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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172780
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20241205BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241205BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335
G02F1/13357
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090744
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100183955
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 悟郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100177149
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 浩義
(74)【代理人】
【識別番号】100174067
【弁理士】
【氏名又は名称】湯浅 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 成美
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 哲朗
【テーマコード(参考)】
2H189
2H291
2H391
【Fターム(参考)】
2H189AA37
2H189AA53
2H189AA55
2H189AA59
2H189AA60
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA72
2H189CA32
2H189HA05
2H189LA02
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA15
2H189LA17
2H189LA20
2H189MA08
2H291FA02Y
2H291FA13X
2H291FA13Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA37Z
2H291FA42Z
2H291FA85Z
2H291FA95X
2H291FD22
2H291FD26
2H291GA02
2H291GA19
2H291GA23
2H291LA03
2H291MA03
2H391AA01
2H391AB04
2H391AC10
2H391AC13
2H391CA02
2H391EA02
2H391EA11
2H391EA13
2H391EB03
(57)【要約】
【課題】液晶表示パネルの間隔が狭く、光漏れが抑制された液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、並置される複数の液晶表示パネル110A、110Bと、複数の液晶表示パネル110A、110Bに光を照射するバックライト200と、を備える。複数の液晶表示パネル110A、110Bのそれぞれは、隣接する液晶表示パネル110A、110Bの側面135に対向する側面135に、バックライト200からの光を遮る遮光膜150を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並置される、複数の液晶表示パネルと、
前記複数の液晶表示パネルに光を照射するバックライトと、を備え、
前記複数の液晶表示パネルのそれぞれは、隣接する前記液晶表示パネルの側面に対向する側面に、前記バックライトからの光を遮る遮光膜を有する、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記複数の液晶表示パネルの表示面側に配置される、保護部を備え、
前記保護部は、前記液晶表示パネルと、該液晶表示パネルと隣接する前記液晶表示パネルとの空隙を覆う遮光部を有する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶表示パネルと、該液晶表示パネルと隣接する前記液晶表示パネルとの空隙の一部を埋め、遮光性を有する目地部を備える、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
隣接する、少なくとも2つの前記液晶表示パネルが、1つの出射側偏光板を共有している、
請求項3に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の液晶表示パネルを配列して1つの画面を構成した、液晶表示装置が知られている。例えば、特許文献1は、隣接する液晶表示パネルの継ぎ目部分の表面側における額縁領域を覆う第1遮光体と、隣接する液晶表示パネルの間に形成される隙間に配置される遮光板とを備える、液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-9770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の液晶表示装置では、額縁領域を覆う第1遮光体と隙間に配置される遮光板とによって、光漏れを抑制している。特許文献1の液晶表示装置では、液晶表示パネルの間に遮光板を配置するため、液晶表示パネルの間隔を十分に狭くできない。また、液晶表示パネルと遮光板とを粘着剤で接着する必要もある。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、液晶表示パネルの間隔が狭く、光漏れが抑制された液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の液晶表示装置は、
並置される、複数の液晶表示パネルと、
前記複数の液晶表示パネルに光を照射するバックライトと、を備え、
前記複数の液晶表示パネルのそれぞれは、隣接する前記液晶表示パネルの側面に対向する側面に、前記バックライトからの光を遮る遮光膜を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、液晶表示パネルのそれぞれが隣接する液晶表示パネルの側面に対向する側面に遮光膜を有するので、液晶表示パネルの間隔を狭くでき、光漏れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る液晶表示装置を示す平面図である。
図2図1に示す液晶表示装置をA-A線で矢視した断面図である。
図3】実施形態1に係る液晶表示パネルの断面を示す模式図である。
図4】実施形態1に係る液晶表示パネルの側面を示す模式図である。
図5】実施形態1に係る、遮光膜により遮られる光を説明するための模式図である。
図6】実施形態1に係る遮光膜の形成方法を説明するための模式図である。
図7】実施形態2に係る液晶表示装置の断面を示す模式図である。
図8】実施形態2に係る液晶表示パネルと目地部の断面を示す模式図である。
図9】実施形態3に係る液晶表示パネルと目地部の断面を示す模式図である。
図10】変形例に係る液晶表示パネルを示す模式図である。
図11】変形例に係る液晶表示パネルと目地部の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0010】
<実施形態1>
図1図6を参照して、本実施形態に係る液晶表示装置10を説明する。液晶表示装置10は、例えば、車両に搭載される。本実施形態と以下の実施形態では、車両への搭載を例に液晶表示装置10を説明する。車両の搭乗者が使用者(観察者)に相当する。
【0011】
液晶表示装置10は、図1図2に示すように、車両のインストルメントパネル500の開口部510に配置される。インストルメントパネル500は、例えば、樹脂から形成されている。なお、理解を容易にするため、本明細書では、図1における液晶表示装置10の長手方向(紙面の右方向)を+X方向、短手方向(紙面の上方向)を+Y方向、+X方向と+Y方向に垂直な方向(紙面の手前方向、搭乗者側)を+Z方向として説明する。また、図2では、筐体230のハッチングを省略している。
【0012】
液晶表示装置10は、表示部100と保護部300とを備える。表示部100は、文字、画像等を表示する。保護部300は、後述する、表示部100の液晶表示パネル110A、110Bを保護する。
【0013】
液晶表示装置10の表示部100は、2つの液晶表示パネル110A、110Bと、バックライト200と、筐体230とを備える。液晶表示パネル110A、110Bは、文字、画像等を表示する。バックライト200は、液晶表示パネル110A、110Bの光源である。筐体230は、液晶表示パネル110A、110Bとバックライト200とを収容する。
【0014】
表示部100の液晶表示パネル110A、110Bは、XY平面内で並置されている。液晶表示パネル110A、110Bは、例えば、公知の透過型横電界方式の液晶表示パネルである。液晶表示パネル110A、110Bは、TFT(Thin Film Transistor)によりアクティブマトリクス駆動される。液晶表示パネル110A、110Bは、バックライト200からの光を変調して、文字、画像等を表示する。液晶表示パネル110Aは、例えば、CID(Center Information Display)として用いられる。液晶表示パネル110Bは、例えば、インストルメントクラスター用ディスプレイとして用いられる。また、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bは、1つのCID又は1つのインストルメントクラスター用ディスプレイとして用いられてもよい。
【0015】
液晶表示パネル110A、110Bは、表示領域111と周縁部112とを有する。表示領域111は、画素がマトリクス状に配置され、文字、画像等を表示可能な領域である。周縁部112は、配線、駆動回路等が配置された領域である。
【0016】
液晶表示パネル110A、110Bのそれぞれは、図3に示すように、TFT基板122と、対向基板124と、液晶LCと、入射側偏光板126と、出射側偏光板128とを備える。さらに、液晶表示パネル110A、110Bのそれぞれは、図2図3に示すように、遮光膜150を備える。
【0017】
TFT基板122は、例えば、ガラス基板である。TFT基板122は、-Z側に位置している。TFT基板122の液晶LC側の主面122aには、画素を選択するためのTFT、共通電極、画素電極、駆動回路、液晶LCを配向する配向膜等が設けられている(いずれも図示せず)。TFT基板122の主面122aと反対側の主面122bには、入射側偏光板126が設けられている。
【0018】
対向基板124は、+Z側に位置し、TFT基板122に対向している。対向基板124は、シール材132によりTFT基板122に貼り合わされている。対向基板124は、例えば、ガラス基板である。対向基板124の液晶LC側の主面124aには、カラーフィルタ(図示せず)、ブラックマトリクスBM、液晶LCを配向する配向膜等が設けられている。対向基板124の主面124aと反対側の主面124bには、出射側偏光板128が設けられている。
【0019】
液晶LCは、TFT基板122と対向基板124とに挟持される。液晶LCは、例えば、ポジ型のネマチック液晶である。液晶LCは、配向膜により、TFT基板122の主面122aに平行な方向に初期配向している。また、液晶LCは、電圧を印加されることにより、TFT基板122の主面122aに平行な面内で回転する。
【0020】
入射側偏光板126は、TFT基板122の主面122bに設けられる。出射側偏光板128は、対向基板124の主面124bに設けられる。入射側偏光板126の透過軸と出射側偏光板128の透過軸のうちの、一方の透過軸が液晶LCの初期配向方向に平行に配置される。入射側偏光板126の透過軸と出射側偏光板128の透過軸は、直交している。本実施形態では、出射側偏光板128の+Z側の主面128aが、液晶表示パネル110A、110Bの表示面113に相当する。
【0021】
遮光膜150は、図2図3に示すように、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bの互いに対向する側面135のそれぞれに設けられる。本実施形態では、液晶表示パネル110Aの側面135は、液晶表示パネル110A全体としての側面であり、図4に示すように、TFT基板122の側面122c、対向基板124の側面124c、入射側偏光板126の側面126c、出射側偏光板128の側面128c、シール材132の側面132c、ブラックマトリクスBMの側面BMcだけでなく、液晶表示パネル110Aの側部において露出している、TFT基板122の主面122a、122bと対向基板124の主面124a、124bとを含む。液晶表示パネル110Bの側面135も、液晶表示パネル110Aの側面135と同様である。本実施形態では、遮光膜150は、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bの側面135全体を覆っている。
【0022】
なお、図4では、理解を容易にするために、遮光膜150を省略している。また、液晶表示パネル110Aの遮光膜150と液晶表示パネル110Bの遮光膜150との間には、部材は配置されていない。液晶表示パネル110Aの遮光膜150と液晶表示パネル110Bの遮光膜150との間は、空隙152となっている。
【0023】
遮光膜150は、バックライト200からの光を遮る。例えば、遮光膜150はバックライト200からの光を吸収する。具体的には、図5に示すように、遮光膜150は、バックライト200からの光のうち、液晶表示パネル110A(液晶表示パネル110B)に入射し、対向基板124(TFT基板122)の側面と空隙152(空気層)との界面で反射され、観察者側に出射される光L1を遮る。また、遮光膜150は、バックライト200からの光のうち、液晶表示パネル110B(液晶表示パネル110A)のTFT基板122から出射し、液晶表示パネル110A(液晶表示パネル110B)のTFT基板122の側面に反射されて、液晶表示パネル110B(液晶表示パネル110A)に再び入射し、液晶表示パネル110B(液晶表示パネル110A)から観察者側に出射される光L2を遮る。さらに、遮光膜150は、バックライト200からの光のうち、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bに入射せず、空隙152において対向基板124(TFT基板122)の側面に反射されて、観察者側に出射される光L3を遮る。これらにより、遮光膜150は光漏れを抑制できる。また、遮光膜150が液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bの互いに対向する側面135のそれぞれに設けられているので、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間隔S1(図3)を極めて狭くできる。
【0024】
遮光膜150は、金属酸化物から形成される黒化膜、黒色塗料から形成される黒色塗布膜等である。遮光膜150は、例えば、スパッタリング法により金属酸化物から形成される。図6に示すように、保護フィルム129が入射側偏光板126と出射側偏光板128に添付された状態の、複数の液晶表示パネル610を治具620に挟み込んで、側面135に黒化膜を形成することにより、遮光膜150を形成できる。遮光膜150の厚さは、例えば、35nm~50nmである。なお、図6では、シール材132等を省略している。また、保護フィルム129は、遮光膜150が形成された後に、剥離される。
【0025】
表示部100のバックライト200は、図2に示すように、液晶表示パネル110A、110Bの背面側(-Z側)に配置される。バックライト200は、液晶表示パネル110A、110Bの光源であり、液晶表示パネル110A、110Bに向けて白色光を照射する。バックライト200は、白色LED(Light Emitting Diode)素子、反射シート、拡散シート、点灯回路等を備えている(いずれも図示せず)。
【0026】
表示部100の筐体230は、液晶表示パネル110A、110Bとバックライト200とを収容する。筐体230は、シャーシ232とベゼル236とを有する。
【0027】
シャーシ232は、箱形形状を有し、樹脂又は金属から形成される。シャーシ232は、内側に、液晶表示パネル110A、110Bとバックライト200とを収容する。
【0028】
ベゼル236は、箱形形状で、底部237に開口部を有する。ベゼル236は、例えば、金属から形成される。ベゼル236は、底部237を+Z側に向けて、シャーシ232を覆う。開口部からは、液晶表示パネル110A、110Bが露出している。本実施形態では、ベゼル236の側板239が、図示しない接着剤により、インストルメントパネル500の開口部510の内壁510aに接着される。これにより、液晶表示装置10はインストルメントパネル500の開口部510に固定されている。
【0029】
液晶表示装置10の保護部300は、図2に示すように、液晶表示パネル110A、110Bの表示面(+Z側の面)113に設けられて、液晶表示パネル110A、110Bを保護する。保護部300は、例えば、透光性の樹脂から矩形状に形成される。保護部300は、接着材320により、液晶表示パネル110A、110Bの表示面113に貼り付けられている。接着材320は、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)である。
【0030】
保護部300は、平面視した場合に、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの空隙152を覆う遮光部302を有する。遮光部302は、例えば、黒色インクから形成される。遮光部302は、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの空隙152から観察者側に出射される光を遮る。したがって、液晶表示装置10は、光漏れを更に抑制できる。
【0031】
以上のように、バックライト200からの光を遮る遮光膜150が、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bの互いに対向する側面135のそれぞれに設けられているので、液晶表示装置10は光漏れを抑制できる。また、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間隔を極めて狭くでき、液晶表示パネル110Aの表示と液晶表示パネル110Bの表示に一体感を持たせることができる。さらに、保護部300の遮光部302が液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの空隙152を覆うので、液晶表示装置10は光漏れを更に抑制できる。
【0032】
<実施形態2>
実施形態1では、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間に、空隙152が形成されている。また、保護部300が、空隙152を覆う遮光部302を有してもいる。空隙152の一部は目地部材によって埋められてもよい。保護部300は遮光部302を有さなくともよい。
【0033】
本実施形態の液晶表示装置10は、実施形態1の液晶表示装置10と同様に、表示部100と保護部300とを備える。また、表示部100は、2つの液晶表示パネル110A、110Bと、バックライト200と、筐体230とを備える。本実施形態では、表示部100は、図7図8に示すように、目地部350を更に備える。
【0034】
本実施形態では、保護部300が遮光部302を有さないことと、表示部100が目地部350を備えることとを除き、液晶表示装置10の構成(液晶表示パネル110A、110B、バックライト200等の構成)は、実施形態1と同様である。ここでは、表示部100の目地部350を説明する。
【0035】
目地部350は、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間の空隙152の一部を埋める。本実施形態では、目地部350は空隙152の観察者側の一部を埋めている。
【0036】
また、目地部350は遮光性を有する。遮光性を有する目地部350が空隙152の一部を埋めるので、本実施形態の液晶表示装置10は、遮光部302が保護部300に設けられなくとも、空隙152から観察者側に出射される光を遮ることができる。また、保護部300が遮光部302を有していないので、液晶表示パネル110Aの表示と液晶表示パネル110Bの表示に一体感を持たせることができる。
【0037】
目地部350は、例えば、カーボンブラックを含むアクリル接着剤から形成される。目地部350は、例えば、カーボンブラックを含むアクリル接着剤を空隙152に流し込んだ後、カーボンブラックを含むアクリル接着剤を硬化させることにより、形成される。
【0038】
本実施形態では、遮光性を有する目地部350が液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間の空隙152の一部を埋めるので、空隙152から観察者側に出射される光を遮ることができる。また、保護部300に遮光部302を設けなくとも、空隙152から観察者側に出射される光を遮ることができるので、液晶表示パネル110Aの表示と液晶表示パネル110Bの表示に一体感を持たせることができる。さらに、実施形態1と同様に、バックライト200からの光を遮る遮光膜150が、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bの互いに対向する側面135のそれぞれに設けられているので、液晶表示装置10は光漏れを抑制でき、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間隔を極めて狭くできる。
【0039】
<実施形態3>
実施形態2では、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bは、それぞれ、出射側偏光板128を備えている。液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bは、出射側偏光板128を共有してもよい。
【0040】
本実施形態では、図9に示すように、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bが、1つの出射側偏光板128を共有している。また、目地部350は、出射側偏光板128の観察者と反対側(-Z側)の空隙152(例えば、液晶表示パネル110Aの対向基板124と液晶表示パネル110Bの対向基板124との間)に設けられる。本実施形態の液晶表示装置10のその他の構成は、実施形態2と同様である。
【0041】
本実施形態では、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bが、1つの出射側偏光板128を共有し、目地部350が出射側偏光板128の観察者と反対側(-Z側)に位置しているので、外光に対する液晶表示装置10の反射率が均一になる。これにより、本実施形態の液晶表示装置10は、目地部350(空隙152)を目立ちにくくできる。
【0042】
以上のように、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bが、1つの出射側偏光板128を共有し、目地部350が出射側偏光板128の観察者と反対側(-Z側)に位置しているので、目地部350を目立ちにくくできる。また、実施形態1と同様に、液晶表示装置10は光漏れを抑制でき、液晶表示パネル110Aと液晶表示パネル110Bとの間隔を極めて狭くできる。
【0043】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、本開示は、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、液晶表示装置10の表示部100は、複数のバックライト200を備えてもよい。
【0045】
遮光膜150は、液晶表示パネル110A、110Bの表示面113に延びてもよい。また、遮光膜150は、黒色塗料をスプレイ塗布することにより、形成されてもよい。遮光膜150を形成する場合、液晶表示パネル110A、110Bの露出している端子、配線等は、マスキングされていてもよい。
【0046】
実施形態1~実施形態3では、遮光膜150は、液晶表示パネル110A、110Bの側面135のすべてを覆っている。遮光膜150は、側面135の少なくとも一部を覆えばよい。例えば、遮光膜150は、液晶表示パネル110Aの側部において露出している、TFT基板122の主面122a、122bと対向基板124の主面124a、124bとシール材132の側面132cとブラックマトリクスBMの側面BMcの全部又は一部を覆わなくともよい。遮光膜150はTFT基板122の側面122cと対向基板124の側面124cを覆うことが、好ましい。
【0047】
実施形態1~実施形態3では、液晶表示装置10は、2つの液晶表示パネル110A、110Bを備える。液晶表示装置10は、複数の液晶表示パネルを備えればよい。例えば、液晶表示装置10は、4つの液晶表示パネル110A~110Dを備えてもよい。この場合、図10に示すように、液晶表示パネル110A~110Dのそれぞれは、隣接する液晶表示パネル110A~110Dの側面135に対向する、2つの側面135に遮光膜150を有してもよい。
【0048】
また、隣接する、少なくとも2つの液晶表示パネル110A~110Dが、1つの出射側偏光板128を共有してもよい。
【0049】
実施形態2と実施形態3では、目地部350は、空隙152の観察者側の一部を埋めている。目地部350は、図11に示すように、空隙152のバックライト200側の一部を埋めてもよい。
【0050】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 液晶表示装置、100 表示部、110A~110D 液晶表示パネル、111 表示領域、112 周縁部、113 表示面、122 TFT基板、122a,122b 主面、124 対向基板、124a,124b 主面、126 入射側偏光板、128 出射側偏光板、128a 主面、129 保護フィルム、132 シール材、122c,124c,126c,128c,132c,BMc,135 側面、150 遮光膜、152 空隙、200 バックライト、230 筐体、232 シャーシ、236 ベゼル、237 底部、239 側板、300 保護部、302 遮光部、320 接着材、350 目地部、500 インストルメントパネル、510 開口部、510a 内壁、610 液晶表示パネル、620 治具、BM ブラックマトリクス、LC 液晶、L1,L2,L3 光、S1 間隔
図1
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図11