(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172919
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20241205BHJP
G02F 1/1368 20060101ALN20241205BHJP
G02F 1/1343 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 336
G02F1/1368
G02F1/1343
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090978
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】花田 明紘
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA29
2H092JA24
2H092JA26
2H092JA44
2H092JA46
2H092NA07
2H092QA15
2H192AA24
2H192BC31
2H192CB05
2H192CB08
2H192CB34
2H192CB37
2H192CB83
2H192CC54
2H192CC64
2H192CC73
2H192DA12
2H192DA24
2H192DA42
2H192EA04
2H192EA13
2H192EA23
2H192EA67
2H192GA42
2H192JA53
2H192JB03
5C094AA10
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA15
5C094DB01
5C094DB04
5C094EA05
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB14
5C094FB15
(57)【要約】
【課題】表示装置の画素の開口率を向上させる。
【解決手段】表示装置は、第1導電層と、第1導電層の上に設けられた第1絶縁膜と、第1絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体層と、第1絶縁膜の上に設けられ、酸化物半導体層に接続された第2導電層と、酸化物半導体層の上に設けられた平坦化層と、平坦化層の開口部の内側において第2導電層と接する第1透明導電層と、開口部の内側において第1透明導電層と接する第2透明導電層と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電層と、
前記第1導電層の上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体層と、
前記第1絶縁膜の上に設けられ、前記酸化物半導体層に接続された第2導電層と、
前記酸化物半導体層の上に設けられた平坦化層と、
前記平坦化層の開口部の内側において前記第2導電層と接する第1透明導電層と、
前記開口部の内側において前記第1透明導電層と接する第2透明導電層と、を備える、
表示装置。
【請求項2】
前記第1透明導電層は、酸化物導電層である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記平坦化層の上に設けられた窒化絶縁層をさらに備え、
前記第1透明導電層は、前記窒化絶縁層と接している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記酸化物半導体層は、結晶構造を含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1透明導電層は、前記開口部の内側において第3透明導電層を介して前記第2導電層と接する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3透明導電層は、酸化物導電層である、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
第1導電層と、
前記第1導電層の上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の上に設けられた平坦化層と、
前記平坦化層の開口部の内側において前記酸化物半導体層と電気的に接続される第1透明導電層と、を備える、
表示装置。
【請求項8】
前記酸化物半導体層は、前記開口部の内側において前記第1透明導電層と接する、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記開口部の内側において前記酸化物半導体層と接する第2透明導電層をさらに備え、
前記第2透明導電層は、前記開口部の内側において前記第1透明導電層と接する、
請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一方の面から、反対側にある他方の面の背景を視認可能な透明ディスプレイの開発が進んでいる(特許文献1参照)。ユーザは、どちらの側の面からも、透明ディスプレイに表示された映像、図形、文字等を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画素の開口率が低い場合、透明度が低下して、透明ディスプレイの表示品質が低下する。このため、画素の開口率をより向上させた透明ディスプレイが望ましい。
【0005】
本発明の一実施形態では、画素の開口率を向上させた表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、第1導電層と、第1導電層の上に設けられた第1絶縁膜と、第1絶縁膜の上に設けられた酸化物半導体層と、第1絶縁膜の上に設けられ、酸化物半導体層に接続された第2導電層と、酸化物半導体層の上に設けられた平坦化層と、平坦化層の開口部の内側において第2導電層と接する第1透明導電層と、開口部の内側において第1透明導電層と接する第2透明導電層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を説明する斜視図である。
【
図2】
図1に示す表示装置のA1-A2間に対応する構造を示す断面模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を説明する平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素を表すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素のタイミングチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図13】比較例に係る表示装置の画素の開口率を説明する図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の開口率を説明する図である。
【
図15】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
【
図16】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図17】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図18】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
【
図19】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図20】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図21】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図22】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
【
図23】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図24】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図25】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図26】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
【
図27】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図28】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図29】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の断面図である。
【
図30】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【
図31】本発明の別の実施形態に係る表示装置における画素の平面レイアウトを拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面に関して、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて各部の幅、厚さ、形状等を模式的に表す場合があるが、それら模式的な図は一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。さらに、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同一又は類似の要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。なお、本明細書等において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与するためのものであり、優先順位や順番を示すものではない。
【0009】
本発明において、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、これら複数の膜は異なる機能、役割を有することがある。しかしながら、これら複数の膜は同一の工程で同一層として形成された膜に由来し、同一の層構造、同一の材料を有する。したがって、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。また、ある一つの膜を加工して複数の膜を形成した場合、本明細書等において、-1、-2等と区別して記載する場合がある。
【0010】
なお、本明細書等において、「上」、「下」などの表現は、着目する構造体と他の構造体との相対的な位置関係を表現している。本明細書等では、側面視において、後述する第1基板から画素電極に向かう方向を「上」と定義し、その逆の方向を「下」と定義する。本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
また、本明細書等において、ボトムゲート駆動とは、半導体層の下方に配置されたゲート電極によって、オンオフが制御されるものである。また、本明細書等において、トップゲート駆動とは、半導体層の上方に配置されたゲート電極によって、オンオフが制御されるものである。また、本明細書において、デュアルゲート駆動とは、半導体層の上下に配置されたゲート電極に、同じ制御信号を入力することによって、オンオフが制御されるものである。
【0012】
<第1の実施形態>
本発明の一実施形態に係る表示装置10について、
図1~
図14を参照して説明する。
【0013】
<表示装置の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の斜視図を示す。表示装置10は、表示パネル102と、光源104と、表示パネル102を挟む第1透明基板151Aと、第2透明基板151Bと、を含む。表示パネル102には、アレイ基板150(第1基板ともいう)と、対向基板152(第2基板ともいう)と、アレイ基板150と対向基板152との間の液晶層(図示せず)と、ゲート駆動回路28と、ソース駆動回路38とが設けられている。以下の説明において、
図1に示す表示パネル102における平面の一方向をD1方向とし、D1方向と直交する方向をD2方向とし、D1-D2平面に直交する方向をD3方向とする。
【0014】
アレイ基板150及び対向基板152は透光性を有する。アレイ基板150及び対向基板152は、好ましくは可視光に対して透明である。対向基板152は、アレイ基板150に対向するようにD3方向に配置される。アレイ基板150と対向基板152とは間隙を有して対向配置された状態で、シール材154によって貼り合わされている。アレイ基板150と対向基板152との間の間隙には、液晶層(図示せず)が設けられている。
【0015】
表示パネル102は、表示領域12と、表示領域12の外側の周辺領域14とを有する。表示領域12には、複数の画素PIXが行方向及び列方向に配置されている。ここで、行方向とはD1方向に平行な方向を指し、列方向とはD2方向に平行な方向を指すものとする。表示領域12には、行方向にm個の画素が配列され、列方向にはn個の画素が配列される。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて適宜設定される。表示領域12には、D1方向にゲート配線(走査信号線ともいう)が配設され、D2方向にソース配線(データ信号線ともいう)が配設される。
【0016】
周辺領域14には、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38が設けられる。
図1は、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38が、集積回路(IC:Integrated Circuit)で提供され、アレイ基板150にCOG(Chip on Glass)方式で実装される態様を示したものである。ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38は、図示された態様に限定されず、COF(Chip on Film)方式で実装されてもよいし、アレイ基板150の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)によって形成されてもよい。
【0017】
周辺領域14には、ゲート配線領域32、コモン配線領域22、及びソース配線領域42が配設される。ゲート配線領域32は、ゲート駆動回路28と表示領域12に配設されるゲート配線とを接続する配線により形成されるパターンが設けられる領域である。コモン配線領域22は、コモン配線により形成されるパターンが設けられる領域である。コモン配線領域22は、回路的には、対向基板152に設けられるコモン電極にコモン電圧を印加する配線として用いられる。ソース配線領域42は、ソース駆動回路38と表示領域12に配設されるデータ信号線とを接続する配線により形成されるパターンが設けられる領域である。ゲート配線、コモン配線及びソース配線については、詳しくは後述する。
【0018】
光源104は、D1方向に沿って設けられている。光源104は、例えば、D1方向に沿って配列された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)により構成される。光源104の詳細な構造に限定はなく、D1方向に配列される発光ダイオードに加え、反射板、拡散板、レンズなどの光学部材が含まれてもよい。光源104及び光源104を制御する発光制御回路110は表示パネル102と独立した別部材として設けられていてもよい。また、光源104は、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38と同期する発光制御回路110により発光のタイミングが制御されるものであってもよい。光源104を制御する発光制御回路110は、表示パネル102とは別に光源104と同じく別部材として設けられていてもよく、個別部品としてアレイ基板150に実装されてもよいし、ゲート駆動回路28又はソース駆動回路38に組み込まれていてもよい。
【0019】
第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、表示領域12及び周辺領域14を挟むように設けられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、表示パネル102の保護部材としての機能を有する。また、後述するように、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは光源104から出射された光を表示パネル102に導入する導光板としての機能を有する。
【0020】
図2に、
図1に示した表示装置10のA1-A2間の断面構造を示す。
図2に示すように、表示パネル102のアレイ基板150側に第1透明基板151Aが設けられ、対向基板152側に第2透明基板151Bが設けられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bには、ガラス基板又はプラスチック基板が用いられる。第1透明基板151A及び第2透明基板151Bは、アレイ基板150及び対向基板152と同等の屈折率を有していることが好ましい。アレイ基板150と第1透明基板151A、対向基板152と第2透明基板151Bは、それぞれ透明接着剤(図示せず)によって接着される。
【0021】
アレイ基板150と対向基板152は、液晶層210を挟んで対向している。アレイ基板150は対向基板152より大きいため、-D2方向に周辺領域14の一部が対向基板152から露出する。アレイ基板150には、ソース駆動回路38などの駆動回路が実装される。また、アレイ基板150の周縁部には、フレキシブルプリント回路34が取り付けられる。
【0022】
光源104は、第1透明基板151A又は第2透明基板151Bの一つの側面に隣接するように配置される。
図2は、光源104が第2透明基板151Bの一つの側面に沿って配置された構成を示したものである。なお、
図2には光源104がアレイ基板150に取り付けられた構成を示したが、光源104を配置する構成に限定はなく、取り付け位置を固定できるものであれば異なる構成であってもよい。光源104は、例えば、表示パネル102を囲む筐体によって支持されてもよい。
【0023】
光源104は、第2透明基板151Bの第1側面15Cに沿って配置される。光源104は、第2透明基板151Bの第1側面15Cへ光Lを照射する。光源104は、第1側面15Cに向けて光Lを出射することからサイド光源と呼ばれることもある。光源104に対向する第2透明基板151Bの第1側面15Cは光入射面となる。
【0024】
第2透明基板151Bの第1側面15Cから入射した光Lは、第2透明基板151Bの第2平面15B、第1透明基板151Aの第1平面15Aで反射しながら、第1側面15Cから遠ざかる方向(D2方向)へ伝搬する。表示装置10は、大気中にあるから、第1透明基板151Aの外側(例えば-D3方向)及び第2透明基板151Bの外側(例えばD3方向)の媒質である空気の屈折率は、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bの屈折率に比べて小さい。第1透明基板151A又は第2透明基板151Bを伝搬してきた光Lは、第1平面15A又は第2透明基板151Bの第2平面15Bに到達すると、入射角が臨界角よりも大きい場合に全反射する。このように、全反射した光Lは、第1平面15Aと第2平面15Bによって反射されながら、D2方向へ伝搬する。
【0025】
液晶層210は、高分子分散型液晶で形成される。液晶層210は、画素PIX(
図1参照)毎に散乱状態と非散乱状態が制御される。第1平面15A及び第2平面15Bで反射しながら伝搬する光Lは、液晶層210が散乱状態に制御されている画素によって、少なくとも一部が散乱される。入射角が臨界角よりも小さい角度である散乱光LA、LBは、それぞれ第1平面15A及び第2平面15Bから外部に出射される。出射された散乱光LA、LBは、観察者に観察される。アレイ基板150、対向基板152、第1透明基板151A、第2透明基板151Bは、透光性を有し、すなわち可視光に対して透明である。非散乱状態に制御されている液晶層210は透明であるから、散乱光LA、LBが出射される以外の領域は、透明である。このため、観察者は表示パネル102を通して背面側を視認することができる。
【0026】
図3は、アレイ基板150の構成を説明する平面図である。
図3に示すように、アレイ基板150は、表示領域12及び周辺領域14を含む。
【0027】
表示領域12は、マトリクス状に配列された複数の画素PIXを有する。詳しくは後述するが、複数の画素PIXの各々は、複数のトランジスタ及び液晶素子を有する。
【0028】
周辺領域14は、表示領域12を囲むように設けられる。なお、周辺領域14とは、アレイ基板150において、表示領域12からアレイ基板150の端部までの領域をいう。言い換えると、周辺領域14は、アレイ基板150上で表示領域12が設けられる以外の領域(すなわち、表示領域12の外側の領域)をいうものとする。
【0029】
周辺領域14には、ゲート駆動回路28及びソース駆動回路38の他に、ゲート配線領域32、ソース配線領域42、コモン配線16、18、コモン配線領域22、端子部26、36、フレキシブルプリント回路24、34及び各種検査回路が設けられている。端子部26、36は、アレイ基板150の一辺に沿って配置されている。
【0030】
端子部26には、フレキシブルプリント回路24が接続されている。フレキシブルプリント回路24は、ゲート駆動回路28、コモン配線16、18、ESD用保護回路59、QDパッド56に各種信号を供給する。ゲート駆動回路28は、複数のゲート配線と接続されており、複数のゲート配線の各々は、表示領域12における複数の画素PIXの各々と電気的に接続されている。ゲート配線領域32は、複数のゲート配線が設けられた領域であり、複数のゲート配線の詳細な配置については図示を省略した。2つのゲート駆動回路28と接続されるゲート配線の本数は、表示領域12における画素PIXの行の数に相当する。なお、ゲート配線領域32として、表示領域12から離して設けられている構成を示したが、実際にはゲート配線と画素PIXとは電気的に接続されている。
【0031】
端子部36には、フレキシブルプリント回路34が接続されている。フレキシブルプリント回路34は、ソース駆動回路38に映像信号を供給する。ソース駆動回路38は、複数のソース配線と接続されており、複数のソース配線の各々は、表示領域12における複数の画素PIXの各々と電気的に接続されている。ソース配線領域42は、複数のソース配線が設けられた領域であり、複数のソース配線の詳細な配置については図示を省略した。図示した8つのソース駆動回路38と接続されるソース配線の本数は、表示領域12における画素PIXの列の数の少なくとも3倍に相当する。以下、ソース配線の本数は、表示領域12における画素PIXの列の数の4倍の場合について説明する。なお、ソース配線領域42として、表示領域12と離して設けられている構成を示したが、実際にはソース配線と画素PIXとは電気的に接続されている。
【0032】
ゲート配線領域32と表示領域12との間には、コモン配線18、ESD用保護回路46、ゲート検査回路48、及び検査ライン54が設けられている。ソース配線領域42と表示領域12との間には、コモン配線18、ESD用保護回路46、ソース検査回路52及び検査ライン54が設けられている。検査ライン54は、ESD用保護回路58と、QDパッド56と接続されている。また、コモン配線18は、ESD用保護回路59と接続されている。
【0033】
コモン配線16は、アレイ基板150における周辺領域14を囲むように設けられており、2つのフレキシブルプリント回路24から信号が供給される。また、コモン配線16は、メッシュ状のコモン配線領域22と電気的に接続されている。
【0034】
<画素回路>
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置10が有する画素PIX1~PIX4の画素回路を説明する図である。本実施形態では、4本のゲート配線GL1~GL4に同時にオン電圧を供給し、列方向に並ぶ4つの画素PIXを4本のソース配線SL1~SL4によって同時に充電することが可能な表示装置10について説明する。これにより、ライン順次の水平期間よりも、1水平期間を長くすることができる。言い換えると、表示領域12に配置された全画素ラインのスキャンに必要な時間を1/4に短縮することができる。したがって、透明ディスプレイのような高速駆動パネルや、大型パネルにおいて、画素PIX1~PIX4の充電期間を十分に確保することができる。以下に、本実施形態における画素の構成について詳細に説明する。また、以降の説明において、画素PIX1~PIX4を各々区別しない場合には、画素PIXと記載する。ゲート配線GL1~GL4の各々、ソース配線SL1~SL4の各々についても区別しない場合には、ゲート配線GL又はソース配線SLと記載する。
【0035】
4つの画素PIX1~PIX4は、列方向(D2方向)に配列されている。4つの画素PIX1~PIX4の各々は、4本のゲート配線GL1~GL4の各々と電気的に接続されている。また、4つの画素PIX1~PIX4の各々は、4本のソース配線SL1~SL4の各々と電気的に接続されている。4つの画素PIX1~PIX4の各々は、容量配線CWと接続されている。
【0036】
各画素PIXの画素回路は、トランジスタTr、液晶素子LE、及び保持容量Cを有する。トランジスタTrのゲートは、ゲート配線GLと接続され、トランジスタTrのソースは、ソース配線SLと接続され、トランジスタTrのドレインは液晶素子LEの一方の電極及び保持容量Cの一方の電極と接続される。液晶素子LEの他方の電極は、後述するコモン電極218(
図7参照)と接続される。保持容量Cの他方の電極は、容量配線CWと接続される。
【0037】
トランジスタTrは、オン状態とオフ状態とを切り替えることにより、ソース配線SLから供給された映像信号の画素PIXへの書き込み時間を制御する機能を有する。トランジスタTrをオン状態とすることにより、ソース配線SLから供給された映像信号に対応する電位を、トランジスタTrと電気的に接続された保持容量Cに書き込むことができる。また、トランジスタTrをオフ状態とすることにより、保持容量Cに保持された電位を保持することができる。
【0038】
図5は、表示装置10のタイミングチャートである。通常、ゲート配線GLに1行ずつオン電圧が供給されることで、D2方向に並ぶ画素列を同一のソース配線SLで順次充電する。これに対し、本実施形態では、1水平期間に4本のゲート配線GLに同時にオン電圧が供給されることで、4つの画素PIX1~PIX4の各々のトランジスタTrが同時にオン状態となる。この状態で、異なるソース配線SL1~SL4に対して同時に映像信号が供給される。これにより、D2方向に並ぶ4つの画素PIX1~PIX4を同時に駆動することが可能となる。
【0039】
<画素の平面レイアウト>
図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る表示装置10における画素PIXの平面レイアウトを説明する。まず、
図6に、画素PIX-A1、PIX-A2、PIX-B1、PIX-B2、PIX-C1、PIX-C2を平面視した構成を示す。
【0040】
図6に示すように、D1方向に沿って、ゲート配線GLn-1~GLn+1が配置されている。また、D2方向に沿って、ソース配線SL1~SL4が配置されている。ここで、画素PIX-B1の開口領域は、隣接するゲート配線GLn-1と、ゲート配線GLnと、ソース配線SL1と、ソース配線SL4とによって囲まれた領域である。ゲート配線GL、ソース配線SL1~SL4、及びトランジスタTrを覆うようにブラックマトリクスBM(後述する遮光層219)が設けられている。
【0041】
図6に示すように、1列の画素PIX-B1、PIX-B2を挟むように、ソース配線SL1及びソース配線SL3と、ソース配線SL2及びソース配線SL4とが設けられている。言い換えると、1列の画素と1列の画素との間には、4本のソース配線SL1~SL4が配置される。
【0042】
ゲート配線GLとソース配線SL1~SL4とが交差する領域250において、トランジスタTrが設けられる。また、トランジスタTrは、画素電極と接続される。画素電極は、画素PIX-B1の開口領域に設けられる。また、複数のスペーサSPは、マトリクス状に配置された画素PIXの交差部に対して規則性を有するように配置される。例えば、複数のスペーサは、画素PIXの一行おき及び一列おきに配置されてもよい。言い換えると、スペーサSPが配置された交差部と隣接する交差部には、スペーサSPが配置されなくてもよい。
【0043】
図6に示すゲート配線GLとソース配線SL1~SL4とが交差する領域250において、ソース配線SL2及びソース配線SL4は、画素PIX-A1及び画素PIX-A2と隣接している。また、領域250において、ソース配線SL1及びソース配線SL3は、画素PIX-B1及び画素PIX-B2と隣接している。スペーサSPが配置される位置を詳細に説明すると、スペーサSP1は、画素PIX-B1及び画素PIX-B2と隣接するソース配線SL3と、画素PIX-A1及び画素PIX-A2と隣接するソース配線SL2と、重畳する。スペーサSP2は、画素PIX-B2及び画素PIX-B3(図示せず)と隣接するソース配線SL4と、画素PIX-C2及び画素PIX-C3(図示せず)と隣接するソース配線SL3と、重畳する。つまり、スペーサSPは、互いに隣接する4本のSLのうち、外側の2本のSLに挟まれる内側の2本のSLの上に設けられる。
【0044】
以下、ソース配線SL1~SL4を区別する必要がない場合には、単にソース配線SLという。また、ゲート配線GLn-1、GLn、GLn+1を区別する必要がない場合には、単にゲート配線GLという。
【0045】
表示装置において、画素の開口率は表示品質を評価する指標の一つである。透明ディスプレイでは、一方の面から、反対側の他方の面の背景を視認するため、開口率が低いと、透明度が低下してしまう。そのため、表示装置において、画素の開口率をより向上させることが求められている。
【0046】
本実施形態の表示装置10は、画素の開口率を従来の表示装置に比べて向上させたものである。
【0047】
図7は、
図6におけるC-C線による断面図である。C-C線は、ソース配線SLに直交し、酸化物半導体層を横切る線分と、ソース配線SLと平行であり、トランジスタTrから画素PIXの開口領域まで延在する線分と、を接続した屈曲する線分である。以下、特に断らない限り、断面図は、
図6におけるCC部と同様に領域250を切断した場合のものをいう。
図7では、表示装置10を断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0048】
図7に示すように、配線領域において、アレイ基板150の上には導電層202-1が設けられている。導電層202-1の上には、ゲート絶縁膜203が設けられている。ゲート絶縁膜203の上には、酸化物半導体層204-1が設けられている。酸化物半導体層204-1は、ゲート絶縁膜203を介して導電層202-1と対向して設けられている。酸化物半導体層204-1の上には、導電層206-3、206-4が設けられている。導電層206-3、206-4は、ゲート絶縁膜203の上に設けられ、酸化物半導体層204-1に接続されている。導電層206-3、206-4の上に、絶縁膜205が設けられている。絶縁膜205の上には、導電層208-1が設けられている。
【0049】
導電層202-1は、ゲート配線GL(ゲート電極)として機能する。導電層206-3は、ドレイン電極として機能し、導電層206-4はソース配線SL(ソース電極)として機能する。導電層208-1は、ゲート配線GLに接続され、バックゲートとして機能する。導電層202-1、酸化物半導体層204-1、絶縁膜205、及び導電層206-3、206-4は、トランジスタTrとして機能する。また、本実施形態では、トランジスタTrをボトムゲート駆動のトランジスタであるとして説明するが、これに限定されず、トップゲート駆動のトランジスタであってもよいし、デュアルゲート駆動のトランジスタであってもよい。
【0050】
ゲート絶縁膜203は、積層された窒化絶縁膜203a及び酸化絶縁膜203bを有する。絶縁膜205は、積層された酸化絶縁膜205a及び窒化絶縁膜205bを有する。また、酸化物半導体層204-1は、ゲート絶縁膜203と絶縁膜205との間、特に酸化絶縁膜203bと酸化絶縁膜205aとの間に挟まれている。酸化絶縁膜205aと酸化絶縁膜203bは、酸素を含むため、酸化物半導体層204-1の酸素含有量は、酸化物半導体層204-1より上の層に対するプロセスを経ても維持される。
【0051】
導電層208-1、酸化物半導体層204-1及び絶縁膜205の上に、平坦化膜207が設けられている。平坦化膜207は、トランジスタTrを構成する各種配線の凹凸を緩和するために設けられている。透明ディスプレイの画素PIXにおいては、画素PIXの開口領域において、平坦化膜207は除去されることが好ましい。これにより、開口領域において平坦化膜207により光が吸収されてしまうことを抑制することができる。したがって、平坦化膜207は、ゲート配線GLn-1~GLn+1及びソース配線SL1~SL4(
図6参照)と重畳する位置に設けられている。平坦化膜207は、導電層206-4及びトランジスタTrと重なる領域に設けられている。また、平坦化膜207は、画素PIXの開口領域では除去されるため、導電層206-3と画素電極216-1との間には、平坦化膜207は設けられていない。以下、開口領域を平坦化膜207の開口部ということがある。
【0052】
平坦化膜207の上には、透明導電層212-1が設けられる。透明導電層212-1に接して導電層214が設けられる。透明導電層212-1及び導電層214は、容量配線CW(
図4参照)として機能する。透明導電層212-1及び導電層214は、ゲート配線GLn-1~GLn+1(
図6参照)及びソース配線SL1~SL4(
図6参照)と重畳する位置に設けられている。なお、導電層214は、遮光層としても機能する。本実施形態では、透明導電層212-1の上に導電層214が設けられる構成について説明するが、導電層214の上に透明導電層212-1が設けられる構成であってもよい。導電層214の上に、絶縁膜209が設けられている。絶縁膜209は、平坦化膜207の上に設けられている。
【0053】
開口領域において、平坦化膜207は除去されているため、絶縁膜209は、絶縁膜205と接している。絶縁膜205の上に透明導電層212-2が設けられている。透明導電層212-2の上に絶縁膜209が設けられている。透明導電層212-2は、絶縁膜209と接している。絶縁膜209の上に、画素電極216-1が設けられている。画素電極216-1は、開口領域において絶縁膜209に設けられたコンタクトホールを介して透明導電層212-2と接している。透明導電層212-2は、開口領域において絶縁膜205に設けられたコンタクトホールを介して導電層206-3と接している。
【0054】
詳述はしないが、
図7とは異なる位置の断面図において、透明導電層212-1の端部は、導電層214の端部と画素電極216-1との間まで延在する。より具体的には透明導電層212-1の端部は平坦化膜207のテーパに位置し、また画素電極216-1の端部も平坦化膜207のテーパまで延在し、平坦化膜207のテーパの箇所において透明導電層212-1と画素電極216-1とが絶縁膜209を挟んで対向することで容量Cが形成される。
【0055】
各層を挟んでアレイ基板150と対向するように対向基板152が設けられている。対向基板152には、遮光層219、コモン電極218、絶縁膜221が設けられている。遮光層219は、ブラックマトリクスBM(
図6参照)として機能する。
図7に示す構造では、遮光層219は、
図8では、導電層206-4と重なる領域に設けられる。遮光層219は、ゲート配線GLn-1~GLn+1、及びソース配線SL1~ソース配線SL4を覆うように、格子状に配置される。コモン電極218は、表示領域12(
図3参照)の全面に広がる大きさを有する。遮光層219は、金属膜で形成されていてもよく、透明導電膜で形成されるコモン電極218に接して設けられることで、補助電極としての機能を有する。アレイ基板150と対向基板152との間には液晶層210が設けられており、シール材154(
図1参照)によって封止されている。画素電極216-1と、液晶層210と、コモン電極218とにより、液晶素子LEが構成される。
【0056】
次に、
図6に示したゲート配線GLnとソース配線SL1~SL4とが交差する領域250について、
図8~
図12を参照して説明する。
【0057】
図8は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-5、及び導電層206-1~206-11の平面レイアウトである。導電層202-1~202-9は、アレイ基板150(
図7参照)の上に設けられる。導電層202-1は、D1方向に延在する領域(第1領域ともいう)、第1領域に対してD2方向に交差する領域(第2領域ともいう)を有する。D2方向に交差する領域は、画素PIX-B1が設けられる領域に延在する。すなわち、ゲート配線GLは、L字形状のパターンを有するということもできる。また、導電層202-2~202-9は、D2方向に延在する。導電層202-1のD2方向に交差する領域の上に、ゲート絶縁膜203(
図7参照)を介して、酸化物半導体層204-1~204-5が設けられる。本実施形態では、トランジスタTrが5つの酸化物半導体層204-1~204-5を含む例について示す。酸化物半導体層204-1~204-5は、D2方向に並んで配置されている。酸化物半導体層204-5は、導電層202-1のD1方向に延在する領域と、D2方向に延在する領域との交差部に重なる領域に設けられる。酸化物半導体層204-1~204-5は、複数の領域に分割して設けられているため、一つの連続した領域として設けられている場合に比べて発熱の影響を低減することができる。分割の数は、特に限定されない。導電層202-1側から酸化物半導体層204-1~204-5に向かうガラス基板(
図7に示したアレイ基板150)を導光してきた光は、導電層202-1によって反射される。このため、導電層202-1より上に配置されている酸化物半導体層204-1~204-5に光による劣化が生じにくい。導電層206-1~206-11は、ゲート絶縁膜及び酸化物半導体層204-1~204-5の上に設けられる。導電層206-1、206-2、206-11は、D1方向に延在し、導電層206-3~206-10は、D2方向に延在する。
【0058】
導電層202-1は、導電層206-1、206-2、206-11と重畳する。導電層202-1は、ゲート絶縁膜203(
図7参照)に設けられたコンタクトホール213-1を介して導電層206-1と接続されており、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-2を介して、導電層206-2と接続されている。導電層202-1のうち、D1方向に延在する領域は、ゲート配線として機能する。また、導電層202-1のうち、D2方向に延在する領域は、ゲート電極として機能する。
【0059】
導電層202-2、202-3は、導電層206-4と重畳する。導電層202-2は、ゲート絶縁膜203(
図7参照)に設けられたコンタクトホール213-3を介して導電層206-4と接続されている。導電層202-3は、ゲート絶縁膜203(
図7参照)に設けられたコンタクトホール213-4を介して導電層206-4と接続されている。導電層206-4は、導電層202-1と交差している。導電層206-4は、第1ソース配線SL1として機能する。また、導電層206-4において、導電層202-2、202-3と重畳しない領域は、トランジスタTrのソース電極として機能する。導電層206-3は、トランジスタTrのドレイン電極として機能する。導電層206-3は、導電層202-1のD2方向に延在する領域に沿って設けられる。導電層206-3がD2方向に延在する領域は、酸化物半導体層204-1~204-5及び透明導電層212-2(
図7参照)と接続される領域である。
【0060】
導電層202-4は、導電層206-5と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-5を介して、導電層206-5と接続されている。導電層202-5は、導電層206-6と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-6を介して、導電層206-6と接続されている。導電層206-5は、導電層208-2を介して(
図10参照)導電層206-6と接続される。これにより、導電層206-5、導電層206-6、及び導電層208-2は、第3ソース配線SL3として機能する。
【0061】
導電層202-6は、導電層206-7と重畳し、ゲート絶縁膜203(
図7参照)に設けられたコンタクトホール213-7を介して、導電層206-7と接続されている。導電層202-7は、導電層206-8と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-8を介して、導電層206-8と接続されている。導電層206-7は、導電層208-3を介して導電層206-8と接続される(
図10参照)。導電層206-7、導電層206-8及び導電層208-3は、第2ソース配線SL2として機能する。
【0062】
導電層202-8は、導電層206-9と重畳し、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-9を介して、導電層206-9と接続されている。導電層202-9は、導電層206-9及び導電層206-10と重畳している。導電層202-9は、ゲート絶縁膜203(
図7参照)に設けられたコンタクトホール213-10を介して、導電層206-9と接続されている。導電層202-9は、ゲート絶縁膜203に設けられたコンタクトホール213-11を介して導電層206-10と接続されている。導電層206-9は、導電層202-1と交差する領域を有する。導電層206-9及び導電層206-10は、第4ソース配線SL4として機能する。
【0063】
また、導電層202-1は、導電層206-11と重畳し、ゲート絶縁膜203(
図7参照)に設けられたコンタクトホール213-12を介して、導電層206-11と接続されている。導電層202-9は、導電層206-8と重畳し、交差する領域を有する。つまり、第2ソース配線SL2と、第4ソース配線SL4とが交差する領域を有している。詳述しないが、第1ソース配線SL1は、
図6に示したように、第3ソース配線SL3と交差する領域を有している。
【0064】
図8に示すように、ゲート配線GLnは、導電層202-1と、導電層206-1、206-2とが積層されることで構成されている。導電層202-1は、D1方向に沿って延在している。また、ゲート配線GLは、ソース配線SL1~ソース配線SL4と交差する領域においては、導電層202-1のみが設けられており、導電層206-1と導電層206-2とは離間して設けられている。また、ソース配線SL1は、導電層202-2、202-3と、導電層206-4とが積層されることで構成されている。また、ソース配線SL1は、ゲート配線GLと交差する領域においては、導電層206-4のみが設けられており、導電層202-2と導電層202-3とは離間して設けられている。これにより、
図3に示したアレイ基板150における表示領域12及び周辺領域14の製造工程において静電気が発生したとしても、静電気を逃がすことができるため、静電気に起因する不良の発生を抑制することができる。
【0065】
図9は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-5、導電層206-1~206-11、及び遮光層219の平面レイアウトである。対向基板152(
図7参照)に設けられた遮光層219は、導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-5、導電層206-1~206-11を覆うように格子状に設けられている。遮光層219は、導電層202-1におけるD1方向に延在する領域と、D2方向に交差するように配置される領域と、導電層206-3と、を覆う。また、遮光層219に設けられた開口部の面積によって、画素PIXの開口率が規定される。トランジスタTrと開口率との関係については、後に詳細に説明する。
【0066】
図10は、領域250における導電層206-1~206-11及び導電層208-1~208~3の平面レイアウトである。導電層206-1~206-11については、
図8において説明した通りである。導電層208-1~208-3は、絶縁膜205(
図7参照)の上に設けられている。導電層208-1は、D1方向に延在する領域(第3領域ともいう)と、D2方向に延在する領域(第4領域ともいう)と、を有する。D2方向に延在する領域は、酸化物半導体層204-1~204~5、及び導電層202-1におけるD2方向(第2領域ともいう)に延在する領域と重畳する(
図9参照)。また、D1方向に延在する領域における導電層208-1は、導電層206-11と重畳しており、絶縁膜205(
図7参照)に設けられたコンタクトホール215-3を介して導電層206-11と接続されている。これにより、ゲート配線GLに供給される走査信号が、導電層208-1に供給される。つまり、導電層208-1は、トランジスタTrのバックゲートとして機能する。本発明に係る表示装置のトランジスタTrはバックゲートを備えているが、トランジスタTrはバックゲートを備えていなくてもよい。導電層208-2は、D2方向に延在している。導電層208-2は、導電層206-5及び導電層206-6と重畳しており、絶縁膜205(
図7参照)に設けられたコンタクトホール215-4、215-7を介して導電層206-5及び導電層206-6と接続されている。導電層208-3は、D2方向に延在している。導電層208-3は、導電層206-7及び導電層206-8と重畳しており、絶縁膜205(
図7参照)に設けられたコンタクトホール215-5、215-6を介して導電層206-7及び導電層206-8と接続されている。
【0067】
図11は、領域250における平坦化膜207、透明導電層212-1、212-2、導電層214及び遮光層219の平面レイアウトである。
図11に示すように、平坦化膜207は、画素PIX-A1、PIX-A2、PIX-B1、PIX-B2の開口領域において除去されている。つまり、平坦化膜207は、開口領域には設けられておらず、配線領域の上に設けられている。平坦化膜207の上に、透明導電層212-1が設けられている。また、透明導電層212-1の上に、導電層214が設けられている。透明導電層212-1及び導電層214は、容量配線CW(
図4参照)として機能する。透明導電層212-1は、導電層206-1~206-11(
図10参照)の上に、平坦化膜207を介して設けられている。ソース配線SL1~SL4と、容量配線CW(
図4参照)とが離間して設けられるため、ソース配線SL1~SL4は、容量配線CWの電位の影響を受けにくい。また、後述する導電性を有する材料で形成された導電層214の電気抵抗は、透明導電層212-1の電気抵抗よりも小さい。画素PIXの位置によって、容量配線CW(
図4参照)の電位が変化した際に受ける影響が異なる。しかし、導電層214の電気抵抗は比較的低いため、電位の収束の仕方にばらつきが生じにくい。なお、透明導電層212-1は、開口223を有しており、導電層214は、開口225を有している。開口223と開口225とは、重なるように設けられている。開口223、225は、トランジスタTrとは重ならない位置に配置される。平坦化膜207に含まれる水分を、開口223、225を介して、放出することができる。
【0068】
透明導電層212-1及び導電層214は、ゲート配線GL及びソース配線SL1~SL4の上方を覆うように、格子状に設けられている。透明導電層212-1が設けられていない領域の大きさにより、保持容量C(
図4参照)が調整される。また、導電層214は、トランジスタTrを覆うように設けられている。これにより、トランジスタTrの光による劣化を抑制することができる。
【0069】
導電層214が透明導電層212-1の上に設けられている例を示したが、導電層214は、透明導電層212-1の下に設けられていてもよい。導電層214は、透明導電層212-1と積層されていればよい。導電層214は、遮光性を有している。そのため、導電層214によって、配線領域に配置されているソース配線SL1~SL4(
図10参照)およびゲート配線GL(
図10参照)からの反射光を遮光することができる。導電層214の幅は、平面視で、ソース配線SL1~SL4(
図10参照)を合わせた幅よりも小さくなるように設けられている。また、導電層214の幅は、平面視で、ゲート配線GL(
図10参照)の幅と類似する幅で設けられているが、ゲート配線GLの幅よりも小さくなるように設けるようにしてもよい。これにより、ソース配線SLのエッジで反射する反射光を表示パネル102により放射することを抑制することができる。なお、導電層214の幅、又はソース配線SL1~SL4を合わせた幅とは、ソース配線SL1~SL4が延在する方向と交差する方向(D1方向)の長さをいう。また、ゲート配線GLの幅とは、ゲート配線GLが延在する方向と交差する方向(D2方向)の長さをいう。透明導電層212-2は、透明導電層212-1から離れて、D2方向に延在する。
【0070】
図12は、領域250における導電層206-1~206-11、導電層214、及び画素電極216-1~216-4、透明導電層212-2の平面レイアウトである。導電層206-1~206-11については、
図8において説明した通りである。導電層214については、
図11において説明した通りである。画素電極216-1~216-4は、絶縁膜209の上に設けられている。画素電極216-1~216-4は、画素PIXの開口領域に設けられる。画素電極216-1は、透明導電層212-2を覆っている。画素電極216-1は、絶縁膜209(
図7参照)に設けられたコンタクトホール220を介して、透明導電層212-2と接続される。
【0071】
次に、表示装置10の開口率について、
図13及び
図14を参照して説明する。
図13は、比較例の表示装置の画素の開口率を説明する図である。
図14は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素の開口率を説明する図である。
【0072】
図13に、ゲート配線GL、ソース配線SL1~SL4(
図9参照)、及びトランジスタTrを覆う遮光層219Aを示す。ゲート配線GL、ソース配線SL1~SL4(
図9参照)は、比較のため、表示装置10と同様に配置したものである。導電層206-3AのうちトランジスタTrからD2方向に延在する領域の長さをL1とする。
【0073】
図14に、ゲート配線GL、ソース配線SL1~SL4(
図9参照)、及びトランジスタTrを覆う遮光層219を示す。導電層206-3のうちトランジスタTrからD2方向に延在する領域の長さをL2とする。
【0074】
図13に示したように、比較例の表示装置では、導電層206-3Aは、トランジスタTrから比較的長い距離L1にわたってD2方向に延在する。これに対し、
図14に示したように、導電層206-3は、トランジスタTrからD2方向に延在する距離は、L1よりも短いL2である。また、比較例の表示装置では、画素電極216-1(
図7参照)と導電層206-3Aとの電気的な接続は、遮光層219に覆われる金属の導電層を介して行われていた。金属の導電層を覆うには、比較的広範囲に遮光する必要があった。これに対し、本願の表示装置10によれば、画素PIX-B2において、導電層206-3の一部を透明な透明導電層212-2(
図7参照)で置き換えることができる。また、透明導電層212-2は透明であり、遮光層219Aで覆って遮光する必要はない。このため、表示装置10において導電層206-3を覆う遮光層219の面積は、比較例の表示装置において導電層206-3Aを覆う遮光層219Aの面積より小さい。画素PIX-B1、PIX-B3等の他の画素において比較しても同様である。このように、表示装置10によれば、比較例の表示装置に比べて開口率を上昇させることができる。また、遮光層219が覆うゲート配線GLとソース配線SL1~SL4(
図6参照)の交差部における見栄えを向上させることができる。
【0075】
なお、
図7に示したように、平坦化膜207は、配線領域と開口領域との境界付近で大きな段差を形成する。このため、透明導電層212-1を形成する工程において、段差によりフォトレジストが除去しきれず、段差の底部近傍などの不要な部分に透明導電層212-1の残渣が残りやすい。従来は、導電層206-3と画素電極216-1とを接続するコンタクトホールと段差との距離が近かったため、除去されなかった透明導電層212-1の残渣が、開口領域において、画素電極216-1等と接触して、ショートする可能性があった。しかし、本実施形態では、透明導電層212-2は透明であるため、透明導電層212-2と画素電極216-1とのコンタクト部を配線領域から離れた位置に設けても開口率を低下させない。このため、表示装置10によれば、透明導電層212-2と画素電極216-1とのコンタクト部を、透明導電層212-1の残渣が到達しない程度に配線領域から離して配置してショートを発生させにくくすることができる。
【0076】
<第2の実施形態>
第1の実施形態で説明した表示装置10は、画素電極が透明導電層を介してトランジスタTrのドレイン電極と接続されているものであるが、開口領域において画素電極をトランジスタTrのドレインと接続する方法は上述したものに限られない。第2の実施形態に係る表示装置310の画素電極は、酸化物半導体層を介してトランジスタTrのドレイン電極と接続されている。以下、表示装置10と異なる部分を中心に説明する。
【0077】
図15は、表示装置310における断面図である。
図15では、表示装置310を断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0078】
図15に示すように、開口領域において、ゲート絶縁膜203の上に酸化物半導体層204-6が設けられている。開口領域において、酸化物半導体層204-6の上に絶縁膜209が設けられている。絶縁膜209の上に、画素電極216-1が設けられている。画素電極216-1は、絶縁膜205、209に設けられたコンタクトホールを介して酸化物半導体層204-6と接続されている。酸化物半導体層204-6は、開口領域において導電層206-3と接している。画素電極216-1は、画素PIXの開口領域に設けられる。画素電極216-1は、ソース配線SL及びトランジスタTrを覆わず、酸化物半導体層204-6及び導電層206-3の一部を覆っている。
【0079】
図16は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-6、導電層206-1~206-11、及び遮光層219の平面レイアウトである。
図16に示すように、酸化物半導体層204-1~204-6は、それぞれ直接接していない。酸化物半導体層204-1~204-6の上に、D2方向に延在する導電層206-3が設けられている。
【0080】
図17は、領域250における酸化物半導体層204-6、導電層206-1~206-11、導電層214、及び画素電極216-1~216-4の平面レイアウトである。
図17に示すように、画素電極216-1は、酸化物半導体層204-6を覆っている。画素電極216-1と酸化物半導体層204-6とは、絶縁膜209(
図15参照)に設けられたコンタクトホール220を介して接続されている。酸化物半導体層204-6は透光性を有するため、導電層206-3と画素電極216-1を、開口領域に配置された酸化物半導体層204-6を介して接続しても、遮光することがなく、開口率は低下しない。
【0081】
表示装置310の酸化物半導体層204-6は、絶縁膜209と接している。酸化物半導体層204-6は、プロセス中に絶縁膜209から水素を供給され還元される。酸化物半導体層204-6はn型に近付くため、電気抵抗の値が低下して導体の性質を有する。このようにして、絶縁膜209と接する酸化物半導体層204-6は低抵抗化され、酸化物導電層となる。本明細書中において、「酸化物導電層」とは、酸化物半導体層が低抵抗化することにより導体の性質を有するに至ったものを指す。
【0082】
本実施形態では、酸化物半導体層204-6として、結晶構造を含む材料を用いることが望ましい。本実施形態の構造では、透明導電層212-1をエッチングする工程において、透明導電層212-1がエッチングされると酸化物半導体層204-6が露出する可能性がある。この場合、酸化物半導体層204-6が結晶構造を含む材料で構成されていればエッチングされにくく、消失しにくい。このため、酸化物半導体層204-6を保護層で保護しなくても、設計どおりのパターンを維持しやすい。
【0083】
<第3の実施形態>
表示装置10、310のトランジスタTrはバックゲート(
図15に示した導電層208-1)を有するが、本発明に係る表示装置のトランジスタTrは、バックゲートを備えなくてもよい。第3の実施形態に係る表示装置410は、バックゲートを備えない。本実施形態では、第2実施形態の表示装置310と異なる部分に着目して説明する。本実施形態の説明において、第2の実施形態と同じ要素については、図面において同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0084】
図18は、表示装置410における断面図である。
図18では、表示装置410を断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0085】
図18に示すように、絶縁膜205の上には、導電層208-1(
図7、
図15参照)は設けられていない。このため、表示装置410は、表示装置10、310におけるトランジスタTrのバックゲートを備えない。平坦化膜207が絶縁膜205の上を覆っている。
【0086】
図19は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-6、導電層206-1~206-10、及び遮光層219の平面レイアウトである。
図19に示すように、酸化物半導体層204-1~204-6は、それぞれ直接接していない。酸化物半導体層204-1~204-6の上に、D2方向に延在する導電層206-3が設けられている。酸化物半導体層204-6は、開口領域に配置されている。
【0087】
図20は、領域250における酸化物半導体層204-6、導電層206-1~206-10、導電層208-2及び208-3の平面レイアウトである。このように、表示装置410は、トランジスタTrのバックゲートを備えない。
【0088】
図21は、領域250における導電層206-1~206-10、導電層214、及び画素電極216-1~216-4の平面レイアウトである。画素電極216-1は、酸化物半導体層204-6を覆っている。画素電極216-1と酸化物半導体層204-6とは、コンタクトホール220を介して接続している。
【0089】
<第4の実施形態>
第2実施形態では、酸化物半導体層204-6と画素電極216-1とが直接接続された構造を説明したが、この例に限らず、酸化物半導体層204-6と画素電極216-1とは他の導電層を介して電気的に接続されてもよい。第4の実施形態に係る表示装置510の画素電極は、酸化物半導体層204-6と画素電極216-1とが他の透明導電層を介して接続されている構造を有する。本実施形態では、第2の実施形態の表示装置310と異なる部分に着目して説明する。本実施形態の説明において、第2の実施形態と同じ要素については、図面において同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0090】
図22は、表示装置510における断面図である。
図22では、表示装置510を断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0091】
図22に示すように、画素電極216-1は、絶縁膜209に設けられたコンタクトホールを介して透明導電層212-2と接続されている。透明導電層212-2は、酸化物半導体層204-6と接している。酸化物半導体層204-6は、導電層206-3と接続されている。このように、画素電極216-1は、透明導電層212-2と酸化物半導体層204-6を介して、導電層206-3と接している。
【0092】
酸化物半導体層204-6として、ボロンなどのイオンを注入したもの、または水素雰囲気下でプラズマ処理を施したものを用いることができる。酸化物半導体層204-6に水素を導入することにより酸化物半導体層204-6はn型に近付くため、電気抵抗の値が低下して導体の性質を有する。このようにして、絶縁膜209と接する酸化物半導体層204-6は低抵抗化され、酸化物導電層となる。酸化物半導体層204-6は、アモルファス材料によって形成されてもよい。
【0093】
図23は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1~204-6、導電層206-1~206-11、透明導電層212-2、及び遮光層219の平面レイアウトである。
図23に示すように、酸化物半導体層204-6は、D2方向に延在する。透明導電層212-2は、D2方向に延在する。導電層206-3の先端と酸化物半導体層204-6は、重なっている。酸化物半導体層204-6と透明導電層212-2は、重なっている。
【0094】
図24は、領域250における平坦化膜207、透明導電層212-1、212-2、導電層214及び遮光層219の平面レイアウトである。
図24に示すように、透明導電層212-2は、画素電極216-1に覆われている。透明導電層212-2は、開口領域において、コンタクトホール220を介して画素電極216-1と接続されている。
【0095】
<第5の実施形態>
表示装置10、310、410、510のトランジスタTrのドレイン電極は導電層206-3(
図15参照)によって形成されているが、トランジスタTrのドレイン電極は、酸化物導電層であってもよい。本実施形態では、第2の実施形態の表示装置310と異なる部分に着目して説明する。本実施形態の説明において、第2の実施形態と同じ要素については、図面において同じ符号を付して説明を省略する場合がある。第5の実施形態に係る表示装置610の画素電極は、ドレイン電極である導電層206-3と接続されず、酸化物半導体層と直接接続されている。
【0096】
図25は、画素PIX-A1、PIX-A2、PIX-B1、PIX-B2、PIX-C1、PIX-C2を平面視した構成を示す。
図25に示すように、表示装置610のトランジスタTrは、導電層206-3(
図6参照)を備えない。
【0097】
図26は、表示装置610における断面図である。
図26では、表示装置610を断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0098】
図26に示すように、導電層202-1の上には、ゲート絶縁膜203が設けられている。ゲート絶縁膜203の上には、酸化物半導体層204-1が設けられている。酸化物半導体層204-1は、ゲート絶縁膜203を介して導電層202-1と対向する位置から、開口領域まで延在している。開口領域において、絶縁膜205の上に絶縁膜209が設けられている。絶縁膜209の上に、画素電極216-1が設けられている。画素電極216-1は、開口領域において絶縁膜209、205に設けられたコンタクトホールを介して酸化物半導体層204-1と接しており、酸化物半導体層204-1と電気的に接続されている。
【0099】
トランジスタTrのドレインは、酸化物半導体層204-1によって構成されている。酸化物半導体層204-1として、ボロンなどのイオンを注入したものを用いることができる。酸化物半導体層204-1にイオンを注入し、酸素欠損を導入することにより酸化物半導体層204-1はn型に近付くため、電気抵抗の値が低下して導体の性質を有する。このようにして、酸化物半導体層204-1は低抵抗化され、酸化物導電層となる。導電層214を形成した後に絶縁膜205にコンタクトホールを設ける場合には、酸化物半導体層204-1に、アモルファス材料を用いてもよい。
【0100】
図27は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1、導電層206-1~206-11の平面レイアウトである。
図27に示すように、酸化物半導体層204-1は、D1方向に延在し、導電層206-4と重なる5つの領域と、5つの領域と接し、D2方向に延在する領域と、を含む。
【0101】
図28は、領域250における平坦化膜207、透明導電層212-1、導電層214、酸化物半導体層204-1及び遮光層219の平面レイアウトである。
図28に示すように、酸化物半導体層204-1のうち、D2方向に広がる領域は、開口領域において、絶縁膜209に設けられたコンタクトホール220を介して、画素電極216-1と接している。
【0102】
<第6の実施形態>
表示装置610の画素電極は、酸化物半導体層と直接接続されているが、画素電極は、別の透明導電層を介して酸化物半導体層と接続されていてもよい。第6の実施形態に係る表示装置710の画素電極は、透明導電層を介して酸化物半導体層と接続されている。本実施形態では、第4の実施形態の表示装置510と異なる部分に着目して説明する。本実施形態の説明において、第4の実施形態と同じ要素については、図面において同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
【0103】
図29は、表示装置710における断面図である。
図29では、表示装置710を断面視したときの各層の積層順について説明する。
【0104】
図29に示すように、ゲート絶縁膜203の上に酸化物半導体層204-1が設けられている。酸化物半導体層204-1は、配線領域から開口領域まで延在している。開口領域において、酸化物半導体層204-1の上に透明導電層212-2が設けられている。透明導電層212-2の上に絶縁膜209が形成されている。絶縁膜209の上に画素電極216-1が設けられている。画素電極216-1は絶縁膜209に設けられたコンタクトホールを介して透明導電層212-2と接している。透明導電層212-2は、開口領域において絶縁膜205に設けられたコンタクトホールを介して酸化物半導体層204-1と接している。このように、画素電極216-1は、透明導電層212-2を介して、酸化物半導体層204-1と接続されている。
【0105】
トランジスタTrのドレインは、酸化物半導体層204-1によって構成されている。酸化物半導体層204-1として、ボロンなどのイオンを注入したものを用いることができる。酸化物半導体層204-1にイオンを注入し、酸素欠損を導入することにより酸化物半導体層204-1はn型に近付くため、電気抵抗の値が低下して導体の性質を有する。このようにして、酸化物半導体層204-1は低抵抗化され、酸化物導電層となる。酸化物半導体層204-1に、アモルファス材料を用いてもよい。
【0106】
図30は、領域250における導電層202-1~202-9、酸化物半導体層204-1、導電層206-1~206-11および透明導電層212-2の平面レイアウトである。
図30に示すように、酸化物半導体層204-1は、D2方向に延在している。酸化物半導体層204-1は、絶縁膜205に設けられたコンタクトホール215-1を介して透明導電層212-2と接続されている。
【0107】
図31は、領域250における平坦化膜207、透明導電層212-1、212-2、導電層214及び遮光層219の平面レイアウトである。
図31に示すように、透明導電層212-2は、画素電極216-1に覆われている。透明導電層212-2は、開口領域において、絶縁膜209に設けられたコンタクトホール220を介して画素電極216-1と接続されている。
【0108】
<各部材の材質>
以下、表示装置10、310、410、510、610、710に共通する部材の材質について説明する。アレイ基板150、対向基板152として、ガラス基板、石英基板、およびサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。一方、アレイ基板150、対向基板152が可撓性を有する必要がある場合は、アレイ基板150、対向基板152としてポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。アレイ基板150、対向基板152の耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物を導入してもよい。また、表示装置10、310、410、510、610、710を透明ディスプレイや大型ディスプレイに適用する場合には、アレイ基板150及び対向基板152として、ガラス基板を用いることが好ましい。また、第1透明基板151A及び第2透明基板151Bについては、アレイ基板150及び対向基板152を保護するために設ける。そのため、例えば、透光性を有するガラス基板、プラスチック基板等を用いることが好ましい。
【0109】
ゲート絶縁膜203、絶縁膜205、及び絶縁膜209として、窒化シリコン(SiNx)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)、窒化アルミニウム(AlNx)、窒化酸化アルミニウム(AlNxOy)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxNy)の単層又は積層構造を用いる。上記各実施形態では、ゲート絶縁膜203は、窒化絶縁膜203a、酸化絶縁膜203bの積層構造で構成される。また、絶縁膜205は、酸化絶縁膜205a、窒化絶縁膜205bで構成される。窒化絶縁膜203a、205b、絶縁膜209として、窒化シリコンを用いる。窒化シリコン膜は、例えば、化学気相堆積法により形成される。また、酸化絶縁膜203b、205aとして、酸化シリコンを用いる。
【0110】
上記のSiOxNy及びAlOxNyは、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。また、SiNxOy及びAlNxOyは、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物及びアルミニウム化合物である。
【0111】
平坦化膜207として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はシロキサン樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。
【0112】
導電層202、206、208及び導電層214として、一般的な金属材料を用いることができる。例えば、これらの部材として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、銅(Cu)及びこれらの合金又は化合物が用いられる。上記の部材として、上記の材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0113】
酸化物半導体層204として、半導体の特性を有する酸化物半導体を用いることができる。酸化物半導体層204は透光性を有する。例えば、酸化物半導体層204として、インジウム(In)を含む2以上の金属を含む酸化物半導体が用いられる。酸化物半導体層204として、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、および酸素(O)を含む酸化物半導体を酸化物半導体層204として用いてもよい。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いてもよい。
【0114】
透明導電層212、画素電極216、及びコモン電極218として、酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)及び酸化インジウム及び酸化亜鉛の混合物(IZO)を用いることができる。当該透明導電層として、上記以外の材料が用いられてもよい。ブラックマトリクスBMに用いる遮光層219は黒色の樹脂又は金属材料で形成することができる。ブラックマトリクスBMはコモン電極218と接して形成される(
図7参照)。透明導電膜で形成されるコモン電極218に対し、ブラックマトリクスBMを金属材料で形成することで、抵抗損失を低減するための補助電極としての機能を持たせることができる。ブラックマトリクスBMを形成する金属材料としては、アルミニウムに対して相対的に反射率が低い、クロム、モリブデン、チタンなどを単層で、又は積層して用いてもよい。
【0115】
表示装置10、310、410、510、610、710を透明ディスプレイに適用する場合、液晶層210として、高分子分散型液晶を用いることが好ましい。高分子分散型液晶は、バルク及び微粒子を含む。微粒子は、バルク内で画素電極216とコモン電極218との電位差に応じて配向が変化する。画素PIX毎に、画素電極216の電位が個別に制御されることで、画素PIX毎に少なくとも透光及び分散のいずれかの度合いが制御される。液晶層(微粒子)の散乱度は、各画素電極216の電圧とコモン電極218の電圧に応じて制御される。例えば、液晶層は各画素PIXの電圧とコモン電極218との間の電圧が大きくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよい。また、各画素電極216の電圧とコモン電極218との間の電圧が小さくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよい。
【0116】
液晶層210において、バルク及び微粒子の常光屈折率は互いに等しい。画素電極216とコモン電極218との間に電圧が印加されていない状態では、あらゆる方向においてバルク及び微粒子との間の屈折率差がゼロになる。液晶層210は、光源から射出された光を散乱しない非散乱状態となる。光源から射出された光は、アレイ基板150の第1主面及び対向基板152の第1主面で反射しながら、光源104(発光部)から遠ざかる方向に伝播する。液晶層210が光源から射出された光Lを散乱しない非散乱状態であると、アレイ基板150から対向基板152の背景が視認され、対向基板152からアレイ基板150の背景が視認される。
【0117】
電圧が印加された画素電極216とコモン電極218との間では、微粒子の光軸は、画素電極216とコモン電極218との間に発生する電界によって傾くことになる。バルクの光軸は、電界によって変化しないため、バルクの光軸と微粒子の光軸の向きは互いに異なる。電圧が印加された画素電極216がある画素PIXにおいて、光源から射出された光が散乱される。上述したように散乱された光源から射出された光の一部がアレイ基板150の第1主面又は対向基板152の第1主面から外部に放射された光は、観察者に観察される。
【0118】
電圧が印加されていない画素電極216がある画素PIXでは、アレイ基板150の第1主面から対向基板152の第1主面側の背景が視認され、対向基板152の第1主面20Aからアレイ基板150の第1主面10A側の背景が視認される。そして、本実施形態の表示装置10は、映像信号が入力されると、画像が表示される画素PIXの画素電極216に電圧が印加され、映像信号に基づく画像が背景とともに視認される。このように、高分子分散型液晶が散乱状態にあるとき、表示領域において画像が表示される。
【0119】
以上、好適な実施形態を説明したが、本開示はこのような実施形態に限定されるものではない。実施形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。また、上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。さらに、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0120】
10、310、410、510、610、710:表示装置、10A:第1主面、12:表示領域、14:周辺領域、15A:第1平面、15B:第2平面、15C:第1側面、16:コモン配線、18:コモン配線、20A:第1主面、22:コモン配線領域、24:フレキシブルプリント回路、26:端子部、28:ゲート駆動回路、32:ゲート配線領域、34:フレキシブルプリント回路、36:端子部、38:ソース駆動回路、42:ソース配線領域、46:ESD用保護回路、48:ゲート検査回路、52:ソース検査回路、54:検査ライン、56:QDパッド、58:ESD用保護回路、59:ESD用保護回路、102:表示パネル、104:光源、109:データ信号線、110:発光制御回路、150:アレイ基板、151A:第1透明基板、151B:第2透明基板、152:対向基板、154:シール材、202:導電層、202-1~202-9:導電層、203:ゲート絶縁膜、204:酸化物半導体層、204-1~204-6:酸化物半導体層、205:絶縁膜、206:導電層、206-1~206-11:導電層、207:平坦化膜、208:導電層、208-1~208-3:導電層、209:絶縁膜、210:液晶層、212:透明導電層、212-1、212-2:透明導電層、213-1~213-12:コンタクトホール、214:導電層、215-1~215-7:コンタクトホール、216:画素電極、216-1~216-4:画素電極、217-1、217-2:コンタクトホール、217-3:開口、218:コモン電極、219:遮光層、219A:遮光層、220:コンタクトホール、221:絶縁膜、223:開口、225:開口、250:領域、C:保持容量、CL:コモン配線、CW:容量配線、ESD:コモン配線、GL:ゲート配線、PIX:画素、SL:ソース配線、SP:スペーサ