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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172908
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】薄型アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20241205BHJP
   H01Q 21/29 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090960
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小熊 伸彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 光生
(72)【発明者】
【氏名】丸山 信明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 信秀
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021GA07
5J045AA05
5J045DA08
5J045HA06
5J045JA03
5J045MA04
(57)【要約】
【課題】無指向性を維持しつつ、良好な整合特性を実現することが可能な薄型アンテナを提供すること。
【解決手段】本開示にかかる薄型アンテナは、導体のグランド板と、グランド板の給電点からグランド板の主面の上方に延びる導体の給電線と、グランド板の主面の上方にグランド板の主面と対向するように設けられ、且つ、給電線が中心部に接続された、導体の給電板と、給電板よりも上方においてグランド板の主面と対向するように、且つ、上面視して給電板を囲むように設けられた、導体の複数の容量板と、給電板と複数の容量板のそれぞれとを接続し、且つ、給電板から離れた端部がグランド板に接続された、導体の複数の接続板と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体のグランド板と、
前記グランド板の給電点から当該グランド板の主面の上方に延びる導体の給電線と、
前記グランド板の主面の上方に当該グランド板の主面と対向するように設けられ、且つ、前記給電線が中心部に接続された、導体の給電板と、
前記給電板よりも上方において前記グランド板の主面と対向するように、且つ、上面視して前記給電板を囲むように設けられた、導体の複数の容量板と、
前記給電板と前記複数の容量板のそれぞれとを接続し、且つ、前記給電板から離れた端部が前記グランド板に接続された、導体の複数の接続板と、
を備えた、薄型アンテナ。
【請求項2】
前記給電板、前記複数の容量板、及び、前記複数の接続板は、前記給電線を軸にして前記複数の容量板の数に応じた回数の回転対称となるように形成及び配置されている、
請求項1に記載の薄型アンテナ。
【請求項3】
前記複数の容量板は、4個の容量板であって、
前記複数の接続板は、4個の接続板である、
請求項1に記載の薄型アンテナ。
【請求項4】
前記給電板、前記複数の容量板、及び、前記複数の接続板は、前記給電線を軸にして4回対称となるように形成及び配置されている、
請求項3に記載の薄型アンテナ。
【請求項5】
前記給電板は、円形状及び多角形状の何れかの平面形状を有し、
各前記容量板は、円形状及び多角形状の何れかの平面形状を有する、
請求項1に記載の薄型アンテナ。
【請求項6】
前記給電点として、前記グランド板に取り付けられた同軸コネクタをさらに備え、
前記同軸コネクタは、前記給電線として、前記グランド板の主面の上方に延びる中心導体を有する、
請求項1に記載の薄型アンテナ。
【請求項7】
前記複数の接続板は、前記グランド板の主面に対して垂直に設けられている、
請求項1に記載の薄型アンテナ。
【請求項8】
前記グランド板は、凹み部を有し、
前記給電線、前記給電板、前記複数の容量板、及び、前記複数の接続板は、前記凹み部の空間領域に設けられている、
請求項1に記載の薄型アンテナ。
【請求項9】
前記凹み部の空間領域は、直方体及び円柱の何れかの形状を有する、
請求項8に記載の薄型アンテナ。
【請求項10】
前記凹み部の空間領域を覆うレドームをさらに備えた、
請求項8に記載の薄型アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薄型アンテナに関し、特に、無指向性を維持しつつ、良好な整合特性を実現するのに適した薄型アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
外形が平面状で比較的薄型なアンテナは、目立ちにくいアンテナとして、建物の天井等に設置されるモバイル通信用の基地局アンテナに活用されたり、空気抵抗を受けにくいアンテナとして、航空機や車両等に搭載されるアンテナに活用されたりしている。外形が平面状で比較的薄型なアンテナに関する技術は、例えば非特許文献1、非特許文献2、及び、非特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】論文名:“超広帯域PSPアンテナ”、発表学会名:電子情報通信学会2006年総合大会、論文掲載:電子情報通信学会2006年総合大会論文集B-1-100
【非特許文献2】論文名:“低姿勢広帯域アンテナ”、発表学会名:電子情報通信学会2006年ソサイエティ大会、論文掲載:電子情報通信学会2006年ソサイエティ大会論文集BS-1-11
【非特許文献3】論文名:“低姿勢広帯域アンテナ第3報”、発表学会名:電子情報通信学会2007年ソサイエティ大会、論文掲載:電子情報通信学会2007年ソサイエティ大会論文集B-1-93
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、関連技術のアンテナは、薄型且つ広帯域ではあるが、十分に良好な整合特性を実現することができない、という課題があった。
【0005】
本開示の目的の一つは、上述した課題を解決する薄型アンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る薄型アンテナは、導体のグランド板と、前記グランド板の給電点から当該グランド板の主面の上方に延びる導体の給電線と、前記グランド板の主面の上方に当該グランド板の主面と対向するように設けられ、且つ、前記給電線が中心部に接続された、導体の給電板と、前記給電板よりも上方において前記グランド板の主面と対向するように、且つ、上面視して前記給電板を囲むように設けられた、導体の複数の容量板と、前記給電板と前記複数の容量板のそれぞれとを接続し、且つ、前記給電板から離れた端部が前記グランド板に接続された、導体の複数の接続板と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、無指向性を維持しつつ、良好な整合特性を実現することが可能な薄型アンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1にかかる薄型アンテナの第1構成例を示す斜視図である。
図2】実施の形態1にかかる薄型アンテナの第1構成例を示す断面図である。
図3】実施の形態1にかかる薄型アンテナにおける電流の流れを示す模式図である。
図4】実施の形態1にかかる薄型アンテナの整合特性のシミュレーション結果を示す図である。
図5】実施の形態1にかかる薄型アンテナの放射パターン特性のシミュレーション結果を示す図である。
図6】実施の形態1にかかる薄型アンテナの第2構成例を示す斜視図である。
図7】実施の形態1にかかる薄型アンテナの第2構成例を示す断面図である。
図8図6に示す薄型アンテナに設けられた給電板及び同軸コネクタの一例を示す斜視図である。
図9図6に示す薄型アンテナに設けられた給電板及び同軸コネクタの一例を示す斜視図である。
図10図6に示す薄型アンテナに設けられた給電板、同軸コネクタ及び接続板の一例を示す斜視図である。
図11】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた給電板の形状の一例を示す斜視図である。
図12】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた給電板の形状の一例を示す斜視図である。
図13】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた給電板の形状の一例を示す斜視図である。
図14】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板の形状の一例を示す斜視図である。
図15】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板の形状の一例を示す斜視図である。
図16】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板の形状の一例を示す斜視図である。
図17】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板の形状の一例を示す斜視図である。
図18】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板の形状の一例を示す斜視図である。
図19】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた給電板及び接続板の接続の仕方を説明するための斜視図である。
図20】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板及びグランド板の接続の仕方の一例を説明するための斜視図である。
図21】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板及びグランド板の接続の仕方の一例を説明するための斜視図である。
図22】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板及びグランド板の接続の仕方の一例を説明するための斜視図である。
図23】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた容量板の形状の一例を示す斜視図である。
図24】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた容量板の形状の一例を示す斜視図である。
図25】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた容量板の形状の一例を示す斜視図である。
図26】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板及び容量板の接続の仕方の一例を説明するための斜視図である。
図27】実施の形態1にかかる薄型アンテナに設けられた接続板及び容量板の接続の仕方の他の例を説明するための斜視図である。
図28】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第1構成例を示す斜視図である。
図29】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第1構成例を示す断面図である。
図30】実施の形態2にかかる薄型アンテナの整合特性のシミュレーション結果を示す図である。
図31】実施の形態2にかかる薄型アンテナの放射パターン特性のシミュレーション結果を示す図である。
図32】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第2構成例を示す斜視図である。
図33】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第2構成例を示す断面図である。
図34】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第3構成例を示す斜視図である。
図35】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第3構成例を示す断面図である。
図36】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第4構成例を示す斜視図である。
図37】実施の形態2にかかる薄型アンテナの第4構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。なお、図面は簡略的なものであるから、この図面の記載を根拠として実施の形態の技術的範囲を狭く解釈してはならない。また、同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。ただし、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0011】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0012】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1にかかる薄型アンテナ1の第1構成例を示す斜視図である。また、図2は、実施の形態1にかかる薄型アンテナ1の第1構成例を示す断面図である。図2には、図1におけるII-II部分の断面が示されている。
【0013】
具体的には、薄型アンテナ1は、グランド板11と、複数の容量板12と、複数の接続板13と、給電板14と、給電線17と、を少なくとも備える。本実施の形態では、薄型アンテナ1が、複数の容量板12として4個の容量板12_1~12_4を備え、複数の接続板13として4個の接続板13_1~13_4を備える場合を例に説明する。
【0014】
グランド板11は、導体の板状の部材である。図1の例では、グランド板11の主面がxy平面上に形成されている。給電線17は、グランド板11の給電点15から、グランド板11の主面の上方(z軸プラス方向)に延びる導体である。
【0015】
給電板14は、導体の板状の部材である。図1の例では、給電板14が、円形状の平面形状を有している。給電板14は、グランド板11の主面の上方において当該グランド板11の主面と対向するように設けられている。より具体的には、給電板14は、グランド板11の主面の上方において当該グランド板11の主面と平行になるように設けられている。また、給電板14の中心部には、グランド板11の給電点15から延びる給電線17が接続されている。
【0016】
各容量板12_1~12_4は、導体の板状の部材である。図1の例では、各容量板12_1~12_4が、円形状の平面形状を有している。容量板12_1~12_4は、給電板14よりも上方においてグランド板11の主面と対向するように、且つ、上面視して(即ち、z軸プラス側からz軸マイナス側を見て)給電板14を囲むように設けられている。より具体的には、容量板12_1~12_4は、給電板14よりも上方においてグランド板11の主面と平行になるように、且つ、上面視して給電板14を囲むように設けられている。
【0017】
各接続板13_1~13_4は、導体の板状の部材である。各接続板13_1~13_4は、グランド板11の主面に対して垂直に設けられている。
【0018】
接続板13_1は、給電板14と容量板12_1とを接続する。また、接続板13_1の端部のうち給電板14の中心部から離れた端部は、グランド板11に接続される。なお、接続板13_1は、給電板14と容量板12_1とを支持する支持部としての役割も果たす。より具体的には、接続板13_1は、給電板14と容量板12_1とを接続する接続部13_1aと、接続部13_1aとグランド板11とを接続し、且つ、接続部13_1aとともに給電板14及び容量板12_1を支持する支持部13_1bと、を有する。
【0019】
接続板13_2は、給電板14と容量板12_2とを接続する。また、接続板13_2の端部のうち給電板14の中心部から離れた端部は、グランド板11に接続される。なお、接続板13_2は、給電板14と容量板12_2とを支持する支持部としての役割も果たす。より具体的には、接続板13_2は、給電板14と容量板12_2とを接続する接続部13_2aと、接続部13_2aとグランド板11とを接続し、且つ、接続部13_2aとともに給電板14及び容量板12_2を支持する支持部13_2bと、を有する。
【0020】
接続板13_3は、給電板14と容量板12_3とを接続する。また、接続板13_3の端部のうち給電板14の中心部から離れた端部は、グランド板11に接続される。なお、接続板13_3は、給電板14と容量板12_3とを支持する支持部としての役割も果たす。より具体的には、接続板13_3は、給電板14と容量板12_3とを接続する接続部13_3aと、接続部13_3aとグランド板11とを接続し、且つ、接続部13_3aとともに給電板14及び容量板12_3を支持する支持部13_3bと、を有する。
【0021】
接続板13_4は、給電板14と容量板12_4とを接続する。また、接続板13_4の端部のうち給電板14の中心部から離れた端部は、グランド板11に接続される。なお、接続板13_4は、給電板14と容量板12_4とを支持する支持部としての役割も果たす。より具体的には、接続板13_4は、給電板14と容量板12_4とを接続する接続部13_4aと、接続部13_4aとグランド板11とを接続し、且つ、接続部13_4aとともに給電板14及び容量板12_4を支持する支持部13_4bと、を有する。
【0022】
続いて、図1及び図2に示す薄型アンテナ1の動作について説明する。
まず、給電点15に給電された高周波信号の電流iは、給電線17を介して、給電板14の下側中央部に供給される。給電板14において励振された高周波信号の電流iは、給電板14の下側中央部から外周部に向かって流れる。電流iは主に4つの電流i1~i4に分岐する。電流i1は、接続板13_1の配置された第1方向(x軸マイナス方向)に流れる。電流i2は、接続板13_2の配置された第2方向(y軸マイナス方向)に流れる。電流i3は、接続板13_3の配置された第3方向(x軸プラス方向)に流れる。電流i4は、接続板13_4の配置された第4方向(y軸プラス方向)に流れる。
【0023】
給電板14の外周部に到達した電流i1は、2つの電流i1a,i1bに分岐する。一方の電流i1aは、接続板13_1に流れ、他方の電流i1bは、給電板14の外周部においてグランド板11と静電結合する。接続板13_1に供給された電流i1aは、2つの電流i1c,i1dに分岐する。一方の電流i1cは、接続板13_1を介して、容量板12_1に流れる。容量板12_1に供給された電流i1cは、容量板12_1の外周部まで流れ、容量板12_1の外周部においてグランド板11と静電結合する。他方の電流i1dは、支持部13_1bを介して、グランド板11に流れる。グランド板11に供給された電流i1d、及び、静電結合によって発生した電流は、合成され、給電点15に戻る。つまり、電流i1は、給電板14、接続板13_1及びグランド板11を経由してループ状に流れる。それにより、薄型アンテナ1は、アンテナとして動作することができる。ここで、容量板12_1及び給電板14のそれぞれと、グランド板11と、の間の静電結合によって、インピーダンスが決まる。したがって、容量板12_1及び給電板14のそれぞれのサイズや配置位置によってインピーダンスの調整が可能である。
【0024】
給電板14の外周部に到達した電流i2は、2つの電流i2a,i2bに分岐する。一方の電流i2aは、接続板13_2に流れ、他方の電流i2bは、給電板14の外周部においてグランド板11と静電結合する。接続板13_2に供給された電流i2aは、2つの電流i2c,i2dに分岐する。一方の電流i2cは、接続板13_2を介して、容量板12_2に流れる。容量板12_2に供給された電流i2cは、容量板12_2の外周部まで流れ、容量板12_2の外周部においてグランド板11と静電結合する。他方の電流i2dは、支持部13_2bを介して、グランド板11に流れる。グランド板11に供給された電流i2d、及び、静電結合によって発生した電流は、合成され、給電点15に戻る。つまり、電流i2は、給電板14、接続板13_2及びグランド板11を経由してループ状に流れる。それにより、薄型アンテナ1は、アンテナとして動作することができる。ここで、容量板12_2及び給電板14のそれぞれと、グランド板11と、の間の静電結合によって、インピーダンスが決まる。したがって、容量板12_2及び給電板14のそれぞれのサイズや配置位置によってインピーダンスの調整が可能である。
【0025】
給電板14の外周部に到達した電流i3は、2つの電流i3a,i3bに分岐する。一方の電流i3aは、接続板13_3に流れ、他方の電流i3bは、給電板14の外周部においてグランド板11と静電結合する。接続板13_3に供給された電流i3aは、2つの電流i3c,i3dに分岐する。一方の電流i3cは、接続板13_3を介して、容量板12_3に流れる。容量板12_3に供給された電流i3cは、容量板12_3の外周部まで流れ、容量板12_3の外周部においてグランド板11と静電結合する。他方の電流i3dは、支持部13_3bを介して、グランド板11に流れる。グランド板11に供給された電流i3d、及び、静電結合によって発生した電流は、合成され、給電点15に戻る。つまり、電流i3は、給電板14、接続板13_3及びグランド板11を経由してループ状に流れる。それにより、薄型アンテナ1は、アンテナとして動作することができる。ここで、容量板12_3及び給電板14のそれぞれと、グランド板11と、の間の静電結合によって、インピーダンスが決まる。したがって、容量板12_3及び給電板14のそれぞれのサイズや配置位置によってインピーダンスの調整が可能である。
【0026】
給電板14の外周部に到達した電流i4は、2つの電流i4a,i4bに分岐する。一方の電流i4aは、接続板13_4に流れ、他方の電流i4bは、給電板14の外周部においてグランド板11と静電結合する。接続板13_4に供給された電流i4aは、2つの電流i4c,i4dに分岐する。一方の電流i4cは、接続板13_4を介して、容量板12_4に流れる。容量板12_4に供給された電流i4cは、容量板12_4の外周部まで流れ、容量板12_4の外周部においてグランド板11と静電結合する。他方の電流i4dは、支持部13_4bを介して、グランド板11に流れる。グランド板11に供給された電流i4d、及び、静電結合によって発生した電流は、合成され、給電点15に戻る。つまり、電流i4は、給電板14、接続板13_4及びグランド板11を経由してループ状に流れる。それにより、薄型アンテナ1は、アンテナとして動作することができる。ここで、容量板12_4及び給電板14のそれぞれと、グランド板11と、の間の静電結合によって、インピーダンスが決まる。したがって、容量板12_4及び給電板14のそれぞれのサイズや配置位置によってインピーダンスの調整が可能である。
【0027】
図3は、図1及び図2に示す薄型アンテナ1の電流の流れを示す図である。
まず、グランド板11の領域S10に位置する給電点15に給電された高周波信号の電流iは、給電線17を介して、給電板14の下側中央部の領域S1に供給される。給電板14において励振された高周波信号の電流iの一部である電流i1は、給電板14の下側中央部の領域S1から外周部の領域S2に向かって流れる。
【0028】
給電板14の外周部の領域S2に到達した電流i1は、2つの電流i1a,i1bに分岐する。一方の電流i1aは、接続板13_1の下側の領域S3に流れ、他方の電流i1bは、給電板14の外周部の領域S2においてグランド板11の領域S7と静電結合する。接続板13_1の下側の領域S3に供給された電流i1aは、接続板13_1の下側端部の領域S4まで流れ、2つの電流i1c,i1dに分岐する。一方の電流i1cは、接続板13_1の上側端部の領域S5を介して、容量板12_1に流れる。容量板12_1に供給された電流i1cは、容量板12_1の外周部の領域S6まで流れ、容量板12_1の外周部の領域S6においてグランド板11の領域S9と静電結合する。他方の電流i1dは、支持部13_1bを介して、グランド板11の領域S8に流れる。グランド板11の領域S8に供給された電流i1d、及び、静電結合によって発生した電流は、合成され、給電点15の領域S10に戻る。つまり、電流i1は、給電板14、接続板13_1及びグランド板11を経由してループ状に流れる。
【0029】
図3に示したループ状の電流経路では、2つの静電結合と、電流と、の合成によって、共振が発生し、電波が放射される。図3に示した電流経路以外の3つのループ状の電流経路についても、図3に示した電流経路の場合と基本的には同様である。図3に示したループ状の電流経路の長さは、高周波信号の最低使用周波数に対応する波長の1/2程度の長さとなるように調整されている。
【0030】
ここで、薄型アンテナ1では、4つのループ状の電流経路が、給電線17(z軸)を軸にして4回対称となるように形成されている。本実施の形態では、上面視して、4つのループ状の電流経路が、給電線17(給電点15)から、x軸マイナス方向、y軸マイナス方向、x軸プラス方向、y軸プラス方向の4方向に形成されている。それにより、薄型アンテナ1は、無指向性の放射パターン特性を実現することができる。
【0031】
なお、図3において、接続板13_1の下側の領域S3に供給された電流i1aは、接続板13_1の上側中央部の領域S20の方向には流れない。これは、容量板12_1によって、支持部13_1bから見た接続板13_1の上側中央部のインピーダンスが非常に大きな値となるからである。それにより、接続板13_1に流れる電流が接続板13_1の下側の領域に限定される。
【0032】
図4は、薄型アンテナ1の整合特性のシミュレーション結果を示す図である。図4では、高周波信号の最低使用周波数fが0.96GHz、最低使用周波数fの波長をλとすると、給電板14の直径が0.19λとなっている。接続板13の長さ(例えば、接続板13_1の支持部13_1bから、接続板13_3の支持部13_3bまで、の長さ)は0.33λとなっている。各容量板12の直径は0.16λとなっている。各容量板12の設置高さは0.07λとなっている。グランド板11は、一辺の長さが0.64λの正方形の平面形状を有している。
【0033】
図4に示すように、薄型アンテナ1のSパラメータS11は、0.94GHz~1.26GHzの範囲において-14.0dB以下を示している。これは、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)が1.5以下に相当する。つまり、薄型アンテナ1は、良好な整合特性を実現している。
【0034】
図5は、薄型アンテナ1の仰角面(図1におけるzx平面及びyz平面)の放射パターン特性のシミュレーション結果を示す図である。図5では、θ=0度が天頂方向(z軸プラス方向)を表し、θ=90度が水平方向(x軸及びy軸のぞれぞれのプラス方向)、θ=-90度が水平方向(x軸及びy軸のそれぞれのマイナス方向)を表している。また、図5では、0.96GHz、1.09GHz、1.22GHzの3種類の周波数の高周波信号を用いてシミュレーションが行われている。図5に示すように、何れの周波数の高周波信号が用いられた場合でも、θ=約±50度方向に利得最大となる放射パターン特性が形成されている。つまり、薄型アンテナ1は、z軸に対して良好な指向特性(無指向性)を実現している。
【0035】
このように、本実施の形態にかかる薄型アンテナ1は、無指向性の放射パターン特性を実現しつつ、良好な整合特性を実現することができる。また、本実施の形態にかかる薄型アンテナ1は、容量板及び給電板からグランドへの静電結合によって、使用する周波数におけるインピーダンスを整合させることができるため、低姿勢化を実現することができる。それにより、本実施の形態にかかる薄型アンテナ1は、目立ちにくいアンテナとして、建物の天井等に設置されるモバイル通信用の基地局アンテナに活用されたり、空気抵抗を受けにくいアンテナとして、航空機や車両等に搭載されるアンテナに活用されたりすることができる。
【0036】
(薄型アンテナ1のその他の構成例)
図6は、実施の形態1にかかる薄型アンテナ1の第2構成例を薄型アンテナ1aとして示す斜視図である。図7は、薄型アンテナ1aの断面図である。図7には、図6におけるV-V部分の断面が示されている。
【0037】
薄型アンテナ1aは、給電点15として同軸コネクタ16を備える。同軸コネクタ16は、接続部161と、外部導体162と、中心導体163と、によって構成されている。接続部161は、図示しない給電ケーブルに接続されている。外部導体162は、グランド板11に電気的に接触している。中心導体163は、棒状の導体であって、グランド板11の主面から上方に延びるように配置される。つまり、中心導体163は、給電線17として用いられる。
【0038】
図8は、薄型アンテナ1aに設けられた給電板14及び同軸コネクタ16の一例を示す斜視図である。図8の例では、同軸コネクタ16の中心導体163の先端部と、給電板14の下側中央部と、がハンダ付け又は圧着等によって電気的に接続されている。
【0039】
図9は、薄型アンテナ1aに設けられた給電板14及び同軸コネクタ16の他の例を示す斜視図である。図9の例では、同軸コネクタ16の中心導体163の先端部が、給電板14の中央部を貫通して、給電板14の上方まで突出している。この場合、各接続板13は、給電板14の上方に突出した中心導体163に固定されてもよい。但し、この場合、各接続板13における、中心導体163の配置領域に対応する領域は、切り欠かれている必要がある(図10参照)。
【0040】
(給電板14の形状の例)
続いて、図11図13を用いて、給電板14の形状のいくつかの例を説明する。図11図13は、給電板14の形状の一例を示す斜視図である。なお、図11図13には、給電板14に加えて、接続板13_1~13_4も示されている。
【0041】
図11の例では、給電板14が、円形の平面形状を有している。図12の例では、給電板14が、正方形の平面形状を有している。図13の例では、給電板14が、正八角形の平面形状を有している。なお、給電板14は、給電線17を軸にして4回対称となるのであれば、その他の平面形状を有していてもよい。
【0042】
(接続板13_1~13_4の形状の例)
続いて、図14図18を用いて、接続板13_1~13_4の形状のいくつかの例を説明する。図14図18は、接続板13_1~13_4の形状の一例を示す斜視図である。なお、図14図18には、接続板13_1~13_4に加えて、給電板14も示されている。
【0043】
図14の例では、接続板13_1の端部の上側が切り欠かれている。接続板13_2~13_4の形状については、接続板13_1の形状と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
図15の例では、図14の例と比較して、接続板13_1の下側面の一部がさらに切り欠かれている。接続板13_2~13_4の形状については、接続板13_1の形状と同様であるため、その説明を省略する。
【0045】
図16の例では、図14の例と比較して、接続板13_1の端部の上側が切り欠かれていない。接続板13_2~13_4の形状については、接続板13_1の形状と同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
図17の例では、図14の例と比較して、接続板13_1の上側面の一部がさらに切り欠かれている。接続板13_2~13_4の形状については、接続板13_1の形状と同様であるため、その説明を省略する。
【0047】
図18の例では、図15図17の例と異なり、接続板13_1~13_4が、給電板14の中央部において互いに接続されずに、独立して設けられている。
【0048】
図14図18に示すように、接続板13_1~13_4の形状を調整することにより、整合状態の細かな調整が可能である。
【0049】
図19は、給電板14と接続板13_1~13_4との接続の仕方を説明するための斜視図である。なお、図19には、接続板13_1~13_4のうち、接続板13_2,13_3のみが示されている。
【0050】
図19の例では、給電板14と接続板13_2とが、ブラケット201,202と、ビス101,102,105と、によって固定されている。また、給電板14と接続板13_3とが、ブラケット203,204と、ビス103,104,106と、によって固定されている。同様にして、給電板14と、図示しない接続板13_1,13_4とは、図示しないブラケット及びビスによって固定されている。
【0051】
図20図22は、接続板13とグランド板11との接続の仕方のいくつかの例を説明するための斜視図である。なお、図20図22には、接続板13_1~13_4のうち接続板13_1のみが示されている。
【0052】
図20の例では、接続板13_1を構成する接続部13_1a及び支持部13_1bが、異なる部品であり、互いがビス502によって固定されている。接続板13_1の支持部13_1bと、グランド板11とは、ビス501によって固定されている。接続板13_2~13_4のそれぞれの構造、及び、接続板13_2~13_4のそれぞれとグランド板11との接続については、接続板13_1の構造、及び、接続板13_1とグランド板11との接続の仕方と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
図21の例では、図20の例と比較して、支持部13_1bの電流経路が長くなるように変形されている。接続板13_1のその他の構造、及び、接続板13_1とグランド板11との接続については、図20の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0054】
図22の例では、接続板13_1を構成する接続部13_1a及び支持部13_1bが一体に形成されている。接続板13_1の支持部13_1bと、グランド板11とは、ビス501によって固定されている。接続板13_2~13_4のそれぞれの構造、及び、接続板13_2~13_4のそれぞれとグランド板11との接続については、接続板13_1の構造、及び、接続板13_1とグランド板11との接続の仕方と同様であるため、その説明を省略する。
【0055】
(容量板12_1~12_4の形状の例)
続いて、図23図25を用いて、容量板12_1~12_4の形状のいくつかの例を説明する。図23図25は、容量板12の形状の一例を示す斜視図である。なお、図23図25には、容量板12_1~12_4のうち容量板12_1のみが示され、容量板12_1に加えて、接続板13_1も示されている。
【0056】
図23の例では、容量板12_1が、円形の平面形状を有している。図24の例では、容量板12_1が、正方形の平面形状を有している。図25の例では、容量板12_1が、正八角形の平面形状を有している。容量板12_2~12_4の形状については、容量板12_1の形状と同様であるため、その説明を省略する。なお、各容量板12_1~12_4は、給電線17を軸にして4回対称となるのであれば、その他の平面形状を有していてもよい。
【0057】
図23図25に示すように、容量板12_1~12_4の形状を調整することにより、整合状態の細かな調整が可能である。
【0058】
図26は、接続板13と容量板12との接続の仕方の一例を説明するための斜視図である。なお、図26には、接続板13_1~13_4のうち接続板13_1のみが示され、容量板12_1~12_4のうち容量板12_1のみが示されている。
【0059】
図26の例では、接続板13_1と容量板12_1とが、ブラケット401,402と、ビス301~303と、によって固定されている。ここで、図26の例では、容量板12_1の中央部に、ビス301,302を通すための穴12_1a,12_1bが形成されている。そのため、容量板12_1は、接続板13_1の端部(先端部)の付近に設置されることになる。接続板13_2と容量板12_2との間の接続、接続板13_3と容量板12_3との間の接続、及び、接続板13_4と容量板12_4との間の接続、については、接続板13_1と容量板12_1との間の接続の仕方と同じであるため、その説明を省略する。
【0060】
図27は、接続板13と容量板12との接続の仕方の他の例を説明するための斜視図である。なお、図27には、接続板13_1~13_4のうち接続板13_1のみが示され、容量板12_1~12_4のうち容量板12_1のみが示されている。
【0061】
図27の例では、接続板13_1と容量板12_1とが、ブラケット401,402と、ビス301~303と、によって固定されている。ここで、図27の例では、容量板12_1の外周部の近傍に、ビス301,302を通すための穴12_1a,12_1bが形成されている。そのため、容量板12_1は、接続板13_1の端部(先端部)からさらに外側に突き出た状態で設置されることになる。接続板13_2と容量板12_2との間の接続、接続板13_3と容量板12_3との間の接続、及び、接続板13_4と容量板12_4との間の接続、については、接続板13_1と容量板12_1との間の接続の仕方と同じであるため、その説明を省略する。
【0062】
図26及び図27に示すように、容量板12_1~12_4の設置位置を調整することにより、整合状態の細かな調整が可能である。
【0063】
本実施の形態では、薄型アンテナ1が、複数の容量板12として4個の容量板12_1~12_4を備え、複数の接続板13として4個の接続板13_1~13_4を備えた場合を例に説明したが、それには限定されない。薄型アンテナ1は、複数の容量板12として3個以上のn個の容量板12_1~12_nを備え、複数の接続板13としてn個の接続板13_1~13_nを備えていればよい。この場合、薄型アンテナ1は、給電線17(z軸)を軸にしてn回対称となるように形成される。これは、薄型アンテナ1aについても同様のことが言える。
【0064】
<実施の形態2>
図28は、実施の形態2にかかる薄型アンテナ2の第1構成例を示す斜視図である。また、図29は、実施の形態2にかかる薄型アンテナ2の第1構成例を示す断面図である。
【0065】
薄型アンテナ2は、薄型アンテナ1aと比較して、グランド板11の代わりにグランド板21を備える。グランド板21は、凹み部21aを有する。凹み部21aは、グランド板11の主面に凹となるように形成されている。
【0066】
具体的には、凹み部21aは、4つの側板21sと、底板21bと、によって形成されている。凹み部21aの空間領域は、直方体の形状を有する。薄型アンテナ2の構成要素のうち、グランド板21以外の構成要素(給電線17、給電板14、容量板12_1~12_4、及び、接続板13_1~13_4)は、凹み部21aの空間領域に設置されている(埋め込まれている)。
【0067】
図30は、薄型アンテナ2の整合特性のシミュレーション結果を示す図である。図30では、高周波信号の最低使用周波数fが0.96GHz、最低使用周波数fの波長をλとすると、凹み部21aの底板21bは、一辺の長さが0.64λの正方形の平面形状を有し、凹み部21aの側板21sの高さ(z軸方向の長さ)は0.1λとなっている。また、各容量板12の直径は0.13λとなっている。その他の条件は、薄型アンテナ1のシミュレーションの条件と同じである。
【0068】
図30に示すように、薄型アンテナ2のSパラメータS11は、0.93GHz~1.25GHzの範囲において-16.8dB以下を示している。これは、VSWRが1.34以下に相当する。つまり、薄型アンテナ2は、良好な整合特性を実現している。
【0069】
図31は、薄型アンテナ2の仰角面(図28におけるzx平面及びyz平面)の放射パターン特性のシミュレーション結果を示す図である。図31では、θ=0度が天頂方向(z軸プラス方向)を表し、θ=90度が水平方向(x軸及びy軸のぞれぞれのプラス方向)、θ=-90度が水平方向(x軸及びy軸のそれぞれのマイナス方向)を表している。また、図31では、0.96GHz、1.09GHz、1.22GHzの3種類の周波数の高周波信号を用いてシミュレーションが行われている。図31に示すように、何れの周波数の高周波信号が用いられた場合でも、θ=約±50度方向に利得最大となる放射パターン特性が形成されている。つまり、薄型アンテナ1は、z軸に対して良好な指向特性(無指向性)を実現している。
【0070】
このように、本実施の形態にかかる薄型アンテナ2は、無指向性の放射パターン特性を実現しつつ、良好な整合特性を実現することができる。また、本実施の形態にかかる薄型アンテナ1は、容量板及び給電板からグランドへの静電結合によって、使用する周波数におけるインピーダンスを整合させることができるため、低姿勢化を実現することができる。それにより、本実施の形態にかかる薄型アンテナ2は、目立ちにくいアンテナとして、建物の天井等に設置されるモバイル通信用の基地局アンテナに活用されたり、空気抵抗を受けにくいアンテナとして、航空機や車両等に搭載されるアンテナに活用されたりすることができる。
【0071】
(薄型アンテナ2のその他の構成例)
図32は、実施の形態2にかかる薄型アンテナ2の第2構成例を薄型アンテナ2aとして示す斜視図である。図33は、図32に示す薄型アンテナ2aの断面図である。
【0072】
薄型アンテナ2aでは、薄型アンテナ2と比較して、凹み部21aの空間領域に設置される構成要素(給電線17、給電板14、容量板12_1~12_4及び接続板13_1~13_4)が、平面視上、給電点15を中心に45度回転した状態で設置されている。このように、凹み部21aの空間領域に設置される構成要素は、任意の向きに設定されてよい。
【0073】
図34は、実施の形態2にかかる薄型アンテナ2の第3構成例を薄型アンテナ2bとして示す斜視図である。図35は、図34に示す薄型アンテナ2bの断面図である。
【0074】
薄型アンテナ2では、グランド板21が矩形状の平面形状を有し、且つ、凹み部21aが矩形状の平面形状を有している。それに対し、薄型アンテナ2bでは、グランド板21が円形の平面形状を有し、且つ、凹み部21aが円形の平面形状を有する。換言すると、薄型アンテナ2bでは、凹み部21aの空間領域が、円柱形状を有する。このように、グランド板21及び凹み部21aの形状は、任意の形状に変更可能である。
【0075】
図36は、実施の形態2にかかる薄型アンテナ2の第4構成例を薄型アンテナ2cとして示す斜視図である。図37は、図36に示す薄型アンテナ2cの断面図である。
【0076】
薄型アンテナ2cは、薄型アンテナ2bと比較して、凹み部21aの空間領域を覆うレドーム22をさらに備える。それにより、薄型アンテナ2cは、凹み部21aの空間領域に、飛来物、雨、雪などが入り込むのを防ぐことができる。なお、レドーム22は、薄型アンテナ2や薄型アンテナ2aに対して設けられてもよい。
【0077】
以上、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等が可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 薄型アンテナ
2 薄型アンテナ
11 グランド板
12 容量板
13 接続板
14 給電板
15 給電点
16 同軸コネクタ
17 給電線
21 グランド板
21a 凹み部
21b 底板
21s 側板
22 レドーム
161 接続部
162 外部導体
163 中心導体
101~106 ビス
201~204 ブラケット
301~303 ビス
401~402 ブラケット
501~502 ビス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37