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特開2024-172784作業記録システム、および、作業記録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172784
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】作業記録システム、および、作業記録方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20241205BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04N7/18 D
B66B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090748
(22)【出願日】2023-06-01
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 正智
(72)【発明者】
【氏名】大西 友治
(72)【発明者】
【氏名】小平 法美
【テーマコード(参考)】
3F304
5C054
【Fターム(参考)】
3F304BA02
3F304BA26
5C054CA04
5C054CC02
5C054CH04
5C054GB02
5C054HA19
(57)【要約】
【課題】作業状態以外の情報の撮影を抑制することが可能な作業記録システムを提供する。
【解決手段】作業者が装着可能なウェラブル装置と、任意の場所に設置可能なビーコン送信装置とを備える昇降機の作業記録システムを構成する。ウェラブル装置は、映像の撮影が可能なカメラ部と、撮影した映像の録画記録が可能な記憶部と、ビーコン信号が受信可能なビーコン受信部と、昇降機からの制御信号を受信可能な第1の制御信号受信部とを有する。ビーコン送信装置は、ビーコン信号を発信する発信部と、昇降機からの制御信号を受信可能な第2の制御信号受信部とを有する。そして、ウェラブル装置は、第1の制御信号受信部で受信した制御信号のと、ビーコン受信部で受信したビーコン信号との組合せに応じて、カメラ部による撮影を開始、または、停止する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が装着可能なウェラブル装置と、任意の場所に設置可能なビーコン送信装置とを備える昇降機の作業記録システムであって、
前記ウェラブル装置は、
映像の撮影が可能なカメラ部と、
撮影した前記映像の録画記録が可能な記憶部と、
ビーコン信号が受信可能なビーコン受信部と、
前記昇降機からの制御信号を受信可能な第1の制御信号受信部と、
前記カメラ部、前記記憶部、前記ビーコン受信部、および、前記第1の制御信号受信部を制御する第1の制御部と、を有し、
前記ビーコン送信装置は、
前記ビーコン信号を発信する発信部と、
前記昇降機からの制御信号を受信可能な第2の制御信号受信部と、
前記発信部、および、前記第2の制御信号受信部を制御する第2の制御部と、を有し、
前記ウェラブル装置の前記第1の制御部は、
前記第1の制御信号受信部で受信した前記制御信号と、前記ビーコン受信部で受信した前記ビーコン信号との組合せに応じて、前記カメラ部による撮影を開始、または、停止する
作業記録システム。
【請求項2】
前記第1の制御部は、前記作業者の作業準備の完了を検出した後、前記制御信号、および、前記ビーコン信号の両方を受信した場合に、前記カメラ部による撮影を開始する
請求項1に記載の作業記録システム。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記制御信号、および、前記ビーコン信号のいずれかを受信できなかった場合に、前記カメラ部による撮影を停止する
請求項1に記載の作業記録システム。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記カメラ部による前記撮影を停止した後、前記制御信号、および、前記ビーコン信号の両方を受信した後、前記作業者の操作を受け付けた場合に、前記カメラ部に前記録画を再開させる
請求項2に記載の作業記録システム。
【請求項5】
前記ウェラブル装置は、前記作業者の動作を検知するモーション検知部を有し、
前記第1の制御部による前記作業者の作業準備の完了の検出は、前記モーション検知部で検知した前記作業者の動作の解析処理によって行う
請求項2に記載の作業記録システム。
【請求項6】
前記第1の制御部は、前記作業者の作業準備の完了の検出、および、前記制御信号の受信の後、前記作業者に前記昇降機上への前記ビーコン送信装置の設置を指示する
請求項2に記載の作業記録システム。
【請求項7】
前記ビーコン送信装置が可搬式である
請求項1に記載の作業記録システム。
【請求項8】
前記ウェラブル装置は、周辺の音響信号の取得するマイク部を有し、
前記第1の制御部による前記作業者の作業準備の完了の検出は、前記マイク部で取得した前記作業者の音声の解析処理によって行う
請求項2に記載の作業記録システム。
【請求項9】
前記第1の制御部は、前記マイク部で取得した前記作業者の音声から指差し呼称の音声を検出した場合に、前記作業者の作業準備の完了を検出する
請求項8に記載の作業記録システム。
【請求項10】
前記ウェラブル装置は、前記作業者への情報を伝達する伝達部を有し、
前記第1の制御部は、前記伝達部を制御し、前記伝達部によって前記カメラ部による前記撮影の開始および停止を前記作業者に伝達する
請求項1に記載の作業記録システム。
【請求項11】
前記伝達部は、画像表示、音、および、振動の少なくともいずれか1つ以上を用いて、前記カメラ部による前記撮影の開始、および、停止を前記作業者に伝達する
請求項10に記載の作業記録システム。
【請求項12】
前記ビーコン送信装置は、アラーム部を有し、
前記第2の制御部は、前記第2の制御信号受信部で前記制御信号を受信できなくなった場合に、前記アラーム部からアラームを音声出力する
請求項1に記載の作業記録システム。
【請求項13】
作業者が装着可能なウェラブル装置と、任意の場所に設置可能なビーコン送信装置とを用いた昇降機の作業記録方法であって、
前記ウェラブル装置の第1の制御信号受信部、および、前記ビーコン送信装置の第2の制御信号受信部が、前記昇降機からの制御信号を受信し、
前記第2の制御信号受信部が前記昇降機からの制御信号を受信後、前記ビーコン送信装置の発信部がビーコン信号を発信し、
前記ウェラブル装置のビーコン受信部が前記ビーコン信号を受信し、
前記第1の制御信号受信部で受信した前記制御信号と、前記ビーコン受信部で受信した前記ビーコン信号との組合せに応じて、前記ウェラブル装置のカメラ部による撮影およびを記憶部が録画記録を開始、または、停止する
作業記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降機での作業を記録する作業記録システム、および、作業記録方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
昇降機の保守作業において作業状況の映像的な記録は、作業員の安全性の検証や、安全対策の検討、さらに、作業基準の順守を確認するために必要な情報である。作業状況を記録する場合、昇降機は公共の場に設置されることもあり、作業者以外の利用客や利用客以外の第三者の肖像権やプライバシーに配慮しなければならない。よって、作業状況の映像を記録する場合、プライバシーに配慮するため、状況によっては映像の記録を停止する必要がある。第三者のプライバシー侵害に配慮して映像の記録を停止する方法としては、ビーコン信号の受信範囲でのみ記録システムが動作し、録画が可能となる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-37952号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の記録システムでは、ビーコン信号の受信の有無のみをもとに、撮影装置の映像の記録を停止する動作が制御される。しかし、作業者の意思でビーコン信号を操作することができないため、作業者の意図しないタイミングでの映像記録が行われ、作業状態以外の情報が記録されて、第三者のプライバシーが守れない可能性がある。
【0005】
上述した問題の解決のため、本発明においては、第三者のプライバシーを含む作業状態以外の情報の記録を抑制することが可能な作業記録システム、および、作業記録方法を提供するものである。
【0006】
また、本発明の上記の目的及びその他の目的と本発明の新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の作業記録システムは、作業者が装着可能なウェラブル装置と、任意の場所に設置可能なビーコン送信装置とを備える昇降機の作業記録システムである。ウェラブル装置は、映像の撮影が可能なカメラ部と、撮影した映像の録画記録が可能な記憶部と、ビーコン信号が受信可能なビーコン受信部と、昇降機からの制御信号を受信可能な第1の制御信号受信部とを有する。また、ウェラブル装置は、カメラ部、記憶部、ビーコン受信部、および、第1の制御信号受信部を制御する第1の制御部を有する。ビーコン送信装置は、ビーコン信号を発信する発信部と、昇降機からの制御信号を受信可能な第2の制御信号受信部と、発信部、および、第2の制御信号受信部を制御する第2の制御部とを有する。そして、ウェラブル装置の第1の制御部は、第1の制御信号受信部で受信した制御信号のと、ビーコン受信部で受信したビーコン信号との組合せに応じて、カメラ部による撮影を開始、または、停止する。
【0008】
また、本発明の作業記録方法は、作業者が装着可能なウェラブル装置と、任意の場所に設置可能なビーコン送信装置とを用いた昇降機の作業記録方法である。
ウェラブル装置の第1の制御信号受信部、および、ビーコン送信装置の第2の制御信号受信部が、昇降機からの制御信号を受信する。第2の制御信号受信部が昇降機からの制御信号を受信後、ビーコン送信装置の発信部がビーコン信号を発信し、ウェラブル装置のビーコン受信部がビーコン信号を受信する。第1の制御信号受信部で受信した制御信号と、ビーコン受信部で受信したビーコン信号との組合せに応じて、ウェラブル装置のカメラ部による撮影およびを記憶部が録画記録を開始、または、停止する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業状態以外の情報の記録を抑制することが可能な作業記録システム、および、作業記録方法を提供することができる。
【0010】
なお、上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】保守作業が行われる昇降機装置の全体構成と、作業記録システムの構成とを示す図である。
図2】ウェラブル装置のシステムブロック図である。
図3】ビーコン送信装置のシステムブロック図である。
図4】昇降機の保守作業、および、作業者による作業状態の記録のタイミングチャートである。
図5】ビーコン送信装置の置き忘れ防止処理のタイミングチャートである。
図6】作業者が保守作業の停止/再開における、作業記録システムの各処理のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。また、以下で説明する各図において、共通の部材には同一の符号を付している。また、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0013】
[作業記録システムの全体構成]
本形態の作業記録システムは、作業者が装着するウェラブル装置によって、昇降機上での作業を撮影、および、録画記録することで、保守作業の作業状態を記録する。また、この作業記録システムでは、作業者が昇降機上から移動した場合に、ウェラブル装置による撮影、および、録画記録が自動的に停止される。自動的に撮影、および、録画記録を停止することで作業者の作業の様子以外の録画、例えば、昇降機が設置されている施設内の様子や、オフィス内の様子の録画を
【0014】
本形態の作業記録システムの全体構成を図1に示す。図1は、保守作業が行われる昇降機装置の全体構成と、作業記録システムの構成とを示す。
図1は、昇降機の保守作業が行われる作業エリア5において、昇降機のかご8上に作業者6が乗った状態を示している。図1では、昇降機として、作業エリア5となる昇降路内、昇降機のかご8、および、ハッチドア9を示している。
作業エリア5において昇降機のかご8上に作業者6は、作業者用の端末装置として、ウェラブル装置1を装着している。また、昇降機のかご8上には、作業者6によって昇降機のかご8上に搬入されたビーコン送信装置2が設置されている。昇降機のかご8上には、昇降機を制御する昇降機制御装置3が備え付けられている。昇降機制御装置3には、ウェラブル装置1やビーコン送信装置2へ、昇降機制御装置3からの信号を発信すための発信装置4が接続されている。
【0015】
昇降機制御装置3は、昇降機のかご8の移動を停止するためのオンケージスイッチを有する。作業者6は、昇降機のかご8に搭乗する際に、昇降機制御装置3のオンケージスイッチをオンする。これにより、作業者6が昇降機のかご8に搭乗した状態での昇降機の移動を停止する。また、昇降機制御装置3は、オンケージスイッチがオンとなった際に、発信装置4からウェラブル装置1、および、ビーコン送信装置2に対して、オンケージスイッチのオン信号を送信する。このオンケージスイッチのオン信号は、オンケージスイッチがオンされている間は、信号の送信を継続する。
【0016】
[ウェラブル装置]
次に、作業者6が装着するウェラブル装置1の構成について説明する。ウェラブル装置1は、作業時に作業者6の身体に装着される。ウェラブル装置1は、周囲を撮影することにより、作業者6の作業状態を撮影する。
【0017】
図2に、ウェラブル装置1のシステムブロック図を示す。
ウェラブル装置1は、制御信号受信部1a(第1の制御信号受信部)、モーション検知部1b、マイク部1c、伝達部1d、カメラ部1e、記憶部1f、ビーコン受信部1g、および、制御部1h(第1の制御部)を備える。
【0018】
制御信号受信部1a(第1の制御信号受信部)は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信規格に従った無線通信を行うためのインタフェース回路を備える。制御信号受信部1aは、昇降機制御装置3に接続された発信装置4からの信号を受信する。
【0019】
モーション検知部1bは、作業者6の動作を検知する。モーション検知部1bは、作業者6の動作を検知するための各種センサーを備える。作業者の動作を検出するセンサーとしては、例えば、気圧センサー、加速度センサー、及び、角速度センサー等が挙げられる。気圧センサーは、大気の圧力を検知し、気圧の変化から高度を求める。また、加速度センサーは、装着位置(例えば腕)の動作速度を検出する。角速度センサーは、装着位置(例えば腕)の回転速度の検出が可能となる。
【0020】
マイク部1cは、ウェラブル装置1の周辺の音響信号の取得と、外部への音声出力とを行う。マイク部1cは、内蔵マイクや外付けマイク、スピーカー等であってよい。マイク部1cは、検出した音響信号を制御部1hへ出力する。
【0021】
伝達部1dは、作業者6に対するウェラブル装置1からの情報を伝達する。例えば、伝達部1dは、カメラ部1eによる撮影の開始、および、停止を作業者6へ伝達する。伝達部1dは、表示、音声、振動のいずれか、もしくは、それらの組み合わせで作業者6に情報を伝達する。伝達部1dは、例えば、作業者6への情報表示が可能な図示しない表示部、振動部、および、音声出力部等によって構成される。
例えば表示部は、ディスプレイ等により構成される。表示部は、制御部1hの制御によって各種の操作画面や、ウェラブル装置1の各種情報、作業者6への指示内容等を含む情報が表示される。また、表示部は、制御部1hの制御によって、カメラ部1eの撮影開始、停止等の操作画面や、撮影された画像等が表示される。
また、振動部は、ウェアラブル装置を振動させる振動モーター等によって構成される。 音声出力部は、音声出力可能な構成であり、伝達部1dとして上記マイク部1cを用いてもよい。
【0022】
カメラ部1eは、CCD(Charge Coupled Devices)素子またはC-MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子などの撮像素子、光学系部品、A/D変換器、エンコーダなどを含んで形成され、周囲の映像を撮影する。カメラ部1eとしては、公知の内蔵カメラ又は外部カメラを用いることができる。カメラ部1eは、撮影画像を制御部1hへ出力する。
【0023】
記憶部1fは、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置1fは、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。記憶部1fは、制御部1hが実行する各種プログラムや、ウェラブル装置1において記録した映像や音声が格納される。
また、記憶部1fは、カメラ部1eで撮影された映像を格納することで、撮影画像の録画記録を行う。
【0024】
ビーコン受信部1gは、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)などの近距離無線通信規格に従った無線通信を行うためのインタフェース回路を備える。近距離無線の通信範囲は数m~数十m程度であってよい。これにより、ビーコン受信部1gは、ビーコン送信装置2から送信されるビーコン信号を受信する。
【0025】
制御部1h(第1の制御部)は、ウェラブル装置1の動作を制御するためのCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサを備える。また、制御部1hは、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ等のプログラマブル・ロジック・デバイス等を有していてもよい。また、制御部1hは、ウェラブル装置1の各構成の制御や各種演算処理等を様々なプログラムに基づいて実行する。制御部1hが実行するプログラムは、上記記憶部1fに格納されており、CPUによって読み出されて実行される。
【0026】
制御部1hは、モーション検知部1b、マイク部1c、伝達部1d、カメラ部1e、記憶部1f、および、ビーコン受信部1gにおける各種処理を実行し、ウェラブル装置1を統括制御する。例えば、制御部1hは、モーション検知部1bで取得した作業者6の動作から、作業者6の動作モーションを解析し、作業者6の動作や作業内容を検出する。また、制御部1hは、マイク部1cで取得し音声の解析や、マイク部1cによる音声出力を制御する。
さらに、制御部1hは、ビーコン受信部1gが取得したビーコン送信装置2からのビーコン信号を基に、カメラ部1eによる撮影の開始処理および停止処理、並びに、記憶部1fによる録画記録の開始処理および停止処理を行う。また、制御部1hは、伝達部1dの駆動を制御し、撮影の開始処理および停止処理、並びに、記憶部1fによる録画記録の開始処理および停止処理の実行を、作業者6へ伝達する処理を行う。
【0027】
なお、ウェラブル装置1は、上記以外の構成として、例えば、操作部(入力部)等を備えていてもよい。これらの構成の制御も、上述の制御部1hによって行われる。操作部(入力部)は、入力ボタンや表示部の表示画面に設けられたタッチパネル等によって構成され、作業者6による情報入力を受け付ける。
【0028】
[ビーコン送信装置]
次に、ビーコン送信装置2の構成について説明する。本形態の作業者安全監視システムにおいて、ビーコン送信装置2は、任意の場所に設置可能なである。例えば、作業者6によって搬送可能な構成であり、作業者6によって昇降機のかご8上に搬入されて設置される。
図3に、ビーコン送信装置2のシステムブロック図を示す。図3に示す可搬式のビーコン送信装置2は、制御信号受信部2a(第2の制御信号受信部)、発信部2b、アラーム部2c、および、制御部2d(第2の制御部)を備える。
【0029】
制御信号受信部2a(第2の制御信号受信部)は、例えばBLEなどの近距離無線通信規格に従った無線通信を行うためのインタフェース回路を備える。制御信号受信部2aは、昇降機制御装置3に接続された発信装置4からの制御信号を受信する。
発信部2bは、BLEなどの近距離無線通信規格に従って、ビーコン信号を所定周期で周囲に送信する。発信部2bは、電源を有して定期的にビーコン信号を送信するアクティブ型のRFID(Radio Frequency IDentification)タグであってよい。このようなアクティブ型のRFIDタグには、BLEに準拠するiBeacon(登録商標)が含まれるが、これに限定されない。
アラーム部2cは、マイクやスピーカー等の音声出力部によって構成され、ビーコン送信装置2の置き忘れ防止を目的とするアラーム等の音声を出力する。
【0030】
制御部2d(第2の制御部)は、ビーコン送信装置2の動作を制御するためのCPUやMPU等のプロセッサを備える。また、制御部2dは、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ等のプログラマブル・ロジック・デバイス等を有していてもよい。また、制御部2dは、ビーコン送信装置2の各構成の制御や各種演算処理等を様々なプログラムに基づいて実行する。制御部2dが実行するプログラムは、図示しない憶部等に格納されており、CPUによって読み出されて実行される。
制御部2dは、制御信号受信部2a、発信部2b、および、アラーム部2cにおける各種処理を実行し、ビーコン送信装置2を統括制御する。例えば、制御部2dは、制御信号受信部2aが制御信号を受信した際に、発信部2bを起動してビーコン信号を発信させる。また、制御信号受信部2aが制御信号を受信できなくなった場合に、アラーム部2cを起動してアラームを出力させる。
【0031】
[タイミングチャート:作業状態の記録]
次に、上述の構成に作業記録システムを用いた、作業者6による昇降機の保全作業の記録方法について説明する。図4に、昇降機の保守作業、および、作業者による作業状態の記録のタイミングチャートを示す。図4は、作業者6による作業記録の開始から、昇降機の保守作業を行うまでの手順と、昇降機の保守作業が終了し、作業記録を停止するまでの手順を示している。また、図4は、発信装置4を介して制御信号を発信する昇降機制御装置3、ウェラブル装置1、および、ビーコン送信装置2の動作を示している。
なお、以下のタイミングチャートにおいて、ウェラブル装置1による処理は、特に明記しない限り、制御部1hの処理、及び、各構成の統括制御によって実現される。また、ビーコン送信装置2による処理は、特に明記しない限り、制御部2dの処理、及び、各構成の統括制御によって実現される。
【0032】
まず、作業者6はウェラブル装置1を装着(61)する。そして、作業者6は、作業エリア5の外部開放キー操作(62)を行い、ハッチドア9を開放する。さらに、作業者6は、ストッパーでハッチドア9を自閉動作を止め(63)た後、昇降機のハッチドア9の側面の昇降機制御装置3に、発信装置4を設置(64)する。
【0033】
次に、作業者6は、昇降機制御装置3のオンケージスイッチを操作(65)し、オンケージスイッチをONにする。これにより、昇降機制御装置3は、オンケージスイッチがON(31)となる。また、昇降機制御装置3は、発信装置4を介してオンケージスイッチのON信号を発信する。そして、ウェラブル装置1の制御信号受信部1aが、昇降機制御装置3からのON信号を受信(11)する。
【0034】
次に、作業者6は、オンケージスイッチを操作後、かご8の上に乗りこむ(66)。ウェラブル装置1は、作業者6の乗りこみ動作をモーション検知部1bで検知する(12)。そして、ウェラブル装置1は、制御部1hによって、作業者6の動作モーションを解析し、作業者6のかご8の上に乗りこみ動作を検出する。
【0035】
次に、作業者6は、安全帯フックを所定位置にかけ(67)、作業基準に従い指差し呼称を実行(68)する。ウェラブル装置1は、マイク部1cが指差し呼称の音声を取得する。また、ウェラブル装置1は、制御部1hが取得した音声を解析(13)し、作業者6による指差し呼称を検出する。
【0036】
ウェラブル装置1は、(11)(12)(13)の条件が揃うことで、保守作業準備が完了したものと判断する。なお、ウェラブル装置1は、作業環境やウェラブル装置1の構成によっては(11)および(12)、または、(11)および(13)のいずれかの条件が揃うことで、保守作業準備が完了したものと判断してもよい。そして、ウェラブル装置1は、伝達部1dから作業者6に、可搬式のビーコン送信装置2の設置を指示(14)する。この指示(14)は、ウェラブル装置1のビーコン受信部1gが、ビーコン送信装置2の発信部2bが発信する録画ビーコンを受信するまで継続される。
【0037】
作業者6は、(14)の指示に従い、可搬式のビーコン送信装置2を昇降機のかご8上に設置(69)する。設置されたビーコン送信装置2は、昇降機制御装置3のオンケージスイッチのON信号(32)を制御信号受信部2aが受信(21)する。そして、ビーコン送信装置2は、作業者6による保守作業が開始された状態であると判断して、発信部2bから録画ビーコンを送信(22)する。
【0038】
ウェラブル装置1は、ビーコン受信部1gが、ビーコン送信装置2の発信部2bから送信される録画ビーコンを受信(15)すると、制御信号受信部1aが昇降機制御装置3のオンケージスイッチのON信号を受信していることを確認する。
ウェラブル装置1は、録画ビーコンの受信と、オンケージスイッチのON信号とを受信することで、録画可能状態であると判断する。そして、ウェラブル装置1は、録画可能状態であると判断すると、(14)の指示を停止し、マイク部1c、カメラ部1e、および記憶部1fを駆動し、作業状態の撮影、および、録画記録を開始(16)する。また、ウェラブル装置1は、伝達部1dから作業者6に対して、表示部に撮影開始の情報を表示し、撮影、および、録画記録が開始したことを伝達する。
作業者6は、(14)の指示が停止したことや、伝達部1dからの情報を基に、録画記録が開始されたと判断し、昇降機保守作業を開始(6a)する。
【0039】
次に、作業者6は、昇降機の保守作業を終了(6b)すると、ハッチドアを開け、ストッパーでハッチドア9の自閉動作を止め(6c)、安全帯フックを外す(6d)。
そして、作業者6は、ビーコン送信装置2を回収(6e)する。
ビーコン送信装置2は、作業者6による回収(6e)により、発信部2bからの録画ビーコン発信が停止(23)する。ウェラブル装置1は、(23)によって制御信号受信部1aが録画ビーコンを受信不可となり、マイク部1c、カメラ部1e、記憶部1fを制御して撮影、および、録画記録を終了(17)する。
【0040】
次に、作業者6は、昇降機のかご8から降り(6f)、オンケージスイッチを操作(6g)してオンケージスイッチをOFFにする。この操作(6g)により、昇降機制御装置3は、オンケージスイッチがOFF(33)となり、ON信号の発信の停止、および、OFF信号を発信する。
ウェラブル装置1は、制御信号受信部1aが昇降機制御装置3のオンケージスイッチのOFF信号を受信(18)すると作業終了と判断する。
作業者6は、ハッチドア9のストッパーを外し、ハッチドア9を閉扉(6h)した後、作業終了の指差し呼称を実行(6i)し、昇降機保守作業を終了する。
【0041】
以上の処理では、ウェラブル装置1は、昇降機のオンケージスイッチのON信号と、ビーコン送信装置2の録画ビーコン信号との両方を受信した場合にのみ、作業者6の作業状態の撮影、録画記録を行う。また、昇降機のオンケージスイッチのON信号は、作業者6による、昇降機制御装置3の操作によって開始される。さらに、ビーコン送信装置2は、作業者6によって作業現場に設置され、オンケージスイッチのON信号を受けて、録画ビーコン信号を発信する。すなわち、ウェラブル装置1による作業状態の撮影、および、録画記録は、作業者6の操作を基に開始される。このため、作業者6の意図しないタイミングでの作業状態の撮影、および、録画記録が行われず、作業状態以外の情報が撮影されることによる、第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。
【0042】
また、ウェラブル装置1による作業状態の撮影、および、録画記録は、作業者6によるビーコン送信装置2の回収、および、オンケージスイッチのOFFによって、自動的に停止される。ウェラブル装置1による作業状態の撮影、および、録画記録の終了も、作業者6の操作を基に、自動的に行われる。このため、作業者6による保守作業の終了動作によって、自動的にウェラブル装置1による作業状態の撮影、および、録画記録が終了する。この結果、作業終了後に、作業状態以外の情報が記録されることによる、第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。
【0043】
[タイミングチャート:ビーコン送信装置の置き忘れ防止]
次に、上述の構成の作業記録システムを用いた作業者6の保守作業において、ビーコン送信装置2の置き忘れを防止する処理について説明する。図5に、ビーコン送信装置2の置き忘れ防止処理のタイミングチャートを示す。なお、図5に示すタイミングチャートは、作業者6による保守作業の終了(6b)以降の処理について説明する。保守作業の終了(6b)よりも前の処理は、上述の図4に示すタイミングチャートと同様である。
【0044】
図5に示すように、作業者6は、昇降機の保守作業を終了(6b)すると、ハッチドアを開け、ストッパーでハッチドア9の自閉動作を止め(6c)、安全帯フックを外す(6d)。このとき、作業者6がビーコン送信装置2の回収を忘れ、ビーコン送信装置2の回収を行わずに昇降機のかご8から降り(6f)、オンケージスイッチを操作(6g)してオンケージスイッチをOFFにする。この操作(6g)により、昇降機制御装置3は、オンケージスイッチがOFF(33)となり、ON信号の発信の停止、および、OFF信号を発信する。
【0045】
このとき、回収されずに設置状態にあるビーコン送信装置2は、制御信号受信部2aが昇降機制御装置3のオンケージスイッチのOFF信号を受信(24)する。ビーコン送信装置2は、回収されていない状態でオンケージスイッチのOFF信号を受信すると、作業者6によるビーコン送信装置2の置き忘れが発生したものと判断する。そして、ビーコン送信装置2は、アラーム部2cから、作業者6に置き忘れを通知するアラームを発信(25)する。
ビーコン送信装置2によるアラームの発信後は、上述の図4に示す、ビーコン送信装置2を回収(6e)以降の処理が同様に行われる。
【0046】
上記処理では、作業者6によってビーコン送信装置2が回収されていない状態、即ち、ビーコン送信装置2は、録画ビーコンの発信したままの状態で、オンケージスイッチのOFF信号を受信すると、作業者6に対してアラームを発信する。このアラームによって、作業者6にビーコン送信装置2の回収し忘れを通知し、作業者6にビーコン送信装置2を確実に回収させる。また、作業者6がビーコン送信装置2を確実に回収させることにより、ビーコン送信装置2による録画ビーコンの発信を確実に停止することができる。
【0047】
また、上記処理では、ビーコン送信装置2の回収忘れ、および、録画ビーコン信号の停止が行われないことによる、ウェラブル装置1による作業状態の撮影、および、録画記録の継続が発生しない。このため、作業者6による保守作業の終了動作によって、自動的にウェラブル装置1による作業状態の撮影、および、録画記録が終了する。この結果、作業状態以外の情報が記録されることによる、第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。
【0048】
[タイミングチャート:作業中断処理]
次に、上述の構成の作業記録システムを用いた作業者6の保守作業において、作業者6が、作業を中断して作業エリア5を離れる場合の録画記録の停止、保守作業再開に伴う録画記録の再開の処理について説明する。図6に、作業者6が保守作業の停止/再開7における、作業記録システムの各処理のタイミングチャートを示す。なお、図6に示すタイミングチャートは、作業者6による保守作業の開始(6a)と保守作業の終了(6b)との間において行わる処理である。保守作業の開始(6a)よりも前、および、保守作業の終了(6b)よりも後の処理は、上述の図4に示すタイミングチャートと同様である。
【0049】
図6に示すように、保守作業を開始(6a)した後、作業者6が保守作業を停止し、作業エリア5の外へ(71)移動する。このとき、作業者6が、昇降機制御装置3のオンケージスイッチを操作せずに、作業エリア5の外に移動する場合を想定する。このため、昇降機制御装置3は、オンケージスイッチのON信号(34)を発信している状態である。また、ビーコン送信装置2の発信部2bは、録画ビーコンの送信(26)を維持した状態である。
【0050】
上記状態では、作業者6が作業エリアを離れることにより、ウェラブル装置1のビーコン受信部1gが、録画ビーコンの受信が不可(81)となる。このため、ウェラブル装置1は、録画ビーコンの受信ができなくなったタイミングで、マイク部1c、カメラ部1e、および、記憶部1fを制御して、作業状態の撮影、および、録画記録を停止(82)する。このように、作業者6が作業エリアを離れた際に、作業状態の撮影、および、録画記録を停止(82)することにより、第三者の肖像を含む、作業エリア5の外でのプライバシーを保護する。また、ウェラブル装置1は、伝達部1dから作業者6に対して、表示部に撮影停止の情報を表示し、撮影、および、録画記録が停止したことを伝達する。
なお、作業状態の撮影、および、録画記録の停止では、カメラ部1e、および、記憶部1fのいずれかを停止すればよい。例えば、カメラ部1eによる撮影が行われていても、記憶部1fによる録画記録が行われていなければ、作業状態以外の情報が記録されることによる第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。また、記憶部1fによる録画記録が行われていても、カメラ部1eによる撮影が行われていなければよい。作業状態以外の情報が記録されることによる第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。
【0051】
次に、作業者6が保守作業を再開する為、作業エリア5に戻る(72)。ウェラブル装置1は、作業者6が作業エリア5に戻ることにより、オンケージスイッチがON状態(35)の昇降機制御装置3から、制御信号受信部1aがオンケージスイッチON信号を受信(83)する。
【0052】
次に、作業者6は、かご8の上に乗りこみ(73)、安全帯フックを所定位置にかけ(74)。ウェラブル装置1は、作業者6の乗りこみ動作をモーション検知部1bで検知する(84)。そして、ウェラブル装置1は、制御部1hによって、作業者6の動作モーションを解析し、作業者6のかご8の上に乗りこみ動作を検出する。
そして、ビーコン送信装置2の発信部2bは、作業を中断した後も録画ビーコン送信を維持(27)しているため、ウェラブル装置1のビーコン受信部1gは、この録画ビーコンを受信(85)する。
【0053】
ウェラブル装置1は、(83)(84)(85)の条件が揃うことで、マイク部1c、カメラ部1e、および、記憶部1fによる作業状態の撮影、および、録画記録を再開可能な状態と判断する。そして、ウェラブル装置1は、伝達部1dから作業者6に対して、撮影、および、録画記録を再開のための操作をするように指示(86)を出す。
作業者6は(86)の指示に従い、保守作業再開の準備を確認(75)し、撮影、および、録画記録を再開するように、ウェラブル装置1を操作する(76)。そして、ウェラブル装置1は、作業者6の操作によって、マイク部1c、カメラ部1e、および、記憶部1fを駆動し、作業状態の撮影、および、録画記録を再開する(87)。
作業者6は、ウェラブル装置1を操作して撮影、および、録画記録を再開した後、昇降機の保守作業を再開する(77)。
【0054】
上記処理では、ウェラブル装置1は、作業者6の作業準備の完了を検出した後、オンケージスイッチのON信号、および、ビーコン送信装置2の録画ビーコン信号の両方の信号を受信している状態でのみ、撮影、および、録画記録を行う。
作業者6が作業エリア5を離れた場合、ウェラブル装置1は、ビーコン送信装置2からの録画ビーコン信号を受信できなくなる。あるいは、上記処理では記載されていないが、作業者6が作業エリア5を離れた場合に、ウェラブル装置1は、昇降機制御装置3からのオンケージスイッチのON信号を受信できなくなる。
このように、録画ビーコン信号、および、オンケージスイッチのON信号のいずれかを受信できない場合には、ウェラブル装置1は、撮影、および、録画記録を停止する。このため、作業者6が作業エリア5を離れた状態で、作業エリア5以外の場所の撮影、および、録画記録が行われず、作業状態以外の情報が撮影されることによる第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。
【0055】
また、作業者6が作業エリア5に戻った後、ウェラブル装置1は、録画ビーコン信号、および、オンケージスイッチのON信号の両方を受信した場合にも、自動的に撮影、および、録画記録を開始しない。すなわち、ウェラブル装置1は、撮影、および、録画記録の処理が一度停止した場合には、撮影、および、録画記録の自動開始の処理を停止する。そして、作業者6が作業エリア5に戻り、保守作業の再開の準備が完了した後、作業者6がウェラブル装置1を操作するまで、ウェラブル装置1は撮影、および、録画記録を開始しない。これにより、作業者6が、作業エリア5に戻り、保守作業を再開する前に撮影、および、録画記録を開始することを防止する。この処理により、作業者6が作業エリア5に戻る前には、作業エリア5以外の場所の撮影、および、録画記録が行われず、作業状態以外の情報が記録されることによる第三者のプライバシーの侵害を抑制することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 ウェラブル装置、1a 制御信号受信部、1b モーション検知部、1c マイク部、1d 伝達部、1e カメラ部、1f 記憶部、1g ビーコン受信部、1h,2d 制御部、2 ビーコン送信装置、2a 制御信号受信部、2b 発信部、2c アラーム部、3 昇降機制御装置、4 発信装置、5 作業エリア、6 作業者、9 ハッチドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6