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特開2024-172745支給管理システム、支給管理装置および支給管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172745
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】支給管理システム、支給管理装置および支給管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090672
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅世
(72)【発明者】
【氏名】稲持 喜平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】支給対象者に公平に支給品を提供する。
【解決手段】支給管理装置20は、生体情報取得装置10から取得した生体情報が生体情報DB21に登録済みでない場合に、取得した生体情報を生体情報DB21に登録する。支給管理装置20は、生体情報DB21に登録済みでなかった利用者に対して生体情報DB21に取得した生体情報を登録した後、支給条件DB23を参照して当該利用者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定する。支給管理装置20は、利用者に支給品を支給した場合に、支給履歴を当該利用者の生体情報から特定可能にして支給履歴DB22に登録する。支給管理装置20は、生体情報DB21に登録済みの利用者に支給品を支給するときに、生体情報から特定される支給履歴(支給履歴DB22)と支給条件DB23とを参照して、支給の是非を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支給対象者から生体情報を取得する生体情報取得装置と、
前記生体情報が登録済みであるか否かを判定し、
前記生体情報が登録済みでない場合に前記生体情報を登録し、前記支給対象者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定し、前記支給条件に合致して前記支給対象者に前記支給品を支給した場合に前記生体情報から特定可能な支給履歴を登録し、
前記生体情報が登録済みである場合に前記生体情報から特定される前記支給履歴を含めて前記支給対象者への支給品の支給が前記支給条件に合致するか判定する支給管理装置と、
を含む支給管理システム。
【請求項2】
支給対象者から取得した生体情報が登録済みであるか否かを判定し、
前記生体情報が登録済みでない場合に前記生体情報を登録し、前記支給対象者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定し、前記支給条件に合致して前記支給対象者に前記支給品を支給した場合に前記生体情報から特定可能な支給履歴を登録し、
前記生体情報が登録済みである場合に前記生体情報から特定される前記支給履歴を含めて前記支給対象者への支給品の支給が前記支給条件に合致するか判定する処理部、
を有する支給管理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記支給品を特定可能な識別情報により前記支給品の支給条件情報を特定し、前記支給条件情報により前記支給対象者への当該支給品の支給が前記支給条件に合致するか判定する、
請求項2記載の支給管理装置。
【請求項4】
前記処理部は、第1の支給対象者と第2の支給対象者をグループ化し、前記グループを代表する前記第1の支給対象者から取得した生体情報にもとづいて前記第2の支給対象者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定し、前記支給条件に合致して前記第2の支給対象者に前記支給品を支給した場合に前記第2の支給対象者の支給履歴を登録する、
請求項2記載の支給管理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記支給品を支給可能な2以上の支給拠点のうちから前記支給品の在庫情報と前記支給拠点の位置情報とから1の支給拠点を案内する、
請求項2記載の支給管理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記支給対象者の属性にもとづいて前記支給条件を違える、
請求項2記載の支給管理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
支給対象者から取得した生体情報が登録済みであるか否かを判定し、
前記生体情報が登録済みでない場合に前記生体情報(属性情報も登録)を登録し、前記支給対象者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定し、前記支給条件に合致して前記支給対象者に前記支給品を支給した場合に前記生体情報から特定可能な支給履歴を登録し、
前記生体情報が登録済みである場合に前記生体情報から特定される前記支給履歴を含めて前記支給対象者への支給品の支給が前記支給条件に合致するか判定する、
処理を実行させる支給管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支給管理システム、支給管理装置および支給管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
平常時に、ユーザ毎にそのユーザ端末から避難中に必要となる物資を表す必要物資情報を当該ユーザの属性情報と共に取得し、取得された各情報をユーザの固有識別情報と関連付けて記憶媒体に保存し、非常時に、記憶媒体に保存する情報と、ユーザの位置情報と避難予想期間とから避難者毎にそれぞれ必要となる物資の提供スケジュールを生成することで、タイムリーに確実に物資を避難者に提供することができる避難者支援装置の提案がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-105911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支給品(モノやサービス)を人に支給する場面において、支給対象者が必ずしも身分証明証を携帯しているとは限らず、誰にどれくらいのモノやサービスを支給したかを記録できない場合があり、支給対象者に公平に支給品を提供することが困難である。
【0005】
1つの側面では、本件は、支給対象者に公平に支給品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、以下に示すような、支給管理システムが提供される。支給管理システムは、支給対象者から生体情報を取得する生体情報取得装置と、生体情報が登録済みであるか否かを判定し、生体情報が登録済みでない場合に生体情報を登録し、支給対象者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定し、支給条件に合致して支給対象者に支給品を支給した場合に生体情報から特定可能な支給履歴を登録し、生体情報が登録済みである場合に生体情報から特定される支給履歴を含めて支給対象者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定する支給管理装置と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
1態様によれば、支給対象者に公平に支給品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の支給管理システムの一例を示す図である。
図2】第2の実施形態の支給管理システムの一例を示す図である。
図3】第2の実施形態のサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第2の実施形態のサーバの機能ブロックの一例を示す図である。
図5】第2の実施形態の支給品登録処理のフローチャートの一例を示す図である。
図6】第2の実施形態の在庫データベースの一例を示す図である。
図7】第2の実施形態の支給管理データベースの一例を示す図である。
図8】第2の実施形態の支給所データベースの一例を示す図である。
図9】第2の実施形態の生体情報登録処理のフローチャートの一例を示す図である。
図10】第2の実施形態の生体情報データベースの一例を示す図である。
図11】第2の実施形態の支給品提供処理のフローチャートの一例を示す図である。
図12】第2の実施形態の支給履歴データベースの一例を示す図である。
図13】第2の実施形態の利用者グルーピングテーブルの一例を示す図である。
図14】第2の実施形態の支給所グルーピングテーブルの一例を示す図である。
図15】第2の実施形態の地域グルーピングテーブルの一例を示す図である。
図16】第2の実施形態の支給管理システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。なお各実施形態は、矛盾のない範囲で複数の実施形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施形態〕
まず、第1の実施形態について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の支給管理システムの一例を示す図である。支給管理システム1は、災害等における避難者に身分証明証の携帯を求めることなくモノやサービスを公平に支給可能にする。
【0010】
支給管理システム1は、生体情報取得装置10と支給管理装置20とを含む。生体情報取得装置10は、支給対象者から生体情報を取得する情報処理装置である。支給対象者は、モノやサービスの支給対象となる者であり、身分証明証の携帯が容易でない環境にある不特定個人である。支給対象者は、たとえば災害等における被災者や避難者である。生体情報は、個人を特定可能な身体的・行動的特徴を有する情報であり、たとえば、身体的特徴には手のひら静脈、指紋、虹彩、顔、音声等があり、行動的特徴には歩行、特定動作等がある。生体情報取得装置10は、支給対象者から身体的・行動的特徴のうちの1つ、あるいは2以上を所得する。
【0011】
支給管理装置20は、生体情報取得装置10から生体情報を取得する。支給管理装置20は、取得した生体情報が生体情報DB21に登録済みであるか否かを判定する。支給管理装置20は、取得した生体情報が生体情報DB21に登録済みでない場合に、取得した生体情報を生体情報DB21に登録する。たとえば、生体情報DB21は、利用者(支給対象者)Xについて生体情報P(X)を登録し、利用者Yについて生体情報P(Y)を登録する。
【0012】
支給管理装置20は、取得した生体情報が生体情報DB21に登録済みである場合に、生体情報DB21を参照して生体情報P(X)から登録済みの利用者Xを特定可能にし、生体情報P(Y)から登録済みの利用者Yを特定可能にする。このような、支給管理装置20は、利用者Xや利用者Yに身分証明証を求めることなく利用者を特定可能にすることができる。
【0013】
支給管理装置20は、生体情報DB21に登録済みでなかった利用者に対して生体情報DB21に取得した生体情報を登録した後、支給条件DB23を参照して当該利用者への支給品の支給が支給条件に合致するか判定する。たとえば、支給条件DB23は、支給品Aについて支給条件C(A)を登録し、支給品Bについて支給条件C(B)を登録する。支給管理装置20は、当該利用者への支給品Aの支給が支給条件C(A)に合致すれば支給品Aを支給可能にし、合致しなければ支給不可にする。また、支給管理装置20は、当該利用者への支給品Bの支給が支給条件C(B)に合致すれば支給品Bを支給可能にし、合致しなければ支給不可にする。
【0014】
支給管理装置20は、利用者に支給品を支給した場合に、当該利用者に支給品を支給した履歴(支給履歴)を支給履歴DB22に登録する。支給管理装置20は、当該履歴を当該利用者の生体情報から特定可能にして支給履歴DB22に登録する。たとえば、支給履歴DB22は、生体情報P(X)について支給履歴L(X)を登録し、生体情報P(Y)について支給履歴L(Y)を登録する。
【0015】
支給管理装置20は、生体情報DB21に登録済みの利用者に支給品を支給するときに、生体情報から特定される支給履歴(支給履歴DB22)と支給条件DB23とを参照して、支給の是非を判定する。たとえば、支給管理装置20は、利用者Xが支給品Aの支給を受けようとしたとき、支給履歴DB22を参照して生体情報P(X)から特定される支給履歴L(X)を特定する。支給管理装置20は、利用者Xに支給品Aを支給済みということで支給条件C(A)に合致しなければ重複して利用者Xに支給品Aを支給しないし、支給履歴L(X)を参照してもなお支給条件C(A)に合致すれば利用者Xに支給品Aを支給する。
【0016】
このようにして、支給管理装置20、あるいは支給管理システム1は、利用者が必ずしも身分証明証を携帯しているとは限らないシーンで、特定の個人に偏って過剰にモノやサービスを支給(提供)することなく、公平にモノやサービスを支給可能にする。たとえば、支給管理装置20、あるいは支給管理システム1は、利用者Xに対して支給品A(たとえば、おにぎり)を1個と支給品B(たとえば、ペットボトルのお茶)を1本、利用者Yに対して支給品Aを1個と支給品Bを1本のようにして、利用者に公平に支給品を支給できる。
【0017】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、災害等による避難所等への避難住民(利用者、支給対象者)に過度の負担として身分証明等を求めることなくモノやサービスを公平に支給可能にする支給管理システムに関する。このような支給管理システムは、避難住民に身分証明等を求めることを要しないことから、モノやサービスの支給管理をおこなう管理主体(たとえば、地方自治体等)の管理負担をも軽減可能にする。
【0018】
まず、支給管理システムのシステム構成について図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の支給管理システムの一例を示す図である。支給管理システム50は、ネットワーク30と、ネットワーク30に接続するサーバ100、端末200(a),200(b),200(c),・・・を有する。ネットワーク30は、たとえば、公衆回線網である。
【0019】
端末200(a),200(b),200(c),・・・は、ネットワーク30を介して有線または無線によりサーバ100と接続可能なコンピュータである。端末200(a),200(b),200(c),・・・は、店舗A、店舗B、その他店舗や、避難所X、その他避難所、役所Z等に備えられて担当者が操作するPC(Personal Computer)である。あるいは、端末200(a),200(b),200(c),・・・は、店舗A、店舗B、その他店舗や、避難所X、その他避難所、役所Z等に配属されている担当者が持ち運び操作するモバイル端末である。
【0020】
端末200(a),200(b),200(c),・・・は、それぞれ生体情報取得装置201(a),201(b),201(c),・・・を接続する。生体情報取得装置201(a),201(b),201(c),・・・は、利用者から生体情報を取得可能であり、たとえば、手のひら静脈読取装置、指紋読取装置、虹彩読取装置、その他汎用の撮影装置である。
【0021】
なお、端末200(a),200(b),200(c),・・・は、それぞれと接続する生体情報取得装置201(a),201(b),201(c),・・・と一体にして備えられるものであってもよい。端末200(a),200(b),200(c),・・・、およびそれぞれと接続する生体情報取得装置201(a),201(b),201(c),・・・は、第1の実施形態における生体情報取得装置10に相当する。
【0022】
サーバ100は、ネットワーク30を介して有線または無線により端末200(a),200(b),200(c),・・・と接続可能なコンピュータである。サーバ100は、役所Z、あるいは被災地からの遠隔地に備えられる。サーバ100は、第1の実施形態における支給管理装置20に相当する。
【0023】
次に、サーバ100のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態のサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス114を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0024】
メモリ102は、サーバ100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、たとえばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0025】
バス114に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105および光学ドライブ装置106がある。また、バス114に接続されている周辺機器としては、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0026】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しをおこなう。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0027】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0028】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0029】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りをおこなう。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0030】
機器接続インタフェース107は、サーバ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。たとえば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しをおこなう装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0031】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信をおこなう。
【0032】
サーバ100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施形態に示した生体情報取得装置10と支給管理装置20も、図3に示したサーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、端末200(a),200(b),200(c),・・・もサーバ100と同様のハードウェアにより実現することができる。なお、端末200(a),200(b),200(c),・・・は、機器接続インタフェース107にそれぞれ接続する生体情報取得装置201(a),201(b),201(c),・・・を接続可能にする構成とすることができる。また、プロセッサ101は、第1の実施形態に示した生体情報取得装置10の処理部に相当する機能を有し、支給管理装置20の処理部に相当する機能を有する。また、ストレージ装置103は、第1の実施形態に示した支給管理装置20の記憶部に相当する機能を有して機能し、生体情報DB21、支給履歴DB22、および支給条件DB23に相当するデータを記憶可能である。
【0033】
サーバ100は、たとえば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施形態の処理機能を実現する。サーバ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。たとえば、サーバ100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またサーバ100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、たとえばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0034】
次に、サーバ100の機能について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態のサーバの機能ブロックの一例を示す図である。サーバ100は、処理部120と記憶部130を有する。処理部120は、所要の処理内容を記述したプログラムをプロセッサ101が実行することにより実現可能であり、支給品登録部121と、生体情報登録部122と、支給品提供部123とを含む。記憶部130は、ストレージ装置103により実現可能であり、生体情報DB(生体情報データベース)131と支給管理DB(支給管理データベース)132と支給履歴DB(支給履歴データベース)133と在庫DB(在庫データベース)134を含むデータを記憶可能である。
【0035】
支給品登録部121は、支給品登録処理を実行することにより、支給対象者に対して支給可能なモノやサービスを支給品として登録する。支給品登録処理については、図5を用いて後で詳細に説明する。処理部120(支給品登録部121)は、支給品の支給条件を支給管理DB132を用いて管理し、支給品の在庫を在庫DB134を用いて管理する。
【0036】
生体情報登録部122は、生体情報登録処理を実行することにより、端末200(a),200(b),200(c),・・・からサーバ100が取得した生体情報を生体情報DB131に登録する。生体情報登録処理については、図9を用いて後で詳細に説明する。処理部120(生体情報登録部122)は、支給対象者の生体情報を生体情報DB131を用いて管理する。
【0037】
支給品提供部123は、支給品提供処理を実行することにより、支給対象者に公平にモノやサービスを提供可能にする。支給品提供処理については、図11を用いて後で詳細に説明する。処理部120(支給品提供部123)は、支給対象者の支給履歴を支給履歴DB133により管理し、支給対象者へのモノやサービスの支給条件を支給管理DB132により管理し、支給対象者に支給可能なモノやサービスの在庫を在庫DB134により管理する。
【0038】
次に、サーバ100が実行する支給品登録処理について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態の支給品登録処理のフローチャートの一例を示す図である。支給品登録処理は、サーバ100が適宜に実行する処理であり、たとえば所定時間ごと、あるいは在庫情報の更新をおこなった端末200等から通知される在庫情報の更新を実行契機とする。
【0039】
[ステップS11]支給品登録部121(処理部120)は、在庫DB134から支給品(支給対象者へのモノやサービス)の在庫情報を取得する。なお、在庫DB134の詳細については、後で図6を用いて詳細に説明する。
【0040】
[ステップS12]支給品登録部121(処理部120)は、在庫情報に更新があればステップS13に進み、在庫情報に更新がなければ支給品登録処理を終了する。
[ステップS13]支給品登録部121(処理部120)は、更新された在庫情報に対応する支給品のカテゴリが支給管理DB132に登録されているか否かを判定する。支給品登録部121は、更新された在庫情報に対応する支給品のカテゴリが支給管理DB132に登録されている場合にステップS15に進み、支給管理DB132に登録されていない場合にステップS14に進む。
【0041】
[ステップS14]支給品登録部121(処理部120)は、対応するカテゴリが支給管理DB132に登録されていないことから、新規にカテゴリと当該カテゴリの支給対象と支給条件を支給管理DB132に登録する。なお、新規に登録されるカテゴリと当該カテゴリの支給対象と支給条件は、担当者によってサーバ100に入力される。支給管理DB132の詳細については、後で図7を用いて詳細に説明する。
【0042】
[ステップS15]支給品登録部121(処理部120)は、在庫情報に更新があった支給品について支給品固有の支給品識別コードを支給管理DB132に登録する。なお、支給品登録部121は、在庫なしとされた支給品について支給管理DB132から支給品識別コードを削除するようにしてもよい。
【0043】
次に、在庫DB134の一例について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態の在庫データベースの一例を示す図である。在庫データベース150は、在庫DB134の一例である。
【0044】
在庫データベース150は、支給品別に、支給品識別コードと、支給条件情報と、支給所と、在庫を登録内容に含む。なお、図示しないが在庫データベース150は、支給品の名称や製造事業者、価格等を含むものであってもよい。
【0045】
支給品識別コードは、支給品を一意に特定可能な識別情報であり、たとえばバーコードシンボルによって商品パッケージに表示されるJAN(Japanese Article Number)コードを用いることができる。また、支給品識別コードは、サービスに対してもカタログ等に表示して利用可能にすることができる。支給品識別コードは、バーコードシンボルに限らず、所定のリーダー(読取装置)によって入力可能なモノであれば、QR(Quick Response)コード(登録商標)のような2次元コード、その他のフォーマットによるものであってもよい。
【0046】
支給条件情報は、支給条件の合致判定に用いられるパラメータであり、体積容量をリットル単位で示す容量(L)、重量容量をグラム単位で示す容量(g)、カロリー(kcal)、時間(分)等がある。支給所は、支給対象者が支給品を受け取り可能になる場所を示す。在庫は、支給品の支給所ごとの在庫量を示す。
【0047】
たとえば、支給品識別コード「zzz1」で特定される支給品(たとえば、ペットボトル入りのお茶500ml)は、支給条件情報として容量(L)「0.5」が登録され、支給所「A」に在庫「2000」と、支給所「B」に在庫「4000」とがある。
【0048】
また、支給品識別コード「xxy1」で特定される支給品(たとえば、おにぎり(梅干し))は、支給条件情報としてカロリー「180kcal」が登録され、支給所「A」に在庫「500」がある。支給品識別コード「xxy2」で特定される支給品(たとえば、おにぎり(鮭))は、支給条件情報としてカロリー「200kcal」が登録され、支給所「A」に在庫「500」がある。
【0049】
また、支給品識別コード「xxz11000」で特定される支給品(たとえば、入浴(10:00から))は、時間「20分」が登録され、支給所「X」に在庫「(残り定員)10」がある。支給品識別コード「xxz11100」で特定される支給品(たとえば、入浴(11:00から))は、時間「20分」が登録され、支給所「X」に在庫「(残り定員)12」がある。
【0050】
このような在庫データベース150は、各支給所においてハンディターミナルやタブレットなどから読み取ったJANコード等と、各支給所が入力する在庫数がサーバ100に通知されて更新される。
【0051】
なお、支給品は、地方自治体等があらかじめ備蓄するモノのほか、事前協定等により企業が物資提供を約束したモノ、近隣に位置する店舗等が物資提供を協力するモノが含まれる。また、支給品は、地方公共施設が有する設備(たとえば、シャワー等)の使用権、自衛隊が提供する野外入浴場、医療従事者による健康チェック等のサービスが含まれる。このようなサービスは、設備、人員、利用時間等にもとづいて提供可能な範囲で使用権が在庫量として設定される。
【0052】
次に、支給管理DB132の一例について図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態の支給管理データベースの一例を示す図である。支給管理データベース152は、支給管理DB132の一例である。
【0053】
支給管理データベース152は、支給品をカテゴリ別に分類し、支給対象と、支給条件と、当該カテゴリに分類される支給品識別コードを登録内容に含む。
カテゴリは、1または2以上のモノやサービスを統合可能なモノの名称やサービスの名称が付される。支給対象は、支給対象者のニーズにしたがうために支給品となるモノやサービスの対象となる支給対象者を限定する。たとえば、支給対象は、一切の制限がない「制限なし」や、おおよその年齢による制限として「乳児/幼児/大人」や、介護の有無による制限「要介護」や、性別による制限「男/女/他」がある。
【0054】
支給条件は、支給品が特定人に偏らないようにするための支給数あるいは支給量を制限する条件である。支給条件は、1回あたりの制限、1日あたりの制限、1月あたりの制限がある。また、図示しないが、支給条件は、全期間を通した制限、所定期間あたりの制限、天候や気温による制限等があってもよい。
【0055】
支給品識別コードは、1のカテゴリに分類される複数のモノやサービスを登録できる。たとえば、支給品識別コード「zzz1」、「zzz2」、「zzz3」は、それぞれが500ml、660ml、1000mlのように容量が異なる水であっても、いずれもカテゴリ「給水」に分類される。また、支給品識別コード「xxy1」、「xxy2」、「xxy3」は、それぞれがおにぎり(梅)、おにぎり(鮭)、菓子パンのように異なる食品であっても、いずれも支給対象を「大人」とするカテゴリ「給食」に分類される。
【0056】
このように、支給管理データベース152は、具体的なモノやサービスが異なっても、同一カテゴリに分類されるものを1つのカテゴリにまとめて管理可能にし、支給にかかる担当者の負担を軽減可能にするとともに、支給対象者へのモノやサービスの公平な支給を容易にする。
【0057】
たとえば、カテゴリ「電池・バッテリ」に分類される支給品は、支給対象者の制限なしに、1回5個、かつ1日5個、かつ1月10個を上限として支給可能にされる。カテゴリ「電池・バッテリ」に分類される支給品は、支給品識別コード「xxx1」、「xxx2」、「xxx3」で特定される電池やバッテリが対応し、新規な電池やバッテリが在庫に加われば新たな支給品識別コードが追加される。
【0058】
また、カテゴリ「子供用オムツ」に分類される支給品は、支給対象者を乳幼児に制限し、1回10個、かつ1日10個、かつ1月300個を上限として支給可能にされる。カテゴリ「子供用オムツ」に分類される支給品は、支給品識別コード「zzx1」、「zzx2」で特定される子供用オムツが対応する。
【0059】
また、カテゴリ「シャワー」に分類される支給品(サービス)は1回5分、かつ1日1回、かつ1月15回を上限として特定の時間帯に支給可能にされる。カテゴリ「シャワー」に分類される支給品は、支給対象を「男」とするときに、支給品識別コード「xxz21000」、・・・で特定されるシャワー(利用時間10時から)が対応し、支給対象を「女」とするときに、支給品識別コード「xxz21002」、・・・で特定されるシャワー(利用時間10時から)が対応する。
【0060】
次に、支給管理DB132に含まれる支給所データベースの一例について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態の支給所データベースの一例を示す図である。支給所データベース154は、在庫データベース150の支給所に関連付けられるデータベースである。
【0061】
支給所データベース154は、支給所ごとに、支給所の名称、形態、住所、電話番号、経度緯度(位置情報)を登録内容に含む。支給所の名称は、支給所を特定可能な名称であり、たとえば、支給所「A」、「B」、「C」、「X」、「Y」がある。
【0062】
支給所の形態は、支給所が店舗に分類される形態なのか、避難所に分類される形態なのかを区別可能にする。支給所の形態は、たとえば、小売店や、スーパー等の「店舗」、公民館や学校等の「避難所」がある。支給所は、支給所の名称、形態、住所、電話番号、経度緯度(位置情報)から検索可能にされるとともに、特定の支給所に近接する他の支給所や、特定の支給所と同形態の他の支給所を検索可能にする。たとえば、支給所データベース154は、住所に含まれる町名等や緯度経度等の位置情報等から同一地域あるいは隣接地域の支給所を抽出可能にする。
【0063】
たとえば、支給所「A」は、形態を「店舗」とする支給所であり、住所「ADR_A」、電話番号「TEL_A」、緯度経度「IAKA」によって所在地や連絡先を特定可能にする。支給所「X」は、形態を「避難所」とする支給所であり、住所「ADR_X」、電話番号「TEL_X」、緯度経度「IXKX」によって所在地や連絡先を特定可能にする。
【0064】
次に、サーバ100が実行する生体情報登録処理について図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態の生体情報登録処理のフローチャートの一例を示す図である。生体情報登録処理は、利用者登録において生体情報を取得した端末200等からの生体情報の通知の受信を実行契機とする。
【0065】
[ステップS21]生体情報登録部122(処理部120)は、取得した生体情報が新規登録であるか否かを判定する。生体情報登録部122は、生体情報DB131を参照し、取得した生体情報が生体情報DB131に登録されていなければ取得した生体情報が新規登録であると判定できる。生体情報登録部122は、取得した生体情報が新規登録である場合にステップS22に進み、新規登録でない場合にステップS23に進む。なお、生体情報DB131の詳細については、後で図10を用いて詳細に説明する。
【0066】
[ステップS22]生体情報登録部122(処理部120)は、取得した生体情報を生体情報DB131に新規登録する。なお、新規登録する生体情報は、あらかじめ定める認証種別に限定し、生体情報取得部位の怪我や欠損等の特別の事情がある場合には代替部位による生体情報の取得を認めるものであってもよく、取得部位を特定可能な情報とともに登録する。
【0067】
[ステップS23]生体情報登録部122(処理部120)は、生体情報DB131との照合結果として生体情報を登録済みの利用者を特定する。
[ステップS24]生体情報登録部122(処理部120)は、生体情報を登録済みの利用者に対して異なる種別の生体情報の登録をおこなうか否かを判定する。たとえば、生体情報登録部122は、登録済みの生体情報とともに、登録済みの生体情報と異なる種別の生体情報を取得したときに、新規の認証種別の生体情報の登録をおこなうと判定する。生体情報登録部122は、新規の認証種別の生体情報の登録をおこなうときにステップS25に進み、新規の認証種別の生体情報の登録をおこなわないとしたときに生体情報登録処理を終了する。
【0068】
[ステップS25]生体情報登録部122(処理部120)は、特定した生体情報の登録済みの利用者について、新規の認証種別の生体情報の登録をおこなう。
これにより、生体情報登録部122は、利用者に身分証明証の携帯を求めることなく支給対象者の特定をおこなうことができる。また、生体情報登録部122は、利用者を特定しながら、支給所ごとに利用可能なデバイス(生体情報取得装置)の種別の自由度を向上する。
【0069】
なお、生体情報登録部122は、新規の利用者登録をおこなった場合に新規の利用者登録をおこなったことを支給品提供部123に通知できる(ステップS22)。また、生体情報登録部122は、既存の利用者の特定をおこなった場合に利用者の特定をおこなったことを支給品提供部123に通知できる(ステップS23)。
【0070】
なお、生体情報登録部122は、新規の認証種別の生体情報の登録をおこなうとしたが、あらかじめ定めた認証種別に限定して新規な認証種別の生体情報の登録を許さないものであってもよい。
【0071】
次に、生体情報DB131の一例について図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態の生体情報データベースの一例を示す図である。生体情報データベース156は、生体情報DB131の一例である。
【0072】
生体情報データベース156は、利用者IDと生体情報パターンと生体情報認証種別とを登録内容に含む。利用者IDは、ユニークな識別情報であり、たとえばシーケンシャルにナンバリングされる。生体情報パターンは、利用者から取得した生体情報を所定形式に正規化した情報である。生体情報パターンは、生体情報の認証種別を特定可能な生体情報認証種別を伴う。また、生体情報データベース156は、生体情報認証種別「手のひら静脈」による生体情報パターンによる利用者登録を必須として、さらに追加で異なる生体情報認証種別による生体情報パターンの登録を許す。
【0073】
たとえば、利用者ID「000001」の利用者は、生体情報認証種別「手のひら静脈」とする生体情報パターン「P000010」だけを登録する。一方、利用者ID「000003」の利用者は、生体情報認証種別「手のひら静脈」とする生体情報パターン「P000030」に加えて、生体情報認証種別「顔」とする生体情報パターン「P000031」を登録する。
【0074】
なお、生体情報データベース156は、図示しないが利用者の属性情報を登録内容に含むものであってよい。利用者の属性情報は、支給管理データベース152における支給対象に対応する情報であり、利用者の年齢「乳児/幼児/大人」や、介護の有無「健常/要介護」や、性別「男/女/他」を特定可能な情報である。属性情報は、生体情報の取得と合わせて端末200から入力することができる。
【0075】
なお、生体情報データベース156は、デフォルトの生体情報認証種別を「手のひら静脈」としたが、生体情報認証種別は、利用環境によって決定されるものでよく、たとえば「顔」を生体情報認証種別のデフォルトとするものであってもよい。
【0076】
次に、サーバ100が実行する支給品提供処理について図11を用いて説明する。図11は、第2の実施形態の支給品提供処理のフローチャートの一例を示す図である。支給品提供処理は、支給対象者に支給品を支給する際に、端末200から通知される支給品の提供確認を実行契機とする。
【0077】
[ステップS31]支給品提供部123(処理部120)は、生体情報を取得する。
[ステップS32]支給品提供部123(処理部120)は、生体情報登録部122に生体情報登録処理を実行させる。支給品提供部123は、生体情報登録部122から生体情報の登録結果として新規登録または利用者特定の通知を受け取る。
【0078】
[ステップS33]支給品提供部123(処理部120)は、支給履歴DB133を参照して取得した生体情報から特定される利用者(支給対象者)の支給履歴を取得する。なお、支給履歴DB133の詳細については、後で図12を用いて詳細に説明する。
【0079】
[ステップS34]支給品提供部123(処理部120)は、支給管理DB132を参照して支給品の支給条件を取得する。
[ステップS35]支給品提供部123(処理部120)は、利用者の支給履歴と支給条件とから支給品を支給可能であるか否かを判定する。支給品提供部123は、支給品を支給可能である場合にステップS36に進み、支給品を支給可能でない場合に支給品提供処理を終了する。なお、支給品提供部123は、支給品を支給可能であるとした判定結果を、生体情報を通知してきた端末200に通知する。これにより、端末200は、利用者に対して支給品の支給の是非を案内できる。
【0080】
[ステップS36]支給品提供部123(処理部120)は、在庫DB134を参照して支給品の在庫情報を取得する。
[ステップS37]支給品提供部123(処理部120)は、利用者がいる支給所において支給品を支給可能な在庫があればステップS38に進み、在庫がなければステップS40に進む。
【0081】
[ステップS38]支給品提供部123(処理部120)は、利用者に支給品を支給した結果を支給履歴DB133に登録する。
[ステップS39]支給品提供部123(処理部120)は、利用者に支給品を支給した結果として在庫の減少を在庫DB134に登録して支給品提供処理を終了する。
【0082】
[ステップS40]支給品提供部123(処理部120)は、在庫DB134を参照して利用者に支給品を支給可能な近隣の支給所を検索する。なお、支給品提供部123は、図8を用いて説明した支給所データベースを参照することで近隣の支給所として好適な支給所を検索可能にする。
【0083】
[ステップS41]支給品提供部123(処理部120)は、検索結果を近隣支給所として利用者に案内可能にして支給品提供処理を終了する。たとえば、支給品提供部123は、支給品を支給可能であるとした近隣支給所を、生体情報を通知してきた端末200に通知する。これにより、端末200は、利用者に対して支給品を支給可能な支給所を案内できる。
【0084】
次に、支給履歴DB133の一例について図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態の支給履歴データベースの一例を示す図である。支給履歴データベース158は、支給履歴DB133の一例である。
【0085】
支給履歴データベース158は、利用者IDと支給日時と支給品識別コードと個数とを登録内容に含む。支給日時は、利用者IDにより特定される利用者に支給品を支給した日時情報である。支給品識別コードは、利用者IDにより特定される利用者に支給した支給品を特定可能な情報である。なお、支給品識別コードに代えて支給管理データベース152で説明したカテゴリの範囲で支給品を特定するものであってもよい。個数は、利用者IDにより特定される利用者に支給した支給品の個数(あるいは回数等の所定単位)を特定可能な情報である。
【0086】
たとえば、利用者ID「000001」の利用者は、支給日時「Y1/M1/D1(年月日) H1/M1/S1(時分秒)」に、支給品識別コード「zzz1」によって特定される支給品(給水)を2個受け取っている。
【0087】
次に、利用者グルーピングテーブルについて図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態の利用者グルーピングテーブルの一例を示す図である。利用者は、自立して支給品を受取可能な成人や健常者に限らず、保護者等の他者に依存する乳児や、介護者による介護を必要とする要介護者等がいる。支給管理システム50は、自立して支給品を受け取ることができない利用者に対応するため、特定の利用者IDを他者の利用者IDに紐づけて代理人が支給品を受け取ることを可能にしている。利用者グルーピングテーブル160は、生体情報データベース156の利用者IDに関連付けられるデータテーブルである。利用者グルーピングテーブル160は、利用者の申告を受けて担当者が妥当性を確認したうえで担当者の端末200への入力によって作成され、作成内容がサーバ100に通知される。サーバ100は、記憶部130に利用者グルーピングテーブル160を記憶することができる。
【0088】
利用者グルーピングテーブル160は、2つまたは3以上の利用者IDを紐づけるデータテーブルである。利用者グルーピングテーブル160は、代表利用者IDと、代表利用者IDに紐づけられる利用者IDと、理由とを含む。代表利用者IDは、複数の利用者IDを代表するIDであり、代表以外の利用者を代理可能にする。理由は、グルーピングを必要とした理由であり、支給所において参照可能である。
【0089】
たとえば、代表利用者ID「000002」と利用者ID「000102」とは、利用者ID「000102」により特定される利用者が「乳児」であるという理由でグルーピングされ、代表利用者ID「000002」により特定される利用者が利用者ID「000102」を代表する。
【0090】
また、代表利用者ID「000005」と利用者ID「000301」とは、利用者ID「000301」により特定される利用者が「要介護」であるという理由でグルーピングされ、代表利用者ID「000005」により特定される利用者が利用者ID「000301」を代表する。
【0091】
支給管理システム50は、このような利用者グルーピングテーブル160を用いることで、自立して支給品を受け取ることができない利用者を代理して代表利用者が生体認証を受けることを可能にする。
【0092】
具体的には、代表利用者ID「000005」が本人の生体認証を受けたうえで、グルーピングされている利用者を代理する旨を申し出ることにより、当該情報を端末200がサーバ100に通知する。サーバ100は、グルーピングされている利用者の認証に代えて代理人の認証をおこなうことで特別に支給品提供に係る処理をおこなう。
【0093】
このような支給管理システム50は、災害時の避難所において自立して支給品を受け取ることができない利用者を安全な環境に置くことができるし、支給所の混雑回避や担当者の作業負担の軽減に貢献する。
【0094】
次に、支給所グルーピングテーブルについて図14を用いて説明する。図14は、第2の実施形態の支給所グルーピングテーブルの一例を示す図である。支給品提供部123は、図8を用いて説明した支給所データベース154を参照することで近隣の支給所として好適な支給所を検索可能にすると説明したが、支給所グルーピングテーブル162を用いることで一層容易に好適な支給所を検索可能にすることができる。
【0095】
支給所グルーピングテーブル162は、支給所データベース154の支給所に関連付けられるデータテーブルである。支給所グルーピングテーブル162は、支給所の担当者が妥当性を確認したうえで担当者の端末200への入力によって作成され、作成内容がサーバ100に通知される。サーバ100は、記憶部130に支給所グルーピングテーブル162を記憶することができる。なお、支給所グルーピングテーブル162は、支給所データベース154の住所や位置情報等にもとづいて所定規則にもとづく近隣判定をおこなうことで自動生成されるものであってもよい。
【0096】
支給所グルーピングテーブル162は、支給所ごとに近隣の同形態の支給所をグルーピングした近隣同形態支給所と、近隣の異形態の支給所をグルーピングした近隣異形態支給所とをデータテーブルに含む。
【0097】
たとえば、支給所「A」は、近隣同形態支給所に支給所「B」があり、近隣異形態支給所に「X」がある。支給所「Y」は、近隣同形態支給所に支給所「X」があり、近隣異形態支給所がない。
【0098】
支給管理システム50は、このような支給所グルーピングテーブル162を用いることで、支給所にて支給品を支給できないときに代替して支給品を支給可能な近隣の支給所を利用者に好適に案内することができる。
【0099】
なお、支給管理システム50は、管理エリアが広範囲に及ぶ場合に支給所単位ではなく、地域単位でグルーピングをおこなうようにしてもよい。次に、地域グルーピングテーブルについて図15を用いて説明する。図15は、第2の実施形態の地域グルーピングテーブルの一例を示す図である。支給品提供部123は、図8を用いて説明した支給所データベース154を参照することで近隣の支給所として好適な支給所を検索可能にすると説明したが、地域グルーピングテーブル164を用いることで管理エリアが広範囲に及ぶ場合にあって好適な支給所を検索可能にすることができる。
【0100】
地域グルーピングテーブル164は、支給所データベース154の支給所に関連付けられるデータテーブルである。地域グルーピングテーブル164は、支給所の担当者が妥当性を確認したうえで担当者の端末200への入力によって作成され、作成内容がサーバ100に通知される。サーバ100は、記憶部130に地域グルーピングテーブル164を記憶することができる。なお、地域グルーピングテーブル164は、支給所データベース154の住所や位置情報等にもとづいて所定規則にもとづく近隣判定をおこなうことで自動生成されるものであってもよい。
【0101】
地域グルーピングテーブル164は、支給所がある地域ごとに近隣の地域をグルーピングした近隣地域をデータテーブルに含む。
たとえば、地域「A市B町」は、近隣地域「A市C町」がある。地域「A市C町」は、近隣地域「A市B町」に加えて近隣地域「A市D町」がある。このような地域グルーピングは、2拠点間距離だけでなく、鉄道や道路などのアクセス性を考慮して設定されるものであってもよい。
【0102】
支給管理システム50は、このような地域グルーピングテーブル164を用いることで、支給所にて支給品を支給できないときに代替して支給品を支給可能な近隣の支給所を利用者に好適に案内することができる。
【0103】
次に、支給管理システム50は、災害等による避難所等への避難住民(利用者、支給対象者)に過度の負担として身分証明等を求めることなくモノやサービスを公平に支給可能にする支給管理システムであるとしたが、その他の用途にあっても利用可能である。次に、支給管理システム50の変形例として支給管理システム50aを図16を用いて説明する。図16は、第2の実施形態の支給管理システムの変形例を示す図である。第2の実施形態の変形例は、平時に利用者に身分証明等を求めることなくモノやサービスを公平に支給可能にする支給管理システムに関する。
【0104】
支給管理システム50aは、ネットワーク30aと、ネットワーク30aに接続するサーバ100a、生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・を有する。ネットワーク30aは、たとえば、公衆回線網である。
【0105】
生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・は、ネットワーク30aを介して無線(有線であってもよい)によりサーバ100aと接続可能なコンピュータである。生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・は、モノやサービスの提供者が携帯して持ち運び操作するモバイル端末である。
【0106】
生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・は、利用者から生体情報を取得可能である。生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・は、第1の実施形態における生体情報取得装置10に相当する。
【0107】
サーバ100aは、ネットワーク30aを介して有線または無線により生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・と接続可能なコンピュータである。サーバ100aは、生体情報読取装置付モバイル端末装置202(a),202(b),202(c),・・・から離れた遠隔地に備えられる。サーバ100aは、第1の実施形態における支給管理装置20に相当する。
【0108】
このような支給管理システム50aは、身分証明証を携帯容易でないプールや海水浴場、温泉や公衆浴場、スポーツの競技大会等においてモノやサービスを公平に支給可能にし、モノやサービスの支給管理をおこなう管理主体の管理負担をも軽減可能にする。
【0109】
また、このような支給管理システム50aは、身分証明証の提示に抵抗があるシーン、たとえば販促品の頒布において身分証明証の提示を求めるまではないが重複頒布を避けたいときに利用可能である。
【0110】
なお、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0111】
1 支給管理システム
10 生体情報取得装置
20 支給管理装置
21 生体情報DB
22 支給履歴DB
23 支給条件DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16