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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172814
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】製品入り外袋及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/20 20060101AFI20241205BHJP
   B65D 75/30 20060101ALI20241205BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65D75/20
B65D75/30
B65D33/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090798
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 ▲隆▼之
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA04
3E064AA08
3E064BA26
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA38
3E064BA39
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA12
3E064GA01
3E064HN13
3E067AA12
3E067AB99
3E067AC03
3E067AC11
3E067AC14
3E067BA12A
3E067BA20A
3E067BA32A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067EA04
3E067EA11
3E067EB02
3E067EB22
3E067EC14
3E067EE59
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】本開示は、製袋工程及び充填工程での無人化を図るとともに、製品袋の供給工程において供給ミスの発生を抑制することができる製品袋入り外袋に関し、製品袋の大きさに応じて外袋の外寸を変更することなく、製品袋の整列状態を保持することができる製品入り外袋及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る製品入り外袋100は、筒状外袋11と複数個の製品袋とを備え、収容部7内に製品袋同士をずらしながら筒状外袋11の長手方向Xに沿って一列に積み重ねられた製品袋の整列体3を収容することによって、整列体を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、筒状外袋は、樹脂フィルムを基材15として長手方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、かつ、第1側辺1と、第2側辺2と、開口部16と、封止部14(14b)と、整列体の幅方向Yの動きを制限する整列保持部20と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外包装用の筒状外袋と複数個の製品袋とを備え、前記筒状外袋は収容部を有し、該収容部内に前記製品袋の一部が重なるように前記製品袋同士をずらしながら前記筒状外袋の長手方向に沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋の整列体を収容することによって、該整列体を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、
前記筒状外袋は、樹脂フィルムを基材として前記長手方向に沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、かつ、前記長手方向に延びる第1側辺と、該第1側辺に平行する第2側辺と、前記長手方向に沿って開口する少なくとも一つの開口部と、該開口部を封止する封止部と、前記整列体の幅方向の動きを制限する整列保持部と、を有することを特徴とする製品入り外袋。
【請求項2】
前記整列保持部は、前記第1側辺と前記整列体の幅方向の前記第1側辺側の側端との間に位置する第1シール、若しくは、前記第2側辺と前記整列体の幅方向の前記第2側辺側の側端との間に位置する第2シールのいずれか一方又は両方を含み、
前記第1シール及び前記第2シールは、対面し合う前記基材の内壁面同士を接着した接着部であることを特徴とする請求項1に記載の製品入り外袋。
【請求項3】
前記開口部は、前記第2側辺に設けられ、
前記封止部は、前記整列体の幅方向の前記第2側辺側に位置して咬合された嵌合具であることを特徴とする請求項2に記載の製品入り外袋。
【請求項4】
前記整列保持部が前記第1シールだけであることを特徴とする請求項3に記載の製品入り外袋。
【請求項5】
前記整列保持部が前記第1シール及び前記第2シールの両方であることを特徴とする請求項3に記載の製品入り外袋。
【請求項6】
前記第2シールは剥離可能なシールであることを特徴とする請求項5に記載の製品入り外袋。
【請求項7】
前記筒状外袋は、前記第1シールと前記第1側辺との間に位置する第3シール、若しくは、前記第2シールと前記第2側辺との間に位置する第4シール、のいずれか一方又は両方を更に有し、
前記第3シール及び前記第4シールは、対面し合う前記基材の内壁面同士を接着した接着部であることを特徴とする請求項2に記載の製品入り外袋。
【請求項8】
前記整列保持部は、前記整列体の積み重ね面のうち少なくともいずれか一方の面上に位置する合掌シールを含み、
該合掌シールは、前記基材を前記筒状外袋の外側に向けて所定幅で突出させて、突出させた部分で対面し合う前記基材の内壁面同士を接着した接着部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製品入り外袋。
【請求項9】
前記開口部は、前記整列体の積み重ね面のうちいずれか一方の面上に位置しており、
前記合掌シールは、前記封止部と一体に設けられるか又は前記封止部と並列して設けられる第1合掌シールを含むことを特徴とする請求項8に記載の製品入り外袋。
【請求項10】
前記合掌シールは、前記第1合掌シールに加えて、前記整列体の積み重ね面のうち該第1合掌シールが設けられた側とは反対側の面上に位置する第2合掌シールを含むことを特徴とする請求項9に記載の製品入り外袋。
【請求項11】
前記開口部は、前記第1側辺に設けられた第1開口部と、前記第2側辺に設けられた第2開口部とを含み、
前記封止部は、前記第1開口部を封止する第1封止部と、前記第2開口部を封止する第2封止部と、を含み、
前記合掌シールは、前記整列体の積み重ね面のうち一方の面上に位置する第3合掌シールと、前記整列体の積み重ね面のうち他方の面上に位置する第4合掌シールと、を含み、
前記第3合掌シール及び前記第4合掌シールは、それぞれ、前記第1封止部と前記第2封止部との間に配置されることを特徴とする請求項8に記載の製品入り外袋。
【請求項12】
外包装用の筒状外袋と複数個の製品袋とを備え、前記筒状外袋は収容部を有し、該収容部内に前記製品袋の一部が重なるように前記製品袋同士をずらしながら前記筒状外袋の長手方向に沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋の整列体を収容することによって、該整列体を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、
基材として帯状の第1基材部上に、該第1基材部の長手方向に沿って前記製品袋の一部が重なるように前記製品袋同士をずらしながら前記製品袋を積み重ねて前記整列体を形成する整列工程と、
該整列体が載せられた前記第1基材部の幅方向に連接して一体に設けられた第2基材部を前記整列体の上に折り重ねて前記整列体を包むとともに、対面し合う前記第1基材部と前記第2基材部との幅方向の縁部同士を接合して前記基材を筒状に成形して前記収容部を形成するか、又は
該整列体が載せられた前記第1基材部に前記基材として第1基材部とは別体の樹脂フィルムである第2基材部を重ね合わせて前記第1基材部と前記第2基材部との間で前記整列体を挟むとともに、重ね合わされた前記第1基材部及び前記第2基材部の幅方向の両縁部において、対面し合う前記第1基材部と前記第2基材部とを接合して前記基材を筒状に成形して前記収容部を形成する包装工程と、
該収容部の幅を前記整列体の幅に合わせて減少させて前記整列体の幅方向の動きを制限する整列保持部を設ける整列保持部形成工程と、を有することを特徴とする製品入り外袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品入り外袋及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、販売の目的とされる商品を直接包装する形態を一次包装という。一次包装用の資材としては、一般的に、段ボール箱などの箱又は袋が採用される。一次包装の形態とされた商品を決められた数量に従い、さらに箱又は袋に包装する形態を二次包装という。商品は一次包装又は二次包装の形態にて消費者に渡される。さらに、二次包装の形態の商品を決められた数量に従い、バルクハンドリング、倉庫保管及び輸送等の目的のために梱包箱等に入れる形態を三次包装という。また、一次包装の形態にされた商品を、二次包装の形態とせずに、三次包装の形態とすることもある。
【0003】
製袋メーカーにとって、販売目的とされる商品は包装資材となる袋体である(例えば、特許文献1を参照。)。以降、商品となる袋体と一次包装用の袋とを区別するために、商品となる袋体を「製品袋」といい、一次包装用の袋を「外袋」と称することがある。
【0004】
一般的に、製品袋を包んだ外袋は、製袋メーカーで製造された後箱詰めされて、充填工場などに搬送される。そして、製品袋が外袋から1枚ずつ取り出されて、内容物が充填されることによってパウチ製品として製品化される。製袋工程と充填工程とをインライン化すれば、製袋工程での箱詰め作業及び充填工程での給袋作業を省略することができる。しかし、製袋工程と充填工程とをインライン化するためには、機械スペースを確保する必要があるし、製袋工程と充填工程との異なる領域の熟練した技術を有するそれぞれの人材が必要となって人材の確保が難しい問題がある。さらに、各々の工程でのロスの発生、その他諸々の管理及びそれに伴うコスト高などの問題もある。このようにインライン化には様々な障壁が存在し総合的に採算が合わないケースが見受けられる。このため、製袋工程を請け負う製袋メーカーと内容物の充填業務を行うメーカーとがそれぞれ別個で存在しているのが実状である。
【0005】
このような状況において、製袋工程の最終工程で製袋機によって製袋された製品袋の受取り作業、受け取った製品袋の外袋への袋詰め作業及び製品袋を包んだ外袋の箱詰め作業が人の手で行われており、重労働になっていた。また、充填工程の最初の工程で製品袋を充填機に供給する作業が人の手で行われており、重労働になっていた。製品袋を整列させなければ充填機のエラーが起こりやすく、時間的ロスに加えて製品ロスにもつながるため、熟練した人材が求められ、その人材の確保も困難な状況が続いている。
【0006】
本出願人は、製袋から箱詰めまでの人的作業の省力化を図るべく、外包装用の外袋を嵌合具付き筒状外袋又は筒状外袋の形態とし、また、製品である袋体の一部が重なるように連続して一列に積み重ねられた複数個の袋体を、外装用の嵌合具付き筒状外袋又は外装用の筒状外袋で包み込み、袋体の積み重ね状態を保持したままで一体化させた製品入り外袋を提案している(例えば、特許文献2~7を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018‐8728号公報
【特許文献2】特開2018‐122939号公報
【特許文献3】特開2018‐188224号公報
【特許文献4】特開2018‐188225号公報
【特許文献5】特開2018‐188226号公報
【特許文献6】特開2018‐193134号公報
【特許文献7】特開2018‐193135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2~7では、外袋の収容部の幅が、袋体の整列体の幅よりも少しだけ大きい形態だけが図示されている。しかし、袋体の種類によって、整列体の幅はまちまちであるところ、袋体の整列状態をより確実に保持するためには、袋体の大きさに合わせて、整列体の幅よりも少しだけ大きめの幅を有する収容部となるように外袋をその都度用意する必要があった。この場合、袋体の大きさによって製品入り外袋の外寸が変更されるため、製品入り外袋の外寸に応じて、給袋装置の設定変更又は給袋装置自体の設計変更が求められ、費用、時間及び場所が必要となり非効率であった。
【0009】
本開示は、製袋工程での製品袋の受け取り工程及び箱詰め工程並びに充填工程での製品袋の供給工程の無人化を図るとともに、製品袋の供給工程において供給ミスの発生を抑制することができる製品袋入り外袋に関し、製品袋の大きさに応じて外袋の外寸を変更することなく、製品袋の整列状態を保持することができる製品入り外袋及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る製品入り外袋は、外包装用の筒状外袋と複数個の製品袋とを備え、前記筒状外袋は収容部を有し、該収容部内に前記製品袋の一部が重なるように前記製品袋同士をずらしながら前記筒状外袋の長手方向に沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋の整列体を収容することによって、該整列体を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、前記筒状外袋は、樹脂フィルムを基材として前記長手方向に沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、かつ、前記長手方向に延びる第1側辺と、該第1側辺に平行する第2側辺と、前記長手方向に沿って開口する少なくとも一つの開口部と、該開口部を封止する封止部と、前記整列体の幅方向の動きを制限する整列保持部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る製品入り外袋では、前記整列保持部は、前記第1側辺と前記整列体の幅方向の前記第1側辺側の側端との間に位置する第1シール、若しくは、前記第2側辺と前記整列体の幅方向の前記第2側辺側の側端との間に位置する第2シールのいずれか一方又は両方を含み、前記第1シール及び前記第2シールは、対面し合う前記基材の内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。より容易に整列体の幅方向の動きを制限することができる。
【0012】
本発明に係る製品入り外袋では、前記開口部は、前記第2側辺に設けられ、前記封止部は、前記整列体の幅方向の前記第2側辺側に位置して咬合された嵌合具である形態を包含する。
【0013】
本発明に係る製品入り外袋では、前記整列保持部が前記第1シールだけであることが好ましい。製品入り外袋を、第2側辺側を下に向けた状態で垂下し、嵌合具の咬合を外すという動作で、製品袋を整列した状態で給袋装置に製品袋を効率的に供給することができる。
【0014】
本発明に係る製品入り外袋では、前記整列保持部が前記第1シール及び前記第2シールの両方である形態を包含する。
【0015】
本発明に係る製品入り外袋では、前記第2シールは剥離可能なシールであることが好ましい。製品入り外袋を、第2側辺側を下に向けた状態で垂下し、接着部及び第2シールを剥離するという動作又は嵌合具の咬合を外しつつ第2シールを剥離するという動作で、製品袋を整列した状態で給袋装置に製品袋を効率的に供給することができる。
【0016】
本発明に係る製品入り外袋では、前記筒状外袋は、前記第1シールと前記第1側辺との間に位置する第3シール、若しくは、前記第2シールと前記第2側辺との間に位置する第4シール、のいずれか一方又は両方を更に有し、前記第3シール及び前記第4シールは、対面し合う前記基材の内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。第1シールから第1側辺までの距離が長い場合、及び/又は、第2シールから第2側辺までの距離が長い場合、給袋工程において製品入り外袋の上端部及び/又は下端部がめくれたりカールしたりすることを抑制することができる。
【0017】
本発明に係る製品入り外袋では、前記整列保持部は、前記整列体の積み重ね面のうち少なくともいずれか一方の面上に位置する合掌シールを含み、該合掌シールは、前記基材を前記筒状外袋の外側に向けて所定幅で突出させて、突出させた部分で対面し合う前記基材の内壁面同士を接着した接着部である形態を包含する。
【0018】
本発明に係る製品入り外袋では、前記開口部は、前記整列体の積み重ね面のうちいずれか一方の面上に位置しており、前記合掌シールは、前記封止部と一体に設けられるか又は前記封止部と並列して設けられる第1合掌シールを含むことが好ましい。開口部が整列体の積み重ね面上に位置する製品入り外袋において、より効率的に整列体の幅方向の動きを制限することができる。
【0019】
本発明に係る製品入り外袋では、前記合掌シールは、前記第1合掌シールに加えて、前記整列体の積み重ね面のうち該第1合掌シールが設けられた側とは反対側の面上に位置する第2合掌シールを含むことが好ましい。整列体の幅に応じて第1合掌シールに加えて第2合掌シールを設けることで、より効率的に整列体の幅方向の動きを制限することができる。
【0020】
本発明に係る製品入り外袋では、前記開口部は、前記第1側辺に設けられた第1開口部と、前記第2側辺に設けられた第2開口部とを含み、前記封止部は、前記第1開口部を封止する第1封止部と、前記第2開口部を封止する第2封止部と、を含み、前記合掌シールは、前記整列体の積み重ね面のうち一方の面上に位置する第3合掌シールと、前記整列体の積み重ね面のうち他方の面上に位置する第4合掌シールと、を含み、前記第3合掌シール及び前記第4合掌シールは、それぞれ、前記第1封止部と前記第2封止部との間に配置されることが好ましい。開口部として第1開口部及び第2開口部を有する製品入り外袋において、より効率的に整列体の幅方向の動きを制限することができる。
【0021】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法は、外包装用の筒状外袋と複数個の製品袋とを備え、前記筒状外袋は収容部を有し、該収容部内に前記製品袋の一部が重なるように前記製品袋同士をずらしながら前記筒状外袋の長手方向に沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋の整列体を収容することによって、該整列体を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、基材として帯状の第1基材部上に、該第1基材部の長手方向に沿って前記製品袋の一部が重なるように前記製品袋同士をずらしながら前記製品袋を積み重ねて前記整列体を形成する整列工程と、該整列体が載せられた前記第1基材部の幅方向に連接して一体に設けられた第2基材部を前記整列体の上に折り重ねて前記整列体を包むとともに、対面し合う前記第1基材部と前記第2基材部との幅方向の縁部同士を接合して前記基材を筒状に成形して前記収容部を形成するか、又は該整列体が載せられた前記第1基材部に前記基材として第1基材部とは別体の樹脂フィルムである第2基材部を重ね合わせて前記第1基材部と前記第2基材部との間で前記整列体を挟むとともに、重ね合わされた前記第1基材部及び前記第2基材部の幅方向の両縁部において、対面し合う前記第1基材部と前記第2基材部とを接合して前記基材を筒状に成形して前記収容部を形成する包装工程と、該収容部の幅を前記整列体の幅に合わせて減少させて前記整列体の幅方向の動きを制限する整列保持部を設ける整列保持部形成工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、製袋工程での製品袋の受け取り工程及び箱詰め工程並びに充填工程での製品袋の供給工程の無人化を図るとともに、製品袋の供給工程において供給ミスの発生を抑制することができる製品袋入り外袋に関し、製品袋の大きさに応じて外袋の外寸を変更することなく、製品袋の整列状態を保持することができる製品入り外袋及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】製品入り外袋を説明するための正面概略図である。
図2図2のA-A線断面図である。
図3図2のB-B線断面図である。
図4】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シールである形態を示す。
図5】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シール及び第2シールである形態を示す。
図6】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シールであり、封止部が嵌合具である形態を示す。
図7】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シール及び第2シールであり、封止部が嵌合具である形態を示す。
図8】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、筒状外袋が、第1シール及び第3シールを有する形態を示す。
図9】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、筒状外袋が、第1シール、第2シール及び第3シールを有する形態を示す。
図10】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、筒状外袋が、第1シール、第2シール、第3シール及び第4シールを有する形態を示す。
図11】本実施形態に係る製品入り外袋の第二例を示す正面概略図であり、整列保持部が合掌シールである形態を示す。
図12図11のC-C線断面図である。
図13】本実施形態に係る製品入り外袋の第三例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1合掌シール及び第2合掌シールである形態を示す。
図14図13のD-D線断面図である。
図15】本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法を説明するための概略図であり、整列工程及び包装工程を説明するための図である。
図16】本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法を説明するための概略図であり、図15で説明した包装工程を終えた状態を示す図である。
図17】本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法を説明するための概略図であり、整列保持部形成工程を説明するための図である。
図18】本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法を説明するための概略図であり、整列工程及び包装工程の別の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0025】
まず、図1図3を参照して、製品入り外袋の基本的な構造について説明する。製品入り外袋900は、図1に示すように、外包装用の筒状外袋11と複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnとを備え、筒状外袋11は収容部7を有し、収容部7内に製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの一部が重なるように製品袋p1,p2,p3,p4・・・pn同士をずらしながら筒状外袋11の長手方向Xに沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの整列体3を収容することによって、整列体3を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、筒状外袋11は、樹脂フィルムを基材15とし、長手方向Xに延びる第1側辺1と、第1側辺1に平行する第2側辺2と、長手方向Xに沿って設けられた少なくとも一つの開口部16と、を有し、開口部16は、封止部14(14a)で封止されている。
【0026】
基材15としての樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂であり、下記<1>~<29>に例示するもののうちから任意のものが採用されるが、本実施形態では特に限定されない。
<1> 高密度ポリエチレン(HDPE)
<2> 中密度ポリエチレン(MDPE)
<3> 低密度ポリエチレン(LDPE)
<4> ポリプロピレン(PP)
<5> ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
<6> ポリ塩化ビニル(PVC)
<7> ポリスチレン(PS)
<8> ポリ酢酸ビニル(PVAc)
<9> ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
<10> ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
<11> AS樹脂(SAN)
<12> アクリル樹脂(PMMA)
<13> ポリアミド(PA)/商品名ナイロン
<14> ポリアセタール(POM)
<15> ポリカーボネート(PC)
<16> 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)
<17> ポリブチレンテレフタレート(PBT)
<18> ポリエチレンテレフタレート(PET)
<19> 環状ポリオレフィン(COP)
<20> ポリフェニレンスルファイド(PPS)
<21> ポリサルフォン(PSF)
<22> ポリエーテルサルフォン(PES)
<23> 非晶ポリアリレート(PAR)
<24> 液晶ポリマー(LCP)
<25> ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<26> 熱可塑性ポリイミド(PI)
<27> ポリアミドイミド(PAI)
<28> 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
<29> フッ素樹脂(PTFE)
また、単層フィルムからなる基材15の厚さは0.2~1.5mm程度のものが望ましく、複層フィルムからなる基材15の厚さは0.4~2.0mm程度が望ましい。
【0027】
基材15は、図2に示すように、重ね合わされた第1基材部15aと第2基材部15bとを有する。第1基材部15aと第2基材部15bとは、図2に示すように、短手方向に連続した1枚のシートであり、折り返して重ね合わされた形態とするか、又は図14に示すように、別体のシートであり、2枚のシートを重ね合わせた形態としてもよい。図2において、第2基材部15bは図1における表側の面(図示されている面)を構成しており、第1基材部15aは図1における裏側の面(図示されていない面)を構成しているが、第1基材部15a及び第2基材部15bは便宜上の名称であり、第1基材部15aが表側の面を構成し、第2基材部15bが裏側の面を構成していてもよい。
【0028】
筒状外袋11は一次包装用となる外包装用の袋である。外包装とは、販売の目的とされる商品(商品のみならず、個別に一次包装された商品を含む。)を複数個の単位で、ひとまとまりに包装する形態(二次包装及び三次包装の両方を包含する。)をいう。また、外袋とは、外包装が特に袋体であることをいう。筒状外袋11は、筒内を広げたときに長手方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状を有する。内径(直径)は、例えば1.5~65cmであるが、この範囲に限定されない。また、図1では、一例として筒状外袋11が向かい合う第1側辺1の端部と第2側辺2の端部とをそれぞれ結ぶ短手側辺4,5を有し、短手側辺4,5で封止されて切断された単独袋である形態を示したが、本発明はこれに限定されず、筒状外袋11が短手側辺4,5で複数個連なり、長手方向Xに沿って連続する連続袋である形態(不図示)であってもよい。筒状外袋11が単独袋である場合、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4,・・・,pnを所定枚数単位で容易に管理することができる。また、筒状外袋11が連続袋である場合、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4,・・・,pnを長手方向Xに沿って連続でつながっている配列とするか、又は間欠で配列、すなわち途中で途切れた箇所を有する配列としてもよい。間欠の配列には、例えば、所定枚数の製品袋を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、隙間を設け、続けて同枚数の製品袋を一部が重なるように一列に積み重ねたのち、再度隙間を設け、これを繰り返す配列が好ましい。複数個の製品袋p1,p2,p3,p4,・・・,pnを所定枚数単位で容易に管理することができる。
【0029】
第1側辺1及び第2側辺2は、筒状外袋11の長手方向Xに延びる辺である。短手側辺4,5は、筒状外袋11の短手方向Yに延びる辺である。筒状外袋11の長手方向Xは、整列体3の整列方向と一致し、筒状外袋11の短手方向Yは、整列体3の幅方向と一致する。以降、方向X、Yは、それぞれ整列体3の整列方向X、整列体3の幅方向Yということもある。短手側辺4,5は、向かい合う基材15a,15b同士の接着部又は熱溶着部などの接着シールを有することが好ましい。接着シールは、図1に示すように、短手側辺4,5の全体にわたって連続的に設けられているか、スポットシールなどのように、短手側辺4,5に沿って断続的に設けられていたり(不図示)、短手側辺4,5に部分的に設けられていたりしてもよい(不図示)。また、本明細書では、便宜上、筒状外袋11の長手方向Xに延びる2つの側辺を、それぞれ第1側辺1、第2側辺2と呼称するが、筒状外袋11の長手方向Xに延びる2つの側辺のどちら側が第1側辺1又は第2側辺2であるかは特に限定されない。筒状外袋11の長手方向Xに延びる2つの側辺の一方が他方より下方となるように垂下させた場合、上側となる側辺を第1側辺1、下側となる側辺を第2側辺2と呼ぶことがある。
【0030】
収容部7は、第1基材部15aと第2基材部15bとの間の空間であり、整列体3の収容空間となる。
【0031】
開口部16は、収容部7に連通する開口であり、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの取出し口となる場合がある。図1及び図2では、一例として開口部16が第2側辺2に設けられた形態を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図11及び図12に示すように開口部16が第1側辺1と第2側辺2との間で第1側辺1及び第2側辺2に並列して設けられた形態、図13及び図14に示すように開口部16,17が第1側辺1及び第2側辺2にそれぞれ設けられた形態、又は基材15が1枚の基材15を折り返した折り返し部(不図示)を有する場合、該折り返し部を開口部とする形態(不図示)であってもよい。
【0032】
封止部14は、開口部16を封止する手段であり、図1及び図2に示すように、開口部16の縁に沿って基材15の内壁側に設けられた嵌合具14aの咬合部であることが好ましい。嵌合具14aは、図2に示すように、基材15a,15bの内壁に固定されている。嵌合具14aは、図2では一例として雌雄咬合型の嵌合具である形態を示したが、本発明はこれに限定されず、咬合することによって閉となり、また咬合を外すことで開となる開閉自在の構造を有する限り、いかなる構造であってもよい。封止部14は、例えば、図4に示すように開口部16の縁に沿って基材15a,15bの内壁面同士を接着した接着部14bであってもよい。接着部14bは、基材15a,15bの内壁面同士の熱融着部であるか、又は接着剤などの副資材を介して基材15a,15bの内壁面同士を接着した部分であってもよい。接着部14bは、剥離可能なシールであることが好ましい。本明細書において、剥離可能なシールは、イージーピールシールとも呼ばれ、易開封性を有するシールのことをいう。剥離可能なシールとする方法は、特に限定されず、例えば、基材15a,15bの内表面同士を比較的低温でヒートシールする方法、基材15a,15bの内壁面を構成するシーラントフィルムをイージーピールフィルムとする方法又は基材15a,15bの内壁面にイージーピール性を有する樹脂をコーティングする方法である。開口部16に剥離可能なシールを設けることで、給袋時に開口部16をより容易に開口することができる。また、1枚の基材15を折り返した折り返し部(不図示)を開口部16とする場合、封止部14は、折り返し部(第1側辺1又は第2側辺2)に設けられた、ミシン目加工、傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部(不図示)であってもよい。この脆弱部を切り開くことで、折り返し部が開口されて開口部が形成される。
【0033】
製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnは、商品となる袋体であり、特に限定されないが、例えば、嵌合具6を有するチャック袋と呼ばれる袋(図1に図示)、口栓を有するスパウトパウチと呼ばれる袋(不図示)、スタンディングパウチ(不図示)、ガゼット袋(不図示)又は平袋(不図示)である。製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの外形状は特に限定されず、図1に示すような略四角形状の他、異形状であってもよい。特に、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnが、チャック袋、スパウトパウチ、スタンディングパウチ又はガゼット袋のように、袋の胴部に比べて嵩高い部分がある場合、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnを相互に縁を揃えて積み重ねると、積み重ねられた製品袋の束は、嵩高い部分とそれ以外の部分との厚さの差による凹凸が生じて、束が崩れやすくなったり、製品袋が変形したりすることが懸念され、給袋工程において供給ミスが生じる場合がある。これに対して、本実施形態に係る製品入り外袋では、このような嵩高い部分を有する製品袋であっても、給袋工程における供給ミスの発生を抑制することができる。
【0034】
整列体3では、図3に示すように、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnが、長手方向Xに沿って縁を相互にずらして一列に積み重ねられている。相互にずらす縁は、例えば、製品袋p1の開口部の縁又は製品袋p1の左右の側端である。製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnが嵩高い部分を有する場合、嵩高い部分が重ならないように縁を相互にずらすことが好ましい。図1に示すように、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnがチャック袋である場合を例にとって説明すると、チャック袋では嵌合具6が嵩高い部分となるため、開口部の縁をずらすことで、隣り合う製品袋p1,p2,p3,p4・・・pn間で、嵌合具6同士の重なりが避けられ、図3に示すように、整列体3の厚さを長手方向Xで概ね均一とすることができる。その結果、整列体3の配列が崩れにくく、給袋工程における供給ミスの発生を抑制することができる。ここで、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnは、筒状外袋11において、長手方向(整列体3の整列方向)Xに沿って連続でつながっている配列としてもよく、また、間欠で配列、すなわち途中で途切れた箇所を有する配列としてもよい。本実施形態では、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの一部が重なるように製品袋p1,p2,p3,p4・・・pn同士をずらしながら長手方向Xに沿って一列に積み重ねて製品入り外袋900の形態とすることで、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnは、整列体3を保持したままで一体化される。
【0035】
製品入り外袋900では、筒状外袋11が減圧されていることが好ましく、筒状外袋11に収容された整列体3の積み重ね面と、基材15a,15bの内壁面とが接触し合っていて、整列体3の断面形状を反映して筒状外袋11の断面が細長形状となっていることがより好ましい。製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの整列を固定し安定させることができる。
【0036】
次に、図4を例にとって、本実施形態に係る製品入り外袋について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋100は、図4に示すように、外包装用の筒状外袋11と複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnとを備え、筒状外袋11は収容部7を有し、収容部7内に製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの一部が重なるように製品袋p1,p2,p3,p4・・・pn同士をずらしながら筒状外袋11の長手方向Xに沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋の整列体3を収容することによって、整列体3を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、筒状外袋11は、樹脂フィルムを基材15として長手方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、かつ、長手方向Xに延びる第1側辺1と、第1側辺1に平行する第2側辺2と、長手方向Xに沿って開口する少なくとも一つの開口部16と、開口部16を封止する封止部14(14b)と、整列体3の幅方向Yの動きを制限する整列保持部20と、を有する。
【0037】
本実施形態に係る製品入り外袋は、図4図10に示す第一例の製品入り外袋100、図11及び図12に示す第二例の製品入り外袋200並びに図13及び図14に示す第三例の製品入り外袋300を包含する。
【0038】
本実施形態に係る製品入り外袋では、図1に示すように、収容部7の幅D1が整列体3の幅D2よりもわずかに大きいことが好ましい。図1では、収容部7の幅D1は、第1側辺1の内縁と封止部14の内縁との距離である。収容部7の幅D1と整列体3の幅D2との差が小さいほど、収容部7の第1側辺1側の内縁と整列体3の幅方向Yの第1側辺1側の側端との距離S1(以降、隙間の距離S1ということもある。)及び収容部7の第2側辺2側の内縁と整列体3の幅方向Yの第2側辺2側の側端との距離S2(以降、隙間の距離S2ということもある。)を短くすることができるため、整列体3の配列が崩れにくくなる。隙間の距離S1,S2の合計は、特に限定されないが、例えば、1~10mmの範囲内とすることが好ましい。一般的に製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの種類が複数種類あり、それぞれ外寸が異なることが多い。従来、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの大きさに合わせて、製品袋よりも少しだけ大きめの幅を有する収容部となるように筒状外袋11をその都度用意する対応がされてきた。しかし、従来の対応では、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnの大きさによって製品入り外袋の外寸が変更されることとなり、製品入り外袋の外寸に応じて、基材15の在庫管理、給袋装置の設定の変更又は給袋装置自体の設計変更が求められ、費用、時間及び場所が必要となり非効率となる問題が生じていた。そこで、本発明者は、筒状外袋11のサイズを一般的なサイズの製品袋のうち最大サイズの製品袋の整列体の幅に合わせて規格化し、小さいサイズの製品袋を収容する場合、整列体の幅方向の動きを制限する整列保持部を設けることで、前記問題を解決できることを見出した。より具体的には、本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300では、筒状外袋11を構成する基材15は、収納する製品袋p1を整列させた整列体3の幅に応じてその都度短手方向Yの寸法が設定されるオーダーメード品ではなく、製品袋p1となる袋体のうち整列体3として整列させた時の幅が最大となる製品袋の整列体3の幅に合わせて、短手方向Yの寸法が規格化された既製品であることが好ましい。既製品は、1種類に限定されず、2,3種類用意されていてもよい。例えば、製品袋p1となる袋体を整列体3として整列させた時の幅の長さで例えば大・中・小などの3種類程度に分類し、大・中・小の各分類のうち幅の最大値に合わせて、複数種類の既製品(基材15)を用意してもよい。整列体の幅の最大値及び既製品としての基材15の幅は、特に限定されないが、例えば、大の分類の整列体の幅の最大値が600mmである場合、既製品(大)として筒状外袋11の短手方向Yの内寸が610~650mmの範囲内となる基材15、中の分類の整列体の幅の最大値が400mmである場合、既製品(中)として筒状外袋11の短手方向Yの内寸が410~450mmの範囲内となる基材15、小の分類の整列体の幅の最大値が200mmである場合、既製品(小)として筒状外袋11の短手方向Yの内寸が210~250mmの範囲内となる基材15、の3種類の基材15を既成品として用意してもよい。ここで例示した整列体の幅の最大値及び既製品としての基材15の幅はあくまでも例示であり、本発明はこれらに限定されない。基材15を既製品とすることで、低コスト化ができ、在庫管理が容易となり、保管場所を省スペース化することができる。
【0039】
(第一例の製品入り外袋)
第一例の製品入り外袋100は、図4及び図5に示すように、開口部16が少なくとも第2側辺2にあり、該開口部16が製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの取出し口となる形態であって、整列保持部20が、第1側辺1と整列体3の幅方向Yの第1側辺側の側端との間に位置する第1シール21、若しくは、第2側辺2と整列体3の幅方向Yの第2側辺2側の側端との間に位置する第2シール22(例えば図5に図示)のいずれか一方又は両方を含む形態である。
【0040】
第1シール21及び/又は第2シール22は、例えば、向かい合う基材15の内壁面同士を接着した接着部又は熱融着部であるか、又は向かい合う基材15の内壁面に設けられた嵌合具の咬合部であってもよい。より容易に形成できる点で、第1シール21及び/又は第2シール22は、向かい合う基材15の内壁面同士を接着した接着部又は熱融着部であることがより好ましい。
【0041】
本実施形態に係る第一例の製品入り外袋100では、図4に示すように、整列保持部20は、第1側辺1と整列体3の幅方向Yの第1側辺側の側端との間に位置する第1シール21を含み、第1シール21は、対面し合う基材15の内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。より容易に整列体3の幅方向Yの動きを制限することができる。
【0042】
図4に示す製品入り外袋100では、図1に示す製品入り外袋900と比較して、整列体3の幅D2が収容部7の幅D1よりも小さく、隙間の距離S1,S2が長いため、整列体3が幅方向Yに動いて配列が乱れるおそれがあったところ、第1シール21を設けることで、第1シール21の内縁と整列体3の幅方向Yの第1側辺1側の側端との距離T1(以降、整列保持部形成後の隙間の距離T1ということもある。)及び収容部7の第2側辺2側の内縁と整列体3の幅方向Yの第2側辺2側の側端との距離T2(以降、整列保持部形成後の隙間の距離T2ということもある。)の合計が、隙間の距離S1,S2の合計よりも短くなるため、整列体3の幅方向Yでの動きが制限される。整列保持部形成後の隙間の距離T1,T2は、例えば、1~10mmの範囲内とすることが好ましい。整列保持部20を設けることで、収容部7の幅D1を縮小したことと同様の作用効果が得られる。
【0043】
図4に示す製品入り外袋100は、封止部14として接着部14bを有し、整列保持部20として第1シール21だけを有する。このような製品入り外袋100を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、開口部16を開口して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出す場合、接着部14bを剥離するか又は接着部14bの近傍で基材15を刃物などで切断するという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0044】
図5は、本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シール及び第2シールである形態を示す。本実施形態に係る第一例の製品入り外袋100では、図5に示すように、整列保持部20は、第1側辺1と整列体3の幅方向Yの第1側辺側の側端との間に位置する第1シール21、及び、第2側辺2と整列体3の幅方向Yの第2側辺2側の側端との間に位置する第2シール22の両方を含み、第1シール21及び第2シール22は、対面し合う基材15の内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。より容易に整列体3の幅方向Yの動きを制限することができる。
【0045】
図5に示す製品入り外袋100では、図4に示す製品入り外袋100と比較して、整列体3の幅D2が収容部7の幅D1よりも更に短く、隙間の距離S1,S2が非常に長い。このように、隙間の距離S1,S2が長い場合は、第1シール21に加えて、第2シール22を設けることで、整列保持部形成後の隙間の距離T1,T2の合計を、隙間の距離S1,S2の合計よりも短くすることができるため、整列体3の幅方向Yでの動きを制限することができる。
【0046】
図5に示す製品入り外袋100は、封止部14として接着部14bを有し、整列保持部20として第1シール21及び第2シール22を有する。このような製品入り外袋100を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、開口部16を開口して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出す場合、接着部14b及び第2シール22を剥離するか又は第2シール22の近傍で基材15を刃物などで切断するという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0047】
本実施形態では、隙間の距離S1,S2の大きさに応じて、整列保持部20として第1シール21又は第2シール22のいずれか一方だけを設けるか、第1シール21及び第2シール22の両方を設けるかを、適宜選択することができる。
【0048】
図6は、本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シールであり、封止部が嵌合具である形態を示す。本実施形態に係る製品入り外袋100では、開口部16は、第2側辺2に設けられ、封止部14は、整列体3の幅方向Yの第2側辺2側に位置して咬合された嵌合具14aであることが好ましい。
【0049】
封止部14が嵌合具14aである場合、整列保持部20は、図6に示すように、第1シール21だけであることが好ましい。整列体3と嵌合具14aとの間で収容部7が区画されていないため、製品入り外袋100を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、嵌合具14aの咬合を外すという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0050】
図6に示す製品入り外袋100は、封止部14として嵌合具14aを有し、整列保持部20として第1シール21だけを有する。このような製品入り外袋100を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、開口部16を開口して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出す場合、嵌合具14aの咬合を外すという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0051】
図7は、本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、整列保持部が第1シール及び第2シールであり、封止部が嵌合具である形態を示す。封止部14が嵌合具14aである場合、整列保持部20は、図7に示すように、第1シール21及び第2シール22の両方である形態を包含する。
【0052】
図7に示す製品入り外袋100は、封止部14として嵌合具14aを有し、整列保持部20として第1シール21及び第2シール22を有する。このような製品入り外袋100を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、開口部16を開口して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出す場合、嵌合具14aの咬合を外し、第2シール22を剥離するか又は第2シール22の近傍で基材15を刃物などで切断するという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0053】
本実施形態に係る製品入り外袋100では、第2シール22は剥離可能なシールであることが好ましい。製品入り外袋を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、開口部16を開口して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出す場合に、容易に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出すことができる。例えば図5に示すように、封止部14が接着部14bである場合、接着部14bを剥離するか又は基材15を切断しつつ第2シール22を剥離するという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。また、例えば図7に示すように、封止部14が嵌合具14aである場合、嵌合具14aの咬合を外しつつ第2シール22を剥離するという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0054】
図8は、本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、筒状外袋が、第1シール及び第3シールを有する形態を示す。本実施形態に係る製品入り外袋100では、筒状外袋11は、第1シール21と第1側辺1との間に位置する第3シール23を更に有し、第3シール23は、対面し合う基材15の内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。例えば、整列体3の幅D2が短くて、隙間の距離S1,S2が長い場合、第1シール21から第1側辺1までの距離が長くなり、製品入り外袋100を、第2側辺2側を下側にして垂下状態とした時に筒状外袋11の上端部がめくれたりカールしたりするおそれがある。そうすると、給袋工程において、垂下状態の製品入り外袋100の下端(第2側辺2)側を開口させて製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを落下させて取り出す時、製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの整列が乱れる場合がある。そこで、本実施形態では、第3シール23を設けることで、筒状外袋11の上端部が平坦状に保持されるため、筒状外袋11の上端部のめくれやカールを抑制して、給袋工程において整列状態を保持して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを供給することができる。
【0055】
図9は、本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、筒状外袋が、第1シール、第2シール及び第3シールを有する形態を示す。本実施形態に係る製品入り外袋100では、図9に示すように、筒状外袋11は、第1シール21と第1側辺1との間に位置する第3シール23を更に有し、第3シール23は、対面し合う基材15a,15bの内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。第1シール21から第1側辺1までの距離が長い場合、第3シール23を設けることで、給袋工程において製品入り外袋の上端部がめくれたりカールしたりすることを抑制することができる。その結果、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnをより確実に供給することができる。
【0056】
図10は、本実施形態に係る製品入り外袋の第一例の変形例を示す正面概略図であり、筒状外袋が、第1シール、第2シール、第3シール及び第4シールを有する形態を示す。本実施形態に係る製品入り外袋100では、図10に示すように、筒状外袋は、第3シール23に加えて、第2シール22と第2側辺2との間に位置する第4シール24を更に有していてもよい。第4シール24は、対面し合う基材15a,15bの内壁面同士を接着した接着部であることが好ましい。例えば、整列体3の幅D2が更に短くて、第3シール23を設けただけでは、垂下状態での筒状外袋11の上端部のめくれやカールの抑制効果が不足する場合、第4シール24を更に設けることで、筒状外袋11の上端部及び下端部が平坦状に保持されるため、筒状外袋11の上端部及び下端部のめくれやカールを抑制して、給袋工程において整列状態を保持して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを供給することができる。
【0057】
図10に示す製品入り外袋100では、封止部14b、第2シール22及び第4シール24は、剥離可能なシールであることが好ましい。これによって、製品入り外袋100を、第2側辺2側を下に向けた状態で垂下し、開口部16を開口して製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出す場合、封止部14b、第2シール22及び第4シール24を剥離するという動作で、整列体3を保持した状態で給袋装置に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを効率的に供給することができる。
【0058】
図9及び図10では、筒状外袋11が整列保持部として第1シール21及び第2シール22を有する形態を示したが、本発明はこれに限定されず、整列保持部として第1シール21だけ又は第2シール22だけを有している筒状外袋11において、第3シール23及び/又は第4シール24を設けてもよい。また、図9において、第3シール23を設けず、第1シール21、第2シール22及び第4シール24を設けてもよい。
【0059】
図8図10に示す製品入り外袋100では、第3シール23が第1シール21と一体に設けられ、1本の幅広シールとしてもよいし、第4シール24が第2シール22と一体に設けられ、1本の幅広シールとしてもよい。
【0060】
図4図10に示す製品入り外袋100では、開口部16が第2側辺2だけにある形態を例にとって説明してきたが、製品入り外袋100は、開口部16に加えて第1側辺1に開口部(不図示)を更に有していてもよい。
【0061】
(第二例の製品入り外袋)
第二例の製品入り外袋200は、図11及び図12に示すように、整列保持部20が、整列体3の積み重ね面のうち少なくともいずれか一方の面上に位置する合掌シール25(図12に図示)を含む形態である。合掌シール25は、背貼りシールとも呼ばれ、基材15bを筒状外袋11の外側(収容部7側とは反対側)に向けて所定幅で突出させて、突出させた部分で対面し合う基材15bの内壁面同士を接着した接着部である。第二例の製品入り外袋200は、開口部16の位置及び整列保持部20の形態が異なる以外は、第一例の製品入り外袋100と基本的な構成を同じくする。ここでは、共通する構成について説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0062】
合掌シール25は、例えば、向かい合う基材15bの内壁面同士を接着した接着部又は熱融着部であるか、又は向かい合う基材15bの内壁面に設けられた嵌合具の咬合部であってもよい。より容易に形成できる点で、合掌シール25は、向かい合う基材15bの内壁面同士を接着した接着部又は熱融着部であることがより好ましい。
【0063】
本実施形態に係る第二例の製品入り外袋200では、開口部16は、図11及び図12に示すように、整列体3の積み重ね面のうちいずれか一方の面上に位置しており、合掌シール25は、封止部14と一体に設けられる第1合掌シール25aを含むことが好ましい。開口部16が整列体3の積み重ね面上に位置する製品入り外袋200において、より効率的に整列体3の幅方向の動きを制限することができる。図12では、第1合掌シール25aが封止部14と一体である形態を示したが、本発明はこれに限定されず、第1合掌シール25aは、封止部14とは別に、封止部14と並列して設けられていてもよい。また、図示しないが、本実施形態に係る第二例の製品入り外袋200では、合掌シール25が第1合掌シール25aである場合、開口部16は、整列体3の積み重ね面上ではなく、第2側辺2に設けられていてもよい。
【0064】
本実施形態に係る第二例の製品入り外袋200では、合掌シール25は、第1合掌シール25aに加えて、整列体の積み重ね面のうち第1合掌シール25aが設けられた側とは反対側の面上に位置する第2合掌シール(不図示)を含むことが好ましい。第1合掌シール25aが、図12に示すように第2基材15b側に設けられる場合、第2合掌シールは、第1基材部15a側に設けられる。第2合掌シールは、図12において、第1基材部15aを筒状外袋11の外側に所定幅で突出させて、突出させた部分で対面し合う第1基材部15aの内壁面同士を接着した接着部である。整列体3の幅に応じて第1合掌シール25aに加えて第2合掌シールを設けることで、より効率的に整列体の幅方向の動きを制限することができる。また、図示しないが、本実施形態に係る第二例の製品入り外袋200では、整列保持部20として第1合掌シール25a及び第2合掌シールを含む場合、開口部16は、整列体3の積み重ね面上ではなく、第1側辺1及び/又は第2側辺2に設けられていてもよい。
【0065】
第二例の製品入り外袋200では、給袋工程において、開口部16を開口して基材15を観音開きのように開いて製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出すか、又は第2側辺2側が下側となるように製品入り外袋200を垂下状態で保持し、第2側辺2を刃物などで切断して開口するか第2側辺2に脆弱部を設けて脆弱部から開口して、製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを取り出してもよい。
【0066】
(第三例の製品入り外袋)
第三例の製品入り外袋300は、図13及び図14に示すように、開口部16が第1側辺1に設けられた第1開口部17と第2側辺2に設けられた第2開口部16とを有する形態であって、整列保持部20が、整列体3の積み重ね面上に位置する第3合掌シール25b及び第4合掌シール25c(図14に図示)を含む形態である。第三例の製品入り外袋300は、整列保持部20の形態が異なる以外は、第一例の製品入り外袋100と基本的な構成を同じくする。ここでは、共通する構成について説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0067】
本実施形態に係る第三例の製品入り外袋300では、図13及び図14に示すように、開口部は、第1側辺1に設けられた第1開口部17と、第2側辺2に設けられた第2開口部16とを含み、封止部は、第1開口部17を封止する第1封止部14a1と、第2開口部16を封止する第2封止部14a2と、を含み、合掌シール25は、整列体3の積み重ね面のうち一方の面上に位置する第3合掌シール25bと、整列体3の積み重ね面のうち他方の面上に位置する第4合掌シール25cと、を含み、第3合掌シール25b及び第4合掌シール25cは、それぞれ、第1封止部14a1と第2封止部14a2との間に配置されることが好ましい。第3合掌シール25b及び第4合掌シール25cは、第2合掌シールと同様に、第1基材部15a及び第2基材部15bを、それぞれ筒状外袋11の外側に所定幅で突出させて、突出させた部分で対面し合う第1基材部15aの内壁面同士及び第2基材部15bの内壁面同士をそれぞれ接着させて形成することができる。開口部として第1開口部17及び第2開口部16を有する製品入り外袋300において、より効率的に整列体3の幅方向の動きを制限することができる。
【0068】
次に、本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300の製造方法の一例について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300の製造方法は、図4図14に示すように、外包装用の筒状外袋11と複数個の製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnとを備え、筒状外袋11は収容部7を有し、収容部7内に製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの一部が重なるように製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pn同士をずらしながら筒状外袋11の長手方向Xに沿って一列に積み重ねられた複数個の製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの整列体3を収容することによって、整列体3を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、図15に示すように、基材15として帯状の第1基材部15a上に、第1基材部15aの長手方向Xに沿って製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの一部が重なるように製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pn同士をずらしながら製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnを積み重ねて整列体3を形成する整列工程と、図16に示すように、整列体3が載せられた第1基材部15aの短手方向に連接して一体に設けられた第2基材部15bを整列体3の上に折り重ねて整列体を包むとともに、対面し合う第1基材部15aと第2基材部15bとの幅方向の縁部同士を接合して基材を筒状に成形して収容部7を形成するか、又は図18に示すように、整列体3が載せられた第1基材部15aに基材として第1基材部15aとは別体の樹脂フィルムである第2基材部15bを重ね合わせて第1基材部15aと第2基材部15bとの間で整列体3を挟むとともに、重ね合わされた第1基材部15a及び第2基材部15bの幅方向の両縁部において、対面し合う第1基材部15aと第2基材部15bとを接合して基材を筒状に成形して収容部7を形成する包装工程と、図17に示すように、収容部7の幅を整列体3の幅に合わせて減少させて整列体3の幅方向の動きを制限する整列保持部20を設ける整列保持部形成工程と、を有する。
【0069】
本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特許文献2~7に開示された製品入り外袋の製造方法で用いられた製造装置で製造することができ、特許文献2~7に開示された製造方法に加えて、収容部7の幅を整列体3の幅に合わせて減少させて整列体3の幅方向の動きを制限する整列保持部20を設ける整列保持部形成工程を行うことで製造することができる。
【0070】
次に、筒状外袋11が、図5に示すように、一つの開口部16を第2側辺2に有し、整列保持部20が、第1シール21及び第2シール22である製品入り外袋100を例にとって製造方法の一例を説明する。まず、基材15の巻取り品を用意する。封止部が図5に示すように接着部14bである場合、基材15として第1基材部15aと第1基材部15bとが短手方向に連接して一体に形成された等幅の樹脂フィルムが例えばボビンなどの巻かれた巻取り品、若しくはインフレーションフィルム成形によって製造された筒状の樹脂フィルムがボビンなどに巻かれた巻取り品を用意する。または、封止部が図6図9に示すように、嵌合具14aである場合、基材15として筒状の樹脂フィルムと一体に形成された嵌合具14aが咬合して筒状となった筒状外袋11の状態で、嵌合具14aが側端に位置するように筒が平坦状につぶされてボビンに巻かれた巻取り品を用意するか、若しくは、基材15として嵌合具14aが接着されていない筒状又は半折された樹脂フィルムの巻取り品を用意し、巻取り品から樹脂フィルムを繰り出しながら樹脂フィルムに嵌合具テープを取り付けてもよい。
【0071】
次いで、巻取り品から基材15を長手方向Xに繰り出しながら、図15に示すように、基材15をフラットのシート状とする。
【0072】
次いで整列工程を行う。整列工程は、特許文献2~7に開示された製品入り外袋の製造方法と同様の方法で行うことができる。具体的には、図15に示すように、広げられて重なりがない状態とされた基材15の上に、基材15の長手方向Xに沿って、製品袋(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)の一部が重なるように連続又は間欠で一列に製品袋を積み重ねていく。図15では、製品袋(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が非配置部40を設けて間欠で一列に製品袋を積み重ねられていく形態を示した。また、製品袋(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、基材15(15a,15b)のうち半折位置Oよりも基材15(15a,15b)の短手方向Yのいずれか一方の縁側に積み重ねられることが好ましく、図15では一例として半折位置Oよりも手前側の縁側である第1基材15a上に積み重ねた形態を示した。ここで、製品袋(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア51に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア51上にある製品袋、例えば、製品袋p4、p5、p6を順次、基材15の上に載せていく。
【0073】
次いで包装工程を行う。包装工程は、特許文献2~7に開示された製品入り外袋の製造方法と同様の方法で行うことができる。具体的には、複数個の製品袋(p1,p2,p3,p4,・・・,pn)が整列した整列体3を載せた基材15を基材15の長手方向Xに移動させながら、図15に示す半折位置Oで半折して、図16に示すように、基材15(15a,15b)で整列体3を包み込むとともに、封止部14bを形成して基材15を筒状に成形し、収容部7を形成する。封止部が接着部14bである場合、包装工程は、ヒートシール機(不図示)によって、基材15の両縁部の内壁面同士を熱溶着して接着部14bを形成する工程であることが好ましい。封止部が嵌合具14aである場合、包装工程は、基材15の両縁部で嵌合具14aを咬合させる工程であることが好ましい。
【0074】
本実施形態に係る製品入り外袋100の製造方法では、整列保持部形成工程は、包装工程後に行うことが好ましい。整列保持部形成工程は、図17に示すように、整列体3の幅に合わせて整列保持部20を形成する工程である。具体的には、包装工程で収容部7内に整列体3を収容した基材15を基材15の長手方向Xに移動させながら整列体3の幅方向の側端の脇で基材15の内壁面同士をヒートシールなどで接着して整列保持部20を形成する。これによって、収容部7の幅が整列体3の幅に合わせて実質的に減少することとなり、整列体3の幅方向の動きが制限される。整列保持部形成工程は、ヒートシール機(不図示)によって、整列体3の幅方向の側端の脇で向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着する工程であることが好ましい。図17では一例として整列保持部20が第1シール21及び第2シール22である形態を示した。
【0075】
図17では、整列保持部形成工程を包装工程後に行う形態を例にとって説明したが、本実施形態では、整列保持部形成工程を行うタイミングは、包装工程後に限定されず、包装工程と同時に行うか、又は包装工程前に行ってもよい。
【0076】
筒状外袋11が、図11及び図12に示すように、一つの開口部16を整列体3の積み重ね面上に有し、整列保持部20が、封止部14と一体に又は並列に設けられる合掌シール25aである製品入り外袋200である場合、整列保持部形成工程は、包装工程と同時に行うことが好ましい。具体的には、基材15として等幅の樹脂フィルムが例えばボビンなどの巻かれた巻取り品を用意し、整列工程において図15に示す半折位置O上に整列体3を形成する。そして、包装工程において基材15の幅方向の両縁部を整列体3の積み重ね面上に配置して、両縁部に沿って、ヒートシール機によって、基材15の内壁面同士を接着又は熱溶着することで封止部14及び合掌シール25aを一体に形成することで、製品入り外袋200を得ることができる。
【0077】
筒状外袋11が、図13及び図14に示すように、開口部16が第1側辺1に設けられた第1開口部17と第2側辺2に設けられた第2開口部16とを有し、整列保持部20が、整列体3の積み重ね面上に位置する第3合掌シール25b及び第4合掌シール25cである場合、整列保持部形成工程は、包装工程の前に行うことが好ましい。具体的には、嵌合具14a1,14a2を二つ有し、嵌合具14a1,14a2がそれぞれ咬合していて、嵌合具14a1,14a2が両側端にそれぞれ位置するように筒が潰された平坦状態でボビンなどに巻かれた巻取り品を用意する。そして、巻取り品から基材15を繰り出して嵌合具14a1,14a2の咬合を外して、2つに分かれた基材15の一方(第1基材部)15aを水平に広げ、基材15の他方(第2基材部)15bを第1基材部15aの上方で水平に広げる。次いで、上下に分割した第1基材部15a及び第2基材部15bのそれぞれについて整列保持部形成工程を行うことが好ましい。整列保持部形成工程は、第1基材部15aの幅方向の両縁部の間で第1基材部15aを筒状外袋11の外側となる方向に向けて所定幅で突出させて突出させた部分で対面し合う第1基材部15a同士を接着して第3合掌シール25bを形成する一方で、第2基材部15bの幅方向の両縁部の間で第2基材部15bを筒状外袋11の外側となる方向に向けて所定幅で突出させて突出させた部分で対面し合う第2基材部15b同士を接着して第4合掌シール25cを形成する工程であることが好ましい。その後、整列工程において図18に示すように第4合掌シール25cによって幅が狭められた第1基材部15a上に整列体3を形成し、包装工程において第1基材部15a上に載せられた整列体3の上に第3合掌シール25bによって幅が狭められた第2基材部15bをかぶせるように第1基材部15aと第2基材部15bとを重ね合わせて、重ね合わされた第1基材部15a及び第2基材部15bの幅方向の両縁部において、対面し合う第1基材部15aと第2基材部15bとを接着又は熱溶着することで封止部14を形成することで基材15を筒状に成形することで、製品入り外袋300(図13及び図14に図示)を得ることができる。
【0078】
本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300の製造方法は、包装工程後、非配置部40(図16に図示)に相当する箇所に短手側辺接着部41(図17に図示)を設ける工程を更に有していてもよい。短手側辺接着部41を設ける工程は、整列保持部形成工程の前に行うか、整列保持部形成工程の後に行うか、又は整列保持部形成工程と同時に行ってもよい。短手側辺接着部41を設ける工程は、非配置部40に相当する箇所にヒートシール板(不図示)を押し付けながら、向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着する工程であることが好ましい。
【0079】
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、短手側辺接着部41を設ける工程の後、短手側辺接着部41で基材15を切断する工程を更に有していていてもよい。または、本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、包装工程後、非配置部40(図16に図示)に相当する箇所で溶断シールを行う工程を更に有していていてもよい。これらによって、製品入り外袋100,200,300を図4図14に示すような単独袋とすることができる。
【0080】
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品入り外袋100,200,300を、横断面が扁平状態でボビンなどに巻き取り、製品入り外袋100,200,300の巻取り品を形成する工程、又は製品入り外袋100,200,300を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りして、製品入り外袋100,200,300のつづら折り品を形成する工程を有していてもよい。巻取り品又はつづら折り品では、短手側辺接着部41を設けてもよいし、短手側辺接着部41を設けなくてもよい。これらによって、製品入り外袋100,200,300を連続袋とすることができる。
【0081】
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品入り外袋100,200,300を真空窯などの真空濃縮機に入れて筒状外袋11を減圧させる工程を更に有することが好ましい。製品袋p1,p2,p3,p4,・・・pnの整列を固定し安定させることができる。
【0082】
本実施形態は、複数の形態があり、本発明の効果を奏する範囲において、各実施形態の一部を適宜入れ替えして、変形することが可能である。例えば、図1図14において、封止部14が嵌合具14aである形態において嵌合具14aを接着部14bに変形したり、封止部14が接着部14bである形態において接着部14bを嵌合具14aに変形したりしてもよい。
【0083】
本実施形態に係る第一例の製品入り外袋100は、図4図10に示すように、整列保持部20が第1シール21及び/又は第2シール22だけである形態に限定されず、図11図14に示す第二例の製品入り外袋200及び第三例の製品入り外袋300のように、整列保持部20が第1シール21及び/又は第2シール22に加えて、合掌シール25(25a,25b,25c)を含む形態であってもよい。
【0084】
本実施形態においては、筒状外袋11を用いて、複数個の製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnを包むことによって製品入り外袋とした形態を説明したが、製品袋p1,p2,p3,p4・・・pnに代えて、例えば、カード形状の製品にも適用することができ、また、カード形状を有していない製品を等間隔で一列に配列させて、その状態を保持するように筒状外袋11で包むことも可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 第1側辺
2 第2側辺
3 整列体
4,5 短手側辺
6 嵌合具
7 収容部
11 筒状外袋
14(14a) 封止部
14a 嵌合具
14b 接着部
15 基材
15a 第1基材部
15b 第2基材部
16 開口部(第2開口部)
17 第1開口部
20 整列保持部
21 第1シール
22 第2シール
23 第3シール
24 第4シール
25 合掌シール
25a 第1合掌シール
25b 第3合掌シール
25c 第4合掌シール
40 非配置部
41 短手側辺接着部
51 搬送コンベア
100,200,300 製品入り外袋
900 製品入り外袋
p1,p2,p3,p4・・・pn 製品袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18