IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
  • 特開-画像形成装置 図9
  • 特開-画像形成装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172762
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G03G15/08 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090712
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 大輝
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA07
2H077AA09
2H077AA35
2H077AB03
2H077AB12
2H077AB15
2H077AC03
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD17
2H077AE03
2H077BA08
2H077BA09
2H077CA12
2H077DA24
2H077DA42
2H077DA82
2H077DB18
2H077EA11
2H077GA04
(57)【要約】
【課題】トナーカートリッジのシール部材の開封が開始されてから、画像形成の開始が許容されるまでの時間を短縮すること。
【解決手段】装置本体と、現像ローラ16、現像剤収容室152、を有するプロセスカートリッジB、トナー収容部30a、トナー排出口31a、シール部材80、攪拌部材36、を有するトナーカートリッジCと、トナー排出口31aがシール部材80で封止された状態のトナーカートリッジCが装置本体に装着されると、攪拌部材36を駆動してシール部材80を開封する開封動作を行うエンジン制御部502と、を備え、エンジン制御部502は、開封動作が開始された後、開封動作が完了する前に、画像形成が実行されることを許容する(S801~S806)。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成を行う画像形成装置であって、
装置本体と、
感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する現像手段と、前記現像手段に供給されるトナーを収容する第1収容室と、を有する第1カートリッジと、
トナーを収容する第2収容室と、前記第2収容室から前記第1収容室にトナーを供給する供給口と、前記供給口を封止する封止部材と、前記封止部材を開封するための開封部材と、を有する第2カートリッジと、
前記供給口が前記封止部材で封止された状態の第2カートリッジが前記装置本体に装着されると、前記開封部材を駆動して前記封止部材を開封する開封動作を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開封動作が開始された後、前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行されることを許容することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1収容室内のトナーの量を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記第1収容室内のトナーの量が所定量以上であることが前記検知部によって検知された場合には、前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行されることを許容し、前記第1収容室内のトナーの量が前記所定量以上ではないことが前記検知部によって検知された場合には、前記開封動作が完了した後に、前記画像形成が実行されることを許容することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行された場合に、前記画像形成と並行して前記封止部材が開封されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記開封部材を駆動する第1駆動部と、
前記感光体を回転駆動する第2駆動部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成が実行されている間は、前記開封動作が停止されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開封動作が完了したか否かに関する情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、例えば、電子写真方式によって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像プロセスを用いた画像形成装置では、画像形成に伴って消費されるトナー(現像剤)を補給するために、トナーを収容したトナーカートリッジを、画像形成装置に着脱可能に設ける構成がある。このような画像形成装置において、トナーカートリッジの開口部をシール部材で封止して、トナーカートリッジの使用が開始されると、画像形成装置の駆動源を利用して、シール部材が自動で開封されるものがある。
【0003】
一方、このようなシール部材を自動で開封する構成の画像形成装置では、シール部材の開封が完了するまでプリントを開始することができず、ウェイトタイムが発生してしまう。例えば特許文献1では、自動開封のために駆動源により駆動される開封部材の速度を変更することで、ウェイトタイムを短縮することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-173464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、トナーカートリッジのシール部材の開封が開始されてから、画像形成の開始が許容されるまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0007】
(1)記録材に画像を形成する画像形成を行う画像形成装置であって、装置本体と、感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する現像手段と、前記現像手段に供給されるトナーを収容する第1収容室と、を有する第1カートリッジと、トナーを収容する第2収容室と、前記第2収容室から前記第1収容室にトナーを供給する供給口と、前記供給口を封止する封止部材と、前記封止部材を開封するための開封部材と、を有する第2カートリッジと、前記供給口が前記封止部材で封止された状態の第2カートリッジが前記装置本体に装着されると、前記開封部材を駆動して前記封止部材を開封する開封動作を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記開封動作が開始された後、前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行されることを許容することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナーカートリッジのシール部材の開封が開始されてから、画像形成の開始が許容されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1、2の画像形成装置の概略断面図
図2】実施例1のハードウェア構成図
図3】実施例1の制御ブロック図
図4】実施例1、2のプロセスカートリッジの概略断面図
図5】実施例1、2のトナーカートリッジの概略正面図
図6】実施例1、2のトナーカートリッジの分解斜視図
図7】実施例1、2のトナーカートリッジのシール部材の開封動作を示す図
図8】実施例1の処理を説明するフローチャート
図9】実施例2の制御ブロック図
図10】実施例2の処理を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
【実施例0011】
実施例1では、開封動作であるシール引きシーケンスの実行中に画像形成の要求(以下、画像形成要求とする。)があった場合、プロセスカートリッジ内のトナー量に応じて、シール引きの完了を待つかどうかが判断される。そして、シール引きの完了を待たない場合には、シール引きシーケンスとともに画像形成動作が実行される。以下、この構成について説明する。
【0012】
<画像形成装置>
図1に示すように、画像形成装置であるレーザープリンタ1(以下、プリンタ1という。)は、装置本体であるプリンタ本体A、第1カートリッジであるプロセスカートリッジB、第2カートリッジであるトナーカートリッジCを備えている。プリンタ本体Aは、シート給送部103、転写ローラ104、定着部105、レーザースキャナ101を有している。また、プロセスカートリッジB、トナーカートリッジCは、プリンタ本体Aに対して着脱可能となっている。プロセスカートリッジB、トナーカートリッジCの着脱は、プリンタ本体Aに設けられたドア107を開状態として行われる。
【0013】
<画像形成動作>
プリンタ1の動作について図1を用いて説明する。駆動部であるメインモータ412(図3参照)によって回転駆動された感光ドラム11(感光体)は、帯電ローラ12によって所定の電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム11は、その表面に対しレーザースキャナ101によって画像情報に基づいた露光がなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光ドラム11上の静電潜像に対し、現像手段である現像ローラ16からトナーが供給されトナー像として可視化される。
【0014】
一方、このようなトナー像の形成動作と並行してシート給送部103に沿ってシートSが搬送される。具体的には、給送ローラ103aが回転して、記録材であるシートSを給送する。その後シートSは、感光ドラム11にトナー像を作像するタイミングに合わせて、感光ドラム11と転写ローラ104との間(転写ニップ部)に搬送される。シートSが転写ニップ部を通過する際に、転写ローラ104への転写電圧の印加により、シートSにはトナー像が未定着画像として転写される。その後、未定着のトナー像が転写されたシートSは定着部105へと搬送される。定着部105に搬送されたシートSは、定着部105を通過する際、未定着のトナー像が加熱及び加圧されてシートSの表面に定着される。さらにシートSは搬送部材によって搬送され、排出トレイ106へ排出され積載される。
【0015】
<ハードウェア構成図>
図2は実施例1のハードウェア構成図である。CPU(central processing unit)401、タイマ402、ROM(read only memory)403、RAM(random-access memory)404、I/Oポート406は、バス405を介して接続される。CPU401はプリンタ1全体を制御する。タイマ402は制御タイミングを生成する。ROM403は制御プログラムを格納している。RAM404はデータ等を記憶する。CPU401、タイマ402、ROM403、RAM404の数は、1つに限られず、複数であってもよい。 I/Oポート406は、メインモータ412の駆動回路407、開封モータ413の駆動回路410、LED(light emitting diode)300の発光回路408、フォトトランジスタ302の受光回路409、メモリ508の読取書込回路411と接続されている。メインモータ412の駆動回路407はメインモータ412を駆動する。開封モータ413の駆動回路410は、メインモータ412とは異なる駆動部である開封モータ413を駆動する。開封モータ413を第1駆動部、メインモータ412を第2駆動部と呼ぶことができる。LED300の発光回路408はLED300を発光させる。フォトトランジスタ302の受光回路409は、フォトトランジスタ302の受光結果を電圧に変換してI/Oポート406に入力する。メモリ508の読取書込回路411は、トナーカートリッジCに備えられたメモリ508に格納されたデータの読み取りと書き込みを行う。CPU401は、バス405を介してI/Oポート406を操作することで、メインモータ412、開封モータ413を駆動する。
【0016】
<機能ブロック図>
図3は、実施例1の機能構成を示すブロック図である。エンジン制御部502(制御部)は、画像形成動作部503、検知部であるトナー残量検知部504、シール除去動作部505、メモリ管理部507を備えている。画像形成動作部503は、コントローラ501からの画像形成要求に従って、各センサ506の情報を元に、メインモータ412に駆動指示を行い、画像形成を行う。トナー残量検知部504は、後述する残量検知方法により、LED300に発光指示を行い、フォトトランジスタ302の受光結果を用いて、プロセスカートリッジBの第1収容室である現像剤収容室152内(第1収容室内)のトナー残量を検知する。エンジン制御部502、コントローラ15は、1または複数のCPU401、ROM403、RAM404によって構成されることができる。
【0017】
シール除去動作部505は、開封モータ413に駆動指示を行い、第2収容室であるトナー収容部30aの攪拌部材36を動作させて、トナーカートリッジCに備えられた封止部材であるシール部材80を開封する。攪拌部材36は、シール部材80を移動させて開封する開封部材として機能する。本実施形態においては、攪拌部材36は、回転することでシール部材80を巻き取るように構成される。なお、開封部材は平行移動することで、シール部材80を移動させるものであってもよい。これによりシール除去動作部505は、トナー収容部30aから供給口であるトナー排出口31aを通してプロセスカートリッジBの現像剤収容室152にトナー補給が可能な状態にする。
【0018】
メモリ管理部507は、トナーカートリッジCが有するメモリ508に接続され、メモリ508に対して読み取りと書き込みを行う。
【0019】
<プロセスカートリッジ>
実施例1のプロセスカートリッジBの構成について、図1も参照しつつ図4を用いて詳細に説明する。図4はプロセスカートリッジBの概略断面図である。感光体ユニット10は、感光ドラム11、帯電ローラ12、クリーニングブレード17を有する。同様に、現像ユニット15は、現像ローラ16、現像ブレード18、現像室151、トナーDを収容する現像剤収容室152を有する。現像ユニット15は、光透過窓303、304、トナー攪拌部材154を有する。
【0020】
<プロセスカートリッジ内のトナー残量検知>
実施例1の光透過式によるトナー残量検知(現像剤残量検知)について説明する。図4に示すように、プロセスカートリッジBの現像ユニット15には、トナーDとそれを収容する現像剤収容室152、現像剤収容室152内のトナーDを攪拌するためのトナー攪拌部材154が備えられている。また、現像剤収容室152には、光を透過させるための光透過窓303及び光透過窓304が備えられている。
【0021】
またプリンタ1には、図1に示すような、現像剤収容室152内のトナーの残量を検知するためLED300と、現像剤収容室152内を通過した光を受光するフォトトランジスタ302とが設けられている。光透過式によるトナー残量検知方法は、現像剤収容室152の内部に光を通過させて、その反射光を受光することで現像剤収容室152内のトナーDの残量を検知する方法である。
【0022】
現像剤収容室152にトナーDがない場合には、LED300からの光は、光透過窓303から入り、現像剤収容室152内を通過して光透過窓304から出てフォトトランジスタ302へと導かれる。一方、現像剤収容室152にトナーDが十分にある場合には、光透過窓303と光透過窓304の間の部分がトナーDにより遮光されてLED300からの光がフォトトランジスタ302に届かないように構成されている。
【0023】
実施例1の構成では、トナー残量検知時に、トナー攪拌部材154は所定の周期で回転している。トナー残量検知の実行中は、トナー攪拌部材154が回転しているため、トナー攪拌部材154が光透過窓303と光透過窓304を覆うことで現像剤収容室152にトナーDがない場合でも透過光は遮光される。現像剤収容室152にトナーDがある程度残っている場合には、トナー攪拌部材154で搬送されるトナーDがあるため、トナーDがない場合に比べて遮光期間が長くなる。遮光期間は、現像剤収容室152内部のトナーDの量に対応している。
【0024】
したがって、トナー攪拌部材154が一回転する周期(以下、攪拌周期)に対する遮光期間の比率を計測することにより、現像剤収容室152内部のトナーDの量を検知することができる。なお、遮光期間の比率を比較するのではなく、受光期間の比率を比較することにより残量検知を行うことも可能である。
【0025】
<トナーカートリッジ>
トナーカートリッジCに関して図5図6図7を用いて説明する、図5はトナーカートリッジCの概略を示す正面図である。図6はトナーカートリッジCの分解斜視図である。図7はシール部材80が開封される様子を示した図である。ここで、図5に示すように、トナーカートリッジCの長尺方向を長手方向(矢印Z)と定義する。長手方向は、図6に示した水平方向(矢印X)及び鉛直方向(矢印Y)に対して直交する。また、水平方向及び鉛直方向の総称を短手方向と定義する。
【0026】
トナーカートリッジCは、プロセスカートリッジBにトナーを供給するトナー供給部30、画像形成後にクリーニングブレード17により回収されたトナーをプロセスカートリッジBから回収する廃トナー収容部40を有する。トナー供給部30は、図5図6に示すように、供給部枠体31と供給部フタ32とでトナー収容部30aを形成する。供給部枠体31はトナー排出口31aを備え、トナー収容部30aからトナー排出口31aを介してトナーが排出されることで、プロセスカートリッジBにトナーが供給される。供給部枠体31と供給部フタ32は、トナーカートリッジCの枠体(トナー枠体)の一部ということができ、トナー枠体は、トナー収容部30a、トナー排出口31aを備えるということができる。
【0027】
トナーカートリッジCは、プリンタ本体Aに装着される前の未開封の状態(例えば、新品の場合)には、トナー排出口31aがシール部材80によって封止されている。図7(a)に示すように、シール部材80の一端がトナー排出口31aを覆うように、トナー排出口31aの周りにおいて、シール部材80の一端が供給部枠体31に対して剥離可能な強度で熱溶着される。これにより、トナー排出口31aが封止されている。シール部材80の他端は、回転駆動されるトナー収容部30aの攪拌部材36に熱溶着等の手段により固定される。シール部材80は、後述するシール引きシーケンスにより開封される。また、シール部材80は、例えばポリエステルと低密度ポリエチレン、ポリエチレン系シーラントをラミネートしたものが使用される。なお、シール部材80の材料は同様の特性を有する他の材料でもよい。ここで、実施例1では、シール部材80の他端と攪拌部材36の軸36aとの固定用法には、熱溶着を用いているが、この限りではなく、接着、両面テープ、穴と突起との係合などの手段によっても固定することが可能である。
【0028】
トナー供給部30の駆動構成に関して、図6を用いて説明する。図6に示すように、トナー供給部30は、攪拌部材36、攪拌部材36を駆動する攪拌駆動部38、を有する。トナー供給部30は、ポンプユニット37、スクリュー部材35、ポンプユニット37及びスクリュー部材35を駆動するポンプ・スクリュー駆動部39、を有する。
【0029】
攪拌駆動部38とポンプ・スクリュー駆動部39は、トナーカートリッジCの長手方向の一端側(Z方向+側)に配置されている。攪拌駆動部38の隣には、攪拌部材36に回転駆動力を伝える攪拌ギア38aが、攪拌部材36と同軸上に設けられている。攪拌ギア38aは、攪拌駆動部38からの駆動力を受けて攪拌部材36を回転させることで、スクリュー部材35に向かってトナー収容部30a内のトナーを搬送する。
【0030】
ポンプ・スクリュー駆動部39の隣には、ポンプ・スクリュー駆動部39からの駆動力を受けて回転するカム駆動ギア39aが、カム駆動ギア39aの隣にはカム駆動ギア39aからの駆動力を受けて回転するカムギア39bが設けられている。カムギア39bは、カム37aと一体的に形成されているため、ポンプ・スクリュー駆動部39の回転に伴ってリンクアーム37bを長手方向に直進案内する。カムギア39bの隣には、スクリュー部材35に回転駆動力を伝えるスクリュー駆動ギア39cが、スクリュー部材35と同軸上に設けられている。
【0031】
スクリュー駆動ギア39cは、カムギア39bからの駆動力を受けてスクリュー部材35を回転させることで、トナー排出口31aに向かってトナー収容部30a内のトナーを長手方向に搬送する。トナー供給部30側には、駆動側カバー50が設けられており、攪拌駆動部38と、ポンプ・スクリュー駆動部39とを回転可能に軸支している。また、駆動側カバー50には、位置決めボス50aと被ガイド部50bが設けられており、トナーカートリッジCをプリンタ本体Aに装着する際の姿勢を規制する。
【0032】
<シール引きシーケンス>
図7を用いて、撹拌部材36を駆動してシール部材80を開封する、シール部材80の剥離動作(開封動作、シール引きシーケンス)について説明する。図7(a)はプリンタ本体Aに装着される前(未使用状態)のトナーカートリッジCの状態を示している。シール引きシーケンスでは、攪拌駆動部38、攪拌ギア38aを回転駆動させるために、開封モータ413を駆動する。そうすると、図7(b)に示すように、シール部材80が他端から矢印R方向に攪拌部材36の軸36aに巻き取られ始める。これにより、シール部材80に対しS1方向に引っ張る力が作用し、トナー排出口31aの図7の右側(S2方向)に向かってシール部材80の一端が剥離し始める。さらに攪拌部材36が回転すると、図7(c)の状態を経て、図7(d)のようにトナー排出口31aの周りからシール部材80がすべて剥離し、軸36aに巻き取られてトナー排出口31aが開封される。
【0033】
また、シール引きシーケンスの一部としてトナー補給の準備動作のために、ポンプ・スクリュー駆動部39、カム駆動ギア39a、カムギア39b、スクリュー駆動ギア39cを駆動させるシーケンスも実行される。これにより、トナーがトナー排出口31a付近まで搬送され、すぐにトナー補給できる状態になる。
【0034】
実施例1の構成において、シール引きシーケンスを実行するのに必要な駆動源は開封モータ413であり、画像形成動作の駆動源のメインモータ412とは異なっている。そのため、画像形成動作とシール引きシーケンスとは並行して行うことが可能である。シール引きシーケンスの駆動源は開封モータ413としているが、この構成に限定するものではない。例えば、画像形成動作と同じ回転方向、同じ回転速度のメインモータ412をシール引きシーケンスの駆動源として、クラッチ等でシール引きシーケンスの駆動の切り替えができる構成でもかまわない。
【0035】
本実施形態において、エンジン制御部502は、シール引きシーケンスが開始された後、シール引きシーケンスが完了する前に、シートSに対する画像形成(画像形成動作)が実行されることを許容する。これにより、シール引きシーケンスが開始されてから、シートSに対する画像形成(画像形成動作)が開始されるまでの時間を短縮することができる。なお、シール引きシーケンスが完了する前に、シートSに対する画像形成(画像形成動作)が実行されるときには、プロセスカートリッジB内にトナーが所定量以上あることが好ましい。
【0036】
<制御フローの説明>
図8を用いて実施例1のシール引きシーケンス中から画像形成が可能になるまでの制御フローについて説明する。メモリ508には、シール部材80が開封済みか否かに関する情報が記憶されている。つまり、メモリ508は、シール部材80の開封動作(シール引きシーケンス)が完了したか否かに関する情報を記憶する記憶手段である。
【0037】
エンジン制御部502は、メモリ管理部507からメモリ508に記憶されたシール部材80が開封済みかどうかの情報を読み出す。つまり、エンジン制御部502は、メモリ508に記憶された情報に基づいて、シール部材80が開封されていない未開封状態(トナー排出口31aがシール部材80で封止された状態)のトナーカートリッジCがプリンタ本体Aに挿入されたか否かを判断する。エンジン制御部502は、未開封状態のトナーカートリッジCがプリンタ本体Aに挿入されたと判断したときに、ステップ(以下、Sとする。)801以降の処理を実行する。
【0038】
S801でエンジン制御部502は、シール除去動作部505によるシール引きシーケンスを開始する。S802でエンジン制御部502は、シール引きシーケンスが終了し、トナーカートリッジCからのトナー補給が可能となったか否かを判断する。S802でエンジン制御部502は、シール引きシーケンスが終了し、トナー補給が可能になったと判断した場合、処理をS806に進め、トナー補給が可能になっていないと判断した場合、処理をS803に進める。
【0039】
S803でエンジン制御部502は、画像形成要求があるか否かを判断する。S803でエンジン制御部502は、画像形成要求がないと判断した場合、処理をS802に戻す。シール除去動作部505は、画像形成要求がないまま、トナー補給が可能になった場合には(S802 Yes)、シール引きシーケンスを終了し(S806)、プリンタ1は画像形成可能な状態になる。
【0040】
S803でエンジン制御部502は、画像形成要求があると判断した場合、処理をS804に進める。S804でエンジン制御部502は、トナー残量検知部504が検知したプロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上あるか否かを判断する。所定量は、例えば、画像形成中にシール引きシーケンスを実行した場合に、シール引きシーケンスが終了するまでに、1ぺージあたり所定のトナー量を消費する画像(所定画像)を、所定のページ数印刷することが可能なトナー量とすることができる。本実施例では、所定画像を、画像形成領域の全域にトナー像が印刷される画像(所謂ベタ画像)とし、所定のページ数を50ページとした。なお、これらは一例にすぎず、例えば所定画像はベタ画像でなくてもよく、所定のページ数は50ページよりも多くてよく、少なくてもよい。
【0041】
なお、所定量は上記基準に加えて、他の要因を考慮して定めてもよく、上記基準以外の基準に基づいて定めてもよい。
【0042】
エンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上ではないことがトナー残量検知部504によって検知された場合、シール引きシーケンスが完了した後に、画像形成が実行されることを許容する。言い換えれば、エンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上ではないことがトナー残量検知部504によって検知された場合、シール引きシーケンスが完了する前に、画像形成が実行されることを許容しない。
【0043】
つまり、S804でエンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上ないと判断した場合、処理をS805に進める。この場合、所定画像を印刷し続けることができなくなってしまうおそれがあるので、エンジン制御部502は、トナー補給が可能な状態になるまで、画像形成動作部503による動作開始を待つ。
【0044】
エンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上あることがトナー残量検知部504によって検知された場合、シール引きシーケンスが完了する前に、画像形成が実行されることを許容する。S804でエンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上であると判断した場合、トナー補給を待つ必要がないため、処理をS807に進める。S807でエンジン制御部502は、シール引きシーケンスと並行して画像形成動作部503により画像形成を実行し、処理をS802に戻す。
【0045】
S805でエンジン制御部502は、トナー補給が可能か否かを判断し、トナー補給が可能ではないと判断した場合、処理をS805に戻し、トナー補給が可能であると判断した場合、処理をS806に進める。S806でエンジン制御部502は、シール除去動作部505によるシール引きシーケンスを終了し、画像形成動作部503は画像形成を開始する。なお、エンジン制御部502は、シール引きシーケンスが完了したという情報をメモリ508に書き込む。
【0046】
このように、プロセスカートリッジB内のトナーが所定量以上ある場合には、画像形成中に所定画像を印刷し続けることができなくなるおそれがないので、画像形成動作部503は、トナー補給が可能になるのを待つ必要がない。したがって、画像形成動作部503は、シール引きシーケンスの終了を待たずに画像形成を開始することができる。なお、本実施例においては、シール引きシーケンスが完了する前に画像形成が実行された場合、画像形成と並行して、撹拌部材36が駆動されており、シール部材80の開封が継続される。したがって、画像形成が終了する前に、シール部材80が開封される場合がある。
【0047】
上述したように、実施例1によれば、プロセスカートリッジBにトナーをすぐに補給する必要がない場合に、トナーカートリッジCのシール引きシーケンスと画像形成動作とを並行して行うことが可能となる。これによりユーザのウェイトタイムが削減され、ユーザビリティが向上する。
【0048】
以上、エンジン制御部502は、開封動作を行っている間に、画像形成の要求があった場合には、トナー残量検知部504によって検知した現像剤収容室152内のトナーの量に応じて、開封動作と並行して画像形成を行う。具体的には、エンジン制御部502は、トナー残量検知部504によって検知した現像剤収容室152内のトナーの量が所定量以上である場合には開封動作と並行して画像形成を行う。エンジン制御部502は、トナー残量検知部504によって検知した現像剤収容室152内のトナーの量が所定量以上ではない場合には画像形成を行わず開封動作を行う。
【0049】
以上、実施例1によれば、トナーカートリッジのシール部材の自動開封中であっても画像形成を可能にすることができる。また、トナーカートリッジのシール部材の開封が開始されてから、画像形成の開始が許容されるまでの時間を短縮することができる。
【実施例0050】
実施例1では、画像形成動作とシール引きシーケンスとを並行して行うことが可能なプリンタ1の構成の場合について説明した。実施例2では、シール引きシーケンスと画像形成動作とを並行して行うことができない構成について説明する。実施例2においては、シール引きシーケンスが完了する前に画像形成が実行された場合、画像形成が実行されている間は、シール部材80の開封動作が停止される。
【0051】
<機能ブロック図>
図9は、実施例2の機能構成を示すブロック図である。なお、実施例1の図3と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。シール除去動作部505は、メインモータ412に画像形成時とは逆方向の駆動指示を行い、攪拌部材36を動作させて、トナーカートリッジCに備えられたシール部材80を開封する。これによりシール除去動作部505は、トナー収容部30aからトナー排出口31aを通してプロセスカートリッジBにトナー補給が可能な状態にする。
【0052】
実施例2の構成において、シール引きシーケンスを実行するのに必要な駆動源は、画像形成動作の駆動源と同じメインモータ412(駆動部)であり、回転駆動させるためには、メインモータ412を画像形成動作とは逆転させる必要がある。そのため、画像形成動作とシール引きシーケンスとを並行して行うことはできない。シール引きシーケンスの駆動源はメインモータ412であり、シール引きシーケンスでは画像形成動作とは逆転させるとしているが、この構成に限定するものではない。例えば、シール引きシーケンスの駆動源がメインモータ412であり、画像形成動作と同じ方向の回転でシール引きシーケンスを実行するが、画像形成動作とは異なる回転速度でシール引きシーケンスを行う必要がある構成でも構わない。
【0053】
また、実施例2の開封動作であるシール引きシーケンスは、複数の分割動作に分割し、1つの分割動作と次の分割動作との間で中断することが可能である。具体的には、シール引きシーケンスは、第1シール引き、第2シール引き、補給準備の3つの動作から構成され、それぞれの実行時間が第1時間、第2時間、第3時間、それぞれ必要となる。所定の分割動作が終了した後は次の分割動作を開始する前に中断することが可能である。また、シール引きシーケンスを構成するそれぞれの分割動作の実行が完了したかどうかを記憶部であるメモリ508に記録するものとする。
【0054】
なお、シール引きシーケンスを3つに分割する方法を上述したが、これに限定するものではない。シール引きシーケンスを2つや4つ以上に分割しても構わないし、分割したシール引きシーケンスの終了を時間ではなくセンサ情報等から判断しても構わない。シール引きシーケンスの実行時間をメモリ508に記録し、シール引きシーケンスの合計実行時間でシール引きシーケンスの終了を判断する構成でも構わない。
【0055】
<制御フローの説明>
図10を用いて実施例2のシール引きシーケンス中から画像形成が可能になるまでの制御フローについて説明する。エンジン制御部502は、メモリ管理部507がメモリ508から読み取った情報を元に、シール部材80の開封が完了していないとき、又は、シール引きシーケンスを中断したときに、S1001以降の処理を実行する。
【0056】
S1001でエンジン制御部502は、シール引きシーケンスを開始又は再開する。ここで、再開とは、シール引きシーケンスを中断した際にシール引きシーケンスを再開することをいう。シール引きシーケンスを再開する場合には、後述するS1014の処理でメモリ508に記憶された、終了した分割動作(例えば、第1シール引き)の次の分割動作(例えば、第2シール引き)から動作を再開することになる。
【0057】
S1002でエンジン制御部502は、シール除去動作部505により、メモリ508の情報に基づいて第1シール引きが完了しているか否かを判断する。S1002でエンジン制御部502は、第1シール引きが完了していないと判断した場合、処理をS1003に進める。S1003でエンジン制御部502は、シール除去動作部505により第1シール引きを開始する。S1005でエンジン制御部502は、第1時間が経過したか否かを判断する。S1005でエンジン制御部502は、第1時間が経過していないと判断した場合、処理をS1005に戻し、経過したと判断した場合、処理をS1006に進める。
【0058】
S1006でエンジン制御部502は、画像形成要求があるか否かを判断する。S1006でエンジン制御部502は、画像形成要求があったと判断した場合、処理をS1007に進める。S1007でエンジン制御部502は、トナー残量検知部504が検知したプロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上あるか否かを判断する。所定量は、実施例1で述べたものと同一である。
【0059】
S1007でエンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上ないと判断した場合、処理をS1008に進める。この場合、このタイミングでプリントすると、画像形成中に所定画像を印刷し続けることができなくなってしまうおそれがある。このため、シール除去動作部505は、このタイミングでは画像形成を行わない。
【0060】
S1002でエンジン制御部502は、第1シール引きが完了していると判断した場合、処理をS1004に進める。S1004でエンジン制御部502は、シール除去動作部505による第2シール引きが完了しているか否かを判断する。S1004でエンジン制御部502は、第2シール引きが完了していないと判断した場合、処理をS1008に進める。また、S1006でエンジン制御部502は、画像形成要求がないと判断した場合、処理をS1008に進める。S1008でエンジン制御部502は、シール除去動作部505により、第2シール引きを開始する。
【0061】
S1009でエンジン制御部502は、第2時間が経過したか否かを判断し、第2時間が経過していないと判断した場合、処理をS1009に戻し、経過したと判断した場合、処理をS1010に進める。また、S1004でエンジン制御部502は、第2シール引きが完了していると判断した場合、処理をS1010に進める。
【0062】
S1010でエンジン制御部502は、画像形成要求があるか否かを判断する。S1010でエンジン制御部502は、画像形成要求があると判断した場合、処理をS1011に進める。S1011でエンジン制御部502は、トナー残量検知部504が検知したプロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上あるか否かを判断する。
【0063】
S1010でエンジン制御部502は、画像形成要求がないと判断した場合、処理をS1012に進める。また、S1011でエンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上ないと判断した場合、処理をS1012に進める。S1012でエンジン制御部502は、シール除去動作部505により、補給準備動作を開始する。S1013でエンジン制御部502は、第3時間が経過したか否かを判断する。S1013でエンジン制御部502は、第3時間が経過していないと判断した場合、処理をS1013に戻し、経過したと判断した場合、処理をS1015に進める。
【0064】
S1007でエンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上あると判断した場合、処理をS1014に進める。また、S1011でエンジン制御部502は、プロセスカートリッジB内のトナー残量が所定量以上あると判断した場合、処理をS1014に進める。S1014でエンジン制御部502は、シール引きシーケンスを中断して画像形成を行うために、メモリ管理部507によりメモリ508にシール引きシーケンスの実行状況を保存し、処理をS1015に進める。S1015でエンジン制御部502は、シール除去動作部505により、シール引きシーケンスを中断又は終了し、画像形成可能な状態になる。なお、エンジン制御部502は、すべての分割動作、例えば、補給準備までの動作が完了した場合には、シール引きシーケンスがすべて完了したという情報をメモリ508に書き込む。
【0065】
例えば、第1シール引きを開始してから第1時間が経過して画像形成要求があり、トナー残量が十分にある場合には、メモリ508に第1シール引きが完了したという情報が書き込まれ、シール引きシーケンスが一旦中断されて、画像形成動作が行われる。同様に、第2シール引きを開始してから第2時間が経過して画像形成要求があり、トナー残量が十分にある場合には、メモリ508に第2シール引きが完了したという情報が書き込まれ、シール引きシーケンスが一旦中断されて、画像形成動作が行われる。
【0066】
このように、シール引きシーケンスが中断可能な複数の工程を有している場合には、各工程が完了したときの現像剤収容室152内のトナー残量に応じて、次の工程に進むか、シール引きシーケンスを一旦中断して画像形成動作を行うかが判断される。なお、メモリ508には、シール引きシーケンス全体が終了したという情報が記憶されてもよい。
【0067】
上述したように、実施例2によれば、すぐにプロセスカートリッジBにトナーを補給する必要がないときに、トナーカートリッジCのシール引きシーケンスを中断して、画像形成を行うことが可能となる。これによりユーザのウェイトタイムが削減され、ユーザビリティが向上する。
【0068】
以上、エンジン制御部502は、所定の分割動作が終了した後に、画像形成の要求があった場合には、トナー残量検知部504によって検知した現像剤収容室152内のトナーの量に応じて、次の分割動作を開始する前に開封動作を中断して画像形成を行う。また、エンジン制御部502は、開封動作を中断して画像形成を行った後に開封動作を再開する場合には、メモリ508に記憶された情報に基づいて次の分割動作を行う。さらに、エンジン制御部502は、トナー残量検知部504によって検知した現像剤収容室152内のトナーの量が所定量以上である場合には開封動作を中断して画像形成を行う。エンジン制御部502は、トナー残量検知部504によって検知した現像剤収容室152内のトナーの量が所定量以上ではない場合には画像形成を行わず開封動作を継続する。
【0069】
以上、実施例2によれば、トナーカートリッジのシール部材の開封が開始されてから、画像形成の開始が許容されるまでの時間を短縮することができる。
【0070】
なお、上述した実施例1、2では、現像剤収容室152内のトナー残量検知を光透過式としたが、これに限定されない。例えば、検知部がトナー残量を検知する方法として、静電容量を用いる方法や画像データのピクセルカウント値を用いる方法等、公知の方法を用いてもよい。
【0071】
また、上述した実施例1、2では、シール引きシーケンスが完了する前に画像形成動作を行うか否かを、現像剤収容室152内のトナー残量が所定量以上あることが検知されたか否かで判断していた。しかし、現像剤収容室152内には常にある程度のトナーが存在している。また、印刷される画像によって、トナーの消費量は異なる。このため、トナーカートリッジCが交換された際に、エンジン制御部502は、シール引きシーケンスが完了する前に画像形成を行うことを常に許容してもよい。また、エンジン制御部502がシール引きシーケンスが完了する前に画像形成を行うことを常に許容するか否かを、使用者によって設定可能としてもよい。
【0072】
また、例えばシール引きシーケンスが中断されている状態で画像形成動作を行った際に、現像剤収容室152内のトナー残量が減りすぎたことが検知された場合、画像形成動作を中断し、シール引きシーケンスを再開してもよい。また、シール引きシーケンスを中断して画像形成動作を行った場合、画像形成動作が完了した後に、シール引きシーケンスを再開してもよい。
【0073】
上述した実施例1、2いずれの場合も、シール引きシーケンスの完了とは、トナー排出口31aが完全に露出することでもよいし、シール部材80がトナー枠体から分離することでもよい。つまり、シール引きシーケンスが完了する前に、シートSに対する画像形成が実行される場合、トナー排出口31aが完全に露出する前、または、シール部材80がトナー枠体から分離する前に、画像形成が開始される。また、エンジン制御部502は、トナー排出口31aの少なくとも一部が露出されるようにシール部材80が移動された後に、画像形成を開始することが好ましい。言い換えれば、画像形成が開始されるタイミングにおいて、トナー排出口31aの少なくとも一部が露出されていることが好ましい。
【0074】
さらに、プロセスカートリッジBは感光体ユニット10,現像ユニット15を有していたが、感光体ユニット10,現像ユニット15を、互いに対して独立した2つのカートリッジとし、それぞれを装置本体に対して着脱可能としてもよい。
【0075】
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
記録材に画像を形成する画像形成を行う画像形成装置であって、
装置本体と、
感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する現像手段と、前記現像手段に供給されるトナーを収容する第1収容室と、を有する第1カートリッジと、
トナーを収容する第2収容室と、前記第2収容室から前記第1収容室にトナーを供給する供給口と、前記供給口を封止する封止部材と、前記封止部材を開封するための開封部材と、を有する第2カートリッジと、
前記供給口が前記封止部材で封止された状態の第2カートリッジが前記装置本体に装着されると、前記開封部材を駆動して前記封止部材を開封する開封動作を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開封動作が開始された後、前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行されることを許容することを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記第1収容室内のトナーの量を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記第1収容室内のトナーの量が所定量以上であることが前記検知部によって検知された場合には、前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行されることを許容し、前記第1収容室内のトナーの量が前記所定量以上ではないことが前記検知部によって検知された場合には、前記開封動作が完了した後に、前記画像形成が実行されることを許容することを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成3)
前記開封動作が完了する前に、前記画像形成が実行された場合に、前記画像形成と並行して前記封止部材が開封されることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成4)
前記開封部材を駆動する第1駆動部と、
前記感光体を回転駆動する第2駆動部と、
を備えることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成5)
前記画像形成が実行されている間は、前記開封動作が停止されることを特徴とする上記の画像形成装置。
(構成6)
前記開封動作が完了したか否かに関する情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする上記の画像形成装置。
【符号の説明】
【0076】
B プロセスカートリッジ
C トナーカートリッジ
16 現像ローラ
30a トナー収容部
31a トナー排出口
36 攪拌部材
80 シール部材
152 現像剤収容室
502 エンジン制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10