン積層シート3として延伸ポリエチレンフィルム4と未延伸ポリプロピレンフィルム5との間に、ポリプロピレン樹脂フィルムからなる中間層を有する多層積層シートを用いてもよい。これにより、食品包装用袋に新たな付加価値を設けることができる。
【0045】
また、上述した実施形態の食品包装用袋1では、ポリプロピレン積層シート3の折り返し部3Bにおいて、対向する延伸ポリプロピレンフィルム4の端部4aと端部4bとが、接着剤によってそれぞれ接合される構成を一例として説明したが、これに限定されない。
例えば、図4に示すように、ポリプロピレン積層シート3の折り返し部3Bにおいて、対向する延伸ポリプロピレンフィルム4の端部4aと端部4bとが接合されない、食品包装用袋21であってもよい。
本形態の食品包装用袋21によれば、上述した実施形態の食品包装用袋1と比較して、内容物の容量を大きくすることができる。また、延伸ポリプロピレンフィルム4の端部4a,4b同士の接合が不要であるため、生産性に優れる。
【0046】
また、上述した実施形態の食品包装用袋1、21では、ポリプロピレン積層シート3が折り返し部3Bを有する構成を一例として説明したが、これに限定されない。
例えば、図5に示すように、ポリプロピレン積層シート3が折り返し部3Bを有さず、矩形の紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを重ね合わせた四辺のうち、三辺がヒートシールにより接合された接合部6を有する、食品包装用袋31であってもよい。
本態様の食品包装用袋31によれば、折り返し部3Bが不要であるため、簡便に生産することができる。
【0047】
また、上述した実施形態の食品包装用袋1、21、31によれば、矩形の紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを重ね合わせた四辺のうち、三辺がヒートシールにより接合される構成を一例として説明したが、これに限定されない。
例えば、図6に示すように、矩形の紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを重ね合わせた四辺のうち、隣接する二辺がヒートシールにより接合された接合部6を有する、食品包装用袋41であってもよい。
本態様の食品包装用袋41によれば、隣接する二辺のみをヒートシールする構成であるため、より簡便に生産することができる。
【0048】
また、上述した実施形態の食品包装用袋1、21、31、41によれば、矩形の紙基材2とポリプロピレン積層シート3とを重ね合わせる構成を一例として説明したが、これに限定されない。
例えば、紙基材とポリプロピレン積層シートとを矩形以外の任意の形状とし、これらを重ね合わせた端部のうち、少なくとも一部をヒートシールにより接合した接合部を有する食品包装用袋であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1、21、31、41 食品包装用袋
2 紙基材
2a、2b 端部
3 ポリプロピレン積層シート
3A 蓋部
3B 折り返し部
4 延伸ポリプロピレンフィルム
4a、4b 端部
5 未延伸ポリプロピレンフィルム
5a、5b、5c、5d、5e 端部
6、6A、6B、6C 接合部(ヒートシール部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6