(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172893
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】食器洗い機用洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/37 20060101AFI20241205BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20241205BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20241205BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
C11D1/37
C11D1/28
C11D1/29
C11D3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090933
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】富田 結
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB17
4H003AB22
4H003AB27
4H003AB31
4H003BA12
4H003DA19
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA03
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB16
4H003EB34
4H003EB36
4H003EB37
4H003FA04
4H003FA19
(57)【要約】
【課題】抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力に優れ、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制できる食器洗い機用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(a1)成分:下記式(a1)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、(a2)成分:炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル及びその塩等からなる群から選ばれる少なくとも1種と、(b)成分:分子量800以下のキレート剤と、(c)成分:シリカ及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、を含む食器洗い機用洗浄剤組成物。
[化1]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a1)成分:下記式(a1)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、
(a2)成分:炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル及びその塩、炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル及びその塩、並びに炭素数16~24の内部オレフィンスルホン酸及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、
(b)成分:分子量800以下のキレート剤と、
(c)成分:シリカ及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、
を含む食器洗い機用洗浄剤組成物。
【化1】
式中、R
1は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、AOはオキシアルキレン基であり、mはAOの平均繰り返し数を示す0~10の数であり、Ma及びMbはそれぞれ独立して対イオンである。
【請求項2】
(d)成分:ポリオールをさらに含む請求項1に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計/前記(c)成分で表される質量比が、1~1000である請求項1又は2に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗い機用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗い機による洗浄には一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤組成物)が用いられる。食器洗い機用洗浄剤組成物には、泡立ちの少なさ(抑泡性)と洗浄力との両立が求められる。特許文献1には、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と、アミドアミンとを含有する、抑泡性、低温洗浄での油汚れの洗浄力に優れた食器洗い機用洗浄剤組成物が開示されている。特許文献2には、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を有する陰イオン性界面活性剤と、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体と、水とを含有する、抑泡性、複合汚れの洗浄力に優れた食器洗い機用液体洗浄剤組成物が開示されている。特許文献3には、界面活性剤と、キレート剤と、炭酸塩及び炭酸水素塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、水とを含有し、pHが7.5~10である、抑泡性、複合汚れの洗浄力に優れた食器洗い機用液体洗浄剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-184554号公報
【特許文献2】特開2018-83862号公報
【特許文献3】特開2021-91837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~2の食器洗い機用洗浄剤組成物は、ドレッシング汚れ、トマトジュース汚れ等の酸性汚れが多量に共存する過酷条件下において、食器に強固に付着した脂質・タンパク質複合汚れ(例えば卵汚れ)の洗浄力が十分ではない。
特許文献3の食器洗い機用洗浄剤組成物は、汚れ共存下で繰り返し洗浄を行ったときに、次第に汚れや洗浄成分(例えばシリコーン系消泡剤)がガラス食器の表面に蓄積することがある。例えば、このような洗浄を行った後のグラスにビールを注ぐと、蓄積した汚れや洗浄成分によって、ビールの泡が直ぐに消えてしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力に優れ、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制できる食器洗い機用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の態様を有する。
[1](a1)成分:下記式(a1)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、
(a2)成分:炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル及びその塩、炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル及びその塩、並びに炭素数16~24の内部オレフィンスルホン酸及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、
(b)成分:分子量800以下のキレート剤と、
(c)成分:シリカ及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と、
を含む食器洗い機用洗浄剤組成物。
【化1】
式中、R
1は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、AOはオキシアルキレン基であり、mはAOの平均繰り返し数を示す0~10の数であり、Ma及びMbはそれぞれ独立して対イオンである。
[2](d)成分:ポリオールをさらに含む[1]に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
[3]前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計/前記(c)成分で表される質量比が、1~1000である[1]又は[2]に記載の食器洗い機用洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力に優れ、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制できる食器洗い機用洗浄剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の食器洗い機用洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」とも記す。)は、(a1)成分と(a2)成分と(b)成分と(c)成分とを含む。
洗浄剤組成物は、(d)成分をさらに含んでいてもよい。
洗浄剤組成物は、(a1)成分、(a2)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
【0009】
<(a1)成分>
(a1)成分は、下記式(a1)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。(a1)成分は、10モル以下のアルキレンオキサイドが付加していてもよい、炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するモノアルキルスルホコハク酸及びその塩、並びに10モル以下のアルキレンオキサイドが付加していてもよい、炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するモノアルケニルスルホコハク酸及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種ともいえる。
【0010】
【化2】
式中、R
1は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、AOはオキシアルキレン基であり、mはAOの平均繰り返し数を示す0~10の数であり、Ma及びMbはそれぞれ独立して対イオンである。
【0011】
式(a1)中、R1の炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。R1の炭素数が8~18であると、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすく、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。R1の炭素数は、10~16が好ましく、12~16がより好ましい。
【0012】
式(a1)中、AOはオキシアルキレン基である。オキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられる。これらの中でもオキシエチレン基が好ましい。
式(a1)中、mはAOの平均繰り返し数を示す0~10の数である。mが0~10であると、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすく、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。mは、0~4が好ましく、3~4がより好ましく、4が特に好ましい。
【0013】
式(a1)中、Ma及びMbはそれぞれ独立して対イオンである。対イオンとしては、例えば水素イオン、水溶性の塩を形成し得るものが挙げられる。これらの中でも、水溶性の塩を形成し得るものが好ましい。水溶性の塩を形成し得るものとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、プロトン化したエタノールアミン等が挙げられる。これらの中でも、抑泡性、脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力の向上、繰り返し洗浄時の汚れや洗浄成分の蓄積抑制の観点から、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
Ma及びMbは、同じ種類の対イオンであってもよいし、異なる種類の対イオンであってもよいが、同じ種類の対イオンであることが好ましい。
なお、Maが2価以上の対イオンである場合、Maは1/価数を乗じた数で-Oと結合しているものとする。例えば、Maがマグネシウムイオンの場合、Maの数は1/2である。同様に、Mbが2価以上の対イオンである場合、Mbは1/価数を乗じた数で-SO3と結合しているものとする。
【0014】
(a1)成分としては、モノアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。mが0の場合、例えばスルホコハク酸モノラウリル2ナトリウムが好ましい。mが1以上の場合、例えばポリオキシエチレンモノアルキルスルホコハク酸塩が好ましい。ポリオキシエチレンモノアルキルスルホコハク酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)モノラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(3)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)モノラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)モノラウリルスルホコハク酸マグネシウム、ポリオキシエチレン(3)モノヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)モノヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)モノラウリルスルホコハク酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン(5)ラウリルスルホコハク酸マグネシウム、ポリオキシエチレン(5)モノヤシ油脂肪酸(炭素数8~18)スルホコハク酸2ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(5)ラウロイルエタノールアミド2ナトリウム、ポリオキシエチレン(7)モノアルキル(炭素数12~14)スルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(7)モノラウリルスルホコハク酸マグネシウムが挙げられる。なお、ポリオキシエチレンの後ろのカッコ内の数値は、オキシエチレン基の平均繰り返し数を表す。
【0015】
(a1)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましく、1.5~3質量%がさらに好ましい。(a1)成分の含有量が上記下限値以上であると、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすく、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。(a1)成分の含有量が上記上限値以下であると、抑泡性を向上しやすい。
【0016】
<(a2)成分>
(a2)成分は、炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル及びその塩(以下、「(a2-1)成分」とも記す。)、炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル及びその塩(以下、「(a2-2)成分」とも記す。)、並びに炭素数16~24の内部オレフィンスルホン酸及びその塩(以下、「(a2-3)成分」とも記す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0017】
(a2-1)成分は、下記式(a2-1)で表される。
R2-O-S(=O)-OMc ・・・(a2-1)
式中、R1は炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基であり、Mcは対イオンである。
【0018】
式(a2-1)中、R2の炭素数が8~18であると、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすい。R2の炭素数は、8~14が好ましく、8~12がより好ましい。
R2のアルキル基、アルケニル基はそれぞれ直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。
【0019】
式(a2-1)中、Mcは対イオンである。対イオンとしては、Ma及びMbと同様のものが挙げられる。中でも、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力の観点から、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
なお、Mcが2価以上の対イオンである場合、Mcは1/価数を乗じた数で-Oと結合しているものとする。
【0020】
(a2-1)成分としては、例えば、ドデシル硫酸エステルナトリウム、デシル硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
【0021】
(a2-2)成分は、例えば、下記式(a2-2)で表される。
R3-O-(AO)n-S(=O)2-OMd ・・・(a2-2)
式中、R3は炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基であり、AOはオキシアルキレン基であり、nはAOの平均繰り返し数を示す0超4以下の数であり、Mdは対イオンである。
【0022】
式(a2-2)中、R3の炭素数が8~18であると、抑泡性を維持しつつ、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすい。R3の炭素数は、10~16が好ましく、12~14がより好ましい。
R3のアルキル基、アルケニル基はそれぞれ直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。
【0023】
式(a2-2)中、AOはオキシアルキレン基である。オキシアルキレン基としては、前記と同様のものが挙げられる。
式(a2-2)中、nはAOの平均繰り返し数を示す0超4以下の数である。nが0超4以下であると、抑泡性を維持しつつ、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすい。nは、1~4が好ましく、2~4がより好ましい。
(AO)nとしては、[(PO)j/(EO)k]が好ましい。POはオキシプロピレン基であり、jはPOの平均繰り返し数を示す0以上4未満の数であり、EOはオキシエチレン基を示し、kはEOの平均繰り返し数を示す0超4以下の数であり、j+kは0超4以下である。[(PO)j/(PO)k]は、POとEOの配列順に限定がないことを示す。
jが0超の場合、(PO)j/(EO)kにおいて、POとEOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよく、配列状態は問わない。
【0024】
式(a2-2)中、Mdは対イオンである。対イオンとしては、Ma及びMbと同様のものが挙げられる。中でも、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力の観点から、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
なお、Mdが2価以上の対イオンである場合、Mdは1/価数を乗じた数で-Oと結合しているものとする。
【0025】
(a2-2)成分としては、例えば、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(4)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(1)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(2)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン(4)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシプロピレン(0.4)ポリオキシエチレン(1.5)直鎖アルキル(C12/14=75/25;天然油脂由来)エーテル硫酸エステルナトリウム塩等が挙げられる。
ここで、例えば「ポリオキシエチレン(1)」とは、オキシエチレン基の平均繰返し数が1(エチレンオキシドの平均付加モル数が1)であることを意味する。
「C12/14=75/25;天然油脂由来」とは、炭素数12の直鎖アルキル基を有するものと、炭素数14の直鎖アルキル基を有するものとの混合物(混合比率:質量比で75/25)であること、天然油脂由来の直鎖状のアルキル基であることを意味する。
【0026】
(a2-3)成分において「内部オレフィンスルホン酸」とは、炭素-炭素二重結合が2位以上(内部)にあるオレフィンスルホン酸である。なお、炭素-炭素二重結合が1位(α位)にあるオレフィンスルホン酸はα-オレフィンスルホン酸と称される。
(a2-3)成分の炭素数が16~24であると、抑泡性を維持しつつ、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすい。(a2-3)成分の炭素数は、16~20が好ましく、16~18がより好ましい。
内部オレフィンスルホン酸の塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
(a2-3)成分としては、例えば、特開2018-115329公報に記載された内部オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。
【0027】
(a2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a2)成分としては、上記の中でも、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすいことから、(a2-1)成分が好ましい。(a2-1)成分と他の(a2)成分とを併用してもよい。
【0028】
(a2)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましく、3~5質量%がさらに好ましい。(a2)成分の含有量が上記下限値以上であると、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすい。(a2)成分の含有量が上記上限値以下であると、抑泡性を向上しやすい。
【0029】
(a1)成分/(a2)成分で表される質量比は、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力、及び汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積の観点から、0.01以上100以下が好ましく、0.1以上10以下がより好ましい。
【0030】
<(b)成分>
(b)成分は、分子量800以下のキレート剤である。
キレート剤として分子量が800以下のものを用いることで、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力が向上しやすく、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。(b)成分の分子量は、100以上800以下が好ましく、150以上500以下がより好ましい。
【0031】
(b)成分としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、β-アラニン二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L-アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、L-グルタミン酸二酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸、セリン二酢酸、アスパラギン二酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、トリポリリン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。低分子キレート剤を構成する塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
これらの中でも、クエン酸及びその塩、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、グルタミン酸ジ酢酸及びその塩並びにメチルグリシンジ酢酸及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、クエン酸ナトリウムが特に好ましい。
(b)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
(b)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、1~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましく、10~15質量%がさらに好ましい。(b)成分の含有量が上記下限値以上であると、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力が向上しやすく、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。(b)成分の含有量が上記上限値以下であると、抑泡性を向上しやすい。
【0033】
<(c)成分>
(c)成分は、シリカ及びシリコーン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
洗浄剤組成物が(c)成分を含むことで、抑泡性を維持しつつ、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積抑制能を向上させることができる。
(c)成分は、シリカからなるものであってもよく、シリコーン化合物からなるものであってもよく、シリカ及びシリコーン化合物からなるものであってもよい。シリカ及びシリコーン化合物からなる(c)成分としては、例えば、シリカとシリコーン化合物との混合物、シリコーン化合物で表面処理されたシリカ、シリカとシリコーン化合物との反応生成物が挙げられる。シリコーン化合物としては、例えば、各種のシリコーンオイルが挙げられる。
(c)成分としては、例えば、オイル型、コンパウンド型、自己乳化型コンパウンド型、エマルション型等が挙げられる。オイル型はシリコーンオイルを含む。コンパウンド型はシリコーンオイル、シリカ、及び分散剤(ノニオン界面活性剤、アクリル酸系重合物等)を含む。コンパウンド型は、シリコーンオイルで処理されたシリカを含むものであってもよい。自己乳化型コンパウンド型はコンパウンド型に乳化剤を加えたもので、水に混ぜると自己乳化しエマルションとなる。エマルション型はコンパウンド型を乳化剤で乳化した水中油型エマルションである。
【0034】
(c)成分は市販のものを用いることができる。例えば、オイル型はDow chemical社製 DOWSIL FS 1265 Fluid、DOWSIL SH200 Fluid、コンパウンド型はDow chemical社製 XIAMETER ACP-1500 Antifoam Compound、DOWSIL ACP-3073 Antifoam Compound、DOWSIL ACP-3258 Antifoam Compound、自己乳化型コンパウンド型はDow chemical社製 XIAMETER ACP-1266 Antifoam Compound、Dow chemical社製 DOWSIL FS Antifoam 80、エマルション型はDOWSIL FS Antifoam 93、XIAMETER AFE-1530 Antifoam Emulsionが挙げられる。
【0035】
(c)成分としては、抑泡性の観点から、コンパウンド型、自己乳化型コンパウンド型又はエマルション型が好ましい。
(c)成分としては、処理アモルファスシリカ、ジメチルシロキサン処理シリカ、ジメチルシロキサンとシリカとの反応生成物を含むものが好ましく、処理アモルファスシリカを含むものがさらに好ましく、DOWSIL FS Antifoam 93が特に好ましい。
(c)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
(c)成分は、(c)成分の総質量に対し、シリカを1~50質量%、より好ましくは1~20質量%、さらに好ましくは1~10質量%含むことが好ましい。シリカの含有量が上記下限値以上であると、抑泡性、ご飯粒汚れの洗浄力を向上しやすい。シリカの含有量が上記上限値以下であると、ご飯粒汚れの洗浄力を向上しやすい。
【0037】
(c)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01~5質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましく、0.1~1質量%がさらに好ましい。(c)成分の含有量が上記下限値以上であると、抑泡性が向上しやすい。(c)成分の含有量が上記上限値以下であると、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。
また、シリカの含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.0001~0.5質量%が好ましく、0.0005~0.1質量%がより好ましく、0.001~0.1質量%が特に好ましい。シリカの含有量が上記下限値以上であると、抑泡性が向上しやすい。シリカの含有量が上記上限値以下であると、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。
【0038】
洗浄剤組成物中、(a1)成分と(a2)成分との合計/(c)成分で表される質量比(以下、「(a1+a2)/c比」とも記す。)は、1~1000が好ましく、10~500がより好ましく、20~100が特に好ましい。(a1+a2)/c比が上記下限値以上であると、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。(a1+a2)/c比が上記上限値以下であると、抑泡性が向上しやすい。
【0039】
<(d)成分>
(d)成分は、ポリオールである。
【0040】
(d)成分の分子量は4000以下が好ましい。(d)成分の分子量が4000以下であると、抑泡性を維持しつつ汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。(d)成分の分子量は、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。(c)成分の分子量の下限は特に限定されないが、例えば60以上である。
【0041】
(d)成分としては、例えば、3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物、下記式(d-2)で表される化合物、下記式(d-3)で表される化合物、単糖類及びその誘導体、糖アルコール等が挙げられる。
HO-(CH2CH2O)s-(CH2CH(CH3)O)t-H ・・・(d-2)
R6-O-(CH2CH2O)p-(CH2CH(CH3)O)q-H ・・・(d-3)
式中、sは0以上であり、tは0以上であり、s+tは1以上であり、R6は炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、pは0以上であり、qは0以上であり、p+qは1以上である。
【0042】
3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物における3~6価アルコールとしては、例えばグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物としては、例えばトリオール型、テトラオール型、ペンタオール型又はヘキサオール型のポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、抑泡性、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制の観点から、トリオール型のポリプロピレングリコールが好ましく、グリセリンのプロピレンオキシド付加物がより好ましく、下記式(d-1)で表される化合物が特に好ましい。
【0043】
【化3】
式中、POはオキシプロピレン基であり、a、b及びcはそれぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表す10~350の数である。
【0044】
3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物の重量平均分子量は、200以上が好ましく、250以上がより好ましく、また、4000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましい。上記下限値及び上記上限値は適宜組み合わせることができる。プロピレンオキシド付加物の重量平均分子量が上記下限値以上であると、抑泡性を維持しやすい。プロピレンオキシド付加物の重量平均分子量が上記上限値以下であると、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。
なお、3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物の重量平均分子量は、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:800、1200、2000、4000)を標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される値を示す。
【0045】
3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物は、3~6価アルコールにプロピレンオキシドを付加重合させることで製造できる。この際、付加重合させるプロピレンオキシドの供給量を調節することにより、所望の重量平均分子量を有するプロピレンオキシド付加物を製造できる。
【0046】
式(d-2)中、sは0以上であり、0~3が好ましい。
tは0以上であり、1~3が好ましい。
s+tは1以上であり、1~6が好ましい。
【0047】
式(d-2)で表される化合物としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
ポリエチレングリコールの数平均分子量は、200以上が好ましく、250以上がより好ましく、また、4000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましい。上記下限値及び上記上限値は適宜組み合わせることができる。ポリエチレングリコールの数平均分子量が上記下限値以上であると、抑泡性を維持しやすい。ポリエチレングリコールの数平均分子量が上記上限値以下であると、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい。
【0048】
式(d-3)中、R6は炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。R6の炭素数は、2~4が好ましく、4がより好ましい。
pは0以上であり、0~3が好ましい。
qは0以上であり、0~3が好ましい。
p+qは1以上であり、1~5が好ましい。
【0049】
式(d-3)で表される化合物としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0050】
単糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース等のヘキソース類;リボース、キシルロース等のペントース類等が挙げられる。
単糖類の誘導体としては、例えば、上述した単糖類と炭素数1~5のアルコールとのエーテル等が挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等が挙げられる。
【0051】
(d)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(d)成分としては、抑泡性、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制の観点から、3~6価アルコールのプロピレンオキシド付加物、プロピレングリコール及び数平均分子量が250~2000のポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、プロピレングリコールが特に好ましい。
【0052】
(d)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、0.1~10質量%が好ましく、0.5~7質量%がより好ましい。(d)成分の含有量が上記下限値以上であると、抑泡性を向上しやすい。(d)成分の含有量が上記上限値以下であると、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れ洗浄力を向上しやすい。
【0053】
<他の成分>
本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物には、本発明の目的に反しない限り、食器を洗浄するための洗浄剤に通常含まれる如何なる成分も含むことができる。例えば、(a1)成分及び(a2)成分以外の界面活性剤、酵素、安定化剤、増粘剤、溶剤、植物抽出エキス、吸油剤、食器保護剤、着色剤、ハイドロトロープ剤(ただし、(d)成分を除く。)、酸化防止剤、pH調整剤、香料、漂白剤のような通常、食器洗い機用洗浄剤組成物に用いられる物質を使用できる。
【0054】
アミドアミン型界面活性剤としては、例えば、特開2021-4333号公報に記載の式(a-1)で表される化合物が挙げられる。
アミドアミン型界面活性剤の具体例としては、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノエチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジエチルアミノプロピルアミド、アラキジン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジプロピルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノエチルメチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、アラキジン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルメチルアミド、ミリスチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パルミチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0055】
酵素としては、特に限定されず、これまで食器洗い機用洗浄剤組成物に用いられる一般的な酵素のいずれも用いることができる。例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。なかでも、複合汚れ洗浄力の観点からアミラーゼ、プロテアーゼが好ましい。
酵素の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、酵素製剤として0.001~2質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。酵素の含有量が上記下限値以上であると、複合汚れに対する洗浄力を向上しやすい。一方、酵素の含有量が好ましい上限値を超えても、洗浄力向上の効果は頭打ちとなり、コスト高となる。
【0056】
増粘剤としては、例えば、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、デンプン等の水溶性高分子;スメクタイト等の水膨潤性粘土鉱物が挙げられる。スメクタイトとしては、天然品または合成品のいずれも使用し得る。
【0057】
ハイドロトロープ剤としては、例えば、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸アンモニウム等の芳香族スルホン酸;安息香酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
【0058】
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン等の有機塩基;塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸等の有機酸等が挙げられる。洗浄剤組成物の保存安定性とコスト面から、無機塩基のなかでは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましく、特に保存安定性、液流動性等の観点から水酸化カリウムが好ましい。有機塩基のなかではモノエタノールアミンが好ましい。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
pH調整剤の含有量は、洗浄剤組成物を所定のpHに調整する量を適宜設定すればよい。
【0059】
洗浄剤組成物は、液体でもよく、粉末、タブレット等の固体でもよい。汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制しやすい点から、液体であることが好ましい。以下、液体の洗浄剤組成物を特に「液体洗浄剤組成物」とも言う。
【0060】
液体洗浄剤組成物は、典型的には水を含む。
液体洗浄剤組成物の水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、70~99質量%が好ましく、80~95質量%がより好ましい。水の含有量が上記範囲内であると、液体洗浄剤組成物を調整しやすくなる。
【0061】
液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、10~2000mPa・sが好ましく、100~1000mPa・sがより好ましい。
液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、医薬部外品原料規格2006一般試験法の粘度測定法第2法に準拠した方法により測定される値である。具体的には、ビスメトロン粘度計を用い、ローターNo.2~No.4、回転数:6rpm、120秒間条件下で測定される値である。
【0062】
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、5~10が好ましく、6~9がより好ましい。
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、JIS Z 8802:2011の「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値である。
【0063】
<製造方法>
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、常法に準じて製造することができる。
例えば、(a1)成分と、(a2)成分と、(b)成分と、(c)成分と、水の一部と、必要に応じてpH調整剤以外の任意成分((d)成分等)のうちの1つ以上とを混合し、必要に応じてpH調整剤を用いて所定のpHに調整した後、残りの水を混合することで、液体洗浄剤組成物を製造できる。
【0064】
<使用方法>
本発明の洗浄剤組成物は、食器洗い機用として用いることができ、食器洗い機の機種や、食器等の汚れの程度に応じて使用すればよい。
洗浄剤組成物を用いて食器洗い機により洗浄対象物を洗浄する方法としては、洗浄とすすぎの各工程をいずれも有する方法が挙げられる。
洗浄方法としては、例えば、常温(好ましくは5~30℃程度)の水道水を食器洗浄機庫内に導入して調製される洗浄液を、所定の洗浄温度(洗浄時に循環する洗浄液の温度)まで昇温しながら洗浄対象物を洗浄する工程(以下「洗浄工程」という。)と、洗浄後の洗浄対象物を、常温の水道水ですすぐ工程(以下「すすぎ(1)工程」という。)と、常温の水道水を、好ましくは70~75℃まで2~3℃/分で昇温しながら、前記すすぎ(1)工程後の洗浄対象物をさらにすすぐ工程(以下「すすぎ(2)工程」という。)を有する方法が挙げられる。洗浄工程での洗浄時間は、10~40分間が好ましい。
一般的な標準コースの場合、洗浄工程における洗浄温度が55~65℃程度、昇温速度が2~3℃/分程度である。低温コースは、例えば、洗浄温度が35~45℃程度、昇温速度が1℃/分程度である。本発明の食器洗浄機用洗浄剤組成物は、低温洗浄においても油汚れに対する洗浄力に優れ、例えば、洗浄温度が35℃であっても、優れた洗浄力を発揮する。
洗浄剤組成物が液体の場合、洗浄剤組成物の1回の使用量は、いずれのコースにおいても、水道水約3リットルに対して2~9gとすることが好ましい。
【0065】
<作用効果>
以上説明した洗浄剤組成物は、(a1)成分と(a2)成分と(b)成分と(c)成分と(d)成分とを含むため、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力に優れており、また、汚れ共存下での繰り返し洗浄時のガラス食器への汚れや洗浄成分の蓄積を抑制できる。
【実施例0066】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
【0067】
<使用原料>
[(a1)成分]
a1-1:前記式(a1)中のmは0、Ma及びMbはナトリウムイオン、R1は炭素数10、12、14の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウムEO0)、東邦化学株式会社製「コハクール L-40」。
a1-2:前記式(a1)中のAOはオキシエチレン基(EO)、mは3、Ma及びMbはナトリウムイオン、R1は炭素数10、12の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウムEO3)、東邦化学株式会社製「コハクール L-300」。
a1-3:前記式(a1)中のAOはEO、mは4、Ma及びMbはナトリウムイオン、R1は炭素数12、14、16の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウムEO4)、東邦化学株式会社製「コハクール L-400」。
a1-4:前記式(a1)中のAOはEO、mは9、Ma及びMbはナトリウムイオン、R1は炭素数12、13、14の混合品(モノアルキルスルホコハク酸ナトリウムEO9)、株式会社日本触媒社製「ソフタノール MES-9」。
【0068】
[(a2)成分]
a2-1:直鎖アルキル(C10)硫酸エステルナトリウム塩(C10AS)、Fluorochem Ltd.製「n-Decyl sodium sulfate」。
a2-2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(C12~14、EO=2)(AES)、新日本理化株式会社製「シノリン SPE-1250」。
a2-3:内部オレフィンスルホン酸ナトリウム(特開2018-115329号公報の製造例1に記載された方法により合成された内部オレフィンスルホン酸ナトリウム)(IOS)。
【0069】
[(a’)成分:他の界面活性剤]
a’-1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C10~14)(LAS)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製「ライポンLS-250」。
a’-2:第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(C14~17)(SAS)、クラリアントジャパン株式会社製「HOSTAPUR SAS 30A」。
a’-3:ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(DSS)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製「リパール870P」。
【0070】
[(b)成分]
b-1:クエン酸三ナトリウム(クエン酸Na)、扶桑化学株式会社製。
b-2:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(MGDA)、BASF社製。
b-3:グルタミン酸ジ酢酸4ナトリウム(GLDA)、キレスト社製。
b-4:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)、東京化成工業株式会社製。
【0071】
[(c)成分]
c-1:エマルション型のシリコーン系組成物(処理アモルファスシリカ(含有量:1.0~10.0%)、α-(C12-C14アルキル)ω-ヒドロキシポリエチレン-ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、アクリル酸重合物のナトリウム塩を含有)、ダウ・ケミカル日本株式会社製「DOWSIL FS Antifoam 93」。
c-2:自己乳化型コンパウンド型のシリコーン系組成物(処理アモルファスシリカを含有)、ダウ・ケミカル日本株式会社製「XIAMETER AFE-1266 Antifoam Compound」。
c-3:コンパウンド型のシリコーン系組成物(ジメチルシロキサン処理シリカを含有)、ダウ・ケミカル日本株式会社製「XIAMETER AFE-1500 Antifoam Compound」。
c-4:自己乳化型コンパウンド型のシリコーン系組成物(ジメチルシロキサン/シリカの反応生成物(含有量:1.0~10.0%)、オクタメチルシクロテトラシロキサンを含有)、ダウ・ケミカル日本株式会社製「DOWSIL FS Antifoam 80」。
【0072】
[(d)成分]
d-1:プロピレングリコール、富士フイルム和光純薬株式会社製。
d-2:ポリエチレングリコール、数平均分子量1000、三洋化成工業株式会社製「PEG-1000」。
d-3:グリセリンのプロピレンオキシド付加物(PPG)、トリオール型、重量平均分子量4000、三洋化成工業株式会社製「サンニックス GP-4000」。
【0073】
[任意成分]
pH調整剤:水酸化ナトリウム(48%水酸化ナトリウム、関東化学株式会社)。
pH調整剤:硫酸(試薬特級、富士フイルム和光純薬株式会社)。
【0074】
<実施例1~34、比較例1~8>
表1~5に示す組成に従い、溶媒の水に(a1)成分、(a2)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、pH調整剤を溶解することにより、実施例1~34、比較例1~8の液体洗浄剤組成物0.8kgをそれぞれ調製した。
具体的には、1Lビーカー(直径12cm)内に、水を合計量として組成物全体の40質量%となるように投入した。撹拌機(新東科学株式会社製、HEIDON FBL1200スリーワンモーター)に直径7.5cm、幅1.5cm、角度45度の4枚羽パドルを装備し、その後、内容物が飛び散らないように回転数400~900rpmで撹拌しながら、(b)成分、(c)成分を混合しながら添加し、その後、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を添加しpHを7に調整した。その後、(a1)成分、(a2)成分、(d)成分を、前記撹拌機の回転数650rpmで撹拌しながら加えた。添加終了後、5分間撹拌し、組成物全体が100質量%となるように残りの水を加え、前記撹拌機の回転数650rpmで1分間撹拌することにより液体洗浄剤組成物を得た。
表中の各成分の含有量の単位は質量%であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の空欄はその成分が配合されていないことを示す。
液体洗浄剤組成物のpH(25℃)は、25℃に調整した液体洗浄剤組成物を、ガラス電極式pHメーター(HM-30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:2011「pH測定方法」に準拠した。
【0075】
<評価>
各実施例及び比較例の液体洗浄剤組成物について、以下に示す各評価を行った。評価結果を表1~5に示す。
各評価において、食器洗い機としては、パナソニック株式会社製のNP-45MD9SPを用いた。各評価において、洗浄処理は、該食器洗い機に設定されている洗剤自動投入をオフとし、汚れレベルL2コース又はL3コースで運転することにより行った。L2コース、L3コースの内容を以下に示す。
L2コース:
約5℃の水道水を庫内に導入して調製される洗浄液を約55℃まで2~3℃/minで昇温しながら30分間洗浄を行い、該洗浄液を排水する。次いで、新たな水道水を導入し、すすぎと排水との繰返し2回を行う。排水後、新たな水道水を導入し、約65℃まで2~3℃/minで昇温しながらすすぎ1回を行い(すすぎ時間約50分間)、排水後、温風を循環させながら食器等を乾燥する。
L3コース:
約5℃の水道水を庫内に導入して調製される洗浄液を約60℃まで2~3℃/minで昇温しながら40分間洗浄を行い、該洗浄液を排水する。次いで、新たな水道水を導入し、すすぎと排水との繰返し3回を行う。排水後、新たな水道水を導入し、約70℃まで2~3℃/minで昇温しながらすすぎ1回を行い(すすぎ時間約70分間)、排水後、温風を循環させながら食器等を乾燥する。
【0076】
[抑泡性]
前記食器洗い機に液体洗浄剤組成物16g及びよく溶いた全卵6gを投入し、前記L3コースにて運転を行った。洗浄開始から水温が50℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その10秒後に庫内の泡立ちを観察し、下記の評価基準に基づいて、抑泡性を評価した。評価が○、◎、◎◎又は◎◎◎の場合を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎:泡が全く確認されなかった。
◎◎:泡の発生が認められたが、前記食器洗い機の底部を目視できるレベルであった。
◎:泡の発生が認められたが、液表面をわずかに覆う程度であった。
○:泡の発生が認められたが、泡高は水噴出ノズルよりも低かった。
×:泡の発生が認められ、泡高は水噴出ノズルを上回り、エアがみが確認された。
「エアがみ」とは、洗浄時に泡が大量に発生すると、循環ポンプ内に空気が入り込み、噴水力が弱まると共に、異音が発生する状態を意味する。本試験では異音の有無を確認することでエアがみの有無を評価した。
【0077】
[複合汚れ洗浄力]
酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力を以下の手順で評価した。
【0078】
「汚こうの用意」
以下の手順で、評価に使用する汚こうを用意した。
・トマトジュース汚れ:
トマトジュース(日本デルモンテ株式会社製、トマトジュース)を6個のコップ(東洋佐々木ガラス製)それぞれに注ぎ、斜めにするなどしてコップ全体を汚染した。
・ドレッシング汚れ:
ドレッシング(キユーピー株式会社製、オリーブオイル&オニオンドレッシング)を6枚の中鉢(陶器製、半径80mm、高さ45mm)それぞれの全面に塗布した。
・卵汚れ:
卵(Lサイズ)を弱火で熱したフライパンにより加熱し、半熟状態の目玉焼きを用意した。目玉焼きの黄身の部分だけを6本のスプーン(ステンレス製、長さ:180mm)、6本のフォーク(ステンレス製、長さ:180mm)、6枚の小皿(陶器製、半径60mm、高さ20mm)それぞれに塗布し、1時間放置した。
・複合汚れ:
レトルトカレー(大塚食品株式会社製、ボンカレーゴールド辛口)200g、卵(Lサイズ)1個、ご飯(自主流通米一類こしひかり相当、米と水の量の比は炊飯器の標準とし、炊飯後12時間以内のもの)150gを混合した。得られた混合物を30gずつ6枚の大皿(陶器製、半径115mm、高さ25mm)にのせ、皿表面を均一に汚染したのち、米粒を10粒程度残して混合物を捨て、米粒をスプーンで潰して大皿に付着させた。
【0079】
「洗浄力の評価」
用意した汚こう(コップ6個、スプーン6本、フォーク6本、中鉢6枚、小皿6枚、大皿6枚)を前記食器洗い機の説明書に基づいた指定箇所に装填し、液体洗浄剤組成物8gを投入し、L2コースにて洗浄処理を施した。洗浄処理の後、スプーン、フォークを観察し、下記の評価基準に基づいて、酸性汚れ共存下における脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力を評価した。評価が○、◎、◎◎又は◎◎◎の場合を合格とした。
(評価基準)
◎◎◎◎:すべてのスプーン及びフォークに汚れ残りを確認できない。
◎◎◎:スプーン及びフォークの合計12本のうち汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが1本以下。
◎◎:スプーン及びフォークの合計12本のうち汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが2本以下。
◎:スプーン及びフォークの合計12本のうち汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが3本以下。
〇:スプーン及びフォークの合計12本のうち汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが4本以下。
×:スプーン及びフォークの合計12本のうち汚れ残りを確認できるスプーン、フォークが5本以上。
【0080】
[ビールの泡の安定性]
グラス(上径63mm、下径53mm、高さ100mm)を前記食器洗い機の説明書に基づいた指定箇所に装填し、牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1(質量比)の混合油を6gと、液体洗浄剤組成物8gを投入し、3°dH硬水を用いてL2コースにて洗浄処理を施す工程を10回繰り返した。その後、前記食器洗い機から取り出したグラスにビールを厚さ3cmの泡立ちになるように注ぎ、泡の消え具合を観察し、下記の評価基準に基づいて、ビールの泡の安定性を評価した。評価が○、◎、◎◎又は◎◎◎の場合を合格とした。
ビールの泡の安定性が優れるほど、繰り返し洗浄処理時に汚れや洗浄成分がグラス表面に蓄積するのが抑制されていると判断できる。
(評価基準)
◎◎◎◎:7分以上経っても泡の厚さが変わらなかった。
◎◎◎:5分後の泡の厚さは変わらなかったが、7分後の泡の厚さが半分になった。
◎◎:3分後の泡の厚さは変わらなかったが、5分後の泡の厚さが半分となった。
◎:1分後の泡の厚さは変わらなかったが、3分後の泡の厚さが半分となった。
○:1分後の泡の厚さが半分になった。
×:1分以内にすべての泡が消えてしまった。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
実施例1~34の液体洗浄剤組成物は、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力、ビールの泡の安定性がすべて合格であった。
(a1)成分を含まない比較例1~2、(a2)成分を含まない比較例3は、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力が不合格であった。
(b)成分を含まない比較例4は、ビールの泡の安定性が不合格であった。
(c)成分を含まない比較例5は、抑泡性が不合格であった。
(a1)成分の代わりに他の界面活性剤を使用した比較例6~8は、抑泡性、酸性汚れ共存下での脂質・タンパク質複合汚れの洗浄力が不合格であった。