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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172921
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】連窓構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/62 20060101AFI20241205BHJP
   E05F 11/04 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E06B1/62 Z
E05F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090981
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】油谷 祥太
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】柚木 一弥
【テーマコード(参考)】
2E011
2E050
【Fターム(参考)】
2E011JA03
2E011LA04
2E011LB02
2E011LB03
2E011LC04
2E011LD04
2E011LD07
2E011LE04
2E011LE12
2E011LE24
2E050NA03
2E050QA02
2E050QA04
2E050QB01
2E050QC00
2E050QD00
2E050QE02
(57)【要約】
【課題】ワイヤで連動して開閉される連窓における止水性を向上できる連窓構造を提供すること。
【解決手段】連窓構造10は、ワイヤ43によって二つの突き出し窓を連動して開閉するものである。二つの突き出し窓は、互いに隣り合って配置される中空形状を有する縦枠24をそれぞれ備える。縦枠24は、外周見込み片部241と、外周見込み片部241に対して内周側に配置される内周見込み片部351とを有する。外周見込み片部241および内周見込み片部351には、ワイヤ43が挿通される案内管46が貫通して設けられる。外周見込み片部241および案内管46の間には、外周見込み片部241および案内管46の間の隙間を埋める止水部材61が設けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤによって少なくとも二つの窓を連動して開閉する連窓構造において、
前記少なくとも二つの窓は、互いに隣り合って配置される中空形状を有する縦枠をそれぞれ備え、
前記縦枠は、外周見込み片部と、前記外周見込み片部に対して内周側に配置される内周見込み片部とを有し、
前記外周見込み片部および前記内周見込み片部には、前記ワイヤが挿通される案内管が貫通して設けられ、
前記外周見込み片部および前記案内管の間には、前記外周見込み片部および前記案内管の間の隙間を埋める止水部材が設けられる
ことを特徴とする連窓構造。
【請求項2】
請求項1に記載の連窓構造において、
前記外周見込み片部および前記内周見込み片部には、前記案内管が通される配管孔が形成され、
前記止水部材は、前記案内管の外周面に装着可能に環状に形成され、
前記外周見込み片部の前記配管孔は、前記止水部材よりも小さい径寸法とされ、
前記内周見込み片部の前記配管孔は、前記止水部材よりも大きい径寸法とされ、
前記外周見込み片部の内面には、前記止水部材が密接される
ことを特徴とする連窓構造。
【請求項3】
請求項1に記載の連窓構造において、
互いに隣り合う前記縦枠同士は、方立材を介して連結される
ことを特徴とする連窓構造。
【請求項4】
請求項3に記載の連窓構造において、
前記案内管は、互いに隣り合う前記縦枠および前記方立材を貫通して設けられる
ことを特徴とする連窓構造。
【請求項5】
請求項4に記載の連窓構造において、
前記縦枠は、前記外周見込み片部の室外端部に連続する見付け片部と、前記見付け片部に対して室内側の位置で前記内周見込み片部を前記外周見込み片部に連続する一対の連続片部とを有し、
前記外周見込み片部、前記内周見込み片部および前記一対の連続片部は、上下方向に沿った中空枠部を構成し、
前記見付け片部の内周端部の位置と前記内周見込み片部の位置とは、互いに見込み方向に揃った位置に配置される
ことを特徴とする連窓構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並設される開閉窓を連動させる連窓構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、仕切枠を介して2以上の窓を連設し、各窓に配索したワイヤの引き込み、繰り出しによって当該各窓を連動して開閉する多連窓が知られている(特許文献1参照)。仕切枠は互いに隣り合う窓の共通の枠体として構成される中空形状の枠体であり、この仕切枠の両側の壁面に設けられた取付孔にゴムブッシュがそれぞれ嵌着され、金属製の案内管が当該ゴムブッシュを貫通して嵌着され、両側の突出端に止め輪を嵌めて固定されており、案内管にはワイヤが摺動自由に挿通されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3-27192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の多連窓では、互いに隣り合う窓の枠体として共用される仕切枠の両側の壁面に設けられた取付孔にゴムブッシュが嵌着され、当該ゴムブッシュに案内管が貫通されている。しかし、例えば各窓が中空形状の縦枠をそれぞれ備え、これらの縦枠が互いに隣り合って配置される連窓構造の場合には、共用される仕切枠を用いる前述した構成とは異なるので、特許文献1に記載の多連窓におけるゴムブッシュなどを同様に配設することはできない。
【0005】
本発明の目的は、ワイヤで連動して開閉される連窓における止水性を向上できる連窓構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の連窓構造は、ワイヤによって少なくとも二つの窓を連動して開閉する連窓構造において、前記少なくとも二つの窓は、互いに隣り合って配置される中空形状を有する縦枠をそれぞれ備え、前記縦枠は、外周見込み片部と、前記外周見込み片部に対して内周側に配置される内周見込み片部とを有し、前記外周見込み片部および前記内周見込み片部には、前記ワイヤが挿通される案内管が貫通して設けられ、前記外周見込み片部および前記案内管の間には、前記外周見込み片部および前記案内管の間の隙間を埋める止水部材が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ワイヤで連動して開閉される連窓における止水性を向上できる連窓構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る連窓構造が構成される排煙窓を示す概略説明図。
図2】前記実施形態に係る連窓構造が構成される排煙窓を示す縦断面図。
図3】前記実施形態に係る連窓構造が構成される排煙窓を示す横断面図。
図4】前記実施形態に係る連窓構造の要部を示す横断面図。
図5】前記実施形態に係る連窓構造の要部を示す説明図。
図6】前記実施形態に係る連窓構造の変形例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3において、本実施形態に係る連窓構造10は、建物の開口部に設置される排煙窓1に構成される構造であり、左右に並設された突き出し窓2A,2Bと、突き出し窓2A,2Bの間に配置される方立材3(図4参照)と、突き出し窓2A,2Bを連動して開閉操作する操作装置4とで構成されている。
以下の説明において、排煙窓1の左右方向をX軸方向とし、排煙窓1の上下方向をY軸方向とし、排煙窓1の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
突き出し窓2Aは、窓枠(枠体)21と、窓枠21内に配置された障子25とを備えている。窓枠21は、アルミ製押出形材で形成された上枠22、下枠23および左右の縦枠24を枠組みして構成されている。縦枠24はY軸方向に沿って中空形状を有しており、上枠22および下枠23と左右の縦枠24とは、シール材等で止水されておらず、いわゆるメタルタッチとされており、これらの間を雨水等の水が流出可能な構成とされている。障子25は、アルミ押出形材で形成された上框26、下框27および左右の縦框28を有する枠体と、ガラスパネル等からなる面材29とを框組みして構成されており、図2に示すように上框26が上枠22に対してヒンジを介して連結されている。また、縦枠24と縦框28とは附属部品であるダンパ(図示省略)などで連結されている。
なお、突き出し窓2Bも、突き出し窓2Aと概略同様に構成されるので、突き出し窓2Bの各構成については突き出し窓2Aの各構成と同符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0011】
方立材3は、Z軸方向に沿った方立見込み片部31と、方立見込み片部31の室外端部に連続したX軸方向に沿った係合片部32と、方立見込み片部31の室内端部に連続したX軸方向に沿った固定片部33とを有している。方立見込み片部31には、後述する案内管46が貫通される配管孔311が形成されている。係合片部32には、そのX軸方向における両端部からZ軸方向に突出した一対の突片部321がそれぞれ形成されており、一対の突片部321の間に凹部が構成されている。固定片部33には、その両端側部分に縦枠24がネジ止めによりそれぞれ固定される固定部331が形成されている。
【0012】
操作装置4は、ハンドル41と、ハンドル41に連結されたケーブル42と、ケーブル42を保持するケーブルホルダ421と、ケーブルホルダ421に保持されるケーブル42に連続していると共に、転向滑車441、窓枠21の下枠23に取り付けられた枠滑車442や、障子25の下框27に取り付けられた障子滑車443を通って配索されたワイヤ43と、突き出し窓2A,2Bの互いに隣り合う縦枠24および方立材3を貫通して設けられ且つワイヤ43が挿通される案内管46とを備えており、ハンドル41の操作により、ワイヤ43を引き込み、また繰り出すことで各障子25を連動して開閉操作する。
【0013】
左右の縦枠24は、互いに同形状形成されていると共に左右逆向きに配置されている。縦枠24は、Z軸方向に沿った外周見込み片部241と、外周見込み片部241の室外端部に連続するX軸方向に沿った見付け片部242と、外周見込み片部241の外周側の位置に構成されるY軸方向に沿って中空形状の外中空枠部243と、外中空枠部243の位置に対して室内側の位置であって外周見込み片部241の内周側の位置に構成されるY軸方向に沿って中空形状の内中空枠部350(中空枠部)とを有している。外周見込み片部241は、内中空枠部350よりもZ軸方向に延出しており、その室内端部には方立材3の固定片部33にネジ止めされるX軸方向に沿った被固定片部244が形成されている。ここで、突き出し窓2A,2Bのうち互いに隣り合う縦枠24の被固定片部244が方立材3の固定片部33にそれぞれネジ止めされることで、互いに隣り合う縦枠24の室内側部分のX軸方向への離間移動が方立材3に拘束される
外中空枠部243は、外周見込み片部241に対して外周側に位置する見込み片部245と、見込み片部245の室内端部を外周見込み片部241に連続するX軸方向に沿った連続片部246とを有しており、見込み片部245の室外端部は見付け片部242に連続している。連続片部246には、係合片部32における一対の突片部321に係合される被係合部が形成されており、この被係合部は一対の突片部247によって形成されており、一対の突片部247の間に凹部が構成されている。この被係合部は、一対の突片部247の間の凹部に一対の突片部321の一方が配置され且つ一対の突片部247の一方が一対の突片部321の間の凹部に配置されることで、係合片部32に係合される。このように係合されることで、突き出し窓2A,2Bのうち互いに隣り合う縦枠24の室外側部分のX軸方向への離間移動が方立材3に拘束される。また、互いに隣り合う縦枠24の見込み片部245の間にはシール材およびバックアップ材5が設けられて止水されている。この止水位置は、案内管46よりも室外側の位置に配置されている。
内中空枠部350は、外周見込み片部241よりも内周側の位置に配置されたZ軸方向に沿った内周見込み片部351と、見付け片部242に対して室内側の位置で内周見込み片部351を外周見込み片部241に連続するX軸方向に沿った一対の連続片部352,353とを有している。内周見込み片部351の位置は、見付け片部242の内周端部の位置に対してZ軸方向に揃えられている。
外周見込み片部241および内周見込み片部351には、案内管46が貫通される配管孔241A,351Aが形成されている。配管孔351Aの径寸法は、配管孔241Aの径寸法よりも大きい径寸法とされている。
なお、内周見込み片部351と連続片部353との連続部分には、X軸方向において内周側に延出した延出片部354が形成されており、延出片部354には、互いに隣り合う縦枠24および方立材3を室内側から覆うカバー材36,37が装着されている。
前述した互いに隣り合う縦枠24同士は、方立材3を介して互いに連結されている。
【0014】
ここで、前述した案内管46は、互いに隣り合う縦枠24の配管孔241A、351Aおよび方立材の配管孔311をX軸方向に貫通して設けられており、外周見込み片部241および案内管46の間には、これらの隙間を埋める止水部材61が設けられている。
止水部材61は、図4および図5に示すように、環状本体62と、環状本体62に嵌着された環状の水密パッキン64とを有している。水密パッキン64の径寸法は、配管孔241Aの径寸法よりも大きく、配管孔351Aの径寸法よりも小さい。環状本体62は、水密パッキン64が案内管46に嵌着された後、案内管46に取り付けられる。水密パッキン64は、環状本体62が案内管46に取り付けられた状態で当該環状本体62と外周見込み片部241との間に密に挟まれて配置されることで当該外周見込み片部241の内面241Bに密接し、これにより、外周見込み片部241と案内管46との間の隙間を埋めて水密性を保っている。
この止水部材61は、配管孔351Aから内中空枠部350の内部に挿入され、更に外周見込み片部241の内面241Bに押し付けられることで装着される。
【0015】
前述した連窓構造10における案内管46の周辺構成は次のようにして組み立てられる。
まず、案内管46に止水部材61を一つ取り付け、この案内管46を、互いに隣り合う縦枠24の一方の配管孔351Aから挿入し、配管孔351Aに続いて配管孔241A、方立材3の配管孔311、他方の縦枠24の配管孔241Aおよび配管孔351Aに貫通させる。
次に、他の一つの止水部材61を、案内管46を通させながら他方の縦枠24の配管孔351Aから挿入し、他方の縦枠24の外周見込み片部241の内面241Bに対して水密パッキン64を密接させながら当該案内管46に取り付ける。これにより、一方の縦枠24に取り付けられていた止水部材61の水密パッキン64も、当該一方の縦枠24の外周見込み片部241の内面241Bに密接することとなって、互いに隣り合う縦枠24の外周見込み片部241のそれぞれと案内管46との間が止水される。
【0016】
以上の連窓構造10では、次のように室内外間を止水する。
まず、室内側の雨水等の水が互いに隣り合う縦枠24の間から浸入しようとしても、見込み片部245同士の間にシール材およびバックアップ材5によって止水処理されているので、縦枠24同士の間から浸入しようとする水は止水される。
また、縦枠24の内周側には、配管孔351Aと案内管46との隙間が形成されているのでこの隙間から水が浸入し得るが、浸入した水は、内中空枠部350の内部をつたって下方に流れ落ち、また、外周見込み片部241から方立見込み片部31へ浸入しようとする水は止水部材61によって止水される。なお、内中空枠部350の内部を下方に流れ落ちた水は、縦枠24と下枠23とのメタルタッチの部分から室外側へ流出する。
【0017】
[変形例]
前記実施形態では、縦枠24が外中空枠部243を有し且つ方立材3が外中空枠部243に係合して構成されているが、これに限らず、例えば図6に示すように、縦枠24が外中空枠部243を有さず、方立材3が、室外側の方立部材31Bと、室内側の方立部材32Bとが連結されて構成されてもよい。この場合、方立部材31Bは、X軸方向に沿った方立見付け片部311Bと、Z軸方向に沿った方立見込み片部312Bと、方立部材32Bがネジ止めされるX軸方向に沿った固定片部313Bとを有して構成され、方立部材32Bは縦枠24がネジ止めされる構成とされてもよい。方立見付け片部311Bには、縦枠の見付け片部242のそれぞれに当接する水密材314Bが装着されており、当該水密材314Bによって互いに隣り合う縦枠24の室外側部分(案内管46よりも室外側の位置)を止水している。
【0018】
前記実施形態では、止水部材61は、環状本体62と、水密パッキン64とを備えるものとして説明したが、これに限らず、外周見込み片部241と案内管46との間の隙間を埋めることができる構成であれば、他の形態の止水部材を用いてもよい。
前記実施形態では、方立材3を介して連結されているが、これに限らず、互いに隣り合う縦枠24同士が直接に連結されていてもよい。
前記実施形態では、方立材3には案内管46が貫通されているが、これに限らず、例えばZ軸方向に部材が分割されたセパレートタイプの方立材であって案内管46を避けて配置可能なものである場合には、このような方立材には案内管46が貫通されていなくてもよい。
前記実施形態では、縦枠24の見付け片部242の内周端部の位置と内周見込み片部351の位置とは、互いにZ軸方向に揃った位置に配置されているが、これに限らず、見付け片部242の位置よりも内周見込み片部351の位置が外周側または内周側の位置に外れていてもよい。
前記実施形態では、排煙窓1は、X軸方向に突き出し窓2A,2Bが並設されてなるが、これに限らず、例えば、三つ以上の窓がX軸方向に並設される連窓で構成されてもよい。
前記実施形態では、前述した連窓構造10が構成される窓を排煙窓1として説明したが、これに限らず、換気など他の用途の窓であってもよい。また、連窓構造10が構成される窓は、その上段や下段にも窓を備える連段窓であってもよく、この場合、例えば、連窓構造10を構成する窓が突き出し窓や倒し窓などの開き系の窓であって、上段や下段に設置される窓が引き違い窓や片引き窓などのスライド系の窓であっても、前述した見付け片部242や内中空枠部350を有するので、それぞれの窓の縦枠の見付け寸法を揃えることが容易である。
前記実施形態では、連窓構造10を構成する各窓を突き出し窓2A,2Bとして説明したが、このほか、障子が室外側や室内側に倒される倒し窓などの面外方向への開き系の窓であってもよく、また、障子が面内方向に開閉される引き違い窓などのスライド系の窓であってもよい。
【0019】
[発明のまとめ]
(1)本発明の連窓構造は、ワイヤによって少なくとも二つの窓を連動して開閉する連窓構造において、前記少なくとも二つの窓は、互いに隣り合って配置される中空形状を有する縦枠をそれぞれ備え、前記縦枠は、外周見込み片部と、前記外周見込み片部に対して内周側に配置される内周見込み片部とを有し、前記外周見込み片部および前記内周見込み片部には、前記ワイヤが挿通される案内管が貫通して設けられ、前記外周見込み片部および前記案内管の間には、前記外周見込み片部および前記案内管の間の隙間を埋める止水部材が設けられることを特徴とする。
本発明の連窓構造によれば、縦枠の内周側から浸入しようとする雨水等の水は、内周見込み片部と案内管との間から縦枠の内部に入り込んでも当該縦枠の内部を下方に流れ落ち、また、外周見込み片部と案内管との間に設けられた止水部材によって止水される。これにより、互いに隣り合う縦枠の間を通じた室内外間の止水性を向上することができる。
ここで例えば、前述したように外周見込み片部と案内管との間ではなく、内周見込み片部と案内管との間に止水部材を設ける場合には、縦枠の上下端部も止水する必要が生じてしまい、施工性の向上や止水コストの削減を図り難い。これに対して、本発明では、外周見込み片部と案内管との間に止水部材を設けるので、縦枠の上下端部などを止水する必要をなくすことができて、施工性の向上および止水コストの削減を図ることができる。
(2)本発明の連窓構造では、前記外周見込み片部および前記内周見込み片部には、前記案内管が通される配管孔が形成され、前記止水部材は、前記案内管の外周面に装着可能に環状に形成され、前記外周見込み片部の前記配管孔は、前記止水部材よりも小さい径寸法とされ、前記内周見込み片部の前記配管孔は、前記止水部材よりも大きい径寸法とされ、前記外周見込み片部の内面には、前記止水部材が密接されてもよい。
このような構成によれば、止水部材を内周見込み片部の配管孔から縦枠の内部に挿入して外周見込み片部の内面に密接させることができて、施工性の向上を図り得る。
(3)本発明の連窓構造では、互いに隣り合う前記縦枠同士は、方立材を介して連結されてもよい。
このような構成によれば、互いに隣り合う縦枠同士の位置関係にズレが生じ難く、このため、止水部材などによる止水状態を好適に維持できる。
(4)本発明の連窓構造では、前記案内管は、互いに隣り合う前記縦枠および前記方立材を貫通して設けられてもよい。
このような構成によれば、例えば、案内管を配管するために見込み方向に分割されたセパレートタイプの方立材を用いる必要がなく、案内管の配管が容易であると共に、方立材の剛性および当該方立材を介する縦枠同士の連結強度を高めることができる。
(5)本発明の連窓構造では、前記縦枠は、前記外周見込み片部の室外端部に連続する見付け片部と、前記見付け片部に対して室内側の位置で前記内周見込み片部を前記外周見込み片部に連続する一対の連続片部とを有し、前記外周見込み片部、前記内周見込み片部および前記一対の連続片部は、上下方向に沿った中空枠部を構成し、前記見付け片部の内周端部の位置と前記内周見込み片部の位置とは、互いに見込み方向に揃った位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、例えば、縦枠の見付け片部の見付け寸法を他の窓の縦枠の見付け寸法と揃えて意匠性の向上を図れるように大きな寸法に形成した場合においても、見付け片部の内周端部の位置と内周見込み片部の位置とが見込み方向に揃った位置に配置されるので、窓の障子と縦枠との間にダンパなどの附属部品を取り付ける際に見付け片部が邪魔とならないので、取付作業性を向上できる。また、中空枠部は見付け片部によって室外側から覆われる配置となるので意匠性を向上し得る。加えて、各縦枠の形材容易に兼用し得る。
【符号の説明】
【0020】
1…排煙窓、10…連窓構造、21…窓枠(枠体)、22…上枠、23…下枠、24…縦枠、241…外周見込み片部、241A,311,351A…配管孔、241B…内面、242…見付け片部、243…外中空枠部、244…被固定片部、245…見込み片部、246,352,353…連続片部、247,321…突片部、25…障子、26…上框、27…下框、28…縦框、29…面材、2A,2B…突き出し窓、3…方立材、31…方立見込み片部、311B…方立見付け片部、312B…方立見込み片部、313B,33…固定片部、314B…水密材、31B,32B…方立部材、32…係合片部、331…固定部、350…内中空枠部、351…内周見込み片部、354…延出片部、36,37…カバー材、4…操作装置、41…ハンドル、42…ケーブル、421…ケーブルホルダ、43…ワイヤ、441…転向滑車、442…枠滑車、443…障子滑車、46…案内管、461…外周面、5…シール材およびバックアップ材、61…止水部材、62…環状本体、64…水密パッキン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6