(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172932
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】データクレンジングシステム、データクレンジング装置、データクレンジング方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20241205BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091006
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】市原 大樹
(72)【発明者】
【氏名】福田 ゆき香
(72)【発明者】
【氏名】奥田 恭子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 美智子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅紗世
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】医療情報をデータクレンジングすること。
【解決手段】データクレンジングシステムは、電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得部と、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得部と、前記一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、前記医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング部と、を備えるデータクレンジングシステムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得部と、
一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得部と、
前記一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、前記医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング部と、
を備えるデータクレンジングシステム。
【請求項2】
前記医療情報は、治療に用いた医薬品情報、検査情報、傷病情報、医療機関情報の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載のデータクレンジングシステム。
【請求項3】
前記一つまたは複数の医療情報マスタデータは、一つまたは複数の医薬品情報のマスタデータ、一つまたは複数の検査情報のマスタデータ、一つまたは複数の傷病情報のマスタデータ、一つまたは複数の医療機関情報のマスタデータの少なくともいずれかのマスタデータを含む、
請求項2に記載のデータクレンジングシステム。
【請求項4】
一つまたは複数の外部マスタデータを取得する外部マスタデータ取得部をさらに備え、
前記データクレンジング部は、前記医療情報マスタデータおよび前記外部マスタデータに基づいて前記医療情報をデータクレンジングする、
請求項3に記載のデータクレンジングシステム。
【請求項5】
ユーザから入力される選択項目に応じて、提示情報を生成する提示情報生成部、
をさらに備える請求項4に記載のデータクレンジングシステム。
【請求項6】
電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得部と、
一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得部と、
前記一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、前記医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング部と、
を備えるデータクレンジング装置。
【請求項7】
コンピュータが実行するデータクレンジング方法であって、
電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得過程と、
一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得過程と、
前記一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、前記医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング過程と、
を有するデータクレンジング方法。
【請求項8】
コンピュータに、
電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得ステップと、
一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得ステップと、
前記一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、前記医療情報をデータクレンジングするデータクレンジングステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データクレンジングシステム、データクレンジング装置、データクレンジング方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療情報を活用するシステムとして、レセプト情報を収集し、加工したデータを提供するシステムがある(例えば特許文献1参照)。例えば、レセプト情報に基づいて、患者に対して処方される複数の薬剤の組み合わせを確認することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、処方された薬剤を把握することができるが、薬剤名や薬剤の識別情報などが統一されていない場合には、薬剤情報を得ることができない可能性があった。また、薬剤情報などの医療情報を分析する場合には、分析できない可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、医療情報をデータクレンジングすることができるデータクレンジングシステム、データクレンジング装置、データクレンジング方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、データクレンジングシステムであって、電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得部と、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得部と、一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング部と、を備えるデータクレンジングシステムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、データクレンジング装置であって、電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得部と、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得部と、一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング部と、を備えるデータクレンジング装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、コンピュータが実行するデータクレンジング方法であって、電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得過程と、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得過程と、一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング過程と、を有するデータクレンジング方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、プログラムであって、コンピュータに、電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得ステップと、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得ステップと、一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、医療情報をデータクレンジングするデータクレンジングステップとを実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明の一態様によれば、医療情報をデータクレンジングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るデータクレンジングシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本実施形態に係るデータクレンジング装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るデータクレンジング装置が記憶する医療情報マスタデータの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るデータクレンジング装置における医療情報のデータクレンジングの一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るデータクレンジング装置における医療情報のデータクレンジングの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るデータクレンジング装置における医療情報マスタデータの他の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るデータクレンジング装置における医療情報のデータクレンジングの他の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るデータクレンジング装置におけるデータクレンジング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るデータクレンジング装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】本実施形態に係るデータクレンジング装置における提示情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデータクレンジングシステムSYSの構成の一例を示すシステム構成図である。
データクレンジングシステムSYSは、電子カルテ情報を含む医療情報を取得し、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得し、一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、医療情報をデータクレンジングするデータクレンジングシステムである。
【0013】
データクレンジングは、レコードセット、テーブル、またはデータベースから破損または不正確なレコードを検出して修正するプロセスである。より具体的には、データクレンジングは、データの不完全、不正確、または無関係な部分を特定し、置換、変更、または削除することである。
【0014】
医療情報は、治療に用いた医薬品情報、検査情報、傷病情報、医療機関情報の少なくともいずれかを含む。医薬品情報は、薬剤の識別情報、薬剤の名称などの情報である。検査情報は、各種検査結果を示す検査データ、診断画像データなどの情報である。傷病情報は、傷病名、傷病の識別情報などの情報である。医療機関情報は、医療機関名、医療機関の所在地、医療機関の識別情報などの情報である。医療機関は、病院、診療所、クリニック、薬局、介護施設、その他の医療を提供する施設である。
【0015】
一つまたは複数の医療情報マスタデータは、一つまたは複数の医薬品情報のマスタデータ、一つまたは複数の検査情報のマスタデータ、一つまたは複数の傷病情報のマスタデータ、一つまたは複数の医療機関情報のマスタデータの少なくともいずれかのマスタデータを含む。医療情報マスタデータは、医療情報をデータクレンジングする際に参照される基準データ(標準データ)である。
【0016】
また、データクレンジングシステムSYSは、一つまたは複数の外部マスタデータを取得し、医療情報マスタデータおよび外部マスタデータに基づいて医療情報をデータクレンジングするデータクレンジングシステムである。
【0017】
図1において、データクレンジングシステムSYSは、データクレンジング装置10と、医療情報管理装置20と、データ加工管理装置30と、を含む。
データクレンジング装置10と、医療情報管理装置20と、データ加工管理装置30とは、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される。
【0018】
データクレンジング装置10は、ネットワークなどの通信網を介してデータ加工管理装置30と通信可能に接続される。
データクレンジング装置10は、データ加工管理装置30から送信される匿名加工データを医療情報として受信して記憶する。匿名加工データを受信するタイミングとしては、例えば、一定期間毎(例えば3ヶ月毎)である。データクレンジング装置10は、匿名加工データをデータクレンジングして記憶する。
【0019】
医療情報管理装置20は、地域医療ネットワークシステムに接続される。また、医療情報管理装置20は、病院やクリニック等に設けられた端末装置、データ加工管理装置30と相互に通信可能に接続される。
医療情報管理装置20は、地域医療ネットワークシステムの記憶装置に記憶された電子カルテデータ、病院やクリニック等に設けられた端末装置から入力される電子カルテデータなどの医療情報を取得する。医療情報管理装置20は、取得した医療情報を、データベース等の記憶装置に書き込むことで記憶する。
【0020】
電子カルテデータには、患者に診療に関するデータが含まれており、例えば、患者の基本情報、診療情報、検査情報、処置情報、投薬情報などが含まれる。
患者の基本情報は、患者に関する基本的な各種情報を含むものであり、例えば、患者名、住所、性別、生年月日、連絡先、身長、体重、既往歴などが含まれる。
診療情報は、診療内容に関する情報が含まれるものであり、例えば、診療日、自覚症状、診断名(傷病名または疾患名)、治療方針、医師からの指示、医師の診察の結果(所見等)等が含まれる。
検査情報は、患者に対して各種検査を行った結果が含まれるものであり、例えば、血液検査を行った結果、レントゲンを撮影した画像データ、超音波診断装置により診断をした画像データ等がある。
処置情報は、患者に対して行った処置の内容や、手術の内容等が含まれる。
投薬情報は、患者に対して投薬する内容を表す情報であり、投薬日時、薬剤等が含まれる。
【0021】
医療情報管理装置20は、データベースに蓄積された電子カルテデータを一定期間毎(例えば、3ヶ月毎等)、または、一定程度のデータが蓄積されると、データ加工管理装置30に送信する。
【0022】
データ加工管理装置30は、ネットワークなどの通信網を介してデータクレンジング装置10、医療情報管理装置20と通信可能に接続される。
データ加工管理装置30は、医療情報管理装置20から送信される電子カルテデータを受信して記憶する。
データ加工管理装置30は、電子カルテデータのうち、個人に関する情報について、個人が特定されないようなデータに加工する。例えば、データ加工管理装置30は、記憶した電子カルテデータに含まれる患者毎に、患者を識別する患者IDを付与し、患者名を患者IDに置換した匿名加工データを生成する。データ加工管理装置30は、生成した匿名加工データを、データ加工管理装置30内のデータベースに記憶する。
【0023】
なお、データ加工管理装置30は、匿名加工データにおける、電子カルテデータに含まれる病院名、クリニック名等についても、病院やクリニックを識別可能な施設IDに置換した匿名加工データを生成し、データ加工管理装置30内のデータベースに記憶するようにしてもよい。また、データ加工管理装置30は、患者年齢について80歳以上を80歳、5歳未満を4歳、5歳から80歳未満の年齢については、5歳刻みとなるように加工した、匿名加工データを生成し、データ加工管理装置30内のデータベースに記憶するようにしてもよい。
【0024】
なお、データクレンジングシステムSYSは、端末装置をさらに備えてもよい。この場合、端末装置は、データクレンジング装置10に対して、ネットワークを介して通信可能に接続されればよい。端末装置の利用者は、例えば、製薬会社、医療機器メーカ等である。
例えば、データクレンジング装置10は、端末装置から送信される要求に応じて、匿名加工データのデータクレンジングを行い、データクレンジング後の匿名加工データを端末装置に送信してもよい。
【0025】
次いで、データクレンジング装置10の構成について説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10の構成の一例を示すブロック図である。
データクレンジング装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。
通信部11は、データ加工管理装置30と通信する機能有する。通信部11は、データ加工管理装置30から受信した各種情報を、制御部15に出力する。また、通信部11は、制御部15から出力される各種情報を、データ加工管理装置30に送信する。
【0027】
記憶部12は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部12は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0028】
記憶部12は、各種データを記憶する。例えば、記憶部12は、医療情報マスタデータ121を記憶する。また、例えば、記憶部12は、通信部11およびネットワークを介して取得した、外部のマスタデータ管理装置が記憶する外部マスタデータ122を記憶する。また、例えば、記憶部12は、データ加工管理装置30から通信部11を介して受信した匿名加工データを医療情報123として記憶する。
【0029】
入力部13は、データクレンジング装置10に接続されるマウス、キーボードなどの入力装置である。入力部13は、外部から入力される操作入力を受け付ける。入力部13は、操作入力に応じた操作信号を制御部15に出力する。
【0030】
出力部14は、表示装置などの出力装置である。出力部14は、制御部15から出力されるデータクレンジング後の匿名加工データを出力装置、あるいは他の装置に出力する。
【0031】
制御部15は、データクレンジング装置10の各部を制御する機能を有する。
制御部15は、医療情報取得部151と、マスタデータ取得部152と、外部マスタデータ取得部153と、データクレンジング部154と、マスタデータ更新部155と、を含んで構成される。
医療情報取得部151は、複数の患者の電子カルテデータを含む医療情報を記憶部12から取得する。医療情報取得部151は、医療情報123をデータクレンジング部154に出力する。
【0032】
なお、記憶部12が記憶する医療情報に含まれる電子カルテデータは、データ加工管理装置30が管理する匿名加工データであってもよいし、医療情報管理装置20が管理する匿名加工されていない電子カルテデータであってもよい。また、医療情報は、匿名加工データだけでなく他のデータも含まれていてもよい。
【0033】
マスタデータ取得部152は、一つ又は複数の医療情報マスタデータを記憶部12から取得する。マスタデータ取得部152は、医療情報マスタデータ121をデータクレンジング部154に出力する。
【0034】
なお、一つ又は複数の医療情報マスタデータは、記憶部12に予め記憶されていてもよいし、医療情報マスタデータを記憶する外部装置から取得してもよい。
【0035】
外部マスタデータ取得部153は、外部マスタデータを記憶部12から取得する。外部マスタデータ取得部153は、外部マスタデータ122をデータクレンジング部154に出力する。
【0036】
なお、外部マスタデータは、外部装置から直接取得してもよい。
【0037】
データクレンジング部154は、電子カルテデータ(匿名加工データ)に含まれる、傷病情報、検査情報、医薬品情報、医療機関情報のうち少なくともいずれか1つの項目のデータと医療情報マスタデータおよび/または外部マスタデータとに基づいて、データクレンジングを行う。
【0038】
例えば、データクレンジング部154は、匿名加工データに含まれるデータから、薬剤の名称(与薬名称1)および薬剤コード(与薬コード1)、薬剤の名称(与薬名称2)および薬剤コード(与薬コード2)を抽出する。匿名加工データにおける薬剤の名称(与薬名称1)および薬剤コード(与薬コード1)は、当該匿名加工データに対応する医療機関における標準データである。また、匿名加工データにおける薬剤の名称(与薬名称2)および薬剤コード(与薬コード2)は、当該医療機関において電子カルテなどで用いられる与薬名称および与薬コードである。
【0039】
また、データクレンジング部154は、一つまたは複数の医療情報マスタデータのうち、一つまたは複数の医薬品情報のマスタデータから薬剤の名称(与薬名称2)または/および薬剤コード(与薬コード2)に対応する薬剤の名称(与薬名称1)および薬剤コード(与薬コード1)を抽出する。データクレンジング部154は、匿名加工データにおける与薬名称1と医療情報マスタデータにおける与薬名称1とが一致するか否か、および匿名加工データにおける与薬コード1と医療情報マスタデータとにおける与薬コード1が一致するか否か、をそれぞれ判定する。データクレンジング部154は、与薬名称及び与薬コードが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致しない場合、匿名加工データにおける不一致の与薬名称1および与薬コード1を、医療情報マスタデータにおける与薬名称1および与薬コード1に置換することで医療情報をデータクレンジングする。
【0040】
なお、匿名加工データにおける与薬名称2と、医療情報マスタデータにおける与薬名称2とが一致しない場合、データクレンジング部154は、匿名加工データにおける与薬名称2と最も類似する与薬名称2を医療情報マスタデータから抽出し、匿名加工データにおける与薬名称2を、医療情報マスタデータにおける与薬名称2に置換してもよい。この場合、データクレンジング部154は、置換した与薬名称2に基づいて与薬名称1などが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致するか否かを判定することで医療情報をデータクレンジングしてもよい。
【0041】
また、例えば、データクレンジング部154は、匿名加工データに含まれるデータから、傷病の名称(傷病名称1)および傷病コード(傷病コード1)、傷病の名称(傷病名称2)および傷病コード(傷病コード2)を抽出する。匿名加工データにおける傷病の名称(傷病名称1)および傷病コード(与薬コード1)は、当該匿名加工データに対応する医療機関における標準データである。また、匿名加工データにおける傷病の名称(傷病名称2)および傷病コード(傷病コード2)は、当該医療機関において電子カルテなどで用いられる傷病名称および傷病コードである。
【0042】
また、データクレンジング部154は、一つまたは複数の医療情報マスタデータのうち、一つまたは複数の傷病情報のマスタデータから傷病の名称(傷病名称2)または/および傷病コード(傷病コード2)に対応する傷病の名称(傷病名称1)および傷病コード(傷病コード1)を抽出する。データクレンジング部154は、匿名加工データにおける与薬名称1と医療情報マスタデータにおける傷病名称1とが一致するか否か、および匿名加工データにおける傷病コード1と医療情報マスタデータとにおける傷病コード1が一致するか否か、をそれぞれ判定する。データクレンジング部154は、傷病名称及び傷病コードが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致しない場合、匿名加工データにおける不一致の傷病名称1および傷病コード1を、医療情報マスタデータにおける傷病名称1および傷病コード1に置換することで医療情報をデータクレンジングする。
【0043】
なお、匿名加工データにおける傷病名称2と、医療情報マスタデータにおける傷病名称2とが一致しない場合、データクレンジング部154は、匿名加工データにおける与薬名称2と最も類似する傷病名称2を医療情報マスタデータから抽出し、匿名加工データにおける傷病名称2を、医療情報マスタデータにおける傷病名称2に置換してもよい。この場合、データクレンジング部154は、置換した傷病名称2に基づいて傷病名称1などが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致するか否かを判定することで医療情報をデータクレンジングしてもよい。
【0044】
また、例えば、データクレンジング部154は、匿名加工データに含まれるデータから、医療機関の名称(医療機関名)および医療機関コードを抽出する。
また、データクレンジング部154は、一つまたは複数の医療情報マスタデータのうち、一つまたは複数の医療機関情報のマスタデータから医療機関の名称(医療機関名)または/および医療機関コードを抽出する。データクレンジング部154は、匿名加工データにおける医療機関名と医療情報マスタデータにおける医療機関名とが一致するか否か、および匿名加工データにおける医療機関コードと医療情報マスタデータにおける医療機関コードとが一致するか否か、をそれぞれ判定する。データクレンジング部154は、医療機関名及び医療機関コードが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致しない場合、匿名加工データにおける不一致の医療機関名および医療機関コードを、医療情報マスタデータにおける医療機関名および医療機関コードに置換することで医療情報をデータクレンジングする。
【0045】
なお、匿名加工データにおける医療機関名と、医療情報マスタデータにおける医療機関名とが一致しない場合、データクレンジング部154は、匿名加工データにおける医療機関名と最も類似する医療機関名を医療情報マスタデータから抽出し、匿名加工データにおける医療機関名を、医療情報マスタデータにおける医療機関名に置換してもよい。この場合、データクレンジング部154は、置換した医療機関名に基づいて医療機関コードが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致するか否かを判定することで医療情報をデータクレンジングしてもよい。
【0046】
例えば、データクレンジング部154は、匿名加工データに含まれるデータから、検査項目および検査値を抽出する。例えば、データクレンジング部154は、匿名加工データに含まれる血液検査の検査情報から、血液検査の検査項目および各検査値を抽出する。検査項目または検査値には、検査項目ごとの検査値に対応する単位も含まれる。単位は、例えば、ng/dL、ng/mL、ng/L、g/dL、mg/dL、mg/L、g/L、U/dL、U/mL、μL、dB、%、pg、mm、cm、mなどの検査項目に対応する単位である。検査値は、例えば、数値に加えて、色、+、-、±、(+)、(-)、(±)、陽性、陰性、陽、陰などの文字列も含まれる。
【0047】
また、データクレンジング部154は、一つまたは複数の医療情報マスタデータのうち、一つまたは複数の検査情報のマスタデータから検査項目に対応する検査値の単位や検査値のデータ形式を抽出する。
データクレンジング部154は、匿名加工データにおける検査値の単位と検査値のデータ形式とが医療情報マスタデータにおける検査値の単位と検査値のデータ形式と一致するか否かを判定する。データクレンジング部154は、検査値の単位と検査値のデータ形式とが匿名加工データと医療情報マスタデータとで一致しない場合、匿名加工データにおける不一致の検査値の単位と検査値のデータ形式とを、医療情報マスタデータにおける検査値の単位と検査値のデータ形式とに変換することで医療情報をデータクレンジングする。
【0048】
データクレンジング部154は、データクレンジングした医療情報を、記憶部12に記憶させる。
【0049】
マスタデータ更新部155は、ユーザ操作あるいは所定期間(例えば2ヶ月)ごとに、他のサービス事業者などの外部装置から各種マスタデータ(外部マスタデータ122)と、医療情報マスタデータ121と、を読み出し、医療情報マスタデータを更新する。具体的には、マスタデータ更新部155は、外部マスタデータを医療情報マスタデータへの追加する処理、外部マスタデータによる医療情報マスタデータを修正、削除する処理、検査項目ごとの検査値の最頻単位および検査値のデータ形式を機械学習する処理などを行う。検査値の最頻単位および検査値のデータ形式の機械学習は、検査項目と、単位を含む検査値および検査値のデータ形式との対応関係を学習した学習モデルを生成することで行われる。生成した学習モデルは、検査項目または単位を含む検査値を入力すると、最頻単位および検査値のデータ形式が出力される。
マスタデータ更新部155は、更新後の医療情報マスタデータを、記憶部12に記憶させる。
【0050】
なお、上述した通信部11、医療情報取得部151、マスタデータ取得部152、外部マスタデータ取得部153、データクレンジング部154、マスタデータ更新部155の機能の一部または全部を、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成することで実現するようにしてもよい。
【0051】
次に、データ加工管理装置30の動作について説明する。
【0052】
図3は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10が記憶する医療情報マスタデータの一例を示す図である。
ここでは、データクレンジング装置10は、一つまたは複数の医療情報マスタデータを記憶する。
図3に示す例では、データクレンジング装置10は、21種類の医療情報マスタデータを記憶する。
例えば、データクレンジング装置10は、医療情報マスタデータとして、各医療情報マスタデータを識別する識別情報と、医療情報マスタデータの名称と、医療情報マスタデータの分類とを対応付けて記憶する。分類「医薬品」は、医薬品情報に関連する医療情報マスタデータである。分類「部位」は、部位情報に関連する医療情報マスタデータである。分類「検査」は、検査情報に関連する医療情報マスタデータである。分類「傷病」は、傷病情報に関連する医療情報マスタデータである。分類「施設」は、医療機関情報に関連する医療情報マスタデータである。データクレンジング装置10は、分類ごとに、一つまたは複数の医療情報マスタデータを記憶する。
【0053】
なお、図示する医療情報マスタデータは、一例であり、データクレンジングする医療情報に応じた医療情報マスタデータをデータクレンジング装置10が記憶していればよい。例えば、医療機器の名称や医療機器コードをデータクレンジングする場合には、医療機器の名称と医療機器コードとが対応付けられた医療情報マスタデータをデータクレンジング装置10が記憶していればよい。
【0054】
次いで、医療情報のデータクレンジングの一例について説明する。
【0055】
図4は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10における医療情報のデータクレンジングの一例を示す図である。また、
図5は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10における医療情報のデータクレンジングの一例を示す図である。
図4および
図5に示す例は、薬剤の名称および薬剤のコードをデータクレンジングする場合の一例である。
図4および
図5に示す例において、与薬コード1、与薬名称1、与薬コード体系1は、標準データとして医療機関などにおいてあらかじめ登録されている薬剤のコード、および薬剤の名称の標準データである。与薬コード2、与薬名称2、与薬コード体系2は、当該医療機関において電子カルテなどで用いられる薬剤のコード、および薬剤の名称である。与薬コード1、与薬コード2は、薬剤の識別情報である。与薬名称1、与薬名称2は、薬剤の名称である。与薬コード体系1、与薬コード体系2は、与薬コード1、与薬コード2の識別情報の体系を示す情報である。
【0056】
図4では、標準データとして与薬名称1および与薬名称2が異なる薬剤の名称で対応付けられている。
データクレンジング装置10は、
図4のように不適切に対応付けらえた標準データを、医療情報マスタデータを参照して、医療情報をデータクレンジングする。
データクレンジング装置10は、医薬品の医療情報マスタデータを記憶部12から読み出し、
図4に示す与薬名称2と一致する与薬名称2に対応付けられた与薬コード1および与薬名称1を医療情報マスタデータから抽出する。データクレンジング装置10は、医療情報マスタデータから抽出した与薬コード1および与薬名称1を用いて、
図4に示す医療情報の与薬コード1および与薬名称1を置換し、
図5に示すような医療情報にデータクレンジングする。なお、与薬コード体系1は、医療情報のデータクレンジングに応じて、与薬コード1に対応する与薬コード体系1に更新される。
【0057】
次いで、医療情報のデータクレンジングの他の一例について説明する。
【0058】
図6は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10における医療情報マスタデータの他の一例を示す図である。
図示する例は、医療情報が検査情報である場合のある検査項目に対応する医療情報マスタデータの一例である。
より具体的には、図示する例は、ある検査項目について、検査値の単位のデータクレンジングに用いられる医療情報マスタデータの一例である。当該医療情報マスタデータは、データクレンジング装置10が匿名加工データについて、ある検査項目の検査値の単位を機械学習によって生成される。
図示する例において、医療情報マスタデータには、単位と、当該単位を構成する分子、当該単位を構成する分母と、当該単位が用いられている頻度と、が対応付けられている。
データクレンジング装置10は、匿名加工データから検査データを取得し、医療情報マスタデータを参照して検査値の単位を、最頻単位を用いて変換することでデータクレンジングする。図示する例では、最頻単位は「51.5」%である「g/dL」が用いられる。
【0059】
図7は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10における医療情報のデータクレンジングの他の一例を示す図である。
図示する例は、匿名加工データに含まれる検査情報の検査値を表す「元データ」と、データクレンジング後の検査値とを表す。
例えば、データクレンジング装置10は、図示するように、ある検査項目の検査値の「10 g/L」を、医療情報マスタデータを参照して最頻単位である「g/dL」を用いて「1 g/dL」のように、検査値および単位を変換することで医療情報をデータクレンジングする。また、例えば、データクレンジング装置10は、ある検査項目の検査値の「1 10^2 g/L」を、医療情報マスタデータを参照して最頻単位である「g/dL」を用いて「10 g/dL」のように、検査値および単位を変換することで医療情報をデータクレンジングする。
【0060】
次いで、データクレンジング処理について説明する。
【0061】
図8は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10におけるデータクレンジング処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、データクレンジング装置10は、記憶部12から電子カルテデータを含む医療情報を取得する。その後、データクレンジング装置10は、ステップS102の処理を実行する。
【0062】
ステップS102において、データクレンジング装置10は、記憶部12から医療情報マスタデータを取得する。その後、データクレンジング装置10は、ステップS103の処理を実行する。
【0063】
ステップS103において、データクレンジング装置10は、医療情報のデータ形式が適切であるか否かを、医療情報マスタデータを参照して判定する。医療情報のデータ形式が適切である場合(ステップS103 YES)、データクレンジング装置10は、医療情報をデータクレンジングせずに、
図8に係るデータクレンジング処理を終了する。一方、医療情報のデータ形式が適切でない場合(ステップS103 NO)、データクレンジング装置10は、ステップS104の処理を実行する。
【0064】
ステップS104において、データクレンジング装置10は、医療情報マスタデータを参照して、医療情報をデータクレンジングする。その後、データクレンジング装置10は、データクレンジング後の医療情報を記憶部12に記憶させ、
図8に係るデータクレンジング処理を終了する。
【0065】
このように、本実施形態に係るデータクレンジングシステムSYSは、電子カルテ情報を含む医療情報を取得する医療情報取得部151と、一つまたは複数の医療情報マスタデータを取得するマスタデータ取得部152と、一つまたは複数の医療情報マスタデータに基づいて、医療情報をデータクレンジングするデータクレンジング部154と、を備える。
【0066】
このようにすることで、データクレンジングシステムSYSは、医療情報をデータクレンジングすることができる。また、医療情報のデータ形式が変更になった場合であっても、適切にデータクレンジングすることができる。また、分析などの統計データを用いる際にも、適切に統計データを生成することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0067】
また、上述のデータクレンジングシステムSYSにおいて、医療情報は、治療に用いた医薬品情報、検査情報、傷病情報、医療機関情報の少なくともいずれかを含む。
【0068】
このようにすることで、医薬品、検査データ、傷病、医療機関などの名称、識別情報、検査値の単位、検査値のデータ形式などをデータクレンジングすることができる。
【0069】
また、上述のデータクレンジングシステムSYSにおいて、一つまたは複数の医療情報マスタデータは、一つまたは複数の医薬品情報のマスタデータ、一つまたは複数の検査情報のマスタデータ、一つまたは複数の傷病情報のマスタデータ、一つまたは複数の医療機関情報のマスタデータの少なくともいずれかのマスタデータを含む。
【0070】
このようにすることで、様々な医療情報をデータクレンジングすることができる。
【0071】
また、上述のデータクレンジングシステムSYSにおいて、一つまたは複数の外部マスタデータを取得する外部マスタデータ取得部153をさらに備え、データクレンジング部154は、医療情報マスタデータおよび外部マスタデータに基づいて医療情報をデータクレンジングする。
【0072】
医療情報マスタデータを増強することができるため、データクレンジング可能な医療情報の種類を増加させることができる。
【0073】
(第2の実施形態)
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、データクレンジング後の医療情報を用いたサービスの一例について説明する。
ここで、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なる部分を中心に説明し、それ以外の部分については、第1の実施形態を援用して説明を省略する。
【0074】
図9は、本発明の第2の実施形態に係るデータクレンジング装置10の構成の一例を示すブロック図である。
データクレンジング装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。
【0075】
記憶部12は、医療情報マスタデータ121と、外部マスタデータ122と、医療情報123と、を記憶する。
医療情報123は、傷病コード、疾患名、治療手段、投薬情報、投薬期間、入院期間、経過情報などを患者IDごとに記憶する。投薬情報は、処方した薬剤の情報、例えば、与薬コードや与薬名、処方量、容量、用法などが含まれる。投薬期間は、服薬期間、例えば、服薬開始年月日から服薬終了年月日、3日間、1週間、1ヵ月などの情報である。入院期間は、入院年月日及び退院年月日、入院日数などの入院期間の情報である。経過情報は、治療による様態を表す診察経過情報や、検査データなどの経過情報である。
また、医療情報123は、医療機関IDごとに、病床数、病床稼働率、病床回転率、医師数、看護師数などを記憶する。
【0076】
制御部15は、医療情報取得部151と、マスタデータ取得部152と、外部マスタデータ取得部153と、データクレンジング部154と、マスタデータ更新部155と、提示情報生成部156と、を含んで構成される。
提示情報生成部156は、提示情報を生成する。具体的には、提示情報生成部156は、提示する項目をユーザに選択させ、選択された項目の提示情報を生成する。
例えば、ユーザが「細菌性肺炎」を疾病として選択したことに基づいて、提示情報生成部156は、自院における「細菌性肺炎」の患者の治療に用いた投薬情報と、投薬期間、入院期間、経過情報などと、匿名加工データに含まれる他院における「細菌性肺炎」の患者の治療に用いた投薬情報と、投薬期間、入院期間、経過情報などとを記憶部12が記憶する医療情報123から抽出する。提示情報生成部156は、抽出した各情報について、自院及び他院のそれぞれにおいて各情報の平均値を算出したり、初回時に処方された医薬品名を抽出・統計したり、検査データを参照して投薬前後における検査値についての平均推移を算出したりすることで、提示情報を生成する。提示情報生成部156は、生成した提示情報を出力部14に出力する。
【0077】
次いで、提示情報生成処理について説明する
【0078】
図10は、本実施形態に係るデータクレンジング装置10における提示情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、データクレンジング装置10は、記憶部12から電子カルテデータを含む医療情報を取得する。その後、データクレンジング装置10は、ステップS202の処理を実行する。
【0079】
ステップS202において、データクレンジング装置10は、記憶部12から医療情報マスタデータを取得する。その後、データクレンジング装置10は、ステップS203の処理を実行する。
【0080】
ステップS203において、データクレンジング装置10は、医療情報のデータ形式が適切であるか否かを、医療情報マスタデータを参照して判定する。医療情報のデータ形式が適切である場合(ステップS203 YES)、データクレンジング装置10は、医療情報をデータクレンジングせずにステップS205の処理を実行する。一方、医療情報のデータ形式が適切でない場合(ステップS203 NO)、データクレンジング装置10は、ステップS204の処理を実行する。
【0081】
ステップS204において、データクレンジング装置10は、医療情報マスタデータを参照して、医療情報をデータクレンジングする。その後、データクレンジング装置10は、データクレンジング後の医療情報を記憶部12に記憶させ、ステップS205の処理を実行する。
【0082】
ステップS205において、データクレンジング装置10は、ユーザによる項目の選択を受け付ける。その後、データクレンジング装置10は、ステップS206の処理を実行する。
【0083】
ステップS206において、データクレンジング装置10は、選択項目に応じた提示情報を生成する。その後、データクレンジング装置10は、ステップS207の処理を実行する。
【0084】
ステップS207において、データクレンジング装置10は、提示情報を出力する。
そして、データクレンジング装置10は、
図10に係る提示情報生成処理を終了する。
【0085】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0086】
例えば、上述した実施形態では、データクレンジング装置10によって構成される一例について説明したが、データクレンジング装置10の一部を実現可能な他の装置との複数の装置によって本発明の一態様を実現してもよい。
【0087】
なお、本発明の一態様におけるデータクレンジング装置10で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。ここでいう、コンピュータは、量子コンピュータも含まれる。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPU等によって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0088】
なお、上述した各実施形態や変形例におけるデータクレンジング装置10の一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0089】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、データクレンジング装置10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0090】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0091】
また、上述した各実施形態や変形例におけるデータクレンジング装置10の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例におけるデータクレンジング装置10の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0092】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0093】
SYS データクレンジングシステム
10 データクレンジング装置
11 通信部
12 記憶部
121 医療情報マスタデータ
122 外部マスタデータ
123 医療情報
13 入力部
14 出力部
15 制御部
151 医療情報取得部
152 マスタデータ取得部
153 外部マスタデータ取得部
154 データクレンジング部
155 マスタデータ更新部
156 提示情報生成部
20 医療情報管理装置
30 データ加工管理装置