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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172759
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01R13/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090707
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松原 祐那
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA04
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC40
(57)【要約】
【課題】ハウジングに対するカバーの相対回転を規制することができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタは、端子を保持するハウジング2と、端子に接続された電線Wの配索方向を規制する筒部を有し、ハウジングに組み付けられるカバー3と、ハウジングに対するカバーの相対回転を規制する規制構造10と、を備え、規制構造は、ハウジングに配置された第一リブ22と、カバーに配置され、第一リブと嵌合する第一の溝71と、カバーに配置されたロックアーム72と、を有し、第一リブは、係合凹部22aを有し、ロックアームは、第一の溝と対向する対向面72cが設けられた突起を有し、かつ対向面が係合凹部によって係止されるように係合凹部に係合する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子を保持するハウジングと、
前記端子に接続された電線の配索方向を規制する筒部を有し、前記ハウジングに組み付けられるカバーと、
前記ハウジングに対する前記カバーの相対回転を規制する規制構造と、
を備え、
前記規制構造は、前記ハウジングに配置された第一リブと、前記カバーに配置され、前記第一リブと嵌合する第一の溝と、前記カバーに配置されたロックアームと、を有し、
前記第一リブは、係合凹部を有し、
前記ロックアームは、前記第一の溝と対向する対向面が設けられた突起を有し、かつ前記対向面が前記係合凹部によって係止されるように前記係合凹部に係合する
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記カバーは、ヒンジ部を介してつながる第一カバーおよび第二カバーを有し、
前記第一カバーおよび前記第二カバーは、前記ハウジングを挟み込むように互いに係合し、
前記規制構造は、前記ハウジングに対する前記第一カバーの回転を規制する第一構造、および前記ハウジングに対する前記第二カバーの回転を規制する第二構造を含む
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第一構造は、前記第一リブ、前記第一カバーに配置された前記第一の溝、および前記第一カバーに配置された前記ロックアームを有し、
前記第二構造は、前記ハウジングに配置された第二リブと、前記第二カバーに配置され、前記第二リブをガイドする第二の溝と、を有する
請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタのハウジングに対して取り付けられる電線カバーがある。特許文献1には、片側を開放した溝状の電線配索空間を備えて、コネクタハウジングの電線導出端に取り付けられる第1電線カバーと、第1電線カバーにヒンジ部を介して一体形成されて、電線配索空間の開放部を開閉可能に覆う第2電線カバーと、を備えた電線カバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-131113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハウジングに取り付けられるカバーを有するコネクタにおいて、ハウジングに対するカバーの相対回転を規制できることが望ましい。例えば、カバーが、第一カバーと第二カバーとを係合させてハウジングに取り付けられる構成を有する場合に、ハウジングに対してカバーが相対回転してしまうと、ハウジングからカバーが外れてしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ハウジングに対するカバーの相対回転を規制することができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、端子を保持するハウジングと、前記端子に接続された電線の配索方向を規制する筒部を有し、前記ハウジングに組み付けられるカバーと、前記ハウジングに対する前記カバーの相対回転を規制する規制構造と、を備え、前記規制構造は、前記ハウジングに配置された第一リブと、前記カバーに配置され、前記第一リブと嵌合する第一の溝と、前記カバーに配置されたロックアームと、を有し、前記第一リブは、係合凹部を有し、前記ロックアームは、前記第一の溝と対向する対向面が設けられた突起を有し、かつ前記対向面が前記係合凹部によって係止されるように前記係合凹部に係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るコネクタにおいて、規制構造は、ハウジングに配置された第一リブと、カバーに配置され、第一リブと嵌合する第一の溝と、カバーに配置されたロックアームと、を有する。第一リブは、係合凹部を有し、ロックアームは、第一の溝と対向する対向面が設けられた突起を有し、かつ対向面が係合凹部によって係止されるように係合凹部に係合する。本発明に係るコネクタは、第一リブと第一の溝との嵌合構造、および係合凹部と対向面との係止構造によってハウジングに対するカバーの相対回転を規制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るコネクタの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るハウジングの斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る第一構造の斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る第一カバーの平面図である。
図6図6は、実施形態に係る第一カバーの断面図である。
図7図7は、実施形態に係る第一カバーの断面図である。
図8図8は、実施形態に係る第二構造の斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るカバーの斜視図である。
図10図10は、ハウジングに対するカバーの取り付けを説明する図である。
図11図11は、ハウジングに取り付けられたカバーを示す正面図である。
図12図12は、ハウジングに取り付けられたカバーを示す側面図である。
図13図13は、実施形態に係るコネクタの断面図である。
図14図14は、実施形態に係る第一構造の断面図である。
図15図15は、実施形態に係る第一構造の断面図である。
図16図16は、実施形態に係る第一構造の断面図である。
図17図17は、実施形態に係る第一構造の断面図である。
図18図18は、実施形態に係る第一構造の断面図である。
図19図19は、実施形態に係る第二構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係るコネクタにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から図19を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、コネクタに関する。図1は、実施形態に係るコネクタの斜視図、図2は、実施形態に係るコネクタの分解斜視図、図3は、実施形態に係るハウジングの斜視図、図4は、実施形態に係る第一構造の斜視図、図5は、実施形態に係る第一カバーの平面図、図6および図7は、実施形態に係る第一カバーの断面図、図8は、実施形態に係る第二構造の斜視図、図9は、実施形態に係るカバーの斜視図、図10は、ハウジングに対するカバーの取り付けを説明する図である。
【0011】
図11は、ハウジングに取り付けられたカバーを示す正面図、図12は、ハウジングに取り付けられたカバーを示す側面図、図13は、実施形態に係るコネクタの断面図、図14から図18は、実施形態に係る第一構造の断面図、図19は、実施形態に係る第二構造の断面図である。図6には、図5のVI-VI断面が示されている。図13には、図12のXIII-XIII断面が示されている。図14には、図13のXIV-XIV断面が示されている。図17には、図13のXVII-XVII断面が示されている。図19には、図13のXIX-XIX断面が示されている。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係るコネクタ1は、ハウジング2と、カバー3と、端子4と、リテーナ5と、検知部材6と、を有する。ハウジング2は、端子4を保持する部材であり、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。図3に示すように、ハウジング2は、本体20および収容部21を有する。本体20は、端子4が挿入される筒状の部分である。実施形態の本体20は、本体20の幅方向に配列された複数の貫通孔20aを有する。例示された本体20は、三つの貫通孔20aを有する。
【0013】
本明細書では、ハウジング2の軸方向を「第一方向X」と称する。また、複数の貫通孔20aの並び方向を「第二方向Y」と称する。第二方向Yは、第一方向Xと直交している。第一方向Xおよび第二方向Yの両方と直交する方向を「第三方向Z」と称する。端子4は、第一方向Xに沿って本体20の貫通孔20aに挿入される。
【0014】
本体20は、前端部20fおよび後端部20rを有する。前端部20fは、本体20における第一方向Xの一つの端部であり、相手方のコネクタと嵌合する部分である。後端部20rは、本体20における第一方向Xの他の一つの端部である。端子4に接続された電線は、後端部20rから本体20の外部に引き出される。
【0015】
収容部21は、検知部材6を収容する部分である。収容部21は、本体20に対して第三方向Zの一方側に配置されている。収容部21は、筒形状を有する枠部21aと、レバー21bと、を有する。枠部21aは、略角筒形状を有しており、第一方向Xに延在している。検知部材6は、第一方向Xに沿って枠部21aに挿入される。収容部21は、検知部材6を仮係止位置で係止する係止部を有する。
【0016】
ハウジング2は、ハウジング2が相手方のコネクタと完全嵌合すると、検知部材6の移動を許容する。このときに、ハウジング2は、検知部材6が仮係止位置から本係止位置まで進むことを許容する。レバー21bは、ハウジング2を相手方のコネクタから離脱させるときに操作される。
【0017】
図2に示すように、端子4には、電線Wが接続される。端子4は、相手端子と接続される接続部41と、接合部42と、を有する。例示された端子4は、角筒形状の接続部41を有するメス端子である。接合部42は、電線Wの芯線に対して接合される。接合部42は、例えば、芯線に対して圧着される。
【0018】
リテーナ5は、ハウジング2に取り付けられて端子4を係止する部材である。リテーナ5は、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。リテーナ5は、ハウジング2の前端部20fに取り付けられ、仮係止位置で係止される。端子4は、ハウジング2の後端部20rから本体20に挿入される。端子4の挿入が完了すると、リテーナ5が本係止位置に移動されて端子4を係止する。
【0019】
カバー3は、第一カバー7および第二カバー8を有する。カバー3は、例えば、絶縁性の合成樹脂で成型される。図1に示すように、カバー3は、第一カバー7と第二カバー8とをつなぐ可撓性のヒンジ部32を有する。第一カバー7および第二カバー8は、ハウジング2の後端部20rを挟み込むように互いに係合する。第一カバー7および第二カバー8の係合方向は、第三方向Zである。つまり、第一カバー7および第二カバー8は、第三方向Zの両側からハウジング2を挟み込む。
【0020】
図1に示すように、カバー3は、電線Wの配索方向を規制する筒部31を有する。筒部31は、第一カバー7の半筒部74と、第二カバー8の半筒部83とによって構成される筒状の部分である。筒部31の軸方向は、第二方向Yである。電線Wは、筒部31から第二方向Yに向けて引き出される。つまり、カバー3は、ハウジング2から第一方向Xに向けて延出する電線Wをカバー3の内部で第二方向Yに向けて折り曲げた状態で保持する。
【0021】
以下に説明するように、本実施形態のコネクタ1は、ハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制する規制構造10を有する。規制構造10は、第一構造11および第二構造12を含む。
【0022】
図4から図7を参照して、第一構造11について説明する。図4には、カバー3の第一カバー7およびハウジング2が示されている。なお、図4では、カバー3の第二カバー8が省略されている。図4に示すように、第一構造11は、第一リブ22と、第一の溝71と、ロックアーム72と、を有する。第一リブ22は、第一の溝71に挿入される。ロックアーム72は、第一リブ22の係合凹部22aと係合して第一リブ22によって係止される。
【0023】
第一リブ22は、ハウジング2に配置されているリブである。本実施形態の第一リブ22は、本体20の後端部20rに配置されており、第三方向Zに向けて突出している。第一リブ22は、第一方向Xと直交する板形状を有する。第一リブ22は、後端部20rにおける第二方向Yの一端から他端まで延在している。第一リブ22は、貫通孔20aに対して収容部21の側とは反対側に配置されている。つまり、第一リブ22は、本体20から収容部21の側とは反対側に向けて突出している。
【0024】
第一リブ22には、係合凹部22aが設けられている。係合凹部22aは、第一方向Xに向けて凹んでいる。例示された係合凹部22aは、第一方向Xに沿って第一リブ22を貫通している。例示された第一リブ22には、第二方向Yに並ぶ二つの係合凹部22aが設けられている。係合凹部22aは、肉抜きの孔として設けられてもよい。
【0025】
第一の溝71は、カバー3の第一カバー7に配置されている。第一の溝71は、第一リブ22と嵌合する。ロックアーム72は、第一カバー7に配置されており、第一の溝71に隣接している。ロックアーム72は、第一の溝71を形成する壁の一部を構成する。
【0026】
図4および図5に示すように、第一カバー7は、支持部73および半筒部83を有する。支持部73は、ハウジング2の後端部20rを支持し、後端部20rを覆う部分である。半筒部74は、ハウジング2から引き出される電線Wを収容する部分である。半筒部74の断面形状は、略矩形である。第一カバー7は、半筒部74が第二方向Yに延在するようにハウジング2に取り付けられる。
【0027】
半筒部74は、基端部74aおよび先端部74bを有する。基端部74aは、半筒部74における第二方向Yの一つの端部であり、先端部74bは、半筒部74における第二方向Yの他の一つの端部である。支持部73は、半筒部74の基端部74aにつながっており、基端部74aから第一方向Xに突出している。第一カバー7は、第三方向Zから見た場合に略L字の形状を有している。
【0028】
半筒部74の先端部74bには、電線Wを収容する外装部材と噛み合う円弧状のリブ74cが設けられている。先端部74bには、第二カバー8と係合する係合部75が設けられている。半筒部74の基端部74aには、第二カバーと係合する係合部76が設けられている。
【0029】
第一の溝71およびロックアーム72は、支持部73と半筒部74との境界部に配置されている。図6に示すように、第一の溝71は、第一側壁71a、第二側壁71b、および底壁71cによって形成されている。第一側壁71aおよび第二側壁71bは、底壁71cから第三方向Zに向けて突出している。第一側壁71aおよび第二側壁71bは、第一方向Xに延在しており、かつ第二方向Yにおいて互いに対向している。第一方向Xと直交する断面における第一の溝71の断面形状は、略矩形である。
【0030】
ロックアーム72は、第一側壁71aに配置されている。より詳しくは、第一側壁71aには、底壁71cに向けて凹んだ凹部71dが設けられている。ロックアーム72は、凹部71dに収容される。凹部71dには、二つのロックアーム72が配置されている。二つのロックアーム72は、第二方向Yに並んで配置されている。ロックアーム72は、底壁71cから第三方向Zに向けて突出しており、第一側壁71aと共に第一の溝71を形成する。一つのロックアーム72は、ハウジング2の一つの係合凹部22aと係合する。他の一つのロックアーム72は、他の一つの係合凹部22aと係合する。
【0031】
図7に示すように、ロックアーム72は、アーム本体72aと、突起72bと、を有する。アーム本体72aは、底壁71cから第三方向Zに突出しており、可撓性を有する。アーム本体72aは、第一側壁71aと共に第一の溝71を形成している。突起72bは、アーム本体72aの先端部から第二側壁71bの側に向けて突出している。突起72bは、第一の溝71と対向する対向面72cを有する。対向面72cは、第三方向Zを向く面であり、底壁71cと対向している。
【0032】
図8および図9を参照して、第二構造12について説明する。図8に示すように、第二構造12は、二つの第二リブ23と、二つの第二の溝82と、を有する。第二リブ23は、第二の溝82に挿入される。
【0033】
第二リブ23は、ハウジング2に配置されているリブである。図3に示すように、本実施形態の第二リブ23は、枠部21aの後端部21rに配置されている。後端部21rは、ハウジング2における電線Wが引き出される側の端部である。枠部21aの後端部21rは、第一方向Xに向けて開口している。検知部材6は、後端部21rから枠部21aに挿入される。第二リブ23は、枠部21aの両側の側面21cから第二方向Yに向けて突出している。第二リブ23は、第一方向Xと直交する板形状を有する。第二リブ23は、枠部21aからレバー21bの側とは反対側に向けて突出している。
【0034】
図9に示すように、第二カバー8は、一対の支持壁81と、第二の溝82と、半筒部83と、を有する。半筒部83は、ハウジング2から引き出される電線Wを収容する部分である。半筒部83の断面形状は、略矩形である。第二カバー8は、半筒部83が第二方向Yに延在するようにハウジング2に取り付けられる。
【0035】
半筒部83は、基端部83aおよび先端部83bを有する。基端部83aは、半筒部83における第二方向Yの一つの端部であり、先端部83bは、半筒部83における第二方向Yの他の一つの端部である。基端部83aは、ヒンジ部32を介して第一カバー7の基端部74aとつながっている。支持壁81は、半筒部83の基端部83aにつながっており、基端部83aから第一方向Xに突出している。
【0036】
一対の支持壁81は、ハウジング2の側面21cと対向し、側面21cを支持する。一対の支持壁81は、第二方向Yにおいて互いに対向している。支持壁81は、側面21cと対向する対向面81aを有する。対向面81aは、第二方向Yと直交する平面である。
【0037】
第二の溝82は、支持壁81の基端部に設けられている。第二の溝82は、対向面81aに対して第二方向Yに凹んでおり、第三方向Zに延在している。第二の溝82は、ハウジング2の第二リブ23をガイドし、かつ第二リブ23を保持する。第三方向Zと直交する断面における第二の溝82の断面形状は、略矩形である。
【0038】
第二カバー8は、係合部85,86を有する。係合部85は、先端部83bに配置されており、第一カバー7の係合部75と係合する。係合部86は、基端部83aに配置されており、第一カバー7の係合部76と係合する。
【0039】
ハウジング2に対するカバー3の組み付け手順の一例について説明する。図10に示すように、第二カバー8がハウジング2に取り付けられる。ハウジング2には、電線Wを取り付けた端子4が予め挿入されている。また、リテーナ5がハウジング2に取り付けられて端子4を係止している。ハウジング2の収容部21には、検知部材6が挿入され、仮係止位置で係止されている。
【0040】
第二カバー8は、第三方向Zに沿ってハウジング2に取り付けられる。このときに、ハウジング2の第二リブ23が第二カバー8の第二の溝82に挿入される。第二の溝82は、第二リブ23によってガイドされ、ハウジング2に対して第二カバー8を位置付ける。第二カバー8は、二つの第二の溝82によって二つの第二リブ23を保持し、ハウジング2に対する第二カバー8の相対回転を規制する。第二構造12は、カバー3に対して第一方向Xの力Fxが作用した場合に、ハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。また、第二構造12は、カバー3に対して第三方向Zの力Fzが作用した場合に、ハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。
【0041】
図11および図12には、第一カバー7と第二カバー8とが係合したカバー3が示されている。図11に矢印AR1で示すように、第一カバー7は、ヒンジ部32を弾性変形させながら、ヒンジ部32を回転中心として回転する。第一カバー7および第二カバー8は、ハウジング2を第三方向Zの両側から挟み込むように互いに係合する。第一カバー7の半筒部74および第二カバー8の半筒部83が組み合わされて筒部31が形成される。電線Wは、筒部31から第二方向Yに引き出される。なお、電線Wは、例えば、外装部材40に挿入される。外装部材40の端部は、筒部31によって保持される。
【0042】
図13には、第一構造11を含む断面が示されている。第一カバー7が第二カバー8と係合することにより、ハウジング2の第一リブ22は、カバー3の第一の溝71に挿入される。ロックアーム72は、第一リブ22の係合凹部22aに突起72bを係合させる。図14に示すように、ロックアーム72の対向面72cは、係合凹部22aによって係止される。カバー3は、ロックアーム72の対向面72cおよび底壁71cのそれぞれによって第一リブ22を係止する。言い換えると、カバー3は、対向面72cおよび底壁71cによって、ハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制する。
【0043】
図15および図16には、第一構造11の拡大図が示されている。第一構造11は、第三方向Zの力がカバー3に対して作用した場合に、ハウジング2に対する第一カバー7の相対回転を規制することができる。図15には、第三方向Zの第一の側へ向かう力Fz1が示されている。力Fz1は、電線Wから第一リブ22へ向かう方向の力である。力Fz1は、例えば、電線Wや外装部材40からカバー3の筒部31に入力される。筒部31に力Fz1が作用すると、カバー3には、第一方向Xを中心軸線とするモーメントが発生する。力Fz1によってカバー3がハウジング2に対して相対回転しようとする場合、第一リブ22がロックアーム72を係止する。図15には、力Fz1に対する係止箇所が楕円で示されている。第一リブ22は、複数箇所においてロックアーム72を係止してカバー3の相対回転を規制する。第一リブ22は、第二方向Yおよび第三方向Zの二方向において、ロックアーム72の突起72bを係止する。
【0044】
図16には、第三方向Zの第二の側へ向かう力Fz2が示されている。力Fz2によってカバー3がハウジング2に対して相対回転しようとする場合、第一リブ22がロックアーム72を係止する。図16には、力Fz2に対する係止箇所が楕円で示されている。第一リブ22は、複数箇所においてロックアーム72を係止してカバー3の相対回転を規制する。このように、第一構造11は、少なくとも第三方向Zの力Fzに抗してハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。
【0045】
図17および図18を参照して説明するように、第一構造11は、第一方向Xの力Fxに抗して第一カバー7の相対回転を規制することができる。図17および図18には、第三方向Zと直交する断面が示されている。図17に示すように、カバー3は、第一の溝71を形成する第一側壁71aおよび第二側壁71bによって第一リブ22を挟み込む。第一側壁71aは、第一リブ22における第二方向Yの両端部と対向する。つまり、カバー3は、第一リブ22における第二方向Yの両端部を第一側壁71aおよび第二側壁71bによって挟み込む。
【0046】
図17には、第一方向Xの第一の側へ向かう力Fx1が示されている。力Fx1は、ハウジング2からカバー3へ向かう方向の力である。力Fx1は、例えば、電線Wや外装部材40から筒部31に入力される。筒部31に力Fx1が作用すると、カバー3には、第三方向Zを中心軸線とするモーメントが発生する。力Fx1によってカバー3がハウジング2に対して相対回転しようとする場合、第一の溝71が第一リブ22を係止する。図17には、力Fx1に対する係止箇所が丸で示されている。第一の溝71は、複数箇所において第一リブ22を係止してカバー3の相対回転を規制する。
【0047】
図18には、第一方向Xの第二の側へ向かう力Fx2が示されている。力Fx2によってカバー3がハウジング2に対して相対回転しようとする場合、第一の溝71が第一リブ22を係止する。図18には、力Fx2に対する係止箇所が丸で示されている。第一の溝71は、複数箇所において第一リブ22を係止してカバー3の相対回転を規制する。このように、第一構造11は、第一方向Xの力Fxに抗してハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。
【0048】
本実施形態のコネクタ1は、更に、第二構造12によってカバー3の相対回転を規制することができる。図19には、第二構造12を含む断面が示されている。第二構造12において、第二カバー8の第二の溝82は、ハウジング2の第二リブ23を保持する。更に、第二カバー8の一対の支持壁81は、ハウジング2の側面21cと対向する。第一方向Xの力Fxや第三方向Zの力Fzがカバー3に作用した場合に、第二構造12は、ハウジング2に対する第二カバー8の相対回転を規制する。
【0049】
図19には、第一方向Xの第一の側へ向かう力Fx1が示されている。力Fx1によってカバー3がハウジング2に対して相対回転しようとする場合、第二の溝82が第二リブ23を係止する。図19には、力Fx1に対する係止箇所が丸で示されている。二つの第二の溝82がそれぞれ第二リブ23を係止することで、ハウジング2に対するカバー3の相対回転が効果的に規制される。第二構造12は、第二の側へ向かう力Fx2に対してもカバー3の相対回転を規制することができる。
【0050】
また、第二の溝82および第二リブ23は、第三方向Zに延在している。従って、第二構造12は、第三方向Zの力Fzがカバー3に作用した場合にもハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のコネクタ1は、端子4を保持するハウジング2と、カバー3と、規制構造10と、を有する。カバー3は、端子4に保持された電線Wの配索方向を規制する筒部31を有し、ハウジング2に組み付けられる。規制構造10は、ハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制する。規制構造10は、第一リブ22と、第一の溝71と、ロックアーム72と、を有する。第一リブ22は、ハウジング2に配置される。第一の溝71は、カバー3に配置され、第一リブ22と嵌合する。ロックアーム72は、カバー3に配置される。
【0052】
第一リブ22は、係合凹部22aを有する。ロックアーム72は、第一の溝71と対向する対向面72cが設けられた突起72bを有する。ロックアーム72は、対向面72cが係合凹部22aによって係止されるように係合凹部22aに係合する。本実施形態の規制構造10は、第一リブ22と第一の溝71との嵌合構造によってハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。規制構造10は、更に、係合凹部22aと対向面72cとの係止構造によってハウジング2に対するカバー3の相対回転を規制することができる。よって、本実施形態のコネクタ1は、ハウジング2に対するカバー3の相対回転を適切に抑制することができる。
【0053】
本実施形態のカバー3は、ヒンジ部32を介してつながる第一カバー7および第二カバー8を有する。第一カバー7および第二カバー8は、ハウジング2を挟み込むように互いに係合する。規制構造10は、ハウジング2に対する第一カバー7の回転を規制する第一構造11、およびハウジング2に対する第二カバー8の回転を規制する第二構造12を含む。本実施形態のコネクタ1は、ハウジング2に対する第一カバー7の相対回転、およびハウジング2に対する第二カバー8の相対回転の両方を規制することができる。
【0054】
本実施形態の第一構造11は、上記の第一リブ22、第一カバー7に配置された上記の第一の溝71、および第一カバー7に配置された上記のロックアーム72を有する。第二構造12は、ハウジング2に配置された第二リブ23と、第二カバー8に配置され、第二リブ23をガイドする第二の溝82と、を有する。このような構成により、ハウジング2に対するカバー3の相対回転が適切に抑制される。
【0055】
本実施形態のカバー3は、第一リブ22の係合凹部22aにロックアーム72を係合させることでハウジング2にロックされる。このような構成により、ハウジング2の上面を覆うことなくカバー3をハウジング2に取り付けることが可能となる。よって、本実施形態のコネクタ1によれば、コネクタ1の低背化が実現される。
【0056】
上記の実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0057】
1:コネクタ
2:ハウジング、 3:カバー、 4:端子、 5:リテーナ、 6:検知部材
7:第一カバー、 8:第二カバー
10:規制構造、 11:第一構造、 12:第二構造
20:本体、 20a:貫通孔、 20f:前端部、 20r:後端部
21:収容部、 21a:枠部、 21b:レバー、 21c:側面
21r:後端部
22:第一リブ、 22a:係合凹部
23:第二リブ
31:筒部、 32:ヒンジ部
41:接続部、 42:接合部
71:第一の溝、 71a:第一側壁、 71b:第二側壁、 71c:底壁
72:ロックアーム、 72a:アーム本体、 72b:突起、 72c:対向面
73:支持部、 74:半筒部
75,76:係合部
81:支持壁、 82:第二の溝、 83:半筒部、 85,86:係合部
W:電線
X:第一方向、 Y:第二方向、 Z:第三方向
図1
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