(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172900
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20241205BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20241205BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20241205BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20241205BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G08B25/04 K
H04M11/04
G08B25/10 D
G08B25/00 510M
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090945
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】竹川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】吉川 英希
(72)【発明者】
【氏名】水口 修平
(72)【発明者】
【氏名】関 佐和香
(72)【発明者】
【氏名】細尾 絵梨
(72)【発明者】
【氏名】谷沢 康太
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】網中 洋明
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA33
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB73
5C087DD03
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG02
5C087GG06
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG70
5C087GG83
5K201AA07
5K201BA03
5K201BC03
5K201CB05
5K201CC04
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED05
(57)【要約】
【課題】 通報者への呼び返しをすることができない場合であっても、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信を可能とする。
【解決手段】 特定部(11)は、第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定し、検出部(12)は、第一のエリアの少なくとも一部、および、第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出し、送信部(13)は、検出された第二の通信デバイスと無線通信して、第二の通信デバイスを所持している、または、第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定する特定手段と、
前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出する検出手段と、
検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する送信手段とを備えた
情報処理装置。
【請求項2】
前記第一のエリア内または前記第二のエリア内におり、かつ、所定の特徴を有する前記人物を探索する探索手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記所定の特徴を有する前記人物がいるエリアの少なくとも一部をカバーする前記通信ネットワークと接続している前記第二の通信デバイスを検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記探索手段は、前記第一のエリアの少なくとも一部または前記第二のエリアの少なくとも一部を撮影した映像を解析することにより、前記所定の特徴を有する前記人物を探索する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第一の通信デバイスへの呼び返しに対して、一定時間以上、前記第一の通信デバイスからの応答がない場合、
前記送信手段は、前記第二の通信デバイスへ、前記依頼を送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定し、
前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出し、
検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する
情報処理方法。
【請求項6】
第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定することと、
前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出することと、
検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信をするための情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
事件あるいは事故などの緊急事態が発生したとき、一般的には、人手で緊急通報が行われる。近年では、強い衝撃を検知したときに、自動で通報を行うスマートデバイスなど、人手を介さずに緊急通報を行うロボットや機械もある。
【0003】
緊急通報を受信した緊急通報受理機関(エマージェンシーサービスとも呼ばれる)の指令台は、通報者への呼び返し(コールバック)を行う場合がある。
【0004】
特許文献1には、情報処理装置が、要救助者の救助を行いうる複数の協力者のそれぞれについて、位置情報と、現在のステータスと、を取得することが記載されている。また、特許文献1には、要救助者が発生した場合に、前記複数の協力者の中から、前記要救助者から所定の範囲内に位置し、かつ、所定のステータスにある協力者を対象として、救助要請を送信することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、スマートフォンなどの通信端末に対して、所定のエリアを撮影して、画像データをネットワーク上にアップロードすることを要請することが記載されている。
【0006】
特許文献3には、ユーザ端末装置から、サーバへ、生体情報及び位置情報が送信されること、また、サーバは、位置情報を用いて、ユーザ端末装置の近傍にある第三者端末装置に対して、救命指示情報を送信することが記載されている。
【0007】
特許文献4には、サーバが、通報者の携帯端末から、緊急信号を受信したとき、通報者の近くにいる第3者の携帯端末に、緊急通報の真偽を確認するための確認信号を送出すること、また、第3者の携帯端末からの応答信号に基づいて、緊急通報の真偽を判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-094806号公報
【特許文献2】特開2020-202000号公報
【特許文献3】特開2012-222443号公報
【特許文献4】特開2005-210276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
緊急通報受理機関からの呼び返しに対して、通報者が応答しないか、もしくは応答できない場合がある。また、緊急通報の手段によっては、緊急通報受理機関からの呼び返しが不可能である場合もある。そのような場合、緊急通報受理機関は、通報者もしくは関係者と交信して、緊急事態の発生現場にいる人々に対して、すばやく指示や伝達をすることができない。
【0010】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通報者への呼び返しをすることができない場合であっても、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定する特定手段と、前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出する検出手段と、検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する送信手段とを備えている。
【0012】
本開示の一態様に係る情報処理方法では、コンピュータが、第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定し、前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出し、検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。
【0013】
本科愛児の一態様に係るプログラムは、第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定することと、前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出することと、検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信することとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、通報者への呼び返しをすることができない場合であっても、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1~3のいずれかに係る情報処理装置を備えた通信システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリアと、通信デバイスが現在ある第二のエリアとの関係を説明する図である。
【
図3】実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態2に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態2に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態3に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態3に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態1~3に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(通信システム1)
後述する実施形態1~3に係る情報処理装置10,20,30のいずれかを備えた通信システム1の構成の一例を説明する。
【0018】
図1は、通信システム1の構成の一例を概略的に示す図である。
図1に示すように、通信システム1は、情報処理装置10(20,30)、および、複数の通信デバイス100を含んでいる。情報処理装置10(20,30)と、複数の通信デバイス100は、通信ネットワーク(例えば、移動体通信網)を通じて、通信接続されている。
【0019】
図1の「情報処理装置10(20,30)」は、後述する実施形態1~3に係る情報処理装置10,20,30のいずれかを表す。通信デバイス100は、通信機能を有する情報処理デバイスであり、例えば、固定電話、公衆電話、火災受信機、移動体通信端末(例えば、スマートフォン)、あるいは、スマートデバイス(例えばスマートウォッチ)である。
【0020】
事件あるいは事故などの緊急事態が発生したとき、通信デバイス100のユーザは、緊急通報受理機関の緊急通報用電話番号を通信デバイス100に入力して、緊急通報を行う。緊急通報受理機関とは、例えば、警察、消防、または海上保安庁である。緊急通報受理機関は、その他の任意のエマージェンシー・サービスであってもよい。
【0021】
通信デバイス100は、通信ネットワークあるいはその他の図示しない通信網を通じて、緊急通報を発信する。通信デバイス100が移動体通信端末やスマートデバイスである場合、通信デバイス100は、基地局と通信することで、通信ネットワークと接続する。通信デバイス100が固定電話である場合、通信デバイス100は、電話回線を介して、電話網と接続する。
【0022】
情報処理装置10(20,30)は、緊急通報受理機関のシステムの一部である。あるいは、情報処理装置10(20,30)は、緊急通報受理機関のシステムと接続されている。情報処理装置10(20,30)は、通信デバイス100(第一の通信デバイスと呼ぶ)からの緊急通報が発信されたことを検知する。情報処理装置10(20,30)は、緊急通報を発信した通信デバイス100を特定する。
【0023】
また、情報処理装置10(20,30)は、第一の通信デバイス100A(
図2)が緊急通報を発信した第一のエリアの少なくとも一部、または、通信デバイス100が現在ある第二のエリアの少なくとも一方をカバーする通信ネットワークと接続している通信デバイス100(第二の通信デバイスと呼ぶ)を検出する。
【0024】
(第一のエリアおよび第二のエリアの例)
図2は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアと、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアとの関係を説明する図である。
図2に示す例では、緊急事態の発生現場が、第一のエリア内にある。通報者は、緊急事態の発生現場またはその近辺(
図2の第一のエリア内)から、緊急通報を行う場合が多いと考えられる。このとき、第一の通信デバイス100Aは、第一のエリアをカバーする基地局Xと通信する。その後、通報者は、第一の通信デバイス100Aを持ったまま、第一のエリアから、第二のエリアへ移動する。例えば、火災や爆発の発生時には、通報者は現場から即座に離れる。この移動により、第一の通信デバイス100Aは、基地局Xのカバーエリア内(第一のエリアの一例)から、基地局Yのカバーエリア(第二のエリアの一例)内へ移動する。しかし、通報者の関係者あるいは他の人間は、まだ、緊急事態の発生現場にいる可能性もある。
【0025】
そこで、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aが、緊急事態の発生現場から移動していない場合、情報処理装置10(20,30)は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを対象として、所定の特徴を有する人物を探索してもよい(実施形態2)。所定の特徴とは、例えば、活動していないこと、または、災害ボランティアなどの所定の服装をしていることである。一方、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aが、緊急事態の発生現場から移動した場合、情報処理装置10(20,30)は、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを対象として、所定の特徴を有する人物を探索してもよい。
【0026】
他の一例では、第一の通信デバイス100Aは、第一の通信ネットワークに接続しており、第一の通信ネットワークに通信障害が発生したとする。この場合、情報処理装置10(20,30)は、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bと無線通信を行ってもよい。
【0027】
このとき、第二の通信ネットワークの運営事業者は、第一の通信ネットワークの運営事業者と異なっていてもよい。このとき、情報処理装置10(20,30)は、いわゆるローミング技術を利用して、第二の通信ネットワークの基地局を通じて、第一の通信ネットワークに接続している第二の通信デバイス100Bと無線通信を行うことができる。
【0028】
あるいは、情報処理装置10(20,30)は、第一の通信デバイス100Aから緊急通報を受信したとき、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aに対して、呼び返し(コールバック)を行ってもよい。その後、呼び返しに対して、一定時間を超えて応答がない場合、情報処理装置10(20,30)は、第二の通信デバイス100Bと無線通信してもよい(実施形態3)。例えば、情報処理装置10(20,30)は、第二の通信デバイス100Bの電話番号が明らかである場合、第二の通信デバイス100Bに対して、呼び返しを転送する。
【0029】
図2に示す第一のエリアの範囲、および第二のエリアの範囲は、それぞれ、どのように決定されてもよい。例えば、情報処理装置10(20,30)は、基地局の電波が届く範囲(基地局単位)で、第二の通信デバイス100Bを検出してもよいし、セル単位、セクタ単位、もしくはビーム単位で、第二の通信デバイス100Bを検出してもよい。
【0030】
例えば、情報処理装置10(20,30)は、ビーム単位、セクタ単位、セル単位、基地局単位の順に、第二の通信デバイス100Bを検出することができるまで、第一のエリアの範囲、および第二のエリアの範囲を、段階的に拡張する。
【0031】
情報処理装置10(20,30)の構成および動作については、後述する実施形態1~3において説明する。
【0032】
〔実施形態1〕
図3~
図4を参照して、実施形態1について説明する。
【0033】
(情報処理装置10の構成)
図3は、本実施形態1に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、特定部11、検出部12、および送信部13を備えている。
【0034】
特定部11は、第一の通信デバイス100A(
図2)が緊急通報を発信した第一のエリアを特定する。さらに、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する。特定部11は、特定手段の一例である。
【0035】
例えば、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信したことを検知する。特定部11は、緊急通報受理機関のシステム(図示せず)から、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aに関する情報を取得して、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信したエリア(第一のエリアと呼ぶ)を特定する。
【0036】
また、特定部11は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を用いて、第一の通信デバイス100Aが接続している通信ネットワークを特定する。特定部11は、第一の通信デバイス100Aが接続している通信ネットワークのシステムから、第一の通信デバイス100Aの現在の位置を示す位置情報を取得する。
【0037】
さらに、特定部11は、第一の通信デバイス100Aの位置情報に基づいて、第一の通信デバイス100Aが現在あるエリア(第二のエリアと呼ぶ)を特定する。
【0038】
特定部11は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を、検出部12へ出力する。また、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを、検出部12へ出力する。特定部11は、第一の通信デバイス100Aを特定するためのその他の情報を、検出部12へ出力してもよい。
【0039】
検出部12は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアの少なくとも一部、または、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアの少なくとも一部をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100B(
図2)を検出する。検出部12は、検出手段の一例である。
【0040】
例えば、検出部12は、特定部11から、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を受信する。また、検出部12は、特定部11から、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを受信する。
【0041】
検出部12は、第一のエリアの少なくとも一部をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出してもよい。あるいは、検出部12は、第二のエリアの少なくとも一部をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出してもよい。あるいはまた、検出部12は、第一のエリアと第二のエリアの両方から、それぞれ、第二の通信デバイス100Bを検出してもよい。
【0042】
検出部12は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報を、第二の通信デバイス100Bが接続している通信ネットワークのシステムから取得する。第二の通信デバイス100Bを識別するための情報には、第二の通信デバイス100Bの電話番号が含まれていてもよい。
【0043】
検出部12は、第一のエリアまたは第二のエリアから、第二の通信デバイス100Bを検出することができない場合、第一のエリアまたは第二のエリアを、段階的に拡張してもよい。例えば、検出部12は、ビーム単位、セクタ単位、セル単位、基地局単位の順に、第二の通信デバイス100Bを検出できるまで、第一のエリアの範囲、および第二のエリアの範囲を、それぞれ、段階的に拡張する。
【0044】
検出部12は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報と、第二の通信デバイス100Bが現在あるエリアを示す情報とを、送信部13へ出力する。
【0045】
送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械(例えば、自律移動ロボット)への依頼を送信する。送信部13は、送信手段の一例である。ここでの「依頼」とは、例えば、緊急事態の発生現場での支援を要請することである。
【0046】
送信部13は、「依頼」とともに、支援が必要であるという状況を認知させるための情報を送信してもよい。「近傍」とは、第二の通信デバイス100Bの元へ、人物が自力で向かうことができる範囲である。例えば、「近傍」とは、第二の通信デバイス100Bから数十メートルの範囲である。しかし、「近傍」の具体的な定義は、特に限定されない。
【0047】
例えば、送信部13は、検出部12から、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報と、第二の通信デバイス100Bが現在あるエリアを示す情報とを受信する。
【0048】
そして、送信部13は、第二の通信デバイス100Bが接続している通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bと無線通信する。そして、送信部13は、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。
【0049】
他の一例では、緊急通報を発信した第二の通信デバイス100Bは、第一の通信ネットワークに接続しており、第一の通信ネットワークに通信障害が発生したとする。この場合、送信部13は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報を、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークへ転送する。送信部13は、第二の通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bと無線通信する。第二の通信ネットワークの運営事業者は、第一の通信ネットワークの運営事業者と異なっていてもよい。
【0050】
(情報処理装置10の動作)
図4を参照して、本実施形態1に係る情報処理装置10の動作を説明する。
図4は、情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、特定部11は、第一の通信デバイス100A(
図2)が緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する(S101)。
【0052】
特定部11は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を、検出部12へ出力する。また、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを、検出部12へ出力する。加えて、特定部11は、通信デバイス100を特定するためのその他の情報を、検出部12へ出力してもよい。
【0053】
検出部12は、第一のエリアの少なくとも一部、および、第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する(S102)。
【0054】
検出部12は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報と、第二の通信デバイス100Bが現在あるエリアを示す情報とを、送信部13へ出力する。
【0055】
送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する(S103)。
【0056】
ステップS103において、第二の通信デバイス100Bが接続している第一の通信ネットワークに通信障害が発生していた場合、送信部13は、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bと無線通信してもよい。
【0057】
以上で、本実施形態1に係る情報処理装置10の動作は終了する。
【0058】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する。検出部12は、第一のエリアの少なくとも一部、および、第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。これにより、緊急通報受理機関は、第二の通信デバイス100Bを所持しているか、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械と交信することができる。また、緊急事態の発生現場から通報者が移動していた場合であっても、第二の通信デバイス100Bを通じて、通報者あるいはその関係者と交信することができる可能性がある。
【0059】
これにより、通報者への呼び返しをすることができない場合であっても、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信をすることができる。
【0060】
〔実施形態2〕
図5~
図6を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態2では、前記実施形態1と同じ構成要素に関しては、前記実施形態1と同じ符号を用いて、その説明を省略する。本実施形態2では、第二の通信デバイス100Bを通じて、緊急対応等を依頼するために、所定の特徴を有する人物を探索する構成を説明する。
【0061】
(情報処理装置20の構成)
図5は、本実施形態2に係る情報処理装置20の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置20は、特定部11、検出部22、および送信部13を備えている。情報処理装置20は、探索部24をさらに備えている。
【0062】
探索部24は、第一のエリア内または第二のエリア内におり、かつ、所定の特徴を有する人物を探索する。探索部24は、探索手段の一例である。所定の特徴とは、例えば、活動していないこと、または、災害ボランティアなどの所定の服装をしていることである。
【0063】
例えば、探索部24は、特定部11から、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を受信する。また、探索部24は、特定部11から、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを受信する。
【0064】
探索部24は、第一のエリア内に設置された1または複数台のカメラから取得された映像を分析することにより、所定の特徴を有する人物を探索する。あるいは、探索部24は、第二のエリア内に設置された1または複数台のカメラから取得された映像を分析することにより、所定の特徴を有する人物を探索する。
【0065】
その後、探索部24は、所定の特徴を有する人物がいるエリアを示す情報を、検出部22へ出力する。
【0066】
検出部22は、特定部11から、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を受信する。また、検出部22は、特定部11から、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを受信する。さらに、検出部22は、探索部24から、所定の特徴を有する人物がいるエリアを示す情報を受信する。
【0067】
検出部22は、所定の特徴を有する人物がいるエリアの少なくとも一部をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。例えば、第一のエリア内に、所定の特徴を有する人物がいるとする。この場合、検出部22は、第一のエリアの少なくとも一部をカバーする第一の通信ネットワークのシステムにアクセスして、第一の通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。第一の通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bが検出されない場合、検出部22は、所定の特徴を有する人物がいるエリアの少なくとも一部をカバーする第二の通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。
【0068】
検出部22は、第二の通信デバイス100Bを検出することができない場合、第二の通信デバイス100Bを探索するエリアを、段階的に拡張してもよい。例えば、検出B22は、ビーム単位、セクタ単位、セル単位、基地局単位の順に、第二の通信デバイス100Bからの応答があるまで、第一のエリアの範囲、および第二のエリアの範囲を、段階的に拡張する。
【0069】
検出部22は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報と、第二の通信デバイス100Bが現在あるエリアを示す情報とを、送信部13へ出力する。
【0070】
送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。
【0071】
例えば、送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bを所持しているか、あるいは、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を、第二の通信デバイス100Bが接続している通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bへ送信する。
【0072】
他の一例では、検出された第二の通信デバイス100Bが接続している第一の通信ネットワークに通信障害が発生したとする。この場合、送信部13は、所定の特徴を有する依頼に関する情報を、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークへ転送する。送信部13は、第二の通信ネットワークを通じて、所定の特徴を有する依頼を、第二の通信デバイス100Bへ送信する。第二の通信ネットワークの運営事業者は、第一の通信ネットワークの運営事業者と異なっていてもよい。
【0073】
(情報処理装置20の動作)
図6を参照して、本実施形態2に係る情報処理装置20の動作を説明する。
図6は、情報処理装置20の動作を示すフローチャートである。
【0074】
図6に示すように、特定部11は、第一の通信デバイス100A(
図2)が緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する(S201)。
【0075】
特定部11は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を、検出部12へ出力する。また、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを、検出部12および探索部24へ出力する。特定部11は、通信デバイス100を特定するためのその他の情報を、検出部12および探索部24へ出力してもよい。
【0076】
探索部24は、第一のエリア内または第二のエリア内におり、かつ、所定の特徴を有する人物を探索する(S202)。
【0077】
探索部24は、所定の特徴を有する人物がいるエリアを示す情報を、検出部22へ出力する。
【0078】
検出部22は、所定の特徴を有する人物がいるエリアをカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する(S203)。
【0079】
検出部22は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報と、第二の通信デバイス100Bが現在あるエリアを示す情報とを、送信部13へ出力する。
【0080】
送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する(S204)。
【0081】
ステップS204において、第二の通信デバイス100Bが接続している第一の通信ネットワークに通信障害が発生していた場合、送信部13は、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bと無線通信してもよい。
【0082】
以上で、本実施形態2に係る情報処理装置20の動作は終了する。
【0083】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する。検出部12は、第一のエリアの少なくとも一部、および、第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。送信部13は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。これにより、緊急通報受理機関は、第二の通信デバイス100Bを所持しているか、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械と交信することができる。また、緊急事態の発生現場から通報者が移動していた場合であっても、第二の通信デバイス100Bを通じて、通報者あるいはその関係者と交信することができる可能性がある。
【0084】
これにより、通報者への呼び返しをすることができない場合であっても、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信をすることができる。
【0085】
さらに本実施形態の構成によれば、探索部24は、第一のエリア内または第二のエリア内におり、かつ、所定の特徴を有する人物を探索する。検出部22は、所定の特徴を有する人物がいるエリアの少なくとも一部をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。
【0086】
これにより、第二の通信デバイス100Bを介して、緊急対応が可能であるといった所定の特徴を有する人物と交信することができる可能性が向上する。
【0087】
〔実施形態3〕
図7~
図8を参照して、実施形態3について説明する。本実施形態3では、前記実施形態1または2と同じ構成要素に関しては、前記実施形態1または2と同じ符号を用いて、その説明を省略する。本実施形態3では、第一の通信デバイス100A(
図2)への呼び返しに対して、一定時間以上、第一の通信デバイス100Aからの応答がない場合、第二の通信デバイス100B(
図2)を所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を、第二の通信デバイス100Bへ送信する構成を説明する。
【0088】
(情報処理装置30の構成)
図7は、本実施形態3に係る情報処理装置30の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、情報処理装置30は、特定部11、検出部12、および送信部33を備えている。情報処理装置30は、呼び返し部34をさらに備えている。
【0089】
呼び返し部34は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100A(
図2)に対して、呼び返し(コールバック)を発信する。
【0090】
第一の通信デバイス100Aへの呼び返しに対して、一定時間以上、第一の通信デバイス100Aからの応答がない場合、送信部33は、第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。送信部33は、送信手段の一例である。
【0091】
例えば、呼び返し部34は、特定部11から、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を受信する。
【0092】
呼び返し部34は、まず、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を用いて、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aへ、呼び返しを行う。その後、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aへの呼び返しに対して、一定時間以上、第一の通信デバイス100Aからの応答がない場合、送信部33は、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を、第二の通信デバイス100Bへ送信する。
【0093】
あるいは、第二の通信デバイス100Bの電話番号が明らかである場合、送信部33は、第一の通信デバイス100Aに対する呼び返しを、第二の通信デバイス100Bへ転送してもよい。
【0094】
他の一例では、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aが接続している第一の通信ネットワークに通信障害が発生したとする。この場合、送信部33は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報を、第二の通信ネットワークへ転送する。送信部33は、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報を送信する。第二の通信ネットワークの運営事業者は、第一の通信ネットワークの運営事業者と異なっていてもよい。
【0095】
(情報処理装置30の動作)
図8を参照して、本実施形態3に係る情報処理装置30の動作を説明する。
図8は、情報処理装置30の動作を示すフローチャートである。
【0096】
図8に示すように、特定部11は、第一の通信デバイス100A(
図2)が緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する(S301)。
【0097】
特定部11は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aの電話番号を示す情報を、検出部12および呼び返し部34へ出力する。また、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリアを示す情報と、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを示す情報とを、検出部12および呼び返し部34へ出力する。特定部11は、通信デバイス100を特定するためのその他の情報を、検出部12および呼び返し部34へ出力してもよい。
【0098】
検出部12は、第一のエリアの少なくとも一部、および、第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する(S302)。
【0099】
検出部12は、第二の通信デバイス100Bを識別するための情報と、第二の通信デバイス100Bが現在あるエリアを示す情報とを、送信部33へ出力する。
【0100】
呼び返し部34は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aに対して、呼び返し(コールバック)を発信する(S303)。
【0101】
呼び返しに対して、一定時間が経過するまでに、第一の通信デバイス100Aの応答があった場合(S304でYes)、フローは終了する。一方、呼び返しに対して、一定時間以上、第一の通信デバイス100Aの応答がない場合(S304でNo)、送信部33は、第二の通信デバイス100Bと無線通信を行い、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を、第二の通信デバイス100Bへ送信する(S305)。
【0102】
ステップS305において、第二の通信デバイス100Bが接続している第一の通信ネットワークに通信障害が発生していた場合、送信部33は、第一の通信ネットワークとは異なる第二の通信ネットワークを通じて、第二の通信デバイス100Bと無線通信を行ってもよい。
【0103】
以上で、本実施形態3に係る情報処理装置30の動作は終了する。
【0104】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、特定部11は、第一の通信デバイス100Aが緊急通報を発信した第一のエリア、および、第一の通信デバイス100Aが現在ある第二のエリアを特定する。検出部12は、第一のエリアの少なくとも一部、および、第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイス100Bを検出する。送信部33は、検出された第二の通信デバイス100Bと無線通信して、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。これにより、緊急通報受理機関は、第二の通信デバイス100Bを所持しているか、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械と交信することができる。また、緊急事態の発生現場から通報者が移動していた場合であっても、第二の通信デバイス100Bを通じて、通報者あるいはその関係者と交信することができる可能性がある。
【0105】
さらに、本実施形態の構成によれば、呼び返し部34は、緊急通報を発信した第一の通信デバイス100Aに対して、呼び返し(コールバック)を発信する。第一の通信デバイス100Aへの呼び返しに対して、一定時間以上、第一の通信デバイス100Aからの応答がない場合、送信部33は、第二の通信デバイス100Bを所持している、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する。
【0106】
このようにして、第二の通信デバイス100Bを介して、第二の通信デバイス100Bを所持しているか、または、第二の通信デバイス100Bの近傍にいる人物あるいは機械に依頼して、緊急事態の発生現場にいる人間と交信することができる可能性がある。また、緊急事態の発生現場から通報者が移動していた場合であっても、通報者あるいはその関係者と交信することができる可能性がある。
【0107】
これにより、通報者への呼び返しをすることができない場合であっても、通報者、あるいは緊急事態と関係する他の人間との迅速な交信をすることができる。
【0108】
(ハードウェア構成)
前記実施形態1~3で説明した情報処理装置10,20,30の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば
図9に示すような情報処理装置により実現される。
図9は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0109】
図9に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていてもよい。
【0110】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。また、本実施形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0111】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0112】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0113】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0114】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0115】
(付記1)
第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定する特定手段と、
前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出する検出手段と、
検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する送信手段とを備えた
情報処理装置。
【0116】
(付記2)
前記第一のエリア内または前記第二のエリア内におり、かつ、所定の特徴を有する前記人物を探索する探索手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記所定の特徴を有する前記人物がいるエリアの少なくとも一部をカバーする前記通信ネットワークと接続している前記第二の通信デバイスを検出する
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0117】
(付記3)
前記探索手段は、前記第一のエリアの少なくとも一部または前記第二のエリアの少なくとも一部を撮影した映像を解析することにより、前記所定の特徴を有する前記人物を探索する
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
【0118】
(付記4)
前記第一の通信デバイスへの呼び返しに対して、一定時間以上、前記第一の通信デバイスからの応答がない場合、
前記送信手段は、前記第二の通信デバイスへ、前記依頼を送信する
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0119】
(付記5)
コンピュータが、
第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定し、
前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出し、
検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信する
情報処理方法。
【0120】
(付記6)
第一の通信デバイスが緊急通報を発信した第一のエリア、および、前記第一の通信デバイスが現在ある第二のエリアを特定することと、
前記第一のエリアの少なくとも一部、および、前記第二のエリアの少なくとも一部の一方または両方をカバーする通信ネットワークと接続している第二の通信デバイスを検出することと、
検出された前記第二の通信デバイスと無線通信して、前記第二の通信デバイスを所持している、または、前記第二の通信デバイスの近傍にいる人物あるいは機械への依頼を送信することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0121】
以上、本実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本開示は、例えば、通信ネットワークを通じて、緊急事態受理機関と緊急事態の発生現場にいる人間とが交信することを実現する情報処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0123】
10 情報処理装置
11 特定部
12 検出部
13 送信部
20 情報処理装置
22 検出部
24 探索部
30 情報処理装置
33 送信部
34 呼び返し部
100 通信デバイス
100A 第一の通信デバイス
100B 第二の通信デバイス
110 コンピュータ