(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172722
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ポール及びポール装置
(51)【国際特許分類】
E04H 12/00 20060101AFI20241205BHJP
H02G 7/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E04H12/00 A
H02G7/00
E04H12/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090632
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121429
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】山本 茂樹
【テーマコード(参考)】
5G367
【Fターム(参考)】
5G367AA03
5G367AD13
(57)【要約】
【課題】設置後に機能部材の配置向きを簡単に変更できるポールを提供する。
【解決手段】ポールPは、筒状の壁部2を備え、機能部材及びケーブルが通過する貫通孔6が壁部2に4つ形成されたポール本体1と、壁部2に沿う枠状を成し、ポール本体1に外嵌して取着され、4つの貫通孔6のうちの3つと重合配置されてこれを閉塞する周壁11を備えた取着体10と、からなる。取着体10の周壁11は、更に、4つの貫通孔6のうちの1つと重合配置されて機能部材及びケーブルが通過可能な通過口14を有する。取着体10は、ポール本体1を軸として回動させた異なる4つの向きで取着可能であるとともに、ポール本体1への取着の向きを変更することで、機能部材の取り付けられる通過口14が重合する貫通孔6を変更することができる。これにより、設置後、機能部材の配置向きを変更するときに、ポールPを設置しなおす必要がない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に立設されて、前記設置面の上方に電気機器や水栓器具などの機能部材が設置されるポールであって、
前記機能部材に接続される配線・配管材が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部を備え、前記機能部材が設置される貫通孔が前記壁部に少なくとも2つ形成されたポール本体と、
前記壁部に沿う枠状を成し、前記ポール本体に取着され、前記少なくとも2つのうち一部の貫通孔と重合してこれを閉塞する周壁を備えた取着体と、からなり、
前記周壁は、前記一部の貫通孔を閉塞した状態で、前記少なくとも2つのうち前記一部を除く他の貫通孔と重合配置されて当該他の貫通孔内を通過する前記機能部材及び前記配線・配管材の少なくとも一方が通過する通過口を有し、
前記取着体は、前記ポール本体を軸として回動させた異なる少なくとも2つの向きで取着可能であるとともに、前記ポール本体への取着の向きを変更することで、前記通過口が重合配置される前記貫通孔を変更可能であることを特徴とするポール。
【請求項2】
前記少なくとも2つの貫通孔は、前記ポール本体の、多角形状の外周面が軸方向に連続する多角柱状を成す箇所に設けられ、
前記壁部の少なくとも2つの面に前記貫通孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポール。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記ポール本体の軸方向の同一位置であって、前記壁部の外周方向の異なる位置に複数形成されており、
前記周壁は、前記通過口を1つのみ有し、当該通過口が前記複数のうち1つの貫通孔と重合配置された状態で、残りの前記貫通孔の全てを閉塞することを特徴とする請求項1に記載のポール。
【請求項4】
前記少なくとも2つの貫通孔は、同一形状であり、前記ポール本体の軸方向の同一位置であって、前記壁部の外周方向の異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のポール。
【請求項5】
前記取着体の周壁は、前記ポール本体に外嵌可能であり、かつ、前記ポール本体の上端を挿入可能とすべく少なくとも下端側が開放していることを特徴とする請求項4に記載のポール。
【請求項6】
前記ポール本体に前記取着体が外嵌された状態で、前記ポール本体の壁部及び前記取着体の周壁の互いに重合する箇所に両者を貫通するようにビスが挿通される挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のポール。
【請求項7】
前記ポール本体は、上端が外方に開放し、
前記取着体は、前記周壁の上端側に、前記ポール本体の上端を覆う覆い部を備えていることを特徴とする請求項5に記載のポール。
【請求項8】
設置面に立設される中空筒状のポール本体と、前記ポール本体に外嵌される周壁を備えた取着体と、からなり、
前記ポール本体は、前記設置面の上方に電気機器や水栓器具などの機能部材を設置すべく、前記機能部材が設置される複数の貫通孔が、軸方向の同一位置であって外周方向の異なる位置に形成され、前記機能部材に接続される配線・配管材が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部を備え、
前記取着体は、
前記周壁において前記複数のうち1つの貫通孔と重合する位置のみに、当該1つの貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる1つの通過口が形成された単口取着体と、
前記周壁において前記複数のうち2つ以上の貫通孔と重合する位置に、当該2つ以上の貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる2つ以上の前記通過口が形成された複口取着体と、の二種類からなり、
前記二種類の取着体を択一的に前記ポール本体に外嵌させることで、前記貫通孔を介した前記ポール本体の内部と外部との連通箇所の数を変更できることを特徴とするポール装置。
【請求項9】
設置面に立設される中空筒状のポール本体と、前記ポール本体に外嵌される周壁を備えた取着体と、からなり、
前記ポール本体は、前記設置面の上方に電気機器や水栓器具などの機能部材を設置すべく、前記機能部材が設置される3つ以上の貫通孔が、軸方向の同一位置であって外周方向の異なる位置に形成され、前記機能部材に接続される配線・配管材が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部を備え、
前記取着体は、
前記周壁において前記3つ以上のうち対向配置された2つの貫通孔と重合する位置に、当該2つの貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる2つの通過口が対向して形成された対向取着体と、
前記周壁において前記3つ以上のうち貫通方向が異なる2つの貫通孔と重合する位置に、当該2つの貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる前記2つの通過口が交差方向を向くように形成された交差取着体と、の二種類からなり、
前記二種類の取着体を択一的に前記ポール本体に外嵌させることで、前記貫通孔を介した前記ポール本体の内部と外部との2つの連通箇所の配置方向を変更できることを特徴とするポール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外などの設置面に立設され、設置面の上方に電気器具や水栓器具などの機能部材が設置されるポール及びポール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外で防水コンセントやインターホンなどの電気器具や水栓器具を設置するためにポールが設置されている。ポールは、下端が土中に埋設され、あるいは地表に露出した状態で設置面に立設されている。この種のポールとして、例えば特許文献1に記載の給電柱が知られている。この給電柱は、下端が土中に埋設された状態で立設され、中空筒状に形成されており、下端側に設けられた長溝の導入孔からケーブル保護管が内部に配管されてケーブル保護管内のケーブルが上端側の機器配置部に配置されるコンセント等の機器に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ポールは、設置面に立設する際に、コンセント等の機器などの機能部材の配置向きが決定される。しかし、従来のポールは、一旦設置した後は、機能部材の設置向きを変更することはできず、設置向きを変更するには再度立設しなおす必要があった。ところが、ポールの下端が土中に埋設されて立設されているときは、地面を掘り起こして立設し直さなければならず、大変面倒な作業となっていた。また、ポールを地表に露出した状態で設置面に立設しているときも、設置のためのアンカーボルトを打ち直したりしなければならず、同様に大変面倒な作業を要した。
【0005】
そこで、本発明は、設置後に機能部材の配置向きを簡単に変更できるポール及びポール装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のポールは、設置面に立設されて、前記設置面の上方に電気機器や水栓器具などの機能部材が設置されるものであって、
前記機能部材に接続される配線・配管材が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部を備え、前記機能部材が設置される貫通孔が前記壁部に少なくとも2つ形成されたポール本体と、
前記壁部に沿う枠状を成し、前記ポール本体に取着され、前記少なくとも2つのうち一部の貫通孔と重合してこれを閉塞する周壁を備えた取着体と、からなり、
前記周壁は、前記一部の貫通孔を閉塞した状態で、前記少なくとも2つのうち前記一部を除く他の貫通孔と重合配置されて当該他の貫通孔内を通過する前記機能部材及び前記配線・配管材の少なくとも一方が通過する通過口を有し、
前記取着体は、前記ポール本体を軸として回動させた異なる少なくとも2つの向きで取着可能であるとともに、前記ポール本体への取着の向きを変更することで、前記通過口が重合配置される前記貫通孔を変更可能なものである。
【0007】
請求項2のポールは、特に、前記少なくとも2つの貫通孔が、ポール本体の、多角形状の外周面が軸方向に連続する多角柱状を成す箇所に設けられ、壁部の少なくとも2つの面に貫通孔がそれぞれ形成されている。
請求項3のポールは、特に、貫通孔が、ポール本体の軸方向の同一位置であって、壁部の外周方向の異なる位置に複数形成されており、周壁が、通過口を1つのみ有し、当該通過口が複数のうち1つの貫通孔と重合配置された状態で、残りの前記貫通孔の全てを閉塞する。
請求項4のポールは、特に、少なくとも2つの貫通孔が、同一形状であり、ポール本体の軸方向の同一位置であって、壁部の外周方向の異なる位置に形成されている。
【0008】
請求項5のポールは、特に、取着体の周壁が、ポール本体に外嵌可能であり、かつ、ポール本体の上端を挿入可能とすべく少なくとも下端側が開放している。
請求項6のポールは、特に、ポール本体に取着体が外嵌された状態で、ポール本体の壁部及び取着体の周壁の互いに重合する箇所に両者を貫通するようにビスが挿通される挿通孔が形成されている。
請求項7のポールは、特に、ポール本体の上端が外方に開放し、取着体は、周壁の上端側に、ポール本体の上端を覆う覆い部を備えている。
【0009】
請求項8のポール装置は、設置面に立設される中空筒状のポール本体と、前記ポール本体に外嵌される周壁を備えた取着体と、からなり、
前記ポール本体は、前記設置面の上方に電気機器や水栓器具などの機能部材を設置すべく、前記機能部材が設置される複数の貫通孔が、軸方向の同一位置であって外周方向の異なる位置に形成され、前記機能部材に接続される配線・配管材が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部を備え、
前記取着体は、
前記周壁において前記複数のうち1つの貫通孔と重合する位置のみに、当該1つの貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる1つの通過口が形成された単口取着体と、
前記周壁において前記複数のうち2つ以上の貫通孔と重合する位置に、当該2つ以上の貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる2つ以上の前記通過口が形成された複口取着体と、の二種類からなり、
前記二種類の取着体を択一的に前記ポール本体に外嵌させることで、前記貫通孔を介した前記ポール本体の内部と外部との連通箇所の数を変更できるものである。
【0010】
請求項9のポール装置は、請求項8に記載のポール本体と、前記ポール本体に外嵌される周壁を備えた取着体と、からなり、
前記取着体は、
前記周壁において前記3つ以上のうち対向配置された2つの貫通孔と重合する位置に、当該2つの貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる2つの通過口が対向して形成された対向取着体と、
前記周壁において前記3つ以上のうち貫通方向が異なる2つの貫通孔と重合する位置に、当該2つの貫通孔を介して前記ポール本体の内部と外部とを連通させる前記2つの通過口が交差方向を向くように形成された交差取着体と、の二種類からなり、
前記二種類の取着体を択一的に前記ポール本体に外嵌させることで、前記貫通孔を介した前記ポール本体の内部と外部との2つの連通箇所の配置方向を変更できるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ポールが、壁部に貫通孔が少なくとも2つ形成されたポール本体と、通過口を有する周壁を備えた取着体と、からなり、取着体は、ポール本体への取着の向きを変更することで、通過口が重合配置される貫通孔を変更可能に形成されているから、ポールを設置後に、ポール本体への取着体の取着の向きを変更することで機能部材の配置向きを簡単に変更できる。このため、ポールを設置した後に、機能部材の配置向きを決定することができる。また、ポールを設置した後に機能部材の配置向きを変更するときに、地面を掘り起こしたり、アンカーボルトを打ち直したりするなどの面倒な作業を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第一実施形態のポールの分解斜視図である。
【
図2】
図1の取着体を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A切断線による断面図、(c)は斜め下方から見た斜視図、(d)は(b)のB-B切断線による断面図である。
【
図3】(a)は
図1のポールに機能部材を取り付けるときの状態を示す斜視図、(b)は機能部材を取り付けた後の状態を示す要部斜視図である。
【
図6】設置後に、
図1の取着体の通過口が重合配置されるポール本体の貫通孔を変更可能であることを説明する説明図である。
【
図7】本発明の第二実施形態のポール装置の分解斜視図である。
【
図8】同じく、本発明の第二実施形態のポール装置の分解斜視図である。
【
図9】第一実施形態のポールの変形例を示す分解斜視図である。
【
図10】第一実施形態の別のポールを示し、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〈第一実施形態〉
まず、本発明の第一実施形態のポールを図に基づいて説明する。
本実施形態のポールは、屋外で地面等の設置面に立設され、設置面の上方に防水コンセントやインターホンなどの電気器具や水栓器具等の機能部材を設置するためのものである。本実施形態のポールは、下端が地中に埋設されるものであり、電気器具等の機能部材に接続される配線・配管材は、ポールへの挿入口まで土中に埋設されて配線、配管される。なお、本実施形態では、ポールは給電用ポールとして用いられるものを例示し、配線材としてケーブルを、配管材として内部にケーブルが配線される電線管を例示する。
【0014】
図1において、ポールPは、機能部材に接続される配線・配管材が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部2を備え、機能部材に接続されるケーブルが通過する貫通孔6が壁部2に複数、本実施形態では4つ形成されたポール本体1と、4つの周壁11を備えてポール本体1に取着される取着体10と、からなる。
【0015】
まず、ポール本体1は、横断面が正方形状をなす中空筒体に形成され、外周面が軸方向に連続する壁部2を備え、壁部2は所定の幅を有して
図1の上下方向に延びる4つの平面部3を有している。ポール本体1の上端は上方に開放する上端開口4が形成され、下端は下方に開放する下端開口5が形成されている。
【0016】
ポール本体1の上端側において壁部2の4つの平面部3それぞれには機能部材40を取り付け可能な貫通孔6が形成されている。4つの貫通孔6は、全て同一の大きさ、形状に形成され、機能部材40及びケーブル51が挿通可能な大きさの矩形状に形成されている。貫通孔6の上辺縁部及び下辺縁部それぞれの幅方向中間位置には取着体10を取り付けるための固定ビス22が取着可能な雌ネジ部からなる固定孔7が形成されている。なお、固定孔7は請求項の挿通孔にも該当する。壁部2の1つの平面部3の下端側には、外側方に開放する矩形状の挿入口8が形成されており、挿入口8は外部に配管された電線管50が側方からポール本体1内に挿入可能となっている。
【0017】
一方、取着体10は、
図2に示すように、ポール本体1の壁部2に沿う正方形枠状を成し、4つの四角板状の周壁11を備えている。取着体10の上端開口は、一体に形成された正方形状の平面板からなる覆い部12によって閉塞されている。取着体10の下端は下方に開放する底面開口13が形成されている。取着体10は、ポール本体1に上方から外嵌により取着される。4つの周壁11のうち3つの周壁11aは、取着体10がポール本体1に取着されたとき、ポール本体1の4つの貫通孔6のうちの一部である3つの貫通孔6と重合してこれを閉塞する。そして、4つの周壁11のうち3つの周壁11aを除く残り1つの周壁11bは、取着体10がポール本体1に取着され3つの貫通孔6が閉塞された状態で、前記一部である3つの貫通孔6を除く他の1つの貫通孔6と重合して、この貫通孔6内を通過する機能部材40及びケーブル51を通過可能とする矩形状の通過口14を有している。取着体10において通過口14を有する1つの周壁11bには、ポール本体1の固定孔7と対向して、通過口14の上辺縁部及び下辺縁部それぞれの幅方向中間位置に固定ビス22が挿通可能な挿通孔15が形成されている。
【0018】
取着体10の通過口14の外側には、
図1に示すように、器具取付枠20が固定ビス22を介して着脱可能に固定される。器具取付枠20は、矩形板状に形成され、外形全体が通過口14より僅かに大きい矩形板からなり、中央には通過口14と同程度の大きさの矩形状の取付口21が形成されている。取付口21の上方及び下方の幅方向中間位置には、固定ビス22が挿通される長孔からなる挿通孔23が形成されている。そして、上側の挿通孔23の真上及び下側の挿通孔23の真下には、外方に所定高さで膨出する台形板状の取付座24が設けられ、その中央には機能部材40を取り付けるためのビスが取着されるねじ孔25が形成されている。
【0019】
ポール本体1の内部における上部であって貫通孔6の僅かに下方には、挿入口8からポール本体1内を上方に向けて配管された電線管50の端部50aをポール本体1内の所定位置に維持するように保持する管保持部材30が取り付けられる。管保持部材30を
図5に示す。管保持部材30は、ポール本体1の内部に水平方向に配置される平面視正方形板状の基板31の周縁から周壁32が垂直上方に立設され、各周壁32の中間部には上方に開放するコ字状に切欠かれた開口33が形成されている。この開口33は電線管50を管保持部材30に取り付ける作業を行う際の手指の挿入空間ともなる。基板31の対辺間の間隔はポール本体1の壁部2の対向する内面間の間隔と略同一に形成されている。
【0020】
基板31の下面の周縁各辺の両端部には垂直下方に突出する短冊状の弾性突片34が設けられており、その先端には鈎状突起34aが形成されている。弾性突片34は管保持部材30がポール本体1内に配置されたとき、鈎状突起34aが壁部2の内面に弾性的に当接するので、管保持部材30はがたつくことなく安定して配置される。
【0021】
基板31には電線管50の端部50aが下方から貫通状態に差し込まれる通孔35が複数、本実施形態では4つ設けられている。通孔35は、所定高さの円形筒体で形成され、内径は電線管50の外径より僅かに小さい大きさに形成されており、電線管50を押し込むことにより電線管50は通孔35の内壁に押し付けられ保持される。本実施形態では、管保持部材30には2本の電線管50が接続され、4つの通孔35のうち使用されない対角方向の2つの通孔35は、その上端開口がノックの打ち抜きにより除去可能な閉塞部36で閉塞されている。閉塞部36は、管保持部材30より下方の空間内の湿気や塵埃等の異物が機能部材40の付近まで上昇するのを防止する。電線管50を増設して通孔35に接続するときは、ノックの打ち抜きにより閉塞部36を除去して使用することができる。なお、電線管50は通孔35に単に差し込むだけでなく、接続部を形成して電線管50の端部50aを接続し保持するようにしてもよい。
【0022】
更に、各周壁32の下端の幅方向中間部には断面略逆U字形で少し細長の半筒孔からなる下方移動規制部37が形成されている。下方移動規制部37は、固定孔7に螺入された、取着体10及び器具取付枠20を取り付けるための固定ビス22の、ポール本体1内へと突出する軸部の先端に係止して、管保持部材30を下方から支持して下方への移動を規制し、一定の高さに保持する。
図5は電線管50の端部50aを管保持部材30で保持した状態を示す。
【0023】
上記のように構成された本実施形態のポールPは、次のように設置し、内部に電線管50を配設し、機能部材40を取り付けることができる。
最初に、ポール本体1の挿入口8から電線管50を挿入する。このとき、電線管50は、取り扱い性などの点からある程度の長さ、好ましくは端部50aが貫通孔6に臨む程度の長さで切断しておくのが望ましい。電線管50が長かった場合は、ポール本体1の上端開口4から手指を入れて端部50aを保持しつつ貫通孔6から操作してカッターで切断しておくとよい。
【0024】
続いて、ポール本体1の上端開口4の上方で管保持部材30の通孔35に電線管50の端部50aを挿入して保持させ、あるいはポール本体1の上端開口4から管保持部材30を挿入し、貫通孔6から操作して管保持部材30の通孔35に電線管50の端部50aを挿入して保持させる。電線管50の端部50aを保持させた後は、管保持部材30は弾性突片34がポール本体1の壁部2の内面に押圧され、ポール本体1の内部の上端部に保持される。管保持部材30がポール本体1内に収容、保持されたら、ポール本体1の下端を地中に埋設し、ポール本体1を設置面に固定する。
【0025】
ポール本体1を設置した後、ポール本体1の上端部に取着体10を外嵌する。このとき、取着体10は、通過口14を有する周壁11bがポール本体1の4つの貫通孔6のうち機能部材40を取り付けたい貫通孔6を有する平面部3と重合する向きに合わせる。次に、外方から器具取付枠20の上下一対の挿通孔23,23及び取着体10の上下一対の挿通孔15,15に固定ビス22を挿通し、更にポール本体1の上下一対の固定孔7,7に挿入し螺着して貫通孔6及び通過口14の外側に器具取付枠20を取り付ける。器具取付枠20を取り付けた後は、下側の固定ビス22の軸部の先端は管保持部材30の下方移動規制部37より少し下方においてポール本体1の内部に挿通され突出する。この後、下方移動規制部37の半筒孔の上部内面が固定ビス22の先端部の上面に当接するまで管保持部材30を下方に少し移動させる。これにより、下方移動規制部37は固定ビス22と係止するので、下方への移動位置が特定され、押し下げすぎが防止され、管保持部材30はポール本体1の貫通孔6及び取着体10の通過口14の少し下方付近の位置に維持される。
【0026】
ここで、管保持部材30のポール本体1内への収容保持については、次のようにしてもよい。すなわち、ポールPの外方に配設されている長尺の電線管50に加え、図示しないが、管保持部材30からポール本体1の挿入口8の外側に突出する程度までの長さの短尺の電線管50を別途に用意し、ポール本体1内にまだ管保持部材30が収容されていない状態で、この短尺の電線管50を挿入口8から挿入してポール本体1の上端開口4付近まで通し、あるいは短尺の電線管50を上端開口4から下降させて挿入口8から引き出した後、挿入口8の外方で長尺の電線管50と接続するとともに、ポール本体1の内部上方とか上端開口4付近で、短尺の電線管50と管保持部材30とを接続するようにしてもよい。
【0027】
続いて、
図3(a)に示すように、電線管50内のケーブル51の先端部を貫通孔6、通過口14及び器具取付枠20の取付口21を通して外方に引き出し、ポール本体1の壁部2の外方で機能部材40に接続する。その後、ケーブル51をポール本体1内に押し戻しつつ機能部材40を器具取付枠20の外面にあてがい、図示しないがビスを機能部材40の取付孔41に挿通して器具取付枠20のねじ孔25に螺着し、
図3(b)に示すように、機能部材40を取着体10に取り付け固定する。これにより、ポールPの設置、ポール本体1内への電線管50の配設、機能部材40の取り付けが完了する。なお、上記各手順は前後してもよい。
【0028】
次に、このように設置したポールPは、その後に、周辺レイアウトの変更や電線管50の配設経路の変更などの事情により機能部材40の設置向きを変更したいことがあり、その場合は、次のようにして、ポールPを立設したままの状態で機能部材40の配置向きを変更することができる。
【0029】
まず、器具取付枠20のねじ孔25に取着されているビスを取り外し器具取付枠20から機能部材40を取り外す。このとき、機能部材40に接続されているケーブル51は接続されたままの状態にしておく。次に、取着体10及び器具取付枠20をポール本体1に固定している固定ビス22を取り外す。その後、機能部材40は、幅方向が上下方向となるように立てた姿勢にすると、縦長矩形状のポール本体1の貫通孔6及びこれと重合する取着体10の通過口14更に器具取付枠20の取付口21内を通過可能となるので、その姿勢で取付口21、通過口14更に貫通孔6内を通してポール本体1内に挿入し仮収容する。
【0030】
次いで、取着体10のみをポール本体1の上方に引き出し、ポール本体1を軸として取着体10を回動して通過口14がポール本体1の変更予定の貫通孔6と対向するようにその向きを変え、再度ポール本体1の上端から被せるようにしてその上端部に嵌着する。そして、ポール本体1内に一旦仮収容した機能部材40を立てた姿勢として変更後の貫通孔6から通過口14更に器具取付枠20の取付口21内に通してポールPの外側方に取り出す。その後、固定ビス22を再度器具取付枠20の挿通孔23から取着体10の挿通孔15に挿通し、ポール本体1の固定孔7に螺着して取着体10及び器具取付枠20をポール本体1に取り付ける。そして、機能部材40の取付孔41にビスを挿通し、器具取付枠20のねじ孔25に螺着して機能部材40を器具取付枠20に取り付ける。
【0031】
これにより、例えば、
図6に示すように、取着体10が、当初
図6(a)に示す、電線管50が挿入されているポール本体1の挿入口8と交差する向きに通過口14が配置された状態で、ポールPが設置されていたのを、その後に、
図6(b)に示すように、挿入口8と対向する反対向きに通過口14が配置されるように、取着体10の向きを変更することができる。
【0032】
次に、本実施形態のポールPの作用を説明する。
ポールPは、貫通孔6が4つ形成されたポール本体1と、貫通孔6と重合する通過口14を有する取着体10と、からなり、取着体10は、ポール本体1への取着の向きを変更することで、通過口14が重合配置される貫通孔6を変更することができるから、上述のように、ポールPを設置後に、ポール本体1に対する取着体10の取着向きを変えて、機能部材40の配置向きを簡単に変更できる。これにより、ポールPを設置した後に、機能部材40の配置向きを決定することができる。また、ポールPを設置した後に、機能部材40の配置向きを変更する必要が生じたときに、地面を掘り起こしたり、設置のためのアンカーボルトを打ち直したりしてポールPを再度立設し直すという面倒な作業を行う必要がない。
【0033】
〈第二実施形態〉
次に、本発明の第二実施形態を
図7及び
図8に基づいて説明する。
第二実施形態では、二種類の取着体10が択一的にポール本体1に外嵌されるポール装置PAについて説明する。
まず、
図7に示すポール装置PAを説明する。
図7において、ポール装置PAは、第一実施形態と同様の、設置面に立設される中空筒状のポール本体1と、択一的にポール本体1に外嵌される単口取着体10Aと複口取着体10Bとの二種類の取着体10と、からなる。
【0034】
ポール本体1は、すなわち、設置面の上方に機能部材40を設置すべく、機能部材40及びケーブル51が通過する複数、本実施形態では4つの貫通孔6が、軸方向の同一位置であって外周方向の異なる位置に形成され、電線管50が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部2を備えている。
【0035】
単口取着体10Aは、周壁11においてポール本体1の4つの貫通孔6のうち1つの貫通孔6と重合する位置のみに、前記1つの貫通孔6を介してポール本体1の内部と外部とを連通させる1つの通過口14が形成されている。ここで、この単口取着体10も、第一実施形態の取着体10と同様に、ポール本体1を軸として回動させた異なる4つの向きでポール本体1に取着可能であるとともに、ポール本体1への取着の向きを変更することで、通過口14が重合配置される貫通孔6を変更可能である。
【0036】
複口取着体10Bは、周壁11においてポール本体1の4つの貫通孔6のうち2つの貫通孔6と重合する位置に、前記2つの貫通孔6を介してポール本体1の内部と外部とを連通させる2つの通過口14が形成されている。ここで、この複口取着体10Bも、同様に、ポール本体1を軸として回動させた異なる4つの向きでポール本体1に取着可能であるとともに、ポール本体1への取着の向きを変更することで、通過口14が重合配置される貫通孔6を変更可能である。
【0037】
この実施形態のポール装置は、二種類の取着体10A、10Bを択一的にポール本体1に外嵌させることで、貫通孔6を介したポール本体1の内部と外部との連通箇所の数を変更することができ、機能部材40の数に対応してこれを取り付けることができる。これにより、ポールPの設置時には、機能部材40の取付数に関して気にすることなく設置し、後で機能部材40の取付数を決定することができる。そして、設置後に機能部材40の取付数の変化に対応して連通箇所の数を変更できる。加えて、ポール本体1を共通して使用し、取着体10のみ別のものに変更すればよいからコストを削減できる。なお、このポール装置PAにおいても、ポールPを一旦設置した後に、ポール本体1を軸として回動させて取着体10の向きを変更することで、それぞれの機能部材40の配置向きを簡単に変更できる。
【0038】
次に、
図8に示すポール装置PAを説明する。
図8において、ポール装置PAは、第一実施形態と同様の、設置面に立設される中空筒状のポール本体1と、択一的にポール本体1に外嵌される対向取着体10Cと交差取着体10Dとの二種類の取着体10と、からなる。
【0039】
ポール本体1は、設置面の上方に機能部材40を設置すべく、機能部材40及びケーブル51が通過する3つ以上、本実施形態では4つの貫通孔6が、軸方向の同一位置であって外周方向の異なる位置に形成され、電線管50が通される中空部を内側に形成する筒状の壁部2を備えている。
【0040】
対向取着体10Cは、
図7の複口取着体10Bと同じものであり、周壁11においてポール本体1の4つの貫通孔6のうち対向配置された2つの貫通孔6と重合する位置に、前記2つの貫通孔6を介してポール本体1の内部と外部とを連通させる2つの通過口14が対向して形成されている。
【0041】
交差取着体10Dは、周壁11において4つの貫通孔6のうち貫通方向が異なる2つの貫通孔6と重合する位置に、前記2つの貫通孔6を介してポール本体1の内部と外部とを連通させる2つの通過口14が交差方向を向くように形成されている。
【0042】
ここで、これら対向取着体10C、交差取着体10Dも、同様に、ポール本体1を軸として回動させた異なる4つの向きでポール本体1に取着可能であるとともに、ポール本体1への取着の向きを変更することで、通過口14が重合配置される貫通孔6を変更可能である。
【0043】
この実施形態のポール装置は、二種類の取着体10C、10Dを択一的にポール本体1に外嵌させることで、2つの貫通孔6を介したポール本体1の内部と外部との2つの連通箇所の配置方向を変更することができ、機能部材40の配置方向に対応してこれを取り付けることができる。これにより、ポールPの設置時には、機能部材40の配置向きを気にすることなく設置し、後で機能部材40の向きを決定することができる。そして、設置した後には使い勝手から機能部材40の配置向きを変更することができる。加えて、設置後の向きの変更においては、ポール本体1に対する取着体10の取着向きのみを変えればよいから工事に係るコストを抑えることができる。なお、このポール装置PAにおいても、ポールPを一旦設置した後に、ポール本体1を軸として回動させて取着体10の向きを変更することで、それぞれの機能部材40の配置向きを簡単に変更できる。
【0044】
〈変形例〉
ところで、上記各実施形態において、取着体10の上端は覆い部12が一体に形成されて上端開口を閉塞しているが、これに限られるものではなく、
図9に示すように、覆い部を取着体10でなく、ポール本体1の上端に形成してもよい。すなわち、
図9のポールPは、ポール本体1の上端開口4に覆い部9が一体に形成され、取着体10の上端は上方に開放する上端開口16となっている。但し、覆い部9を取着体10に形成した場合は、ポール本体1の壁部2と取着体10の周壁11との間も覆われ、ポール本体1及び取着体10の上端全体が覆われるので、塵埃等の侵入防止、見栄えの点などからは、覆い部は取着体10に形成するのが好ましい。
更に、覆い部は、取着体10やポール本体1に一体に形成したものでなく、これらに着脱可能に形成してもよい。
【0045】
また、上記各実施形態の取着体10は、通過口14に器具取付枠20が取り付けられ、機能部材40は、ビスを取付孔41に挿通し、器具取付枠20のねじ孔25に螺着して取り付けられるが、これに限られるものではなく、取着体10の通過口14に器具取付枠20を取り付けず、機能部材40は、固定ビス22を取付孔41及び取着体10の挿通孔15に挿通し、ポール本体1の固定孔7に螺着して取着体10の通過口14の外側に直接取り付けてもよい。
【0046】
更に、ポール本体1及び取着体10は、横断面が正方形状である筒体でなくてもよく、正五角形状、正六角形状、正八角形状等の正多角筒体、円形状の筒体などで形成してもよい。例えば、ポール本体1及び取着体10は、
図10に示すように、横断面が円形状の筒体に形成してもよい。但し、取着体10は、機能部材40が取り付けられる通過口14が形成されている周壁11は平面に形成されている。なお、
図10のポール本体1は、壁部2の上部に5つの同一形状の貫通孔6が等間隔に形成されている。また、取着体10は通過口14には器具取付枠20は取り付けられていない。但し、この取着体10においても、前記各実施形態の取着体10と同様に器具取付枠20を取り付け、器具取付枠20を介して機能部材40を取り付けてもよい。更に、ポール本体1の壁部2や取着体10の周壁11は、多角形状の外周面や円弧形状の外周面など形状の異なる複数種類の外周面を外周方向の異なる位置に形成してもよい。また、
図10に示す取着体10の周壁11は、機能部材40が取り付けられる平面部分が1面のみ形成されているが、機能部材40の取付数に対応して複数面形成してもよい。
【0047】
加えて、上記実施形態のポール本体1の貫通孔6及び取着体10の通過口14は、機能部材40及びケーブル51が通過するものであるが、いずれか一方のみが通過するものであってもよい。例えば、ポール本体1への取着体10の取着向きを変更する際に、ケーブル51を機能部材40に簡単に接続、解除できる場合は、ポールPの外方で機能部材40とケーブル51との接続を解除し、取着体10の取着向きを変更する間、機能部材40はポールPの外方で待機させておけばよく、貫通孔6及び通過口14を通過させる必要はない。なお、この場合、貫通孔6及び通過口14はケーブル51のみが通過する大きさとしてもよい。また、機能部材40の一部がポール本体1内に収容され、ケーブル51はポールPの外方にまで引き出さなくてもポール本体1内で機能部材40と接続、解除することができる場合は、ポール本体1への取着体10の取着向きを変更する際、ケーブル51は貫通孔6及び通過口14に通す必要はない。
【0048】
更に、上記実施形態のポール本体1の複数の貫通孔6は、全て同一の大きさ、形状に形成されているが、互いに異なっていてもよい。そして、貫通孔6は、横断面が正方形状の場合は4つ形成され、円形状の場合は5つ形成されているが、これらの数に限定されるものでもない。また、取着体10の通過口14は、第一実施形態では1つのみ形成され、第二実施形態では1つ及び2つ形成されているが、機能部材40の取付数に応じて3つ以上形成してもよい。
【0049】
加えて、上記実施形態のポール本体1は、壁部2が軸方向に同一断面形状が連続する形状に形成されているが、これに限られるものではなく、ポール本体1における取着体10が外嵌される上部側の部分と、それより下部側の部分とで断面形状が異なるものとしてもよい。例えば、ポール本体1の上部側は取着体10とともに四角形とし下部側は八角形に形成したり、上部側は取着体10とともに円形とし下部側は四角形などに形成してもよい。
【0050】
更に、上記各実施形態のポールPは、下端側が地中に埋設されて設置面に立設されるものであるが、本発明は、下端が地表等の設置面上に載置され、アンカーボルトを載置面に打ち込んで全体が地表に露出した状態で立設するものにも同様に適用される。
【0051】
なお、本実施形態では、配線材としてケーブル51を、配管材として電線管50を例示しているが、配線・配管材は、これらに限られるものではない。また、ポールPの立設される箇所は、例えば地下駐車場や自走式の立体駐車場、ビルの屋上などの場合もある。加えて、ポールは、給電用ポールとして用いられるものを例示しているが、給水用ポールなどとして用いるものもある。
【符号の説明】
【0052】
P:ポール、PA:ポール装置、1:ポール本体、2:壁部、3:平面部、4:上端開口、6:貫通孔、7:固定孔、10:取着体、11:周壁、12:覆い部、13:底面開口、14:通過口、15:挿通孔、20:器具取付枠、40:機能部材、50:電線管、51:ケーブル。