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特開2024-172752情報処理装置、画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172752
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B41J2/175 317
B41J2/175 315
B41J2/175 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090685
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 靖
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB49
2C056EB52
2C056EB58
2C056EB59
(57)【要約】
【課題】インクタンクに貯留されているインクの正確な残量値を取得する。
【解決手段】情報処理装置100は、第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる第1画像データに基づいて推定されたインクタンクに貯留されているインクの第1の状態における残量度合いを示す第1残量値と、第1の状態より後の状態である第2の状態におけるインクタンクの撮像により得られる第2画像データに基づいて推定されたインクタンクに貯留されているインクの第2の状態における残量度合いを示す第2残量値と、第1の状態から第2の状態までのインクの消費量の推定値である第1消費量値と、第1の状態又は第2の状態から第2の状態より後の任意の状態までのインクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得し、第1残量値と第2残量値との差分と第1消費量値及び第2消費量値とに基づいて任意の状態においてインクタンクに貯留されているインクの残量値を特定する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを示す第1残量値と、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第2の状態における残量度合いを示す第2残量値とを取得する残量取得手段と、
前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得手段と、
前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記第2消費量値を、前記第1残量値と前記第2残量値との差分と前記第1消費量値とに基づいて補正することにより、前記残量値を特定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1消費量値は、前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であり、
前記第2消費量値は、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記任意の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1画像データ及び前記第2画像データを取得する画像取得手段、
を更に有し、
前記残量取得手段は、
前記第1画像データに基づいて、前記第1の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第1残量値を取得し、
前記第2画像データに基づいて、前記第2の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第2残量値を取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記第1残量値と前記第2残量値との差分と前記第1消費量値とに基づいて補正係数を取得し、前記第1残量値又は前記第2残量値と、前記第2消費量値と、前記補正係数とを用いて前記残量値を特定すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記残量取得手段は、前記第1残量値及び前記第2残量値と、前記第2の状態より後且つ前記任意の状態より前の状態である第3の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第3画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第3の状態における残量度合いを示す第3残量値とを取得し、
前記消費量取得手段は、前記第1消費量値及び前記第2消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第3の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第3消費量値とを取得し、
前記特定手段は、
前記第1残量値及び前記第3消費量値と、前記補正係数である第1の補正係数とを用いて、前記第3の状態における前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を仮の残量値として取得し、
前記仮の残量値と前記第3残量値との差分が基準の範囲外である場合に、前記第1残量値又は前記第2残量値と、前記第3残量値との差分と、前記第3消費量値とに基づいて第2の補正係数を取得し、
前記第1残量値又は前記第2残量値と、前記第2消費量値と、前記第1の補正係数に替えて前記第2の補正係数とを用いて前記残量値を特定すること、
を特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1消費量値は、前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であり、
前記第2消費量値は、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記任意の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であり、
前記第2消費量値は、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第3の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であること、
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記第3画像データを取得する画像取得手段、
を更に有し、
前記残量取得手段は、
前記第1画像データに基づいて、前記第1の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第1残量値を取得し、
前記第2画像データに基づいて、前記第2の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第2残量値を取得し、
前記第3画像データに基づいて、前記第3の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第3残量値を取得すること、
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段、
を更に有し、
前記判定手段は、前記残量値が前記閾値以下である場合に、その旨を示す情報を外部に出力すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
撮像手段を制御する撮像制御手段、
を更に有し、
前記画像取得手段は、前記撮像手段による撮像により得られる撮像画像データを前記第1画像データ又は前記第2画像データとして取得すること、
を特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
撮像手段を制御する撮像制御手段、
を更に有し、
前記画像取得手段は、前記撮像手段による撮像により得られる撮像画像データを前記第1画像データ、前記第2画像データ、又は前記第3画像データとして取得すること、
を特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である場合に、前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量が低下している旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である場合に、新たなインクタンクの準備を促す旨の通知、又は前記インクタンクへの前記インクの補充を促す旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記インクタンクに貯留されている前記インクを用いて画像形成を行う画像形成手段と、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である旨を示す情報を取得した場合に、前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量が低下している旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である旨を示す情報を取得した場合に、新たなインクタンクの準備を促す旨の通知、又は前記インクタンクへの前記インクの補充を促す旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項17】
情報処理装置と画像形成装置とを有する画像形成システムであって、
前記情報処理装置及び前記画像形成装置の少なくともいずれかは、
第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データと、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データとを取得する画像取得手段と、
前記第1画像データに基づいて、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを推定することにより、当該残量度合いを示す第1残量値を取得し、前記第2画像データに基づいて、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第2の状態における残量度合いを推定することにより、当該残量度合いを示す第2残量値を取得する残量取得手段と、
前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得手段と、
前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定手段と、
を有することを特徴とする前記画像形成システム。
【請求項18】
第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを示す第1残量値と、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第2の状態における残量度合いを示す第2残量値とを取得する残量取得工程と、
前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得工程と、
前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置におけるインク残量値の取得技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に配設されたインクタンクに貯留されているインクの残量値を取得する技術がある。特許文献1には、インクジェットヘッドから吐出されるインクのドット数と、1ドット当たりのインクの消費量との積に基づいて、インクの消費量値を取得することにより、インクの残量値を取得する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-320751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術により取得されたインクの消費量値は、画像形成装置の使用環境、又はノズルの詰まり具合等により不正確であることがある。そのため、特許文献1に開示された技術には、インクタンクに貯留されているインクの正確な残量値を取得できないことがあるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上述の問題点を解決するためのものであり、本開示に係る情報処理装置は、第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを示す第1残量値と、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第2の状態における残量度合いを示す第2残量値とを取得する残量取得手段と、前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得手段と、前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、インクタンクに貯留されているインクの正確な残量値を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理装置及び画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】画像形成装置の一例を示す外観図である。
図3】インクタンクにインクを補充する方法の一例を説明するための図である。
図4】インクタンク部の拡大図である。
図5】情報処理装置及び画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】情報処理装置における処理フローの一例を示すフローチャートである。
図7】確認画面の一例を示す図である。
図8】完了画面の一例を示す図である。
図9】情報処理装置及び画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10】情報処理装置及び画像形成装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図11】情報処理装置における処理フローの一例を示すフローチャートである。
図12】画像形成システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図13】画像形成システムにおける処理シーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図14】情報処理装置における処理フローの一例を示すフローチャートである。
図15】情報処理装置における補正係数の補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態に記載されている構成要素は、本開示の例としての形態を示すものであり、本開示の範囲をそれらのみに限定するものではない。
【0009】
[実施形態1]
<ハードウェア構成>
図1及び2を参照して、情報処理装置100、及び情報処理装置100を備える画像形成装置150のハードウェア構成について説明する。図1は、実施形態1に係る情報処理装置100及び画像形成装置150のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2は、実施形態1に係る画像形成装置150の一例を示す外観図である。情報処理装置100は、CPU101、ROM102、RAM103、通信部104、I/F部105、及びバス110を有する。また、画像形成装置150は、情報処理装置100、CPU151、ROM152、RAM153、I/F部154、通信部155、表示部156、操作部157、読取部158、印刷部159、バス160、及びインクタンク部170を有する。
【0010】
まず、情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。CPU101は、ROM102又はRAM103に格納されているプログラム又はデータを用いて情報処理装置100を制御する。なお、情報処理装置100は、CPU101とは異なる1又は複数の専用のハードウェアを有し、CPU101による処理の少なくとも一部を専用のハードウェアが実行してもよい。専用のハードウェアの例としては、ASIC、FPGA、及びDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等がある。ROM102は、変更を必要としないプログラム等を格納する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして動作し、ROM102から供給されるプログラム若しくはデータ、又は通信部104若しくはI/F部105を介して供給されるデータ等を一時記憶する。
【0011】
通信部104は、撮像装置120等の外部装置との通信に用いられる。例えば、情報処理装置100が外部装置と有線接続される場合には、通信用のケーブルが通信部104に接続される。情報処理装置100が外部装置と無線通信する機能を有する場合には、通信部104はアンテナを備える。バス110は、情報処理装置100がハードウェア構成として有する各部をつないで情報を伝達する。I/F部105は、画像形成装置150が有するI/F部154を介して、情報処理装置100と画像形成装置150とを接続する内部インタフェース(I/F)である。
【0012】
続いて、画像形成装置150のハードウェア構成について説明する。CPU151は、ROM152又はRAM153に格納されているプログラム又はデータを用いて画像形成装置150を制御する。なお、画像形成装置150は、CPU151とは異なる、ASIC、FPGA、又はDSP等の、1又は複数の専用のハードウェアを有し、CPU151による処理の少なくとも一部を専用のハードウェアが実行してもよい。ROM152は、変更を必要としないプログラム等を格納する。RAM153は、CPU151のワークエリアとして動作し、ROM152から供給されるプログラム若しくはデータ、又は通信部155若しくはI/F部154等を介して供給されるデータ等を一時記憶する。
【0013】
通信部155は、外部装置との通信に用いられる。例えば、画像形成装置150が外部装置と有線接続される場合には、通信用のケーブルが通信部155に接続される。画像形成装置150が外部装置と無線通信する機能を有する場合には、通信部155はアンテナを備える。バス160は、画像形成装置150がハードウェア構成として有する各部をつないで情報を伝達する。I/F部154は、情報処理装置100が有するI/F部105を介して、情報処理装置100と画像形成装置150とを接続する内部インタフェース(I/F)である。
【0014】
表示部156は、液晶ディスプレイ又はLED(light-emitting diode)等により構成され、ユーザが、画像形成装置150を操作するための、又は画像形成装置150における処理の状態を閲覧するためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。操作部157は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等により構成され、ユーザからの操作を受けて各種の指示をCPU151に入力する。CPU151は、表示部156を制御する表示制御部、及び操作部157を制御する操作制御部としても動作する。
【0015】
読取部158は、原稿台201に配置された原稿を光学的に読み取って電子データに変換する。読取部158による読み取りにより得られた電子データは、指定されたファイル形式の画像データに変換されて、例えば、通信部155を介して外部装置に送信されたり、図1には不図示の補助記憶装置等に記憶されたりする。印刷部159は、インクジェットヘッドを有し、図1には不図示のチューブを介してインクタンク部170から供給されるインクを用いて用紙等の記録媒体に画像を形成(以下「印刷」とも呼ぶ。)する。画像形成装置150がコピー機能を有する場合、印刷部159は、読取部158による読み取りにより得られた画像データを用いて、記録媒体に画像を形成する。CPU151は、読取部158を制御する読取制御部、及び印刷部159を制御する印刷制御部としても動作する。なお、印刷制御部は、インクタンク部170に配設される各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を示す情報を含むインクタンク171の情報、及び、積載している記録媒体の種類及び枚数を示す情報を含む記録媒体の情報を管理している。以下、インクタンク171は、一例として、画像形成装置150のインクタンク部170に配設した状態で、外部からインクを注入することによりインクを補充可能なタイプであるものとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0016】
<インクの補充>
図3は、実施形態1に係る画像形成装置150のインクタンク171にインクを補充する方法の一例を説明するための図である。画像形成装置150のインクタンクカバー301を開けると、インクタンク部170を操作することができる。ユーザは、まず、インクタンクカバー301を開けた後、インクを補充する対象のインクタンク171の注入口302にあるキャップを開ける。続いて、ユーザは、インクボトル303のインクを注入口302から注入することにより、インクタンク171にインクを補充することができる。
【0017】
なお、実施形態1に係る画像形成装置150は、色が互いに異なる複数種類のインクを吐出して記録媒体にカラー画像を形成するカラープリンタである。このため、インクタンク部170には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(Bk)の4色のインクのそれぞれを収納するために、4種類のインクタンク171が配設されている。図1(a)及び図3には、シアン色のインクを収容するインクタンク171C、マゼンタ色のインクを収容するインクタンク171M、及びイエロー色のインクを収容するインクタンク171Yが示されている。また、図1(a)及び図3には、ブラック色のインクを収容するインクタンク171Bkが示されている。以下、各インクタンクの基本構成は略同一であるもとし、各インクタンクを包括的に説明する場合には、単にインクタンク171と表記して説明する。
【0018】
図4は、実施形態1に係る画像形成装置150におけるインクタンク部170の拡大図である。各インクタンク171には、インクタンク171内のインクの残量を確認するための確認窓401が設けられている。ユーザは、確認窓401から各インクタンク171内に貯留されているインクの残量を目視により確認することができる。また、確認窓401には、インクの残量の目安を目盛が付してある。実施形態1では、一例として、目盛は、インクタンク171に付されているものとして説明するが、この目盛は、画像形成装置150の本体側に付されていてもよい。なお、図4では、各インクタンク171に貯留されているインク402をグレーで塗りつぶして示している。
【0019】
<機能構成>
図5を参照して、情報処理装置100、及び情報処理装置100を備える画像形成装置150の機能構成について説明する。図5は、実施形態1に係る情報処理装置100及び画像形成装置150の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、画像取得部501、残量取得部502、消費量取得部503、係数取得部504、特定部505、及び検知部506を有する。情報処理装置100が機能構成として有する各部は、RAM103をワークメモリとして、CPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0020】
画像形成装置150は、印刷制御部551、読取制御部552、表示制御部553、及び操作制御部554を有する。画像形成装置150が機能構成として有する各部は、RAM153をワークメモリとして、CPU151がROM152に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、実施形態1では、情報処理装置100はと画像形成装置150とは、それぞれが互いに、CPUを有するものとして説明するが、CPU151によりCPU101の処理が行われてもよく、CPU101によりCPU151の処理が行われてもよい。
【0021】
撮像装置120は、例えば、撮像機能及び通信機能を有するスマートフォンにより構成され、ユーザによる操作により撮像を行い、撮像画像のデータ(以下「撮像画像データ」と呼ぶ。)を生成する。撮像装置120は、生成した撮像画像データを、情報処理装置100に送信する。具体的には、ユーザは、撮像装置120を用いて、インクタンク171内に貯留されているインクと上述の目盛とが写るように、インクタンク部170を撮像する。より具体的には、ユーザは、第1の状態(時点)と、第1の状態から任意のインクを消費した後の第2の状態(時点)とにおいて、インクタンク部170を撮像する。
【0022】
画像取得部501は、撮像装置120から送信された撮像画像データを、通信部104を介して受信することにより、撮像画像データを取得する。具体的には、画像取得部501は、第1の状態における撮像により得られた第1の撮像画像データと、第2の状態における撮像により得られた第2の撮像画像データとを取得する。
【0023】
残量取得部502は、画像取得部501が取得した撮像画像データに基づいて、各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。具体的には、残量取得部502は、第1の撮像画像データに基づいて、第1の状態において各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。また、残量取得部502は、第2の撮像画像データに基づいて、第2の状態において各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。例えば、残量取得部502は、撮像画像を画像解析することにより、各状態において各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。残量取得部502は、撮像画像に対して回転処理、変形処理、又はクロップ処理等を行って、撮像画像を確認窓401に正対する位置から撮像したような画像になるように調整し、調整後の撮像画像を画像解析することによりインクの残量値を取得してもよい。残量取得部502は、取得したインクの残量値を表示部156に表示するように、表示制御部553に要求する。表示制御部553は、撮像画像データに基づいて取得したインクの残量値を示す確認画面を生成して、表示部156に表示する。
【0024】
なお、撮像画像データは、全てのインクタンク171が画角に収まるように撮像されたものであってもよく、各色のインクに対応するインクタンク171ごとの撮像により得られた複数の撮像画像データであってもよい。また、残量取得部502が、インクタンク部170に配設される複数のインクタンク171のうちの少なくとも一部について、インクの残量値の取得に失敗した場合、残量取得部502は、以下のように動作してもよい。この場合、残量取得部502は、例えば、画像形成装置150の表示制御部553に対して、再度、インクタンク部170を撮像して、その撮像画像データを送信するように促す旨の画面を表示部156に表示するように表示制御部553に要求する。また、この場合、例えば、残量取得部502は、再度、インクタンク部170の撮像を促す画面の表示を要求する際に、インクタンク171ごとに撮像するように促すような画面の表示を要求してもよい。
【0025】
消費量取得部503は、ある時点(以下「第1時点」と呼ぶ。)からある時点(以下「第2時点」と呼ぶ。)に至るまでのインクの消費量値を取得する。消費量取得部503が取得するインクの消費量値は、例えば、第1時点から第2時点に至るまでにインクジェットヘッドから吐出されたインクのドット数と、予め定められた1ドット当たりのインクの体積との積により推定される値である。例えば、消費量取得部503は、画像形成装置150が有する印刷制御部551が管理する、インクの消費量値の情報を、I/F104を介して印刷制御部551から取得する。
【0026】
係数取得部504は、画像取得部501が取得したインクの残量値と、消費量取得部503が取得したインクの消費量値とに基づいて、任意の状態(時点)(以下「第3の状態」と呼ぶ。)におけるインクの残量値を算出するための補正係数を取得する。特定部505は、係数取得部504が取得した補正係数を用いた算出式に基づいて、第3の状態におけるインクの残量値を特定する。なお、第3の状態は、第2の状態以降の状態であり、第1の状態から第3の状態に至るまでの間には、各インクタンク171にインクは補充されていないものとする。補正係数の取得方法、及び、第3の状態におけるインクの残量値の特定方法の詳細については後述する。検知部506は、インクタンク171に貯留されているインクの残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定することにより、インクの残量が所定量以下の状態であることを検知する。
【0027】
<情報処理装置の動作>
図6を参照して、情報処理装置100の動作について説明する。図6は、実施形態1に係る情報処理装置100における処理フローの一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において記号「S」はステップを意味する。まず、S601にて、画像取得部501は、第1の撮像画像データを取得する。具体的には、例えば、画像形成装置150は、インクタンクカバー301が閉じられた場合等の任意のタイミングで、インクタンク部170を撮像してその撮像画像データを画像形成装置150に送信する旨を促す画面を表示部156に表示する。ユーザは、当該画面の内容を見て、インクタンク部170を撮像し、撮像画像データを画像形成装置150に送信する。画像取得部501は、撮像装置120から送信された撮像画像データを受信して、これを第1の撮像画像データとして取得する。
【0028】
次に、S602にて、残量取得部502は、S601にて取得した第1の撮像画像データに基づいて、第1の撮像画像データが示す撮像画像が撮像された時点、すなわち、第1の状態において各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。以下、当該残量値を「第1のインク残量値」と表記する。例えば、残量取得部502は、取得したインクの残量値を表示制御部553に送信する。表示制御部553は、残量取得部502から送信された各インクタンク171のインクの残量値に基づいて、例えば、図7に示す確認画面700を生成して、これを表示部156に表示する。図7は、実施形態1に係る画像形成装置150の表示部156に表示される、各インクタンク171のインクの残量値の確認を促す確認画面700の一例を示す図である。
【0029】
S602の後、画像形成装置150による印刷等により、各インクタンク171に貯留されているインクが消費される。その後、S603にて、画像取得部501は、第2の撮像画像データを取得する。具体的には、例えば、画像形成装置150は、所定量のインクが消費された場合等の任意のタイミングで、インクタンク部170を撮像してその撮像画像データを画像形成装置150に送信する旨を促す画面を表示部156に表示する。ユーザは、当該画面の内容を見て、インクタンク部170を撮像し、撮像画像データを画像形成装置150に送信する。画像取得部501は、撮像装置120から送信された撮像画像データを受信して、これを第2の撮像画像データとして取得する。
【0030】
次に、S604にて、残量取得部502は、S603にて取得した第2の撮像画像データに基づいて、第2の撮像画像データが示す撮像画像が撮像された時点、すなわち、第2の状態において各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。以下、当該残量値を「第2のインク残量値」と表記する。例えば、残量取得部502は、取得したインクの残量値を表示制御部553に送信する。表示制御部553は、残量取得部502から送信された各インクタンク171のインクの残量値に基づいて、例えば、図7に示す確認画面700を生成して、これを表示部156に表示する。
【0031】
次に、S605にて、消費量取得部503は、第1の状態から第2の状態に至るまでに消費されたインクの消費量の推定値(以下「第1のインク消費量値」と呼ぶ。)を取得する。次に、S606にて、係数取得部504は、S602又はS604にて取得した第1及び第2のインク残量値と、S605にて取得した第1のインク消費量値とに基づいて、第3の状態におけるインクの残量値を算出するための補正係数を取得する。なお、係数取得部504は、補正係数の取得後に、図8に一例として示す、インク残量値の補正が完了した旨を示す完了画面800の表示を、表示制御部553に要求してもよい。この場合、表示制御部553は、完了画面800を生成して、これを表示部156に表示する。例えば、係数取得部504は、補正係数を、次式(1)を用いて算出することにより取得する。
補正係数=(第1のインク残量値-第2のインク残量値)/第1のインク消費量 … 式(1)
【0032】
S606の後、画像形成装置150による印刷等により、各インクタンク171に貯留されているインクが消費される。その後、S607にて、特定部505は、S606にて取得した補正係数を用いた算出式に基づいて、第3の状態におけるインクの残量値(以下「第3のインク残量値」と呼ぶ。)を特定する。具体的には、例えば、S607にて、まず、消費量取得部503は、第1の状態から第3の状態に至るまでに消費されたインクの消費量の推定値(以下「第2のインク消費量値」と呼ぶ。)を取得する。S607にて、続いて、特定部505は、S606にて取得した補正係数を用いた算出式と、第2のインク消費量値とに基づいて、第3のインク残量値を特定する。例えば、特定部505は、第3のインク残量値を、次式(2)を用いて算出することにより特定する。
第3のインク残量値=第1のインク残量値-第2のインク消費量値×補正係数 … 式(2)
【0033】
以上のように構成した情報処理装置100によれば、インクタンク171に貯留されているインクの正確な残量値を取得することができる。なお、上述の説明では、特定部505は、第2のインク消費量値と式(2)とを用いて第3のインク残量値を特定するものとして説明したが、第3のインク残量値の特定方法は、これに限定されるものではない。例えば、特定部505は、第2の状態から第3の状態に至るまでに消費されたインクの消費量の推定値(以下「第3のインク消費量値」と呼ぶ。)に基づいて、第3のインク残量値を特定してもよい。この場合、例えば、特定部505は、第3のインク残量値を、次式(3)を用いて特定する。
第3のインク残量値=第2のインク残量値-第3のインク消費量値×補正係数 … 式(3)
【0034】
S607の後、S608にて、検知部506は、S607にて取得した第3のインク残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定することにより、インクの残量が所定量以下の状態であることを検知する。S608にて第3のインク残量値が所定の閾値以下であると判定された場合、S609にて、検知部506は、表示制御部553に対して、インクの残量が低下していることを示す画面の表示を要求する。検知部506は、当該場合に、インクタンク171にインクを補充するように促す旨の画面の表示を要求してもよく、インクタンク171に対応する交換用の新規のインクタンクを購入するように促す画面の表示を要求してもよい。表示制御部553は、インクの残量が低下していることを示す画面等を生成して、これを表示部156に表示する。
【0035】
S609の後、又はS608にて第3のインク残量値が所定の閾値以下でないと判定された場合、情報処理装置100は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。終了後、例えば、情報処理装置100は、画像形成装置150におけるページごとの印刷処理の前等の任意のタイミングにおいて、図6に示すS607乃至S609の処理を繰り返し実行する。ユーザは、表示部156に表示された上述の画面を確認することにより、適切なタイミングで、貯留されているインクの残量が少ないインクタンク171を交換するための新たなインクタンクを準備したり、補充用のインクを準備したりすることができる。
【0036】
[実施形態2]
以下、図9乃至11を参照して、実施形態2に係る情報処理装置100について説明する。実施形態1に係る情報処理装置100は、画像形成装置150の内部装置として動作するものであった。実施形態2では、情報処理装置100が画像形成装置150の外部装置として動作する形態について説明する。なお、実施形態2に係る情報処理装置100は、撮像機能及び通信機能を備えたスマートフォンにより構成されているものとして説明する。
【0037】
<ハードウェア構成>
図9を参照して、情報処理装置100及び画像形成装置150のハードウェア構成について説明する。図9は、実施形態2に係る情報処理装置100及び画像形成装置150のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、CPU101、ROM102、RAM103、通信部104、表示部906、操作部907、撮像部908、及びバス110を有する。また、画像形成装置150は、情報処理装置100、CPU151、ROM152、RAM153、通信部155、表示部156、操作部157、読取部158、印刷部159、バス160、及びインクタンク部170を有する。図9において、図1と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を略する。なお、実施形態2に係る画像形成装置150の外観は、図2乃至4に一例として示す、実施形態1に係る画像形成装置150と同様であるため説明を省略する。すなわち、実施形態2に係るインクタンク171は、一例として、画像形成装置150のインクタンク部170に配設した状態で、外部からインクを注入することによりインクを補充可能なタイプであるものとして説明する、これに限定されるものではない。
【0038】
通信部104は、画像形成装置150等の外部装置との通信に用いられる。表示部906は、例えば液晶ディスプレイ又はLED等により構成され、ユーザが画像形成装置150を操作、又は画像形成装置150における処理の状態を閲覧するためのGUI等を表示する。操作部907は、タッチパネル等により構成され、ユーザによる操作を受けて各種の指示をCPU101に入力する。撮像部908は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等の画像センサを備える。撮像部908は、撮像により、光による像を電気信号による像に変換して、撮像画像データを生成する。CPU101は、表示部906を制御する表示制御部、操作部907を制御する操作制御部、及び撮像部908を制御する撮像制御部としても動作する。画像形成装置150の通信部155は、情報処理装置100等の外部装置との通信に用いられる
<機能構成>
図10を参照して、情報処理装置100及び画像形成装置150の機能構成について説明する。図10は、実施形態2に係る情報処理装置100及び画像形成装置150の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、画像取得部501、残量取得部502、消費量取得部503、係数取得部504、特定部505、検知部506、撮像制御部1001、操作制御部1002、及び表示制御部1003を有する。情報処理装置100が機能構成として有する各部は、RAM103をワークメモリとして、CPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することにより実現される。ここで、当該プログラムとは、例えば、インク残量を特定するための専用のアプリケーションプログラムであり、情報処理装置100がスマートフォンにより構成される場合、当該プログラムはスマートフォンアプリケーションプログラムに相当する。
【0039】
画像形成装置150は、印刷制御部551、読取制御部552、表示制御部553、及び操作制御部554を有する。画像形成装置150が機能構成として有する各部は、RAM153をワークメモリとして、CPU151がROM152に格納されたプログラムを実行することにより実現される。図10において、図5と同様の構成については同じ符号を付して、その詳細な説明を略し、差異のみについて説明する。
【0040】
撮像制御部1001は、撮像部908を制御して、画像センサの露光により得られた電気信号を画像のデータに変換して撮像画像データを生成する。画像取得部501は、撮像制御部1001が生成した撮像画像データを取得する。具体的には、ユーザは、情報処理装置100を用いて、インクタンク171内に貯留されているインクと上述の目盛とが写るように、インクタンク部170を撮像する。より具体的には、ユーザは、第1の状態と第2の状態とにおいて、インクタンク部170を撮像する。画像取得部501は、第1の状態における撮像により得られた第1の撮像画像データと、第2の状態における撮像により得られた第2の撮像画像データとを取得する。
【0041】
残量取得部502は、画像取得部501が取得した撮像画像データに基づいて、各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得する。残量取得部502は、取得したインクの残量値を表示部906に表示するように表示制御部1003に要求する。表示制御部1003は、撮像画像データに基づいて取得したインクの残量値を示す、図7に一例として示す確認画面700を生成して、表示部906に表示する。なお、撮像画像データは、全てのインクタンク171が画角に収まるように撮像されたものであってもよく、インクタンク171ごとの撮像により得られた複数の撮像画像データであってもよい。例えば、ユーザは、全てのインクタンク171が画角に収まるように撮像する簡易撮像モードと、インクタンク171ごとに撮像する詳細撮像モードとのいずれかの撮像モードを選択する。
【0042】
簡易撮像モードが選択されている場合、撮像部908による撮像の際に、表示制御部1003は、インクタンク部170の外形の位置の指標となる矩形等の枠を表示部906に表示する。ユーザは、画角におけるインクタンク部170の外形を当該枠に合わせた状態で撮像を行う。これにより、残量取得部502によりインクの残量値を高精度に取得可能な撮像画像データを得ることができる。詳細撮像モードが選択されている場合、撮像部908による撮像の際に、表示制御部1003は、インクタンク171の外形の位置の指標となる矩形等の枠を表示部906に表示する。ユーザは、画角におけるインクタンク171の外形を当該枠に合わせた状態で撮像を行う。これにより、残量取得部502によりインクの残量値を高精度に取得可能な撮像画像データを得ることができる。また、残量取得部502が、簡易撮像モードによる撮像により得られた撮像画像データに基づくインク残量の取得に失敗した場合、情報処理装置100は、詳細撮像モードに変更した上で、ユーザに詳細撮像モードによる撮像を促す表示を行ってもよい。
【0043】
消費量取得部503は、画像形成装置150の印刷制御部551が管理するインクの消費量値の情報を、通信部104を介して画像形成装置150から取得することにより、各インクタンク171に貯留されているインクの消費量値を取得する。実施形態2に係る係数取得部504及び特定部505の処理は、実施形態1に係る係数取得部504及び特定部505の処理と同一であるため説明を省略する。検知部506は、インクタンク171に貯留されているインクの残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定することにより、インクの残量が所定量以下の状態であることを検知する。検知部506は、インクの残量が所定量以下の状態であることを検知した場合、表示制御部1003に対して、インクの残量が低下していることを示す画面の表示を要求する。検知部506は、当該場合に、インクタンク171にインクを補充するように促す旨の画面の表示を要求してもよく、インクタンク171に対応する交換用の新規のインクタンクを購入するように促す画面の表示を要求してもよい。表示制御部1003は、インクの残量が低下していることを示す画面等を生成して、これを表示部906に表示する。
【0044】
<情報処理装置の動作>
図11を参照して、情報処理装置100の動作について説明する。図11は、実施形態2に係る情報処理装置100における処理フローの一例を示すフローチャートである。まず、S1101にて、画像取得部501は、第1の撮像画像データを取得する。具体的には、例えば、画像形成装置150は、インクタンクカバー301が閉じられた場合等の任意のタイミングで、インクタンク部170の撮像を促す画面を表示部156に表示する。ユーザは、当該画面の内容を見て、インクタンク部170を撮像し、その撮像画像データは、第1の撮像画像データとして画像取得部501により取得される。次に、S1102にて、残量取得部502は、S1101にて取得した第1の撮像画像データに基づいて、第1のインク残量値を取得する。例えば、表示制御部1003は、残量取得部502が取得した第1のインク残量値に基づいて、図7に一例として示す確認画面700を生成して、これを表示部906に表示する。
【0045】
S1102の後、画像形成装置150による印刷等により、各インクタンク171に貯留されているインクが消費される。その後、S1103にて、画像取得部501は、第2の撮像画像データを取得する。具体的には、例えば、画像形成装置150は、所定量のインクが消費された場合等の任意のタイミングで、インクタンク部170の撮像を促す画面を表示部156に表示する。ユーザは、当該画面の内容を見て、インクタンク部170を撮像し、その撮像画像データは、第2の撮像画像データとして画像取得部501により取得される。次に、S1104にて、残量取得部502は、S1103にて取得した第2の撮像画像データに基づいて、第2のインク残量値を取得する。例えば、表示制御部1003は、残量取得部502が取得した第2のインク残量値に基づいて、図7に一例として示す確認画面700を生成して、これを表示部906に表示する。
【0046】
次に、S1105にて、消費量取得部503は、通信部104を介して第1のインク消費量値を取得する。次に、S1106にて、係数取得部504は、S1102又はS1104にて取得した第1及び第2のインク残量値と、S1105にて取得した第1のインク消費量値とに基づいて、第3の状態におけるインクの残量値を算出するための補正係数を取得する。なお、係数取得部504は、補正係数の取得後に、図8に一例として示す、インク残量値の補正が完了した旨の画面の出力を、表示制御部1003に指示してもよい。この場合、表示制御部1003は、完了画面800を生成して、これを表示部906に表示する。例えば、係数取得部504は、補正係数を、式(1)を用いて算出することにより取得する。S1106の後、画像形成装置150による印刷等により、各インクタンク171に貯留されているインクが消費される。その後、S1107にて、特定部505は、S1106にて取得した補正係数を用いた算出式に基づいて、第3のインク残量値を特定する。例えば、特定部505は、第3のインク残量値を、式(2)を用いて算出することにより特定する。
【0047】
以上のように構成した情報処理装置100によれば、インクタンク171に貯留されているインクの正確な残量値を取得することができる。なお、上述の説明では、特定部505は、第2のインク消費量値と式(2)とを用いて第3のインク残量値を特定するものとして説明したが、第3のインク残量値の特定方法は、これに限定されるものではない。例えば、特定部505は、第3のインク消費量値に基づいて、第3のインク残量値を特定してもよい。この場合、例えば、特定部505は、第3のインク残量値を、式(3)を用いて特定する。
【0048】
S1107の後、S1108にて、検知部506は、S1107にて取得した第3のインク残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定することにより、インクの残量が所定量以下の状態であることを検知する。S1108にて第3のインク残量値が所定の閾値以下であると判定された場合、S1109にて、検知部506は、表示制御部1003に対して、インクの残量が低下していることを示す画面の表示を要求する。検知部506は、インクの残量が所定量以下のインクタンク171にインクを補充することを促すような画面の表示を要求してもよく、インクタンク171に対応する交換用の新規のインクタンクを購入するように促す画面の表示を要求してもよい。表示制御部1003は、インクの残量が低下していることを示す画面等を生成して、これを表示部906に表示する。
【0049】
S1109の後、又はS1108にて第3のインク残量値が所定の閾値以下でないと判定された場合、情報処理装置100は、図11に示すフローチャートの処理を終了する。終了後、例えば、情報処理装置100は、任意のタイミングにおいて、図11に示すS1107乃至S1109の処理を繰り返し実行する。ユーザは、表示部906に表示された上述の画面を確認することにより、適切なタイミングで、貯留されているインクの残量が少ないインクタンク171を交換するための新たなインクタンクを準備したり、補充用のインクを準備したりすることができる。
【0050】
[実施形態3]
実施形態3では、図12及び13を参照して、情報処理装置100と画像形成装置150とが連動して動作する画像形成システム1200について説明する。なお、実施形態3に係る情報処理装置100は、撮像機能及び通信機能を備えたスマートフォンにより構成されているものとして説明する。また、実施形態3に係る情報処理装置100のハードウェア構成は、実施形態2に係る情報処理装置100と同様であり、実施形態3に係る画像形成装置150のハードウェア構成は、実施形態2に係る画像形成装置150と同様である。そのため、情報処理装置100及び画像形成装置150のハードウェア構成の詳細な説明については省略する。
【0051】
<機能構成>
図12を参照して、情報処理装置100及び画像形成装置150の機能構成について説明する。図12は、実施形態2に係る画像形成システム1200の構成の一例を示すブロック図であって、画像形成システム1200が有する情報処理装置100及び画像形成装置150の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置100は、画像取得部501、残量取得部502、撮像制御部1001、操作制御部1002、及び表示制御部1003を有する。情報処理装置100が機能構成として有する各部は、RAM103をワークメモリとして、CPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することにより実現される。ここで、当該プログラムとは、例えば、インク残量を特定するための専用のアプリケーションプログラムであり、情報処理装置100がスマートフォンにより構成される場合、当該プログラムはスマートフォンアプリケーションプログラムである。
【0052】
画像形成装置150は、消費量取得部1253、係数取得部1254、特定部1255、検知部1256、印刷制御部551、読取制御部552、表示制御部553、及び操作制御部554を有する。画像形成装置150が機能構成として有する各部は、RAM153をワークメモリとして、CPU151がROM152に格納されたプログラムを実行することにより実現される。図12において、図5又は10と同様の構成については同じ符号を付して、その詳細な説明を略し、差異のみについて説明する。
【0053】
残量取得部502は、画像取得部501が取得した撮像画像データに基づいて、各インクタンク171に貯留されているインクの残量値を取得し、取得したインクの残量値の情報を、通信部104を介して画像形成装置150に送信する。残量取得部502が送信したインクの残量値の情報は、通信部155を介して画像形成装置150の係数取得部1254により取得される。消費量取得部1253、係数取得部1254、特定部1255、及び検知部1256の処理は、実施形態1に係る情報処理装置100が有する消費量取得部603、係数取得部604、特定部605、及び検知部606の処理と同一であるため説明を省略する。
【0054】
<画像形成システムの動作>
図13を参照して、画像形成システム1200の動作について説明する。図13は、実施形態3に係る画像形成システム1200における処理シーケンスの一例を示すシーケンス図である。まず、S1301にて、画像形成装置150は、撮像要求を示す画面を表示部156に表示する。具体的には、例えば、画像形成装置150は、インクタンクカバー301が閉じられた場合等の任意のタイミングで、インクタンク部170の撮像を促す画面を表示部156に表示する。
【0055】
その後、ユーザは、情報処理装置100に対して撮像操作を行い、インクタンク部170を撮像する。次に、S1302にて、画像取得部501は、当該撮像により得られる撮像画像データを第1の撮像画像データとして取得する。次に、S1303にて、残量取得部502は、S1302にて取得した第1の撮像画像データに基づいて、第1のインク残量値を取得する。次に、S1304にて、表示制御部1003は、S1303にて取得した第1のインク残量値に基づいて、図7に一例として示す確認画面700を生成して、これを表示部906に表示することにより、第1のインク残量値を表示部906に表示する。その後、ユーザは、情報処理装置100に対して送信指示操作を行い、情報処理装置100に対して、S1303にて取得した第1のインク残量値の情報の画像形成装置150への送信を指示する。その後、S1305にて、残量取得部502は、S1303にて取得した第1のインク残量値の情報を画像形成装置150に送信する。
【0056】
次に、S1306にて、画像形成装置150は、S1305に送信された第1のインク残量値の情報を受信して、受信した第1のインク残量値の情報をRAM153に記憶させると共に、第1のインク残量値を表示部156に表示する。S1306の後、S1307にて、画像形成装置150は、印刷等により各インクタンク171に貯留されているインクを消費する。その後、S1311にて、画像形成装置150は、撮像要求を示す画面を表示部156に表示する。具体的には、例えば、画像形成装置150は、所定量のインクが消費された場合等の任意のタイミングで、インクタンク部170の撮像を促す画面を表示部156に表示する。
【0057】
その後、ユーザは、情報処理装置100に対して撮像操作を行い、インクタンク部170を撮像する。次に、S1312にて、画像取得部501は、当該撮像により得られる撮像画像データを第2の撮像画像データとして取得する。次に、S1313にて、残量取得部502は、S1312にて取得した第2の撮像画像データに基づいて、第2のインク残量値を取得する。次に、S1314にて、表示制御部1003は、S1313にて取得した第2のインク残量値に基づいて、図7に一例として示す確認画面700を生成して、これを表示部906に表示することにより、第2のインク残量値を表示部906に表示する。その後、ユーザは、情報処理装置100に対して送信指示操作を行い、情報処理装置100に対して、S1313にて取得した第2のインク残量値の情報の画像形成装置150への送信を指示する。その後、S1315にて、残量取得部502は、S1313にて取得した第2のインク残量値の情報を画像形成装置150に送信する。
【0058】
次に、S1316にて、画像形成装置150は、S1315に送信された第2のインク残量値の情報を受信して、受信した第2のインク残量値の情報をRAM153に記憶させると共に、第2のインク残量値を表示部156に表示する。次に、S1321にて、消費量取得部1253は、第1のインク消費量値を取得する。次に、S1322にて、係数取得部1254は、RAM153に記憶された第1及び第2のインク残量値と、S1321にて取得した第1のインク消費量値とに基づいて、補正係数を取得する。なお、表示制御部553は、係数取得部1254による補正係数の取得後に、図8に一例として示す完了画面800を表示部156に出力してもよい。
【0059】
S1322の後、画像形成装置150による印刷等により、各インクタンク171に貯留されているインクが消費される。その後、S1323にて、特定部1255は、S1322にて取得した補正係数を用いた算出式に基づいて、第3のインク残量値を特定する。例えば、特定部1255は、第3のインク残量値を、式(2)又は式(3)を用いて算出することにより特定する。以上のように構成した画像形成システム1200によれば、インクタンク171に貯留されているインクの正確な残量値を取得することができる。
【0060】
S1323の後、S1324にて、画像形成装置150は、S1323にて取得した第3のインク残量値が所定の閾値以下である場合に、ユーザに対して、インクの残量が低下している旨を通知する。具体的には、S1324にて、まず、検知部506は、第3のインク残量値が所定の閾値以下であるかを判定する。第3のインク残量値が所定の閾値以下であると判定された場合、表示制御部553は、インクの残量が低下していることを示す画面を生成して、これを表示部156に表示する。この場合、表示制御部553は、インクの残量が所定量以下のインクタンク171にインクを補充することを促すような画面等を生成して、これを表示部156に表示してもよい。
【0061】
S1324の後、画像形成システム1200は、図11に示す処理シーケンスを終了する。終了後、例えば、画像形成装置150は、任意のタイミングにおいて、図13に示すS1323及びS1324の処理を繰り返し実行する。ユーザは、表示部156に表示された上述の画面を確認することにより、適切なタイミングで、貯留されているインクの残量が少ないインクタンク171を交換するための新たなインクタンクを準備したり、補充用のインクを準備したりすることができる。
【0062】
[実施形態4]
実施形態1乃至3では、第1のインク残量値と第2のインク残量値との差分と、第1のインク消費量値とに基づいて取得した補正係数を用いて、第3のインク残量値を特定するものであった。しかしながら、当該補正係数が正確でない場合がある。実施形態4では、第1のインク残量値と第2のインク残量値との差分と、第1のインク消費量値とに基づいて取得した補正係数をより正確なものになるように補正する形態について説明する。なお、実施形態4では、一例として、図1及び図5に示す実施形態1に係る情報処理装置100及び画像形成装置150の構成を参照して説明する。
【0063】
<情報処理装置の動作>
図14及び15を参照して、情報処理装置100の動作について説明する。図14は、実施形態4に係る情報処理装置100における処理フローの一例を示すフローチャートである。なお、図14において、図6と同一の処理については同じ符号を付して、その説明を省略する。まず、情報処理装置100は、S601からS605までの処理を実行する。S605の後、S1401にて、係数取得部504は、第1及び第2のインク残量値と、第1のインク消費量値とに基づいて、第2の状態以降における任意の状態でのインクの残量値を算出するための補正係数を第1の補正係数として取得する。ここで、第1の補正係数は、式(1)を用いて算出することにより取得される。次に、S1402にて、情報処理装置100は、補正係数の補正処理を実行する。
【0064】
図15は、実施形態4に係る情報処理装置100における処理フローの一例を示すフローチャートであって、図14に示すS1402における補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、S1501にて、画像取得部501は、第n-1(nは3以上の整数)の状態より後の状態である第nの状態(時点)における撮像により得られた第nの撮像画像データを取得する。第nの撮像画像データは、第1及び第2の撮像画像データと同様に、インクタンク部170を撮像することにより得られたデータである。具体的には、S1501にて、画像取得部501は、まず、第2の状態より後の状態である第3の状態における撮像により得られた第3の撮像画像データを取得する。
【0065】
次に、S1502にて、残量取得部502は、S1501にて取得した第nの撮像画像データに基づいて、第nのインク残量値を取得する。第nのインク残量値の取得方法は、第1及び第2のインク残量値の取得方法と同様である。具体的には、S1502にて、残量取得部502は、まず、S1501にて取得した第3の撮像画像データに基づいて、第3のインク残量値を取得する。次に、S1503にて、消費量取得部503は、第1の状態から第nの状態に至るまでのインクの消費量の推定値である第n-1のインク消費量値を印刷制御部551から取得する。具体的には、S1503にて、消費量取得部503は、まず、第1の状態から第3の状態に至るまでのインクの消費量の推定値である第2のインク消費量値を取得する。
【0066】
次に、S1504にて、係数取得部604は、S602にて取得した第1のインク残量値とS1502にて取得した第nのインク残量値との差分と、S1503にて取得した第n-1のインク消費量値とに基づいて、第n-1の補正係数を取得する。具体的には、S1504にて、係数取得部604は、まず、S602にて取得した第1のインク残量値とS1502にて第3のインク残量値との差分と、S1503にて取得した第2のインク消費量値とに基づいて、第2の補正係数を取得する。例えば、係数取得部604は、次式(4)を用いて第n-1の補正係数を算出することにより取得する。
第n-1の補正係数=(第1のインク残量値-第nのインク残量値)/第n-1のインク消費量 … 式(4)
【0067】
なお、第n-1の補正係数の取得方法は、上述の方法に限定されるものではない。例えば、S1503にて、消費量取得部503は、第n-1の状態から第nの状態に至るまでのインクの消費量の推定値を、第n-1のインク消費量値として取得する。この場合、S1504にて、係数取得部604は、第n-1のインク残量値と第nのインク残量値との差分と、第n-1のインク消費量値とに基づいて、第n-1の補正係数を取得する。具体的には、例えば、係数取得部604は、次式(5)を用いて第n-1の補正係数を算出することにより取得する。
第n-1の補正係数=(第n-1のインク残量値-第nのインク残量値)/第n-1のインク消費量 … 式(5)
【0068】
次に、1505にて、特定部505は、第1のインク残量値及び第n-1のインク消費量値と、第n-2の補正係数を用いて、第nの状態におけるインク残量値を仮のインク残量値として特定する。具体的には、1505にて、特定部505は、まず、第1のインク残量値及び第2のインク消費量値と、第1の補正係数を用いて、第3の状態におけるインク残量値を仮のインク残量値として特定する。例えば、特定部505は、次式(6)を用いて、第nの状態における仮のインク残量値を算出することにより取得する。
第nの状態における仮のインク残量値=第1のインク残量値-第n-1のインク消費量値×第n-2の補正係数 … 式(6)
【0069】
次に、S1506にて、係数取得部604は、S1502に取得した第nのインク残量値とS1505にて取得した第nの状態における仮のインク残量値との差分が基準の範囲内であるか否かを判定する。具体的には、S1506にて、係数取得部604は、まず、S1502に取得した第3のインク残量値とS1505にて取得した第3の状態における仮のインク残量値との差分が基準の範囲内であるか否かを判定する。S1506にてインク残量値同士の差分が基準の範囲内であると判定された場合、情報処理装置100は、第n-2の補正係数を真の補正係数として補正して、図15に示すフローチャートの処理を終了する。S1506にてインク残量値同士の差分が基準の範囲内でないと判定された場合、情報処理装置100は、S1501の処理に戻る。その後、情報処理装置100は、S1506にてインク残量値同士の差分が基準の範囲内であると判定されるまで、S1501からS1506までの処理を繰り返し実行する。
【0070】
具体的には、1回目の繰り返し処理では、まず、S1501にて、画像取得部501は、第3の状態より後の状態である第4の状態(時点)における撮像により得られた第4の撮像画像データを取得する。次に、S1502にて、残量取得部502は、第4の撮像画像データに基づいて、第4のインク残量値を取得する。次に、S1503にて、消費量取得部503は、第1の状態から第4の状態に至るまでのインクの消費量の推定値である第3のインク消費量値を取得する。次に、S1504にて、係数取得部604は、第1のインク残量値と第4のインク残量値との差分と、第3のインク消費量値とに基づいて、第3の補正係数を取得する。次に、1505にて、特定部505は、第1のインク残量値及び第3のインク消費量値と、第2の補正係数とを用いて、第4の状態におけるインク残量値を仮のインク残量値として特定する。次に、S1506にて、係数取得部604は、S1502に取得した第4のインク残量値とS1505にて取得した第4の状態における仮のインク残量値との差分が基準の範囲内であるか否かを判定する。S1506にてインク残量値同士の差分が基準の範囲内であると判定された場合、情報処理装置100は、第2の補正係数を真の補正係数として補正して、図15に示すフローチャートの処理を終了する。
【0071】
S1402の後、S1403にて、特定部505は、真の補正係数とした第n-2の補正係数を用いた算出式に基づいて、第nの状態より後の任意の第n+1の状態(時点)におけるインク残量値(以下「第n+1のインク残量値」と呼ぶ。)を特定する。以上のように構成した情報処理装置100によれば、補正係数が安定するまで補正係数の補正を繰り返すことにより、インクタンク171に貯留されているインクの、より正確な残量値を取得することができる。
【0072】
S1403の後、S1404にて、検知部506は、S1403にて取得した第n+1のインク残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定することにより、インクの残量が所定量以下の状態であることを検知する。S1404にて第n+1のインク残量値が所定の閾値以下であると判定された場合、情報処理装置は、S609の処理を実行する。S609の後、又はS1404にて第n+1のインク残量値が所定の閾値以下でないと判定された場合、情報処理装置100は、図14に示すフローチャートの処理を終了する。終了後、例えば、情報処理装置100は、画像形成装置150におけるページごとの印刷処理の前等の任意のタイミングにおいて、図14に示すS1403、S1404、及びS609の処理を繰り返し実行する。ユーザは、表示部156に表示された上述の画面を確認することにより、適切なタイミングで、貯留されているインクの残量が少ないインクタンク171を交換するための新たなインクタンクを準備したり、補充用のインクを準備したりすることができる。
【0073】
[その他の実施形態]
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0074】
なお、本開示はその開示の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、各実施形態の任意の構成要素の変形、又は、各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0075】
[本開示の構成]
本開示は、以下の構成、方法、及びプログラムを含む。
【0076】
<構成1>
第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを示す第1残量値と、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第2の状態における残量度合いを示す第2残量値とを取得する残量取得手段と、
前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得手段と、
前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0077】
<構成2>
前記特定手段は、前記第2消費量値を、前記第1残量値と前記第2残量値との差分と前記第1消費量値とに基づいて補正することにより、前記残量値を特定すること
を特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0078】
<構成3>
前記第1消費量値は、前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であり、
前記第2消費量値は、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記任意の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であること、
を特徴とする構成1又は2に記載の情報処理装置。
【0079】
<構成4>
前記第1画像データ及び前記第2画像データを取得する画像取得手段、
を更に有し、
前記残量取得手段は、
前記第1画像データに基づいて、前記第1の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第1残量値を取得し、
前記第2画像データに基づいて、前記第2の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第2残量値を取得すること、
を特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0080】
<構成5>
前記特定手段は、前記第1残量値と前記第2残量値との差分と前記第1消費量値とに基づいて補正係数を取得し、前記第1残量値又は前記第2残量値と、前記第2消費量値と、前記補正係数とを用いて前記残量値を特定すること、
を特徴とする構成1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0081】
<構成6>
前記残量取得手段は、前記第1残量値及び前記第2残量値と、前記第2の状態より後且つ前記任意の状態より前の状態である第3の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第3画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第3の状態における残量度合いを示す第3残量値とを取得し、
前記消費量取得手段は、前記第1消費量値及び前記第2消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第3の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第3消費量値とを取得し、
前記特定手段は、
前記第1残量値及び前記第3消費量値と、前記補正係数である第1の補正係数とを用いて、前記第3の状態における前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を仮の残量値として取得し、
前記仮の残量値と前記第3残量値との差分が基準の範囲外である場合に、前記第1残量値又は前記第2残量値と、前記第3残量値との差分と、前記第3消費量値とに基づいて第2の補正係数を取得し、
前記第1残量値又は前記第2残量値と、前記第2消費量値と、前記第1の補正係数に替えて前記第2の補正係数とを用いて前記残量値を特定すること、
を特徴とする構成5に記載の情報処理装置。
【0082】
<構成7>
前記第1消費量値は、前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であり、
前記第2消費量値は、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記任意の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であり、
前記第2消費量値は、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第3の状態に至るまでに、インクジェットヘッドから吐出される前記インクのドット数に基づいて推定された値であること、
を特徴とする構成6に記載の情報処理装置。
【0083】
<構成8>
前記第1画像データ、前記第2画像データ、及び前記第3画像データを取得する画像取得手段、
を更に有し、
前記残量取得手段は、
前記第1画像データに基づいて、前記第1の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第1残量値を取得し、
前記第2画像データに基づいて、前記第2の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第2残量値を取得し、
前記第3画像データに基づいて、前記第3の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量度合いを推定することにより、前記第3残量値を取得すること、
を特徴とする構成6又は7に記載の情報処理装置。
【0084】
<構成9>
前記残量値が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段、
を更に有し、
前記判定手段は、前記残量値が前記閾値以下である場合に、その旨を示す情報を外部に出力すること、
を特徴とする構成1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0085】
<構成10>
撮像手段を制御する撮像制御手段、
を更に有し、
前記画像取得手段は、前記撮像手段による撮像により得られる撮像画像データを前記第1画像データ又は前記第2画像データとして取得すること、
を特徴とする構成4に記載の情報処理装置。
【0086】
<構成11>
撮像手段を制御する撮像制御手段、
を更に有し、
前記画像取得手段は、前記撮像手段による撮像により得られる撮像画像データを前記第1画像データ、前記第2画像データ、又は前記第3画像データとして取得すること、
を特徴とする構成8に記載の情報処理装置。
【0087】
<構成12>
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である場合に、前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量が低下している旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする構成1乃至11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0088】
<構成13>
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である場合に、新たなインクタンクの準備を促す旨の通知、又は前記インクタンクへの前記インクの補充を促す旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0089】
<構成14>
前記インクタンクに貯留されている前記インクを用いて画像形成を行う画像形成手段と、
構成1乃至9のいずれか1つに記載の情報処理装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0090】
<構成15>
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である旨を示す情報を取得した場合に、前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量が低下している旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする構成14に記載の画像形成装置。
【0091】
<構成16>
表示手段を制御する表示制御手段、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記残量値が所定の閾値以下である旨を示す情報を取得した場合に、新たなインクタンクの準備を促す旨の通知、又は前記インクタンクへの前記インクの補充を促す旨の通知を前記表示手段に対して表示制御すること、
を特徴とする構成14又は15に記載の画像形成装置。
【0092】
<構成17>
情報処理装置と画像形成装置とを有する画像形成システムであって、
前記情報処理装置及び前記画像形成装置の少なくともいずれかは、
第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データと、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データとを取得する画像取得手段と、
前記第1画像データに基づいて、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを推定することにより、当該残量度合いを示す第1残量値を取得し、前記第2画像データに基づいて、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第2の状態における残量度合いを推定することにより、当該残量度合いを示す第2残量値を取得する残量取得手段と、
前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得手段と、
前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定手段と、
を有することを特徴とする前記画像形成システム。
【0093】
<方法>
第1の状態におけるインクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第1画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されているインクの前記第1の状態における残量度合いを示す第1残量値と、前記第1の状態より後の状態である第2の状態における前記インクタンクの撮像により得られる撮像画像データである第2画像データに基づいて推定された、前記インクタンクに貯留されている前記インクの前記第2の状態における残量度合いを示す第2残量値とを取得する残量取得工程と、
前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第1消費量値と、前記第1の状態又は前記第2の状態から、前記第2の状態より後の任意の状態に至るまでの前記インクの消費量の推定値である第2消費量値とを取得する消費量取得工程と、
前記第1残量値と前記第2残量値との差分と、前記第1消費量値及び前記第2消費量値とに基づいて、前記任意の状態において前記インクタンクに貯留されている前記インクの残量値を特定する特定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【0094】
<プロクラム>
コンピュータを、構成1乃至13のいずれか1つに記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0095】
100 情報処理装置
502 残量取得部
503 消費量取得部
504 係数取得部
505 特定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15