(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172717
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】外装体の連結構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/90 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E04B2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090615
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 祥
(72)【発明者】
【氏名】西本 豊
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB01
2E002NB02
2E002NB03
2E002PA08
2E002PA09
2E002XA16
(57)【要約】
【課題】外装体の横材を一対の縦部からの落下を防止しつつ上下方向に簡単に移動させる。
【解決手段】上下方向に延びる一対の縦部9に横材20が架設されて、横材20が設置位置F1に設置される。縦部9は、設置位置F1と設置位置F1から上下方向に離隔した移動位置とに移動する横材20をガイドするガイド40を有する。横材20は、ガイド40に連結される突起61と、縦部9に固定される固定部62を有する。ガイド40は、突起61をガイドして横材20を設置位置F1と移動位置とに移動させるガイド溝部41を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられて上下方向に延びる一対の縦部に横材が架設されて、前記横材が設置位置に設置される外装体の連結構造であって、
前記縦部は、前記設置位置と前記設置位置から上下方向に離隔した移動位置とに移動する前記横材をガイドするガイドを有し、
前記横材は、前記ガイドに連結される突起と、前記縦部に固定される固定部と、を有し、
前記ガイドは、前記突起をガイドして前記横材を前記設置位置と前記移動位置とに移動させるガイド溝部を有する外装体の連結構造。
【請求項2】
請求項1に記載された外装体の連結構造において、
前記ガイド溝部は、前記横材が前記設置位置に配置される位置に前記突起を保持する第1保持部と、前記横材が前記移動位置に配置される位置に前記突起を保持する第2保持部と、前記突起を前記第1保持部と前記第2保持部の間で移動させる移動部と、を有する外装体の連結構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された外装体の連結構造において、
前記一対の縦部は、前記建物に設けられるカーテンウォールユニットの一対の縦枠である外装体の連結構造。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された外装体の連結構造において、
前記横材は、前記一対の縦部の間で延びる本体部と、前記本体部の端部に取り付けられて前記本体部を前記縦部に連結する連結材と、を有し、
前記突起と前記固定部は、前記連結材に設けられた外装体の連結構造。
【請求項5】
請求項4に記載された外装体の連結構造において、
前記固定部は、前記本体部の屋内側に位置し、
前記縦部は、前記固定部の屋内側に位置して前記固定部が固定される被固定部を有する外装体の連結構造。
【請求項6】
請求項1又は2に記載された外装体の連結構造において、
上下方向に隣り合わせて設置された複数の前記横材を備えた外装体の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設けられて、一対の縦部の間に横材が架設された外装体の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の縦部と横材を備えた建物の外装体として、ルーバー部を備えたカーテンウォールユニットが知られている。カーテンウォールユニットは、縦部である一対の縦枠と、一対の縦枠に架設された複数の横材を備えている。複数の横材は、上下方向に間隔をあけて設置されたルーバー羽根であり、カーテンウォールユニットのルーバー部を構成する。また、外装体として、従来、ルーバー羽根の両端部にビス止めされた小口フタと、縦部である左右の方立を備えた建物用外壁ルーバーが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の建物用外壁ルーバーでは、小口フタの室内側部分をネジにより方立に固定して、小口フタを方立により支持している。ところが、建物用外壁ルーバーの箇所にメンテナンス用の通過口を形成するとき等、ルーバー羽根を移動させる必要が生じたときには、ネジを外して、小口フタ及びルーバー羽根を方立から取り外す必要がある。そのため、従来の建物用外壁ルーバーでは、ルーバー羽根の移動作業に手間がかかる。また、ルーバー羽根の移動時には、ルーバー羽根を落下させないように注意しつつ移動させる必要もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、外装体の横材を一対の縦部からの落下を防止しつつ上下方向に簡単に移動させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
建物に設けられて上下方向に延びる一対の縦部に横材が架設されて、前記横材が設置位置に設置される外装体の連結構造であって、
前記縦部は、前記設置位置と前記設置位置から上下方向に離隔した移動位置とに移動する前記横材をガイドするガイドを有し、
前記横材は、前記ガイドに連結される突起と、前記縦部に固定される固定部と、を有し、
前記ガイドは、前記突起をガイドして前記横材を前記設置位置と前記移動位置とに移動させるガイド溝部を有する外装体の連結構造である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外装体の横材を一対の縦部からの落下を防止しつつ上下方向に簡単に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のカーテンウォールを示す正面図である。
【
図2】本実施形態のカーテンウォールを示す縦断面図である。
【
図3】本実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図4】本実施形態のカーテンウォールユニットを示す正面図である。
【
図5】本実施形態のカーテンウォールユニットのルーバー部を示す縦断面図である。
【
図6】本実施形態のカーテンウォールユニットのルーバー部において複数の可動ルーバー羽根が移動した状態を示す縦断面図である。
【
図7】本実施形態のカーテンウォールユニットのルーバー部を示す横断面図である。
【
図8】本実施形態の縦部と横材を示す斜視図である。
【
図10】本実施形態の縦部のガイドを示す図である。
【
図11】本実施形態の上下の横材を移動させる途中段階を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の外装体の連結構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の外装体は、建物に設けられる建物用の外装体であり、建物に外装されて建物の一部を構成する。以下では、外装体がカーテンウォールユニットである場合を例にとり、本実施形態の外装体の連結構造について説明する。外装体及びカーテンウォールユニットは、建物のカーテンウォールに用いられて、建物の外壁に設置(外装)される。また、複数のカーテンウォールユニットは、互いに組み合わされて、カーテンウォールの一部を構成する。外装体、外装体の連結構造、カーテンウォールユニット、及び、カーテンウォールは、建物の外壁で、建物の屋内(室内)と屋外(室外)の間に設置される。
【0010】
図1は、本実施形態のカーテンウォール1を示す正面図であり、建物10に設置されたカーテンウォール1の一部及びカーテンウォールユニット2、3A~3Gを屋外側からみて示している。
図2は、本実施形態のカーテンウォール1を示す縦断面図であり、上下方向Rと屋内外方向Tを含む面で切断したカーテンウォール1と建物10の一部を示している。
図3は、本実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図であり、左右方向Sと屋内外方向Tを含む面で切断したカーテンウォール1を示している。
【0011】
なお、建物10に設置したカーテンウォール1、カーテンウォールユニット2、3A~3G、及び、外装体の連結構造を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向Rであり、左右となる方向が左右方向Sである。
図1では、上下方向Rは鉛直方向であり、左右方向Sは水平方向である。屋内外方向Tは、建物10に設置したカーテンウォール1、カーテンウォールユニット2、3A~3G、及び、外装体の連結構造における屋内外方向(室内外方向)である。また、屋内外方向Tは、建物10に設置したカーテンウォール1、カーテンウォールユニット2、3A~3G、及び、外装体の連結構造を正面からみたときに、前後となる方向(奥行方向)であり、
図1では、左右方向Sに直交する水平方向である。このように、カーテンウォール1、カーテンウォールユニット2、3A~3G、及び、外装体の連結構造に関する方向は、建物10に設置した状態での方向で特定する。また、カーテンウォール1、カーテンウォールユニット2、3A~3G、及び、外装体の連結構造に関して屋内側、屋外側とは、建物10に設置した状態での屋内側、屋外側である。
【0012】
図示のように、建物10は、カーテンウォール1と躯体11を備えている。また、カーテンウォール1は、建物10に並べて設置される複数のカーテンウォールユニット2、3A~3Gを備えている。カーテンウォールユニット2、3A~3Gは、カーテンウォール1を構成するユニットであり、建物10への設置前に、予め組み立てられる。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2、3A~3Gは、建物10の躯体11の屋外側に配置されて、建物10の躯体11に取り付けられている。
【0013】
カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2、3A~3Gは、建物10の外壁12の箇所に設置されて、建物10の外壁12を構成している。その状態で、カーテンウォールユニット2、3A~3Gは、上下方向Rと左右方向Sに並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2、3A~3Gと互いに組み合わされている。
【0014】
ここでは、カーテンウォール1は、本実施形態のカーテンウォールユニット2を含む複数種類のカーテンウォールユニット2、3A~3Gを備えている。また、カーテンウォールユニット2は、建物10の屋内側スペース13と屋外側スペース14の間に設置されている。建物10の屋内側スペース13は、建物10におけるカーテンウォールユニット2の屋内側の箇所であり、例えば、エアコンの室外機が置かれる屋内のバルコニーである。建物10の屋外側スペース14は、建物10におけるカーテンウォールユニット2の屋外側の箇所であり、例えば、植栽が設けられる屋外の装飾スペースである。
【0015】
図4は、本実施形態のカーテンウォールユニット2を示す正面図であり、カーテンウォールユニット2の一部の記載を省略して、屋外側からみたカーテンウォールユニット2の概略構成を示している。
図示のように、カーテンウォールユニット2は、上下方向Rにおいて隣り合うルーバー部2A及び封鎖部2Bと、ルーバー部2Aの開口部4A及び封鎖部2Bの開口部4Bを区画する枠体4を備えている。ルーバー部2Aと封鎖部2Bは、上下に並べてカーテンウォールユニット2に設けられている。
【0016】
ルーバー部2Aは、カーテンウォールユニット2の通気部であるルーバーの部分であり、カーテンウォールユニット2の上下方向Rにおける一方側に設けられている。ルーバー部2Aは、屋内外方向Tの両方向に通気させるとともに、屋内側の箇所(屋内側スペース13)と屋外側の箇所(屋外側スペース14)の間で通気させる。封鎖部2Bは、カーテンウォールユニット2の非通気部である封鎖された部分であり、カーテンウォールユニット2の上下方向Rにおける他方側に設けられている。ここでは、ルーバー部2Aは、カーテンウォールユニット2の下側部分であり、封鎖部2Bの下側に位置している。また、封鎖部2Bは、カーテンウォールユニット2の上側部分であり、ルーバー部2Aの上側に位置している。
【0017】
枠体4は、方形状の開口枠であり、カーテンウォールユニット2のルーバー部2A及び封鎖部2Bに設けられている。また、枠体4は、建物10の躯体11の屋外側に配置されて、建物10の躯体11に取り付けられている。枠体4は、ルーバー部2Aに開口部4Aを形成するとともに、封鎖部2Bに開口部4Bを形成している。ルーバー部2Aの開口部4Aは、枠体4の下側開口部であり、封鎖部2Bの開口部4Bの下側に位置している。封鎖部2Bの開口部4Bは、枠体4の上側開口部であり、ルーバー部2Aの開口部4Aの上側に位置している。
【0018】
枠体4は、互いに組み合わされた4つの枠5~7(上枠5、下枠6、一対の縦枠7)と無目8を有し、枠5~7と無目8により、方形状の開口部4A、4Bを形成している。枠体4の枠5~7と無目8は、枠体4を構成する枠構成材であり、それぞれ押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。上枠5、下枠6、及び、無目8は、横方向(左右方向S)に延び、一対の縦枠7は、縦方向(上下方向R)に延びる。上枠5と下枠6は、枠体4の上部と下部に位置し、一対の縦枠7は、枠体4の左右の側部に位置している。上枠5、下枠6、及び、一対の縦枠7の端部同士が接続されて、枠5~7が枠組みされている。
【0019】
無目8は、枠体4の上下方向Rにおける中間に位置する中横枠であり、上枠5と下枠6の間に位置して、一対の縦枠7に接続されている。無目8は、一対の縦枠7に架設されて、枠体4の内側(開口部4A、4B)を上下に区画している。ルーバー部2A及び開口部4Aは、枠体4の下枠6、一対の縦枠7、及び、無目8により区画され、開口部4Aは、枠体4の下枠6、一対の縦枠7、及び、無目8により囲まれている。封鎖部2B及び開口部4Bは、枠体4の上枠5、一対の縦枠7、及び、無目8により区画され、開口部4Bは、枠体4の上枠5、一対の縦枠7、及び、無目8により囲まれている。
【0020】
カーテンウォールユニット2は、ルーバー部2Aに設けられた複数のルーバー羽根2C、2Dと、封鎖部2Bに設けられたパネル体2Eを備えている。パネル体2Eは、方形状のガラスパネル体(例えば、合わせガラス、板ガラス、又は、複層ガラス)であり、枠体4の封鎖部2Bの開口部4Bに配置されて、枠体4に保持されている。また、パネル体2Eは、固定パネル体であり、開口部4Bに固定されて、開口部4Bを封鎖している。
【0021】
ルーバー部2Aの複数のルーバー羽根2C、2Dは、枠体4のルーバー部2Aの開口部4Aに配置されて、無目8と下枠6の間に位置している。また、ルーバー羽根2C、2Dは、一対の縦枠7の間で横方向(左右方向S)に延び、一対の縦枠7に接続されている。ルーバー羽根2C、2Dは、一対の縦枠7に架設され、上下方向R(縦枠7の長手方向)において、互いに間隔をあけて、並列して配置されている。ルーバー羽根2C、2Dは、上下方向Rに互いに離隔して、ルーバー部2Aの開口部4Aを上下方向Rに区画し、開口部4A及びルーバー部2Aに複数の空気通路2Fを形成している。
【0022】
空気通路2Fは、最上部のルーバー羽根2Cと無目8の間、上下方向Rに隣り合うルーバー羽根2C、2Dの間、及び、最下部のルーバー羽根2Dと下枠6の間に形成されている。複数の空気通路2Fは、それぞれルーバー部2Aを屋内外方向Tに貫通して、ルーバー部2Aの屋内側(屋内側スペース13)と屋外側(屋外側スペース14)に向かって開放されている。ルーバー部2Aは、空気通路2Fにより、屋内側と屋外側との間で通気させる。
【0023】
ルーバー部2Aの複数のルーバー羽根2C、2Dのうち、上側の複数(ここでは、3つ)のルーバー羽根2Cは、一対の縦枠7及び開口部4Aに固定された固定ルーバー羽根2Cであり、下側の複数(ここでは、2つ)のルーバー羽根2Dは、開口部4Aで上下方向Rに移動可能な可動ルーバー羽根2Dである。固定ルーバー羽根2Cは、左右方向Sに延びるガラス製の本体部を含むガラスルーバー羽根であり、可動ルーバー羽根2Dは、左右方向Sに延びる金属製(例えば、アルミニウム合金製)の本体部を含む金属ルーバー羽根である。固定ルーバー羽根2Cは、上下方向Rにおいて、可動ルーバー羽根2Dの上側、及び、可動ルーバー羽根2Dと無目8の間に位置している。可動ルーバー羽根2Dは、上下方向Rにおいて、固定ルーバー羽根2Cの下側、及び、固定ルーバー羽根2Cと下枠6の間に位置している。
【0024】
図5は、本実施形態のカーテンウォールユニット2のルーバー部2Aを示す縦断面図であり、
図4のX1-X1線で切断したカーテンウォールユニット2を示している。
図6は、本実施形態のカーテンウォールユニット2のルーバー部2Aにおいて複数の可動ルーバー羽根2Dが移動した状態を示す縦断面図である。
図7は、本実施形態のカーテンウォールユニット2のルーバー部2Aを示す横断面図であり、
図4のX2-X2線で切断したカーテンウォールユニット2を示している。
【0025】
図示のように、カーテンウォールユニット2は、建物10の外装体15である。外装体15は、一対の縦部9と、一対の縦部9の間に設置される横材20を備えている。一対の縦部9は、建物10に設けられるカーテンウォールユニット2の一対の縦枠7であり、横材20は、カーテンウォールユニット2のルーバー部2Aの可動ルーバー羽根2Dである。外装体15は、上下方向R(縦部9の長手方向)に隣り合わせて設置された複数(ここでは、2つ)の横材20を備え、一対の縦部9と複数の横材20により、ルーバー部2Aを構成している。
【0026】
外装体15の一対の縦部9(縦枠7)は、建物10に設けられて、上下方向Rに延びる。また、一対の縦部9は、左右方向Sにおいて、互いに離隔して設けられて、互いの間に外装体15の開口部及び建物10の開口部であるカーテンウォールユニット2の開口部4Aを形成する。外装体15の横材20(可動ルーバー羽根2D)は、開口部4Aに設けられる移動可能な可動材であり、一対の縦部9に架設されて、一対の縦部9の間の設置位置F1、G1(
図5参照)に設置される。一対の縦部9は、左右方向Sにおいて、互いの間に開口部4A及び横材20を挟んで相対する。
【0027】
複数の横材20は、一対の縦部9の間(開口部4A)で、それぞれの設置位置F1、G1に設置されて、それぞれの移動位置F2、G2(
図6参照)に移動する。設置位置F1、G1と移動位置F2、G2は、上下方向Rにおける互いに異なる位置であり、上下方向Rに離隔する。また、設置位置F1、G1は、上下方向Rにおける横材20の第1架設位置であり、移動位置F2、G2は、上下方向Rにおける横材20の第2架設位置である。ここでは、設置位置F1、G1は、移動位置F2、G2よりも下方の下方位置であり、移動位置F2、G2は、設置位置F1、G1よりも上方の上方位置である。
【0028】
複数の横材20(ここでは、上下の横材20)は、上下方向Rにおける互いの位置関係を維持しつつ、それぞれ設置位置F1、G1と移動位置F2、G2の間で移動して、設置位置F1、G1と移動位置F2、G2に配置される。また、上下の横材20のうちの上の横材20は、設置位置F1と移動位置F2とに移動して、設置位置F1と移動位置F2のそれぞれで、一対の縦部9に架設される。上下の横材20のうちの下の横材20は、設置位置G1と移動位置G2とに移動して、設置位置G1と移動位置G2のそれぞれで、一対の縦部9に架設される。
【0029】
設置位置F1、G1は、通常時に横材20が設置される位置(通常位置)であり、移動位置F2、G2は、横材20を設置位置F1、G1から移動させるときの横材20の移動先の位置(移動先位置)である。また、移動位置F2、G2は、横材20を設置位置F1、G1から一時的に移動させるときに横材20を仮置きする位置(仮置き位置)であり、設置位置F1、G1から上方に離隔する。横材20は、設置位置F1、G1から上方に向かって移動位置F2、G2まで移動して、移動位置F2、G2に仮置きされる。仮置き後に、横材20は、移動位置F2、G2から下方に向かって設置位置F1、G1まで移動して、設置位置F1、G1に再び設置される。
【0030】
ここでは、移動位置F2、G2は、外装体15に通過口を形成する際に横材20を移動させる位置(通過口形成位置)である。横材20の設置位置F1、G1から移動位置F2、G2への移動により、外装体15における横材20の移動前の箇所に、屋内外方向Tに貫通する通過口が形成される。建物10の屋外側スペース14におけるメンテナンス時(例えば、屋外側スペース14の植栽のメンテナンス時)等に、外装体15に通過口(例えば、人又は物の通過口)を形成する。通過口により、外装体15の屋内側(屋内側スペース13)から屋外側(屋外側スペース14)への通過、及び、外装体15の屋外側(屋外側スペース14)から屋内側(屋内側スペース13)への通過が可能となる。通過口は、移動後の横材20(下の横材20)と下枠6の間に形成される。
【0031】
一対の縦部9のそれぞれは、上下方向Rに延びる縦部本体30と、横材20の移動をガイドするガイド40(
図5、
図6では、二点鎖線で示す)と、横材20が着脱可能に固定される複数の被固定部50~53を有している。縦部本体30は、縦部9及び縦枠7の本体を構成する縦本体材であり、縦部9の見込み方向(屋内外方向T)に沿って配置されて、開口部4Aに面する。ガイド40は、縦部本体30に取り付けられたガイド材であり、横材20のガイド用の溝であるガイド溝部41を有している。例えば、レーザー加工等の溝加工により、ガイド溝部41を板材に形成して、ガイド溝部41を含む板状のガイド40を制作する。
【0032】
ガイド40及びガイド溝部41は、縦部本体30の開口部4A側(横材20側)に位置して、横材20の上下方向Rにおける移動領域の全体にわたって設けられている。ガイド溝部41は、ガイド40に凹状に形成されて、開口部4A側に向かって開放されている。横材20は、一対の縦部9のガイド40の間に配置されて、一対の縦部9のガイド40(ガイド溝部41)によりガイドされつつ、設置位置F1、G1と設置位置F1、G1から上下方向Rに離隔した移動位置F2、G2とに移動する。ガイド40は、ガイド溝部41により、設置位置F1、G1と移動位置F2、G2とに移動する横材20をガイドする。
【0033】
横材20は、ガイド溝部41に沿って移動して、ガイド溝部41及びガイド40により、設置位置F1、G1と移動位置F2、G2の間でガイドされる。ガイド40は、1つ又は複数(ここでは、2つ)のガイド溝部41により、横材20を設置位置F1、G1と移動位置F2、G2とにガイドして、横材20をガイド溝部41に沿って設置位置F1、G1と移動位置F2、G2とに移動させる。複数のガイド溝部41は、屋内外方向Tに互いに離隔した状態で、並列して形成されている。ワイヤー31(
図5、
図6では、二点鎖線で示す)が横材20と縦部9に取り付けられて、ワイヤー31により、横材20の縦部9からの落下が防止されている。
【0034】
被固定部50~53は、縦部9に設けられた被固定材であり、縦部本体30から開口部4A側に向かって突出して、左右方向Sに沿って配置されている。また、被固定部50~53は、縦部本体30に取り付けられたブラケットであり、複数の設置位置F1、G1と複数の移動位置F2、G2のそれぞれに対応して、縦部9の上下方向Rにおける複数箇所に設けられている。複数の被固定部50~53は、上下方向Rに間隔をあけて縦部9に設けられて、上下方向Rに互いに離隔する。
【0035】
設置位置F1、G1と移動位置F2、G2のそれぞれで、被固定部50~53は、ガイド40及び横材20の屋内側に位置し、横材20は、被固定部50~53のそれぞれの屋外側に配置される。横材20は、設置位置F1、G1と移動位置F2、G2のそれぞれで、固定具54により、被固定部50~53に固定されるとともに、被固定部50~53を介して縦部9に固定される。ここでは、固定具54は、ボルトとナットであり、横材20を被固定部50~53及び縦部9に着脱可能に固定する。
【0036】
横材20は、左右方向Sに延びる本体部21と、本体部21を一対の縦部9のそれぞれに連結する一対の連結材60を有している。また、横材20は、一対の連結材60のそれぞれに設けられた突起61及び固定部62を有している。突起61と固定部62は、横材20の両側の端部に設けられており、横材20の端部は、突起61と固定部62により、縦部9に連結されている。横材20の端部は、横材20の長手方向(左右方向S)における端部であり、横材20の長手方向における両端に位置している。ここでは、横材20の端部は、連結材60であり、連結材60及び横材20の端部は、突起61と固定部62により、縦部9のガイド40及び被固定部50~53に連結されている。
【0037】
本体部21は、横材20及び可動ルーバー羽根2Dの本体を構成する中空状の横本体材であり、一対の縦部9に架設されて、一対の縦部9の間で延びる。本体部21の端部22は、横材20の長手方向における本体部21の端部であり、横材20の長手方向における本体部21の両端に位置している。連結材60は、本体部21の端部22に取り付けられて、本体部21を縦部9に連結している。本体部21及び横材20は、連結材60の突起61及び固定部62を介して、縦部9に保持される。
【0038】
連結材60は、ネジ23により、本体部21の両側(縦部9側)の端部22のそれぞれに取り付けられて、突起61と固定部62により、本体部21の端部22及び本体部21を縦部9のガイド40及び被固定部50~53に連結している。一対の連結材60により、本体部21の両側の端部22及び本体部21が一対の縦部9に連結されている。連結材60の1つ又は複数(ここでは、2つ)の突起61は、横材20の長手方向における外側に向かって突出して、ガイド40に連結されている。
【0039】
複数の突起61は、屋内外方向Tに互いに離隔し、左右方向Sにおいて、ガイド40及び縦部9に向かって突出して、それぞれガイド40のガイド溝部41に挿入される。突起61は、それぞれガイド溝部41の内部に配置されて、ガイド溝部41及びガイド40に移動可能に連結され、ガイド40のガイド溝部41により保持される。その状態で、ガイド40のガイド溝部41は、突起61と連結された状態を維持しつつ、突起61をガイドして、横材20を設置位置F1、G1と移動位置F2、G2とに移動させる。
【0040】
連結材60の固定部62は、本体部21の屋内側に位置し、本体部21から屋内側に離隔して、左右方向Sに沿って配置されている。また、固定部62は、縦部9の被固定部50~53の屋外側に位置し、被固定部50~53は、固定部62の屋内側に位置している。固定部62は、本体部21と被固定部50~53の間で、被固定部50~53に屋外側から当接して、被固定部50~53に沿って配置されている。設置位置F1、G1と移動位置F2、G2のそれぞれで、固定部62は、固定具54により、被固定部50~53に着脱可能に固定されるとともに、被固定部50~53を介して、縦部9に着脱可能に固定される。固定具54を外すことで、固定部62の被固定部50~53への固定、及び、固定部62の縦部9への固定が解除される。
【0041】
図8は、本実施形態の縦部9と横材20を示す斜視図であり、一対の縦部9のうちの一方の縦部9の一部、及び、連結材60を含む横材20の一部を示している。
図9は、本実施形態の横材20を示す斜視図であり、
図8に示す横材20を
図8とは異なる方向からみて示している。
図示のように、横材20の連結材60は、突起61、固定部62、蓋部63、及び、張出部64を有している。蓋部63は、本体部21の端部22の縦部9側で、端部22の小口に装着され、端部22の小口を覆って、端部22の小口を塞ぐ。その状態で、蓋部63は、複数のネジ23により、本体部21の端部22に取り付けられている。
【0042】
張出部64は、蓋部63及び本体部21から屋内側に向かって張り出して、蓋部63と固定部62の間、及び、本体部21と固定部62の間に位置している。蓋部63と張出部64は、縦部9のガイド40に沿って配置される。突起61は、張出部64に取り付けられて、張出部64からガイド40に向かって突出する。固定部62は、張出部64の屋内側の端部に連続して形成されて、張出部64から横材20の長手方向に突出する。
【0043】
横材20の突起61は、ガイド40のガイド溝部41によりガイドされつつ、第1位置F3、G3(
図5参照)と第2位置F4、G4(
図6参照)とに移動する。ガイド40は、ガイド溝部41により、第1位置F3、G3と第2位置F4、G4とに移動する横材20の突起61をガイドする。第1位置F3、G3と第2位置F4、G4は、上下方向Rにおける互いに異なる位置であり、上下方向Rに離隔する。また、第1位置F3、G3は、上下方向Rにおける横材20の突起61の第1保持位置であり、第2位置F4、G4は、上下方向Rにおける横材20の突起61の第2保持位置である。
【0044】
第1位置F3、G3は、横材20が設置位置F1、G1に配置される位置であり、第2位置F4、G4は、横材20が移動位置F2、G2に配置される位置である。ガイド40は、ガイド溝部41により、横材20の突起61を第1位置F3、G3と第2位置F4、G4とにガイドして、横材20の突起61をガイド溝部41に沿って第1位置F3、G3と第2位置F4、G4とに移動させる。横材20の突起61は、ガイド溝部41に沿って移動して、ガイド溝部41及びガイド40により、第1位置F3、G3と第2位置F4、G4の間でガイドされる。
【0045】
ここでは、第1位置F3、G3は、第2位置F4、G4よりも下方の下方位置であり、第2位置F4、G4は、第1位置F3、G3よりも上方の上方位置である。第2位置F4、G4は、第1位置F3、G3から上方に離隔する。横材20の突起61は、第1位置F3、G3から上方に向かって第2位置F4、G4まで移動し、第2位置F4、G4から下方に向かって第1位置F3、G3まで移動する。横材20の突起61が第1位置F3、G3に配置されたときに、横材20が設置位置F1、G1に配置され、横材20の突起61が第2位置F4、G4に配置されたときに、横材20が移動位置F2、G2に配置される。
【0046】
複数の横材20の突起61(ここでは、上下の横材20の突起61)は、上下方向Rにおける互いの位置関係を維持しつつ、それぞれ第1位置F3、G3と第2位置F4、G4の間で移動して、第1位置F3、G3と第2位置F4、G4に配置される。また、上下の横材20のうちの上の横材20の突起61は、第1位置F3と第2位置F4とに移動して、第1位置F3と第2位置F4のそれぞれで、ガイド40のガイド溝部41により保持される。上下の横材20のうちの下の横材20の突起61は、第1位置G3と第2位置G4とに移動して、第1位置G3と第2位置G4のそれぞれで、ガイド40のガイド溝部41により保持される。
【0047】
図10は、本実施形態の縦部9のガイド40を示す図であり、
図5、
図6と同様にガイド40を示している。
図示のように、ガイド40のガイド溝部41は、横材20の突起61を第1位置F3、G3に保持する第1保持部42F、42Gと、横材20の突起61を第2位置F4、G4に保持する第2保持部43F、43Gと、横材20の突起61を第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gの間で移動させる移動部44を有している。第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gは、ガイド溝部41の上下方向Rにおける互いに異なる部分であり、上下方向Rに離隔する。また、第1保持部42F、42Gは、横材20の突起61の第1載置部であり、第2保持部43F、43Gは、横材20の突起61の第2載置部である。
【0048】
横材20の突起61は、上方から第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gのそれぞれに載置されて、第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gのそれぞれにより、下側、屋外側、及び、屋内側への移動が規制される。横材20の突起61は、第1保持部42F、42Gに保持されるとともに、第1保持部42F、42Gにより、第1位置F3、G3に保持される。これにより、横材20は、設置位置F1、G1に配置される。また、横材20の突起61は、第2保持部43F、43Gに保持されるとともに、第2保持部43F、43Gにより、第2位置F4、G4に保持される。これにより、横材20は、移動位置F2、G2に配置される。
【0049】
ここでは、第1保持部42F、42Gは、第2保持部43F、43Gよりも下方の下方保持部であり、第2保持部43F、43Gは、第1保持部42F、42Gよりも上方の上方保持部である。第2保持部43F、43Gは、第1保持部42F、42Gから上方に離隔する。上下の横材20のうちの上の横材20の突起61は、第1保持部42Fと第2保持部43Fとに移動して、第1保持部42Fと第2保持部43Fのそれぞれに保持される。上下の横材20のうちの下の横材20の突起61は、第1保持部42Gと第2保持部43Gとに移動して、第1保持部42Gと第2保持部43Gのそれぞれに保持される。
【0050】
ガイド溝部41の移動部44は、第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gの間に位置して、第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gの間で延びる。横材20の突起61は、第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gの間で移動部44内を移動して、ガイド溝部41の移動部44により、第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gの間でガイドされる。ガイド溝部41は、移動部44により、横材20の突起61を第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gとにガイドして、横材20の突起61を移動部44に沿って第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gとに移動させる。
【0051】
ガイド溝部41の移動部44は、上下方向Rに延びる縦溝部45と、縦溝部45に接続する第1接続部46F、46G及び第2接続部47F、47Gを有している。縦溝部45は、第1接続部46F、46Gと第2接続部47F、47Gの間に位置して、第1接続部46F、46Gと第2接続部47F、47Gに連続して形成されている。第1接続部46F、46Gは、第1保持部42F、42Gと縦溝部45の間に位置し、第1保持部42F、42Gから縦溝部45まで延びる。第2接続部47F、47Gは、第2保持部43F、43Gと縦溝部45の間に位置し、第2保持部43F、43Gから縦溝部45まで延びる。
【0052】
接続部46F、46G、47F、47Gは、それぞれ保持部42F、42G、43F、43Gと縦溝部45の間で屈曲する屈曲形状に形成されており、保持部42F、42G、43F、43Gから縦溝部45に向かってみたときに、保持部42F、42G、43F、43Gから上方に向かって延びて、縦溝部45に向かって屋内外方向Tに屈曲した後、縦溝部45まで屋内外方向Tに延びる。ここでは、接続部46F、46G、47F、47と保持部42F、42G、43F、43Gは、縦溝部45の屋内側に位置している。そのため、接続部46F、46G、47F、47Gは、保持部42F、42G、43F、43Gから上方に向かって延びて、縦溝部45に向かって屋外側に屈曲した後、縦溝部45まで屋外側に延びる。
【0053】
横材20の突起61は、第1接続部46F、46Gに沿って第1保持部42F、42Gと縦溝部45とに移動し、第2接続部47F、47Gに沿って第2保持部43F、43Gと縦溝部45とに移動する。また、横材20の突起61は、縦溝部45に沿って第1接続部46F、46Gと第2接続部47F、47Gとに移動する。横材20の突起61は、移動部44の縦溝部45、第1接続部46F、46G、及び、第2接続部47F、47Gによりガイドされて、第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gとに移動する。
【0054】
図11は、本実施形態の上下の横材20を移動させる途中段階を示す縦断面図である。
図5、
図6、及び、
図11に示すように、上下の横材20を設置位置F1、G1から移動位置F2、G2まで移動させるときには、まず、上の横材20の固定部62を縦部9の被固定部51から外して(
図5参照)、上の横材20を設置位置F1から移動位置F2まで移動させる(
図11参照)。その際、上の横材20の突起61は、ガイド溝部41の移動部44により、ガイド溝部41の第1保持部42Fから第2保持部43Fまでガイドされて、第2保持部43Fに保持される。これにより、上の横材20の突起61が第1位置F3から第2位置F4まで移動するとともに、上の横材20が設置位置F1から移動位置F2まで移動する。その状態で、上の横材20の固定部62を縦部9の被固定部53に固定する。
【0055】
続いて、下の横材20の固定部62を縦部9の被固定部50から外して、下の横材20を設置位置G1から移動位置G2まで移動させる(
図6参照)。その際、下の横材20の突起61は、ガイド溝部41の移動部44により、ガイド溝部41の第1保持部42Gから第2保持部43Gまでガイドされて、第2保持部43Gに保持される。これにより、下の横材20の突起61が第1位置G3から第2位置G4まで移動するとともに、下の横材20が設置位置G1から移動位置G2まで移動する。その状態で、下の横材20の固定部62を縦部9の被固定部51、52に固定する。上下の横材20を移動位置F2、G2から設置位置F1、G1まで移動させるときには、上下の横材20を設置位置F1、G1から移動位置F2、G2まで移動させる手順と逆の手順で、上下の横材20を移動させる。
【0056】
以上説明した外装体15の連結構造では、横材20の突起61をガイド40のガイド溝部41によりガイドして移動させる。そのため、横材20の一対の縦部9からの落下を防止しつつ、横材20を上下方向Rに簡単に移動させることができる。また、横材20を一対の縦部9から落下させずに設置位置F1、G1と移動位置F2、G2とに簡単に移動させることができる。外装体15の複数の横材20を移動させることで、外装体15における横材20のない箇所の上下方向Rの寸法を広くすることができる。
【0057】
横材20の突起61をガイド溝部41の第1保持部42F、42Gと第2保持部43F、43Gのそれぞれに保持することで、横材20の突起61を第1位置F3、G3と第2位置F4、G4のそれぞれに簡単に保持して、横材20を設置位置F1、G1と移動位置F2、G2のそれぞれに安定して配置させることができる。外装体15の一対の縦部9は、カーテンウォールユニット2の一対の縦枠7である。そのため、カーテンウォールユニット2に設けられる横材20を一対の縦枠7からの落下を防止しつつ上下方向Rに簡単に移動させることができる。
【0058】
突起61と固定部62を横材20の連結材60に設けることで、突起61と固定部62を横材20の端部に容易に設けて、連結材60の突起61と固定部62を介して、横材20を縦部9に簡単に連結することができる。横材20の固定部62は、本体部21の屋内側に位置し、縦部9の被固定部50~53は、固定部62の屋内側に位置している。そのため、横材20の本体部21の屋内側で、固定部62の被固定部50~53への固定作業を行うことができ、固定部62を被固定部50~53に容易に固定することができる。固定部62の被固定部50~53への固定により、縦部9に対する横材20の固定の強度を確保することもできる。
【0059】
なお、外装体15は、2つの横材20を備えている。これに対し、外装体15には、1つの横材20のみを設けてもよく、3つ以上の複数の横材20を設けてもよい。移動位置F2、G2、第2位置F4、G4は、それぞれ設置位置F1、G1、第1位置F3、G3よりも下方の位置であってもよい。ルーバー部2Aは、カーテンウォールユニット2及び外装体15の一部に設けてもよく、カーテンウォールユニット2及び外装体15の全体に設けてもよい。
【0060】
ガイド40は、ガイド溝部41を形成した板材に限定されず、他のガイドであってもよい。例えば、上下方向Rに延びる複数の棒状部材によりガイド40を形成してもよい。この場合には、複数の棒状部材を組み合わせて、ガイド溝部41をガイド40に形成する。また、縦部9の縦部本体30にガイド溝部41を形成して、縦部本体30におけるガイド溝部41を含む部分をガイド40にしてもよい。
【0061】
外装体15は、カーテンウォールユニット2の一部又は全体であってもよく、カーテンウォールユニット2以外の外装体(例えば、方立方式のカーテンウォール、ルーバー)であってもよい。そのため、一対の縦部9は、カーテンウォールユニット2の縦枠7に限定されず、縦枠7以外の縦部(例えば、カーテンウォールの左右方向Sに隣り合う方立)であってもよい。また、一対の縦部9は、建物10の開口部における左右方向Sの両側に位置する部分(例えば、柱、壁面)であってもよい。例えば、建物10の柱又は壁面にガイド溝部41を形成して、建物10の柱又は壁面におけるガイド溝部41を含む部分をガイド40にしてもよい。
【0062】
以上のとおり、本実施形態では、以下の(1)~(6)に記載された外装体の連結構造を開示している。
【0063】
(1) 建物に設けられて上下方向に延びる一対の縦部に横材が架設されて、前記横材が設置位置に設置される外装体の連結構造であって、
前記縦部は、前記設置位置と前記設置位置から上下方向に離隔した移動位置とに移動する前記横材をガイドするガイドを有し、
前記横材は、前記ガイドに連結される突起と、前記縦部に固定される固定部と、を有し、
前記ガイドは、前記突起をガイドして前記横材を前記設置位置と前記移動位置とに移動させるガイド溝部を有する外装体の連結構造。
(1)に記載された外装体の連結構造では、外装体の横材を一対の縦部からの落下を防止しつつ上下方向に簡単に移動させることができる。
【0064】
(2) (1)に記載された外装体の連結構造において、
前記ガイド溝部は、前記横材が前記設置位置に配置される位置に前記突起を保持する第1保持部と、前記横材が前記移動位置に配置される位置に前記突起を保持する第2保持部と、前記突起を前記第1保持部と前記第2保持部の間で移動させる移動部と、を有する外装体の連結構造。
(2)に記載された外装体の連結構造では、横材の突起を第1保持部と第2保持部のそれぞれに保持することで、横材を設置位置と移動位置のそれぞれに安定して配置させることができる。
【0065】
(3) (1)又は(2)に記載された外装体の連結構造において、
前記一対の縦部は、前記建物に設けられるカーテンウォールユニットの一対の縦枠である外装体の連結構造。
(3)に記載された外装体の連結構造では、カーテンウォールユニットに設けられる横材を一対の縦枠からの落下を防止しつつ上下方向に簡単に移動させることができる。
【0066】
(4) (1)ないし(3)のいずれかに記載された外装体の連結構造において、
前記横材は、前記一対の縦部の間で延びる本体部と、前記本体部の端部に取り付けられて前記本体部を前記縦部に連結する連結材と、を有し、
前記突起と前記固定部は、前記連結材に設けられた外装体の連結構造。
(4)に記載された外装体の連結構造では、突起と固定部を横材の端部に容易に設けて、連結材の突起と固定部を介して、横材を縦部に簡単に連結することができる。
【0067】
(5) (4)に記載された外装体の連結構造において、
前記固定部は、前記本体部の屋内側に位置し、
前記縦部は、前記固定部の屋内側に位置して前記固定部が固定される被固定部を有する外装体の連結構造。
(5)に記載された外装体の連結構造では、横材の本体部の屋内側で、横材の固定部を縦部の被固定部に容易に固定することができる。
【0068】
(6) (1)ないし(5)のいずれかに記載された外装体の連結構造において、
上下方向に隣り合わせて設置された複数の前記横材を備えた外装体の連結構造。
(6)に記載された外装体の連結構造では、複数の横材を移動させることで、外装体における横材のない箇所の上下方向の寸法を広くすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・カーテンウォール、2・・・カーテンウォールユニット、2A・・・ルーバー部、2B・・・封鎖部、2C・・・固定ルーバー羽根、2D・・・可動ルーバー羽根、2E・・・パネル体、2F・・・空気通路、3A~3G・・・カーテンウォールユニット、4・・・枠体、4A・・・開口部、4B・・・開口部、5・・・上枠、6・・・下枠、7・・・縦枠、8・・・無目、9・・・縦部、10・・・建物、11・・・躯体、12・・・外壁、13・・・屋内側スペース、14・・・屋外側スペース、15・・・外装体、20・・・横材、21・・・本体部、22・・・端部、23・・・ネジ、30・・・縦部本体、31・・・ワイヤー、40・・・ガイド、41・・・ガイド溝部、42F・・・第1保持部、42G・・・第1保持部、43F・・・第2保持部、43G・・・第2保持部、44・・・移動部、45・・・縦溝部、46F・・・第1接続部、46G・・・第1接続部、47F・・・第2接続部、47G・・・第2接続部、50~53・・・被固定部、54・・・固定具、60・・・連結材、61・・・突起、62・・・固定部、63・・・蓋部、64・・・張出部、F1・・・設置位置、F2・・・移動位置、F3・・・第1位置、F4・・・第2位置、G1・・・設置位置、G2・・・移動位置、G3・・・第1位置、G4・・・第2位置、R・・・上下方向、S・・・左右方向、T・・・屋内外方向。