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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172929
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20241205BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20241205BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20241205BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W88/06
H04W48/16 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090996
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山浦 隆宏
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ11
(57)【要約】
【課題】特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、通信の安定性又はセキュリティレベルの向上に寄与する。
【解決手段】1又はそれ以上のサーバを備えるシステム(1)は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメントの各々のユーザ端末(2)への送信又はユーザ端末(2)からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメントの優先度又は特性に関する第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択する。第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択する手段を備え、
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む、
1又はそれ以上のサーバを備えるシステム。
【請求項2】
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、前記アプリケーションサービスにおける各データセグメント又はデータフローの必須性に関するパラメータを少なくとも含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、通信速度又は接続の安定性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記選択する手段は、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より高い通信速度又は接続の安定性レベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行するよう適合される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさに関するパラメータを少なくとも含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記選択する手段は、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より大きなアクセスポイントあたりのカバレッジエリアを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行するよう適合される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記特定のアプリケーションサービスは、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスを含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止めるかを、前記第1の無線通信方式における前記ユーザ端末の通信状態の変化の予測に基づいて決定する手段をさらに備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択することを備え、
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む、
1又はそれ以上のサーバを含むシステムにより行なわれる方法。
【請求項10】
1又はそれ以上のサーバを含むシステムのための方法コンピュータに行なわせるためのプログラムであって、
前記方法は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択することを備え、
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ送信又は受信のための複数の無線通信方式又はネットワークの間の選択に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、データ配信のためのネットワーク選択を開示している。特許文献1に開示された終端装置は、ユーザ端末へのデータ配信に使用するために、Public Safety Long Term Evolution(PS-LTE)ネットワークにより提供されるユニキャスト通信、PS-LTEネットワークにより提供されるマルチキャスト通信、及び商用LTEネットワークを経由する通信のうち1つを選択する。例えば、ユーザ端末に向けて送信されるデータのサイズ又はユーザ端末から受信したデータのサイズが閾値を超える場合に、終端装置は、商用LTEネットワークを経由する通信をデータ配信のために選択する。あるいは、例えば、PS-LTEネットワークの使用率が閾値を超える場合に、終端装置は、商用LTEネットワークを経由する通信をデータ配信のために選択する。
【0003】
特許文献2は、データ配信のためのビーム選択を開示している。特許文献2に開示されたデータ配信装置は、送信される複数のデータセグメントの各々に優先度を割り当てる。データ配信装置は、複数のビーム(又は送信ビームと受信ビームとのビームペア)をこれらの受信品質(e.g., Reference Signal Received Power (RSRP))に基づいてランク付けする。そして、データ配信装置は、優先度の異なる複数のデータセグメントを複数のビームに割り当てる。具体的には、データ配信装置は、最も高い優先度が割り当てられたデータセグメントをビーム・ランク(つまり受信品質)の最も高いビームで送信し、次に高い優先度が割り当てられたデータを2番目に高いのビーム・ランクのビームで送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/109986号
【特許文献2】国際公開第2021/075105号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式(systems)を同時に用いて送信するアーキテクチャを検討した。複数の無線通信方式は、複数の無線通信ネットワーク、複数の無線通信スキーム、又は複数の無線通信方法と言い換えられてもよい。特定のアプリケーションサービスは、限定でなく例として、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスであり得る。
【0006】
一観点では、当該アーキテクチャでのサービス提供の安定性を向上できることが好ましいかもしれない。特許文献1は、データ配信のための無線通信方式又はネットワークの選択のために、ネットワーク使用率が考慮されることを開示している。しかしながら、ネットワーク使用率の考慮のみでは、サービス提供の安定性の向上に十分に寄与できない可能性がある。一方、特許文献2は、配信される複数のデータセグメントの優先度と複数のビームの受信品質を考慮して、どのデータセグメントをどのビームで送信するかを決定する方法を教示している。しかしながら、特許文献2は、1つの基地局又はアクセスポイント内でのビーム選択を教示するのみである。言い換えると、特許文献2は、複数の無線通信方式又はネットワークの選択について教示していない。
【0007】
他の観点では、複数の無線通信方式の間のセキュリティレベルの違いがサービスの提供に支障をきたす可能性がある。例えば、システムは、機密性レベルの高い情報を運ぶデータセグメント又はフローをよりセキュリティレベルの高い無線通信方式で送信又は受信できることが好ましいかもしれない。特許文献1及び2は、この問題に対する適切な解決策を提供していない。
【0008】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、通信の安定性又はセキュリティレベルの向上に寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様では、1又はそれ以上のサーバを備えるシステムは、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択するよう構成される。前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む。
【0010】
第2の態様では、1又はそれ以上のサーバを備えるシステムにより行なわれる方法は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択することを含む。前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む。
【0011】
第3の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第2の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0012】
上述の態様によれば、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、通信の安定性又はセキュリティレベルの向上に寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】1又はそれ以上の実施形態に係る、サーバ側システムとユーザ端末との間でのデータを配信するシステムの構成例を示す図である。
図2】1又はそれ以上の実施形態に係る、サーバ側システムとユーザ端末との間でのデータを配信するシステムの構成例を示す図である。
図3】1又はそれ以上の実施形態に係るサーバ側システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図4】1又はそれ以上の実施形態に係るデータ配信の具体例を示すシーケンス図である。
図5】1又はそれ以上の実施形態に係るサーバ側システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図6】1又はそれ以上の実施形態に係るサーバ側システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図7】1又はそれ以上の実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
図8】1又はそれ以上の実施形態に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
【0016】
本明細書で使用される場合、文脈に応じて、「(もし)~なら(if)」は、「場合(when)」、「その時またはその前後(at or around the time)」、「後に(after)」、「に応じて(upon)」、「判定(決定)に応答して(in response to determining)」、「判定(決定)に従って(in accordance with a determination)」、又は「検出することに応答して(in response to detecting)」を意味するものとして解釈されてもよい。これらの表現は、文脈に応じて、同じ意味を持つと解釈されてもよい。
【0017】
初めに、複数の実施形態に共通であるシステムの構成及び動作が説明される。図1は、サーバ側システム1とユーザ端末2との間でのデータを配信するシステムの構成例を示している。サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローをユーザ端末2に送信する又はユーザ端末2から受信するために、複数の無線通信方式(systems)を使用する。言い換えると、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローを、複数の無線通信方式を同時に使用して、ユーザ端末2に送信する又はユーザ端末2から受信する。
【0018】
複数の無線通信方式は、複数の無線通信ネットワーク、複数の無線通信スキーム、又は複数の無線通信方法と言い換えられてもよい。図1の例では、複数の無線通信方式は、Long Term Evolution(LTE)方式3A、5th generation(5G)方式3B、及びInstitute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) 802.11方式3Cを含む。IEEE 802.11方式は、IEEE 802.11規格シリーズのうち1つ以上に準拠した無線通信方式であってもよい。IEEE 802.11方式は、Wi-Fi(登録商標)方式と呼ばれてもよい。複数の無線通信方式は、それらの特性により区別され得る。言い換えると、複数の無線通信方式は、互いに異なる特性を持つ場合がある。
【0019】
第1の例では、複数の無線通信方式は、アクセスポイント(又は基地局)あたりのカバレッジエリアの大きさによって区別又は分類され得る。一般的に、LTE方式3Aのアクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさは、5G方式3B及びWi-Fi方式3Cのそれらより大きい。
【0020】
第2の例では、複数の無線通信方式は、ハンドオーバの発生頻度によって区別又は分類され得る。なお、ハンドオーバの発生頻度は、上述のアクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさと関係すると言うことができる。具体的には、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアが大きいほど、ハンドオーバの発生頻度は低い。一般的に、LTE方式3Aのハンドオーバの発生頻度は、5G方式3B及びWi-Fi方式3Cのそれらより低い。
【0021】
第3の例では、複数の無線通信方式は、通信速度又は接続の安定性レベルによって区別又は分類され得る。通信速度又は接続の安定性レベルは、ユーザ端末2の移動に伴う無線品質(受信品質レベル)の変動の速さ及び大きさにより評価されてもよい。無線品質(受信品質レベル)は、自由空間損失、シャドーイング、フェージング、及び干渉の影響により変動する。無線品質の変動の速さ及び大きさは、無線周波数に依存する。したがって、各無線通信方式の通信速度又は接続の安定性レベルは、ユーザ端末2との通信に使用される無線周波数に基づいて評価されてもよい。一般的に、LTE方式3Aの安定性レベルは、5G方式3B及びWi-Fi方式3Cのそれらより高い。
【0022】
第4の例では、複数の無線通信方式は、セキュリティレベルによって区別又は分類され得る。セキュリティレベルは、例えば、無線アクセスで使用されるセキュリティ・アルゴリズム、無線通信ネットワークを運用するオペレータの信頼性に依存する。一般的に、LTE方式3A及び5G方式3Bの安定性レベルは、Wi-Fi方式3Cのそれより高い。
【0023】
特定のアプリケーションサービスは、限定でなく例として、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスであってもよい。特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローは、それらの優先度又は特性により区別され得る。言い換えると、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローは、互いに異なる優先度又は特性を持つ場合がある。
【0024】
一例では、複数のデータセグメント又はフローは、特定のアプリケーションサービスにおける必須性又は必要性によって区別又は分類され得る。視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスのケースを考えると、ユーザに音声ナビゲーションを提供するために必要なデータは、迂回ルート情報や地図情報などを提供するためのデータよりも必須性又は必要性が高いと言える。例えば、音声ナビゲーションを提供するために必須のデータは、サーバ側システム1からユーザ端末2に送信されるガイド音声データを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、音声ナビゲーションを提供するために必須のデータは、ユーザ端末2によって撮影され且つユーザ端末2からサーバ側システム1に送信されるユーザの環境の画像データを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、音声ナビゲーションを提供するために必須のデータは、ユーザの環境の画像データからユーザ端末2のアプリケーションにより検出された情報(e.g., 障害物又は場所についての情報)に関するデータを含んでもよい。
【0025】
他の例では、複数のデータセグメント又はフローは、これらデータセグメント又はデータフローで運ばれるデータの機密性レベルによって区別又は分類され得る。視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスのケースを考えると、個人情報、特に要配慮個人情報を運ぶデータセグメントの機密性レベルは、他のデータセグメントに比べて高くてもよい。
【0026】
サーバ側システム1は、1又はそれ以上のサーバを含んでもよい。例えば、サーバ側システム1は、配信(distribution)サーバ及びコンテンツ(content)サーバを含んでもよい。配信サーバは、複数の通信方式を介したユーザ端末2との複数のコネクションを確立し、コンテンツサーバから受信した各データセグメントをいずれかのコネクションを介してユーザ端末2にフォワードする。コンテンツサーバは、コンテンツ・データベース又はアプリケーションサーバと呼ばれてもよい。
【0027】
さらに又はこれに代えて、図2に示されるように、サーバ側システム1は、1又はそれ以上のクラウドサーバ11、並びに1又はそれ以上のMECサーバ12を含んでもよい。用語MECは、Multi-access Edge Computing又はMobile Edge Computingの略である。クラウドサーバ11は、MECサーバ12よりも、ユーザ端末2から離れて配置された中央(central)クラウドを意味する。したがって、クラウドサーバ11は、一元化された(centralized)場所(e.g., centralized data center)に配置されたサーバであってもよい。クラウドサーバ11は、セントラルサーバと呼ばれてもよい。これに対して、MECサーバ12は、分散配置されたサーバであり、アクセスポイント又は基地局と直接的に(つまり、コアネットワークを介さずに)通信できるように、無線アクセスネットワーク内に配置される。MECサーバ12は、エッジサーバと呼ぶこともできる。
【0028】
図2の例では、MECサーバ12は、LTE方式3Aの基地局(i.e., eNodeB (eNB))31Aと直接的に、コアネットワーク(i.e., Evolved Packet Core (EPC))32Aを介さずに通信できるように、LTE方式3Aの無線アクセスネットワーク内に配置される。MECサーバ12は、基地局31Aと併置(collocated)されてもよいし、基地局31Aとコアネットワーク32Aとの間のネットワーク集約サイトに併置されてもよい。MECサーバ12は、トランスポートネットワーク13を介してクラウドサーバ11と通信することができる。図2では記載が省略されているが、MECサーバは、5G方式3Bの無線アクセスネットワーク内、若しくはWi-Fi方式3Cの無線アクセスネットワーク内、又はこれら両方にも配置されてもよい。5G方式3Bに結合されたMECサーバは、5G方式3Bの基地局(i.e., gNodeB (gNB))31Bと直接的に、コアネットワーク(i.e., 5G Core (5GC))32Bを介さずに通信できるように、5G方式3Bの無線アクセスネットワーク内に配置される。同様に、Wi-Fi方式3Cに結合されたMECサーバは、Wi-Fi方式3Cのアクセスポイント31Cと直接的に、バックホールネットワーク32Cを介さずに通信できるように、Wi-Fi方式3Cの無線アクセスネットワーク内に配置される。
【0029】
サーバ側システム1、ユーザ端末2、クラウドサーバ11、MECサーバ12、並びに基地局及びアクセスポイント31A、31B、及び31C等の図1及び図2に示された要素の各々は、例えば、専用ハードウェア(dedicated hardware)上のネットワークエレメントとして実装されることができる。あるいは、各要素は、専用ハードウェア上で動作する(running)ソフトウェア・インスタンスとして、又はアプリケーション・プラットフォーム上にインスタンス化(instantiated)された仮想化機能として実装されることができる。
【0030】
<第1の実施形態>
本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、図1及び図2を参照して説明された複数の構成例のいずれかと同様であってもよい。図3は、サーバ側システム1の動作の一例を示している。図3の動作は、サーバ側システム1に含まれる1つのサーバにより行なわれてもよいし、2以上のサーバにより行なわれてもよい。
【0031】
ステップ301では、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント(又はフロー)の各々の優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータを取得する。言い換えると、サーバ側システム1は、複数のデータセグメント(又はフロー)の優先度又は特性に関する分類基準を取得する。ある実装では、サーバ側システム1は、オペレータにより設定された分類基準をメモリから読み出してもよい。他の実装では、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスのプロバイダ又はサーバから、複数のデータセグメント(又はフロー)の優先度又は特性に関する分類基準を取得してもよい。
【0032】
既に説明されたように、複数のデータセグメント又はフローは、特定のアプリケーションサービスにおける必須性又は必要性によって区別又は分類され得る。したがって、1又はそれ以上の第1のパラメータは、当該アプリケーションサービスにおける各データセグメント又はデータフローの必須性に関するパラメータを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、複数のデータセグメント又はフローは、これらデータセグメント又はデータフローで運ばれるデータの機密性レベルによって区別又は分類され得る。したがって、1又はそれ以上の第1のパラメータは、1又はそれ以上の第1のパラメータは、各データセグメント又はデータフローで運ばれるデータの機密性レベルに関するパラメータを含んでもよい。
【0033】
ステップ301では、サーバ側システム1は、複数の無線通信方式の各々の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータをさらに取得する。言い換えると、サーバ側システム1は、複数の無線通信方式の特性に関する分類基準を取得する。ある実装では、サーバ側システム1は、オペレータにより設定された分類基準をメモリから読み出してもよい。他の実装では、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスのプロバイダ又はサーバから、複数の無線通信方式の特性に関する分類基準を取得してもよい。
【0034】
既に説明されたように、複数の無線通信方式は、アクセスポイント(又は基地局)あたりのカバレッジエリアの大きさによって区別又は分類され得る。したがって、1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさに関するパラメータを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、複数の無線通信方式は、ハンドオーバの発生頻度によって区別又は分類され得る。したがって、1又はそれ以上の第2のパラメータは、ハンドオーバの発生頻度に関するパラメータを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、複数の無線通信方式は、通信速度又は接続の安定性レベルによって区別又は分類され得る。したがって、1又はそれ以上の第2のパラメータは、通信速度又は接続の安定性レベルに関するパラメータを含んでもよい。さらに又はこれに代えて、複数の無線通信方式は、セキュリティレベルによって区別又は分類され得る。したがって、1又はそれ以上の第2のパラメータは、セキュリティレベルに関するパラメータを含んでもよい。
【0035】
ステップ302では、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメントの各々の送信又は受信のために使用される無線通信方式を、複数の無線通信方式から、各データセグメントの第1のパラメータと各無線通信方式の第2のパラメータに基づいて選択又は決定する。言い換えると、サーバ側システム1は、複数のデータセグメント又はフローの間の優先度又は特性の分類(i.e., 第1のパラメータ)と、複数の無線通信方式の間の特性の分類(i.e., 第2のパラメータ)とに基づいて、どのデータセグメント又はフローの送信又は受信にどの無線通信方式を使うかを決定する。
【0036】
一例では、サーバ側システム1は、データセグメント又はフローの必須性が高いほど、より高い通信速度又は接続の安定性レベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行してもよい。サーバ側システム1は、サービス提供に必須のデータセグメント又はフロー、つまり最も優先度が高いデータセグメント又はフローを、最も高い安定性レベルを有する無線通信方式を用いて送信又は受信してもよい。図1及び図2の例では、サーバ側システム1は、サービス提供に必須のデータセグメント又はフロー、つまり最も優先度が高いデータセグメント又はフローを、3つの無線通信方式の中で最も高い安定性レベルを有するLTE方式3Aを介して送信又は受信してもよい。サーバ側システム1は、その他のカテゴリのデータセグメント又はフローを5G方式3B又はWi-Fi方式3Cを介して送信又は受信してもよい。
【0037】
他の例では、サーバ側システム1は、データセグメント又はフローの必須性が高いほど、より大きなアクセスポイントあたりのカバレッジエリアを有する無線通信方式に当該データセグメント又はフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行してもよい。サーバ側システム1は、サービス提供に必須のデータセグメント又はフロー、つまり最も優先度が高いデータセグメント又はフローを、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアのサイズが最も大きい無線通信方式を用いて送信又は受信してもよい。図1及び図2の例では、サーバ側システム1は、サービス提供に必須のデータセグメント又はフロー、つまり最も優先度が高いデータセグメント又はフローを、3つの無線通信方式の中で最も大きなアクセスポイントあたりのカバレッジエリアを有するLTE方式3Aを介して送信又は受信してもよい。サーバ側システム1は、その他のカテゴリのデータセグメント又はフローを5G方式3B又はWi-Fi方式3Cを介して送信又は受信してもよい。
【0038】
他の例では、サーバ側システム1は、データセグメント又はフローの必須性が高いほど、より低いハンドオーバ発生頻度を有する無線通信方式に当該データセグメント又はフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行してもよい。サーバ側システム1は、サービス提供に必須のデータセグメント又はフロー、つまり最も優先度が高いデータセグメント又はフローを、最も低いハンドオーバ発生頻度を有する無線通信方式を用いて送信又は受信してもよい。図1及び図2の例では、サーバ側システム1は、サービス提供に必須のデータセグメント又はフロー、つまり最も優先度が高いデータセグメント又はフローを、3つの無線通信方式の中で最も低いハンドオーバ頻度を持つLTE方式3Aを介して送信又は受信してもよい。サーバ側システム1は、その他のカテゴリのデータセグメント又はフローを5G方式3B又はWi-Fi方式3Cを介して送信又は受信してもよい。
【0039】
他の例では、サーバ側システム1は、データセグメント又はフローの機密性レベルが高いほど、より高いセキュリティレベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行してもよい。サーバ側システム1は、個人情報(特に要配慮個人情報)を運ぶデータセグメント又はフローを、最も高いセキュリティレベルを有する無線通信方式を用いて送信又は受信してもよい。図1及び図2の例では、サーバ側システム1は、個人情報(特に要配慮個人情報)を運ぶデータセグメント又はフローを、LTE方式3A又は5G方式3Bを介して送信又は受信してもよい。サーバ側システム1は、その他のカテゴリのデータセグメント又はフローをLTE方式3A、5G方式3B、及びWi-Fi方式3Cのうち1又はそれ以上を介して送信又は受信してもよい。
【0040】
ステップ302での無線通信方式の選択又は決定において、サーバ側システム1は、複数の無線通信方式に関するその他の特性、状況、又はパラメータをさらに考慮してもよい。例えば、サーバ側システム1は、複数の無線通信方式の間の通信容量又は通信帯域の違いを考慮してもよい。
【0041】
ステップ302での無線通信方式の選択又は決定は、訓練された機械学習モデルでの推論実行により行なわれてもよい。機械学習モデルは、深層学習を含む機械学習の分野で知られている任意のモデルであってもよい。機械学習モデルは、限定されないが例えば、ニューラルネットワーク・モデル、サポートベクタマシン・モデル、決定木(decision tree)モデル、ランダムフォレスト・モデル、又はK-近傍法(K-nearest neighbor)モデルであってもよい。サーバ側システム1は、送信されるデータセグメント又はフローの優先度又は特性に関する第1のパラメータを、訓練された機械学習モデルへの入力データとして使用してもよい。同様に、サーバ側システム1は、複数の無線通信方式の各々の特性に関する第2のパラメータを、訓練された機械学習モデルへの入力データとして使用してもよい。サーバ側システム1は、機械学習モデルの訓練を行ってもよい。あるいは、。サーバ側システム1とは異なる装置又はコンピュータシステムが機械学習モデルの訓練を行い、訓練された機械学習モデル(i.e., 訓練されたパラメータ(parameters))をサーバ側システム1に供給してもよい。
【0042】
サーバ側システム1は、ステップ302での無線通信方式の選択結果をユーザ端末2に知らせてもよい。具体的には、サーバ側システム1は、複数のデータセグメント又はフローの受信又は送信のために複数の無線通信方式がどのように使用されるかをユーザ端末2に知らせてもよい。ユーザ端末2は、サーバ側システム1からの通知又は指示に従って、複数のデータセグメント又はフローを複数の通信方式を介してサーバ側システム1に送信又はサーバ側システム1から受信してもよい。
【0043】
図3を参照して説明された動作によれば、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、無線通信方式の間の安定性又はセキュリティレベルにおける違いを考慮する。具体的には、サーバ側システム1は、無線通信方式の間の安定性又はセキュリティレベルにおける違いに基づいて、どのデータセグメント又はフローをどの無線通信方式を用いて送信又は受信するかを決定する。これは、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、通信の安定性又はセキュリティレベルの向上に寄与できる。
【0044】
図4は、サーバ側システム1及びユーザ端末2の動作の一例を示している。図4の例では、サーバ側システム1は、配信サーバ401及びコンテンツソース402を含む。コンテンツソース402は、コンテンツ・データベース、コンテンツサーバ、又はアプリケーションサーバと呼ばれてもよい。配信サーバ401は1又はそれ以上のMECサーバ12に含まれ、コンテンツソース402は1又はそれ以上のクラウドサーバ11に含まれてもよい。
【0045】
ステップ420では、配信サーバ401は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローの分類を示す情報をコンテンツソース402から受信する。配信サーバ401は、コンテンツソース402とは別のサーバから当該情報を受信してもよい。あるいは、当該情報は、サーバ側システム1を運用するオペレータによって事前に提供されてもよい。この場合、ステップ420は省略されてもよい。
【0046】
ステップ421では、配信サーバ401は、特性の異なる複数の無線通信方式を経由するユーザ端末2との複数のコネクション(又はセッション)を確立する。ステップ422では、配信サーバ401は、データ要求をユーザ端末2から受信する。ユーザ端末2は、確立された複数のコネクションのいずれかを介して当該データ要求を送信してもよい。当該データ要求は、ユーザ端末2へのデータ配信の要求であってもよい。ステップ423では、配信サーバ401は、ユーザ端末2からのデータ要求をコンテンツソース402へフォワードする。ステップ424では、コンテンツソース402は、データ応答を配信サーバ401に送る。データ応答は、ユーザ端末2のデータ要求に基づく複数のデータセグメント又はフローを含む。
【0047】
ステップ425では、配信サーバ401は、コンテンツソース402から受信した複数のデータセグメント又はフローの各々を送信するためにどの無線通信方式を用いるかを決定する。この決定は、各データセグメント又はフローの優先度又は特性を考慮し、且つ各無線通信方式の特性を考慮する。ステップ425の決定は、図3のステップ302に関して説明された様々な具体例のどれかと同じように行なわれてもよい。ステップ426では、配信サーバ401は、各データセグメント又はフローを、当該データセグメント及びフローの優先度又は特性に基づいて選択された無線通信方式を用いて、ユーザ端末2に送信する。
【0048】
図4を参照して説明された動作によれば、サーバ側システム1は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、無線通信方式の間の安定性又はセキュリティレベルにおける違いを考慮できる。これは、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はフローを異なる特性を持つ複数の無線通信方式を用いて送信又は受信する場合に、通信の安定性又はセキュリティレベルの向上に寄与できる。
【0049】
<第2の実施形態>
本実施形態に係る無線通信システムの構成例は、図1及び図2を参照して説明された複数の構成例のいずれかと同様であってもよい。図5は、サーバ側システム1の動作の一例を示している。図3の動作は、サーバ側システム1に含まれる1つのサーバにより行なわれてもよいし、2以上のサーバにより行なわれてもよい。
【0050】
ステップ501では、サーバ側システム1は、複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式におけるユーザ端末2の通信状態を監視する。サーバ側システム1は、ユーザ端末の無線通信品質を監視してもよい。サーバ側システム1は、ユーザ端末2の通信状態を示す情報を無線通信方式内のノード、例えばアクセスポイント又は基地局31A、31B、及び31Cから受信してもよい。サーバ側システム1は、コアネットワーク32A、32B、及び32C内のノードからユーザ端末2の通信状態を示す情報を受信してもよい。サーバ側システム1は、ユーザ端末2からアプリケーションレイヤの通信を介して、ユーザ端末2の通信状態を示す情報を受信してもよい。
【0051】
ステップ502では、サーバ側システム1は、第1の無線通信方式を介したデータセグメントの送信を止めるかを、第1の無線通信方式におけるユーザ端末の通信状態の変化の予測に基づいて決定する。第1の無線通信方式の利用が停止される場合、サーバ側システム1は、図3を参照して説明された無線通信方式の選択(ステップ302)から第1の無線通信方式を除外してもよい。
【0052】
図6は、サーバ側システム1の動作の一例を示している。図6に示された動作は、図5を参照して説明された動作の具体例の1つである。ステップ601はステップ501と同様である。ステップ602では、サーバ側システム1は、第1の無線通信方式においてユーザ端末2のハンドオーバが発生しそうであると予測したなら、第2の無線通信方式を介したデータセグメントの送信を止める。第1の無線通信方式の利用が停止される場合、サーバ側システム1は、図3を参照して説明された無線通信方式の選択(ステップ302)から第1の無線通信方式を除外してもよい。
【0053】
<その他の実施形態>
図3を参照して説明された無線通信方式の選択動作は、サーバ側システム1以外のノード又は端末により行なわれてもよい。一実装では、ユーザ端末2は、図3を参照して説明された無線通信方式の選択動作又はこれと類似の動作を実行してもよい。
【0054】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係るサーバ側システム1及びユーザ端末2の構成例について説明する。図7は、サーバ側システム1に含まれる1又はそれ以上のサーバの構成例を示すブロック図である。図7の例では、サーバはコンピュータシステム700として実装される。コンピュータシステム700は、1又はそれ以上のプロセッサ710、メモリ720、及びマスストレージ730を含み、これらはバス770を介して互いに通信する。1又はそれ以上のプロセッサ710は、例えば、Central Processing Unit(CPU)若しくはGraphics Processing Unit(GPU)又は両方を含んでもよい。コンピュータシステムは、1又はそれ以上の出力デバイス740、1又はそれ以上の入力デバイス750、及び1又はそれ以上の周辺機器(peripherals)760といった他のデバイスを含んでもよい。1又はそれ以上の周辺機器760は、モデム、若しくはネットワークアダプタ、又はこれらの任意の組み合わせを含でもよい。
【0055】
メモリ720及びマスストレージ730の一方又は両方は、1又はそれ以上の命令セットを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。これらの命令は、部分的に又は完全に1又はそれ以上のプロセッサ710内のメモリに配置されてもよい。これらの命令は、1又はそれ以上のプロセッサ710において実行されたときに、上述の実施形態で説明されたコントローラ7の機能を提供することを1又はそれ以上のプロセッサ710に引き起こす。
【0056】
図8は、ユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ801は、複数の無線通信方式のアクセスポイント及び基地局と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ801は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ801により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ801は、アンテナアレイ802及びベースバンドプロセッサ803と結合される。RFトランシーバ801は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ803から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ802に供給する。また、RFトランシーバ801は、アンテナアレイ802によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ803に供給する。RFトランシーバ801は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0057】
ベースバンドプロセッサ803は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0058】
例えば、ベースバンドプロセッサ803によるデジタルベースバンド信号処理は、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)レイヤ、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、Medium Access Control(MAC)レイヤ、およびPhysical(PHY)レイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ803によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、Radio Resource Control(RRC)プロトコル、MAC Control Elements(CEs)、及びDownlink Control Information(DCIs)の処理を含んでもよい。
【0059】
ベースバンドプロセッサ803は、ビームフォーミングのためのMultiple Input Multiple Output(MIMO)エンコーディング及びプリコーディングを行ってもよい。
【0060】
ベースバンドプロセッサ803は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ804と共通化されてもよい。
【0061】
アプリケーションプロセッサ804は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ804は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ804は、メモリ806又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、ユーザ端末2の各種機能を実現する。
【0062】
幾つかの実装において、図8に破線(805)で示されているように、ベースバンドプロセッサ803及びアプリケーションプロセッサ804は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ803及びアプリケーションプロセッサ804は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス805として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0063】
メモリ806は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ806は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ806は、ベースバンドプロセッサ803、アプリケーションプロセッサ804、及びSoC805からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ806は、ベースバンドプロセッサ803内、アプリケーションプロセッサ804内、又はSoC805内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ806は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0064】
メモリ806は、上述の複数の実施形態で説明されたユーザ端末2による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)807を格納してもよい。幾つかの実装において、ベースバンドプロセッサ803又はアプリケーションプロセッサ804は、当該ソフトウェアモジュール807をメモリ806から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたユーザ端末2の処理を行うよう構成されてもよい。
【0065】
なお、上述の実施形態で説明されたユーザ端末2によって行われるコントロールプレーン処理及び動作は、RFトランシーバ801及びアンテナアレイ802を除く他の要素、すなわちベースバンドプロセッサ803及びアプリケーションプロセッサ804の少なくとも一方とソフトウェアモジュール807を格納したメモリ806とによって実現されることができる。
【0066】
図7及び図8を用いて説明したように、上述の実施形態に係るサーバ側システム1内のサーバ及びユーザ端末2が有する1又はそれ以上のプロセッサは、1又はそれ以上の実施形態で説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行することができる。プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0067】
上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0068】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0069】
(付記1)
特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択する手段を備え、
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む、
1又はそれ以上のサーバを備えるシステム。
(付記2)
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、前記アプリケーションサービスにおける各データセグメント又はデータフローの必須性に関するパラメータを少なくとも含む、
付記1に記載のシステム。
(付記3)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、通信速度又は接続の安定性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記2に記載のシステム。
(付記4)
前記選択する手段は、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より高い通信速度又は接続の安定性レベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行するよう適合される、
付記3に記載のシステム。
(付記5)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさに関するパラメータを少なくとも含む、
付記2に記載のシステム。
(付記6)
前記選択する手段は、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より大きなアクセスポイントあたりのカバレッジエリアを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行するよう適合される、
付記5に記載のシステム。
(付記7)
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、各データセグメント又はデータフローで運ばれるデータの機密性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記1に記載のシステム。
(付記8)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、セキュリティレベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記7に記載のシステム。
(付記9)
前記選択する手段は、データセグメント又はデータフローの機密性レベルが高いほど、より高いセキュリティレベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行するよう適合される、
付記8に記載のシステム。
(付記10)
前記複数のデータセグメント又はデータフローの受信又は送信のために前記複数の無線通信方式がどのように使用されるかを前記ユーザ端末に知らせる手段をさらに備える、
付記1~9のいずれか1項に記載のシステム。
(付記11)
前記複数のデータセグメント又はデータフローを、異なる特性を持つ前記複数の無線通信方式を使用して前記ユーザ端末に送信する又は前記ユーザ端末から受信する手段をさらに備える、
付記1~10のいずれか1項に記載のシステム。
(付記12)
前記送信又は受信する手段は、前記複数のデータセグメント又はデータフローを、前記複数の無線通信方式を同時に使用して前記ユーザ端末に送信する又は前記ユーザ端末から受信するよう適合される、
付記11に記載のシステム。
(付記13)
前記特定のアプリケーションサービスは、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスを含む、
付記1~12のいずれか1項に記載のシステム。
(付記14)
前記複数の無線通信方式は、Long Term Evolution(LTE)方式、5G方式、及びInstitute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) 802.11方式を含む、
付記1~13のいずれか1項に記載のシステム。
(付記15)
前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止めるかを、前記第1の無線通信方式における前記ユーザ端末の通信状態の変化の予測に基づいて決定する手段をさらに備える、
付記1~14のいずれか1項に記載のシステム。
(付記16)
前記選択する手段は、前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式において前記ユーザ端末のハンドオーバが発生しそうであると予測したなら、前記第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止める手段をさらに備える、
付記1~15のいずれか1項に記載のシステム。
(付記17)
前記システムは、前記複数の無線通信方式のうち少なくとも1つの無線アクセスネットワーク内のアクセスポイントに近接して配置されたエッジコンピューティング・サーバを含む、
付記1~16のいずれか1項に記載のシステム。
(付記18)
特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択することを備え、
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む、
1又はそれ以上のサーバを含むシステムにより行なわれる方法。
(付記19)
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、前記アプリケーションサービスにおける各データセグメント又はデータフローの必須性に関するパラメータを少なくとも含む、
付記18に記載の方法。
(付記20)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、通信速度又は接続の安定性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記19に記載の方法。
(付記21)
前記選択することは、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より高い通信速度又は接続の安定性レベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行することを含む、
付記20に記載の方法。
(付記22)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさに関するパラメータを少なくとも含む、
付記19に記載の方法。
(付記23)
前記選択することは、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より大きなアクセスポイントあたりのカバレッジエリアを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行することを含む、
付記22に記載の方法。
(付記24)
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、各データセグメント又はデータフローで運ばれるデータの機密性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記18に記載の方法。
(付記25)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、セキュリティレベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記24に記載の方法。
(付記26)
前記選択することは、データセグメント又はデータフローの機密性レベルが高いほど、より高いセキュリティレベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行することを含む、
付記25に記載の方法。
(付記27)
前記複数のデータセグメント又はデータフローの受信又は送信のために前記複数の無線通信方式がどのように使用されるかを前記ユーザ端末に知らせることをさらに備える、
付記18~26のいずれか1項に記載の方法。
(付記28)
前記複数のデータセグメント又はデータフローを、異なる特性を持つ前記複数の無線通信方式を使用して前記ユーザ端末に送信する又は前記ユーザ端末から受信することをさらに備える、
付記18~27のいずれか1項に記載の方法。
(付記29)
前記送信又は受信することは、前記複数のデータセグメント又はデータフローを、前記複数の無線通信方式を同時に使用して前記ユーザ端末に送信する又は前記ユーザ端末から受信することを含む、
付記28に記載の方法。
(付記30)
前記特定のアプリケーションサービスは、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスを含む、
付記18~29のいずれか1項に記載の方法。
(付記31)
前記複数の無線通信方式は、Long Term Evolution(LTE)方式、5G方式、及びInstitute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) 802.11方式を含む、
付記18~30のいずれか1項に記載の方法。
(付記32)
前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止めるかを、前記第1の無線通信方式における前記ユーザ端末の通信状態の変化の予測に基づいて決定することをさらに備える、
付記18~31のいずれか1項に記載の方法。
(付記33)
前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式において前記ユーザ端末のハンドオーバが発生しそうであると予測したなら、前記第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止めることをさらに備える、
付記18~32のいずれか1項に記載の方法。
(付記34)
前記システムは、前記複数の無線通信方式のうち少なくとも1つの無線アクセスネットワーク内のアクセスポイントに近接して配置されたエッジコンピューティング・サーバを含む、
付記18~33のいずれか1項に記載の方法。
(付記35)
1又はそれ以上のサーバを含むシステムのための方法コンピュータに行なわせるためのプログラムであって、
前記方法は、特定のアプリケーションサービスに関する複数のデータセグメント又はデータフローの各々のユーザ端末への送信又は前記ユーザ端末からの受信のために使用される無線通信方式を、各データセグメント又はデータフローの優先度又は特性に関する1又はそれ以上の第1のパラメータ、及び各無線通信方式の特性に関する1又はそれ以上の第2のパラメータに基づいて、複数の無線通信方式から選択することを備え、
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさ、ハンドオーバの発生頻度、通信速度又は接続の安定性レベル、及びセキュリティレベルのうち少なくとも1つに関する少なくとも1つのパラメータを含む、
プログラム。
(付記36)
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、前記アプリケーションサービスにおける各データセグメント又はデータフローの必須性に関するパラメータを少なくとも含み、
付記35に記載のプログラム。
(付記37)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、通信速度又は接続の安定性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記36に記載のプログラム。
(付記38)
前記選択することは、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より高い通信速度又は接続の安定性レベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行することを含む、
付記37に記載のプログラム。
(付記39)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、アクセスポイントあたりのカバレッジエリアの大きさに関するパラメータを少なくとも含む、
付記36に記載のプログラム。
(付記40)
前記選択することは、データセグメント又はデータフローの必須性が高いほど、より大きなアクセスポイントあたりのカバレッジエリアを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行することを含む、
付記39に記載のプログラム。
(付記41)
前記1又はそれ以上の第1のパラメータは、各データセグメント又はデータフローで運ばれるデータの機密性レベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記35に記載のプログラム。
(付記42)
前記1又はそれ以上の第2のパラメータは、セキュリティレベルに関するパラメータを少なくとも含む、
付記41に記載のプログラム。
(付記43)
前記選択することは、データセグメント又はデータフローの機密性レベルが高いほど、より高いセキュリティレベルを有する無線通信方式に当該データセグメント又はデータフローが割り当てられるように、無線通信方式の選択を実行することを含む、
付記42に記載のプログラム。
(付記44)
前記方法は、前記複数のデータセグメント又はデータフローの受信又は送信のために前記複数の無線通信方式がどのように使用されるかを前記ユーザ端末に知らせることをさらに備える、
付記35~43のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記45)
前記複数のデータセグメント又はデータフローを、異なる特性を持つ前記複数の無線通信方式を使用して前記ユーザ端末に送信する又は前記ユーザ端末から受信することをさらに備える、
付記35~44のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記46)
前記送信又は受信することは、前記複数のデータセグメント又はデータフローを、前記複数の無線通信方式を同時に使用して前記ユーザ端末に送信する又は前記ユーザ端末から受信することを含む、
付記45に記載のプログラム。
(付記47)
前記特定のアプリケーションサービスは、視覚障がい者向けの歩行ナビゲーション・サービスを含む、
付記35~46のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記48)
前記複数の無線通信方式は、Long Term Evolution(LTE)方式、5G方式、及びInstitute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) 802.11方式を含む、
付記35~47のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記49)
前記方法は、前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止めるかを、前記第1の無線通信方式における前記ユーザ端末の通信状態の変化の予測に基づいて決定することをさらに備える、
付記35~48のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記50)
前記方法は、前記複数の無線通信方式に含まれる第1の無線通信方式において前記ユーザ端末のハンドオーバが発生しそうであると予測したなら、前記第1の無線通信方式を介したデータセグメント又はデータフローの送信を止めることをさらに備える、
付記35~49のいずれか1項に記載のプログラム。
(付記51)
前記システムは、前記複数の無線通信方式のうち少なくとも1つの無線アクセスネットワーク内のアクセスポイントに近接して配置されたエッジコンピューティング・サーバを含む、
付記35~50のいずれか1項に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0070】
1 サーバ側システム
2 ユーザ端末
3A LTE方式
3B 5G方式
3C Wi-Fi方式
11 クラウドサーバ
12 MECサーバ
13 トランスポートネットワーク
401 配信サーバ
402 コンテンツソース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8