(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172802
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ロータリーアクチュエーター
(51)【国際特許分類】
F16H 7/02 20060101AFI20241205BHJP
H02K 7/10 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F16H7/02 Z
H02K7/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090776
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠太郎
【テーマコード(参考)】
3J049
5H607
【Fターム(参考)】
3J049AA01
3J049AB05
3J049BH07
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD08
5H607EE28
5H607HH01
5H607HH05
5H607JJ05
(57)【要約】
【課題】 設置面積を小さくし且つ回転テーブルの中心に載置対象物のケーブル等を通す貫通孔を設けることができるロータリーアクチュエーターを提供すること。
【解決手段】 モーターと、上記モーターの軸方向に直交する側に配置された回転軸と、上記モーターと上記回転軸の間に設置された回転テーブルと、上記モーターの出力軸に固着された第1プーリーと、上記回転軸の一端側に固着された第2プーリーと、上記回転軸の他端側に固着された第3プーリーと、上記回転テーブルに設置された第4プーリーと、上記第1プーリーと上記第2プーリーに巻回される第1ベルトと、上記第3プーリーと上記第4プーリーに巻回される第2ベルトと、を具備したもの。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターと、
上記モーターの軸方向に直交する側に配置された回転軸と、
上記モーターと上記回転軸の間に設置された回転テーブルと、
上記モーターの出力軸に固着された第1プーリーと、
上記回転軸の一端側に固着された第2プーリーと、
上記回転軸の他端側に固着された第3プーリーと、
上記回転テーブルに設置された第4プーリーと、
上記第1プーリーと上記第2プーリーに巻回される第1ベルトと、
上記第3プーリーと上記第4プーリーに巻回される第2ベルトと、
を具備したことを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項2】
請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
上記第1プーリー、上記第2プーリー、及び、上記第1ベルトによって上記モーターの出力軸の回転が減速されて上記回転軸が回転され、
上記第3プーリー、上記第4プーリー、及び、上記第2ベルトによって上記回転軸の回転が減速されて上記回転テーブルが回転されることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項3】
請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
上記回転軸にはブレーキが設置されていることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項4】
請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
上記モーターは上記出力軸が上記回転テーブルの物品載置面の反対側に指向されるように配置されることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項5】
請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
上記回転テーブルには上記回転テーブルに載置された物品からのケーブルを通す貫通孔が設けられていることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項6】
請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
上記第4プーリーを収容するプーリー収容部が設けられたメインフレームが設置されていて、
上記メインフレームのプーリー収容部の第3プーリー側には上記第2ベルトが貫通して配置されるベルト貫通部が設けられ、
上記メインフレームのプーリー収容部のモーター側は閉塞されていることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項7】
請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
上記メインフレームには上記モーターと上記回転軸が支持されるモーター・回転軸用ブラケットが設置されていることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項8】
請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
モーター側にエンコーダーが設けられていることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項9】
請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
モーター側にコントローラーが設けられていることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【請求項10】
請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、
回転軸側にブレーキが設置されていて、
上記メインフレームの外面には上記ブレーキに電力を供給するブレーキ用ケーブルが収容されるケーブル用凹部が設けられることを特徴とするロータリーアクチュエーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリーアクチュエーターに係り、特に、設置面積を小さくし且つ回転テーブルの中心に載置対象物のケーブル等を通すことができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロータリーアクチュエーターとして、特許文献1に記載されたようなものが存在している。
特許文献1に記載された回転テーブル装置は、ハウジングの前方側にクロスローラーベアリングによりテーブル部が回転可能に設置されている。上記ハウジングの後方側にはモーターが設置されている。
上記テーブル部の下側にはラックギアが設けられていて、上記ラックギアに歯合されるピニオンギアが設置されている。上記ピニオンギアには、プーリーとベルトを介して上記モーターの出力軸の回転が伝達されるようになっている。
上記テーブル部には外部部材が載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では次のような問題があった。
上記ハウジングの前方側に上記テーブル部が設置され、上記ハウジングの後方側に上記モーターが設置されているので、上記回転テーブル装置の設置面積が大きくなってしまう。
また、上記テーブル部の下に上記モーターを設置することで上記回転テーブル装置の設置面積を小さくしようとすると、上記モーターにより上記テーブル部に載置された上記外部部材から延長されたケーブルを配置する空間を設けることができなくなってしまう。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、設置面積を小さくし且つ回転テーブルの中心に載置対象物のケーブル等を通すことができるロータリーアクチュエーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1によるロータリーアクチュエーターは、モーターと、上記モーターの軸方向に直交する側に配置された回転軸と、上記モーターと上記回転軸の間に設置された回転テーブルと、上記モーターの出力軸に固着された第1プーリーと、上記回転軸の一端側に固着された第2プーリーと、上記回転軸の他端側に固着された第3プーリーと、上記回転テーブルに設置された第4プーリーと、上記第1プーリーと上記第2プーリーに巻回される第1ベルトと、上記第3プーリーと上記第4プーリーに巻回される第2ベルトと、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるロータリーアクチュエーターは、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記第1プーリー、上記第2プーリー、及び、上記第1ベルトによって上記モーターの出力軸の回転が減速されて上記回転軸が回転され、上記第3プーリー、上記第4プーリー、及び、上記第2ベルトによって上記回転軸の回転が減速されて上記回転テーブルが回転されることを特徴とするものである。
又、請求項3によるロータリーアクチュエーターは、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記回転軸にはブレーキが設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるロータリーアクチュエーターは、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記モーターは上記出力軸が上記回転テーブルの物品載置面の反対側に指向されるように配置されることを特徴とするものである。
又、請求項5によるロータリーアクチュエーターは、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記回転テーブルには上記回転テーブルに載置された物品からのケーブルを通す貫通孔が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるロータリーアクチュエーターは、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記第4プーリーを収容するプーリー収容部が設けられたメインフレームが設置されていて、上記メインフレームのプーリー収容部の第3プーリー側には上記第2ベルトが貫通して配置されるベルト貫通部が設けられ、上記メインフレームのプーリー収容部のモーター側は閉塞されていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるロータリーアクチュエーターは、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記メインフレームには上記モーターと上記回転軸が支持されるモーター・回転軸用ブラケットが設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるロータリーアクチュエーターは、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、モーター側にエンコーダーが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項9によるロータリーアクチュエーターは、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、モーター側にコントローラーが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項10によるロータリーアクチュエーターは、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、回転軸側にブレーキが設置されていて、上記メインフレームの外面には上記ブレーキに電力を供給するブレーキ用ケーブルが収容されるケーブル用凹部が設けられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように、本願発明の請求項1記載のロータリーアクチュエーターによると、モーターと、上記モーターの軸方向に直交する側に配置された回転軸と、上記モーターと上記回転軸の間に設置された回転テーブルと、上記モーターの出力軸に固着された第1プーリーと、上記回転軸の一端側に固着された第2プーリーと、上記回転軸の他端側に固着された第3プーリーと、上記回転テーブルに設置された第4プーリーと、上記第1プーリーと上記第2プーリーに巻回される第1ベルトと、上記第3プーリーと上記第4プーリーに巻回される第2ベルトと、を具備したので、設置面積を小さくし且つ回転テーブルの中心に載置対象物のケーブル等を通すことができる。
又、請求項2記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記第1プーリー、上記第2プーリー、及び、上記第1ベルトによって上記モーターの出力軸の回転が減速されて上記回転軸が回転され、上記第3プーリー、上記第4プーリー、及び、上記第2ベルトによって上記回転軸の回転が減速されて上記回転テーブルが回転されるので、設置面積を小さくしつつ減速比を確保できる。
又、請求項3記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記回転軸にはブレーキが設置されているので、設置面積を小さくしつつ上記ロータリーアクチュエーターの高さの増加を必要最小限に抑えることができる。
又、請求項4記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記モーターは上記出力軸が上記回転テーブルの物品載置面の反対側に指向されるように配置されるので、設置面積を小さくしつつ上記ロータリーアクチュエーターの高さの増加を必要最小限に抑えることができるとともに減速比を確保できる。
又、請求項5記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記回転テーブルには上記回転テーブルに載置された物品からのケーブルを通す貫通孔が設けられているので、設置面積を小さくしつつ簡易な構成で上記回転テーブルに載置された物品からのケーブルを上記回転テーブルの中心に通すことができる。
又、請求項6記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項1記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記第4プーリーを収容するプーリー収容部が設けられたメインフレームが設置されていて、上記メインフレームのプーリー収容部の第3プーリー側には上記第2ベルトが貫通して配置されるベルト貫通部が設けられ、上記メインフレームのプーリー収容部のモーター側は閉塞されているので、上記第1プーリー、第2プーリー、第3プーリー、第4プーリー、第1ベルト、及び、第2ベルトから発生する摩耗粉から上記モーターを保護できる。
又、請求項7記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、上記メインフレームには上記モーターと上記回転軸が支持されるモーター・回転軸用ブラケットが設置されているので、上記モーター・回転軸用プラケットの取り付け位置によって上記第2ベルトのテンションを調整できる。
又、請求項8記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、モーター側にエンコーダーが設けられているので、上記第1プーリー、第2プーリー、第3プーリー、第4プーリー、第1ベルト、及び、第2ベルトから発生する摩耗粉から上記エンコーダーを保護できる。
又、請求項9記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、モーター側にコントローラーが設けられているので、上記第1プーリー、第2プーリー、第3プーリー、第4プーリー、第1ベルト、及び、第2ベルトから発生する摩耗粉から上記コントローラーを保護できる。
又、請求項10記載のロータリーアクチュエーターによると、請求項6記載のロータリーアクチュエーターにおいて、回転軸側にブレーキが設置されていて、上記メインフレームの外面には上記ブレーキに電力を供給するブレーキ用ケーブルが収容されるケーブル用凹部が設けられるので、上記回転テーブルを迂回して上記ブレーキ用ケーブルを配置でき、上記ブレーキ用ケーブルの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す図で、ロータリーアクチュエーターの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施の形態を示す図で、
図1のII-II断面図である。
【
図3】本発明の一実施の形態を示す図で、
図2のIII-III断面図である。
【
図4】本発明の一実施の形態を示す図で、ロータリーアクチュエーターの分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施の形態を示す図で、ブラケットと回転軸とモーターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1乃至
図5を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。
この一実施の形態によるロータリーアクチュエーター1には、例えば、
図1から
図4に示すようにメインフレーム3がある。上記メインフレーム3には
図2から
図4に示すようにプーリー収容部5が設けられている。上記プーリー収容部5は、
図4中左側と
図4中上側に開口された凹部である。上記プーリー収容部5の
図4中左側の開口部はベルト貫通部7となっている。 また、上記メインフレーム3の側面にはケーブル用凹部9が設けられている。
また、
図3に示すように、上記メインフレーム3の
図3中左右方向両端の
図3中上下方向両側には、カバー係合凹部11が設けられている。また、
図2に示すように、上記メインフレーム3の中央にはケーブル用貫通孔13が設けられている。
図2に示すように、上記メインフレーム3の
図2中中央の下側には、凸部14が設けられ、上記ケーブル用貫通孔13の
図2中下側は上記凸部14の先端に開口されている。
また、上記メインフレーム3の
図4中左右方向両側にはサイドカバー15、16が設置される。
図3に示すように、上記サイドカバー15の
図3中右端の上下方向両側、及び、上記サイドカバー16の
図3中左端の上下方向両側にはカバー係合凸部17が形成されている。上記サイドカバー15、16は上記カバー係合凹部11と上記カバー係合凸部17が係合されて上記メインフレーム3に設置される。
【0010】
上記ロータリーアクチュエーター1にはモーター・回転軸用ブラケット21がある。上記モーター・回転軸用ブラケット21は上記メインフレーム3の
図2中下側に設置される。
図2、
図4、及び、
図5に示すように、上記モーター・回転軸用ブラケット21の一端側(
図5中右側)にはモーター用凹部23が設けられており、他端側(
図5中左側)には回転軸用凹部24が設けられている。上記回転軸用凹部24の
図5中上側には軸受ホルダー25が設置されている。
また、
図4に示すように、上記モーター・回転軸用ブラケット21の中央にはケーブル用貫通孔29が設けられている。上記メインフレーム3の凸部14は上記ケーブル用貫通孔29に挿入されている。
【0011】
また、
図4に示すように、上記モーター・回転軸用ブラケット21のケーブル用貫通孔29の
図4中左右方向両側には長孔28、28が形成されている。上記モーター・回転軸用ブラケット21は、ボルト30、30を上記長孔28、28に貫通させ上記メインフレーム3に螺合させて固定されている。
【0012】
上記モーター・回転軸用ブラケット21のモーター用凹部23にはモーター31が設置されている。
図2に示すように、上記モーター31の出力軸33には第1プーリー35が固着されている。上記モーター31の
図2中上側にはエンコーダー37とコントローラー39が設置されている。
【0013】
上記モーター・回転軸用ブラケット21の回転軸用凹部24には回転軸41が設置されている。上記回転軸41は上記軸受ホルダー25に設置された軸受43、及び、上記回転軸用凹部24の底部(
図2中下側)に設置された軸受45によって回転可能に支持されている。上記回転軸41の
図2中下側の端部には第2プーリー47が固着されている。上記第1プーリー35と上記第2プーリー47には第1ベルト49が巻回されている。
上記モーター31は、図示しない固定用ボルトを上記モーター・回転軸用ブラケット21に設けられた図示しない長孔に貫通させ上記モーター31に螺合させることで固定されており、上記モーター31の取り付け位置によって上記第1ベルト49のテンションを調整できるようになっている。
【0014】
上記モーター・回転軸用ブラケット21の
図4中下側には、ベースプレート51が設置されている。上記ベースプレート51の中央にはケーブル用貫通孔53が設けられている。上記ベースプレート51は、固定用ボルト54を上記ベースプレート51に貫通させ、上記メインフレーム3に螺合させて固定される。
また、上記回転軸41は上記サイドカバー15内に配置され、上記モーター31は上記サイドカバー16内に配置される。
【0015】
また、
図2に示すように、上記回転軸用凹部24内にはブレーキ61が設置されている。上記ブレーキ61は上記回転軸41によって貫通されている。上記ブレーキ61には、電磁石63と、上記電磁石63の
図2中上側に設置されたアーマチュア65と、上記アーマチュア65の
図2中上側に設置され上記回転軸41とともに回転されるローターディスク67、及び、上記ローターディスク67の
図2中上側に設置され上記電磁石63にスペーサー68を介して固着されたサイドプレート69がある。上記アーマチュア65の
図2中下側には図示しないコイルスプリングが設置されていて、上記アーマチュア65、ひいては、上記ローターディスク67は、上記コイルスプリングによって上記サイドプレート69側に押圧され付勢される。この状態では上記ローターディスク67ひいては上記回転軸41の回転が規制される。上記電磁石63に通電されると上記アーマチュア65が上記電磁石63側に吸引され、上記ローターディスク67ひいては上記回転軸41の回転が規制されない状態となる。
図3に示すように、上記ブレーキ61に電力を供給するケーブル73が上記メインフレーム3のケーブル用凹部9内に配置されている。上記ケーブル用凹部9はカバー74によって閉塞される。
【0016】
また、上記回転軸41の
図2中上側の端部には第3プーリー75が固着されている。
【0017】
上記ロータリーアクチュエーター1には回転テーブル用ブラケット81がある。例えば、
図2に示すように、上記回転テーブル用ブラケット81は上記メインフレーム3の
図2中上側に設置され、固定用ボルト84を上記回転テーブル用ブラケット81に貫通させて上記メインフレーム3に螺合させて固定される。上記回転テーブル用ブラケット81の中央には回転テーブル収容部83が設けられている。上記回転テーブル収容部83は
図2中上下方向に延長され、
図2中上側が拡径された貫通孔である。
【0018】
図2に示すように、上記ロータリーアクチュエーター1には回転テーブル91がある。上記回転テーブル91には、
図2中上側のテーブル部93と、上記テーブル部93の中央に配置され、
図2中上下方向に延長された軸部95がある。
上記回転テーブル用ブラケット81の回転テーブル収容部83の
図2中下側には軸受97が設置されていて、上記メインフレーム3のプーリー収容部5の
図2中下側には軸受99が設置されている。上記軸部95は上記軸受97の内輪101と上記軸受99の内輪103によって回転可能に支持されている。
【0019】
上記回転テーブル91のテーブル部93は
図2中下側が上記回転テーブル収容部83内に配置されている。上記テーブル部93の中央には
図2中上下方向に延長され上記軸部95によって貫通される貫通孔105が形成されている。上記貫通孔105の
図2中上側は拡径されており、テーブル部固定部材107が配置されている。上記テーブル部固定部材107の中央には雌ねじ部109が設けられていて、上記軸部95の
図2中上側に形成された雄ねじ部111に螺合されている。
【0020】
図2に示すように、上記テーブル部93の
図2中下側と上記軸部95の外周面に形成された段部113の間に上記軸受97の内輪101が介挿されている。また、上記軸部95の外周面に形成されたキー溝115と上記テーブル部93の内周面に形成されたキー溝117にキー119が係合されていて上記軸部95と上記テーブル部93が一体に回転されるようになっている。また、上記テーブル部93の
図2中下側の外周側に回転テーブル側ストッパー121が突出されて設置されていて、上記回転テーブル用ブラケット81の回転テーブル収容部83の底部(
図2中下側)には固定側ストッパー123が設置されている。これにより、上記回転テーブル91は上記回転テーブル側ストッパー121と上記固定側ストッパー123が当設するまで、正転又は逆転するようになっており、上記回転テーブル91は0度から330度の範囲で回転可能となっている。
【0021】
上記軸部95の上記プーリー収容部5内部側(
図2中下側)には第4プーリー125が固着されていて、上記第3プーリー75と上記第4プーリー125には第2ベルト127が巻回されている。
【0022】
上記テーブル部93の
図2中上側の面には載置対象物用位置決め用凹部129と載置対象物固定用雌ねじ部130が形成されている。また、上記軸部95の中心には
図2中上下方向に延長されたケーブル用貫通孔131が形成されている。上記テーブル部93の
図2中上側の面は物品載置面132であり、上記物品載置面132に図示しない載置対象物が載置され、上記載置対象物用位置決め用凹部129に係合される図示しない位置決め用ピンによって位置決めされるとともに上記載置対象物固定用雌ねじ部130に螺合される図示しない固定用ボルトによって固定されるようになっている。また、上記図示しない載置対象物に電力の供給や制御信号等の通信等を行う図示しないケーブル、及び、上記図示しない載置対象物に動力用のエア等を供給する配管は、上記ケーブル用貫通孔131、上記ケーブル用貫通孔13、ケーブル用貫通孔53を通して、上記ロータリーアクチュエーター1の底面側(
図2中下側)に引き出されるようになっている。
【0023】
以上により、上記ロータリーアクチュエーター1は、例えば、
図2に示すように、上記モーター31の軸方向(
図2中上下方向)に直交する側(
図2中左側)に上記回転軸41が配置され、上記モーター31と上記回転軸41の間に上記回転テーブル91が配置される構成となっている。また、上記モーター31の出力軸33は上記回転テーブル91の反対側(
図2中下側)に配置される構成となっている。
【0024】
次に、この一実施の形態による作用について説明する。
モーター31の出力軸33が回転されると、第1プーリー35、第2プーリー47、及び、第1ベルト49によって上記出力軸33の回転が減速されて回転軸41が回転され、第3プーリー75、第4プーリー125、及び、第2ベルト127によって上記回転軸41の回転が減速されて回転テーブル91が回転される。
【0025】
ブレーキ61は、電磁石63に通電されない状態ではアーマチュア65、ひいては、ローターディスク67がコイルスプリングによってサイドプレート69側に押圧され、上記ローターディスク67ひいては回転軸41の回転が規制され、上記回転テーブル91の回転が規制される。上記電磁石63に通電されると上記アーマチュア65が上記電磁石63側に吸引され、上記ローターディスク67ひいては上記回転軸41及び上記回転テーブル91の回転が規制されない状態となる。
また、上記モーター31はエンコーダー37により検出された上記モーター31の回転数や回転角度に基づきコントローラー39によって制御され、上記回転テーブル91の回転位置や回転速度が制御される。
【0026】
モーター・回転軸用ブラケット21は、ボルト30、30を上記長孔28、28に貫通させメインフレーム3に螺合させて、上記メインフレーム3に固定されている。そのため、上記長孔28の延長された方向(
図2中左右方向)に上記メインフレーム3に対する上記モーター・回転軸用ブラケット21の取り付け位置を上記長孔28の範囲で調整でき、これにより、上記第2ベルト127のテンションを調整する。
【0027】
上記モーター31は、図示しない固定用ボルトを上記モーター・回転軸用ブラケット21に設けられた図示しない長孔に貫通させ上記モーター31に螺合させることで固定されており、上記モーター31の取り付け位置によって上記第1ベルト49のテンションを調整する。
【0028】
上記回転テーブル91のテーブル部93には図示しない載置対象物が載置され、上記図示しない載置対象物は、記載置対象物用位置決め用凹部129に係合される図示しない位置決め用ピンによって位置決めされるとともに載置対象物固定用雌ねじ部130に螺合される図示しない固定用ボルトによって固定される。また、上記図示しない載置対象物に電力の供給や制御信号等の通信等を行う図示しないケーブル、及び、上記図示しない載置対象物に動力用のエア等を供給する配管は、上記ケーブル用貫通孔131、上記ケーブル用貫通孔13、ケーブル用貫通孔53を通して、上記ロータリーアクチュエーター1の底面側(
図2中下側)に引き出される。
【0029】
次に、この一実施の形態による効果について説明する。
例えば、
図2に示すように、モーター31の軸方向(
図2中上下方向)に直交する側(
図2中左側)に回転軸41が配置され、上記モーター31と上記回転軸41の間に回転テーブル91が配置される構成となっているので、ロータリーアクチュエーター1の設置面積を小さくし、且つ、上記回転テーブル91の中心に図示しない載置対象物のケーブル等を通すことができる。
又、上記モーター31の出力軸33が回転されると、第1プーリー35、第2プーリー47、及び、第1ベルト49によって上記出力軸33の回転が減速されて回転軸41が回転され、第3プーリー75、第4プーリー125、及び、第2ベルト127によって上記回転軸41の回転が減速されて回転テーブル91が回転されるようになっているので、上記ロータリーアクチュエーター1の設置面積を小さくしつつ、上記モーター31自体の出力を必要以上に大きくすることなく上記回転テーブル91を回転させるのに必要なトルクが得られる減速比を確保できる。
又、上記第1プーリー35と上記第2プーリー47には上記第1ベルト49が巻回され、上記第3プーリー75と上記第4プーリー125には上記第2ベルト127が巻回されているので、上記第1ベルト49及び上記第2ベルト127の弾性によりバックラッシを吸収することができ、上記回転テーブル91の停止位置のバラツキを防止できる。
【0030】
又、上記回転軸41に貫通されてブレーキ61が設置されているので、上記ロータリーアクチュエーター1の設置面積を小さくしつつ上記ロータリーアクチュエーター1の高さの増加を必要最小限に抑えることができる。
又、回転軸41側にブレーキ61が設置されているので、上記モーター31を変更することなく上記ブレーキ61を設置でき、且つ、上記ブレーキ61の設置有無に関わらず上記ロータリーアクチュエーター1の高さ及び設置面積を同じにすることができる。
又、上記ブレーキ61が設置された上記回転軸41には上記第1プーリー35、上記第2プーリー47、及び、上記第1ベルト49によって減速された回転が伝達されるので、上記ブレーキ61を上記モーター31に直結した場合よりもローターディスク67の空転摩耗を少なくすることができる。
又、上記モーター31は出力軸33が上記回転テーブル91の物品載置面132の反対側に指向されるように配置されるので、上記第1ベルト49を上記回転テーブル91の軸部95と干渉しないように設置でき、上記ロータリーアクチュエーター1の設置面積を小さくしつつ上記ロータリーアクチュエーター1の高さの増加を必要最小限に抑えることができるとともに上記回転テーブル91を回転させるのに必要なトルクが得られる減速比を確保できる。
又、上記回転テーブル91には上記物品載置面132に載置された図示しない載置対象物からのケーブルを通すケーブル用貫通孔131が設けられているので、上記ロータリーアクチュエーター1の設置面積を小さくしつつ簡易な構成で上記回転テーブル91に載置された載置対象物からのケーブル等を上記回転テーブル91の中心に通すことができる。
【0031】
又、メインフレーム3に上記第4プーリー125を収容するプーリー収容部5が設けられていて、上記プーリー収容部5の第3プーリー75側には上記第2ベルト127が貫通して配置されるベルト貫通部7が設けられ、上記プーリー収容部5のモーター31側は閉塞されており、上記モーター31は上記メインフレーム3とモーター・回転軸用ブラケット21及びサイドカバー16によって覆われているので、上記第1プーリー35、第2プーリー47、第3プーリー75、第4プーリー125、第1ベルト49、及び、第2ベルト127より発生する摩耗粉や駆動部品のオイルから上記モーター31、エンコーダー37、及び、コントローラー39を保護できる。
又、上記メインフレーム3に上記モーター31と上記回転軸41が支持されるモーター・回転軸用ブラケット21が設置されているので、上記モーター・回転軸用ブラケット21の取り付け位置によって上記第2ベルト127のテンションを調整できる。
また、上記メインフレーム3の側面にはケーブル用凹部9が設けられているので、ブレーキ61に電力を供給するケーブル73が上記メインフレーム3のケーブル用凹部9内に配置され、上記回転テーブル91を迂回して上記ケーブル73を配置でき、上記ケーブル73の破損を防止できる。
【0032】
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されない。
各構成要素の形状、材質、大きさ、個数については様々な場合が考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、ロータリーアクチュエーターに係り、特に、設置面積を小さくし且つ回転テーブルの中心に載置対象物のケーブル等を通す貫通孔を設けることができるように工夫したものに関し、例えば、産業用ロボットに好適である。
【符号の説明】
【0034】
1 ロータリーアクチュエーター
3 メインフレーム
5 プーリー収容部
7 ベルト貫通部
9 ケーブル用凹部
13 ケーブル用貫通孔
21 モーター・回転軸用ブラケット
31 モーター
33 出力軸
35 第1プーリー
37 エンコーダー
39 コントローラー
41 回転軸
47 第2プーリー
49 第1ベルト
53 ケーブル用貫通孔
61 ブレーキ
73 ケーブル(ブレーキ用ケーブル)
75 第3プーリー
91 回転テーブル
125 第4プーリー
127 第2ベルト
131 ケーブル用貫通孔