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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172928
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241205BHJP
   B65H 15/00 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 15/23 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20241205BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241205BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03G15/00 430
G03G15/00 460
B65H15/00 Z
G03G15/23
G03G21/00 370
G03G21/14
B41J29/38 201
B41J29/38 206
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090995
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 樹也
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H028
2H072
2H270
3F102
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061HJ02
2C061HJ06
2C061HK05
2C061HK07
2C061HK08
2C061HN15
2C187AC06
2C187AC08
2C187AD14
2C187BF39
2C187CD09
2H028BA06
2H028BA07
2H028BB02
2H028BB08
2H072AA32
2H072AB14
2H072FA01
2H072GA02
2H270KA57
2H270LC02
2H270MC60
2H270MC62
2H270MC67
2H270MD17
2H270MD29
2H270PA14
2H270PA26
2H270ZC03
2H270ZC04
3F102AA02
3F102AB01
3F102BA11
3F102EA03
(57)【要約】
【課題】専用の反転排出機構を備えていなくともインデックス紙をスイッチバックさせてインデックス部と後処理を施す位置とを整合させ得るようにする。
【解決手段】印刷用紙の一方の面に第1の画像を形成して通過させ、通過した印刷用紙が再度通過する際に他方の面に第2の画像を形成し得る画像形成機構と、第1の画像が形成された印刷用紙をスイッチバックさせて画像形成機構へ再び導く両面搬送機構と、排出される印刷用紙の先端側または後端側に後処理を施す後処理ユニットが装着可能な後処理ユニット装着部と、印刷ジョブを制御する制御部とを備え、制御部は、少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙である印刷ジョブを実行する場合、後処理ユニットが印刷用紙の先端側、後端側の何れに後処理を施すものかの種別に応じて形成する画像の順序および両面搬送機構を用いて印刷用紙をスイッチバックさせるか否かを決定する画像形成装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用紙を給紙する給紙機構と、
前記印刷用紙の一方の面に第1の画像を形成してその印刷用紙を通過させ、通過した印刷用紙がスイッチバックされて再度通過する際に他方の面に第2の画像を形成し得る画像形成機構と、
前記第1の画像が形成された印刷用紙をスイッチバックさせて前記画像形成機構へ再び導く両面搬送機構と、
排出される印刷用紙の先端側または後端側に後処理を施す後処理ユニットが装着可能な後処理ユニット装着部と、
印刷ジョブを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙であって後処理機能が設定された印刷ジョブを実行する場合、装着された前記後処理ユニットが前記印刷用紙の先端側、後端側の何れに後処理を施すものかの種別に応じて後処理の可否、形成する画像の順序および前記両面搬送機構を用いて印刷用紙をスイッチバックさせるか否かを決定する画像形成装置。
【請求項2】
前記インデックス紙は、インデックス部が後端の状態で給紙されるように前記給紙機構にセットされ、前記後処理ユニットが印刷用紙の後端側に後処理を施すものである場合、前記制御部は、給紙された印刷用紙に逆のページ順で画像を形成し、前記両面搬送機構でスイッチバックさせてから排出させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
任意で、前記画像形成機構を通過した印刷用紙をスイッチバックさせて排出させる反転排出機構を備え、
前記制御部は、前記反転排出機構の有無および前記後処理ユニットの種別に応じて形成する画像の順序、ならびに前記インデックス紙を前記両面搬送機構でスイッチバックさせるか否かを決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブが、インデックス紙以外の印刷用紙を含む場合、前記制御部は、インデックス紙以外の印刷用紙を含めて給紙された印刷用紙に逆のページ順で画像を形成し、前記両面搬送機構でスイッチバックさせてから排出させる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記インデックス部が後端側にある状態で前記インデックス紙が前記画像形成機構を通過する際は画像の形成を許容するが、前記インデックス部が先端側にある状態で前記画像形成機構を通過する際は画像の形成を許容しない請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記インデックス紙以外の印刷用紙が両面搬送機構で搬送できない種類のものである場合、前記制御部は後処理不可の印刷ジョブであると判定し、後処理を実行しないようにする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記後処理がパンチである請求項1~6のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷ジョブを制御する制御部が、
給紙機構を用いて印刷用紙を給紙するステップと、
画像形成機構を用いて、前記印刷用紙の一方の面に第1の画像を形成して通過させるステップと、
両面搬送機構を用いて、前記第1の画像が形成された印刷用紙をスイッチバックさせて前記画像形成機構へ再び導くか否かを決定するステップと、
画像形成機構へ再び導く場合、その画像形成機構を用いて、前記印刷用紙の他方の面に第2の画像を形成するかまたは形成せずに通過させて排出するステップと、
後処理ユニットを用いて印刷用紙の先端側または後端側に後処理を施すステップと、を備え、
少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙であって後処理が設定された印刷ジョブを実行する場合、前記後処理ユニットが前記印刷用紙の先端側、後端側の何れに後処理を施すものかの種別に応じて、形成する画像の順序および前記両面搬送機構で印刷用紙をスイッチバックさせるか否かを決定する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙であって後処理が設定された印刷ジョブを実行する画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
略矩形状であって一辺の一部が外側へ突出したインデックス部を有するインデックス紙が知られている。そのインデックス紙に印刷する場合、突出したインデックス部のために印刷用紙の先端位置が正確に検出できない可能性がある。そのため、インデックス部が搬送方向の後端側になるように給紙トレイにセットして印刷することが一般に行われている。一方、印刷ジョブの仕上げに係る後処理として、例えばパンチ孔をあける処理を提供するために後処理ユニットが装着可能な画像形成装置が知られている。標準装備でなくオプションとして後処理ユニットが装着可能なものも多い。後処理ユニットの中には、印刷用紙の先端側に後処理を施す(例えば、パンチ孔をあける)ものと後端側に後処理を施すものが存在する。そのような後処理の場合、印刷された画像の向きと後処理を施す位置とを整合させることが必要である。
【0003】
印刷用紙にインデックス紙を含む印刷ジョブと形成する画像との関係に関して、不要なタブ紙(インデックス紙)を再利用して用紙束を出力する場合でも、用紙束の上の方から順にタブのついた状態で出力できるようにする画像形成装置が知られている。画像形成装置は、タブ紙がセットされるタブ紙トレイと、タブを有さない出力紙がセットされる出力紙トレイとを有する。また、タブ紙トレイにセットされたタブ紙のセット状態に関するタブ紙情報を記憶する記憶部と、制御部を有する。制御部は、記憶部に記憶されているタブ紙情報と、ユーザによって指定された用紙束の綴じ位置およびタブ紙の枚数とに基づいて、画像形成順序、回転処理のオンオフ、タブ紙の反転出力のオンオフ設定を行い、タブ紙と出力使途を混在させた用紙束の出力を制御する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-061708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、後処理ユニットの中には印刷用紙の先端側に後処理を施す(例えば、パンチ孔をあける)ものと後端側に後処理を施すものの2種類が存在する。後端側に後処理を施す後処理ユニットを装着している場合、インデックス紙のインデックス部が搬送方向の先端側にあれば後端側にパンチ孔をあけることは合理的である。しかし、インデックス部が搬送方向の後端側にあるのに後端側にパンチ孔をあることは不合理である。その場合、印刷ジョブとして後処理機能を提供することができない。画像形成装置の中には印刷された用紙の表裏をスイッチバックにより反転させて後処理装置に搬送する反転排出機構を備えたものがある。しかし、反転排出機構を備えていないものも存在する。反転排出機構を備えた画像形成装置の場合は、印刷用紙の反転の有無を切り替えることで後処理装置によるパンチ等の後処理が可能となる。しかし、反転排出機構を備えていない画像形成装置は、何らかの方法でインデックス紙をスイッチバックさせる必要がある。
本開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、専用の反転排出機構を備えていなくともインデックス紙をスイッチバックさせてインデックス部と後処理を施す位置とを整合させ得るようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、印刷用紙を給紙する給紙機構と、前記印刷用紙の一方の面に第1の画像を形成してその印刷用紙を通過させ、通過した印刷用紙がスイッチバックされて再度通過する際に他方の面に第2の画像を形成し得る画像形成機構と、前記第1の画像が形成された印刷用紙をスイッチバックさせて前記画像形成機構へ再び導く両面搬送機構と、排出される印刷用紙の先端側または後端側に後処理を施す後処理ユニットが装着可能な後処理ユニット装着部と、印刷ジョブを制御する制御部とを備え、前記制御部は、少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙であって後処理機能が設定された印刷ジョブを実行する場合、装着された前記後処理ユニットが前記印刷用紙の先端側、後端側の何れに後処理を施すものかの種別に応じて後処理の可否、形成する画像の順序および前記両面搬送機構を用いて印刷用紙をスイッチバックさせるか否かを決定する画像形成装置を提供する。
【0007】
また、異なる観点から本開示は、印刷ジョブを制御する制御部が、給紙機構を用いて印刷用紙を給紙するステップと、画像形成機構を用いて、前記印刷用紙の一方の面に第1の画像を形成して通過させるステップと、両面搬送機構を用いて、前記第1の画像が形成された印刷用紙をスイッチバックさせて前記画像形成機構へ再び導くか否かを決定するステップと、画像形成機構へ再び導く場合、その画像形成機構を用いて、前記印刷用紙の他方の面に第2の画像を形成するかまたは形成せずに通過させて排出するステップと、後処理ユニットを用いて印刷用紙の先端側または後端側に後処理を施すステップと、を備え、少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙であって後処理が設定された印刷ジョブを実行する場合、前記後処理ユニットが前記印刷用紙の先端側、後端側の何れに後処理を施すものかの種別に応じて、形成する画像の順序および前記両面搬送機構で印刷用紙をスイッチバックさせるか否かを決定する画像形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示による画像形成装置において、制御部は、装着された前記後処理ユニットが前記印刷用紙の先端側、後端側の何れに後処理を施すものかの種別に応じて後処理の可否、形成する画像の順序および前記両面搬送機構を用いて印刷用紙をスイッチバックさせるか否かを決定するので、専用の反転排出機構を備えていなくともインデックス紙をスイッチバックさせてインデックス部と後処理を施す位置とを整合させ得る。
本開示による画像形成方法も同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態における画像形成装置の一態様として、複合機の構成例を示すブロック図である。
図2図1に示す画像形成装置のスキャナ部およびエンジン部の構成例を示す概略断面図である。
図3図1および図2に示す画像形成装置が、印刷用紙がインデックス紙であってパンチが設定された印刷ジョブを実行する態様を示す説明図である。(後端側基準パンチ)
図4】画像形成装置が反転排出機構を備えている場合に図3と同様の印刷ジョブを実行する態様を示す説明図である。
図5】パンチユニットが先端側基準である場合に図3と同様の印刷ジョブを実行する態様を示す説明図である。
図6図3と異なる用紙搬送路の構成を有する画像形成装置であって、反転排出機構を備えている画像形成装置が図3と同様の印刷ジョブを実行する態様を示す説明図である。(後端側基準パンチ)
図7】パンチユニットが先端側基準である場合に図6と同様の印刷ジョブを実行する態様を示す説明図である。
図8図1に示す制御部が、スイッチバックに係る機構および後処理位置の基準に応じて搬送経路および画像形成の順序を決定する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本開示を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪画像形成装置の構成≫
まず、この実施形態における画像形成装置について述べる。
図1は、この実施形態における画像形成装置の一態様として、複合機の構成例を示すブロック図である。図1のブロック図に示すように、画像形成装置100は、制御部10、記憶部21、操作部22、スキャナ部24および画像を形成するエンジン部30を備える。制御部10は、操作制御部11、設定管理部12、ジョブ管理部13、ジョブ実行部14、画像処理部15およびデータ制御部16、を含む。制御部10は、画像形成装置100の制御を行う。さらに、後処理ユニット70を含めた画像形成システムの制御を行う。
【0011】
操作部22は、例えば液晶ディスプレイなどの表示デバイスを備え、操作制御部11の制御に従って画面を表示する。また、操作部22は、タッチパネル等の操作入力デバイスを含む。操作入力デバイスは、操作部22に対するユーザの操作を検出して操作制御部11に操作データを送信する。操作制御部11は、操作入力デバイスが検出する操作データを受信してユーザの操作を認識する。データ制御部16は、記憶部21へのデータの保存や読み出しを制御する。
【0012】
設定管理部12は、ユーザの操作等により行われるジョブの設定を管理する。ジョブ管理部13は、コピージョブ、スキャナジョブあるいはプリントジョブ等の各種ジョブの登録や削除、停止の処理を行う。ジョブ管理部に登録されたジョブが実行可能な状態になると、ジョブ管理部13はジョブ実行部14にジョブの実行開始を要求する。ジョブ実行部14は、ジョブ管理部13によって登録されたジョブの実行開始の可否を判定したり、設定に応じたジョブをスキャナ部24、エンジン部30および画像処理部15に実行させたりする。また、ジョブ実行部14は、スキャナ部24およびエンジン部30に配置された図示しないセンサーが検出した状態を認識する。そして、スキャナ部24およびエンジン部30に配置された図示しないモータ、アクチュエータ、デバイス等の動作を制御する。画像処理部15は、画像に係る処理を制御する。そして、原稿の画像の読み取り、印刷およびプレビュー等、ジョブに係る処理を実行する。
【0013】
制御部10は、具体的な構成態様として、プロセッサを中心に構成される。プロセッサに加えて、ワークメモリー、入出力インターフェース回路、タイマ回路、画像処理回路、通信回路等のハードウェア資源で構成される。前記プロセッサが記憶部21に予め格納された制御プログラムを実行することによって操作の認識、表示の制御、原稿画像の読取りや画像の印刷等に係る各種のジョブ、即ち、画像形成に係る一連の処理を実行する。ソフトウェア資源とハードウェア資源とが協働して制御部10としての機能が実現される。
【0014】
記憶部21は、DRAM等の揮発性メモリーおよびHDDやフラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備える。記憶部21は、プロセッサが実行する制御プログラムやスキャナ部24が読取、画像処理部15が処理する画像データを格納する。さらに、データ制御部16、ジョブ管理部13、ジョブ実行部14、画像処理部15の制御に係るデータを格納する。記憶部21が、制御部10のメモリーと一体に構成されてもよい。
【0015】
制御部10とエンジン部30、制御部10とスキャナ部24は、それぞれデータ転送可能に接続されている。図2は、図1に示す画像形成装置100のスキャナ部24およびエンジン部30の構成例を示す概略断面図である。スキャナ部24は、画像読取部25と原稿送り装置28を備える。原稿送り装置28は、画像読取部25の上側に配置されており、画像読取部25の天面に配置された原稿台26に対して開閉自在に支持されている。原稿送り装置28は、1枚または複数枚の原稿を1枚ずつ順に搬送する。スキャナ部24は、原稿送り装置28により1枚ずつ搬送される原稿をイメージセンサ29で読み取る。また、スキャナ部24は、走査光学系27を備えている。走査光学系27は、原稿台26を走査して原稿をイメージセンサ29で読み取る。そして、読み取った原稿の画像データを生成する。
【0016】
エンジン部30は、給紙機構60、画像形成機構40、両面搬送機構31および後処理ユニット装着部32を備える。給紙機構60は、印刷用紙を収容し、印刷ジョブに用いる印刷用紙を給送する。画像形成機構40は、例えば電子写真方式による印刷の場合、トナーによる可視画像を形成し印刷用紙に転写して定着させることにより印刷を行う。また、例えばインクジェット方式による印刷の場合、インクによる可視画像を印刷用紙上に形成することにより印刷を行う。両面搬送機構31は、画像が印刷された印刷用紙をスイッチバックさせ、反転搬送路34を介してその印刷用紙を再び前記画像形成機構へ導く。
【0017】
画像形成機構40は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、または、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像を形成する。画像形成機構40は、4種類のトナー像を形成するための現像装置41、感光体ドラム42、ドラムクリーニング装置43および帯電器44が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタおよびイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。さらに、画像形成機構40は、感光体ドラム42の表面を露光して静電潜像を形成する光走査装置45を備える。
【0018】
現像装置41は、感光体ドラム42の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム42の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置43は、感光体ドラム42の表面の残留トナーを除去および回収する。帯電器44は、感光体ドラム42の表面を所定の電位に均一に帯電させる。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム42の表面に各色のトナー像が形成される。
【0019】
また、画像形成機構40は、中間転写ローラ46、無端状の中間転写ベルト47、中間ベルト駆動ローラ48、中間ベルト従動ローラ49およびベルトクリーニング装置50を備えている。中間転写ローラ46は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト47の内側に設けられている。中間転写ローラ46は、感光体ドラム42の表面に形成された各色のトナー像を、周回移動する中間転写ベルト47に転写する。中間転写ベルト47は、中間ベルト駆動ローラ48および中間ベルト従動ローラ49に張架されている。画像形成装置100では、各感光体ドラム42の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、中間転写ベルト47の表面にカラーのトナー像を形成する。ベルトクリーニング装置50は、印刷用紙に転写されずに中間転写ベルト47の表面に残った廃トナーを除去および回収する。
【0020】
さらにまた、画像形成機構40は、2次転写装置51および定着装置53を備える。2次転写装置は51、2次転写ローラ52を有し、2次転写ローラ52と中間転写ベルト47との間の転写ニップ部に、給紙機構60から搬送されてきた印刷用紙を挟み込んで搬送する。印刷用紙は、転写ニップ部を通過する際に、中間転写ベルト47の表面のトナー像が転写されて2次転写装置51の上方に配置された定着装置53に搬送される。定着装置53は、回転定着部材として軸線まわりに回転する定着ローラ54および加圧ローラ55を備えている。定着装置53は、定着ローラ54および加圧ローラ55の間に、転写ニップ部から搬送される印刷用紙を挟み込んで加熱および加圧し、トナー像を印刷用紙に定着させる。
【0021】
給紙機構60は、給紙トレイ61、手差しトレイ62、給紙ローラ63、手差し給紙ローラ64、レジストローラ65を備える。給紙機構60は、印刷用紙を収容する給紙トレイ61から給紙ローラ63によって印刷用紙を1枚ずつ給送してレジストローラ65へ搬送し、中間転写ベルト47上の画像と印刷用紙の位置を同期させるようにして転写ニップ部へ搬送する。同様に、手差しトレイ62に載置された印刷用紙を1枚ずつ給送してレジストローラ65へ搬送し、さらに転写ニップ部へ搬送する。印刷を行う場合は転写ニップ部で印刷用紙に画像を転写する。本開示において、設定管理部12は、給紙トレイ61に収容される印刷用紙の種類および手差しトレイ62にセットされる印刷用紙の種類(用紙タイプ)の設定をそれぞれ受け付けるものとする。設定可能な用紙タイプの一つとして、インデックス紙があるものとする。印刷用紙にインデックス紙を含む印刷ジョブを実行する場合、ユーザは、所定のトレイ(例えば、手差しトレイ)にインデックス紙をセットし、操作部22を用いて手差しトレイの用紙タイプをインデックス紙に設定する。
【0022】
両面搬送機構31は、排出ローラ33および反転搬送路34を備える。ジョブ実行部14としての制御部10は、転写ニップ部および定着装置53を通過した印刷用紙の後端が排出ローラ33の直前にまでくると印刷用紙をスイッチバック、即ち反対方向に搬送し反転搬送路34へ導く。反転搬送路34を通過した印刷用紙は、表裏が反転された状態でレジストローラ65へ再び導かれる。ジョブ実行部14としての制御部10は、レジストローラ65へ導かれた印刷用紙を再び転写ニップ部および定着装置53へ搬送する。両面印刷を行う場合は転写ニップ部を通過する際に画像を転写する。そして、定着装置53および排出ローラ33を通過させて印刷用紙をエンジン部30の左端まで搬送する。エンジン部30の左端には、後処理ユニット装着部32が設けられている。後処理ユニット装着部32は、エンジン部30の左側に装着可能な後処理ユニット70を位置決めし、またエンジン部30から装着された後処理ユニット70へ印刷用紙を排出する部分である。例えば、後処理ユニット70には位置決め用のピンが設けられ、後処理ユニット装着部32にそのピンが挿入される孔が設けられていてもよい。また、印刷用紙を排出するための開口部が設けられていてもよい。
【0023】
エンジン部30の左端に装着される後処理ユニット70は、後処理として印刷用紙にパンチを施すパンチユニット71、ステープルを打つステープルユニット72および紙折りを施す紙折りユニット73を備えていてもよい(図1を参照)。パンチユニット71は、後処理ユニット70へ搬送される印刷用紙の先端側、後端側の何れかにパンチを施す。ステープルユニット72も、印刷用紙の先端側、後端側の何れかにステープルを打つ。紙折りユニット73は、印刷用紙の先端側、後端側の何れかを基準にして紙折り(例えば、Z折り)を行う。後処理ユニットにおける後処理位置の基準は先端側、後端側の何れかに統一されているものとする。即ち、パンチユニット71が先端側基準のものであれば、ステープルユニット72および紙折りユニットも先端側基準のものとする。パンチユニット71が後端側基準のものであれば、ステープルユニット72および紙折りユニットも後端側基準のものであるとする。さらに、後処理ユニット70は、後処理済みの印刷用紙が排出される排出トレイ74、および制御部10と通信して後処理の動作を制御する後処理制御部75を備えている。
【0024】
≪インデックス紙を含む印刷ジョブと後処理≫
図1および図2に示す画像形成装置100が、少なくとも一部の印刷用紙がインデックス紙であって後処理が設定された印刷ジョブを実行する際の処理について述べる。図3は、印刷用紙がインデックス紙であり、後処理としてパンチが設定された印刷ジョブを画像形成装置100が実行する態様を示す説明図である。パンチは、仕上がり状態が表裏何れも同一である点で、本開示の実施形態として好ましい後処理である。
【0025】
図3に示す印刷ジョブは、複数ページの印刷用紙がすべてインデックス紙である。インデックス部が後端側にある状態で画像形成装置100の給紙機構60からインデックス紙が給紙される。各インデックス紙の第1の面に画像を形成し、他方の第2の面には画像を形成せず、パンチの後処理を行う。パンチユニットは、印刷用紙の後端にパンチ孔をあける。画像形成装置100は、後端側基準のパンチユニット71および両面搬送機構31を備えているが反転排出機構は備えていない。制御部10の設定管理部は、それらの構成に係る情報を参照できるように予め記憶部21に格納している。そして、実行すべき印刷ジョブの設定内容と画像形成装置100の構成に応じて、ページ順に並んだ仕上がりの状態になるように印刷用紙の搬送経路と形成する画像の順序を決定する。
【0026】
図3に示す例で、符号P1で示されるイラストに手差しトレイ62を上方から見た状態で手差しトレイ62にセットされるインデックス紙の向きを示している。また、符号P2で示されるイラストに中間転写ベルト47と2次転写ローラ52(図3に不図示)との間の転写ニップ部を通過するインデックス紙に転写される画像の順序を示しており、数字はページの番号を示しており最終ページから先頭ページへ降順に画像を形成する。P2のイラストは、中間転写ベルト47の側からインデックス紙をみた状態を示す。
【0027】
図3に示す例で、制御部10は、転写ニップ部を通過したインデックス紙の後端が排出ローラ33(図3に不図示)の直前の位置まできた時点でスイッチバックして両面搬送機構31へ導き、再び転写ニップ部を通過させたうえで後処理ユニット70へ搬送する。符号P3で示されるイラストにスイッチバックされる際のインデックス紙を上方からみた状態を示している。P3に示すようにトナー像が転写されるのは下向きの面である。スイッチバックによって表裏が反転する。よって、両面搬送機構31を通過して再び排出ローラ33を通過する際には、インデックス部が先端側にあって転写されたトナー像はインデックス紙の上側の面にある。パンチユニット71は、後端側にパンチ孔をあける。符号P4で示されるイラストにパンチ孔がけられて排出トレイ74に排出されたインデックス紙を上方からみた状態を示している。最終ページが最下、先頭ページが最上にあって上向きの面に転写された画像が位置している。パンチ孔は、インデックス部と反対側にあけられてページ順に並んだ仕上がり状態である。図3に示す態様によれば、後処理ユニットが後端側に後処理を施すものであって反転排出機構を備えない場合、ページの逆順に画像を形成して両面搬送機構で印刷用紙をスイッチバックさせることによって、後処理がなされページ順に並んだ状態の仕上がりが得られるように印刷ジョブを実行できる。
【0028】
図4は、後処理ユニット70の構成が図3に示す例と異なる。図4に示す後処理ユニット70は、パンチユニット71に至る搬送路の上流に反転排出機構66を備えている。制御部10は、転写ニップ部を通過したインデックス紙を、反転排出機構66でスイッチバックさせたうえでパンチユニット71へ導くことができる。図3に示す例と同様の印刷ジョブを実行する場合、制御部10は実行すべき印刷ジョブの設定内容と画像形成装置100の構成に応じて、ページ順に並んだ仕上がりの状態になるように印刷用紙の搬送経路と形成する画像の順序を決定する。
【0029】
図4に示す例で、制御部10は、最終ページから先頭ページへ、即ち降順に画像を形成して転写ニップ部を通過したインデックス紙を両面搬送機構31へスイッチバックさせることなく後処理ユニット70へ搬送する。そして、後処理ユニット70の反転排出機構66でスイッチバックさせたのちにパンチユニット71へ搬送する。符号P1~P4は、図3と同様にインデックス紙が手差しトレイ62にセットされる状態、転写ニップ部で画像が転写された状態、反転排出機構66でスイッチバックされる状態および排出トレイ74に排出された状態を示している。符号P3は、後処理ユニット70へ搬送されるインデックス紙を上方から見た状態、即ちスイッチバック前の状態を示している。スイッチバックされるまではインデックス部が後端側にある。スイッチバックによって表裏が反転しインデックス部が先端側になる。よって、インデックス紙がパンチユニット71へ導かれる際には、インデックス部が先端側にあって転写されたトナー像はインデックス紙の上側の面にある。パンチユニット71は、後端側にパンチ孔をあける。符号P4で示されるイラストは、図3と同様の状態である。即ち、最終ページが最下、先頭ページが最上にあって上向きの面に転写された画像が位置している。パンチ孔は、インデックス部と反対側にあけられてページ順に並んだ仕上がり状態である。図3および図4に示す態様によれば、画像形成装置100が反転排出機構66を任意で備える場合、その有無に応じて制御部10は形成する画像の順序およびインデックス紙をスイッチバックさせる場合に両面搬送機構31でスイッチバックさせるか反転排出機構66でスイッチバックさせるかを決定できる。
【0030】
図5は、後処理ユニット70の構成が図3および図4に示す例と異なる。図5に示す後処理ユニット70は、反転排出機構66を備えておらず、パンチユニット71は先端側にパンチ孔をあける。
図5に示す例で、制御部10は、ページ順、即ち昇順に画像を形成して転写ニップ部を通過したインデックス紙を両面搬送機構31へスイッチバックさせることなく後処理ユニット70へ搬送し、パンチユニット71を用いてインデックス紙の先端側にパンチ孔をあけ、排出トレイ74に排出する。符号P1~P4は、図3および図4と同様にインデックス紙が手差しトレイ62にセットされる状態、転写ニップ部で画像が転写された状態、反転排出機構66でスイッチバックされる状態および排出トレイ74に排出された状態を示している。符号P3は、後処理ユニット70へ搬送されるインデックス紙を上方から見た状態を示している。インデックス紙がパンチユニット71へ導かれる際には、インデックス部が後端側にあって転写されたトナー像はインデックス紙の下側の面にある。パンチユニット71は、先端側にパンチ孔をあける。符号P4のイラストで示されるように、排出トレイ74に排出されたインデックス紙は、先頭ページが最下、最終ページが最上にあって下向きの面に転写された画像が位置している。パンチ孔は、インデックス部と反対側にあけられてページ順に並んだ仕上がり状態である。図3乃至図5に示す態様によれば、パンチユニット71が先端側基準か後端側基準かに応じて制御部10は形成する画像の順序およびインデックス紙をスイッチバックさせるか否かを決定できる。
【0031】
図6および図7は、画像形成装置100の用紙搬送路の構成が図3図5に示す例と異なる。図6および図7に示す画像形成装置100は、給紙されたインデックス紙を中間転写ベルト47の下方の搬送路で中間転写ベルト47の左端側まで搬送した後にトナー像を転写する。即ち、転写ニップ部が中間転写ベルト47の左端側にある。両面搬送機構31は、転写ニップ部のさらに左側にある。転写ニップ部を通過したインデックス紙をスイッチバックさせる部分は、転写ニップ部の上方にあってインデックス紙を右側のスイッチバック経路へ導いた後に搬送方向を反転させて左側の両面搬送機構31へ導く。スイッチバック後のインデックス紙の搬送方向が後処理ユニット70へ向かう方向であるので、そのインデックス紙を両面搬送機構31へ導く代わりに後処理ユニット70へ導くように搬送路を切り替え可能にすることも容易である。言い換えると、画像形成装置100が図6および図7に示すような用紙搬送路を備える場合、反転排出機構66を設けることが容易である。図6は、画像形成装置100が反転排出機構66を備えるものとして示している。また、図6においてパンチユニット71は後端側にパンチ孔をあけるものとしている。
【0032】
図6に示す例で、制御部10は、ページ順、即ち昇順に画像を形成して転写ニップ部を通過したインデックス紙を両面搬送機構31へ導くことなく反転排出機構66としてスイッチバックさせる、後処理ユニット70へ搬送する。そして、パンチユニット71を用いてインデックス紙の後端側にパンチ孔をあけ、排出トレイ74に排出する。符号P1、P2およびP4は、図3図5と同様にインデックス紙が手差しトレイ62にセットされる状態、転写ニップ部で画像が転写された状態、反転排出機構66でスイッチバックされる状態および排出トレイ74に排出された状態を示している。符号P3は、スイッチバックされてパンチユニット71へ導かれるインデックス紙を上方から見た状態を示している。インデックス紙がパンチユニット71へ導かれる際には、インデックス部が先端側にあって転写されたトナー像はインデックス紙の下側の面にある。パンチユニット71は、後端側にパンチ孔をあける。符号P4のイラストで示されるように、排出トレイ74に排出されたインデックス紙は、先頭ページが最下、最終ページが最上にあって下向きの面に転写された画像が位置している。パンチ孔は、インデックス部と反対側にあけられてページ順に並んだ仕上がり状態である。
【0033】
図7は、後処理ユニット70の構成が図6に示す例と異なり、パンチユニット71は先端側にパンチ孔をあける。図7に示す例で、制御部10は、ページの逆順、即ち降順に画像を形成して転写ニップ部を通過したインデックス紙を後処理ユニット70へ搬送する。そして、パンチユニット71を用いてインデックス紙の先端側にパンチ孔をあけ、排出トレイ74に排出する。符号P1、P2およびP4は、図3図6と同様にインデックス紙が手差しトレイ62にセットされる状態、転写ニップ部で画像が転写された状態、および排出トレイ74に排出された状態を示している。符号P3は、パンチユニット71へ導かれるインデックス紙を上方から見た状態を示している。インデックス紙がパンチユニット71へ導かれる際には、インデックス部が後端側にあって転写されたトナー像はインデックス紙の上側の面にある。パンチユニット71は、先端側にパンチ孔をあける。符号P4のイラストで示されるように、排出トレイ74に排出されたインデックス紙は、最終ページが最下、先頭ページが最上にあって上向きの面に転写された画像が位置している。パンチ孔は、インデックス部と反対側にあけられてページ順に並んだ仕上がり状態である。
【0034】
以上、この実施形態では、インデックス部を後端側にしてインデックス紙が給紙されてレジストローラ65および転写ニップ部を通過し、両面搬送機構31でスイッチバックされてから排出される例について述べた。給紙後のインデックス紙が最初に転写ニップ部を通過する際、ジョブ実行部14としての制御部10は設定に応じてトナー像をインデックス紙の第1面に転写させる。しかし、ジョブ実行部14としての制御部10は、そのインデックス紙がスイッチバック後にレジストローラ65および転写ニップ部を再度通過する際、インデックス紙の第2面へのトナー像の転写は許容しない。その際はインデックス部が先端側になってレジストローラ65を通過するために、トナー像とインデックス紙との位置合わせが正確にできない可能性があるのでそのようにする。
【0035】
≪制御部が画像の形成順およびスイッチバックを決定する処理≫
続いて、制御部10が搬送経路および画像の形成順を決定する処理の例を、フローチャートを参照しながら説明する。図8は、図1に示す制御部が、スイッチバックに係る機構および後処理位置の基準に応じて搬送経路および画像形成の順序を決定する処理の例を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートは、エンジン部30が、図3図5に示す構成の搬送路を有しているものとする。図8に示すように、ジョブ実行部14として制御部10は、印刷ジョブを実行する指示を受け付けると、印刷用紙の少なくとも一部にインデックス紙を含むか否かを判定する(ステップS11)。インデックス紙を含まない場合は(ステップS11のNo)、通常の印刷ジョブに係る処理を行って(ステップS13)処理を終了する。
【0036】
一方、印刷用紙がインデックス紙を含む場合(ステップS11のYes)、制御部10は後処理(フローチャートではパンチ)が設定されたジョブか否かを判定する(ステップS15)。パンチが設定されていなければ(ステップS15のNo)、インデックス紙をスイッチバックさせることなくページ順に印刷を行うように決定し(ステップS17)、決定に従って印刷ジョブを実行して(ステップS29)、処理を終了する。一方、パンチが設定されている場合(ステップS15のYes)、続いて制御部10はパンチユニット71の後処理位置が後端側基準か先端側基準かを判定する(ステップS19)。先端側基準であれば(ステップS19のNo)、インデックス紙をスイッチバックさせることなくページ順に印刷を行うように決定し(ステップS17)、決定に従って印刷ジョブを実行して(ステップS29)、処理を終了する。
【0037】
一方、パンチユニット71の後処理位置が後端側基準である場合(ステップS19のYes)、続いて制御部10は画像形成装置100が反転排出機構を備えるものか否かを判定する(ステップS21)。反転排出機構を備えている場合(ステップS21のNo)、制御部10はインデックス紙を反転排出機構66でスイッチバックさせ、ページ順に印刷を行うように決定し(ステップS23)、決定に従って印刷ジョブを実行して(ステップS29)、処理を終了する。画像形成装置100が反転排出機構を備えている場合(ステップS21のYes)、続いて制御部10はインデックス紙以外の用紙であって両面搬送機構31の反転搬送路34を通らない用紙種類の印刷用紙が含まれているか否かを判定する(ステップS25)。なお、インデックス紙は両面搬送機構31を通るものとしている。反転搬送路34を通らない用紙種類の印刷用紙が含まれている場合(ステップS25のNo)、制御部10はインデックス紙をスイッチバックさせることなくページ順に印刷を行うように決定し(ステップS17)、決定に従って印刷ジョブを実行して(ステップS29)、処理を終了する。
【0038】
一方、反転搬送路34を通らない用紙種類の印刷用紙が含まれていない場合(ステップS25のYes)、制御部10はページの逆順に画像を形成し、印刷用紙を両面搬送機構31でスイッチバックさせて表裏を反転させたうえで後処理のパンチを後端に施すように決定する。以上のようにして、制御部10は画像の形成順およびスイッチバックを含み得る用紙の搬送経路を決定する。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態1では、印刷用紙がすべてインデックス紙である印刷ジョブを例に挙げて説明した。しかし、印刷用紙がインデックス紙以外の印刷用紙を含む印刷ジョブもある。例えば、給紙トレイ61に用紙タイプが普通紙の印刷用紙が収容され、手差しトレイ62には用紙タイプがインデックス紙の印刷用紙が収容されて所定のページにインデックス紙を挿入するように設定された印刷ジョブである。そのような印刷ジョブについても、制御部10は実施の形態1と同様に印刷用紙の搬送経路および画像形成の順序を、後処理の有無、後処理ユニットが先端側基準、後端側基準の何れであるか、反転排出機構の有無に応じて決定する。この態様によれば、印刷ジョブがインデックス紙以外の印刷用紙を含む場合もページ順に並び後処理がなされた状態で印刷ジョブを仕上げることが可能である。
【0040】
また、実施の形態1で述べたように、制御部10はスイッチバックを行うインデックス紙については第2面への印刷を許容しない。しかし、インデックス紙以外の印刷用紙については、例えば厚紙など両面印刷ができない種類のものでなければ、第2面への印刷を許容してもよい。インデックス紙以外の印刷用紙を含みそれが両面搬送機構を用いて搬送できない種類の印刷用紙である場合、制御部10は両面搬送機構を用いたスイッチバックが不可であると判断する。よって、インデックス紙について両面搬送機構を用いてスイッチバックを行うべき印刷ジョブの場合、前記制御部は両面搬送機構を用いて搬送できない種類の印刷用紙が含まれていれば後処理が不可の印刷ジョブであると判定する。この態様によれば、両面搬送機構を用いてインデックス紙をスイッチバックさせるべき印刷ジョブにおいてインデックス紙以外の印刷用紙が含まれその印刷用紙が両面搬送機構でスイッチバックさせることができない場合、制御部は両面印刷の有無によらず後処理を設定できないようにするかまたは設定されても後処理を実行しないようにする。そのようにして印刷用紙の搬送不良や紙づまりを防ぐ。
【0041】
インデックス部を後端側にしたインデックス紙がレジストローラ65を通過する場合、ジョブ実行部14としての制御部10は先端がレジストローラ65に達した時点ではレジストローラ65の停止状態を維持する。インデックス紙に撓みを作ったのちに搬送するように制御して、インデックス紙の斜め送りを抑制すると共にトナー像との位置合わせを行う。しかし、スイッチバック後、インデックス部を先端側にしたインデックス紙がレジストローラ65を通過する際には異なる制御を行う。レジストローラ65でインデックス紙を停止させない。インデックス紙は、搬送方向に直交する幅方向においてインデックス部が形成された位置が異なる複数種類のものがある。幅方向の所定の位置に印刷用紙の通過を検出するセンサーを設けて先端を検出しても、検出されたものがインデックス部の先端かインデックス部でない部分の先端かを判定することは容易でない。言い換えると、インデックス部が先端側にある状態では、レジストローラ65を用いた斜め送りの抑制も、トナー像との位置合わせも容易でない。よって、ジョブ実行部14としての制御部10はレジストローラ65でインデックス紙を停止させず、インデックス紙の第2面へのトナー像の転写も許容しない。制御部は、例えばインデックス紙のインデックス部が後端側にある状態で給紙機構から給紙された場合の第1の面に画像を形成するように設定されていればその画像の形成を許容するが、スイッチバック後にインデックス部が先端側にある状態の第2の面については画像の形成を許容しないようにする。この態様によれば、画像形成機構を通過するインデックス紙と画像の搬送方向における位置合わせが正確にできず位置ずれが生じることが防げる。
【0042】
(実施の形態4)
実施の形態1では、エンジン部30が両面搬送機構31および給紙機構60を含み、パンチユニット71、ステープルユニット72および紙折りユニット73がエンジン部30と別の後処理ユニット70に含まれる構成を示したが、本開示はその構成に限定されるものでない。例えば、両面搬送機構31がエンジン部30と別の両面ユニットとして提供される態様や、給紙機構60がエンジン部30と別の両面ユニットとして提供される態様も本開示の範囲に含まれる。さらに、エンジン部30がパンチユニット71、ステープルユニット72および紙折りユニット73の少なくとも何れかを含む構成も本開示の範囲に含まれる。また、パンチユニット71、ステープルユニット72および紙折りユニット73が一つの後処理ユニット70に含まれる態様の他に、複数の後処理ユニットに分割されて装着可能な態様も本開示の範囲に含まれる。
【0043】
本開示には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれると解されるべきである。
前述した実施の形態の他にも、本開示についての種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。本開示に係る発明には、請求の範囲と均等の意味および本開示の範囲に属するすべての変形が含まれるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10:制御部、 11:操作制御部、 12:設定管理部、 13:ジョブ管理部、 14:ジョブ実行部、 15:画像処理部、 16:データ制御部、 21:記憶部、 22:操作部、 24:スキャナ部、 25:画像読取部、 26:原稿台、 27:走査光学系、 28:原稿送り装置、 29:イメージセンサ、 30:エンジン部、 31:両面搬送機構、 32:後処理ユニット装着部、 33:排出ローラ、 34:反転搬送路、 40:画像形成機構、 41:現像装置、 42:感光体ドラム、 43:ドラムクリーニング装置、 44:帯電器、 45:光走査装置、 46:中間転写ローラ、 47:中間転写ベルト、 48:中間ベルト駆動ローラ、 49:中間ベルト従動ローラ、 50:ベルトクリーニング装置、 51:2次転写装置、 52:2次転写ローラ、 53:定着装置、 54:定着ローラ、 55:加圧ローラ、 60:給紙機構、 61:給紙トレイ、 62:手差しトレイ、 63:給紙ローラ、 64:手差し給紙ローラ、 65:レジストローラ、 66:反転排出機構、 70:後処理ユニット、 71:パンチユニット、 72:ステープルユニット、 73:紙折りユニット、 74:排出トレイ、 75:後処理制御部、 100:画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8