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特開2024-172901基板搬送システム、基板検査システム、および、基板異常検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172901
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】基板搬送システム、基板検査システム、および、基板異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241205BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20241205BHJP
   G01B 11/16 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/68 A
G01B11/24 M
G01B11/16 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090946
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】藤森 一夫
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 雅行
【テーマコード(参考)】
2F065
5F131
【Fターム(参考)】
2F065AA46
2F065AA65
2F065CC19
2F065DD03
2F065FF04
2F065FF61
2F065PP25
2F065QQ31
2F065RR09
5F131AA02
5F131BB04
5F131BB23
5F131CA07
5F131CA70
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB58
5F131DB76
5F131DB82
5F131DD42
5F131DD43
5F131DD73
5F131DD76
5F131DD82
5F131DD86
5F131GA14
5F131GA33
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA13
5F131KA12
5F131KA55
5F131KA72
5F131KA73
5F131KB32
5F131KB52
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】基板の異常を精度よく検出することが可能な基板搬送システム、基板検査システム、および、基板異常検出方法を提供する。
【解決手段】この基板搬送システム100は、基板210の搬送が行われる搬送室10と、搬送室10において基板210と対向する位置に配置された天井部材13と、基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像を撮像する撮像部40と、制御部60とを備える。制御部60は、撮像部40により天井部材13の反射像が撮像された撮像画像を入力とし、基板210の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板210の異常を検出する制御部60とを、備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の搬送が行われる搬送室と、
前記搬送室において前記基板と対向する位置に配置された標識部材と、
前記基板の主表面において反射された前記標識部材の反射像を撮像する撮像部と、
前記撮像部により前記標識部材の前記反射像が撮像された撮像画像を入力とし、前記基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する制御部とを、備える、基板搬送システム。
【請求項2】
前記学習済みモデルは、前記撮像部により正常な前記基板の主表面において反射された前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像である正常画像と異常を含む前記基板の主表面において反射された前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像である異常画像とを含む教師画像を入力用の教師データとした機械学習により生成されている、請求項1に記載の基板搬送システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記撮像画像を入力とし、少なくとも前記基板の反りを含む前記基板の異常を識別する前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、少なくとも前記基板の反りを含む前記基板の異常を検出する、請求項1または2に記載の基板搬送システム。
【請求項4】
前記標識部材は、規則性のある模様を有し、
前記学習済みモデルは、規則性のある模様を有する前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像を入力として、前記識別結果を出力する、請求項1または2に記載の基板搬送システム。
【請求項5】
前記搬送室に配置され、前記基板の搬送動作を行う基板搬送ロボットをさらに備え、
前記制御部は、前記学習済みモデルを用いることによって、前記搬送室において前記基板搬送ロボットにより搬送される前記基板の異常を検出する、請求項1または2に記載の基板搬送システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記基板搬送ロボットによる搬送動作において移動している状態の前記基板の主表面において反射された前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像を入力とし、前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、請求項5に記載の基板搬送システム。
【請求項7】
前記搬送室は、前記基板が収納される基板収納容器が取り付けられ、
前記制御部は、前記学習済みモデルを用いることによって、前記搬送室において前記基板搬送ロボットにより前記基板収納容器に対する搬送動作が行われる前記基板の異常を検出する、請求項5に記載の基板搬送システム。
【請求項8】
前記基板搬送ロボットは、前記基板収納容器と、前記基板に対して処理を行う処理装置に前記基板を受け渡すために前記基板が載置される処理待機部との間における前記基板の搬送動作を行い、
前記制御部は、前記学習済みモデルを用いることによって、前記搬送室において前記基板搬送ロボットによって前記基板収納容器と前記処理待機部との間を搬送される前記基板の異常を検出する、請求項7に記載の基板搬送システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記基板搬送ロボットの搬送動作において前記基板収納容器から前記基板が取り出されたタイミングにおいて撮像された前記撮像画像を入力とし、前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、請求項7に記載の基板搬送システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記基板搬送ロボットの動作を制御するロボット制御部を兼ね、
前記学習済みモデルを用いることによって前記基板の異常が検出された場合には、前記基板の異常が検出されたことを示す異常検出情報を出力する、請求項9に記載の基板搬送システム。
【請求項11】
前記標識部材は、前記搬送室における天井部材を含み、
前記撮像部は、前記搬送室内の上方に配置されている、請求項1または2に記載の基板搬送システム。
【請求項12】
前記搬送室において前記標識部材に照明光を照射する照明部をさらに備え、
前記制御部は、前記標識部材に前記照明光が照射された状態において撮像された前記撮像画像を入力とし、前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、請求項1または2に記載の基板搬送システム。
【請求項13】
基板と対向する位置に配置された標識部材と、
前記基板の主表面において反射された前記標識部材の反射像を撮像する撮像部と、
前記撮像部により前記標識部材の前記反射像が撮像された撮像画像を入力とし、前記基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する制御部とを、備える、基板検査システム。
【請求項14】
基板の主表面において反射された前記基板と対向する位置に配置された標識部材の反射像を撮像した撮像画像を取得し、
前記撮像画像を入力とし、前記基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、基板異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、基板搬送システム、基板検査システム、および、基板異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエハの反りを測定する測定装置が開示されている。特許文献1には、ウエハに処理を行うランプ加熱式の処理装置においてウエハの反りを測定する測定装置が記載されている。特許文献1に記載の測定装置は、ウエハに反りが無い状態でウエハに写る反射像を撮像した非反り時の画像と、ウエハに反りがある状態で反射像を撮像した反り時の画像とを比較することによってウエハの反りを測定する。具体的には、特許文献1に記載の測定装置は、反射像における処理装置の加熱用のランプのフィラメントを目標物として、非反り時の画像から目標物を含む複数の非反り時の部分画像を取得する。特許文献1に記載の測定装置は、反り時の画像において、非反り時の部分画像に最も一致度が高い部分を反り時の部分画像として取得する。そして、非反り時の部分画像の座標を反り時の部分画像の座標に座標変換することによって、座標変換の大きさからウエハの反りが測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-55617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1のように、ウエハなどの基板において、反射像に基づいて反りなどの異常を検出する場合には、ウエハの異常に起因するウエハの反射像の形状の変化は複雑であるため、座標変換などの計算処理を用いた異常の検出では、検出の精度が低くなる場合がある。たとえば、反りの異常を反射像に基づいて検出する場合には、ウエハにおいて反りの生じる位置、および、反りの向きが一定とはならない場合があるため、予め設定されている所定の計算処理では、検出しきれない異常が生じる場合がある。そのため、ウエハなどの基板の異常を精度よく検出することが望まれている。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、基板の異常を精度よく検出することが可能な基板搬送システム、基板検査システム、および、基板異常検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の第1の局面による基板搬送システムは基板の搬送が行われる搬送室と、搬送室において基板と対向する位置に配置された標識部材と、基板の主表面において反射された標識部材の反射像を撮像する撮像部と、撮像部により標識部材の反射像が撮像された撮像画像を入力とし、基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板の異常を検出する制御部とを、備える。
【0007】
この開示の第1の局面による基板搬送システムは、上記のように、標識部材の反射像が撮像された撮像画像を入力とし、基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板の異常を検出する。ここで、機械学習では、複数の種類の異常を学習することによって、学習した異常とは異なる形態の異常をも検出するように学習済みモデルを学習できる。たとえば、機械学習による学習済みモデルを用いて基板の反りの異常を検出する場合には、複数の位置および複数の方向の反りを異常として学習した学習済みモデルを用いることによって、学習された反りとは異なる位置、または、方向の反りをも精度よく検出できる。そのため、機械学習により生成された学習済みモデルを用いて撮像画像に基づいて基板の異常を検出することによって、複数種類の異常を検出できるため、異常の種類によって基板に生じている異常が検出しきれなくなることを抑制できる。その結果、基板の異常を精度よく検出できる。
【0008】
この開示の第2の局面による基板検査システムは、基板と対向する位置に配置された標識部材と、基板の主表面において反射された標識部材の反射像を撮像する撮像部と、撮像部により標識部材の反射像が撮像された撮像画像を入力とし、基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板の異常を検出する制御部とを、備える。
【0009】
この開示の第2の局面による基板検査システムは、上記のように、標識部材の反射像が撮像された撮像画像を入力とし、基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板の異常を検出する。ここで、機械学習では、複数の種類の異常を学習することによって、学習した異常とは異なる形態の異常をも検出するように学習済みモデルを学習できる。たとえば、機械学習による学習済みモデルを用いて基板の反りの異常を検出する場合には、複数の位置および複数の方向の反りを異常として学習した学習済みモデルを用いることによって、学習された反りとは異なる位置、または、方向の反りをも精度よく検出できる。そのため、機械学習により生成された学習済みモデルを用いて撮像画像に基づいて基板の異常を検出することによって、複数種類の異常を検出できるため、異常の種類によって基板に生じている異常が検出しきれなくなることを抑制できる。その結果、基板の異常を精度よく検出することが可能な基板検査システムを提供できる。
【0010】
この開示の第3の局面による基板異常検出方法は、基板の主表面において反射された基板と対向する位置に配置された標識部材の反射像を撮像した撮像画像を取得し、撮像画像を入力とし、基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板の異常を検出する。
【0011】
この開示の第3の局面による基板異常検出方法は、上記のように、標識部材の反射像が撮像された撮像画像を入力とし、基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、基板の異常を検出する。ここで、機械学習では、複数の種類の異常を学習することによって、学習した異常とは異なる形態の異常をも検出するように学習済みモデルを学習できる。たとえば、機械学習による学習済みモデルを用いて基板の反りの異常を検出する場合には、複数の位置および複数の方向の反りを異常として学習した学習済みモデルを用いることによって、学習された反りとは異なる位置、または、方向の反りをも精度よく検出できる。そのため、機械学習により生成された学習済みモデルを用いて撮像画像に基づいて基板の異常を検出することによって、複数種類の異常を検出できるため、異常の種類によって基板に生じている異常が検出しきれなくなることを抑制できる。その結果、基板の異常を精度よく検出することが可能な基板異常検出方法を提供できる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、基板の異常を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態による基板搬送システムが配置されている基板処理システムを示す天面図である。
図2】本開示の一実施形態による基板搬送システムの構成を示すブロック図である。
図3】基板搬送システムの構成を模式的に示した斜視図である。
図4】天井部材の規則性のある模様の一例を示した図である。
図5】撮像部による撮像画像の一例を示した図である。
図6】学習済みモデルの学習を説明するための図である。
図7】教師画像における正常画像と異常画像との一例を示した図である。
図8】本実施形態による基板異常検出方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示を具体化した本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1から図8までを参照して、本実施形態による基板搬送システム100について説明する。
【0016】
(基板処理システム)
図1に示すように、基板搬送システム100は、基板処理システム200に配置されている。基板処理システム200は、基板210に対して処理を行う処理装置201を備える。処理装置201は、基板搬送ロボット202、ロードロック部203、複数の処理モジュール部204、および、搬送室205を備えている。基板搬送ロボット202は、基板210を搬送する水平多関節ロボットである。ロードロック部203は、基板210の取入れ、および、取出しを行うための部屋である。すなわち、ロードロック部203は、処理装置201に基板210を受け渡すために基板210が載置される。基板処理システム200の処理装置201は、2つのロードロック部203を含む。ロードロック部203は、基板搬送システム100に接続されている。処理モジュール部204では、基板210に対して、レジストの塗布や、エッヂングなどの処理が行われる。搬送室205には、基板搬送ロボット202が配置される。搬送室205において、基板搬送ロボット202は、ロードロック部203と処理モジュール部204との間において基板210を搬送する。なお、ロードロック部203は、処理待機部の一例である。
【0017】
基板搬送システム100は、基板210に対して処理が行われる基板処理システム200において、FOUP101(Front Opening Unify Pod)と処理装置201との間における基板210の搬送を行う。基板搬送システム100は、EFEM(Equipment Front End Module)である。FOUP101は、複数の基板210が収納される容器である。FOUP101では、複数の基板210が上下方向に並んで配置される。FOUP101は、基板収納容器の一例である。また、基板210は、たとえば、円盤形状を有するシリコンウエハである。基板210は、鏡面の主表面を有する。
【0018】
(基板搬送システム)
図2に示すように、基板搬送システム100は、搬送室10、基板搬送ロボット20、アライナ30、撮像部40、照明部50、および、制御部60を備えている。基板搬送ロボット20は、水平多関節のロボットアーム21と、基板保持ハンド22とを含む。
【0019】
図3に示すように、搬送室10は、直方体形状を有する筐体である。搬送室10は、Y1方向側の前面11、Y2方向側の背面12を有する。また、搬送室10は、Z1方向側である鉛直方向の上方側の天面として天井部材13を有する。搬送室10内において、基板210の搬送が行われる。搬送室10は、基板搬送ロボット20、アライナ30、撮像部40、照明部50、および、制御部60を内部に収容している。搬送室10のY1方向側の前面11には、FOUP101が取り付けられるロードポート部11aが水平方向に沿って並んで3つ配置されている。ロードポート部11aは、開閉機構を有する。ロードポート部11aは、取り付けられたFOUP101の扉部を開閉する。また、搬送室10のY2方向側の背面12には、2つのロードロック部203が接続されている。ロードロック部203と背面12との間にも、開閉機構が配置されている。なお、図3では、3つのロードポート部11aのうちのX1方向側の1つのロードポート部11aにFOUP101が取り付けられている状態を示している。
【0020】
図4に示すように、天井部材13は、領域13aにおいて、規則性のある模様を有する。具体的には、天井部材13には、規則性のある模様として、升目状の模様が描かれている。たとえば、天井部材13では、白地に格子状の黒色の直線が複数配置されることによって、升目状の規則性のある模様が配置されている。また、天井部材13の全体に渡って規則性のある模様を有する領域13aが配置されている。本実施形態では、天井部材13は、搬送室10において、基板210の主表面に規則性のある模様が反射するように、基板搬送ロボット20に搬送される基板210と対向する位置に配置された部材である。すなわち、本実施形態では、天井部材13は、基板搬送ロボット20に搬送される基板210とは別個に配置されている。なお、天井部材13は、標識部材の一例である。
【0021】
図3に示すように、基板搬送ロボット20は、搬送室10に配置されている。基板搬送ロボット20は、搬送室10において基板210の搬送動作を行う。具体的には、基板搬送ロボット20において、ロボットアーム21の先端に基板210を保持するエンドエフェクタである基板保持ハンド22が配置されている。基板搬送ロボット20は、ロードポート部11aに取り付けられたFOUP101と、ロードロック部203との間における基板210の搬送動作を行う。基板搬送ロボット20は、基板保持ハンド22において水平面に沿って基板210を保持した状態で、基板210を搬送する。
【0022】
アライナ30は、基板搬送ロボット20によって搬送された基板210の位置合わせを行う。アライナ30は、搬送室10内において、左右方向であるX方向の一方側であるX2方向側に寄せて配置されている。アライナ30は、基板210が載置される基板載置部30aを有する。アライナ30は、基板載置部30aに載置された基板210を水平面に沿って回転させることによって、基板210の主表面の周方向に沿う回転位置の位置合わせを行う。また、アライナ30は、基板210の中心位置を検出する。
【0023】
基板搬送システム100では、FOUP101から基板搬送ロボット20により保持された処理前の基板210が、アライナ30に搬送される。そして、アライナ30により位置合わせされた基板210が、再度基板搬送ロボット20によりロードロック部203に搬送される。また、処理装置201において処理が行われた後の基板210は、基板搬送ロボット20により、ロードロック部203からFOUP101に搬送される。基板搬送ロボット20による基板210の搬送動作は、FOUP101およびロードロック部203の各々に対して、基板210を取り出す搬出動作と、基板210を載置する搬入動作との両方を含む。
【0024】
撮像部40は、たとえば、2次元のカメラである。撮像部40は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有する。撮像部40は、基板搬送ロボット20に保持された状態の基板210に対向する位置に配置されている。撮像部40は、基板搬送ロボット20に保持された状態の基板210を撮像する。具体的には、撮像部40は、基板210を撮像することによって、基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像を撮像する。本実施形態では、撮像部40は、搬送室10の上方に配置されている。撮像部40は、たとえば、搬送室10内において、搬送室10の天井部材13に配置されている。撮像部40は、FOUP101から取り出された基板210を撮像する位置に配置されている。撮像部40は、FOUP101が取り付けられる3つのロードポート部11aに対応するように、3つ配置されている。
【0025】
図5に示すように、撮像部40の撮像により撮像画像70が取得される。撮像部40により撮像された撮像画像70は、制御部60に送信される。撮像画像70には、基板210が含まれる。具体的には、撮像画像70には、基板搬送ロボット20の基板保持ハンド22に保持された状態の基板210の主表面において反射された天井部材13の規則性を有する模様の反射像が含まれる。
【0026】
図3に示すように、照明部50は、搬送室10において、天井部材13に照明光を照射する。照明部50は、たとえば、照明光として黄色の光を照射するLED(Light-Emitting Diode)を含む。照明部50は、撮像部40による撮像が行われるタイミングにおいて、天井部材13に照明光を照射する。照明部50は、たとえば、搬送室10内の全体に拡散された照明光を照射することによって、天井部材13の規則性を有する模様が配置されている領域13aに対して照明光を照射する。照明部50は、搬送室10内のZ1方向側である上方側において、X1方向側とX2方向側との側面部の各々に1つずつ配置されている。本実施形態では、天井部材13に照明部50による照明光が照射された状態において撮像部40により撮像された撮像画像70が、制御部60に送信される。
【0027】
図1に示すように、制御部60は、機械学習部61を含む。制御部60は、基板搬送システム100の各部の動作を制御する。本実施形態では、制御部60は、基板搬送ロボット20の動作を制御するロボット制御部を兼ねる。すなわち、制御部60は、ロボットコントローラである。制御部60は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置を含む。また、制御部60は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などのメモリや、ハードディスクなどの記憶装置も含む。制御部60は、記憶装置に記憶されたプログラムおよびパラメータなどに基づいて、演算装置による制御処理を実行する。また、本実施形態では、制御部60は、基板210の異常を検出する。
【0028】
(異常検出の制御処理)
図6に示すように、本実施形態では、制御部60は、機械学習により生成された学習済みモデル62を用いることによって、撮像部40による撮像画像70に基づいて、基板210の異常を検出する。学習済みモデル62は、撮像画像70を入力とし、基板210の異常を識別する識別結果71を出力する。本実施形態では、制御部60により検出される基板210の異常は、基板210の反り、変形、欠け、割れ、および、傷などを含む。本実施形態では、学習済みモデル62は、撮像画像70における天井部材13の反射像に基づいて基板210の異常を識別するように機械学習により生成されている。学習済みモデル62は、制御部60の機械学習部61により予め生成されるとともに、制御部60の記憶装置に記憶されている。
【0029】
〈学習済みモデルの生成〉
制御部60は、機械学習部61において、入力された学習用データである教師画像80に基づいて、機械学習により、学習済みモデル62を生成する。学習済みモデル62は、教師画像80を入力として出力教師データ85を出力としたデータセットを用いた機械学習によって生成される。撮像画像70では、規則性のある模様を有する天井部材13の反射像が含まれている。基板210に反りなどの異常が生じている場合には、撮像画像70における天井部材13の規則性のある模様の形状が、正常である場合とは異なる形状となる。本実施形態では、学習済みモデル62は、撮像画像70における天井部材13の反射像により、天井部材13の規則性のある模様の状態に基づいて、基板210の異常を識別するように、機械学習により生成される。
【0030】
図7に示すように、教師画像80は、撮像部40により正常な基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70である正常画像81と、撮像部40により異常を含む基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70である異常画像82とを含む。すなわち、異常が生じておらず正常であると判明している基板210を、撮像部40によって撮像した複数の撮像画像70が、複数の正常画像81として制御部60に取得される。また、反り、変形、欠け、割れ、および、傷などの複数種類の異常が生じている基板210を撮像部40によって撮像した複数の撮像画像70が異常画像82として取得される。なお、図7では、上から順に、反り、変形、および、傷の異常が生じている基板210を撮像した異常画像82の例を図示している。また、異常の種類のみならず、基板210において異常の生じている位置、および、異常の程度を、複数パターンに変更しながら、複数種類の異常に対応する複数の異常画像82が取得される。取得された複数の正常画像81は、画像に含まれる基板210が正常であることを示す出力教師データ85と関連付けられた状態で、制御部60の記憶装置に記憶される。取得された複数の異常画像82も同様に、画像に含まれる基板210に異常が生じていることを示す出力教師データ85と関連付けられた状態で、制御部60の記憶装置に記憶される。
【0031】
図6に示すように、機械学習部61は、複数の正常画像81および複数の異常画像82を含む複数の教師画像80を入力用の教師データとし、かつ、複数の正常画像81の各々および複数の異常画像82の各々と関連付けられた複数の出力教師データ85を出力用の教師データとして、学習済みモデル62を生成する機械学習を行う。機械学習部61は、深層学習を用いた機械学習によって学習済みモデル62を生成する。機械学習部61は、たとえば、全層畳み込みネットワーク(Fully Convolution Network:FCN)をベースとした機械学習によって学習済みモデル62を生成する。学習済みモデル62は、入力である複数の正常画像81および複数の異常画像82を含む教師画像80に対して、入力された教師画像80における基板210に異常が含まれるか否かを示す確からしさを表す尤度を識別結果71として出力するように学習させることによって生成される。
【0032】
〈基板の異常の検出〉
本実施形態では、制御部60は、学習済みモデル62を用いることによって、基板搬送ロボット20による搬送動作において、移動している状態の基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70に基づいて、基板210の異常を検出する。基板210の異常の判定に用いられる撮像画像70は、基板搬送ロボット20の搬送動作において、FOUP101から基板210が取り出されたタイミングにおいて撮像された画像である。制御部60は、学習済みモデル62による推論結果として、入力された撮像画像70における基板210に異常が含まれるか否かの確からしさを示す尤度を含む識別結果71を取得する。そして、制御部60は、取得された識別結果71から、学習済みモデル62により推定された尤度が所定の閾値よりも大きい場合に基板210において異常が検出されたと判定する。たとえば、識別結果71の示す尤度が0から1までの値である場合に、0.8を所定の閾値として、基板210の異常の検出が判定される。
【0033】
制御部60は、学習済みモデル62を用いることによって基板210の異常が検出された場合には、基板210の異常が検出されたことを示す異常検出情報を外部に出力する。たとえば、制御部60は、基板処理システム200の全体の制御を行う上位の制御装置に対して、異常検出情報を出力する。一例として、制御部60は、基板210の異常が検出された場合に、上位の制御装置からの信号に基づいて、異常が検出された基板210を、基板搬送ロボット20によりFOUP101に再度収納させる。制御部60は、上位の制御装置から基板210をFOUP101に再度収納することを指示する信号が取得されない場合には、基板210の搬送動作を停止して、処理を待機する。なお、異常検出情報が取得されたことを示す情報を表示装置に表示することによって、基板210の異常が検出されたことが報知されるようにしてもよい。たとえば、FOUP101に収納されている複数の基板210の各々を、順次、処理装置201に搬送することによって、処理装置201において基板210に対する処理を行う場合に、制御部60は、基板搬送ロボット20の搬送動作を制御することによって、基板210を1つずつ、アライナ30を経由しながら、ロードロック部203に搬送する。制御部60は、複数の基板210の各々の搬送において、撮像画像70を取得するとともに、予め生成されて記憶されている学習済みモデル62を用いて、取得された撮像画像70に基づいて基板210の異常の検出を行う。複数の基板210のうちの一の基板210において異常が検出された場合には、制御部60は、異常検出情報を出力するとともに、上位の制御装置からの信号に基づいて、異常が検出された基板210をFOUP101の元の位置に戻すように、基板210を再度収納する。そして、制御部60は、異常が検出された基板210の次の基板210を、同様に、異常の検出を行いながら、ロードロック部203に搬送する。
【0034】
(基板異常検出方法)
次に、図8を参照して、本実施形態の基板搬送システム100による基板異常検出方法の制御処理について説明する。本実施形態の基板異常検出方法の制御処理は、基板搬送システム100の制御部60により実行される。
【0035】
まず、ステップS1において、学習済みモデル62が生成される。具体的には、正常画像81および異常画像82を含む教師画像80と出力教師データ85とが取得される。そして、教師画像80および出力教師データ85をデータセットとして、天井部材13の規則性のある模様の状態に基づいて基板210の異常を識別するように、機械学習により学習済みモデル62が生成される。生成された学習済みモデル62は、制御部60の記憶装置に記憶される。
【0036】
次に、ステップS2において、基板210の搬送動作が開始される。具体的には、FOUP101に配置されている基板210が基板搬送ロボット20の基板保持ハンド22に保持されるように、基板搬送ロボット20の動作が制御される。
【0037】
次に、ステップS3において、FOUP101から基板210が取り出される。基板保持ハンド22に基板210が保持された状態で、FOUP101から処理が行われる前の一の基板210が搬送室10内に搬送される。
【0038】
次に、ステップS4において、撮像部40により基板210が撮像されることによって、基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像を撮像した撮像画像70が取得される。ステップS3において基板210がFOUP101から取り出されたタイミングにおいて、撮像部40により撮像画像70が撮像される。撮像画像70が撮像されるタイミングは、たとえば、一つの基板210の全体が、FOUP101から搬送室10内に移動されたタイミングを含む。なお、ステップS4において、基板搬送ロボット20は、FOUP101からアライナ30に向かって基板210を搬送する移動を行っている。たとえば、制御部60は、移動中の基板210に対して複数回の撮像を連続的に行うことによって一の基板210を撮像した複数の撮像画像70を取得する。そして、複数の撮像画像70のうちから、撮像画像70の画素値などに基づいて、最も基板210の認識率が高い一の撮像画像70を、異常を検出するための撮像画像70として取得する。たとえば、画像にブレが含まれる場合は画像のエッジが少なくなるので、制御部60は、複数の撮像画像70の各々に対してエッジ検出の処理を行うことによって、エッジの検出量が最も大きい一の撮像画像70を、異常を検出するための撮像画像70として取得する。また、ステップS4において、撮像画像70の撮像に合わせて照明部50により照明光が照射される。
【0039】
次に、ステップS5において、撮像画像70を入力とし識別結果71を出力する、機械学習により生成された学習済みモデル62を用いることによって、撮像画像70に基づいて基板210の異常が検出される。
【0040】
そして、ステップS6において、基板210において異常が検出されたか否かが判断される。基板210に異常が検出されたと判断された場合は、ステップS7に進む。基板210に異常が検出されたと判断されない場合には、ステップS8に進む。
【0041】
ステップS7では、基板210の異常が検出されたとして、基板210の異常が検出されたことを示す異常検出情報が出力される。たとえば、異常が検出された基板210を再度FOUP101に収納することを指示する信号が取得された場合には、処理装置201による処理を行わずに、FOUP101に再度収納されるように基板搬送ロボット20の動作が制御される。そして、基板異常検出方法の制御処理が終了される。
【0042】
ステップS8では、基板210に異常が検出されなかったとして、基板210の搬送動作が継続される。基板搬送ロボット20によって、基板210が、アライナ30に搬送されるとともに、処理装置201による処理が行われるためにロードロック部203に搬送される。そして、基板異常検出方法の制御処理が終了される。
【0043】
なお、複数の基板210に対して連続的に基板異常検出方法の制御処理が実行される場合には、ステップS1による学習済みモデル62の生成が一度のみ行われるとともに、ステップS2からステップS8までの制御処理が、1枚の基板210ごとに繰り返し実行される。
【0044】
[本実施形態の効果]
基板搬送システム100は、上記のように、標識部材としての天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70を入力とし、基板210の異常を識別する識別結果71を出力する、機械学習により生成された学習済みモデル62を用いることによって、基板210の異常を検出する。ここで、機械学習では、複数の種類の異常を学習することによって、学習した異常とは異なる形態の異常をも検出するように学習済みモデル62を学習できる。たとえば、機械学習による学習済みモデル62を用いて基板210の反りの異常を検出する場合には、複数の位置および複数の方向の反りを異常として学習した学習済みモデル62を用いることによって、学習された反りとは異なる位置、または、方向の反りをも精度よく検出できる。そのため、機械学習により生成された学習済みモデル62を用いて撮像画像70に基づいて基板210の異常を検出することによって、複数種類の異常を検出できるため、異常の種類によって基板210に生じている異常が検出しきれなくなることを抑制できる。その結果、基板210の異常を精度よく検出できる。
【0045】
学習済みモデル62は、撮像部40により正常な基板210の主表面において反射された標識部材としての天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70である正常画像81と異常を含む基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70である異常画像82とを含む教師画像80を入力用の教師データとした機械学習により生成されている。これにより、正常画像81のみ、または、異常画像82のみを用いて機械学習を行う場合に比べて、正常画像81と異常画像82とを含む教師画像80を用いた機械学習によって学習済みモデル62を生成することによって、学習済みモデル62による識別の精度を向上できる。その結果、正常画像81と異常画像82とを含む教師画像80を用いた機械学習によって生成された学習済みモデル62によって、基板210の異常をより精度よく検出できる。
【0046】
制御部60は、撮像画像70を入力とし、少なくとも基板210の反りを含む基板210の異常を識別する識別結果71を出力する学習済みモデル62を用いることによって、少なくとも基板210の反りを含む基板210の異常を検出する。ここで、基板210に反りの異常が生じている場合には、基板210の主表面における反射像の形状が変化するため、反射像を含む撮像画像70に基づく学習済みモデル62を用いた異常の検出において、基板210の反りの異常は、傷または欠けなどの異常に比べてより精度よく検出できる。そのため、本実施形態のように、少なくとも反りを含む基板210の異常を検出することによって、基板210の少なくとも反りを含む異常を効果的に精度よく検出できる。
【0047】
標識部材としての天井部材13は、規則性のある模様を有する。学習済みモデル62は、規則性のある模様を有する天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70を入力として、識別結果71を出力する。これにより、天井部材13が規則性のある模様を有するため、反射像による異常の識別をより一層精度よく行うことができる。その結果、基板210の異常をより一層精度よく検出できる。
【0048】
基板搬送システム100は、搬送室10に配置され、基板210の搬送動作を行う基板搬送ロボット20を備える。制御部60は、学習済みモデル62を用いることによって、搬送室10において基板搬送ロボット20により搬送される基板210の異常を検出する。これにより、基板搬送ロボット20によって撮像部40に撮像される位置に基板210を容易に移動できる。そのため、複数の基板210を繰り返し容易に検査できる。
【0049】
制御部60は、基板搬送ロボット20による搬送動作において移動している状態の基板210の主表面において反射された天井部材13の反射像が撮像された撮像画像70を入力とし、識別結果71を出力する学習済みモデル62を用いることによって、基板210の異常を検出する。これにより、基板210の搬送において、撮像画像70の撮像のために基板210の移動を停止させる場合と異なり、基板210の異常の検出のために、基板210の搬送動作の作業時間が増大することを抑制できる。その結果、作業時間の増大を抑制しながら、基板210の異常を精度よく検出できる。
【0050】
搬送室10は、基板210が収納される基板収納容器としてのFOUP101が取り付けられる。制御部60は、学習済みモデル62を用いることによって、搬送室10において基板搬送ロボット20によりFOUP101に対する搬送動作が行われる基板210の異常を検出する。これにより、基板搬送ロボット20によってFOUP101に対する基板210の搬送動作を行いながら、学習済みモデル62を用いることによって基板210の異常を精度よく検出できる。そのため、FOUP101に対する基板210の搬送と、基板210の異常の検出とを別個に行う場合に比べて、基板210の異常を精度よく検出できるとともに、作業時間の増大を抑制できる。
【0051】
基板搬送ロボット20は、基板収納容器としてのFOUP101と、基板210に対して処理を行う処理装置201に基板210を受け渡すために基板210が載置される処理待機部としてのロードロック部203との間における基板210の搬送動作を行う。制御部60は、学習済みモデル62を用いることによって、搬送室10において基板搬送ロボット20によってFOUP101とロードロック部203との間を搬送される基板210の異常を検出する。これにより、基板搬送ロボット20によって、FOUP101とロードロック部203との間における基板210の搬送動作を行いながら、学習済みモデル62を用いることによって基板210の異常を精度よく検出できる。そのため、FOUP101とロードロック部203との間における基板210の搬送と、基板210の異常の検出とを別個に行う場合に比べて、基板210の異常を精度よく検出できるとともに、作業時間の増大を効果的に抑制できる。
【0052】
制御部60は、基板搬送ロボット20の搬送動作において基板収納容器としてのFOUP101から基板210が取り出されたタイミングにおいて撮像された撮像画像70を入力とし、識別結果71を出力する学習済みモデル62を用いることによって、基板210の異常を検出する。これにより、FOUP101から取り出された基板210の異常を精度よく検出できる。そのため、異常が生じている状態の基板210をFOUP101から別個の搬送先に対して搬送することを抑制できる。そのため、異常が生じている基板210に処理が行われることを抑制できるので、基板210の処理に不具合が生じることを効果的に抑制できる。
【0053】
制御部60は、基板搬送ロボット20の動作を制御するロボット制御部を兼ねる。また、制御部60は、学習済みモデル62を用いることによって基板210の異常が検出された場合には、基板210の異常が検出されたことを示す異常検出情報を出力する。これにより、異常が検出された基板210に対して処理が行われることを抑制できる。また、異常が生じた基板210を再度FOUP101に収納するように動作させる場合には、次の新たな基板210に対する搬送および異常の検出を容易に行うことができる。
【0054】
基板搬送システム100は、搬送室10における標識部材としての天井部材13を含む。撮像部40は、搬送室10内の上方に配置されている。これにより、学習済みモデル62によって天井部材13の反射像に基づいて基板210の異常の識別が行われるため、天井部材13とは別個に標識部材を設ける場合に比べて装置構成の複雑化を抑制できる。また、基板210が水平面に沿って保持された状態で搬送される場合には、搬送室10内の上方に配置された撮像部40によって、基板210において反射した天井部材13を容易に撮像することができる。
【0055】
搬送室10において標識部材としての天井部材13に照明光を照射する照明部50を備える。制御部60は、天井部材13に照明光が照射された状態において撮像された撮像画像70を入力とし、識別結果71を出力する学習済みモデル62を用いることによって、基板210の異常を検出する。これにより、照明光が照射された天井部材13の反射像を撮像できるので、撮像画像70における天井部材13が不鮮明になることを抑制できる。そのため、撮像画像70に基づいて基板210の異常をより精度よく検出できる。
【0056】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0057】
たとえば、上記実施形態では、正常な基板210を撮像した正常画像81と異常を含む基板210を撮像した異常画像82とを含む教師画像80を用いることによって、学習済みモデル62が機械学習により生成される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、学習済みモデルの生成において、正常な基板を撮像した正常画像と異常を含む基板を撮像した異常画像とのいずれか一方を含む教師画像を入力用の教師データとして用いることによって、学習済みモデルが生成されてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、学習済みモデル62を用いて制御部60により検出される基板210の異常が、基板210の反り、変形、欠け、割れ、および、傷などを含む例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、検出される基板の異常は、基板の反り、変形、欠け、割れ、および、傷のうちのいずれかのうちの1つ、または、いずれかのうちの複数であってもよい。たとえば、基板の反りのみを異常として検出するようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、学習済みモデル62による異常の検出のために、升目状の規則性のある模様を有する標識部材としての天井部材13の反射像が撮像される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、標識部材における規則性のある模様は、升目状ではなく、ドット状、縦縞、横縞、または、同心円状などの模様であってもよい。たとえば、標識部材としての天井部材を、複数の孔部が規則的に配置された板状の部材であるパンチングメタルを含むようにしてもよい。その場合には、天井部材における規則性のある孔部を、標識部材における規則性を有する模様としてもよい。また、規則性のある模様を、天井部材の全体ではなく部分的に配置するようにしてもよい。また、標識部材が規則性を有する模様を有していなくてもよい。たとえば、基板の主表面において反射される周囲の構造物を標識部材として、学習済みモデルによる異常の識別のために周囲の構造物の反射像を撮像するようにしてもよい。ルールベースのアルゴリズムなどの論理的な計算による異常の検出では、規則性を有する模様が含まれていない場合には異常の検出が困難である一方、学習済みモデルを用いる異常の検出では、機械学習を行うことによって、入力される撮像画像に規則性を有する模様が含まれていない場合にも、異常の検出を精度よく行うことができる。また、複数種類の標識部材を配置するようにしてもよい。たとえば、互いに異なる種類の規則性のある模様を有する標識部材を複数配置するとともに、1つの基板の異常の検出において、複数種類の標識部材の各々の反射像が撮像されるように、複数の撮像画像を取得するようにしてもよい。その場合、取得された複数の撮像画像の各々に基づいて、学習済みモデルを用いて基板の異常の検出が行われるようにしてもよいし、複数の撮像画像のうちの1つ以上のいずれかの撮像画像に基づいて、学習済みモデルを用いて基板の異常の検出が行われるようにしてもよい。また、標識部材を、標識の態様が変更されるようにしてもよい。たとえば、画像を表示するディスプレイなどの表示装置を標識部材としてもよい。その場合には、表示される画像の種類を変更することによって、複数種類の反射像を含む複数の撮像画像が取得されるようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、鏡面の主表面を有する円盤形状のシリコンウエハである基板210の異常を検出する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、異常が検出される対象である基板は、円盤形状ではなく、矩形の基板であってもよい。また、鏡面ではなくともよい。たとえば、基板に表面処理がされて色が変化していてもよい。また、基板に回路パターンが焼き付けられていてもよい。基板の主表面において反射される天井部材などの標識部材の反射像の模様または形状が不鮮明である場合にも、わずかでも天井の模様が写っていれば機械学習で異常か否かを判定するための識別結果を取得できる。また、基板は、シリコン以外の物質により形成されていてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、水平多関節のロボットアーム21を有する基板搬送ロボット20を備える例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットを備えていなくともよい。たとえば、ベルトコンベアなどの移動機構によって基板を搬送するようにしてもよい。また、基板搬送ロボットを備える場合にも、水平多関節ではなく垂直多関節のロボットアームを有するようにしてもよい。また、基板搬送ロボットを、スライド機構などの直線移動機構を有するようにしてもよい。また、本開示による基板の異常の検出を、基板を搬送するシステムに適用しなくともよい。たとえば、処理装置における処理モジュール部において基板の異常を検出するようにしてもよい。すなわち、本開示による基板の異常を検出するシステムを、基板の搬送が行われる搬送室を備えず、標識部材と撮像部と制御部とを備える基板検査システムとしてもよい。たとえば、本開示を、基板の異常を検出する単独の装置に適用してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、本開示の基板搬送システム100は、処理装置201に基板210を搬送するEFEMである例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送システムは、EFEM以外であってもよい。たとえば、基板搬送システムは、基板収納容器から基板収納容器に対して基板を搬送するストッカーまたはソーターであってもよい。また、基板搬送システムは、基板収納容器ではなく、ベルトコンベアなどによって搬送されてきた基板を、基板収納容器または基板載置部に搬送するようにしてもよい。また、本開示による基板の異常の検出を、処理装置側において基板を搬送するシステムに適用してもよい。すなわち、ロードロック部と処理モジュール部との間における基板の搬送を行う場合において、本開示による基板異常検出方法によって、基板の異常を検出するようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、基板搬送ロボット20の搬送動作において移動している状態の基板210を、基板収納容器としてのFOUP101から取り出されたタイミングにおいて撮像した撮像画像70に基づいて、基板210の異常を検出するとともに、異常が検出された基板210をFOUP101に再度収納する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットにより移動されておらず、停止している状態の基板を撮像した撮像画像に基づいて基板の異常を検出してもよい。たとえば、アライナの基板載置部に載置されている状態の基板を撮像した撮像画像に基づいて基板の異常を検出するようにしてもよい。また、アライナにおいて回転移動している状態の基板を撮像することによって撮像画像を取得するようにしてもよい。また、所定の検出位置を予め設定するとともに、所定の検出位置まで移動された基板を撮像した撮像画像に基づいて、基板の異常を検出するようにしてもよい。また、処理装置による処理が終わった後の基板を基板収納容器に収納するタイミングにおいて撮像された撮像画像に基づいて基板の異常を検出するようにしてもよい。また、異常が検出された基板を再度基板収納容器に戻すように収納しなくともよい。たとえば、基板を取り出した基板収納容器とは異なる容器、または、載置位置に、異常が検出された基板を載置するようにしてもよい。また、基板の異常が検出された場合に、再度撮像部による撮像を行うことによって、再度学習済みモデルを用いた基板の異常の検出の処理を行うようにしてもよい。再度の撮像を行う場合に、1度目の撮像と基板の位置、または、照明部の照明を変更させてもよい。また、基板の異常が検出された場合に、処理装置などに異常が検出されたことを示す信号を出力するようにしてもよい。また、搬送室の前面側に表示装置などの報知を行う報知部を配置することによって、基板の異常が検出されたことを示す情報を、文字情報の表示、および、音声情報の出力などによって報知するようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、基板搬送システム100の制御部60が、学習済みモデル62の生成と、撮像画像70に基づく基板210の異常の検出と、基板搬送ロボット20の動作の制御とを実行する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、学習済みモデルの生成と、基板搬送ロボットの動作の制御との少なくとも一方を、撮像画像に基づく基板の異常の検出を行う制御部とは異なる制御装置によって実行するようにしてもよい。たとえば、学習済みモデルの生成を、基板搬送ロボットとは別個に配置された制御装置によって実行するようにしてもよい。すなわち、EFEMなどの基板搬送システムとは別個に配置された制御装置によって、機械学習が行われることにより学習済みモデルが生成されてもよい。また、撮像画像に基づく基板の異常の検出を実行する制御部は、基板搬送ロボットの動作を制御するロボット制御部と別個に配置されていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、搬送室10の天井部材13を標識部材として、撮像部40および照明部50を搬送室10の上方に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、搬送室の天井部材とは別個に標識部材を配置するようにしてもよい。また、撮像部を天井部材ではなく、搬送室の側面部分に配置するようにしてもよい。また、照明部を搬送室の上方ではなく下方に配置するようにしてもよい。また、標識部材と撮像部とを基板に対して、互いに同じ方向に配置せず、基板において反射された標識部材の反射像を、撮像部によって斜めから撮像するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、標識部材としての天井部材13、撮像部40、および、照明部50が、搬送室10の内部に配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、標識部材、撮像部、および、照明部のうちのいずれかが、基板の搬送が行われる搬送室の外部に配置されていてもよい。たとえば、基板に対して処理を行う処理装置の搬送室において、基板の異常を検出する場合には、処理装置の搬送室の天井部分をガラスなどの透明部材とするとともに、搬送室の外部の上方に標識部材、撮像部、および、照明部を配置してもよい。また、搬送室の天井部材を透明部材とする場合には、外部の光源を用いることによって、照明部を配置しないようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、照明部50を、撮像部40による撮像が行われるタイミングにおいて、標識部材である天井部材13に照明光を照射する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、照明部による照明光の照射を常時行われているようにしてもよい。また、撮像された撮像画像に基づいて、制御部による制御処理により照明光の照射を制御するようにしてもよい。たとえば、撮像画像の輝度値などに基づいて、照明光の光量、波長などを変更する制御が行われるようにしてもよい。また、基板の異常が検出された場合に、照明光を制御して照明光の光量、波長などを変更した状態で、再度撮像画像の撮像を行うことによって再度学習済みモデルを用いた基板の異常の検出を行うようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、照明光として黄色の光を照射するLEDを含む照明部50が2つ配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、照明部を、LED以外の光源装置を含むようにしてもよい。また、照明部による照明光は、黄色以外にオレンジ色などの所定の色の波長を有するようにしてもよい。照明部を、白色光などの複数の波長を含む光を照射するようにしてもよい。また、照明光は、赤外光などの可視光以外の波長の光であってもよい。また、照明部の個数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、基板搬送システム100の搬送室10に基板収納容器としてのFOUP101が3つ取り付けられており、撮像部40がFOUP101に対応するように3つ配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、搬送室に取り付けられる基板収納容器は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。また、複数の基板収納容器に対して、1つの撮像部を配置するようにしてもよい。その場合には、共通の撮像部によって、複数の基板収納容器に対して搬送される基板の撮像が行われる。また、標識部材を、複数の基板収納容器に対応するように複数配置するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、全層畳み込みネットワークによる深層学習の機械学習によって、学習済みモデル62が生成される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、学習済みモデルを生成するための機械学習は、深層学習ではなくてもよい。また、学習済みモデルを生成するための機械学習は、全層畳み込みネットワーク以外の畳み込みニューラルネットワークによる機械学習であってもよい。また、学習済みモデルを生成するための機械学習は、畳み込みニューラルネットワーク以外の機械学習であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、撮像部40により撮像された撮像画像70を入力として、識別結果71を出力する学習済みモデル62を用いることによって、基板210の異常が検出される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板の異常を検出するための学習済みモデルに入力される撮像画像に対して、学習済みモデルに入力する前に、ノイズ除去、エッジ強調、コントラスト変更などの画像処理を予め行うようにしてもよい。
【0072】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0073】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0074】
(項目1)
基板の搬送が行われる搬送室と、
前記搬送室において前記基板と対向する位置に配置された標識部材と、
前記基板の主表面において反射された前記標識部材の反射像を撮像する撮像部と、
前記撮像部により前記標識部材の前記反射像が撮像された撮像画像を入力とし、前記基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する制御部とを、備える、基板搬送システム。
【0075】
(項目2)
前記学習済みモデルは、前記撮像部により正常な前記基板の主表面において反射された前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像である正常画像と異常を含む前記基板の主表面において反射された前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像である異常画像とを含む教師画像を入力用の教師データとした機械学習により生成されている、項目1に記載の基板搬送システム。
【0076】
(項目3)
前記制御部は、前記撮像画像を入力とし、少なくとも前記基板の反りを含む前記基板の異常を識別する前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、少なくとも前記基板の反りを含む前記基板の異常を検出する、項目1または2に記載の基板搬送システム。
【0077】
(項目4)
前記標識部材は、規則性のある模様を有し、
前記学習済みモデルは、規則性のある模様を有する前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像を入力として、前記識別結果を出力する、項目1~3のいずれか1項に記載の基板搬送システム。
【0078】
(項目5)
前記搬送室に配置され、前記基板の搬送動作を行う基板搬送ロボットをさらに備え、
前記制御部は、前記学習済みモデルを用いることによって、前記搬送室において前記基板搬送ロボットにより搬送される前記基板の異常を検出する、項目1~4のいずれか1項に記載の基板搬送システム。
【0079】
(項目6)
前記制御部は、前記基板搬送ロボットによる搬送動作において移動している状態の前記基板の主表面において反射された前記標識部材の前記反射像が撮像された前記撮像画像を入力とし、前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、項目5に記載の基板搬送システム。
【0080】
(項目7)
前記搬送室は、前記基板が収納される基板収納容器が取り付けられ、
前記制御部は、前記学習済みモデルを用いることによって、前記搬送室において前記基板搬送ロボットにより前記基板収納容器に対する搬送動作が行われる前記基板の異常を検出する、項目5または6に記載の基板搬送システム。
【0081】
(項目8)
前記基板搬送ロボットは、前記基板収納容器と、前記基板に対して処理を行う処理装置に前記基板を受け渡すために前記基板が載置される処理待機部との間における前記基板の搬送動作を行い、
前記制御部は、前記学習済みモデルを用いることによって、前記搬送室において前記基板搬送ロボットによって前記基板収納容器と前記処理待機部との間を搬送される前記基板の異常を検出する、項目7に記載の基板搬送システム。
【0082】
(項目9)
前記制御部は、前記基板搬送ロボットの搬送動作において前記基板収納容器から前記基板が取り出されたタイミングにおいて撮像された前記撮像画像を入力とし、前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、項目7または8に記載の基板搬送システム。
【0083】
(項目10)
前記制御部は、
前記基板搬送ロボットの動作を制御するロボット制御部を兼ね、
前記学習済みモデルを用いることによって前記基板の異常が検出された場合には、前記基板の異常が検出されたことを示す異常検出情報を出力する、項目9に記載の基板搬送システム。
【0084】
(項目11)
前記標識部材は、前記搬送室における天井部材を含み、
前記撮像部は、前記搬送室内の上方に配置されている、項目1~10のいずれか1項に記載の基板搬送システム。
【0085】
(項目12)
前記搬送室において前記標識部材に照明光を照射する照明部をさらに備え、
前記制御部は、前記標識部材に前記照明光が照射された状態において撮像された前記撮像画像を入力とし、前記識別結果を出力する前記学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、項目1~11のいずれか1項に記載の基板搬送システム。
【0086】
(項目13)
基板と対向する位置に配置された標識部材と、
前記基板の主表面において反射された前記標識部材の反射像を撮像する撮像部と、
前記撮像部により前記標識部材の前記反射像が撮像された撮像画像を入力とし、前記基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する制御部とを、備える、基板検査システム。
【0087】
(項目14)
基板の主表面において反射された前記基板と対向する位置に配置された標識部材の反射像を撮像した撮像画像を取得し、
前記撮像画像を入力とし、前記基板の異常を識別する識別結果を出力する、機械学習により生成された学習済みモデルを用いることによって、前記基板の異常を検出する、基板異常検出方法。
【符号の説明】
【0088】
10 搬送室
13 天井部材(標識部材)
20 基板搬送ロボット
40 撮像部
50 照明部
60 制御部
62 学習済みモデル
70 撮像画像
80 教師画像
81 正常画像
82 異常画像
100 基板搬送システム
101 FOUP(基板収納容器)
201 処理装置
203 ロードロック部(処理待機部)
210 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8