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特開2024-172941基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172941
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241205BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241205BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241205BHJP
   H10K 59/179 20230101ALI20241205BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20241205BHJP
   H10K 71/70 20230101ALI20241205BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20241205BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20241205BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G06F3/041 660
G09F9/30 349Z
G09F9/00 338
H10K59/179
H10K59/131
H10K71/70
H10K59/40
H10K71/00
H01L21/66 X
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091021
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 輝暁
【テーマコード(参考)】
3K107
4M106
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107DD38
3K107DD39
3K107EE66
3K107GG56
4M106AD01
4M106BA01
4M106CA18
4M106CA19
4M106CA50
4M106DJ38
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB01
5C094DB03
5C094EA03
5C094FA01
5C094GB10
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC09
5G435EE49
5G435KK05
5G435KK10
(57)【要約】
【課題】 コスト削減や検査効率の改善が可能な基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る基板は、複数の画素を含む表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記周辺領域に設けられた検査パッド部と、を備え、前記検査パッド部は、第1方向に並ぶ複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、前記第1方向に並ぶとともに、前記複数の第1パッドに対し、前記第1方向と交差する第2方向においてずれた位置に配置された複数の第3パッドと、前記複数の第1パッドと前記複数の第3パッドとをそれぞれ接続する複数の第1配線と、を備える。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を含む表示領域と、
前記表示領域を囲む周辺領域と、
前記周辺領域に設けられた検査パッド部と、
を備え、
前記検査パッド部は、
第1方向に並ぶ複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、
前記第1方向に並ぶとともに、前記複数の第1パッドに対し、前記第1方向と交差する第2方向においてずれた位置に配置された複数の第3パッドと、
前記複数の第1パッドと前記複数の第3パッドとをそれぞれ接続する複数の第1配線と、
を備える基板。
【請求項2】
前記表示領域と、前記検査パッド部とを有する複数のパネル部を備える、
請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記表示領域に重畳する複数のタッチ電極と、
前記複数のタッチ電極を前記複数の第2パッド及び前記複数の第3パッドにそれぞれ接続する複数の第2配線と、
をさらに備える、
請求項1に記載の基板。
【請求項4】
前記複数の第1配線は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向に延出する、
請求項1に記載の基板。
【請求項5】
前記複数の第3パッドは、前記第2方向において、前記複数の第1パッドと前記表示領域との間に位置している、
請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記複数の第3パッドは、前記第1方向において、隣り合う前記第2パッドの間にそれぞれ配置されている、
請求項1に記載の基板。
【請求項7】
複数の画素を含む表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記周辺領域に設けられた検査パッド部と、を備え、前記検査パッド部は、第1方向に並ぶ複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、前記第1方向に並ぶとともに、前記複数の第1パッドに対し、前記第1方向と交差する第2方向においてずれた位置に配置された複数の第3パッドと、前記複数の第1パッドと前記複数の第3パッドとをそれぞれ接続する複数の第1配線と、を備える基板を、複数のプローブを備えるヘッドを用いて検査する検査方法であって、
前記複数のプローブを前記複数の第1パッド及び前記複数の第3パッドのうち少なくとも一方と、前記複数の第2パッドとにそれぞれ接触させ、
前記複数のプローブを通じて検査信号を供給することにより前記基板を検査する、
ことを含む検査方法。
【請求項8】
前記複数のプローブは、前記第1方向に並び、
前記複数のプローブを、前記複数の第1パッドと、前記複数の第2パッドとにそれぞれ接触させる、
請求項7に記載の検査方法。
【請求項9】
前記複数のプローブは、
前記第1方向に並ぶ複数の第1プローブと、
前記第1方向に並ぶとともに、前記複数の第1プローブに対し、前記第2方向にずれた位置に配置された複数の第2プローブと、
を含み、
前記複数の第1プローブを前記複数の第2パッドにそれぞれ接触させるとともに、前記複数の第2プローブを前記複数の第3パッドにそれぞれ接触させる、
請求項7に記載の検査方法。
【請求項10】
複数の画素を含む表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記周辺領域に設けられた検査パッド部と、を備え、前記検査パッド部は、第1方向に並ぶ複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、前記第1方向に並ぶとともに、前記複数の第1パッドに対し、前記第1方向と交差する第2方向においてずれた位置に配置された複数の第3パッドと、前記複数の第1パッドと前記複数の第3パッドとをそれぞれ接続する複数の第1配線と、を備える基板を用意し、
ヘッドが備える複数のプローブを前記複数の第1パッド及び前記複数の第3パッドのうち少なくとも一方と、前記複数の第2パッドとにそれぞれ接触させ、
前記複数のプローブを通じて検査信号を供給することにより前記基板を検査し、
前記基板から前記検査パッド部を切断する、
ことを含む表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な形態の表示装置が提案されている。表示装置の製造過程においては、表示装置の配線間のショートや断線の有無などの検査が行われる。当該検査においては、表示装置に形成された複数のパッドに複数のプローブを当て、プローブ及びパッドを通じて検査信号が表示装置に供給される。
【0003】
一方、製品仕様によってはパッドの数や配置が異なる。そのため、製品ごとに異なる構成のプローブを用意する必要があり、コストの増大や検査効率の低下を招く一因となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-3484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コスト削減や検査効率の改善が可能な基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る基板は、複数の画素を含む表示領域と、前記表示領域を囲む周辺領域と、前記周辺領域に設けられた検査パッド部と、を備えている。前記検査パッド部は、第1方向に並ぶ複数の第1パッド及び複数の第2パッドと、前記第1方向に並ぶとともに、前記複数の第1パッドに対し、前記第1方向と交差する第2方向においてずれた位置に配置された複数の第3パッドと、前記複数の第1パッドと前記複数の第3パッドとをそれぞれ接続する複数の第1配線と、を備えている。
【0007】
一実施形態に係る検査方法は、ヘッドが備える複数のプローブを前記複数の第1パッド及び前記複数の第3パッドのうち少なくとも一方と、前記複数の第2パッドとにそれぞれ接触させ、前記複数のプローブを通じて検査信号を供給することにより前記基板を検査する、ことを含む。
【0008】
一実施形態に係る表示装置の製造方法は、前記基板を用意し、ヘッドが備える複数のプローブを前記複数の第1パッド及び前記複数の第3パッドのうち少なくとも一方と、前記複数の第2パッドとにそれぞれ接触させ、前記複数のプローブを通じて検査信号を供給することにより前記基板を検査し、前記基板から前記検査パッド部を切断する、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、副画素のレイアウトの一例を示す図である。
図3図3は、図2中のIII-III線に沿う表示装置の概略的な断面図である。
図4図4は、表示装置の製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
図5図5は、基板を用意する工程を説明するための図である。
図6図6は、タッチパネルの構成例を示す図である。
図7図7は、検査パッド部の構成例を示す拡大図である。
図8図8は、タッチパネルに関する検査を実施する検査装置の一例を示す図である。
図9図9は、検査に用いられるヘッドに適用し得る構成の一例を示す概略的な平面図である。
図10図10は、図7に示したパッドと、図9に示したプローブとの関係を示す概略的な平面図である。
図11図11は、ヘッドに適用し得る構成の他の例を示す概略的な平面図である。
図12図12は、図7に示したパッドと、図11に示したプローブとの関係を示す概略的な平面図である。
図13図13は、検査パッド部を切断する工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視という。
【0012】
本実施形態においては、発光素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える表示装置を例示する。ただし、表示装置の構成はこれに限らない。例えば、表示装置は、液晶層を有する液晶表示装置や発光ダイオード(LED)を有するLED表示装置であってもよい。
【0013】
図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。表示装置DSPは、絶縁性の基材10の上に、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺領域SAとを有している。基材10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。詳細は後述するが、表示領域DAの上には複数のタッチ電極を有するタッチパネルが配置されている。
【0014】
表示領域DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SPを備えている。一例では、画素PXは、赤色の副画素SP1、緑色の副画素SP2及び青色の副画素SP3を備えている。なお、画素PXは、上記の3色の副画素の他に、白色などの他の色の副画素を加えた4つ以上の副画素を備えていてもよい。
【0015】
周辺領域SAは、端子TMを備えている。例えば、端子TMには、表示装置DSPに各種信号を供給するためのフレキシブル回路基板が接続される。表示領域DAと端子TMの間に駆動用のICが実装されていてもよい。
【0016】
副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動される表示素子20とを備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4とを備えている。画素スイッチ2及び駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチング素子である。
【0017】
画素スイッチ2において、ゲート電極は走査線GLに接続されている。画素スイッチ2のソース電極及びドレイン電極の一方は信号線SLに接続され、他方は駆動トランジスタ3のゲート電極及びキャパシタ4に接続されている。図1の例においては、走査線GLが第1方向Xに延び、信号線SLが第2方向Yに延びている。駆動トランジスタ3において、ソース電極及びドレイン電極の一方は電源線PL及びキャパシタ4に接続され、他方は表示素子20のアノードに接続されている。なお、画素回路1の構成は図示した例に限らない。
【0018】
表示素子20は、発光素子としての有機発光ダイオード(OLED)である。例えば、副画素SP1は赤波長に対応した光を出射する表示素子20を備え、副画素SP2は緑波長に対応した光を出射する表示素子20を備え、副画素SP3は青波長に対応した光を出射する表示素子20を備えている。
【0019】
図2は、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す図である。ここでは、4つの画素PXに着目する。それぞれの画素PXにおいて、副画素SP1,SP2,SP3はこの順で第1方向Xに並んでいる。すなわち、表示領域DAには、第2方向Yに並ぶ複数の副画素SP1により構成される列と、第2方向Yに並ぶ複数の副画素SP2により構成される列と、第2方向Yに並ぶ複数の副画素SP3により構成される列とが、第1方向Xにおいて交互に配置されている。
【0020】
副画素SP1,SP2,SP3の境界には、リブ5が配置されている。図2の例において、リブ5は、第1方向Xに隣り合う副画素SPの間にそれぞれ位置する複数のリブ5Xと、第2方向Yに隣り合う副画素SPの間にそれぞれ位置する複数のリブ5Yとを有した格子状である。図2の例においては、リブ5Xが第2方向Yと平行に延び、リブ5Yが第1方向Xと平行に延びている。これらのリブ5X,5Yにより、副画素SP1,SP2,SP3のそれぞれにおいて開口OPが形成されている。
【0021】
図3は、図2中のIII-III線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。基材10の上には、絶縁層UC1が設けられている。絶縁層UC1の上に、画素PXの駆動トランジスタ3と重畳する遮光層BMが設けられていてもよい。遮光層BMは、駆動トランジスタ3のチャネル裏面からの光の侵入等によるトランジスタ特性の変化を抑制する。遮光層BMが導電層で形成される場合は、所定の電位を与えることで、駆動トランジスタ3にバックゲート効果を与えることも可能である。
【0022】
絶縁層UC1及び遮光層BMは、絶縁層UC2により覆われている。絶縁層UC2の上に、駆動トランジスタ3が設けられている。駆動トランジスタ3は、半導体層SC、絶縁層GI、ゲート電極GE(走査線GL)、絶縁層ILI、ソース電極SE(信号線SL)、及びドレイン電極DEを有している。
【0023】
半導体層SCとしては、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又は酸化物半導体を用い得る。ゲート電極GEとしては、例えば、モリブデンタングステン合金(MoW)を用い得る。ゲート電極GEは、走査線GLと一体形成されていてもよい。絶縁層UC1,UC2、絶縁層GI、及び絶縁層ILIは、それぞれ、例えば酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜の単層体、又は、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の積層体として形成することができる。
【0024】
絶縁層UC2の上には、半導体層SCが設けられている。半導体層SCは、絶縁層GIにより覆われている。絶縁層GIの上には、半導体層SCと重畳するゲート電極GEが設けられている。絶縁層GI及びゲート電極GEは、絶縁層ILIにより覆われている。絶縁層ILIの上には、ソース電極SE及びドレイン電極DEが設けられている。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、それぞれ、絶縁層ILI及び絶縁層GIに設けられたコンタクトホールを介して、半導体層SCのソース領域及びドレイン領域に接続されている。ソース電極SEは、信号線SLと一体形成されていてもよい。
【0025】
ソース電極SE、ドレイン電極DE、及び絶縁層ILIは、絶縁層PSSにより覆われている。絶縁層PSSは、絶縁層PLNにより覆われている。絶縁層PSSは、無機絶縁材料で形成された無機層である。当該無機絶縁材料としては、例えば、酸化シリコンもしくは窒化シリコンの単層体、又は、酸化シリコン及び窒化シリコンの積層体が挙げられる。絶縁層PLNは、有機樹脂材料で形成された有機層である。当該有機樹脂材料としては、例えば、感光性アクリルやポリイミド等が挙げられる。絶縁層PLNは、駆動トランジスタ3によって生じる凹凸を平坦化する機能を有している。
【0026】
絶縁層PLNの上に、画素電極PEが設けられている。画素電極PEは、絶縁層PSS及び絶縁層PLNに設けられたコンタクトホールを介して、ドレイン電極DEに接続されている。画素電極PEは、例えば反射層と、この反射層の上面及び下面を覆う一対の保護層とを有している。反射層としては、例えば銀(Ag)を用いることができる。一対の保護層としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いることができる。
【0027】
隣り合う画素電極PEの間に、リブ5Xが設けられている。リブ5Xにより、画素電極PEの一部を露出する開口OPが形成されている。隣り合うリブ5Xの間に、画素電極PEと重畳する有機層ELYが設けられている。有機層ELYは、有機EL材料で構成される発光層を含んでいる。さらに、有機層ELYは、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層を含んでいてもよい。
【0028】
有機層ELYの上に、共通電極CEが設けられている。共通電極CEは、有機層ELYからの出射光が透過可能な導電性の薄膜である。例えば、共通電極CEの材料としてはマグネシウム-銀合金(MgAg)を用い得るが、これに限られない。本実施形態では、画素電極PEが陽極となり、共通電極CEが陰極となる。有機層ELYが発する光は、共通電極CEを介して上方に取り出される。すなわち表示装置DSPは、トップエミッション構造を有している。
【0029】
共通電極CEは、絶縁層PAS1により覆われている。絶縁層PAS1は、外部から水分が有機層ELYに侵入することを防止する機能を有している。絶縁層PAS1としてはガスバリア性の高いものが好適である。絶縁層PAS1は、無機絶縁材料で形成された無機層である。当該無機絶縁材料としては、例えば、酸化シリコンもしくは窒化シリコンの単層体、又は、酸化シリコン及び窒化シリコンの積層体が挙げられる。
【0030】
絶縁層PAS1は、絶縁層PCLにより覆われている。絶縁層PCLは、平坦化機能を有している。絶縁層PCLは、有機樹脂材料で形成されている。当該有機樹脂材料として、例えば、感光性アクリルやポリイミド等が挙げられる。
【0031】
絶縁層PCLの上には、絶縁層PAS2が設けられている。絶縁層PAS2は、絶縁層PAS1と同様の材料で形成することができる。絶縁層PAS2の上には、配線TLが設けられている。絶縁層PAS2及び配線TLは、タッチ電極TXにより覆われている。タッチ電極TXは、例えばITOやIZO等の透明導電材料によって形成することができる。他の例として、タッチ電極TXは、金属製の細線によって形成されてもよい。
【0032】
タッチ電極TXの上に、絶縁層OCが設けられている。絶縁層OCは、透光性を有する樹脂材料で形成されている。図3の例においては、偏光板POLが接着層ADを介して絶縁層OCに貼り付けられている。接着層ADとしては、OCA(Optical Clear Adhesive)を用いることができる。
【0033】
次に、表示装置DSPの製造方法の一例について図4乃至図13を参照しながら説明する。
図4は、表示装置DSPの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。ここに示す製造方法は、大別して、マザー基板MBを用意する工程(ステップST1)と、マザー基板MBを切断する工程(ステップST2)と、マザー基板MBから切り出された基板SUBを検査する工程(ステップST3)と、基板SUBが備える検査パッド部PD1,PD2を切断する工程(ステップST4)とを含む。
【0034】
以下、ステップST1乃至ステップST4について具体的に説明する。
まず、ステップST1においては、例えば図5に示す構成のマザー基板MBを用意する。マザー基板MBは、第1方向X及び第2方向Yに並んだ複数のパネル部PNLを備えている。図5の例では、複数のパネル部PNLは第1方向X及び第2方向Yに隣接しているが、それぞれのパネル部PNLの間に隙間が設けられていてもよい。
【0035】
パネル部PNLは、表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺領域SAとを有している。周辺領域SAは、端子TMと、検査パッド部PD1,PD2と、点灯検査パッド部LPDとを備えている。検査パッド部PD1,PD2及び点灯検査パッド部LPDは、第1方向Xに並んでいる。点灯検査パッド部LPDは、検査パッド部PD1,PD2の間に配置されている。端子TMは、表示領域DAと点灯検査パッド部LPDとの間に配置されている。詳細は後述するが、検査パッド部PD1,PD2は、タッチパネルのタッチ電極や配線などのショートや断線などの検査に用いられる。点灯検査パッド部LPDは、表示装置DSPの各画素PXが正常に点灯するか否かなどの検査に用いられる。
【0036】
なお、パネル部PNLの構成は図示した例に限らない。例えば、パネル部PNLは、タッチパネルに関する検査に用いるための検査パッド部を1つのみ有していてもよく、3つ以上有していてもよい。
【0037】
図4のステップST2においては、図5に示すカットラインCL1に沿ってマザー基板MBを切断する。カットラインCL1は、第1方向X及び第2方向Yに沿って、隣り合うパネル部PNLの間に設定されている。以下の説明においては、カットラインCL1に沿ってマザー基板MBから切り出されたパネル部PNLを基板SUBと呼ぶ。
【0038】
図6は、タッチパネルTPの構成例を示す図である。タッチパネルTPは、表示領域DAに配置された複数のタッチ電極TXを有している。図6の例においては、矩形状の複数のタッチ電極TXが第1方向X及び第2方向Yに沿って並んでいる。ただし、タッチ電極TXの形状や配置はこの例に限られない。
【0039】
基板SUBは、配線TL0と、複数の配線TL1,TL2(第2配線)とを備えている。複数の配線TL1は、複数のタッチ電極TXの一部と検査パッド部PD1とを接続している。複数の配線TL2は、複数のタッチ電極TXの残りの一部と検査パッド部PD2とを接続している。配線TL0は、表示領域DAの周囲に引き回されて検査パッド部PD1,PD2の双方に接続されている。1本の配線TL1に対し、複数のタッチ電極TXが接続されてもよい。
【0040】
図7は、検査パッド部PD1の構成例を示す拡大図である。なお、図6における検査パッド部PD2は、第2方向Yに沿った軸に対して図7に示す検査パッド部PD1と対称な形状を有している。
【0041】
検査パッド部PD1は、パッドPA1~PA8,PB1~PB3と、配線LL1~LL3(第1配線)とを備えている。本実施形態において、パッドPA1~PA8,PB1~PB3はいずれも正方形状に形成されている。ただし、パッドPA1~PA8,PB1~PB3の形状はこの例に限られない。パッドPA1~PA3は第1パッドの一例であり、パッドPA4~PA8は第2パッドの一例であり、パッドPB1~PB3は第3パッドの一例である。
【0042】
パッドPA1~PA8は、第1方向Xに沿って、ピッチPXAで等間隔に並んでいる。パッドPB1~PB3は、パッドPA1~PA8に対し、第2方向Yにおいてずれた位置に配置されている。具体的に説明すると、パッドPB1~PB3は、パッドPA1~PA8と、図6に示す表示領域DAとの間に位置している。パッドPB1~PB3は、パッドPA1~PA8に対し、ピッチPYで並んでいる。パッドPB1~PB3は、第1方向Xに沿って、ピッチPXBで等間隔に並んでいる。パッドPB1は、第1方向Xにおいて、隣り合うパッドPA4,PA5の間に配置されている。パッドPB2は、第1方向Xにおいて、隣り合うパッドPA5,PA6の間に配置されている。パッドPB3は、第1方向Xにおいて、隣り合うパッドPA6,PA7の間に配置されている。
【0043】
なお、ピッチPXAは、パッドPA1~PA8のうち隣り合う2つのパッドの中心間の第1方向Xに沿った間隔に相当する。ピッチPXBは、パッドPB1~PB3のうち隣り合う2つのパッドの中心間の第1方向Xに沿った間隔に相当する。ピッチPYは、パッドPA1~PA8の中心と、パッドPB1~PB3の中心との間の第2方向Yに沿った間隔に相当する。図7の例においては、ピッチPXA,PXBが同等である。
【0044】
配線LL1は、第4方向Dに延出し、パッドPA1とパッドPB1とを接続している。配線LL2は、第4方向Dに延出し、パッドPA2とパッドPB2とを接続している。配線LL3は、第4方向Dに延出し、パッドPA3とパッドPB3とを接続している。なお、第4方向Dは、第1方向X及び第2方向Yと交差する方向である。第4方向Dは、第1方向Xに対して鋭角である角度θで傾いている。
【0045】
図7の例においては、1本の配線TL0と、7本の配線TL1(TL12~TL18)とが配置されている。配線TL0は、第2方向Yに延出し、パッドPB1に接続されている。配線TL12は、第2方向Yに延出し、パッドPB2に接続されている。配線TL13は、第2方向Yに延出し、パッドPB3に接続されている。配線TL14は、第2方向Yに延出し、途中で折れ曲がって第4方向Dに延出し、パッドPA4に接続されている。配線TL15は、第2方向Yに延出し、途中で折れ曲がって第4方向Dに延出し、パッドPA5に接続されている。配線TL16は、第2方向Yに延出し、途中で折れ曲がって第4方向Dに延出し、パッドPA6に接続されている。配線TL17は、第2方向Yに延出し、途中で折れ曲がって第4方向Dに延出し、パッドPA7に接続されている。配線TL18は、第2方向Yに延出し、途中で折れ曲がって第4方向Dに延出し、パッドPA8に接続されている。
【0046】
例えば、配線TL0,TL12,TL13及び配線TL14~TL18のうち第2方向Yと平行な部分は、第1方向Xに等間隔で並んでいる。また、配線LL1~LL3及び配線TL14~TL18のうち第4方向Dと平行な部分は、第1方向Xに等間隔で並んでいる。
【0047】
続いて、図4のステップST3の工程について説明する。この工程は、検査パッド部PD1,PD2を用いたタッチパネルに関する検査と、点灯検査パッド部LPDを用いた表示に関する検査とを含む。タッチパネルに関する検査は、例えば図4に示したステップST31~ST33の工程により実施される。
【0048】
図8は、基板SUBに対してタッチパネルに関する検査を実施する検査装置6の一例を示す図である。検査装置6は、ヘッドHD1,HD2を備えている。図4のステップST31においては、図8に示すように、検査パッド部PD1,PD2がヘッドHD1,HD2とそれぞれ対向するように、基板SUBをヘッドHD1,HD2の下に配置する。続くステップST32の工程においては、検査装置6がヘッドHD1,HD2を基板SUBに向けて下降させる。さらに、ステップST33の工程においては、検査装置6がヘッドHD1,HD2を通じて基板SUBに検査信号を供給することにより基板SUBを検査する。以下、図8のように基板SUBがヘッドHD1,HD2の下に配置された状態を想定し、第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zを用いて検査装置6の構造と検査工程の詳細について説明する。
【0049】
ヘッドHD1,HD2は、第1方向Xに延出する直方体状に形成されている。ヘッドHD1,HD2において検査パッド部PD1,PD2とそれぞれ対向する面には、プローブが形成されている。プローブは、第3方向Zに沿って、基板SUBに向かって延出している。プローブについての詳細は後述する。
【0050】
検査装置6は、支持材60,61,62と、昇降機構63,64とをさらに備えている。支持材60,61,62は、例えば第1方向Xに延出する円柱状に形成されている。支持材60の一端はヘッドHD1に接続され、支持材60の他端はヘッドHD2に接続されている。支持材61の一端はヘッドHD1に接続され、支持材61の他端は昇降機構63に接続されている。支持材62の一端はヘッドHD2に接続され、支持材62の他端は昇降機構64に接続されている。昇降機構63,64は、支持材61,62を第3方向Zと平行に移動させる。これにより、ヘッドHD1,HD2を第3方向Zと平行に移動させ、ヘッドHD1,HD2が備えるプローブを検査パッド部PD1,PD2にそれぞれ接触させたり、離間させたりすることができる。
【0051】
なお、検査装置6の構成は図示した例に限らない。例えば、基板SUBに設けられる検査パッド部の数に合わせてヘッドの数が増減してもよい。
【0052】
図9は、ヘッドHD1に適用し得る構成の一例を示す概略的な平面図である。以下、この図に示すヘッドHD1をヘッドHD1aと呼ぶ。なお、図8におけるヘッドHD2には、第2方向Yに沿った軸に対して図9に示すヘッドHD1aと対称な形状を有したヘッドを用い得る。
【0053】
ヘッドHD1aは、プローブRA1~RA8を備えている。なお、図9において、プローブRA1~RA8の平面形状は円形だが、これに限らない。例えば、プローブRA1~RA8の平面形状は矩形であってもよい。
【0054】
プローブRA4~RA8(第1プローブ)は、第1方向Xに沿って、ピッチRXAで等間隔に並んでいる。プローブRA1~RA3(第2プローブ)は、プローブRA4~RA8に対し、第2方向Yにおいてずれた位置に配置されている。プローブRA1~RA3は、プローブRA4~RA8に対し、ピッチRYで並んでいる。プローブRA1~RA3は、第1方向Xに沿って、ピッチRXBで等間隔に並んでいる。プローブRA1は、第1方向Xにおいて、隣り合うプローブRA4,RA5の間に配置されている。プローブRA2は、第1方向Xにおいて、隣り合うプローブRA5,RA6の間に配置されている。プローブRA3は、第1方向Xにおいて、隣り合うプローブRA6,RA7の間に配置されている。
【0055】
なお、ピッチRXAは、プローブRA4~RA8のうち隣り合う2つのプローブの中心間の第1方向Xに沿った間隔に相当する。ピッチRXBは、プローブRA1~RA3のうち隣り合う2つのプローブの中心間の第1方向Xに沿った間隔に相当する。ピッチRYは、プローブRA1~RA3の中心と、プローブRA4~RA8の中心との間の第2方向Yに沿った間隔に相当する。図9の例においては、ピッチRXA,RXBが同等である。また、ピッチRXAは、図7に示すピッチPXAと等しく、ピッチRXBは、図7に示すピッチPXBと等しく、ピッチRYは、図7に示すピッチRYと等しい。
【0056】
図10は、図7に示したパッドPA1~PA8,PB1~PB3と、図9に示したプローブRA1~RA8との関係を示す概略的な平面図である。ステップST32の工程においてヘッドHD1aを基板SUBに向けて下降させると、プローブRA1~RA3がそれぞれ検査パッド部PD1のパッドPB1~PB3に接触する。さらに、プローブRA4~RA8がそれぞれ検査パッド部PD1のパッドPA4~PA8に接触する。パッドPA1~PA3にはプローブRA1~RA8が接触しない。
【0057】
ヘッドHD2にヘッドHD1aと同様の構造を適用する場合、ヘッドHD2のプローブと検査パッド部PD2のパッドの接触関係は、図10に示すプローブRA1~RA8とパッドPA1~PA8,PB1~PB3の接触関係と同様である。
【0058】
ヘッドHD1aを用いてステップST33の工程を実施する場合、検査装置6は、プローブRA1~RA8のそれぞれに検査信号を供給する。プローブRA1に供給された検査信号は、パッドPB1を通じて配線TL0に供給される。プローブRA2に供給された検査信号は、パッドPB2を通じて配線TL12に供給される。プローブRA3に供給された検査信号は、パッドPB3を通じて配線TL13に供給される。プローブRA4に供給された検査信号は、パッドPA4を通じて配線TL14に供給される。プローブRA5に供給された検査信号は、パッドPA5を通じて配線TL15に供給される。プローブRA6に供給された検査信号は、パッドPA6を通じて配線TL16に供給される。プローブRA7に供給された検査信号は、パッドPA7を通じて配線TL17に供給される。プローブRA8に供給された検査信号は、パッドPA8を通じて配線TL18に供給される。
【0059】
ステップST33で実施される検査としては、隣接するタッチ電極TXのショートの検査や、配線TL0の断線の検査などが挙げられる。例えば、ショートの検査においては、ヘッドHD1aのプローブRA1~RA8及びヘッドHD2のプローブに対して時分割で検査信号が供給される。さらに、各検査信号の供給時における各プローブの電圧が検出される。いずれかのプローブに供給された検査信号が他のプローブの電圧として検出される場合には、これらプローブに接続されたタッチ電極TXがショートしている可能性がある。
【0060】
図11は、ヘッドHD1に適用し得る構成の他の例を示す概略的な平面図である。以下、この図に示すヘッドHD1をヘッドHD1bと呼ぶ。なお、図8におけるヘッドHD2には、第2方向Yに沿った軸に対して図11に示すヘッドHD1bと対称な形状を有したヘッドを用い得る。
【0061】
ヘッドHD1bは、プローブRB1~RB8を備えている。なお、図9において、プローブRA1~RA8の平面形状は円形だが、これに限らない。例えば、プローブRB1~RB8の平面形状は矩形であってもよい。
【0062】
プローブRB1~RB8は、第1方向Xに沿って、ピッチRXCで等間隔に並んでいる。なお、ピッチRXCは、プローブRB1~RB8のうち隣り合う2つのプローブの中心間の第1方向Xに沿った間隔に相当する。また、ピッチRXCは、図7に示すピッチPXAと等しい。
【0063】
図12は、図7に示したパッドPA1~PA8,PB1~PB3と、図11に示したプローブRB1~RB8との関係を示す概略的な平面図である。ステップST32の工程においてヘッドHD1bを基板SUBに向けて下降させると、プローブRB1~RB8がそれぞれ検査パッド部PD1のパッドPA1~PA8に接触する。パッドPB1~PB3にはプローブRB1~RB8が接触しない。
【0064】
ヘッドHD2にヘッドHD1bと同様の構造を適用する場合、ヘッドHD2のプローブと検査パッド部PD2のパッドの接触関係は、図12に示すプローブRB1~RB8とパッドPA1~PA8,PB1~PB3の接触関係と同様である。
【0065】
ヘッドHD1bを用いてステップST33の工程を実施する場合、検査装置6は、プローブRB1~RB8のそれぞれに検査信号を供給する。プローブRB1に供給された検査信号は、パッドPA1,配線LL1及びパッドPB1を通じて配線TL0に供給される。プローブRB2に供給された検査信号は、パッドPA2,配線LL2及びパッドPB2を通じて配線TL12に供給される。プローブRB3に供給された検査信号は、パッドPA3,配線LL3及びパッドPB3を通じて配線TL13に供給される。プローブRB4に供給された検査信号は、パッドPA4を通じて配線TL14に供給される。プローブRB5に供給された検査信号は、パッドPA5を通じて配線TL15に供給される。プローブRB6に供給された検査信号は、パッドPA6を通じて配線TL16に供給される。プローブRB7に供給された検査信号は、パッドPA7を通じて配線TL17に供給される。プローブRB8に供給された検査信号は、パッドPA8を通じて配線TL18に供給される。ヘッドHD1bを用いる場合においても、上述したタッチ電極TXのショートの検査や配線TL0の断線の検査などを実施することが可能である。
【0066】
続いて、図4のステップST4の工程について説明する。図13は、検査パッド部PD1,PD2を切断する工程を説明するための図である。ステップST4においては、図13に示すカットラインCL2に沿って、基板SUBを切断する。カットラインCL2は、例えば第1方向Xと平行であり、第2方向Yにおいて検査パッド部PD1,PD2及び点灯検査パッド部LPDと端子TMとの間に設定されている。カットラインCL2に沿って基板SUBを切断することで、基板SUBから検査パッド部PD1,PD2及び点灯検査パッド部LPDが除去される。これにより残った基板が、図1に示す表示装置DSPとなる。
以上の工程により、基板SUBの動作検査が行われ、表示装置DSPが製造される。
【0067】
本実施形態によれば、図7に示すようにパッドPA1~PA3(第1パッド)及びパッドPB1~PB3(第3パッド)が配線LL1~LL3によりそれぞれ接続されている。そのため、パッドPA1~PA3及びPB1~PB3のうち少なくとも一方にプローブを接触させることで、検査信号を基板SUBに供給することができる。これにより、図9に示すようにプローブが第2方向Yに2列に並んだヘッドHD1aを使用することが可能であり、また、図11に示すようにプローブが1列に並んだヘッドHD1bを使用することも可能である。従って、1種類のパッドの配置に対して複数のヘッドが利用可能なため、既存のヘッドの利用可能性が高くなる。既存のヘッドが利用可能な場合、新たにヘッドを設計し、製作する必要がなくなるため、コストを削減することが可能となる。また、複数のヘッドが利用可能なため、製品仕様が変わるごとにヘッドを交換する作業を省くことが可能となり、検査効率の改善が可能となる。
【0068】
ヘッドHD1において、近接するプローブ間には一定以上の距離を確保する必要がある。この点に関し、図10の例においては、パッドPB1~PB3とパッドPA1~PA8とが第1方向Xにおいてずれている。同様に、プローブRA1~RA3とプローブRA4~RA8とが第1方向Xにおいてずれている。このような構成であれば、プローブRA1~RA3とプローブRA4~RA8とが第1方向Xにおいてずれていない場合に比べ、プローブRA1~RA3とプローブRA4~RA8の間の距離を大きく確保することができる。結果として、近接するプローブ間に一定距離を確保しつつも、ヘッドHD1および検査パッド部PD1のコンパクト化が可能である。図10の構成をヘッドHD2および検査パッド部PD2に適用すれば、ヘッドHD2および検査パッド部PD2についても同様の効果を得ることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態として説明した基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての基板、基板の検査方法及び表示装置の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0070】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0071】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0072】
1…画素回路、2…画素スイッチ、3…駆動トランジスタ、4…キャパシタ、5…リブ、6…検査装置、10…基材、DSP…表示装置、TP…タッチパネル、TX…タッチ電極、LL1~LL3,TL…配線、LPD…点灯検査パッド部、MB…マザー基板、SUB…基板、PD1,PD2…検査パッド部、PA1~PA8,PB1~PB3…パッド、HD1,HD2…ヘッド、RA1~RA8,RB1~RB8…プローブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13