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特開2024-172771情報提供方法、情報提供システム及び情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172771
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報提供方法、情報提供システム及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090731
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】523204743
【氏名又は名称】小寺 鉄司
(74)【代理人】
【識別番号】100200263
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】小寺 鉄司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC54
5L050CC54
(57)【要約】
【課題】投票券の購入動向の時間的な変化の把握を容易にする情報提供システム、情報提供方法及び情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の情報提供システムによれば、通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる公営競技の情報提供システムであって、オッズ情報を受信する受信部と、受信部が取得したオッズ情報に、オッズ情報を取得した時刻情報を関連付ける計時部と、オッズ情報から、組番についての時刻情報における支持率を算出するデータ処理部と、データ処理部が算出した支持率を表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる公営競技のレースに関する情報提供システムであって、
上位システムから、公営競技の投票券として購入できる少なくとも1つの券種の組番のオッズ情報を受信する受信部と、
前記受信部が取得した前記オッズ情報に、前記オッズ情報を取得した時刻情報を関連付ける計時部と、
前記オッズ情報から、前記オッズ情報を取得した時刻における、前記組番についての支持率を算出するデータ処理部と、
前記データ処理部が算出した前記支持率を前記表示部に表示させる表示処理部と、を備える、情報提供システム。
【請求項2】
前記時刻情報は、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報を含み、
前記支持率は、
前記第1の時刻情報及び前記第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における支持率と前記第1の時刻情報における支持率との差分である差分支持率であり、
前記データ処理部は、
前記差分支持率を算出し、
前記表示部は、
前記差分支持率を前記表示部に表示する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記表示処理部は、
前記複数の組番のそれぞれの前記支持率に基づいて、前記複数の組番の序列を前記表示部に表示する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記支持率は、
1つの組番について前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であり、
前記表示処理部は
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記オッズ情報から算出された、前記複数の組番のそれぞれについて算出された複数の支持率であり、
前記表示処理部は、
前記複数の支持率を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記複数の組番のそれぞれについて前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であって、
前記表示処理部は、
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記受信部は、
所定の券種の前記組番の全ての合計投票数である投票数情報を取得し、
前記計時部は、
取得した前記投票数情報に、前記投票数情報を取得した時刻情報を関連付け、
前記データ処理部は、
実質的に同一の時刻情報に関連付けられた前記支持率と前記投票数情報とを互いに乗じることにより前記組番の個別投票数を算出し、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における前記個別投票数と前記第1の時刻情報における前記個別投票数との差分である差分投票数を算出する、請求項1~6の何れか1項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であって、
前記データ処理部は、
前記複数の組番のそれぞれの前記差分投票数を、前記第2の時刻情報の合計投票数から前記第1の時刻情報の合計投票数を引いた差分合計投票数で除して、前記複数の組番のそれぞれの前記第1の時刻情報から第2の時刻情報までの間の期間支持率を算出する、請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記支持率は、
前記支持率をA、前記1つの券種の全投票に対する払戻率をR、前記オッズ情報をKとしたときに、A=R/Kで求められる、請求項1~6の何れか1項に記載の情報提供システム。
【請求項10】
コンピュータにより実行され、通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる、公営競技に関する情報提供方法であって、
公営競技の投票券として購入できる少なくとも1つの券種の組番のオッズ情報を取得し、
取得した前記オッズ情報に、前記オッズ情報を取得した時刻情報を関連付け、
前記オッズ情報から、前記オッズ情報を取得した時刻における、前記組番についての支持率を算出し、
算出した前記支持率を、前記表示部に表示する、情報提供方法。
【請求項11】
前記支持率は、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における前記支持率と前記第1の時刻情報における前記支持率との差分として算出された差分支持率である、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項12】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記複数の組番のそれぞれの前記差分支持率に基づいて、前記複数の組番の序列を前記表示部に表示する、請求項11に記載の情報提供方法。
【請求項13】
前記支持率は、
1つの組番について前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であり、
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示する、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項14】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記オッズ情報から算出された、前記複数の組番のそれぞれについて算出された複数の支持率であり、
前記複数の支持率を前記表示部に表示させる、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記複数の組番のそれぞれについて前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であり、
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示させる、請求項10に記載の情報提供方法。
【請求項16】
前記投票数情報を取得した時刻までの、所定の券種の前記組番の全ての合計投票数である投票数情報を取得し、
取得した前記投票数情報に、前記投票数情報を取得した時刻情報を関連付けて記憶し、
実質的に同一の時刻情報に関連付けられた前記支持率と前記投票数情報とを互いに乗じることにより前記組番の個別投票数を算出し、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における前記個別投票数と前記第1の時刻情報における前記個別投票数との差分である差分投票数を算出する、請求項10~15の何れか1項に記載の情報提供方法。
【請求項17】
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記複数の組番のそれぞれの前記差分投票数を、前記第2の時刻情報の合計投票数から前記第1の時刻情報の合計投票数を引いた差分合計投票数で除して、前記複数の組番のそれぞれの前記支持率を算出する、請求項16に記載の情報提供方法。
【請求項18】
前記支持率は、
前記支持率をA、前記1つの券種の全投票に対する払戻率をR、前記オッズ情報をKとしたときに、A=R/Kで求められる、請求項10~15の何れか1項に記載の情報提供方法。
【請求項19】
請求項10~15の何れか1項に記載の情報提供方法を、コンピューターに実行させるための情報提供プログラム。
【請求項20】
請求項16に記載の情報提供方法を、コンピューターに実行させるための情報提供プログラム。
【請求項21】
請求項17に記載の情報提供方法を、コンピューターに実行させるための情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供方法、情報提供システム及び情報提供プログラムに関し、公営競技の情報提供に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、競艇、競馬、競輪、オートレースなどの公営競技においては、レース前に、投票を行う際に参考となる前売オッズの情報が会場のモニタなどに表示される。モニタに表示される所定の情報(レース情報)は、通常、予め設定されたスケジュールに基づいて表示内容が切り替えられる。例えば、所定のレースに関して複数の賭け式に応じたオッズ情報が所定時間毎に切り替え表示されるため、ファンは要望する情報をそのモニタの表示から探して確認する必要がある。表示装置は、例えばオッズの情報をモニタに表示するものである。例えば競艇の場合であれば、組番とは、投票(選択)可能な数字又は数字の組合せをいい、6艇によって競技を行う競艇においては、賭式が単勝の場合であれば組番は1から6となる。この場合の全組番数は6となる。賭式には、単勝以外に、複勝、2連単、2連複、3連単、3連複、拡連複などがある。表示装置は、組番とその組番に対応するオッズ情報を表示する。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている競馬情報配信システムは、「各種の競馬情報を上位システムから入手し、画面用の情報を作成する情報管理サーバと、通信回線を介して接続される端末からの要求に応じて各種情報をダウンロードさせる情報配信サーバとを備え、前記情報管理サーバは、上位システムから入手した各種の競馬情報のうち、どのデータが、画面作成用の雛形である複数種のスタイルシートに必要かを示した設定ファイルと、この設定ファイルの設定情報に基づいてスタイルシート毎に前記各種の競馬情報から必要なデータを選定するデータ設定手段とを有し、前記情報配信サーバは、前記端末に専用の端末用アプリケーションプログラム、及びこの端末用アプリケーションプログラムで使用される前記複数種のスタイルシート、及び前記情報管理サーバによりスタイルシート毎に選定された競馬情報を保持する記憶部を有し、この記憶部に保持された前記各情報を、前記端末からの要求に応じてダウンロードさせる」というものである。この競馬情報競配信システムは、アプリケーションあるいはスタイルシートによって、どのようなオッズを表示するかを選択できる、データ編集機能も保持しており、端末にオッズ情報を表示させる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-087328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている競馬情報配信システムは、表示装置においてどのようなオッズを表示するかを選択できる。オッズ情報は、各組番の払い戻し倍率を表す数値を羅列したものである。ユーザーはその数値を見て購入する投票券を選定することになる。例えば、投票券購入の締め切り前において、単に組番に対応するオッズ情報を見た場合、ユーザーは購入した投票券の払い戻しがどの程度になるかを予測できる。しかし、オッズ情報に基づいて投票券を選定する場合、各組番の人気順は把握できるが、当該組番がどの程度の支持を得ているかの判断は困難である。また、オッズ情報は、人気の高い組番についての変動幅が人気の低い組番に対して相対的に小さく、仮に人気の高い組番に短時間に集中的に投票券購入があった場合であってもオッズの変動幅が小さく、投票券を購入している他者の動向を把握しにくいという課題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、投票券の購入動向の時間的な変化の把握を容易にする情報提供システム、情報提供方法及び情報提供プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報提供システムは、通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる公営競技のレースに関する情報提供システムであって、上位システムから、公営競技の投票券として購入できる少なくとも1つの券種の組番のオッズ情報を受信する受信部と、前記受信部が取得した前記オッズ情報に、前記オッズ情報を取得した時刻情報を関連付ける計時部と、前記オッズ情報から、前記オッズ情報を取得した時刻における、前記組番についての支持率を算出するデータ処理部と、前記データ処理部が算出した前記支持率を前記表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0008】
本発明の情報提供方法は、コンピュータにより実行され、通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる、公営競技に関する情報提供方法であって、公営競技の投票券として購入できる少なくとも1つの券種の組番のオッズ情報を取得し、取得した前記オッズ情報に、前記オッズ情報を取得した時刻情報を関連付け、前記オッズ情報から、前記オッズ情報を取得した時刻における、前記組番についての支持率を算出し、算出した前記支持率を、前記表示部に表示する。
【0009】
本発明の情報提供プログラムは、上記の情報提供方法を、コンピューターに実行させるためものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オッズ情報を支持率に変換して表示するため、ユーザーは全体的な投票券購入の動向を把握しやすくなり、各組番の人気の動向も直接的に把握しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る情報提供システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る情報提供装置100における、クライアント端末50に情報を表示させるためのオッズ情報Ktkの処理手順を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1に係る情報提供装置100がクライアント端末50に表示させる表の一例である。
図4】実施の形態1に係る情報提供装置100が処理する公営競技のオッズ情報及びオッズ情報を処理した指標値の一例である。
図5】実施の形態1に係る情報提供装置100がオッズ情報Ktk等を処理するデータの流れを説明する図である。
図6】実施の形態1に係る情報提供システム1000において、クライアント端末50に表示される情報の一例である。
図7】実施の形態1に係る情報提供システム1000において、クライアント端末50に表示される情報の一例である。
図8】実施の形態2に係る情報提供装置100における、クライアント端末50に情報を表示させるためのオッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkの処理手順を示すフローチャートである。
図9】実施の形態2に係る情報提供装置100がオッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkを処理するデータの流れを説明する図である。
図10】実施の形態2に係る情報提供装置100が処理した指標値の一例である。
図11図10(d)の各組番の期間支持率δS(tk2-tk1)の推移をグラフ化したものである。
図12】実施の形態1及び2に係る情報提供システム1000の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る情報提供システム、情報提供方法及び情報提供プログラムの実施の形態について説明する。なお、図面の形態は一例であり、本発明を限定するものではない。また、各図において同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報提供システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。同図に示すとおり、情報提供システム1000は、情報提供装置100と、任意のn個(n≧1)のクライアント端末50~50とを備えており、情報提供装置100とクライアント端末50~50は、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット90を介して相互に交信可能である。実施の形態1の情報提供システム1000は、公営競技(競馬、競輪、オートレース、競艇)のレースに関する情報を提供するシステムであって、特に主催者などから入手するオッズ情報Ktkを加工して、ユーザーに利用しやすい形にした情報を提供するものである。情報提供システム1000は、配信されたオッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkを基に情報提供装置100がオッズ情報Ktkを処理して、インターネットなどの回線を介して情報提供装置100に接続されたクライアント端末50~50に処理した情報を表示させるものである。
【0014】
情報提供装置100は、情報提供業者などが管理し運用するサーバコンピュータであり、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。クライアント端末50,・・・,50は、主に公営競技の投票券を購入するユーザーが所持し使用するもので、データ通信機能を有する通信端末であって、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、携帯電話端末等がこれに該当する。クライアント端末50,・・・,50は、マウスやキーボード等各種指示を入力するために用いられる操作部51,・・・,51、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり操作部51,・・・,51から入力された各種指示等や各種画像を表示する表示部52,・・・,52を有している。ただし、操作部51,・・・,51や表示部52,・・・,52は、操作者が指やタッチペン等を画面に接触させたり移動させたりすることで操作するタッチパネル等として構成してもよい。なお、クライアント端末50,・・・,50、操作部51,・・・,51、表示部52,・・・,52は同じ構成を持つので、以下、区別する必要がある場合を除き、クライアント端末50、操作部51、表示部52と呼ぶ。
【0015】
図1には図示しないが、情報提供装置100やクライアント端末50,・・・,50は、それぞれ、少なくとも1のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、及び、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)、起動用ブートプログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)、各種プログラムやデータ等が記録されるハードディスク等の補助記憶装置、データの送受信に用いる通信インターフェース等が設けられている。補助記憶装置には、OS(Operating System)用プログラム、各種アプリケーションプログラム、データベースに記録されたデータ等が記録されており、これらのプログラムやデータはCPUの演算処理により、ハードウェア資源と協働して各種機能を実現する。
【0016】
なお、情報提供装置100は、1のサーバコンピュータによって形成されていても、複数のネットワークコンピュータシステムによって形成されていてもよい。
【0017】
図1に示す通り、情報提供装置100は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としてのデータ処理部10、及び、データ処理部10にて処理される各種データが記録される記憶部12を有する。
【0018】
受信部11は、インターネット90を介してオッズ情報Ktkを受信し、データ処理部10に送る。入力部13は、クライアント端末50から入力されたユーザーが必要とする情報に関するデータを受け付け、データ処理部10でのデータ処理の基になる各種処理を行う。実施の形態1においては、入力部13は、ユーザーがクライアント端末50の表示部52に表示させたいデータを選択する表示データ種別入力部22(図5参照)及びオッズ情報Ktk、支持率Stk、及び差分支持率ΔS(tk-t0)を表示又は計算させたい時間範囲を指定する時間入力部23(図5参照)を備える。
【0019】
データ処理部10は、情報提供装置100において用いる各種データの生成、加工等の処理を行うものであり、更に、機能手段としての計時部15、支持率算出部16、差分支持率算出部17、及び表示処理部18を備える。
【0020】
計時部15は、オッズ情報Ktkに時刻情報を関連付ける。計時部15は、情報提供装置100が備える時刻情報を管理するハードウェアであっても良いし、受信部11が受信した情報に含まれた時刻情報を認識する機能でも良い。
【0021】
支持率算出部16は、取得したオッズ情報Ktkなどを基に支持率Stkを算出する機能ブロックである。支持率Stkの算出は、公営競技の所定のレースの所定の券種の払戻率Rと、組番に対応したオッズ情報Ktkから算出され、例えば、後述する(式4)から求められる。
【0022】
差分支持率算出部17は、支持率算出部16で求められた各組番の支持率Stkを基に、各組番の差分支持率ΔS(tk-t0)を求める。
【0023】
表示処理部18は、クライアント端末50に表示させるために、オッズ情報Ktk、支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)の情報を記憶部12などから呼び出し、ユーザーがクライアント端末50において入力した表示データ種別及び表示したい時間範囲などの情報に基づき、適した形に処理する。また、表示処理部18は、クライアント端末50の表示部52にされる画像データを生成する。
【0024】
出力部14は、表示処理部18で処理したデータ及び生成した画像データなどをクライアント端末50に送信する。
【0025】
記憶部12は、情報提供装置100にて用いられるデータを記録する。記憶部12にはデータベース21が形成される。この実施の形態1におけるデータベース21は、リレーショナルデータベースによって形成するが、例えばオブジェクトデータベース等、大量のデータの記録や書換えに適したものであればどのような形式を用いてもよい。例えば、データベース21には、公営競技の所定のレースにおいて投票できる各組番についてのオッズ情報Ktk、支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)、及び時刻情報tkがそれぞれ関連付けられて保存される。
【0026】
情報提供装置100におけるデータ処理部10、記憶部12、入力部13、出力部14、計時部15、支持率算出部16、差分支持率算出部17、表示処理部18、序列表示処理部19、及び時間推移表示処理部20は、どのような形で構成されていてもよい。例えば、情報提供装置100が複数のサーバコンピュータからなるネットワークコンピュータシステムとして形成されている場合、各構成要件が複数のサーバコンピュータに分散して配設されていてもよい。また、それらのサーバコンピュータは、複数の業者、サーバ管理者がそれぞれ所有するコンピュータシステム(例えば、他の情報提供業者、プロバイダ、ホスティングシステム提供業社等が所持又は管理するコンピュータシステム)に跨って配設されていてもよい。サーバコンピュータは、いわゆるクラウド・コンピュータシステムとして形成されてもよい。更に、データ処理部10、記憶部12、入力部13、出力部14、計時部15、支持率算出部16、差分支持率算出部17、表示処理部18、序列表示処理部19、及び時間推移表示処理部20のうち少なくとも一部の構成が、情報提供装置100ではなく、情報提供システム1000を構成するクライアント端末50に設けられていてもよい。
【0027】
次に、この実施の形態1の情報提供システム1000における、クライアント端末50に情報を表示させるためのオッズ情報Ktkの処理手順について説明する。
【0028】
図2は、実施の形態1に係る情報提供装置100における、クライアント端末50に情報を表示させるためのオッズ情報Ktkの処理手順を示すフローチャートである。
【0029】
情報提供装置100は、公営競技の主催者などが持っている所定のレースのオッズ情報Ktkを上位システム1から取得する(ステップS1)。上位システム1とは、オッズ情報Ktkをはじめとするレースに関するデータをリアルタイムに提供する情報提供業者又は機関が管理し運用するサーバコンピュータであり、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。情報提供装置100は、例えば上位システム1にユーザ認証を受けて、データを要求し、要求に応じたデータを受信部11で取得する。
【0030】
情報提供装置100は、取得したデータを処理する。実施の形態1においては、データ処理部10は、オッズ情報Ktkと時刻情報tkとを関連付けて(ステップS2)、記憶部12に保存する。なお、オッズ情報Ktkと時刻情報tkとは、予め上位システム1から受信部11で取得したデータに含まれている場合がある。この場合は、受信部11で受信したオッズ情報Ktkと時刻情報tkとをそのまま記憶部12に保存しても良い。受信部11が受信したデータに時刻情報tkが含まれていない場合は、計時部15によって出力される時刻情報tkをオッズ情報Ktkに関連付けて記憶部12に保存する。
【0031】
情報提供装置100は、オッズ情報Ktkを基に各組番の指標値を算出する(ステップS3)。指標値は、例えば支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)などであり、オッズ情報Ktkを所定の方法で処理したものである。また、指標値には、オッズ情報Ktkそのもの、支持率Stkに基づいた各組番の序列のデータ、差分支持率ΔS(tk-t0)に基づいた各組番の序列のデータなども含んでも良い。なお、記憶部12には、各組番、時刻情報tk、オッズ情報Ktk、支持率Stkを関連付けたデータベース21が構築される。差分支持率ΔS(tk-t0)は、入力部13で受け付けたクライアント端末50からの要求に応じて、都度算出されても良いし、予め計算されデータベース21に時刻情報tkと関連付けて保存されていても良い。
【0032】
情報提供装置100は、データ処理部10で処理した指標値をクライアント端末50に表示させる(ステップS4)。表示処理部18は、入力部13で受け付けたユーザーの要求に応じた形でデータを表示するように指標値を処理する。
【0033】
図3は、実施の形態1に係る情報提供装置100がクライアント端末50に表示させる表の一例である。この図は、一例として競馬の場合を示しており、その他の公営競技の場合は表示内容は適宜変更されるものである。この図は、主にレースの基本的な情報を表示したものであり、レース名、レースの内容、出走馬の情報、及びオッズ情報Ktkが表示されており、M欄が馬番であり、単勝式の場合の投票券の組番となる。K欄は、オッズ情報Ktkが示されている。K1欄は、単勝式、K2欄は、馬番連勝複式のオッズ情報Ktkを示している。なお、K1欄及びK2欄は、他のオッズ情報Ktkを表示することもできる。また、K欄に示されているオッズ情報Ktkは、基本的には最新のオッズ情報Ktkであるが、過去のある時刻のオッズ情報Ktkを表示することもできる。
【0034】
なお、実施の形態において、オッズ情報Ktkと表示した場合は、ある時刻情報tkの時点のオッズを意味する。時刻情報は、t0、t1、t2・・・、tkと表され、情報提供装置100は、各時刻におけるオッズ情報Kt0、Kt1、Kt2・・・Ktkを取得し、保存している。
【0035】
図4は、実施の形態1に係る情報提供装置100が処理する公営競技のオッズ情報及びオッズ情報を処理した指標値の一例である。図4(a)は、情報提供装置100が図1に示す上位システム1から入手したオッズ情報Ktkを処理しデータベース21として保存したものの一例である。実施の形態1に係る情報提供装置100は、入手したオッズ情報Ktkに基づいて図4に示すような各組番についての支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)の各時刻情報tkと関連させたデータベース21を生成する。ただし、情報提供装置100が生成するデータベース21は、図4に示された形態のみに限定されるものではなく、各データ同士の関連付けの仕方はデータ処理の都合に応じ適宜変更できる。
【0036】
ここで、公営競技は、競馬、競輪、オートレース及び競艇などがあり、複数の馬または人がレースを行うものである。投票券を購入した者は、レースの結果に応じて投票券の払戻を受けることができる。払戻額は、例えば日本の中央競馬の場合、下記のように定められている。
x=(W+D/P)×R ・・・ (式1)
x:払戻総額
W:当該勝馬に対する勝馬投票券の総券面金額
D:出走した馬であって勝馬以外のものに対する勝馬投票券の総券面金額
P:勝馬の数
R:主催者が投票法ごとに定めた払戻率
【0037】
つまり、例えば投票券の券種が単勝式の場合、勝馬が1頭であり、(式1)は下記のようになる。
x=(W+D)×R=X×R ・・・(式2)
X:その券種の全ての投票券面金額
【0038】
ある組番のオッズをKとすると、Kは次のように求められる。
K={(W+D)×R}/W=(X×R)/W ・・・ (式3)
【0039】
上記(式3)は、以下のように変形できる。
R/K=W/X=S・・・ (式4)
【0040】
上記(式4)のW/Xは、(勝ち馬の総券面金額)/(その券種全ての投票券面金額)を意味し、当該勝ち馬の支持率Sに相当する。ここで、支持率Sとは、ある券種の全ての投票券面金額のうち、当該勝馬の投票券がどれだけ購入されているかの割合を意味する。公営競技においては、主催者が投票方法(単勝式、連勝複式などの券種)ごとに定めた払戻率Rは一定であるため、当該勝ち馬の組番のオッズKから当該勝馬の支持率Sが求められる。なお、中央競馬の場合、投票券として購入できる券種には、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単、WIN5がある。払戻率は、単勝、複勝が80.00%、枠連、馬連、ワイドが77.50%、馬単、3連複が75.00%、3連単が72.50%という設定になっている(2023年5月時点)。なお、払戻率は、公営競技の主催者、投票方式によって変わる場合があるため、実施の形態1に係る情報提供装置100は、その払戻率Rに応じて上記(式4)に当てはめる数値を変えて支持率Sを求める。払戻率Rは、情報提供装置100の記憶部12に記憶され、適宜呼び出され、各指標値の算出に用いられる。
【0041】
図3に示す出走表を参照すると、単勝オッズK1の欄に数値が記載されている。単勝オッズK1に記載されている数値は、各組番「1」~「8」の各馬が勝利した場合に得られる勝馬投票券面金額に対する払戻金額の予想倍率を意味している。単勝オッズK1は、上位システム1から配信されたものであり、データ処理部10で処理されて表示されている。
【0042】
なお、上記においては中央競馬の単勝式の例をあげたが、例えばWIN5などの重勝式の場合には、上記(式1)に加算額Aを勝馬の数Pで除した金額「A/P」が加算される。この場合は、上記で求めた支持率は「A/P」を考慮したものに修正する必要がある。また、各公営競技は、主催者が所定の範囲で払戻率Rを定めることができるため、上記(式1)~(式4)の払戻率Rは、投票券の券種、主催者の設定に応じて適宜変更して支持率Sを算出する。
【0043】
図4では単勝式のオッズ情報Ktkを一例として、その処理を説明するものである。図4(a)は、情報提供装置100が図1に示す上位システム1から入手したオッズ情報Ktkを表にしたものである。図4(b)は、オッズ情報Ktkを基に算出した各組番の支持率Sを表にしたものである。図4(c)は、投票締め切り1時間前の時刻を基準とした、支持率Sの変動である差分支持率ΔS(tk-t0)を示している。なお、図4(c)においては、投票締め切り時刻tf(11時15分)の60分前を基準となる時刻t0とし、各時刻tkにおける支持率Stkと時刻t0における支持率St0の差分を表の各欄に表示している。なお、図4において、時刻は、6分刻みになっているが、情報提供装置100が上位システム1からデータを取得する頻度に応じて、時刻の刻みは適宜変更できる。
【0044】
オッズ情報Ktkは、投票券購入額に対し何倍の払戻を受けられるかの予測値を示している。つまり、図4の組番「1」の締め切り最終での予想オッズが「4.7」と示されているが、この場合投票券を100円購入したときに470円の払戻を受けることができる。ただし、図4(a)に示されているオッズは、主催者発表によるある時刻tkにおける予想オッズであり、レースの結果が確定した後に受けられる払戻し倍率と必ずしも一致するとは限らない。オッズ情報Ktkは、投票券の売れ行き、レース前の出走馬の出走取消などにより、変動する。
【0045】
図4(a)においては、図2の組番「1」~「8」の馬の単勝式のオッズの変動を示している。競馬の場合、各馬に付された番号を馬番と呼ぶ場合があり、単勝式、複勝式の投票券の場合、それらの馬番が投票券の組番となる。連勝式の場合は、馬番の組み合わせが組番となる。図2に示した出走表の場合は、馬番と枠番が一致しているが、9頭以上の出走馬がいる場合は、一つの枠に複数の馬が入る。その枠番の組み合わせが組番となり投票券を購入することも可能である(枠番連勝複式)。
【0046】
図4(a)は、上記の通り単勝式のオッズを示している。表の上部の横方向にならんでいるのは、投票締切までの各時刻であり、その下に並ぶ各欄にその時刻の各組番のオッズを示している。各組番は、オッズが変動しており、情報提供装置100は、受信部11において上位システム1からのオッズ情報Ktkを得て、データ処理部10は、時刻情報tkと各組番のオッズとを関連付けて記憶部12に保存する。時刻情報tkは、計時部15で生成されたものでも良いし、受信部11がオッズ情報Ktkとともに取得したものでも良い。なお、図4においては、投票締め切り前60分を時刻t0とし、締め切り時刻tfに向かって、時刻t1、t2、・・・・と記号で示す。よって、図4(a)に示されている60分前の組番「1」~「8」までのオッズのデータをオッズ情報Kt0と呼び、それ以降、各時刻のオッズ情報をKt1、Kt2、・・・、Ktfと呼ぶ。
【0047】
図4(b)は、オッズ情報Ktkを支持率Stkに変換したデータであり、各時刻における各組番の支持率St0、St1、St2、・・・、Stfを表したものである。これらの支持率は、上記(式4)で求められる支持率Sである。
【0048】
図4(c)は、締切前60分前の支持率Sを基準とし、支持率が各時刻においてどの程度変動したかを表示したものである。つまり、各組番のある時刻の支持率Stkから60分前の時刻における支持率St0を引いた値が各欄に表示されている。図4(c)の各欄において、負の値で示された場合は、60分前の時点より支持率Stkが下がったことを意味し、正の値で示された場合は、60分前の時点よりも支持率Stkが上がったことを意味する。
【0049】
図4は、情報提供装置100のデータ処理部10において処理されたデータの一例であり、これらのデータは記憶部12に保存され、適宜呼び出すことが出来る。また、例として単勝式について示したが、情報提供装置100は、連勝式、複勝式も同様にオッズから各組番の支持率Stkを求め、記憶し、表示させることができる。
【0050】
図5は、実施の形態1に係る情報提供装置100がオッズ情報Ktk等を処理するデータの流れを説明する図である。図5に示すオッズ情報Ktkは、上位システム1から受信部11が受信する。オッズ情報Ktkはデータ処理部10に送られ、計時部15の時刻情報tk又はオッズ情報Ktkに付された時刻情報tkと関連付けられる。時刻情報tkとオッズ情報Ktkとは共に記憶部12に保存される。また、オッズ情報Ktkは、データ処理部10において支持率Stkに変換される。この支持率Stkも記憶部12に保存される。オッズ情報Ktk、時刻tk、支持率Stkは、記憶部12に保存され、適宜呼び出せるようになっている。
【0051】
また、データ処理部10は、支持率Stkを基に差分支持率ΔS(tk-t0)を算出する。差分支持率ΔS(tk-t0)は、ある第1の時刻の支持率St0と任意の第2の時刻における支持率Stkとの間の差分である。差分支持率ΔS(tk-t0)も記憶部12に保存される。比較の基準となる第1の時刻を基準時刻、比較対象となる第2の時刻を比較時刻、と称する場合がある。
【0052】
データ処理部10にて求められた各組番のオッズ情報Ktk、支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)は、表示処理部18で処理される。例えば、ユーザーがクライアント端末50において入力した情報Pに基づいて、表示処理部18は、記憶部12に保存されたオッズ情報Ktk、支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)などを処理し、出力部14に送る。出力部14は、表示処理部18で処理されたユーザーが求めたデータをクライアント端末50の表示部52に表示させる。
【0053】
また、序列表示処理部19は、各組番のオッズ情報Ktk、支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)をそれぞれ比較して、各組番の序列を求める。序列表示処理部19においては、各組番をオッズ情報Ktk、支持率Stk、又は差分支持率ΔS(tk-t0)の序列に従い、各組番を並べ変える。
【0054】
図6は、実施の形態1に係る情報提供システム1000において、クライアント端末50に表示される情報の一例である。差分支持率ΔS(tk-t0)は、各組番ごとに算出され、同時刻における差分支持率ΔS(tk-t0)同士を比較できる。序列表示処理部19は、ある任意の時刻における各組番の差分支持率ΔS(tk-t0)を比較し、差分支持率ΔS(tk-t0)の値に応じて、組番を1位から最下位までの順に並べ変えることができる。なお、クライアント端末50の表示部52に表示されるのは、組番の序列の少なくとも一部であっても良い。
【0055】
図6に示されているのは、投票締め切り時刻における各組番の差分支持率ΔS(tk-t0)を基にした組番の序列に沿って情報を並べた表の一例である。図6に示す表においては、左側に投票締め切り60分前を基準とした締め切り時刻におけるオッズの推移を示しており、右側には支持率の推移を示している。この表においては、あるレースにおける支持率の増減、すなわち差分支持率ΔS(tk-t0)の大きい順に組番を上から並べている。併せて、各組番のオッズ情報Ktk、支持率Stkの変化も表示している。
【0056】
なお、図6の表においては、基準となる時刻t0を投票締め切り60分前とし、比較対象となる時刻tkを投票締め切り時刻tfとして表示しており、投票締め切り直後の差分支持率ΔS(tk-t0)に基づき各組番の序列及びオッズ情報Ktk、支持率Stkを表示しているが、基準となる時刻t0及び比較対象となる時刻tkは、自由に設定できる。例えば、ユーザーがクライアント端末50の操作部51で操作し時刻t0及び時刻tkを設定し、情報Pとして情報提供装置100が受け取り、その情報Pに基づいて表示処理部18は、適宜記憶部12から情報を呼び出し、必要に応じて情報を処理し、出力部14に送る。出力部14は、処理された情報を出力Qとしてクライアント端末50に送信する。
【0057】
クライアント端末50の表示部52に表示させる情報は、適宜変更できる。例えば、オッズ情報Ktk、支持率Stk、及び差分支持率ΔS(tk-t0)のうち一部の数値については表示しなくとも良い。また、組番の序列は、並べ替えて表示するものによらずとも、序列を数字で表しても良いし、欄を色分けするなどにより表現しても良い。例えば、表示部52に表示された表の各欄は、差分支持率ΔS(tk-t0)が正の値である場合(支持率が増加の場合)を青色、0の場合(又は0に近い場合)を緑色、負の値である場合(支持率が減少の場合)を赤色で示すなど、視覚的に分類しやすく表示されていても良い。
【0058】
図7は、実施の形態1に係る情報提供システム1000において、クライアント端末50に表示される情報の一例である。図7は、図4(c)に示された、差分支持率ΔS(tk-t0)の推移をグラフ化して表現したものである。クライアント端末50の表示部52に表示させる内容は、図6に示すような数値の情報に限定されず、グラフ化して表示しても良い。情報提供装置100の時間推移表示処理部20は、図4に示す時刻と各指標値との関係を表すデータベース21を基に、時刻による各指標値の推移をグラフ化する処理を行う。図7は、差分支持率ΔS(tk-t0)の推移を表しているが、オッズ情報Ktkまたは支持率Stkの推移をグラフ化して表示することもできる。また、グラフの形態も、折れ線グラフに限定されず、その他の形態で表現しても良い。
【0059】
(実施の形態1の作用)
通常、公営競技においては、主催者側からユーザーが入手できるのは、払戻の倍率として表現されたオッズ情報Ktkのみである。ユーザーは、投票券を購入しようとした場合、その時刻tkにおいて入手できる最新のオッズ情報Ktkを参照し、買い目を決定することになる。しかし、オッズ情報Ktkは、投票券の購入額に対する払戻の倍率を表示するだけにとどまり、複数の組番ついて比較するときに、その組番がどの程度人気があって、その人気の差がどの程度なのかは、オッズの数値を見ただけだと瞬時に判断することは困難である。
【0060】
また、ある組番が人気が高い場合、その組番が多く買われていても、オッズの変動は小さい。よって、実際にはある組番について人気が高く、ある時点において多量の投票券が購入されていたとしても、特に既に人気の高い組番についてはオッズを見ただけではその変動を把握しにくい。
【0061】
実施の形態1に係る情報提供システム1000においては、オッズ情報Ktkを支持率Stkの形にし、各組番同士を比較できるようにできる。これにより、ユーザーは、全体の投票状況をより詳細に把握でき、投票券購入の判断材料として活かすことが可能となる。
【0062】
また、実施の形態1に係る情報提供システム1000においては、ある第1の時刻と第2の時刻とを選択し、第1の時刻から第2の時刻までの間の支持率の変化(差分支持率ΔS(tk-t0))をクライアント端末50の表示部52に表示でき、複数の組番の差分支持率ΔS(tk-t0)同士を比較できる。これにより、ユーザーは、ある所定期間における投票状況をより詳細に把握できる。なお、公営競技においては、オッズ情報Ktkは、小数点以下1桁までの限定された情報であるため、求められる支持率Stkの精度が限定され、計算結果も誤差が生じるが、ユーザーが投票券購入の判断材料とするには、オッズ情報Ktkのみの場合と比較して十分利用可能なものである。
【0063】
一般に、公営競技の投票券の購入においては、出走する馬や人などの競争成績などを基準に投票券購入の判断材料とする。出走する馬や人についての情報は、新聞、テレビまたはインターネット上の情報など多岐にわたる。投票券を購入する人は、その情報を見ながら購入する買い目を決定するが、例えば、競馬においてはパドックで馬が巡回したり、馬が本馬場入場したりするなど、レースの投票締め切り時刻に近づくにつれて、出走馬のその日の調子がわかるような情報が提供されるため、その情報を確認してから投票券購入を行う場合もある。よって、例えば、競馬においてはパドック、本馬場入場終了などのイベント後の支持率Stkの変化は、そのイベントにおける出走馬の評価を表しているとも言える。実施の形態1に係る情報提供システム1000によれば、ユーザーが第1の時刻及び第2の時刻を指定して、その期間の差分支持率ΔS(tk-t0)をクライアント端末50に表示できるため、例えば、パドック巡回が行われている時間を含んだ時刻を指定して差分支持率ΔS(tk-t0)を表示することにより、その時間での全体の投票券の購入状況を把握できる。
【0064】
以上のように、実施の形態1に係る情報提供システム1000によれば、ユーザーが任意の時間を指定して、投票券の買い目となる各組番の支持率及び支持率の変化をより詳細に把握でき、投票券購入の材料とすることが可能となる。
【0065】
実施の形態2.
実施の形態2に係る情報提供システム1000は、オッズ情報Ktkに加えて投票数情報Vtkを用いてデータを処理してユーザーに情報提供を行うものである。実施の形態2においては、実施の形態1に対する変更部を中心に説明する。
【0066】
図8は、実施の形態2に係る情報提供装置100における、クライアント端末50に情報を表示させるためのオッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkの処理手順を示すフローチャートである。実施の形態2に係る情報提供装置100は、オッズ情報Ktkだけでなく投票数情報Vtkを取得し(ステップS1)、これらに時刻情報tkを関連付ける(ステップS2)。時刻情報tk、オッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkは、記憶部12に保存されデータベース化される。
【0067】
情報提供装置100は、オッズ情報Ktkを基に各組番の指標値を算出する(ステップS3)。指標値は、例えば支持率Stk、差分支持率ΔS(tk-t0)などであり、オッズ情報Ktkに加えて投票数情報Vtkを用いて所定の方法で処理したものである。また、実施の形態2においては、指標値には、オッズ情報Ktk及び支持率Stkから算出した各組番の個別投票数vtk、オッズ情報Ktk、支持率Stk及び個別投票数vtkから算出した差分支持率ΔS(tk-t0)なども含んでも良い。
【0068】
情報提供装置100は、データ処理部10で処理した指標値をクライアント端末50に表示させる(ステップS4)。表示処理部18は、入力部13で受け付けたユーザーの要求に応じた形でデータを表示するように指標値を処理する。
【0069】
図9は、実施の形態2に係る情報提供装置100がオッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkを処理するデータの流れを説明する図である。図10は、実施の形態2に係る情報提供装置100が処理した指標値の一例である。図9に示すように、情報提供装置100は、上位システム1からオッズ情報Ktk及び投票数情報Vtkを受信する。データ処理部10は、オッズ情報Ktkから支持率Stkを求める。この支持率Stk図10(a)に示されている。
【0070】
情報提供装置100は、図10(b)に示すような投票数情報Vtkも取得している。投票数情報Vtkは、投票券として購入可能なある券種の合計投票数である。例えば、図3に例示するようなレースの場合において、単勝式の投票券のある時刻tkにおける全投票数を表しており、組番「1」~「8」のそれぞれの投票券の総数を合わせたものが図10(b)の各欄に表示されている。
【0071】
データ処理部10は、対応する図10(a)に示す支持率Stk図10(b)に示す投票数情報Vtkとを乗じて、それぞれの組番の時刻tkにおける個別投票数vtkを求める個別投票数算出部24を備える。個別投票数vtkは、図10(c)の各欄に示されている。例えば、図10(a)に示す組番「1」の10:15の欄の「20.5%」と図10(b)に示す投票数の10:15の欄の「122563」とを乗じて、図10(c)の組番「1」の10:15の欄の「25141」という個別投票数が得られる。その他の組番の各時刻での個別投票数も同様に求められる。各組番の個別投票数vtkは、記憶部12に保存される。このとき個別投票数vtkは、時刻情報tkと関連付けられる。
【0072】
データ処理部10は、個別投票数vtkを基に差分投票数Δv(tk2-tk1)を算出する差分投票数算出部25を備える。差分投票数Δv(tk2-tk1)は、ある組番の第2の時刻tk2の投票数vtk2と第1の時刻tk1の投票数vtk1との差分から求められる。これにより、指定の第1の時刻tk1から第2の時刻tk2までにある組番に投票された数量が分かる。第1の時刻tk1は第2の時刻tk2より前の時刻であって、第1の時刻tk1及び第2の時刻tk2は自由に選択できる。具体的には、図10(c)に示す組番「1」の10:21の投票数「29886」から10:15の投票数「25141」を引くことにより、10:15~10:21までの差分投票数が求められる。
【0073】
また、データ処理部10は、投票数情報Vtkを基に差分合計投票数ΔV(tk2-tk1)を算出する差分合計投票数26を備える。これは、図10(b)に示されている、第2の時刻tk2の投票数情報Vtk2と第1の時刻tk1の投票数情報Vtk1との差分から求められる。具体的には、図10(b)の10:21の投票数「145698」から10:15の投票数「122563」を引くことにより、10:15~10:21までの差分合計投票数が求められる。これにより、指定の第1の時刻から第2の時刻までにある券種に対し投票された合計数量が分かる。
【0074】
データ処理部10は、差分投票数Δv(tk2-tk1)及び差分合計投票数ΔV(tk2-tk1)を基に期間支持率δS(tk2-tk1)を算出する期間支持率算出部27を備える。図10(d)には、時刻t0~t1、t1~t2、t2~t3、・・・、t9~t10のそれぞれの期間における、各組番の期間支持率δS(t1-t0)、δS(t2-t1)、・・・、δS(t10-t9)が示されている。ここで示されている期間支持率δS(tk2-tk1)は、以下の式で求められる。
δS(tk2-tk1)=(vtk2-vtk1)/(Vtk2-Vtk1) ・・・(式5)
ここで、第1の時刻tk1及び第2の時刻tk2は自由に選択できる。上記(式5)のうち、(vtk2-vtk1)の部分は、差分投票数Δv(tk2-tk1)であり、(Vtk2-Vtk1)の部分は差分合計投票数ΔV(tk2-tk1)である。
【0075】
図10(d)は、上記(式5)を用いて、時刻t0~t1、t1~t2、t2~t3、・・・、t9~t10のそれぞれの期間支持率δS(tk2-tk1)を求めたものであり、具体的には6分刻みでそれぞれの期間における各組番の支持率を求めたものである。情報提供システム1000においては、情報提供装置100が上位システム1からデータを取得する頻度に応じて、時刻の刻み幅を適宜変更できる。
【0076】
図11は、図10(d)の各組番の期間支持率δS(tk2-tk1)の推移をグラフ化したものである。期間支持率δS(tk2-tk1)は、ある指定の期間限定の支持率であるため、ある指定の期間にある組番にまとまった投票があれば、数値が大きくなる場合がある。図10及び図11においては、6分刻みでそれぞれの期間の支持率を計算したものを例示したが、実際には、情報提供システム1000は、ユーザーが指定した任意の第1の時刻から任意の第2の時刻までの期間支持率δS(tk2-tk1)を自由にクライアント端末50の表示部52に表示させることができる。
【0077】
また、情報提供システム1000は、期間支持率δS(tk2-tk1)に基づく各組番の序列をクライアント端末50の表示部52に表示させることができる。
【0078】
(実施の形態2の作用)
実施の形態2に係る情報提供システム1000によれば、任意の第1の時刻から任意の第2の時刻までの期間支持率δS(tk2-tk1)を自由に表示できるため、例えば本馬場入場などのイベントを含む期間をユーザーが指定することにより、その期間における支持率をユーザーが把握できる。これにより、ユーザーは、例えば本馬場入場などのイベントを見た人々がどのような投票行動をしているかの傾向を把握するなどの、様々な分析が可能となる。
【0079】
(変形例)
図12は、実施の形態1及び2に係る情報提供システム1000の変形例である。情報提供システム1000は、差分支持率ΔS(tk-t0)及び期間支持率δS(tk2-tk1)を情報として提供するだけでなく、それらの数値によって各組番の序列を求め、ユーザーが投票券を購入する場合の買い目を提示する買い目決定部30を備えていても良い。買い目決定部30は、入力部13に入力されたユーザーからの指示に基づき、各組番の序列に基づいて上位の1点以上の買い目をクライアント端末50に表示する。または、クライアント端末50に投票券購入機能が備わっていれば、買い目決定部30が出力した買い目をそのまま投票券購入機能に送信し、自動又は半自動で投票券購入を行えるように構成されていても良い。買い目決定部30が買い目を決定するに当たっては、予めユーザーが、投票券の券種、購入額、どの指標値の序列に従って何点の投票券を購入するかなどを設定する。また、ユーザーは、情報提供装置100に期間支持率δS(tk2-tk1)の閾値を設定し、この閾値を超えた組番をピックアップするように設定し、それを提示するように設定することも可能である。このような買い目決定部30を備えることにより、情報提供システム1000は、投票締め切りの間際においても、時間を掛けることなく差分支持率ΔS(tk-t0)及び期間支持率δS(tk2-tk1)などの払戻倍率以外の指標値を用いて買い目を決定できるため、投票券の購入機会を逸することを抑制できる。
【0080】
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。上記各実施の形態においては、情報提供システム1000をネットワークコンピュータシステムのクライアント・サーバシステムにおいて実現したが、クライアント・サーバシステムを構成しないパーソナルコンピュータ等の各種コンピュータや、携帯端末やタブレット等の各種通信端末・携帯情報端末において情報提供システム1000と同じ機能を実現させることもできる。この際、情報提供装置100や情報提供システム1000のシステム構成の少なくとも一部をコンピュータプログラムとして構成し、当該プログラムを各種コンピュータや各種通信端末・携帯情報端末に実装することで実現させることも可能である。また、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
【0081】
また、上記に説明した情報提供システム、情報提供方法及びプログラムは、以下の付記1~19に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
[付記1]
通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる公営競技のレースに関する情報提供システムであって、
上位システムから、公営競技の投票券として購入できる少なくとも1つの券種の組番のオッズ情報を受信する受信部と、
前記受信部が取得した前記オッズ情報に、前記オッズ情報を取得した時刻情報を関連付ける計時部と、
前記オッズ情報から、前記オッズ情報を取得した時刻における、前記組番についての支持率を算出するデータ処理部と、
前記データ処理部が算出した前記支持率を前記表示部に表示させる表示処理部と、を備える、情報提供システム。
[付記2]
前記時刻情報は、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報を含み、
前記支持率は、
前記第1の時刻情報及び前記第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における支持率と前記第1の時刻情報における支持率との差分である差分支持率であり、
前記データ処理部は、
前記差分支持率を算出し、
前記表示部は、
前記差分支持率を前記表示部に表示する、付記1に記載の情報提供システム。
[付記3]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記表示処理部は、
前記複数の組番のそれぞれの前記支持率に基づいて、前記複数の組番の序列を前記表示部に表示する、付記1又は2に記載の情報提供システム。
[付記4]
前記支持率は、
1つの組番について前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であり、
前記表示処理部は
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示する、付記1に記載の情報提供システム。
[付記5]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記オッズ情報から算出された、前記複数の組番のそれぞれについて算出された複数の支持率であり、
前記表示処理部は、
前記複数の支持率を前記表示部に表示させる、付記1に記載の情報提供システム。
[付記6]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記複数の組番のそれぞれについて前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であって、
前記表示処理部は、
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示させる、付記1に記載の情報提供システム。
[付記7]
前記受信部は、
所定の券種の前記組番の全ての合計投票数である投票数情報を取得し、
前記計時部は、
取得した前記投票数情報に、前記投票数情報を取得した時刻情報を関連付け、
前記データ処理部は、
実質的に同一の時刻情報に関連付けられた前記支持率と前記投票数情報とを互いに乗じることにより前記組番の個別投票数を算出し、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における前記個別投票数と前記第1の時刻情報における前記個別投票数との差分である差分投票数を算出する、付記1~6の何れか1項に記載の情報提供システム。
[付記8]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であって、
前記データ処理部は、
前記複数の組番のそれぞれの前記差分投票数を、前記第2の時刻情報の合計投票数から前記第1の時刻情報の合計投票数を引いた差分合計投票数で除して、前記複数の組番のそれぞれの前記第1の時刻情報から第2の時刻情報までの間の期間支持率を算出する、付記7に記載の情報提供システム。
[付記9]
前記支持率は、
前記支持率をA、前記1つの券種の全投票に対する払戻率をR、前記オッズ情報をKとしたときに、A=R/Kで求められる、付記1~6の何れか1項に記載の情報提供システム。
[付記10]
コンピュータにより実行され、通信回線を介して接続される端末の表示部に情報を表示させる、公営競技に関する情報提供方法であって、
公営競技の投票券として購入できる少なくとも1つの券種の組番のオッズ情報を取得し、
取得した前記オッズ情報に、前記オッズ情報を取得した時刻情報を関連付け、
前記オッズ情報から、前記オッズ情報を取得した時刻における、前記組番についての支持率を算出し、
算出した前記支持率を、前記表示部に表示する、情報提供方法。
[付記11]
前記支持率は、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における前記支持率と前記第1の時刻情報における前記支持率との差分として算出された差分支持率を含む、付記10に記載の情報提供方法。
[付記12]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記複数の組番のそれぞれの前記差分支持率に基づいて、前記複数の組番の序列を前記表示部に表示する、付記11に記載の情報提供方法。
[付記13]
前記支持率は、
1つの組番について前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であり、
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示する、付記10に記載の情報提供方法。
[付記14]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記オッズ情報から算出された、前記複数の組番のそれぞれについて算出された複数の支持率であり、
前記複数の支持率を前記表示部に表示させる、付記10に記載の情報提供方法。
[付記15]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記支持率は、
前記複数の組番のそれぞれについて前記オッズ情報を取得した複数の時刻情報ごとに算出された複数の支持率であり、
算出された前記複数の支持率の前記複数の時刻情報による推移を前記表示部に表示させる、付記10に記載の情報提供方法。
[付記16]
前記投票数情報を取得した時刻までの、所定の券種の前記組番の全ての合計投票数である投票数情報を取得し、
取得した前記投票数情報に、前記投票数情報を取得した時刻情報を関連付けて記憶し、
実質的に同一の時刻情報に関連付けられた前記支持率と前記投票数情報とを互いに乗じることにより前記組番の個別投票数を算出し、
指定された第1の時刻情報及び前記第1の時刻情報から時間が経過した第2の時刻情報に基づき、前記組番の前記第2の時刻情報における前記個別投票数と前記第1の時刻情報における前記個別投票数との差分である差分投票数を算出する、付記10~15の何れか1項に記載の情報提供方法。
[付記17]
前記組番は、前記1つの券種の複数の組番であり、
前記複数の組番のそれぞれの前記差分投票数を、前記第2の時刻情報の合計投票数から前記第1の時刻情報の合計投票数を引いた差分合計投票数で除して、前記複数の組番のそれぞれの前記支持率を算出する、付記16に記載の情報提供方法。
[付記18]
前記支持率は、
前記支持率をA、前記1つの券種の全投票に対する払戻率をR、前記オッズ情報をKとしたときに、A=R/Kで求められる、付記10~15の何れか1項に記載の情報提供方法。
[付記19]
付記10~18の何れか1項に記載の情報提供方法を、コンピューターに実行させるための情報提供プログラム。
[付記20]
付記16に記載の情報提供方法を、コンピューターに実行させるための情報提供プログラム。
[付記21]
付記17に記載の情報提供方法を、コンピューターに実行させるための情報提供プログラム。
【符号の説明】
【0082】
1 上位システム、10 データ処理部、11 受信部、12 記憶部、13 入力部、14 出力部、15 計時部、16 支持率算出部、17 差分支持率算出部、18 表示処理部、19 序列表示処理部、20 時間推移表示処理部、21 データベース、50 クライアント端末、50 クライアント端末、51 操作部、51 操作部、52 表示部、52 表示部、90 インターネット、100 情報提供装置、1000 情報提供システム、A 加算額、K オッズ、K1 単勝オッズ、Kt0 オッズ情報、Kt0 オッズ情報、Ktk オッズ情報、Ktk オッズ情報、P 情報、Q 出力、R 払戻率、S 支持率、S 支持率、St0 支持率、St0 支持率、Stk 支持率、Vtk1 投票数情報、Vtk2 投票数情報、Vtk 投票数情報、tk 時刻情報、tk1 第1の時刻、tk2 第2の時刻、vtk1 個別投票数、vtk2 個別投票数、vtk 個別投票数、ΔS 差分支持率、ΔV 差分合計投票数、Δv 差分投票数、δS 期間支持率。

図1
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図12