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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172787
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20241205BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20241205BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241205BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20241205BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241205BHJP
【FI】
G09F13/18 D
G09F13/04 K
F21V23/00 140
F21V8/00 310
H05B47/19
H05B47/155
H05B45/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090753
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋介
【テーマコード(参考)】
3K014
3K244
3K273
5C096
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K244AA04
3K244BA27
3K244CA03
3K244EA02
3K244EA13
3K244EA27
3K273PA10
3K273QA15
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA46
3K273TA54
3K273UA22
5C096AA27
5C096BA01
5C096BC02
5C096CA04
5C096CA12
5C096CB01
5C096CC06
5C096CD12
5C096CD24
5C096CD32
5C096CD33
5C096DC03
5C096DC07
5C096FA12
(57)【要約】
【課題】複数の発光部を用いて動的な光による加飾を行うにあたり、発光部の数より少ない光源を使用して実現できる表示装置を提供する。
【解決手段】光が透過する材料からなる導光部19と、導光部19の一端に光を照射する一端側の光源15と、導光部19の他端に光を照射する他端側の光源16とを備える。導光部19の一端と他端との間に接続された第1~第5の発光部21~25と、光源の明るさを制御する制御装置17とを備える。導光部19は、一端側の光源15の光および他端側の光源16の光を第1~第5の発光部21~25に反射させる反射構造20を有する。第1~第5の発光部21~25は、導光部19側から光が入ることにより光り、反射構造20は、一端側の光源15に近いほど、一端側の光源15の光が多く反射するとともに、他端画の光源16に近いほど、他端側の光源16の光が多く反射するように構成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が透過する材料によって形成された導光部と、
前記導光部の一端に光を照射する一端側の光源と、
前記導光部の他端に光を照射する他端側の光源と、
前記導光部の前記一端と前記他端との間の複数の位置に接続された複数の発光部と、
前記一端側の光源と前記他端側の光源の明るさを制御する制御装置とを備え、
前記導光部は、前記一端側の光源の光および前記他端側の光源の光を前記複数の発光部に反射させる反射構造を有し、
前記発光部は、前記導光部側から光が入ることにより光るように構成され、
前記反射構造は、前記一端側の光源に近いほど、前記一端側の光源の光が多く反射するとともに、前記他端側の光源に近いほど、前記他端側の光源の光が多く反射するように構成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数の発光部は、各々の発光部の間に空間が形成されるように構成され、
前記複数の発光部と前記導光部とは、一つの導光部材として形成され、
二つの前記導光部材は、一方の前記導光部材の前記空間に他方の前記導光部材の前記発光部が挿入される状態で並べられ、
前記一端側の光源と前記他端側の光源は、二つの前記導光部材の導光部毎に設けられ、
前記制御装置は、二つの前記一端側の光源の明るさと、二つの前記他端側の光源の明るさとを制御するものであることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表示装置において、
前記制御装置は、前記導光部の両端に光が照射される第1の状態と、前記導光部の前記一端と前記他端の何れか一方のみに光が照射される第2の状態と、前記導光部の両端に光が照射されることがない第3の状態とを、前記第1の状態から前記第2の状態を経て前記第3の状態に至る順序またはこの順序とは逆の順序で切り替える構成が採られていることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置において、
前記制御装置は、前記一端側の光源および前記他端側の光源が点灯状態から消灯状態に至る過程と、消灯状態から点灯状態に至る過程との両方において、前記一端側の光源および前記他端側の光源の明るさが徐々に変わるように制御することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の表示装置において、
さらに、前記導光部と、全ての前記光源および前記発光部とを囲む筐体を備え、
前記筐体の前記発光部と対向する部位には、光を通す窓が形成され、
前記制御装置が前記一端側の光源および前記他端側の光源の明るさを制御することにより、複数の前記窓の明るさが順次変わる加飾が施されることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的な光による加飾を施すための表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車や家電製品などにおいて、製品の付加価値を向上させるための一つの技法として、光を用いた加飾が採用されてきている。光を用いる加飾の中でも点灯箇所が移動する動的な光による加飾は、見る者に視覚的に訴えかけることができる。例えば、一般ユーザーが触れることの多いカードリーダーにおいては、動きのある光加飾を採用することで他の製品にはない付加価値を提供することができる。
【0003】
動的な光による加飾を実現する従来の表示装置としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に示す表示装置は、長尺状の導光板に沿って明るい部分が移動する構成が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6915199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている表示装置では、例えば、図11に示す装置1のように、複数の長尺状の導光板2を使って光による加飾を行うためには、光源3の数が多く必要になる。図11に示す表示装置1は、左右方向に延びる導光板2が上下方向の複数の位置にそれぞれ設けられている。各々の導光板2は、長手方向の一端に光源3の光が照射されることにより、前面2aが光るように形成されている。
この表示装置1において、複数の導光板1を個別に発光させて明るい部分を上下方向に移動させるためには、導光板1毎に光源2から光を照射しなければならず、導光板1の数と同じ数だけ光源3が必要になる。
【0006】
このように光源3の数が多くなると、光源3の明るさを制御する制御ロジックが複雑になるし、消費電力も増大する。また、電子機器の筐体に光による加飾を施す場合、光源3が多いことが原因で、製品の内部に部品を配置する位置の自由度が低くなる。この電子機器が無線通信を行うものである場合は、光源3を実装する基板が大型化してアンテナに接近し、送受信性能が低下するおそれもある。
【0007】
本発明の目的は、複数の発光部を用いて動的な光による加飾を行うにあたり、発光部の数より少ない光源を使用して実現できる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明に係る表示装置は、光が透過する材料によって形成された導光部と、前記導光部の前記一端に光を照射する一端側の光源と、前記導光部の前記他端に光を照射する他端側の光源と、前記導光部の前記一端と前記他端との間の複数の位置に接続された複数の発光部と、前記一端側の光源と前記他端側の光源の明るさを制御する制御装置とを備え、前記導光部は、前記一端側の光源の光および前記他端側の光源の光を前記複数の発光部に反射させる反射構造を有し、前記発光部は、前記導光部側から光が入ることにより光るように構成され、前記反射構造は、前記一端側の光源に近いほど、前記一端側の光源の光が多く反射するとともに、前記他端側の光源に近いほど、前記他端側の光源の光が多く反射するように構成されているものである。
【0009】
本発明は、前記表示装置において、前記発光部は、各々の発光部の間に空間が形成されるように構成され、前記複数の発光部と前記導光部とは、一つの導光部材として形成され、二つの前記導光部材は、一方の前記導光部材の前記空間に他方の前記導光部材の前記発光部が挿入される状態で並べられ、前記一端側の光源と前記他端側の光源は、二つの前記導光部材の導光部毎に設けられ、前記制御装置は、二つの前記一端側の光源の明るさと、二つの前記他端側の光源の明るさとを制御するものであってもよい。
【0010】
本発明は、前記表示装置において、前記制御装置は、前記導光部の両端に光が照射される第1の状態と、前記導光部の一端と他端の何れか一方のみに光が照射される第2の状態と、前記導光部の両端に光が照射されることがない第3の状態とを、前記第1の状態から前記第2の状態を経て前記第3の状態に至る順序またはこの順序とは逆の順序で切り替える構成が採られていてもよい。
【0011】
本発明は、前記表示装置において、前記制御装置は、前記一端側の光源および前記他端側の光源が点灯状態から消灯状態に至る過程と、消灯状態から点灯状態に至る過程との両方において、前記一端側の光源および前記他端側の光源の明るさが徐々に変わるように制御してもよい。
【0012】
本発明は、前記表示装置において、さらに、前記導光部と、全ての前記光源および前記発光部とを囲む筐体を備え、前記筐体の前記発光部と対向する部位には、光を通す窓が形成され、前記制御装置が前記一端側の光源および前記他端側の光源の明るさを制御することにより、複数の前記窓の明るさが順次変わる加飾が施されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の発光部を用いて動的な光による加飾を行うにあたり、発光部の数より少ない光源を使用して実現可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る表示装置を装備した電子機器の正面図である。
図2図2は、表示装置の構成を示す模式図である。
図3図3は、表示装置の動作例を示すグラフである。
図4図4は、表示装置の動作例を示す模式図である。
図5図5は、表示装置の動作例を示す模式図である。
図6図6は、表示装置の動作例を示す模式図である。
図7図7は、表示装置の動作例を示す模式図である。
図8図8は、表示装置の動作例を示す模式図である。
図9図9は、表示装置の他の実施の形態を示す電子機器の正面図である。
図10図10は、表示装置の他の実施の形態を示す模式図である。
図11図11は、従来の表示装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る表示装置の一実施の形態を図1図8を参照して詳細に説明する。
図1に示す電子機器1は、例えばカードリーダーなどを含む小型の電子機器で、筐体12と、筐体12の内部に収容された表示装置13とを備えている。筐体12の前面12aには、表示装置13の光を通すための複数の窓14が形成されている。前面12aは平坦に形成されている。この実施の形態による複数の窓14は、数字や記号の形に形成されており、電子機器11の左右方向(図1においても左右方向)に所定の間隔をおいて並ぶとともに、上下方向にも所定の間隔をおいて並ぶように配設されている。この実施の形態による複数の窓14は、左右方向に並ぶ3つの窓を1行として上下方向に5行分の窓14が設けられている。
筐体12の内部には、表示装置13に用いられている二つの光源15,16(図2参照)の明るさを制御する制御装置17と、無線通信用のアンテナ18などが収容されている。
【0016】
表示装置13は、図2に示すように、図2において上下方向に延びる形状に形成された導光部19と、導光部19の一端19aに光を照射する一端側の光源15と、導光部19の他端19bに光を照射する他端側の光源16とを備えている。
導光部19は、光が透過する材料によって細長い板状に形成されており、後述する反射構造20を備えている。
一端側の光源15と他端側の光源16は、たとえばLEDによって構成することができる。これらのLEDは、図示していない基板に実装され、基板を介して筐体12の内部に固定される。
【0017】
導光部19の一端19aと他端19bとの間の複数の位置には、それぞれ発光部21~25が接続されている。これらの発光部21~25は、それぞれ光が透過する材料によって細長い板状に形成されている。以下においては、複数の発光部21~25を導光部19の一端側から他端側に向かう順に第1~第5の発光部21~25という。第1~第5の発光部21~25は、筐体12に5行となるように並べて形成された複数の窓14の各行と対応する位置に設けられている。言い換えれば、複数の窓14は、第1~第5の発光部21~25と対向する位置に形成されている。
【0018】
この実施の形態による第1~第5の発光部21~25は、導光部19の長手方向とは直交する方向であって、筐体12の前面12aと平行な方向に延びるように導光部19の一側部19cに接続されている。互いに隣り合う発光部どうしの間には、所定の幅の空間Sが形成されている。第1~第5の発光部21~25と導光部19とは、プラスチック材料を用いて成型により一つの導光部材26として形成されている。導光部材26は、例えば上述した基板に支持させたり、図示していないブラケットを介して筐体12に支持させることができる。
【0019】
第1~第5の発光部21~25は、導光部19に接続された一端から入射した光を筐体12の前面12a側に反射させ、長手方向の全域において発光する構成が採られている。すなわち、第1~第5の発光部21~25は、導光部19側から光が入ることにより光る。第1~第5の発光部21~25で光を反射させるための構造は、後述する導光部19の反射構造20と同等の構造を採ることができる。この実施の形態による第1~第5の発光部21~25は、長手方向の全域において明るさが略等しくなるように構成されている。
【0020】
導光部19の反射構造20は、一端側の光源15の光および他端側の光源16の光を第1~第5の発光部21~25に反射させる構成が採られている。図2に示す反射構造20は、光が反射することが分かるように模式的に描いてある。このような反射構造20は、詳細には図示してはいないが、例えば、反射光が第1~第5の発光部21~25側に向かうような反射面を導光部19の第1~第5の発光部21~25とは反対側の側部19dに形成したり、側部19dに多数の凹凸を形成したり、側部19dに例えば印刷によりドットパターンを設けたりして実現することができる。
また、反射構造20は、一端側の光源15および他端側の光源16に近いほど光が多く反射するように構成されている。
【0021】
制御装置17は、一端側の光源15と他端側の光源16のそれぞれの明るさを予め定めた順序で徐々に増大あるいは減少させる構成が採られている。制御装置17が明るさを制御するにあたっては、一端側の光源15および他端側の光源16が点灯状態から消灯状態に至る過程と、消灯状態から点灯状態に至る過程との両方において、明るさを徐々に変わるように制御する。
制御装置17の一つの制御例を図3に示すグラフを用いて説明する。図3は、第1~第5の発光部21~25の明るさの経時変化を示すグラフである。
制御装置17は、一端側の光源15と他端側の光源16の明るさを、後述する第1~第3の状態が順次実現されるように徐々に変化させる。図3は、一端側の光源15と他端側の光源16を点灯状態から徐々に暗くする場合の制御例を示している。
【0022】
第1の状態は、一端側の光源15と他端側の光源16とが最大の光量で光を導光部19に照射する状態である。この第1の状態においては、導光部19の両端に光が照射される。
第2の状態は、一端側の光源15と他端側の光源16との何れか一方が最大の光量で光を導光部19に照射する状態である。この第2の状態においては、導光部19の一端19aあるいは他端19bの何れか一方のみに光が照射される。図3は、第2の状態において導光部19の一端19aのみに光が照射される制御例を示している。
第3の状態は、一端側の光源15と他端側の光源16の両方が消灯する状態である。この第3の状態においては、導光部19の両端に光が照射されることがない。
【0023】
図3に示す制御例においては、先ず、制御装置17が第1の状態とする。第1の状態においては、導光部19の一端19aに入射した光が反射構造20によって反射して第1~第5の発光部21~25に入るとともに、導光部19の他端19bに入射した光が反射構造20によって反射して第1~第5の発光部21~25に入る。
この第1の状態においては、一端側の光源15の光と他端側の光源16の光とが図4中に明るさに応じた大きさの矢印で示すように第1~第5の発光部21~25に入ることにより、第1~第5の発光部21~25がそれぞれ最大の明るさで光る。図4においては、第1~第5の発光部21~25が一端側の光源15の光で明るくなることを左下がりのハッチングで示し、他端側の光源16の光で明るくなることを右下がりのハッチングで示している。また、ハッチングの斜線どうしの間隔は、明るさの度合いを示す。間隔が狭いほど明るいことを示している。
第1の状態においては、筐体12の前面12aに形成されている全ての窓14が略等しく光るようになる。
【0024】
制御装置17は、第1の状態が実現された後、予め定めた第1の経過時間T1に達するまでの間に他端側の光源16の明るさを徐々に減らし、第2の状態とする。図3に示す制御例においては、制御装置17が第1の経過時間T1に達するまでに他端側の光源16の明るさを100%から0%となるように減らす。
他端側の光源16が徐々に暗くなると、図3に示すように、第1~第5の発光部21~25が徐々に暗くなる。この場合、第1~第5の発光部21~25は、他端側の光源16に近いものほど早く暗くなるように見える(図4図5参照)。このとき、筐体12の複数の窓14は、図1において下に位置する窓14ほど早く暗くなるように見える。第2の状態になると、図6に示すように、一端側の光源15のみの光で第1~第5の発光部21~25が光るようになる。
【0025】
制御装置17は、第2の状態が実現された後、予め定めた第2の経過時間T2に達するまでの間に第3の状態となるように一端側の光源15の明るさを徐々に減らす。第2の経過時間T2は、第1の経過時間T1と同一とすることが望ましいが、第1の経過時間T1より長くても良いし、短くてもよい。第1の経過時間T1と第2の経過時間T2とを同一とすることにより、電子機器11を見る者に違和感を与えることが少なくなる。
【0026】
図3に示す制御例においては、制御装置17が第2の状態から第2の経過時間T2が達するまでに一端側の光源15の明るさを100%から0%となるように減らす。
一端側の光源15が徐々に暗くなると、図3に示すように、第1~第5の発光部21~25が徐々に更に暗くなる。この場合、第1~第5の発光部21~25は、図6図8に示すように、他端側の光源16に近いものほど早く暗くなるように見える。この場合、筐体12の複数の窓14のうち、図において下に位置する窓14から順番に消えていくように見える。
一端側の光源15が消灯して第3の状態になることにより、制御装置17による明るさの制御が終了する。
図3に示す制御例のように第1の状態から第2の状態を経て第3の状態に至ることにより、筐体12の上下方向に並ぶ複数の窓14が全て光った後に下側の窓14から順に消える、動的な光による加飾が実現される。
【0027】
上述した実施の形態においては、第2の状態で他端側の光源16が消灯する制御例を示したが、第2の状態において一端側の光源15を消灯させてもよい。この場合は、筐体12の上下方向に並ぶ複数の窓14が全て光った後に上側の窓14から順に消える、動的な光による加飾が実現される。
第1~第3の状態を切替える際の順序は、第3の状態が最初に実現され、その後、第2の状態を経て第1の状態に至る順序でも良い。この場合は、上記とは逆に第3の状態から第2の状態に至る過程で一端側の光源15と他端側の光源16の一方の光源を徐々に明るくする。そして、第2の状態から第3の状態に至る過程で他方の光源を徐々に明るくする。この場合は、筐体12の上下方向に並ぶ複数の窓14の明るさが下側あるいは上側から徐々に増す、動的な光による加飾が実現される。
【0028】
このように、この実施の形態によれば、第1~第5の発光部21~25を用いて動的な光による加飾を行うにあたり、発光部の数(5)より少ない光源(2個の光源)を使用して実現可能な表示装置を提供することができる。このように光源が少なくなると、光源の明るさを制御する制御ロジックの簡素化が可能になるし、消費電力を低減することもできる。
また、導光部材26は、成型品であるから、形状の自由度が高く、筐体12内のスペースが広い部分に配置することができる。導光部材26の形状の自由度が高いことは、一端側の光源15と他端側の光源16とを配置する位置の自由度が高いことを意味する。このため、一端側の光源15と他端側の光源16とを実装する基板をアンテナ18から離すことが可能になり、アンテナ18の送受信性能を高くすることができる。
【0029】
したがって、この実施の形態によれば、新たな動きのある光加飾を省スペースかつ安価に提供することが可能となる。
さらに、一端側の光源15と他端側の光源16の発光タイミングを変化させることにより、多種多様な発光パターンを実現することができ、電子機器11を使用するユーザーへ視覚的に分かり易い案内表示としても用いることができる。
特に、この実施の形態で示したように、一端側の光源15と他端側の光源16の明るさを徐々に変わるように制御する構成を採ることにより、第1~第5の発光部21~25が並ぶ方向に明るい部分が移動する、という視覚的効果が確実に得られるようになる。
【0030】
(第2の実施の形態)
本発明に係る表示装置は、図9および図10に示すように構成することができる。図9および図10において、図1図8によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図9に示す電子機器31の筐体32は、文字や記号からなる9行の複数の窓14を有している。これらの窓14は、筐体32の平坦面からなる前面32aに形成されている。
【0031】
筐体32の内部には、この実施の形態による表示装置33が設けられている。この表示装置33は、図10に示すように、二つの導光部材26と、2個の一端側の光源15と、2個の他端側の光源16とを有している。二つの導光部材26は、第1の実施の形態を採るときに用いたものと同一の第1の導光部材26Aと、第2の導光部材26Bである。
他方の導光部材26Bは、一方の導光部材26Aの導光部19と同等の構成となる導光部34と、導光部34の一端と他端との間に接続された複数の(第6~第9の)発光部35~38とを有している。
【0032】
他方の導光部材26Bの導光部34は、一端または他端に照射された光を第6~第9の発光部35~38に反射させる反射構造39を有している。この反射構造39は、一方の導光部材26Aの導光部19に設けられているものと同一のものである。
第6~第9の発光部35~38は、第1~第5の発光部21~25の互いに隣り合う発光部どうしの間に形成された空間Sに挿入されている。すなわち、これらの第6~第9の発光部35~38は、第1~第5の発光部21~25とは導光部19,34の長手方向に並ぶ状態で、他方の導光部材26Bの導光部34から一方の導光部材26Aの導光部19に向けて延びている。
【0033】
このため、二つの導光部材26A,26Bは、一方の導光部材26Aの発光部(第1~第5の発光部21~25)どうしの間に形成された空間Sに他方の導光部材26Bの発光部(第6~第9の発光部35~38)が挿入される状態で並べられている。
他方の導光部材26Bは、一方の導光部材26Aと同様に、例えば上述した基板に支持させたり、図示していないブラケットを介して筐体12に支持させることができる。
【0034】
一方の導光部材26Aの第1~第5の発光部21~25は、図9に示すように、筐体32に形成された9行の複数の窓14のうち、奇数行となる複数の窓14、すなわち1行目、3行目、5行目、7行目および9行目の複数の窓14と対応する位置に設けられている。他方の導光部材26Bの第6~第9の発光部35~38は、9行の複数の窓14のうち、偶数行となる複数の窓14と対応する位置に設けられている。
【0035】
この実施の形態による一端側の光源15と他端側の光源16は、二つの導光部材26A,26Bの導光部19,34毎に設けられている。すなわち、この実施の形態による表示装置33は、一方の導光部材26Aの導光部19の一端に光を照射する第1の一端側の光源15Aと、他方の導光部材26Bの導光部34の一端に光を照射する第2の一端側の光源15Bとを備えている。また、この表示装置33は、一方の導光部材26Aの導光部19の他端に光を照射する第1の他端側の光源16Aと、他方の導光部材26Bの導光部34の他端に光を照射する第2の他端側の光源16Bとを備えている。
【0036】
この実施の形態による制御装置17は、第1の一端側の光源15Aの明るさと、第2の一端側の光源15Bの明るさとを同一の明るさとなるように制御する。また、制御装置17は、第1の他端側の光源16Aの明るさと、第2の他端側の光源16Bの明るさとを同一の明るさとなるように制御する。
【0037】
この実施の形態によれば、第1~第5の発光部21~25と第6~第9の発光部35~38の明るさを、これらが並ぶ方向の一端側あるいは他端側から順次光ったり消えたりするように制御することができる。
したがって、この実施の形態においても、第1~第9の発光部21~25,35~38を用いて動的な光による加飾を行うにあたり、発光部の数(9)より少ない光源(4個の光源)を使用して実現可能な表示装置を提供することができる。
この実施の形態を採ることにより、図11に示す表示装置1と較べて光源の数が4/9に減少する。
【0038】
第2の実施の形態においては、第1の一端側の光源15Aと第2の一端側の光源15Bを明るさが同一となるように制御し、第1の他端側の光源16Aと第2の他端側の光源16Bとを明るさが同一となるように制御する例を示したが、明るさを変える際の制御内容は適宜変更することができる。例えば、一方の導光部材26Aの一端側の光源15Aと他方の導光部材26Bの他端側の光源16Bとを明るさが同一となるように制御し、一方の導光部材26Aの他端側の光源16Aと、他方の導光部材26Bの一端側の光源15Bとを明るさが同一となるように制御することができる。
【0039】
さらに、上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態においては、第1~第9の発光部21~25,35~37が導光部19,34に対して垂直に延びる例を示した。しかし、第1~第9の発光部21~25,35~38は、導光部19,34に対して傾斜させることが可能である。
【0040】
上述した第1、第2の実施の形態に示す表示装置11,21は、筐体12,32の平坦な前面12a,32aに窓14が形成され、導光部材26の第1~第9の発光部21~25,35~38が同一平面上に位置する構成が採られている。しかし、本発明に係る表示装置は、例えば円筒形状や球状の筐体にも適用することができる。この場合は、筐体の円筒面や球面からなる表面に光を通す窓を形成し、導光部材の発光部を筐体の形状に倣うように湾曲させて窓に光が導かれるように構成することができる。
【符号の説明】
【0041】
11,31…電子機器、12…筐体、13,34…表示装置、14…窓、15…一端側の光源、16…他端側の光源、17…制御装置、19,34…導光部、20…反射構造、21~25…第1~第5の発光部、26…導光部材、35~38…第6~第9の発光部、S…空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11