(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172742
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両使用認証装置および車両使用認証方法
(51)【国際特許分類】
B60R 25/24 20130101AFI20241205BHJP
B60R 25/01 20130101ALI20241205BHJP
B60R 25/04 20130101ALI20241205BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20241205BHJP
G01S 19/16 20100101ALI20241205BHJP
【FI】
B60R25/24
B60R25/01
B60R25/04
E05B49/00 J
G01S19/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090669
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】堀本 岳志
【テーマコード(参考)】
2E250
5J062
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250DD02
2E250FF27
2E250HH01
2E250JJ03
5J062BB01
5J062BB05
5J062CC07
(57)【要約】
【課題】車両の不正な使用を防ぐことができる車両使用認証装置および車両使用認証方法を提供する。
【解決手段】車両使用認証装置は、通信部および判定部を有する。前記通信部は、車両の第1の位置を示す第1の位置情報を含む第1のイベント要求と、前記車両の第2の位置を示す第2の位置情報を含む第2のイベント要求とを受信する。前記判定部は、前記第1の位置と前記第2の位置との整合性を判定する。前記通信部は、前記第1のイベント要求に基づく第1のイベントの実行を許可することを示す第1の許可情報を送信する。前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記通信部は、前記第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を送信する。前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記通信部は、前記第2の許可情報の送信を停止する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の第1の位置を示す第1の位置情報を含む第1のイベント要求を端末から受信し、または前記車両が有する車両制御装置から受信し、前記第1のイベント要求が受信された後、前記車両の第2の位置を示す第2の位置情報を含む第2のイベント要求を前記端末または前記車両制御装置から受信する通信部と、
前記第1の位置情報が示す前記第1の位置と前記第2の位置情報が示す前記第2の位置との整合性を判定する判定部と、
を備え、
前記通信部は、前記第1のイベント要求に基づく第1のイベントの実行を許可することを示す第1の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信し、前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信し、前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記第2の許可情報の送信を停止する
車両使用認証装置。
【請求項2】
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記通信部は、前記整合性の判定の結果を含み前記第2のイベントの実行の許可または拒否の判断を要求することを示す判断要求を第2の端末に送信し、
前記第2のイベントの実行を許可することを示す許可情報が前記第2の端末から受信された場合、前記通信部は前記第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信し、
前記第2のイベントの実行を拒否することを示す拒否情報が前記第2の端末から受信された場合、前記通信部は前記第2の許可情報の送信を停止する
請求項1に記載の車両使用認証装置。
【請求項3】
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記通信部は、前記判断要求を前記第2の端末に送信する
請求項2に記載の車両使用認証装置。
【請求項4】
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記通信部は、前記第2のイベントが発生したことを示す情報を前記第2の端末に送信する
請求項2に記載の車両使用認証装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記第2のイベント要求が受信されたタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定し、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定され、前記タイミングが前記使用許可期間に含まれないと判定された場合、前記通信部は前記第2の許可情報の送信を停止する
請求項1に記載の車両使用認証装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第2のイベント要求が受信されたタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定し、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定され、前記タイミングが前記使用許可期間に含まれないと判定された場合、前記通信部は、前記判断要求を前記第2の端末に送信する
請求項2に記載の車両使用認証装置。
【請求項7】
前記判断要求を送信するか否かの設定を示す設定情報を記憶する記憶部を備え、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定され、前記設定情報が前記判断要求を送信することを示す場合、前記通信部は、前記判断要求を第2の端末に送信し、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定され、前記設定情報が前記判断要求を送信しないことを示す場合、前記通信部は前記判断要求を前記第2の端末に送信せずに前記第2の許可情報の送信を停止する
請求項2に記載の車両使用認証装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記整合性の判定を停止することを示す判定停止情報を第2の端末から受信し、
前記判定停止情報が受信された場合、前記判定部は前記整合性の判定を停止し、前記通信部は前記第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信する
請求項1に記載の車両使用認証装置。
【請求項9】
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記第2のイベントの実行の許可または拒否の判断を要求することを示し、かつ前記整合性の判定の結果に応じた判断要求情報を表示する表示部と、
前記第2のイベントの実行を許可または拒否することを示す情報を受け付ける受付部と、
を備え、
前記第2のイベントの実行を許可することを示す許可情報が受け付けられた場合、前記通信部は前記第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信し、
前記第2のイベントの実行を拒否することを示す拒否情報が受け付けられた場合、前記通信部は前記第2の許可情報の送信を停止する
請求項1に記載の車両使用認証装置。
【請求項10】
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記表示部は、前記判断要求情報を表示する
請求項9に記載の車両使用認証装置。
【請求項11】
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記表示部は、前記第2のイベントが発生したことを示す情報を表示する
請求項9に記載の車両使用認証装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記第2のイベント要求が受信されたタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定し、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定され、前記タイミングが前記使用許可期間に含まれないと判定された場合、前記通信部は前記第2の許可情報の送信を停止する
請求項9に記載の車両使用認証装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記第2のイベント要求が受信されたタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定し、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定され、前記タイミングが前記使用許可期間に含まれないと判定された場合、前記表示部は、前記判断要求情報を表示する
請求項9に記載の車両使用認証装置。
【請求項14】
前記判断要求情報を表示するか否かの設定を示す設定情報を受け付ける受付部と、
前記設定情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定され、前記設定情報が、前記判断要求情報を表示することを示す場合、前記表示部は前記判断要求情報を表示し、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定され、前記設定情報が、前記判断要求情報を表示しないことを示す場合、前記通信部は前記第2の許可情報の送信を停止する
請求項9に記載の車両使用認証装置。
【請求項15】
前記整合性の判定を停止することを示す判定停止情報を受け付ける受付部を備え、
前記判定停止情報が受け付けられた場合、前記判定部は前記整合性の判定を停止し、前記通信部は前記第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信する
請求項1に記載の車両使用認証装置。
【請求項16】
通信部が、車両の第1の位置を示す第1の位置情報を含む第1のイベント要求を端末から受信し、または前記車両が有する車両制御装置から受信する第1の受信ステップと、
前記第1のイベント要求が受信された後、前記通信部が、前記車両の第2の位置を示す第2の位置情報を含む第2のイベント要求を前記端末または前記車両制御装置から受信する第2の受信ステップと、
判定部が、前記第1の位置情報が示す前記第1の位置と前記第2の位置情報が示す前記第2の位置との整合性を判定する判定ステップと、
前記通信部が、前記第1のイベント要求に基づく第1のイベントの実行を許可することを示す第1の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信する第1の送信ステップと、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記通信部が前記第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信する第2の送信ステップと、
前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記通信部が前記第2の許可情報の送信を停止する送信停止ステップと、
を備える車両使用認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両使用認証装置および車両使用認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の鍵として物理的な鍵が使用されているが、最近は物理的な鍵を使用せずに、電子キー(デジタルキー)を使用することにより、車両のロック解除、ロック、およびエンジンスタートなどを制御することが可能である(例えば、特許文献1-3参照)。電子キーはキーフォブなどのデバイスに格納され、そのデバイスは、無線通信技術を使用することにより車両と通信を実行する。このように、電子キーが物理的な鍵の代わりに普及し始めている。
【0003】
また、電子キーをスマートフォンなどの携帯端末に格納し、携帯端末を車両の鍵として使用することも可能である。車両の所有者が、車両の使用を許可された利用者と電子キーを共有し、その利用者が電子キーを使用するキーシェア技術も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4254386号公報
【特許文献2】特許第4296183号公報
【特許文献3】特許第6885258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の使用を許可されていない第三者が、車両の使用を許可された利用者の携帯端末を使用することにより、車両を使用する可能性がある。そのため、そのような第三者による車両の不正な使用を防ぐ必要がある。
【0006】
本発明は、車両の不正な使用を防ぐことができる車両使用認証装置および車両使用認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の第1の位置を示す第1の位置情報を含む第1のイベント要求を端末から受信し、または前記車両が有する車両制御装置から受信し、前記第1のイベント要求が受信された後、前記車両の第2の位置を示す第2の位置情報を含む第2のイベント要求を前記端末または前記車両制御装置から受信する通信部と、前記第1の位置情報が示す前記第1の位置と前記第2の位置情報が示す前記第2の位置との整合性を判定する判定部と、を備え、前記通信部は、前記第1のイベント要求に基づく第1のイベントの実行を許可することを示す第1の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信し、前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信し、前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記第2の許可情報の送信を停止する車両使用認証装置である。
【0008】
本発明は、通信部が、車両の第1の位置を示す第1の位置情報を含む第1のイベント要求を端末から受信し、または前記車両が有する車両制御装置から受信する第1の受信ステップと、前記第1のイベント要求が受信された後、前記通信部が、前記車両の第2の位置を示す第2の位置情報を含む第2のイベント要求を前記端末または前記車両制御装置から受信する第2の受信ステップと、判定部が、前記第1の位置情報が示す前記第1の位置と前記第2の位置情報が示す前記第2の位置との整合性を判定する判定ステップと、前記通信部が、前記第1のイベント要求に基づく第1のイベントの実行を許可することを示す第1の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信する第1の送信ステップと、前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していると判定された場合、前記通信部が前記第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を前記端末または前記車両制御装置に送信する第2の送信ステップと、前記第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、前記通信部が前記第2の許可情報の送信を停止する送信停止ステップと、を備える車両使用認証方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両使用認証装置および車両使用認証方法は、車両の不正な使用を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態による車両使用認証システムの構成の例を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態による利用者端末の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による所有者端末の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態による車両制御装置の構成の例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態によるサーバの構成の例を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態による所有者端末の表示部に表示されたメッセージの例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態による所有者端末の表示部に表示されたメッセージの例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態による所有者端末の表示部に表示されたメッセージの例を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態による所有者端末の表示部に表示されたメッセージの例を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態による所有者端末の表示部に表示されたメッセージの例を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施形態の第1の変形例による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図15】本発明の第1の実施形態の第2の変形例による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施形態の第3の変形例による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図17】本発明の第1の実施形態の第3の変形例による所有者端末の表示部に表示されたメッセージの例を示す図である。
【
図18】本発明の第1の実施形態の第4の変形例による所有者端末の表示部の画面の例を示す図である。
【
図19】本発明の第1の実施形態の第4の変形例によるサーバの動作の例を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の第2の実施形態による所有者端末の構成の例を示すブロック図である。
【
図21】本発明の第2の実施形態による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図22】本発明の第2の実施形態による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図23】本発明の第2の実施形態による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図24】本発明の第2の実施形態の第1の変形例による車両使用認証システムの動作の例を示す図である。
【
図25】本発明の第2の実施形態の第2の変形例による所有者端末の動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態による車両使用認証システム1の構成の例を示す。
図1に示す車両使用認証システム1は、利用者端末10、所有者端末20、車両制御装置30、およびサーバ40を有する。
【0013】
利用者端末10は、車両を利用する利用者が所持するスマートフォンなどの携帯端末である。車両のロック解除、ロック、エンジンスタート、およびエンジンオフなどのイベントの実行を制御するための電子キーが利用者端末10に格納されている。利用者端末10は、キーフォブであってもよい。
【0014】
所有者端末20は、車両の所有者が所持するスマートフォンなどの携帯端末である。電子キーが所有者端末20に格納されている。所有者端末20は、キーシェア技術を使用することにより、利用者端末10と電子キーを共有する。
【0015】
車両制御装置30は、車両に備え付けられており、車両のロック解除、ロック、エンジンスタート、およびエンジンオフなどのイベントを実行する。サーバ40は、イベントの整合性に関する判定を実行する。第1の実施形態において、サーバ40は車両使用認証装置として機能する。
【0016】
図2は、利用者端末10の構成の例を示す。
図2に示す利用者端末10は、表示部11、操作部12、位置検出部13、通信部14、制御部15、および記憶部16を有する。
【0017】
表示部11は、液晶ディスプレイなどのディスプレイである。表示部11は、利用者端末10の利用者に対するメッセージなどを表示する。
【0018】
操作部12は、利用者が操作するボタンなどを有する。利用者が操作部12を操作すると、操作部12は、利用者の操作に応じた情報を制御部15に出力する。
【0019】
位置検出部13は、GPS(Global Positioning System)受信機などを有する。位置検出部13は、利用者端末10の位置を検出する。利用者が車両を使用するとき、使用者は車両に近付いて利用者端末10を操作する。位置検出部13は、検出された位置を示す位置情報を生成し、位置情報を制御部15に出力する。このとき、利用者端末10の位置は車両の位置とほぼ同じである。後述する第2の実施形態において、位置検出部13から出力された位置情報は車両の位置情報として使用される。
【0020】
通信部14は、通信回路を有し、所有者端末20、車両制御装置30、およびサーバ40と通信を実行する。例えば、通信部14は、Bluetooth(登録商標)またはNFC(Near Field Communication)などの通信規格に従って車両制御装置30と通信を実行する。また、通信部14は、ネットワークを介して所有者端末20およびサーバ40と通信を実行する。
【0021】
制御部15は、利用者端末10の全体を制御するための各種処理を実行する。制御部15は、表示制御部150、情報受付部151、および通信制御部152を有する。
【0022】
表示制御部150は、表示部11を制御する。情報受付部151は、操作部12から出力された情報を受け付け、その情報に応じた処理を実行する。通信制御部152は通信部14を制御する。
【0023】
制御部15の各部は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。制御部15の各部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェア(回路)によって実現されてもよい。制御部15の各部は、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0024】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、またはCD-ROMのような可搬媒体、あるいはコンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部である。上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。制御部15の各部の機能は、コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0025】
記憶部16は、利用者端末10に予め保存された情報、制御部15によって生成された情報、および所有者端末20などから受信された情報を記憶する。例えば、記憶部16は、フラッシュメモリまたはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。記憶部16は、これらの記録媒体の組み合わせであってもよい。記憶部16は、電子キー、利用者端末10のID(端末ID)、および車両のID(車両ID)を予め記憶する。
【0026】
図3は、所有者端末20の構成の例を示す。
図3に示す所有者端末20は、表示部21、操作部22、通信部23、制御部24、および記憶部25を有する。
【0027】
表示部21は、液晶ディスプレイなどのディスプレイである。表示部21は、所有者端末20の所有者に対するメッセージなどを表示する。
【0028】
操作部22は、所有者が操作するボタンなどを有する。所有者が操作部22を操作すると、操作部22は、所有者の操作に応じた情報を制御部24に出力する。
【0029】
通信部23は、通信回路を有し、ネットワークを介して利用者端末10、車両制御装置30、およびサーバ40と通信を実行する。
【0030】
制御部24は、所有者端末20の全体を制御するための各種処理を実行する。制御部24は、表示制御部240、情報受付部241、および通信制御部242を有する。
【0031】
表示制御部240は、表示部21を制御する。情報受付部241は、操作部22から出力された情報を受け付け、その情報に応じた処理を実行する。通信制御部242は通信部23を制御する。
【0032】
制御部24の各部は、プロセッサが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。制御部24の各部は、ASICまたはFPGAのようなハードウェア(回路)によって実現されてもよい。制御部24の各部は、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0033】
記憶部25は、所有者端末20に予め保存された情報、制御部24によって生成された情報、および利用者端末10などから受信された情報を記憶する。例えば、記憶部25は、フラッシュメモリまたはEEPROMである。記憶部25は、これらの記録媒体の組み合わせであってもよい。記憶部25は、電子キーを予め記憶する。
【0034】
図4は、車両制御装置30の構成の例を示す。
図4に示す車両制御装置30は、位置検出部31、通信部32、制御部33、および記憶部34を有する。
【0035】
位置検出部31は、GPS受信機などを有する。位置検出部31は、車両の位置を検出する。位置検出部31は、検出された位置を示す位置情報を生成し、位置情報を制御部33に出力する。
【0036】
通信部32は、通信回路を有し、利用者端末10、所有者端末20、およびサーバ40と通信を実行する。例えば、通信部32は、Bluetooth(登録商標)またはNFCなどの通信規格に従って利用者端末10と通信を実行する。また、車両制御装置30は、ネットワークを介して所有者端末20およびサーバ40と通信を実行する。
【0037】
制御部33は、車両制御装置30の全体を制御するための各種処理を実行する。制御部33は、車両制御部330および通信制御部331を有する。
【0038】
車両制御部330は、車両の扉のロック解除またはロックを実行する。あるいは、車両制御部330は、エンジンを始動または停止させる。通信制御部331は、通信部32を制御する。
【0039】
制御部33の各部は、プロセッサが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。制御部33の各部は、ASICまたはFPGAのようなハードウェア(回路)によって実現されてもよい。制御部33の各部は、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0040】
記憶部34は、車両制御装置30に予め保存された情報、制御部33によって生成された情報、および利用者端末10などから受信された情報を記憶する。例えば、記憶部34は、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD(Hard Disk Drive)、またはSSD(Solid State Drive)である。記憶部34は、これらの記録媒体の組み合わせであってもよい。記憶部34は、車両IDを予め記憶する。
【0041】
図5は、サーバ40の構成の例を示す。
図5に示すサーバ40は、通信部41、制御部42、および記憶部43を有する。
【0042】
通信部41は、通信回路を有し、ネットワークを介して利用者端末10、所有者端末20、および車両制御装置30と通信を実行する。
【0043】
制御部42は、サーバ40の全体を制御するための各種処理を実行する。制御部42は、判定部420および通信制御部421を有する。
【0044】
判定部420は、車両の位置の整合性に関する判定を実行する。通信制御部421は、通信部41を制御する。
【0045】
制御部42の各部は、プロセッサが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。制御部42の各部は、ASICまたはFPGAのようなハードウェア(回路)によって実現されてもよい。制御部42の各部は、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0046】
記憶部43は、サーバ40に予め保存された情報、制御部42によって生成された情報、および利用者端末10などから受信された情報を記憶する。例えば、記憶部43は、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD、またはSSDである。記憶部43は、これらの記録媒体の組み合わせであってもよい。
【0047】
利用者が車両のロック解除を要求するための操作を実行すると、利用者端末10は、ロック解除を要求することを示すロック解除要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30は、ロック解除要求を利用者端末10から受信し、車両の位置情報を含むロック解除要求をサーバ40に送信する。
【0048】
利用者が車両のロックを要求するための操作を実行すると、利用者端末10は、ロックを要求することを示すロック要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30は、ロック要求を利用者端末10から受信し、車両の位置情報を含むロック要求をサーバ40に送信する。
【0049】
利用者が車両のエンジンスタートを要求するための操作を実行すると、利用者端末10は、エンジンスタートを要求することを示すエンジンスタート要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30は、エンジンスタート要求を利用者端末10から受信し、車両の位置情報を含むエンジンスタート要求をサーバ40に送信する。
【0050】
利用者が車両のエンジンオフを要求するための操作を実行すると、利用者端末10は、エンジンオフを要求することを示すエンジンオフ要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30は、エンジンオフ要求を利用者端末10から受信し、車両の位置情報を含むエンジンオフ要求をサーバ40に送信する。
【0051】
サーバ40は、ロック解除要求、ロック要求、エンジンスタート要求、またはエンジンオフ要求を車両制御装置30から受信する。ロック解除要求が受信されたとき、サーバ40の判定部420は、ロック解除要求に含まれる位置情報が示す位置と、以前に受信されたロック要求に含まれる位置情報が示す位置との整合性を判定する。エンジンスタート要求が受信されたとき、判定部420は、エンジンスタート要求に含まれる位置情報が示す位置と、以前に受信されたエンジンオフ要求またはロック要求に含まれる位置情報が示す位置との整合性を判定する。
【0052】
車両の通常の使用では、ロック解除時の車両の位置(第1の位置)は、ロック時の車両の位置(第2の位置)と同じである。車両の通常の使用では、エンジンスタート時の車両の位置(第1の位置)は、エンジンオフ時またはロック時の車両の位置(第2の位置)と同じである。
【0053】
第1の位置が第2の位置と同じである場合、判定部420は第1の位置と第2の位置とが整合していると判定する。第1の位置が第2の位置と異なる場合、判定部420は第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定する。
【0054】
第1の位置と第2の位置とが整合していない場合、サーバ40はロック解除またはエンジンスタートの実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。所有者端末20は、車両の位置の整合性に関する判定の結果に応じたメッセージを表示部21に表示する。所有者は、表示部21に表示されたメッセージに基づいてロック解除などのイベントの実行を許可するか否かを判断し、イベントの実行を許可または拒否することを示す指示情報を所有者端末20に入力する。
【0055】
イベントの実行を許可することを示す指示情報が入力された場合、所有者端末20は、イベントの実行を許可することを示す許可情報をサーバ40に送信する。サーバ40は許可情報を車両制御装置30に送信する。許可情報が受信された場合、車両制御装置30の車両制御部330はロック解除などを実行する。
【0056】
イベントの実行を拒否することを示す指示情報が入力された場合、所有者端末20は、イベントの実行を拒否することを示す拒否情報をサーバ40に送信する。サーバ40は許可情報を車両制御装置30に送信しない。許可情報が受信されないため、車両制御装置30は、ロック解除などを実行しない。
【0057】
図6を参照し、車両のロックに関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図6は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
【0058】
(ステップS100)
利用者は、利用者端末10の操作部12を操作し、ロックを要求することを示す情報を利用者端末10に入力する。情報受付部151は、その情報を受け付け、ロックが要求されたことを認識する。
【0059】
(ステップS101)
ステップS100が実行された後、通信制御部152は、通信部14を制御することにより、ロックの実行を要求することを示すロック要求を車両制御装置30に送信する。そのロック要求は、利用者端末10の端末IDと、電子キーの情報とを含む。
【0060】
(ステップS300)
車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック要求を受信する。ロック要求に含まれる電子キーの情報は、認証処理に使用される。認証処理については説明を省略する。
【0061】
(ステップS301)
ステップS300が実行された後、通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック要求をサーバ40に送信する。そのロック要求は、車両IDと、利用者端末10から受信されたロック要求に含まれる端末IDと、位置検出部31から出力された位置情報とを含む。
【0062】
(ステップS400)
サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック要求を受信する。
【0063】
(ステップS401)
ステップS400が実行された後、判定部420は、位置履歴を記憶部43に保存する。その位置履歴は、ロック要求に含まれる車両IDと、ロック要求に含まれる端末IDと、ロック要求に含まれる位置情報と、イベント種別と、時刻情報とを含む。イベント種別は、ロックを示す。時刻情報は、ロック要求が受信された時刻を示す。ロック要求が受信された場合、判定部420は位置の整合性を判定しない。
【0064】
(ステップS402)
ステップS401が実行された後、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロックの実行を許可することを示す許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0065】
(ステップS302)
ステップS301が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、許可情報を受信する。
【0066】
(ステップS303)
許可情報が受信されたため、車両制御部330はロックを実行し、車両の扉のキーをロックする。
【0067】
車両のエンジンオフに関する車両使用認証システム1の動作は、
図6に示す動作と同様である。
【0068】
図7を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図7は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
【0069】
(ステップS110)
利用者は、利用者端末10の操作部12を操作し、ロック解除を要求することを示す情報を利用者端末10に入力する。情報受付部151は、その情報を受け付け、ロック解除が要求されたことを認識する。
【0070】
(ステップS111)
ステップS110が実行された後、通信制御部152は、通信部14を制御することにより、ロック解除の実行を要求することを示すロック解除要求を車両制御装置30に送信する。そのロック解除要求は、利用者端末10の端末IDと、電子キーの情報とを含む。
【0071】
(ステップS310)
車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック解除要求を受信する。ロック解除要求に含まれる電子キーの情報は、認証処理に使用される。認証処理については説明を省略する。
【0072】
(ステップS311)
ステップS310が実行された後、通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック解除要求をサーバ40に送信する。そのロック解除要求は、車両IDと、利用者端末10から受信されたロック解除要求に含まれる端末IDと、位置検出部31から出力された位置情報とを含む。
【0073】
(ステップS410)
サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0074】
(ステップS411)
ステップS410が実行された後、判定部420は、ロック解除要求に含まれる車両IDおよび端末IDとそれぞれ同じ車両IDおよび端末IDを含み、かつロックを示すイベント種別を含む位置履歴を特定する。判定部420は、その位置履歴から位置情報を取得する。判定部420は、ロック解除要求に含まれる位置情報が示す位置(第1の位置)と、位置履歴から取得された位置情報が示す位置(第2の位置)との距離を算出する。算出された距離が所定の距離よりも小さい場合、判定部420は、第1の位置と第2の位置とが整合していると判定する。所定の距離は、5mまたは10mなどである。算出された距離が所定の距離以上である場合、判定部420は、第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定する。
【0075】
(ステップS412)
ステップS411が実行された後、判定部420は、位置履歴を記憶部43に保存する。その位置履歴は、ロック解除要求に含まれる車両IDと、ロック解除要求に含まれる端末IDと、ロック解除要求に含まれる位置情報と、イベント種別と、時刻情報とを含む。イベント種別は、ロック解除を示す。時刻情報は、ロック解除要求が受信された時刻を示す。位置履歴は、位置の整合性に関する判定の結果を含んでもよい。
【0076】
(ステップS413)
ステップS412が実行された後、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。判断要求は、ロック解除を示すイベント種別と、位置の整合性に関する判定の結果とを含む。
【0077】
(ステップS210)
所有者端末20の通信制御部242は、通信部23を制御することにより、判断要求を受信する。
【0078】
(ステップS211)
ステップS210が実行された後、表示制御部240は、判断要求に基づいて所定のメッセージを表示部21に表示する。そのメッセージは、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す。判断要求は、位置の整合性に関する判定の結果を含む。表示部21は、位置の整合性に関する判定の結果に応じた内容のメッセージを表示する。
【0079】
(ステップS212)
メッセージが表示された後、所有者は操作部22を操作し、ロック解除の実行を許可または拒否することを示す指示情報を所有者端末20に入力する。操作部22は、指示情報を制御部24に出力する。情報受付部241は、指示情報を受け付ける。
【0080】
(ステップS213)
ステップS212が実行された後、通信制御部242は、通信部23を制御することにより、指示情報と対応する許可情報または拒否情報をサーバ40に送信する。指示情報がロック解除の実行を許可することを示す場合、通信部23は、ロック解除の実行を許可することを示す許可情報を送信する。指示情報がロック解除の実行を拒否することを示す場合、通信部23は、ロック解除の実行を拒否することを示す拒否情報を送信する。
図7に示す例では、通信部23は許可情報を送信する。
【0081】
(ステップS414)
ステップS413が実行された後、サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、許可情報を受信する。
【0082】
(ステップS415)
ステップS414が実行された後、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0083】
(ステップS312)
ステップS311が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、許可情報を受信する。
【0084】
(ステップS313)
許可情報が受信されたため、車両制御部330はロック解除を実行し、車両の扉のロックを解除する。
【0085】
サーバ40が、所有者端末20から送信された拒否情報を受信した場合、サーバ40の通信制御部421は、通信部41による許可情報の送信を停止する。許可情報が車両制御装置30に送信されないため、車両制御装置30はロック解除を実行しない。サーバ40の通信部41は拒否情報を車両制御装置30に送信してもよい。拒否情報が受信された場合、車両制御装置30はロック解除を実行しない。
【0086】
拒否情報が受信された場合、車両制御装置30の通信部32は拒否情報を利用者端末10に送信してもよい。拒否情報が受信された場合、利用者端末10の表示部11は、ロック解除の実行が拒否されたことを示すメッセージを表示してもよい。
【0087】
車両のロック解除が初めて実行される場合、車両のロックの位置履歴はサーバ40の記憶部43に保存されていない。その場合、サーバ40は判断要求を所有者端末20に送信してもよい。その後、
図7に示す処理と同様の処理が実行されてもよい。
【0088】
図8は、所有者端末20の表示部21に表示されたメッセージの例を示す。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、表示部21は、
図8に示すメッセージM1を表示する。メッセージM1は、ロック解除のイベントが発生したことを示す。所有者は、メッセージM1を参照し、ロック解除の実行を許可または拒否することを示す指示情報を所有者端末20に入力する。
【0089】
図9は、所有者端末20の表示部21に表示されたメッセージの他の例を示す。第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、表示部21は、
図9に示すメッセージM2を表示する。メッセージM2は、ロック解除のイベントが発生したことを示す。また、メッセージM2は、第1の位置と第2の位置とが整合していないことを示すメッセージM2aを含む。
【0090】
サーバ40から所有者端末20に送信される判断要求は、ロック解除を示すイベント種別と、位置の整合性に関する判定の結果と、第1の位置および第2の位置を示す位置情報とを含んでもよい。所有者端末20の表示部21は、位置情報を含むメッセージを表示してもよい。
【0091】
所有者端末20の通信部23は、地図情報を有する地図サーバに位置情報を送信してもよい。地図サーバは、位置情報を受信し、位置情報が示す第1の位置および第2の位置を含む地図情報を所有者端末20に送信してもよい。所有者端末20の通信部23は、地図情報を受信してもよい。所有者端末20の表示部21は、地図情報に基づいて地図を表示してもよい。
【0092】
図10は、所有者端末20の表示部21に表示されたメッセージの他の例を示す。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、表示部21は、
図10に示すメッセージM3を表示する。メッセージM3は、ロック解除のイベントが発生したことを示す。また、メッセージM3は、地図を表示するか否かを所有者に確認することを示すメッセージM3aを含む。所有者が操作部22を操作し、地図の表示を要求する情報を所有者端末20に入力した場合、表示部21は地図を表示する。
【0093】
車両のエンジンスタートに関する車両使用認証システム1の動作は、
図7に示す動作と同様である。利用者は、利用者端末10の操作部12を操作し、エンジンスタートを示す情報を利用者端末10に入力する。利用者端末10の通信部14は、エンジンスタートの実行を要求することを示すエンジンスタート要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30の通信部32は、エンジンスタート要求を受信し、エンジンスタート要求をサーバ40に送信する。
【0094】
サーバ40の通信部41は、エンジンスタート要求を受信する。サーバ40の判定部420は、エンジンスタート要求に含まれる車両IDおよび端末IDとそれぞれ同じ車両IDおよび端末IDを含み、かつエンジンオフまたはロックを示すイベント種別を含む位置履歴を特定する。判定部420は、その位置履歴から位置情報を取得する。判定部420は、エンジンスタート要求に含まれる位置情報が示す位置(第1の位置)と、位置履歴から取得された位置情報が示す位置(第2の位置)との距離を算出する。判定部420は、算出された距離に基づいて第1の位置と第2の位置との整合性を判定する。その後の車両使用認証システム1の動作は、
図7に示す動作と同じである。
【0095】
図11を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の他の動作を説明する。
図11は、車両使用認証システム1の他の動作の例を示す。
【0096】
利用者端末10は、ステップS110およびS111を実行する。
図11に示すステップS110およびS111は、
図7に示すステップS110およびS111と同じである。車両制御装置30は、ステップS310およびS311を実行する。
図11に示すステップS310およびS311は、
図7に示すステップS310およびS311と同じである。サーバ40は、ステップS410からS412を実行する。
図11に示すステップS410からS412は、
図7に示すステップS410からS412と同じである。
【0097】
(ステップS416)
ステップS411において第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除が許可されたことを示す許可通知を所有者端末20に送信する。許可通知は、ロック解除を示すイベント種別を含む。
【0098】
(ステップS214)
所有者端末20の通信制御部242は、通信部23を制御することにより、許可通知を受信する。
【0099】
(ステップS211a)
ステップS214が実行された後、表示制御部240は、許可通知に基づいて所定のメッセージを表示部21に表示する。そのメッセージは、ロック解除が許可されたことを示す。
【0100】
車両制御装置30は、ステップS312およびS313を実行する。
図11に示すステップS312およびS313は、
図7に示すステップS312およびS313と同じである。サーバ40は、ステップS415を実行する。
図11に示すステップS415は、
図7に示すステップS415と同じである。
【0101】
図11に示す例では、第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、サーバ40は判断要求を所有者端末20に送信せずに許可情報を車両制御装置30に送信する。利用者が所有者の家族などである場合、
図11に示すように所有者がイベントの実行を許可するか否かを判断せずに所有者にイベントの発生のみが通知されてもよい。
【0102】
図12は、所有者端末20の表示部21に表示されたメッセージの例を示す。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、表示部21は、
図12に示すメッセージM4を表示する。メッセージM4は、ロック解除のイベントが発生していることを示す。また、メッセージM4は、第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、ロック解除が許可されたことを示すメッセージM4aを含む。
【0103】
ステップS411において第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、サーバ40の通信部41は、ロック解除が拒否されたことを示す拒否通知を所有者端末20に送信する。所有者端末20の通信部23は拒否通知を受信する。所有者端末20の表示部21は、ロック解除が拒否されたことを示すメッセージを表示する。サーバ40は許可情報を車両制御装置30に送信しない。車両制御装置30は、ロック解除を実行しない。
【0104】
図13は、所有者端末20の表示部21に表示されたメッセージの例を示す。第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、表示部21は、
図13に示すメッセージM5を表示する。メッセージM5は、ロック解除のイベントが発生していることを示す。また、メッセージM5は、第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定され、ロック解除が拒否されたことを示すメッセージM5aを含む。
【0105】
車両のエンジンスタートに関する車両使用認証システム1の動作は、
図11に示す動作と同様である。
【0106】
上記のように、サーバ40(車両使用認証装置)の通信部41は、車両の第1の位置を示す第1の位置情報を含む第1のイベント要求を、車両が有する車両制御装置30から受信する。第1のイベント要求が受信された後、通信部41は、車両の第2の位置を示す第2の位置情報を含む第2のイベント要求を車両制御装置30から受信する。サーバ40の判定部420は、第1の位置情報が示す第1の位置と第2の位置情報が示す第2の位置との整合性を判定する。通信部41は、第1のイベント要求に基づく第1のイベントの実行を許可することを示す第1の許可情報を車両制御装置30に送信する。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、通信部41は、第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を車両制御装置30に送信する。第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、通信部41は第2の許可情報の送信を停止する。
【0107】
例えば、第1のイベントは車両の扉のキーをロックするイベントであり、第2のイベントはキーのロックを解除するイベントである。あるいは、第1のイベントは車両のエンジンをオフにするイベントであり、第2のイベントはエンジンをスタートさせるイベントである。あるいは、第1のイベントは車両の扉のキーのロックを解除するイベントであり、第2のイベントは車両のエンジンをスタートさせるイベントである。
【0108】
第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、サーバ40は、第2の許可情報の送信を停止することにより、車両の不正な使用を防ぐことができる。
【0109】
第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、サーバ40の通信部41は、位置の整合性の判定の結果を含み第2のイベント要求に基づく第2のイベントの実行の許可または拒否の判断を要求することを示す判断要求を所有者端末20(第2の端末)に送信する。第2のイベントの実行を許可することを示す許可情報が所有者端末20から受信された場合、通信部41は第2の許可情報を車両制御装置30に送信する。第2のイベントの実行を拒否することを示す拒否情報が所有者端末20から受信された場合、通信部41は第2の許可情報の送信を停止する。
【0110】
第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、所有者が第2のイベントの実行を許可するか否かを判断する。第2のイベントの実行を拒否することを示す拒否情報が所有者端末20から受信された場合、サーバ40は、所有者による判断の結果に基づいて車両の不正な使用を防ぐことができる。
【0111】
第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、サーバ40の通信部41は、判断要求を所有者端末20に送信する。高級車または希少車などの所有者が車を厳重に守りたい場合などにおいて、所有者は第2のイベントの実行を許可するか否かを判断することができる。
【0112】
第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、サーバ40の通信部41は、第2のイベントが発生したことを示す情報を所有者端末20に送信する。所有者が利用者(所有者の家族など)を信頼できる場合、サーバ40は、このように第2のイベントの発生のみを所有者に通知してもよい。
【0113】
(第1の実施形態の第1の変形例)
本発明の第1の実施形態の第1の変形例を説明する。第1の実施形態の第1の変形例において、車両制御装置30はネットワークに接続されていない、またはネットワークに接続する機能を有していない。あるいは、車両制御装置30はサーバ40と通信を実行する機能を有していない。
【0114】
図14を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図14は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
【0115】
(ステップS110)
利用者は、利用者端末10の操作部12を操作し、ロック解除を要求することを示す情報を利用者端末10に入力する。情報受付部151は、その情報を受け付け、ロック解除が要求されたことを認識する。
【0116】
(ステップS120)
ステップS110が実行された後、通信制御部152は、通信部14を制御することにより、ロック解除の実行を要求することを示すロック解除要求をサーバ40に送信する。そのロック解除要求は、車両IDと、利用者端末10の端末IDと、位置検出部13から出力された位置情報と、電子キーの情報とを含む。
【0117】
(ステップS420)
サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0118】
ステップS420が実行された後、サーバ40はステップS411からS414を実行する。
図14に示すステップS411からS414は、
図7に示すステップS411からS414と同じである。所有者端末20は、ステップS210からS213を実行する。
図14に示すステップS210からS213は、
図7に示すステップS210からS213と同じである。
【0119】
(ステップS421)
ステップS414が実行された後、サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除の実行を許可することを示す許可情報を利用者端末10に送信する。
【0120】
(ステップS121)
ステップS120が実行された後、利用者端末10の通信制御部152は、通信部14を制御することにより、許可情報を受信する。
【0121】
(ステップS122)
ステップS121が実行された後、通信制御部152は、通信部14を制御することにより、許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0122】
(ステップS320)
車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、許可情報を受信する。
【0123】
(ステップS313)
許可情報が受信されたため、車両制御部330はロック解除を実行し、車両の扉のロックを解除する。
【0124】
第1の実施形態の第1の変形例において、
図6に示す動作は以下のように変更される。利用者端末10は、ロック要求をサーバ40に送信する。サーバ40は許可情報を利用者端末10に送信し、利用者端末10は許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0125】
第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、サーバ40は許可情報を利用者端末10に送信し、利用者端末10は許可情報を車両制御装置30に送信する。したがって、サーバ40は、車両の不正な使用を防ぐことができる。
【0126】
(第1の実施形態の第2の変形例)
本発明の第1の実施形態の第2の変形例を説明する。第1の実施形態の第2の変形例において、利用者端末10はロック解除要求を車両制御装置30に送信し、車両制御装置30はロック解除の承認を依頼するためにロック解除要求を利用者端末10に送信する。利用者端末10は、車両制御装置30から受信されたロック解除要求をサーバ40に送信する。利用者端末10は、サーバ40から受信された許可情報を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30は、ロック解除の承認の依頼に対する応答として許可情報を利用者端末10から受信する。
【0127】
図15を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図15は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
【0128】
利用者端末10は、ステップS110およびS111を実行する。
図15に示すステップS110およびS111は、
図7に示すステップS110およびS111と同じである。車両制御装置30は、ステップS310を実行する。
図15に示すステップS310は、
図7に示すステップS310と同じである。
【0129】
(ステップS321)
ステップS310が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック解除要求を利用者端末10に送信する。そのロック解除要求は、車両IDと、利用者端末10から受信されたロック解除要求に含まれる端末IDと、位置検出部31から出力された位置情報とを含む。
【0130】
(ステップS122)
ステップS111が実行された後、利用者端末10の通信制御部152は、通信部14を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0131】
(ステップS123)
ステップS122が実行された後、通信制御部152は、通信部14を制御することにより、ロック解除要求をサーバ40に送信する。
【0132】
(ステップS422)
サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0133】
ステップS422が実行された後、サーバ40はステップS411からS414およびS421を実行する。
図15に示すステップS411からS414は、
図7に示すステップS411からS414と同じである。
図15に示すステップS421は、
図14に示すステップS421と同じである。所有者端末20は、ステップS210からS213を実行する。
図15に示すステップS210からS213は、
図7に示すステップS210からS213と同じである。利用者端末10は、ステップS121およびS122を実行する。
図15に示すステップS121およびS122は、
図14に示すステップS121およびS122と同じである。車両制御装置30は、ステップS320およびS313を実行する。
図15に示すステップS320およびS313は、
図14に示すステップS320およびS313と同じである。
【0134】
第1の実施形態の第2の変形例において、
図6に示す動作は以下のように変更される。利用者端末10は、ロック要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30はロック要求を利用者端末10に送信し、利用者端末10はロック要求をサーバ40に送信する。サーバ40は許可情報を利用者端末10に送信し、利用者端末10は許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0135】
第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、サーバ40は許可情報を利用者端末10に送信し、利用者端末10は許可情報を車両制御装置30に送信する。したがって、サーバ40は、車両の不正な使用を防ぐことができる。
【0136】
(第1の実施形態の第3の変形例)
本発明の第1の実施形態の第3の変形例を説明する。第1の実施形態の第3の変形例において、サーバ40の判定部420は、車両の位置の整合性に関する判定に加えて、イベントが発生したタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定する。サーバ40の記憶部43は、使用許可期間の情報を予め記憶する。
【0137】
図16を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図16は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
図11に示す動作と異なる部分についてのみ説明する。
【0138】
(ステップS417)
ステップS412が実行された後、サーバ40の判定部420は、ロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれるか否かを判定する。使用許可期間は、イベントの実行が許可される期間を示す。使用許可期間は、1日の中の特定の時間帯であってもよいし、特定の日または特定の曜日などであってもよい。判定部420は、ステップS411における判定の結果と、ロック解除要求が受信されたタイミングに関する判定の結果とに基づいて、ロック解除の実行を許可するか拒否するかを判定する。
【0139】
ステップS411において第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、ステップS417においてロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれると判定された場合、判定部420は、ロック解除の実行を許可すると判定する。ステップS411において第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、ステップS417においてロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれないと判定された場合、判定部420は、ロック解除の実行を拒否すると判定する。ステップS411において第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、判定部420は、ロック解除の実行を拒否すると判定する。
【0140】
(ステップS418)
ロック解除の実行を拒否すると判定された場合、サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除が拒否されたことを示す拒否通知を所有者端末20に送信する。拒否通知は、ロック解除を示すイベント種別を含む。拒否通知は、第1の位置と第2の位置とが整合していないことを示す情報またはロック解除のタイミングが使用許可期間に含まれないことを示す情報を含んでもよい。
【0141】
(ステップS215)
所有者端末20の通信制御部242は、通信部23を制御することにより、拒否通知を受信する。
【0142】
(ステップS211b)
ステップS215が実行された後、表示制御部240は、拒否通知に基づいて所定のメッセージを表示部21に表示する。そのメッセージは、ロック解除が拒否されたことを示す。ステップS211bが実行された後、
図16に示す処理が終了する。
【0143】
ロック解除の実行を拒否すると判定された場合、サーバ40の通信制御部421は、通信部41による許可情報の送信を停止する。許可情報が車両制御装置30に送信されないため、車両制御装置30はロック解除を実行しない。
【0144】
ロック解除の実行を許可すると判定された場合、サーバ40は、
図11に示すステップS415およびS416を実行し、所有者端末20は
図11に示すステップS214およびS211aを実行する。車両制御装置30は、
図11に示すステップS312およびS313を実行する。
【0145】
図17は、所有者端末20の表示部21に表示されたメッセージの例を示す。表示部21は、
図17に示すメッセージM6を表示する。メッセージM6は、ロック解除のイベントが発生していることを示す。また、メッセージM6は、ロック解除のタイミングが使用許可期間に含まれないと判定され、ロック解除が拒否されたことを示す。
【0146】
上記のように、サーバ40の判定部420は、第2のイベント要求(ロック解除要求)が受信されたタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定する。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、上記のタイミングが使用許可期間に含まれないと判定された場合、サーバ40の通信部41は、第2のイベント(ロック解除)の実行を許可することを示す第2の許可情報の送信を停止する。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、上記のタイミングが使用許可期間に含まれないと判定された場合、通信部41は判断要求を所有者端末20(第2の端末)に送信してもよい。
【0147】
例えば、社用車の使用に関するイベントが発生するごとに、社用車の所有者である企業の管理者がイベントの実行の許可または拒否を判断することは煩わしい。そのため、平日の通常業務時間が使用許可期間として設定され、サーバ40は使用許可期間において判断要求を所有者端末20に送信せずに許可通知または拒否通知を所有者端末20に送信してもよい。また、深夜または休日はイベントの実行が拒否されてもよい。
【0148】
レンタカーまたはカーシェアに使用される車両に関して、利用者が予め登録した車両使用期間が使用許可期間として設定され、サーバ40は使用許可期間において判断要求を所有者端末20に送信せずに許可通知または拒否通知を所有者端末20に送信してもよい。また、使用許可期間以外はエンジンスタートの実行が拒否されてもよい。利用者が車両の利用を終了した後であっても、利用者が社内の忘れ物を取りに行けるようにするために、次の利用者が車両を利用するまで、ロック解除の実行は許可されてもよい。
【0149】
第2のイベント要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれない場合、第2のイベントは実行されない。そのため、サーバ40は、所有者が意図しない車両の使用を制限することができる。
【0150】
(第1の実施形態の第4の変形例)
本発明の第1の実施形態の第4の変形例を説明する。第1の実施形態の第4の変形例において、所有者は、イベントの実行を許可するか否かの判定をサーバ40と所有者とのどちらが行うかを選択することができる。また、所有者は、その判定をサーバ40と所有者とのどちらが行うかをイベントごとまたは利用者ごとに選択することができる。
【0151】
所有者は、所有者端末20の操作部22を操作し、イベントの実行を許可するか否かの判定に関する各種内容を所有者端末20に入力する。操作部22は、所有者によって入力された各種内容を示す情報を制御部24に出力する。情報受付部241は、その情報を受け付け、その情報に応じた設定情報を生成する。情報受付部241は、設定情報を記憶部25に保存する。
【0152】
図18は、イベントの実行を許可するか否かの判定に関する各種内容を所有者が入力するときの所有者端末20の表示部21の画面の例を示す。
【0153】
所有者は、設定情報が適用される利用者を選択する。選択された利用者の名前が表示ボックスBOX1に表示される。また、所有者は、ボタンB1からB4のいずれか1つを押すことにより、利用者への設定内容の通知方法を選択する。
【0154】
所有者は、編集ボタンB5を押すことにより、利用者に対する各種内容を設定することができる。所有者は、設定ST1からST4のいずれか1つを選択する。
【0155】
設定ST1からST3は、所有者が想定するセキュリティレベルに応じた内容を示す。設定ST1は、高いセキュリティレベルと対応する。設定ST1は、ロック解除およびエンジンスタートの両方に関して所有者がイベントの実行の許可または拒否を判断することを示す。設定ST1が選択された場合、
図7に示す動作が実行され、サーバ40は、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。
【0156】
設定ST2は、中程度のセキュリティレベルと対応する。設定ST2は、位置の整合性に問題がない場合にサーバ40がイベントの実行を許可し、イベントの実行の許可が所有者に通知されることを示す。また、設定ST2は、位置の整合性に問題がある場合に所有者がイベントの実行の許可または拒否を判断することを示す。位置の整合性に問題がない場合、
図11に示す動作が実行され、サーバ40は、ロック解除が許可されたことを示す許可通知を所有者端末20に送信する。位置の整合性に問題がある場合、
図7に示す動作が実行され、サーバ40は、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。
【0157】
設定ST3は、低いセキュリティレベルと対応する。設定ST3は、ロック解除およびエンジンスタートの両方に関してサーバ40が位置の整合性を判定せずにイベントの実行を許可し、イベントの実行の許可が所有者に通知されることを示す。
【0158】
所有者は、設定ST1、ST2、またはST3を選択することにより、ロック解除およびエンジンスタートの両方に関する項目を一括で設定することができる。
【0159】
設定ST4は、イベントごとの詳細な内容を示す。設定ST4は、設定ST40からST45を含む。
【0160】
設定ST40は、ロック解除に関してサーバ40が位置の整合性を判定せずにイベントの実行を許可し、イベントの実行の許可が所有者に通知されることを示す。設定ST41は、エンジンスタートに関してサーバ40が位置の整合性を判定せずにイベントの実行を許可し、イベントの実行の許可が所有者に通知されることを示す。
【0161】
設定ST42は、第1の設定または第2の設定を示す。第1の設定は、ロック解除に関してサーバ40が位置の整合性を判定し、位置の整合性に基づいてイベントの実行を許可または拒否することを示す。第2の設定は、ロック解除に関してサーバ40が位置の整合性を判定し、かつ所有者がイベントの実行の許可または拒否を判断することを示す。
【0162】
第1の設定が選択され、位置の整合性に問題がない場合、
図11に示す動作が実行され、サーバ40は、ロック解除が許可されたことを示す許可通知を所有者端末20に送信する。第1の設定が選択され、位置の整合性に問題がある場合、サーバ40は、ロック解除が拒否されたことを示す拒否通知を所有者端末20に送信する。第2の設定が選択された場合、
図7に示す動作が実行され、サーバ40は、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。
【0163】
設定ST43は、第3の設定または第4の設定を示す。第3の設定は、エンジンスタートに関してサーバ40が位置の整合性を判定し、位置の整合性に基づいてイベントの実行を許可または拒否することを示す。第4の設定は、エンジンスタートに関してサーバ40が位置の整合性を判定し、かつ所有者がイベントの実行の許可または拒否を判断することを示す。
【0164】
第3の設定が選択され、位置の整合性に問題がない場合、
図11に示す動作と同様の動作が実行され、サーバ40は、エンジンスタートが許可されたことを示す許可通知を所有者端末20に送信する。第3の設定が選択され、位置の整合性に問題がある場合、サーバ40は、エンジンスタートが拒否されたことを示す拒否通知を所有者端末20に送信する。第4の設定が選択された場合、
図7に示す動作と同様の動作が実行され、サーバ40は、エンジンスタートの実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。
【0165】
設定ST44は、サーバ40がエンジンスタート時の車両の位置とロック時の車両の位置との整合性を判定することを示す。また、設定ST44は、第5の設定または第6の設定を示す。第5の設定は、サーバ40が位置の整合性を判定し、位置の整合性に基づいてイベントの実行を許可または拒否することを示す。第6の設定は、サーバ40が位置の整合性を判定し、かつ所有者がイベントの実行の許可または拒否を判断することを示す。
【0166】
第5の設定が選択され、位置の整合性に問題がない場合、
図11に示す動作と同様の動作が実行され、サーバ40は、エンジンスタートが許可されたことを示す許可通知を所有者端末20に送信する。第5の設定が選択され、位置の整合性に問題がある場合、サーバ40は、エンジンスタートが拒否されたことを示す拒否通知を所有者端末20に送信する。第6の設定が選択された場合、
図7に示す動作と同様の動作が実行され、サーバ40は、エンジンスタートの実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す判断要求を所有者端末20に送信する。
【0167】
設定ST45は、使用許可期間を示す。所有者は、設定ST45において所望の使用許可期間を選択することができる。設定ST45は、設定ST40からST44と組み合わせて使用することが可能である。例えば、利用者が高齢者である場合、昼間の時間帯が使用許可期間として設定され、かつ設定ST42における第2の設定、設定ST43における第4の設定、または設定ST44における第6の設定が選択されてもよい。
【0168】
所有者がボタンB6を押すと、所有者端末20の通信部23は、所有者が設定した各種内容を示す設定情報をサーバ40に送信する。所有者端末20の記憶部25は、利用者端末10の端末IDを予め記憶する。設定情報は、各利用者の利用者端末10の端末IDを含む。
【0169】
サーバ40の通信部41は設定情報を受信する。受信された設定情報は記憶部43に保存される。
【0170】
所有者は、上記の設定の全てを解除してもよい。全ての設定が解除された場合、利用者はロック解除などのイベントを車両制御装置30に制限なく実行させることができる。災害などが発生したとき、所有者が車両を放置し、車両から離れなければならない可能性がある。上記の設定が解除されれば、利用者が救助活動または復旧活動を妨げないように車両を移動させることができる。
【0171】
全ての設定が解除される動作の例を説明する。例えば、所有者は、全ての設定を解除するために、
図18に示すボタンB4を押す。このとき、所有者端末20の情報受付部241は、位置の整合性の判定を停止することを示す判定停止情報を受け付ける。所有者端末20の通信制御部242は、通信部23を制御することにより、判定停止情報をサーバ40に送信する。サーバ40の通信制御部421は、通信部41を制御することにより、判定停止情報を受信する。判定部420は、位置の整合性の判定を停止する。そのため、
図7に示すステップS411およびS412は実行されない。通信制御部421は、通信部41による判断要求の送信を停止する。そのため、
図7に示すステップS413は実行されない。通信制御部421は、
図7に示すステップS415において、通信部41を制御することにより、許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0172】
図19を参照し、ロック解除に関するサーバ40の動作を説明する。
図19は、サーバ40の動作の例を示す。
図19に示す動作は、設定ST40または設定ST42が選択され、かつ設定ST45が選択された場合と対応する。
【0173】
(ステップS500)
通信制御部421は、通信部41を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0174】
(ステップS501)
ステップS500が実行された後、判定部420は、ロック解除要求に含まれる端末IDと同じ端末IDを含む設定情報を記憶部43から取得する。
【0175】
(ステップS502)
ステップS501が実行された後、判定部420は車両の位置の整合性に関する判定を実行する。この処理は、
図7に示すステップS411と同じである。
【0176】
(ステップS503)
ステップS502が実行された後、判定部420は、位置履歴を記憶部43に保存する。この処理は、
図7に示すステップS412と同じである。
【0177】
(ステップS504)
ステップS503が実行された後、判定部420は、ロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれるか否かを判定する。この処理は、
図16に示すステップS417と同じである。
【0178】
(ステップS505)
ステップS504が実行された後、判定部420は、設定情報を参照し、判断要求を送信するか否かを判定する。
【0179】
(ステップS506)
判断要求を送信することを設定情報が示す場合、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、判断要求を所有者端末20に送信する。
【0180】
(ステップS507)
ステップS506が実行された後、判定部420は、許可情報が所有者端末20から受信されたか否かを判定する。
【0181】
(ステップS508)
許可情報が受信された場合、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、許可情報を車両制御装置30または利用者端末10に送信する。ステップS508が実行された後、
図19に示す処理が終了する。
【0182】
許可情報が受信されずに拒否情報が所有者端末20から受信された場合、
図19に示す処理が終了する。この場合、通信制御部421は、通信部41による許可情報の送信を停止する。
【0183】
(ステップS509)
判断要求を送信しないことを設定情報が示す場合、判定部420は、ステップS502における判定の結果を参照する。
【0184】
(ステップS510)
位置の整合性に問題がない場合、判定部420は、ステップS504における判定の結果を参照する。
【0185】
(ステップS511)
ロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれる場合、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、許可通知を所有者端末20に送信する。ステップS511が実行された後、ステップS508が実行される。
【0186】
(ステップS512)
ステップS509において位置の整合性に問題がある場合、またはステップS510においてロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれない場合、通信制御部421は、通信部41を制御することにより、拒否通知を所有者端末20に送信する。この場合、通信制御部421は、通信部41による許可情報の送信を停止する。ステップS512が実行された後、
図19に示す処理が終了する。
【0187】
上記のように、記憶部43は、判断要求を送信するか否かの設定を示す設定情報を記憶する。第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定され、設定情報が判断要求を送信することを示す場合、サーバ40の通信部41は、判断要求を所有者端末20(第2の端末)に送信する。第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定され、設定情報が判断要求を送信しないことを示す場合、通信部41は判断要求を所有者端末20に送信せずに、第2のイベント(ロック解除)の実行を許可することを示す第2の許可情報の送信を停止する。
【0188】
サーバ40は、利用者ごとにイベントの実行を制御することができる。
【0189】
サーバ40の通信部41は、位置の整合性の判定を停止することを示す判定停止情報を所有者端末20から受信する。判定停止情報が受信された場合、判定部420は位置の整合性の判定を停止し、通信部41は第2の許可情報を利用者端末10に送信する。災害などが発生したとき、利用者は救助活動または復旧活動を妨げないように車両を移動させることができる。
【0190】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態において、所有者端末20が車両の位置の整合性に関する判定を実行する。第2の実施形態において、所有者端末20は車両使用認証装置として機能する。第2の実施形態において、サーバ40は判定部420を有する必要はない。
【0191】
第2の実施形態において、
図3に示す所有者端末20の代わりに
図20に示す所有者端末20aが使用される。
図20は、所有者端末20aの構成の例を示す。
図3に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0192】
図3に示す制御部24は制御部24aに変更される。制御部24aは、表示制御部240、情報受付部241、および通信制御部242に加えて判定部243を有する。判定部243は、車両の位置の整合性に関する判定を実行する。判定部243が実行する処理は、
図5に示す判定部420が実行する処理と同様である。
【0193】
図21を参照し、車両のロックに関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図21は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
【0194】
利用者端末10は、ステップS100およびS101を実行する。
図21に示すステップS100およびS101は、
図6に示すステップS100およびS101と同じである。車両制御装置30は、ステップS300を実行する。
図21に示すステップS300は、
図6に示すステップS300と同じである。
【0195】
(ステップS304)
ステップS300が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック要求を所有者端末20aに送信する。そのロック要求は、車両IDと、利用者端末10から受信されたロック要求に含まれる端末IDと、位置検出部31から出力された位置情報とを含む。
【0196】
(ステップS200)
所有者端末20aの通信制御部242は、通信部23を制御することにより、ロック要求を受信する。
【0197】
(ステップS201)
ステップS200が実行された後、判定部243は、
図6に示すステップS401と同様の処理を実行することにより、位置履歴を記憶部25に保存する。
【0198】
(ステップS202)
ステップS201が実行された後、通信制御部242は、通信部23を制御することにより、ロックの実行を許可することを示す許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0199】
(ステップS305)
ステップS304が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、許可情報を受信する。
【0200】
(ステップS303)
許可情報が受信されたため、車両制御部330はロックを実行し、車両の扉のキーをロックする。
【0201】
車両のエンジンオフに関する車両使用認証システム1の動作は、
図21に示す動作と同様である。
【0202】
図22を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図22は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
【0203】
利用者端末10は、ステップS110およびS111を実行する。
図22に示すステップS110およびS111は、
図7に示すステップS110およびS111と同じである。車両制御装置30は、ステップS310を実行する。
図22に示すステップS310は、
図7に示すステップS310と同じである。
【0204】
(ステップS330)
ステップS310が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、ロック解除要求を所有者端末20aに送信する。そのロック解除要求は、車両IDと、利用者端末10から受信されたロック解除要求に含まれる端末IDと、位置検出部31から出力された位置情報とを含む。
【0205】
(ステップS230)
所有者端末20aの通信制御部242は、通信部23を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0206】
(ステップS231)
ステップS230が実行された後、判定部243は、
図7に示すステップS411と同様の処理を実行することにより、車両の位置の整合性に関する判定を実行する。
【0207】
(ステップS232)
ステップS231が実行された後、判定部243は、
図7に示すステップS411と同様の処理を実行することにより、位置履歴を記憶部25に保存する。
【0208】
(ステップS233)
ステップS232が実行された後、表示制御部240は、所定のメッセージを表示部21に表示する。そのメッセージは、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求することを示す。表示部21は、位置の整合性に関する判定の結果に応じた内容のメッセージを表示する。
【0209】
(ステップS234)
メッセージが表示された後、所有者は操作部22を操作し、ロック解除の実行を許可または拒否することを示す指示情報を所有者端末20に入力する。操作部22は、指示情報を制御部24に出力する。情報受付部241は、指示情報を受け付ける。
【0210】
(ステップS235)
ステップS234が実行された後、通信制御部242は、指示情報に応じて通信部23を制御する。指示情報がロック解除の実行を許可することを示す場合、通信制御部242は、通信部23を制御することにより、ロック解除の実行を許可することを示す許可情報を車両制御装置30に送信する。
図22に示す例では、通信部23は許可情報を送信する。
【0211】
(ステップS331)
ステップS330が実行された後、車両制御装置30の通信制御部331は、通信部32を制御することにより、許可情報を受信する。
【0212】
(ステップS313)
許可情報が受信されたため、車両制御部330はロック解除を実行し、車両の扉のロックを解除する。
【0213】
情報受付部241がロック解除の実行を拒否することを示す指示情報を受け付けた場合、所有者端末20aの通信制御部242は、通信部23による許可情報の送信を停止する。許可情報が車両制御装置30に送信されないため、車両制御装置30はロック解除を実行しない。所有者端末20aの通信部23は、ロック解除の実行を拒否することを示す拒否情報を車両制御装置30に送信してもよい。拒否情報が受信された場合、車両制御装置30はロック解除を実行しない。
【0214】
拒否情報が受信された場合、車両制御装置30の通信部32は拒否情報を利用者端末10に送信してもよい。拒否情報が受信された場合、利用者端末10の表示部11は、ロック解除の実行が拒否されたことを示すメッセージを表示してもよい。
【0215】
車両のロック解除が初めて実行される場合、車両のロックの位置履歴は所有者端末20aの記憶部25に保存されていない。その場合、所有者端末20aの表示部21は、ロック解除の実行の許可または拒否の判断を所有者に要求するメッセージを表示してもよい。その後、
図22に示す処理と同様の処理が実行されてもよい。
【0216】
車両のエンジンスタートに関する車両使用認証システム1の動作は、
図22に示す動作と同様である。利用者は、利用者端末10の操作部12を操作し、エンジンスタートを示す情報を利用者端末10に入力する。利用者端末10の通信部14は、エンジンスタートの実行を要求することを示すエンジンスタート要求を車両制御装置30に送信する。車両制御装置30の通信部32は、エンジンスタート要求を受信し、エンジンスタート要求を所有者端末20aに送信する。
【0217】
所有者端末20aの通信部23は、エンジンスタート要求を受信する。所有者端末20aの判定部243は、
図22に示すステップS231と同様の処理を実行することにより、車両の位置の整合性に関する判定を実行する。その後の車両使用認証システム1の動作は、
図7に示す動作と同じである。
【0218】
図23を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の他の動作を説明する。
図23は、車両使用認証システム1の他の動作の例を示す。
【0219】
利用者端末10は、ステップS110およびS111を実行する。
図23に示すステップS110およびS111は、
図7に示すステップS110およびS111と同じである。車両制御装置30は、ステップS310およびS330を実行する。
図23に示すステップS310およびS330は、
図22に示すステップS310およびS330と同じである。所有者端末20aは、ステップS230からS232を実行する。
図23に示すステップS230からS232は、
図22に示すステップS230からS232と同じである。
【0220】
(ステップS233a)
ステップS231において第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、所有者端末20aの表示制御部240は所定のメッセージを表示部21に表示する。そのメッセージは、ロック解除が許可されたことを示す。
【0221】
所有者端末20aは、ステップS235を実行する。
図23に示すステップS235は、
図22に示すステップS235と同じである。車両制御装置30は、ステップS331およびS313を実行する。
図23に示すステップS331およびS313は、
図22に示すステップS331およびS313と同じである。
【0222】
車両のエンジンスタートに関する車両使用認証システム1の動作は、
図23に示す動作と同様である。
【0223】
第1の実施形態の第1の変形例において説明したように、車両制御装置30はネットワークに接続されていない、またはネットワークに接続する機能を有していない場合がある。あるいは、車両制御装置30は所有者端末20aと通信を実行する機能を有していない場合がある。そのような場合、利用者端末10はロック解除要求を所有者端末20aに送信してもよい。所有者端末20aは許可情報を利用者端末10に送信し、利用者端末10はその許可情報を車両制御装置30に送信してもよい。
【0224】
第1の実施形態の第2の変形例において説明したように、利用者端末10はロック解除要求を車両制御装置30に送信し、車両制御装置30はロック解除の承認を依頼するためにロック解除要求を利用者端末10に送信してもよい。利用者端末10は、車両制御装置30から受信されたロック解除要求を所有者端末20aに送信してもよい。所有者端末20aは許可情報を利用者端末10に送信し、利用者端末10はその許可情報を車両制御装置30に送信してもよい。車両制御装置30は、ロック解除の承認の依頼に対する応答として許可情報を利用者端末10から受信してもよい。
【0225】
上記のように、第1の位置と前記第2の位置とが整合していないと判定された場合、所有者端末20aの表示部21は、第2のイベント(ロック解除)の実行の許可または拒否の判断を要求することを示し、かつ位置の整合性の判定の結果に応じたメッセージ(判断要求情報)を表示する。所有者端末20aの情報受付部241は、第2のイベントの実行を許可または拒否することを示す情報を受け付ける。第2のイベントの実行を許可することを示す許可情報が受け付けられた場合、所有者端末20aの通信部23は、第2のイベントの実行を許可することを示す第2の許可情報を車両制御装置30に送信する。第2のイベントの実行を拒否することを示す拒否情報が受け付けられた場合、所有者端末20aの通信部23は第2の許可情報の送信を停止する。
【0226】
第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定された場合、所有者端末20aは、第2の許可情報の送信を停止することにより、車両の不正な使用を防ぐことができる。
【0227】
第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、所有者端末20aの表示部21は、位置の整合性の判定の結果に応じたメッセージを表示する。高級車または希少車などの所有者が車を厳重に守りたい場合などにおいて、所有者は第2のイベントの実行を許可するか否かを判断することができる。
【0228】
第1の位置と第2の位置とが整合していると判定された場合、所有者端末20aの表示部21は、第2のイベントが発生したことを示す情報を表示する。所有者が利用者(所有者の家族など)を信頼できる場合、所有者端末20aは、このように第2のイベントの発生のみを所有者に通知してもよい。
【0229】
(第2の実施形態の第1の変形例)
本発明の第2の実施形態の第1の変形例を説明する。第2の実施形態の第1の変形例において、所有者端末20aの判定部243は、車両の位置の整合性に関する判定に加えて、イベントが発生したタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定する。所有者端末20aの記憶部25は、使用許可期間の情報を予め記憶する。
【0230】
図24を参照し、車両のロック解除に関する車両使用認証システム1の動作を説明する。
図24は、車両使用認証システム1の動作の例を示す。
図23に示す動作と異なる部分についてのみ説明する。
【0231】
(ステップS236)
ステップS232が実行された後、所有者端末20aの判定部243は、
図16に示すステップS417と同様の処理を実行することにより、ロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれるか否かを判定する。判定部243は、
図16に示すステップS417と同様の処理を実行することにより、ロック解除の実行を許可するか拒否するかを判定する。
【0232】
(ステップS233b)
ロック解除の実行を拒否すると判定された場合、表示制御部240は所定のメッセージを表示部21に表示する。そのメッセージは、ロック解除が拒否されたことを示す。ステップS233bが実行された後、
図24に示す処理が終了する。
【0233】
ロック解除の実行を拒否すると判定された場合、所有者端末20aの通信制御部242は、通信部23による許可情報の送信を停止する。許可情報が車両制御装置30に送信されないため、車両制御装置30はロック解除を実行しない。
【0234】
ロック解除の実行を許可すると判定された場合、所有者端末20aは、
図23に示すステップS235を実行する。車両制御装置30は、
図23に示すステップS331およびS313を実行する。
【0235】
上記のように、所有者端末20aの判定部243は、第2のイベント要求(ロック解除要求)が受信されたタイミングが予め設定された使用許可期間に含まれるか否かを判定する。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、上記のタイミングが使用許可期間に含まれないと判定された場合、所有者端末20aの通信部23は、第2のイベント(ロック解除)の実行を許可することを示す第2の許可情報の送信を停止する。第1の位置と第2の位置とが整合していると判定され、上記のタイミングが使用許可期間に含まれないと判定された場合、所有者端末20aの表示部21は、位置の整合性の判定の結果に応じたメッセージを表示してもよい。
【0236】
第2のイベント要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれない場合、第2のイベントは実行されない。そのため、所有者端末20aは、所有者が意図しない車両の使用を制限することができる。
【0237】
(第2の実施形態の第2の変形例)
本発明の第2の実施形態の第2の変形例を説明する。第2の実施形態の第2の変形例において、所有者は、イベントの実行を許可するか否かの判定を所有者端末20aと所有者とのどちらが行うかを選択することができる。また、所有者は、その判定を所有者端末20aと所有者とのどちらが行うかをイベントごとまたは利用者ごとに選択することができる。
【0238】
第1の実施形態の第4の変形例と同様に、
図18に示す画面が所有者端末20aの表示部21に表示され、所有者はイベントの実行を許可するか否かの判定に関する各種内容を入力することができる。所有者端末20aの記憶部25は、所有者によって入力された各種内容に応じた設定情報を記憶する。
【0239】
図25を参照し、ロック解除に関する所有者端末20aの動作を説明する。
図25は、所有者端末20aの動作の例を示す。
図25に示す動作は、
図18に示す設定ST40または設定ST42が選択され、かつ
図18に示す設定ST45が選択された場合と対応する。
【0240】
(ステップS600)
通信制御部242は、通信部23を制御することにより、ロック解除要求を受信する。
【0241】
(ステップS601)
ステップS600が実行された後、判定部243は、ロック解除要求に含まれる端末IDと同じ端末IDを含む設定情報を記憶部25から取得する。
【0242】
(ステップS602)
ステップS601が実行された後、判定部243は車両の位置の整合性に関する判定を実行する。この処理は、
図22に示すステップS231と同じである。
【0243】
(ステップS603)
ステップS602が実行された後、判定部243は、位置履歴を記憶部25に保存する。この処理は、
図22に示すステップS232と同じである。
【0244】
(ステップS604)
ステップS603が実行された後、判定部243は、ロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれるか否かを判定する。この処理は、
図24に示すステップS236と同じである。
【0245】
(ステップS605)
ステップS604が実行された後、判定部243は、設定情報を参照し、メッセージを表示するか否かを判定する。
【0246】
(ステップS606)
メッセージを表示することを設定情報が示す場合、表示制御部240は、ステップS602およびステップS604における判定の結果に応じたメッセージを表示部21に表示する。
【0247】
(ステップS607)
ステップS606が実行された後、判定部243は、ロック解除の実行を許可することを示す指示情報が受け付けられたか否かを判定する。
【0248】
(ステップS608)
ロック解除の実行を許可することを示す指示情報が受け付けられた場合、通信制御部242は、通信部23を制御することにより、許可情報を車両制御装置30または利用者端末10に送信する。ステップS608が実行された後、
図25に示す処理が終了する。
【0249】
ロック解除の実行を許可することを示す指示情報が受け付けられずにロック解除の実行を拒否することを示す指示情報が受け付けられた場合、
図25に示す処理が終了する。この場合、通信制御部242は、通信部23による許可情報の送信を停止する。
【0250】
(ステップS609)
メッセージを表示しないことを設定情報が示す場合、判定部243は、ステップS602における判定の結果を参照する。
【0251】
(ステップS610)
位置の整合性に問題がない場合、判定部243は、ステップS604における判定の結果を参照する。
【0252】
(ステップS611)
ロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれる場合、表示制御部240は、ロック解除の実行が許可されたことを示すメッセージを表示部21に表示する。ステップS611が実行された後、ステップS608が実行される。
【0253】
(ステップS612)
ステップS609において位置の整合性に問題がある場合、またはステップS610においてロック解除要求が受信されたタイミングが使用許可期間に含まれない場合、表示制御部240は、ロック解除の実行が拒否されたことを示すメッセージを表示部21に表示する。この場合、通信制御部242は、通信部23による許可情報の送信を停止する。ステップS612が実行された後、
図25に示す処理が終了する。
【0254】
所有者は、
図18に示す設定の全てを解除してもよい。全ての設定が解除される動作の例を説明する。例えば、所有者は、全ての設定を解除するために、
図18に示すボタンB4を押す。このとき、情報受付部241は、位置の整合性の判定を停止することを示す判定停止情報を受け付ける。判定部243は、位置の整合性の判定を停止する。そのため、
図22に示すステップS231およびS232は実行されない。表示部21は所定のメッセージの表示を停止し、情報受付部241はロック解除の実行を許可または拒否することを示す指示情報の受付を停止する。そのため、
図22に示すステップS233およびS234は実行されない。通信制御部242は、
図22に示すステップS235において、通信部23を制御することにより、許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0255】
上記のように、所有者端末20aの情報受付部241は、位置の整合性の判定の結果に応じたメッセージ(判断要求情報)を表示するか否かの設定を示す設定情報を受け付ける。所有者端末20aの記憶部25は、設定情報を記憶する。第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定され、設定情報が、メッセージを表示することを示す場合、所有者端末20aの表示部21はメッセージを表示する。第1の位置と第2の位置とが整合していないと判定され、設定情報が、メッセージを表示しないことを示す場合、所有者端末20aの通信部23は、第2のイベント(ロック解除)の実行を許可することを示す第2の許可情報の送信を停止する。
【0256】
所有者端末20aは、利用者ごとにイベントの実行を制御することができる。
【0257】
所有者端末20aの情報受付部241は、位置の整合性の判定を停止することを示す判定停止情報を受け付ける。判定停止情報が受け付けられた場合、判定部243は位置の整合性の判定を停止し、通信部23は第2の許可情報を車両制御装置30に送信する。
【0258】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0259】
1 車両使用認証システム、10 利用者端末、11,21 表示部、12,22 操作部、13,31 位置検出部、14,23,32,41 通信部、15,24,24a,33,42 制御部、16,25,34,43 記憶部、20,20a 所有者端末、30 車両制御装置、40 サーバ、150,240 表示制御部、151,241 情報受付部、152,242,331,421 通信制御部、243,420 判定部、330 車両制御部