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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172705
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   A01C 15/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A01C15/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090593
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 智志
(72)【発明者】
【氏名】加茂田 浩史
【テーマコード(参考)】
2B052
【Fターム(参考)】
2B052BC05
2B052BC08
2B052DC04
2B052DC13
2B052DC17
2B052EA02
2B052EC13
(57)【要約】
【課題】貯留部に充填された資材の残量を作業車両の後部に設けられたセンサで測定することにより、通信部品点数を減らし、センサの早期故障を防止した作業車両を提供する。
【解決手段】作業機(20)を圃場に散布する資材が充填された貯留部(21)と、該貯留部(21)の下部に連通された排出部(22)で形成し、平面視において、連結部(7)における操縦部(5)の下側にセンサ(44)を設け、連結部(7)に加わる作業機(20)の荷重をセンサ(44)で測定し、貯留部(21)の資材が予め設定した所定残量以下になった場合には警報機(15,19)を作動して警告を行う構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦部(5)の下側後部に連結部(7)を設け、該連結部(7)に作業機(20)を連結した作業車両において、
前記作業機(20)を圃場に散布する資材が充填された貯留部(21)と、該貯留部(21)の下部に連通された排出部(22)で形成し、
平面視において、前記連結部(7)における操縦部(5)の下側にセンサ(44)を設け、
前記連結部(7)に加わる作業機(20)の荷重をセンサ(44)で測定し、
前記貯留部(21)の資材が予め設定した所定残量以下になった場合には警報機(15,19)を作動して警告を行う構成とした作業車両。
【請求項2】
前記連結部(7)の左右方向の両側部から後方に向かって延在する左右一対のロワリンク(30)と、前記連結部(7)の左右方向の中間部から後方に向かって延在するトップリンク(40)を設け、
側面視において、前記トップリンク(40)をロワリンク(30)よりも上側に配置し、
前記排出部(22)を内嵌する支持部材(25)を設け、
前記ロワリンク(30)の後部に支持部材(25)の左右方向の両側部を連結し、
前記トップリンク(40)の後部に支持部材(25)の左右方向の中間部を連結し、
前記トップリンク(40)の前部を左右方向に延在する支軸(41A)の外周部に設けられたステー(41B)に固定された左右方向に延在するピン(41C)に回転自在に連結し、
前記センサ(44)で、前記作業機(20)の荷重に起因する支軸(41A)のねじり角度(φ)を測定した請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記センサ(44)とステー(41B)における前側上部を前後方向に延在するロッド(45)で連結し、
前記支軸(41A)の軸心視において、前記支軸(41A)の軸心とロッド(45)が連結されたステー(41B)の前側上部の径方向の距離を、前記支軸(41A)の軸心とピン(41C)の軸心の径方向の距離よりも長く設定した請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
平面視において、前記センサ(44)は、前記排出部(22)の回転軸(23)にエンジンの出力回転を伝動するPTO軸(6)よりも前方に設けられた請求項1~3のいずれか1項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥料等の資材を散布する作業機を牽引する作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業車両に牽引される作業機の貯留部の下部にセンサを設け、貯留部に充填された資材の残量を測定して資材の残量が所定以下になった場合には、作業者に警告を行う技術が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-243738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、作業車両のコントローラにセンサの測定値を無線で通信する必要があることから通信部品点数が多くなり、また、雨水によってセンサが早期に故障する恐れもあった。
【0005】
そこで、本発明は、貯留部に充填された資材の残量を作業車両の後部に設けられたセンサで測定することにより、通信部品点数を減らし、センサの早期故障を防止した作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、操縦部(5)の下側後部に連結部(7)を設け、該連結部(7)に作業機(20)を連結した作業車両において、
前記作業機(20)を圃場に散布する資材が充填された貯留部(21)と、該貯留部(21)の下部に連通された排出部(22)で形成し、平面視において、前記連結部(7)における操縦部(5)の下側にセンサ(44)を設け、前記連結部(7)に加わる作業機(20)の荷重をセンサ(44)で測定し、前記貯留部(21)の資材が予め設定した所定残量以下になった場合には警報機(15,19)を作動して警告を行う構成とした作業車両である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記連結部(7)の左右方向の両側部から後方に向かって延在する左右一対のロワリンク(30)と、前記連結部(7)の左右方向の中間部から後方に向かって延在するトップリンク(40)を設け、側面視において、前記トップリンク(40)をロワリンク(30)よりも上側に配置し、前記排出部(22)を内嵌する支持部材(25)を設け、前記ロワリンク(30)の後部に支持部材(25)の左右方向の両側部を連結し、前記トップリンク(40)の後部に支持部材(25)の左右方向の中間部を連結し、前記トップリンク(40)の前部を左右方向に延在する支軸(41A)の外周部に設けられたステー(41B)に固定された左右方向に延在するピン(41C)に回転自在に連結し、前記センサ(44)で、前記作業機(20)の荷重に起因する支軸(41A)のねじり角度(φ)を測定した請求項1記載の作業車両である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記センサ(44)とステー(41B)における前側上部を前後方向に延在するロッド(45)で連結し、前記支軸(41A)の軸心視において、前記支軸(41A)の軸心とロッド(45)が連結されたステー(41B)の前側上部の径方向の距離を、前記支軸(41A)の軸心とピン(41C)の軸心の径方向の距離よりも長く設定した請求項2記載の作業車両である。
【0009】
請求項4記載の発明は、平面視において、前記センサ(44)は、前記排出部(22)の回転軸(23)にエンジンの出力回転を伝動するPTO軸(6)よりも前方に設けられた請求項1~3のいずれか1項に記載の作業車両である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、作業機(20)を圃場に散布する資材が充填された貯留部(21)と、該貯留部(21)の下部に連通された排出部(22)で形成し、平面視において、連結部(7)における操縦部(5)の下側にセンサ(44)を設け、連結部(7)に加わる作業機(20)の荷重をセンサ(44)で測定し、貯留部(21)の資材が予め設定した所定残量以下になった場合には警報機(15,19)を作動して警告を行う構成としたので、部品点数が削減して、雨水によってセンサ(44)が早期に作動不良になることを防止することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、連結部(7)の左右方向の両側部から後方に向かって延在する左右一対のロワリンク(30)と、連結部(7)の左右方向の中間部から後方に向かって延在するトップリンク(40)を設け、側面視において、トップリンク(40)をロワリンク(30)よりも上側に配置し、排出部(22)を内嵌する支持部材(25)を設け、ロワリンク(30)の後部に支持部材(25)の左右方向の両側部を連結し、トップリンク(40)の後部に支持部材(25)の左右方向の中間部を連結し、トップリンク(40)の前部を左右方向に延在する支軸(41A)の外周部に設けられたステー(41B)に固定された左右方向に延在するピン(41C)に回転自在に連結し、センサ(44)で、作業機(20)の荷重に起因する支軸(41A)のねじり角度(φ)を測定したので、貯留部(21)内に遍在して貯留されている資材の残量を正確に測定することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、センサ(44)とステー(41B)における前側上部を前後方向に延在するロッド(45)で連結し、支軸(41A)の軸心視において、支軸(41A)の軸心とロッド(45)が連結されたステー(41B)の前側上部の径方向の距離を、支軸(41A)の軸心とピン(41C)の軸心の径方向の距離よりも長く設定したので、支軸(41A)のねじり角度(φ)による変位量を拡大させて貯留部(21)内の資材の残量をより正確に測定することができる。また、支軸(41A)に加わるねじりモーメントが過度に大きくなるのも防止することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明による効果に加えて、平面視において、センサ(44)は、排出部(22)の回転軸(23)にエンジンの出力回転を伝動するPTO軸(6)よりも前方に設けられたので、操縦部(5)で直射日光や雨水を遮ってセンサ(44)が早期に作動不良になることをより防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】作業機を牽引した作業車両の左側面図である。
図2】作業車両の連結部の斜視図である。
図3】作業車両の連結部の左側面図である。
図4】作業車両の連結部の一部を断面した左側面図である。
図5】作業車両の連結部の平面図である。
図6】コントローラの接続図である。
図7】作業機内の資材の残量検出方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、トラクタ等の作業車両は、機体フレーム1の下側の前部に左右一対の前輪2が設けられ、後部に左右一対の後輪3が設けられている。また、機体フレーム1の上側の前部にエンジンを搭載するボンネット4が設けられ、ボンネット4の後側に作業者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0016】
操縦部5の下側後部には、エンジンの出力回転が伝動されるPTO軸6と、肥料等の資材を圃場に散布するブロードキャスタ20を連結する連結部7が設けられている。
【0017】
操縦部5の前部には、前輪2を操舵するステアリングホイール10が設けられ、ステアリングホイール10のステアリングシャフトはステアリングコラム11に支持されている。また、ステアリングホイール10の前側のフロントパネルにはエンジンの出力回転等を表示するタッチパネル式のモニタ(請求項の「警報機」)15や後述する角度センサ(請求項の「センサ」)44の測定値を読取る読取スイッチ16等が設けられている。
【0018】
ブロードキャスタ20は、資材を貯留する略逆円錐形の貯留部21と、貯留部21の下部に形成された略円筒形の排出部22から形成され、排出部22の上下方向の中間部には、前後方向に延在する回転軸23が設けられている。また、PTO軸6と回転軸23はユニバーサルジョイント等の継手(図示省略)で連結され、回転軸23には排出部22の排出口を開閉操作する円状の部材が支持されている。これにより、回転軸23を所定の回転速度で回転させて貯留部21内の資材を圃場に散布することができる。
【0019】
排出部22は矩形状の支持部材25に内嵌されており、支持部材25の左右方向の両側には左右一対のアーム26が設けられている。アーム26は、前部から後上がり傾斜に形成された上部と、前部から後方に向かって延在する後部から形成されている。
【0020】
アーム26の前部には、下方に向かって延在するステー27が設けられ、左右一対のステー27における下側前部は、左右方向に延在するロッド27Aで連結されている。
【0021】
左右一対のアーム26の上部の中間部には、上方前側に向かって延在する脚部28が設けられている。左右一対の脚部28の上部には、下方前側に向かって延在するステー29が設けられ、ステー29の下部は、左右方向に延在するロッド29Aで連結されている。
【0022】
図2~5に示すように、作業車両の連結部7は、左右一対の後方に向かって延在するロワリンク30と、ロワリンク30の上方に設けられ、後方に向かって延在するトップリンク40から形成される。
【0023】
ロワリンク30の後端にはフック30Aが設けられ、左側のロワリンク30のフック30Aにはロッド27Aの左部が連結され、右側のロワリンク30のフック30Aにはロッド27Aの右部が連結されている。また、トップリンク40の後端にはフック40Aが設けられ、フック40Aにはロッド29Aが連結されている。これにより、作業車両の後部にブロードキャスタ20を連結して牽引することができる。
【0024】
ロワリンク30の前部は、機体フレーム1に設けられた左右方向に延在する支軸31に回転自在に連結され、ロワリンク30の前後方向の中間部には、ロッド32の下部が回転自在に連結されている。
【0025】
ロッド32の上部は、上部アーム33の後部に設けられた左右方向に延在する支軸333Aに回転自在に連結されている。上部アーム33の前後方向の中間部と機体フレーム1は昇降シリンダ34で連結されている。また、上部アーム33の前部は、左右方向に延在する支軸(図示省略)に回転自在に連結されている。
【0026】
昇降シリンダ34のロッドをロッド側に移動させた場合には、上部アーム33の中間部が上昇して、ロッド32を介してロワリンク30のフック30Aが上昇し、昇降シリンダ34のロッドをヘッド側に移動させた場合には、上部アーム33の中間部が下降して、ロッド32を介してロワリンク30のフック30Aが下降する。これにより、作業車両の走行開始前に昇降シリンダ34を操作してブロードキャスタ20を圃場面から最適な位置に移動させて、圃場面に資材を効率良く散布することができる。
【0027】
トップリンク40の前部は、連結部41の左右方向に延在するピン41Cに回転自在に連結されている。連結部41は、機体フレーム1に設けられた支持部材42に固定された左右方向に延在する支軸41Aと、支軸41Aの中間部に立設された左右一対の矩形状のステー41Bと、ステー41Bにおける後側下部に設けられた左右方向に延在するピン41Cから形成されている。これにより、トップリンク40のフック40Aに加わるブロードキャスタ20の荷重に起因するねじりモーメントが支軸41Aに加わり、支軸41Aにブロードキャスタ20の荷重に相関、すなわち、ブロードキャスタ20の荷重が大きいと大きなねじり角度φが発生し、ブロードキャスタ20の荷重が小さいと小さいねじり角度φが発生する。
【0028】
機体フレーム1に設けられた支持部材43の上部には、ポテンションメータ等の角度センサ44が設けられている。角度センサ44とステー41Bにおける前側上部は、細径はロッド45で連結されている。これにより、支軸41Aに発生したねじり角度φをステー41Bを介して角度センサ44で測定することができる。また、角度センサ44とコントローラ50の配策も容易に行うことができる。
【0029】
側面視において、ステー41Bは上下方向の長さが前後方向の長さよりも長く、すなわち、支軸41Aの軸心とロッド45の後部を連結する部位の離間距離を、支軸41Aの軸心とピン41Cの軸心の離間距離よりも長く形成している。これにより、支軸41Aに発生したねじり角度φによる変化量を拡大させて角度センサ44で測定することができる。また、支軸41Aに加わるねじりモーメントが過度に大きくなるのを防止することができる。
【0030】
<コントローラ>
図6に示すように、操縦部5に設けられたコントローラ50は、CPU等からなる処理部51と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部52から形成されている。
【0031】
処理部51は、後述する警報ねじり角度φ3を算出や角度センサ44で測定されたねじり角度φと警報ねじり角度φ3を比較してねじり角度φが警報ねじり角度φ3以下になった場合に操縦部5に設けられた警報ブザー(請求項の「警報機」)19を鳴らして警報等を行う。
【0032】
記憶部52は、角度センサ44で測定された貯留部21内の資材が空のブロードキャスタ(請求項の「作業機」)20に起因する第1ねじり角度φ1と、貯留部21内の資材が満杯のブロードキャスタ20に起因する第2ねじり角度φ2と、第1ねじり角度φ1と第2ねじり角度φ2等から算出された警報ねじり角度φ3等の情報が保存されている。
【0033】
警報ねじり角度φ3は、以下の式で算出される。
警報ねじり角度φ3=第1ねじり角度φ1+(第2ねじり角度φ2-第1ねじり角度φ1)×設定係数K
【0034】
設定係数Kは、圃場の広さや資材の種類に応じて0.1~0.5の範囲で設定するのが好ましい。なお、設定係数Kを0.1にして算出した警報ねじり角度φ3は貯留部21内の資材の残量が10%になった場合に対応し、設定係数Kを0.5にして算出した警報ねじり角度φ3は貯留部21内の資材の残量が50%になった場合に対応する。
【0035】
コントローラ50の入力側には、角度センサ44の測定値を読込む読取スイッチ16と、モニタ15で入力された設定係数Kを読込む設定スイッチ17と、角度センサ44の測定値を常時読込む開始スイッチ18と、ロッド29Aのねじり角度φを測定する角度センサ44が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
【0036】
コントローラ50の出力側には、貯留部21内の資材の残量が少なくなっていることを作業者に警告するモニタ15と警報ブザー19が所定のインターフェース回路を介して接続されている。
【0037】
<資材の残量検出方法>
図7に示すように、ブロードキャスタ20の貯留部21に資材が充填される前、すなわち、貯留部21内の資材が空の状態であるステップS1で、コントローラ50の処理部51は読取スイッチ16が押下されたか否が判断する。読取スイッチ16が押下された場合にはステップS2に進み、読取スイッチ16が押下されていない場合にはステップS1を繰返す。なお、予め読取スイッチ16が押下された第1押下時間を設定することもできる。
【0038】
ステップS2で、処理部51は角度センサ44からの入力値である第1ねじり角度φ1を読取って記憶部52に保存して、ステップS3に進む。
【0039】
貯留部21に資材が充填されて貯留部21が資材で満杯になった状態であるステップS3で、コントローラ50の処理部51は読取スイッチ16が押下されたか否が判断する。読取スイッチ16が押下された場合にはステップS4に進み、読取スイッチ16が押下されていない場合にはステップS3を繰返す。なお、予め読取スイッチ16が押下された第2押下時間を設定することもでき、第2設定時間を第1設定時間よりも長い時間に設定するのが好ましい。
【0040】
ステップS4で、処理部51は角度センサ44からの入力値である第2ねじり角度φ2を読取って記憶部52に保存して、ステップS5に進む。
【0041】
ステップS5で、処理部51は設定スイッチ17が押下されたか否が判断する。設定スイッチ17が押下された場合にはステップS6に進み、設定スイッチ17が押下されていない場合にはステップS5を繰返す。
【0042】
ステップS6で、処理部51はモニタ15からの入力値である設定係数Kを読取って記憶部52に保存して、ステップS7に進む。
【0043】
ステップS7で、処理部51は記憶部52から保存された第1ねじり角度φ1と、第2ねじり角度φ2と、設定係数Kを読出して、警報ねじり角度φ3を算出してステップS8に進む。これにより、圃場の広さや資材の種類に応じて警報ねじり角度φ3、すなわち、貯留部21内の資材の残量を設定することができる。
【0044】
なお、警報ねじり角度φ3は以下の式で算出される。
警報ねじり角度φ3=第1ねじり角度φ1+(第2ねじり角度φ2-第1ねじり角度φ1)×設定係数K
【0045】
ステップS8で、処理部51は開始スイッチ18が押下されたか否が判断する。開始スイッチ18が押下された場合にはステップS9に進み、開始スイッチ18が押下されていない場合にはステップS8を繰返す。
【0046】
ステップS9で、処理部51は角度センサ44からの入力値であるねじり角度φを読取ってステップS10に進む。
【0047】
ステップS10で、処理部51はねじり角度φと警報ねじり角度φ3を比較して、ねじり角度φが警報ねじり角度φ3以下の場合、すなわち、貯留部21に貯留された資材の残量が予め設定した残量以下の場合にはステップS11に進み、ねじり角度φが警報ねじり角度φ3よりも大きい場合にはステップS9に戻る。
【0048】
ステップS11で、処理部51はモニタ15に資材の残量が設定した所定の残量以下になっていうことを警告表示してステップS12に進む。これにより、作業者に貯留部21内の資材の残量が少なくなっていることを警告して、資材の充填場所への作業車両の移動を促すことができる。
【0049】
ステップS12で、処理部51は警報ブザー19を操作して警報を鳴らす。これにより、作業者に貯留部21内の資材の残量が少なくなっていることを警告して、資材の充填場所への作業車両の移動をより促すことができる。なお、作業者は、モニタ15の警告表示と警報ブザー19の警報を停止した後に、作業車両を資材充填場所に移動させて貯留部21に資材を充填させて散布作業を再開する。
【符号の説明】
【0050】
5 操縦部
6 PTO軸
7 連結部
15 モニタ(警報機)
19 警報ブザー(警報機)
20 ブロードキャスタ(作業機)
21 貯留部
22 排出部
25 支持部材
30 ロワリンク
40 トップリンク
41A 支軸
41B ステー
41C ピン
44 角度センサ(センサ)
45 ロッド
φ ねじり角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7