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特開2024-172951画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172951
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20241205BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B41J2/175 301
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091033
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴岡 英夫
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA29
2C056EB20
2C056EB44
2C056EB50
2C056EC19
2C056EC28
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】 画像形成装置におけるダウンタイムを抑制する
【解決手段】 本開示に係る画像形成装置100は、同じ色の色材を収容する複数の色材容器を装着し得る画像形成装置100であって、前記画像形成装置に装着されている前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の合計値を取得し、取得した前記合計値に基づいて、色材の残量に関する警告を通知する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ色の色材を収容する複数の色材容器を装着し得る画像形成装置であって、
前記画像形成装置に装着されている前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の合計値を取得する取得手段と、
前記合計値に基づいて、色材の残量に関する警告を通知する通知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記合計値が所定の閾値以下である場合に前記警告を通知すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通知手段は、色材の残量が低下している旨を示す警告画面を表示制御することにより、前記警告を通知すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記合計値に基づいて、同じ色の色材を収容する色材容器に対応する交換用の色材容器の発注を行う発注手段、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記発注手段は、前記合計値が所定の閾値以下である場合に記発注を行うこと、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記発注手段は、前記発注を行う前に、前記発注を行うことの確認画面を表示制御し、ユーザから前記発注を行うことの了承を示す操作入力に基づいて、前記発注を行うこと、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記合計値と、前記画像形成装置に装着されている、同じ色の色材を収容する前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値とを取得し、
前記発注手段は、前記複数の色材容器のうちの第1の色材容器に対応する前記交換用の色材容器の前記発注を行う場合において、前記複数の色材容器のうちの、前記第1の色材容器とは異なる第2の色材容器の色材の残量値が、前記第1の色材容器の色材の残量値よりも小さい場合に、前記第2の色材容器に対応する前記交換用の色材容器の前記発注についても行うこと、
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記発注手段は、
前記合計値に基づいて前記交換用の色材容器の前記発注を行う第1の発注手段と、
前記合計値とは異なる情報に基づいて前記交換用の色材容器の前記発注を行う第2の発注手段と、
を有し、
前記第1の発注手段は、前記第2の発注手段により前記交換用の色材容器の前記発注が行われていた場合に、前記交換用の色材容器の前記発注を重複して行わないこと
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記合計値と、前記画像形成装置に装着されている、同じ色の色材を収容する前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値とを取得し、
前記第2の発注手段は、前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値に基づいて、前記交換用の色材容器の前記発注を行うこと
を特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2の発注手段は、前記複数の色材容器のうちの色材の残量値が所定の閾値以下である色材容器に対応する前記交換用の色材容器の前記発注を行うこと
を特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、複数の色の色材のそれぞれを収容する色材容器を、同じ色において複数装着し得るものであって、
前記取得手段は、前記複数の色のうちの処理対象の色の色材を収容する前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の前記合計値を取得し、
前記通知手段は、前記処理対象の色に対応する前記合計値に基づいて、前記処理対象の色に対応する色材の残量に関する警告を通知すること、
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
同じ色の色材を収容する複数の色材容器を装着し得る画像形成装置を制御する制御方法であって、
前記画像形成装置に装着されている前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の合計値を取得する取得工程と、
前記合計値に基づいて、色材の残量に関する警告を通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置における消耗品の残量通知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インクタンク等の色材容器に収容されるインク等の色材の残量が既定量より少なくなったときに、色材の残量が低下した旨、又は新しい色材容器への交換等を促す旨等の色材の残量に関する警告をユーザに対して通知する画像形成装置がある。このような警告により、ユーザは、色材容器に収容される色材が全て消費される前に交換用の色材容器を準備でき、ダウンタイムとも呼ばれる、画像形成装置よる画像形成ができない期間の発生を抑制することができる。また、画像形成装置には、同じ色の色材を収容する色材容器を複数装着可能なものがある。このような画像形成装置の場合、例えば、同じ色の色材を収容する複数の色材容器のうちの1つに収容されている色材が全て消費された際に上述の通知が行われる。
【0003】
特許文献1には、インクジェット方式の画像形成装置の分野において、同じ色のインクを貯留する複数のインクタンクのうち、インクの残量が最も少ないインクタンクからインクを供給するように制御する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術によれば、このような制御により、あるインクタンクに貯留されているインクが全て消費された際の、他のインクタンクに貯留されているインクの残量の総量をより多くすることができる。結果として、ユーザは、他のインクタンクに貯留されるインクが全て消費される前に交換用のインクタンクを準備し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-96379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、他のインクタンクが中古品等であるために貯留されているインクの残量が十分でない場合、交換用のインクタンクの準備が間に合わないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る画像形成装置は、同じ色の色材を収容する複数の色材容器を装着し得る画像形成装置であって、前記画像形成装置に装着されている前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の合計値を取得する取得手段と、前記合計値に基づいて、色材の残量に関する警告を通知する通知手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、色材の残量に関する警告を適切なタイミングで通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】画像形成装置における機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】インクタンクの発注システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4】画像形成装置における処理フローの一例を示すフローチャートである。
図5】画像形成装置における確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】確認画面の一例を示す図である。
図7】画像形成装置における確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】画像形成装置における確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態に示す構成は一例に過ぎず、本開示の範囲をその構成のみに限定するものではない。なお、本開示では、画像形成装置は、一例として、インクジェット方式の画像形成装置であるものとして説明するが、画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置でもよい。また、本開示に係る画像形成装置は、1台の画像形成装置に、同じ色のインクを貯留するインクタンクを複数装着可能なものである。なお、画像形成装置が電子写真方式の画像形成装置である場合、画像形成装置は、1台の画像形成装置に、同じ色のトナーを収容するトナーカートリッジを複数装着可能なものであればよい。以下、一例として、本開示に係る画像形成装置には、同じ色のインクを貯留するインクタンクが2本装着されるものとして説明する。また、画像形成装置による画像形成の際には、一方のインクタンクに貯留されているインクが用いられ、当該インクタンクに貯留されているインクが全て消費された場合に、他方のインクタンクに貯留されているインクが用いられるものとして説明する。
【0010】
[実施形態1]
図1乃至7を参照して、実施形態1に係る画像形成装置100について説明する。図1は、実施形態1に係る画像形成装置100におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置100は、ハードウェア構成として、操作部101、表示部102、通信部103、CPU104、ROM105、RAM106、NVRAM107、印刷部108、及びバス109を有する。CPU104は、ROM105の制御ブログラム記憶部151に格納されている制御プログラムを用いて画像形成装置100を制御する。なお、画像形成装置100は、CPU101とは異なる1又は複数の専用のハードウェアを有し、CPU104による処理の少なくとも一部を専用のハードウェアが実行してもよい。専用のハードウェアの例としては、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)、及びDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等がある。ROM105は、不揮発性の記憶装置であって、変更を必要としないプログラム及びデータ等を格納する。
【0011】
RAM106は、CPU104のワークエリアとして動作し、ROM105から供給されるプログラム及びデータ、並びに通信部103を介して供給されるデータ等を一時記憶する。RAM106内には、印刷データ等の大量のデータを扱う場合に使用されるバッファ161、及びCPU104が各種制御を行う際に必要となる変数等を一時的に記憶するワークエリア162等が備えられている。NVRAM107は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)又はフラッシュメモリ等により構成される不揮発性の記憶装置である。NVRAM107に記憶されたデータ等は、電源が切られている期間においもNVRAM107内に保持される。NVRAM107には、ユーザにより成された画像形成装置100の設定、又は画像形成装置100の状態等を示す情報が記憶される。
【0012】
操作部101は、タッチパネル又は複数個のキー若しくはスイッチ等により構成され、ユーザからの操作を受けて各種の指示をCPU104に入力する。表示部102は、液晶パネル又はLED(light-emitting diode)等により構成され、ユーザに、画像形成装置100の状態、又は各種の操作結果等を通知するためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。通信部103は、外部装置との通信に用いられる。例えば、画像形成装置100が外部装置と有線接続される場合には、通信用のケーブルが通信部103に接続される。画像形成装置100が外部装置と無線通信する機能を有する場合には、通信部103はアンテナを備える。バス109は、画像形成装置100がハードウェア構成として有する各部をつないで情報を伝達する。
【0013】
印刷部108は、紙送り機構及び描画機構等の各種装置を含み、CPU104で処理されたデータに基づく画像形成(以下「印刷」と呼ぶ。)を行う。また、印刷部108は、機構の一つとしてインク供給部181を含み、インク供給部181は、図1には不図示のチューブを介してインクタンク182から印刷に使用するインクを描画機構に供給する。インク供給部181は、インクタンク182を物理的に装着する機構(以下「スロット」と呼ぶ。)を含む。また、インク供給部181は、スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクの残量を検知する残量検知機構、及びインクタンク182の装着状況を検知する装着検知機構等を含む。実施形態1に係るインク供給部181は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の4色のインクを貯留するインクタンク182、それぞれ2本ずつ装着することが可能となっている。インク供給部181は、各色における2本のインクタンク182のうちのいずれか一方から描画機構に対してインクを供給し、インクを供給しているインクタンク182が空になった場合に、もう一方のインクタンク182からインクを供給する。
【0014】
図2は、実施形態1に係る画像形成装置100における機能構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置100は、印刷制御部201、表示制御部202、操作制御部203、残量取得部204、検知部205、及び発注部206を備える。画像形成装置100が機能構成として有する各部は、RAM106をワークメモリとして、CPU104がROM105に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0015】
印刷制御部201は、印刷部108を制御して、印刷処理を実行する。なお、印刷制御部201は、インクタンク182に貯留されているインクの残量値の情報を管理している。表示制御部202は、表示部102を制御して、表示部102にGUI等を表示する。操作制御部203は、操作部101からの信号を受けて、当該信号に対応するコマンド等に変換する。残量取得部204は、各インクタンク182に貯留されているインクの残量値を取得して、色ごとのインクの残量値の合計値を取得する。検知部205は、残量取得部204が取得した、色ごとのインクの残量値の合計値に基づいて、インクの残量に関する警告を通知する。具体的には、検知部205は、当該合計値が所定の閾値以下である場合に、インクの残量が低下している旨の警告をユーザに対して通知する。発注部206は、検知部205における判定結果に基づいて、新たなインクタンクの発注処理を行う。
【0016】
図3は、実施形態1に係るインクタンクの発注システムの構成の一例を示すブロック図である。ユーザサイト300は、画像形成装置100が設置されている家屋又は社屋等である。サービスセンタは、例えば、画像形成装置100からのインクタンクの購入の注文を受けて、ユーザサイト300のユーザ301へのインクタンクの配送を手配するEC(Electronic Commerce)サイト等の店舗である。
【0017】
サービスセンタの管理部門310には、管理サーバ311と、画像形成装置100等の機器の情報(以下「機器情報」と呼ぶ。)を管理する機器情報データベースを格納する記憶装置312とが設置されている。サービスセンタの物流部門320には、物流サーバ321と、物流情報を管理する物流情報データベースを格納する記憶装置322とが設置されている。画像形成装置100とサービスセンタの管理サーバ311とは、互いにインターネット回線等のネットワークを介して各種の通信が可能に接続されている。管理サーバ311と物流サーバ321とは、互いにLAN(Local area network)等のネットワークを介して各種の通信が可能に接続されている。
【0018】
画像形成装置100(発注部206)は、インクタンクの発注処理として、管理サーバ311に対して、インクタンクの購入の注文を示す情報(以下「注文情報」と呼ぶ。)を送信する。管理サーバ311は、画像形成装置100から送信された注文情報を受信すると、注文情報が示す注文内容の処理を行い、物流サーバ321に対して、インクタンクの配送要求を送信し、物流サーバ321はこれを受信する。また、管理サーバ311は、機器情報データベースを制御して、ユーザ301が使用する画像形成装置100の情報を機器情報として記憶装置312に保存する。物流部門320の担当者は、物流サーバ321が受信した配送要求に従って、注文されたインクタンクの配送を配送業者等に手配して、ユーザ301へ向けて発送する。また、物流サーバ321は、物流情報データベースを制御して、配送要求に対応する配送処理に関する情報を物流情報として記憶装置322に保存する。サービスセンタの物流部門320から発送される新品のインクタンクは、ユーザ301に配送されて、ユーザ301はこれを受け取る。
【0019】
図4は、実施形態1に係る画像形成装置100における処理フローの一例を示すフローチャートである。画像形成装置100は、例えば、印刷等によりインクタンク182に貯留されているインクが消費されるごと等の任意のタイミングで繰り返し当該フローチャートの処理を実行する。より具体的には、画像形成装置100は、インクの色ごとに当該フローチャートの処理を実行する。なお、以下の説明において、記号「S」はステップを意味する。
【0020】
まず、S401にて、画像形成装置100は、処理対象の色のインクを貯留する2本のインクタンク182が装着される2つのスロットのうちの一方のスロット(以下「第1スロット」と呼ぶ。)に装着されるインクタンク182の状態の確認処理を実行する。S401の確認処理の詳細については、図5を用いて後述する。次に、S402にて、画像形成装置100は、処理対象の色のインクを貯留する2本のインクタンク182が装着される2つのスロットのうちの他方のスロット(以下「第2スロット」と呼ぶ。)のインクタンク182の状態の確認処理を実行する。以下、処理対象の色のインクを貯留するインクタンク182が装着されるスロットを、処理対象の色に対応するスロットと表記して説明する。S402の確認処理の詳細については、図5を用いて後述する。次に、S403にて、画像形成装置100は、処理対象の色に対応する全てのスロット、すなわち、第1スロット及び第2スロットに装着される各インクタンク182の状態の確認処理を実行する。S403の確認処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0021】
図5は、実施形態1に係る画像形成装置100における処理フローであって、図4に示すS401及びS402における、第n(nは1又は2)スロットに装着されるインクタンク182の状態の確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明において、S401における処理においては、nは1であり、S402における処理においては、nは2である。
【0022】
まず、S501にて、残量取得部204は、第nスロットにインクタンク182が装着されているか否かを判定する。インクタンク182の装着状況は、例えば、インク供給部181における図1には不図示の装着検知機構により検知される。S501にて第nスロットにインクタンク182が装着されていないと判定された場合、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。S501にて第nスロットにインクタンク182が装着されていると判定された場合、残量取得部204は、S502の処理を実行する。S502にて、残量取得部204は、第nスロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクの残量の値を取得する。以下、インクタンク182に貯留されているインクの残量の値を、「インク残量値」又は「インクタンク182のインク残量値」と表記し、第nスロットに装着されているインクタンク182のインク残量値を第nインク残量値と表記して説明する。インク供給部181が備える各インクタンク182のインク残量値は、インク供給部181における図1には不図示の残量検知機構により検知される。
【0023】
インク供給部181が残量検知機構を含まない場合、各インクタンク182のインク残量値は、例えば、インクタンク182ごとのインクの使用履歴に基づいて、インクの累積の消費量値を算出することにより算出することができる。インクの消費量値は、例えば、印刷等に用いられたインクの吐出回数、いわゆるドット数と、1ドット当たりのインクの体積との積により算出することができる。累積の消費量値は、例えば、インクタンクの本体に備えられた不揮発性の記憶装置に記憶される。累積の消費量値を記憶装置にさせることにより、例えば、画像形成装置100とは異なる画像形成装置において途中まで使用された中古のインクタンクを画像形成装置100に装着して再利用する場合であっても、累積の消費量値を取得することができる。
【0024】
S502の後、S503にて、検知部205は、S502にて取得した第nインク残量値が0(ゼロ)であるか否かを判定する。S503にて第nインク残量値が0であると判定された場合、S504にて、発注部206は、第nスロットに装着用(以下「第nスロット用」と呼ぶ。)の新品のインクタンクを既に発注済みか否かを判定する。ここで、インク供給部181が備える各スロットの状態を示す情報(以下「ステータス情報」と呼ぶ。)は、NVRAM107に記憶されており、発注部206は、第nスロットのステータス情報をNVRAM107から読み出すことにより当該判定を行う。S504にて第nスロット用の新品のインクタンクを既に発注済みであると判定された場合、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。
【0025】
S504にて第nスロット用の新品のインクタンクを未だ発注済みでないと判定された場合、S505にて、検知部205は、第nインク残量値が0であることをユーザ301に通知する。具体的には、S505にて、表示制御部202は、第nインク残量値が0である旨を示す警告画面を生成して、生成した警告画面を表示部102に表示する。次に、S506にて、発注部206は、第nスロット用の新品のインクタンクを1個発注する発注処理を実行する。具体的には、S506にて、発注部206は、管理サーバ311に対して、注文情報を送信する。
【0026】
なお、この場合、画像形成装置100(表示制御部202)は、新品のインクタンクを発注するか否かをユーザ301に選択させるための確認画面を生成して、生成した確認画面を表示部102に表示してもよい。図6は、実施形態1に係る表示部102に表示される、新品のインクタンクを発注するか否かをユーザ301に選択させるための確認画面600の一例を示す図である。確認画面600は、ボタン601及び602を含み、ユーザ301による操作部101の操作によりボタン601が押下された場合、発注部206は、上述の発注処理を実行する。また、ボタン602が押下された場合、図5には不図示であるが、発注部206は、上述の発注処理を実行せずに、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。
【0027】
また、上述の発注処理は、画像形成装置100(発注部206)にて実行されるものとして説明したが、上述の発注処理は、画像形成装置100(発注部206)ではなく、管理サーバ311により実行されてもよい。この場合、例えば、画像形成装置100(検知部205又は発注部206)は、管理サーバ311に対して第nインク残量値が0であることを示す情報(以下「インク切れ情報」と呼ぶ。)を送信する。管理サーバ311は、画像形成装置100が送信したインク切れ情報を受信し、受信したインク切れ情報に基づいて発注処理を行う。
【0028】
S506の後、S507にて、発注部206は、第nスロットのステータス情報を「発注済み」に変更する。S507の後、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。ここで、S507にて発注部206が変更したステータス情報は、S504にて発注部206が読み出しものと同じものである。
【0029】
S503にて第nインク残量値が0でないと判定された場合、発注部206は、S508にて、第nスロット用の新品のインクタンクを既に発注済みか否かを判定する。S508にて第nスロット用の新品のインクタンクを未だ発注済みでないと判定された場合、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。S508にて第nスロット用の新品のインクタンクを既に発注済みであると判定された場合、S509にて、検知部205は、第nインク残量値が所定の閾値(以下「閾値A」と表記する。)より大きいか否かを判定する。例えば、閾値Aを示す情報は、ROM105又はNVRAM107に予め記憶されており、検知部205は、ROM105又はNVRAM107から当該情報を読み出すことにより、閾値Aを取得する。
【0030】
S509にて第nインク残量値が閾値Aより大きくない、すなわち、閾値A以下であると判定された場合、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。S509にて第nインク残量値が閾値Aより大きいと判定された場合、発注部206は、S510にて、第nスロットのステータス情報を「発注無し」に変更する。S5010の後、画像形成装置100は、図5に示すフローチャートの処理を終了する。ここで、S510にて発注部206が変更したステータス情報は、S504にて発注部206が読み出しものと同じものである。
【0031】
ここで、例えば、閾値Aが「新品のインクタンクに貯留されているインク量の50%に相当する値」であるとすると、S509にて第nインク残量値が閾値Aより大きいと判定された場合、発注した新品のインクタンクが到着して、それが第nスロットに装着された可能性が高い。そのため、S510にて第nスロットのステータス情報を「発注無し」に変更することにより、次回の発注処理を適切に行うことができるようになる。また、S509にて第nインク残量値が閾値A以下であると判定された場合、発注した新品のインクタンクが到着しておらず、例えば、中古のインクタンクが第nスロットに装着された可能性が高い。そのため、第nスロットのステータス情報を「発注済み」のままにしておくことにより、第nスロット用の新品のインクタンクを重複して発注してしまうことを抑制することができる。
【0032】
図7は、実施形態1に係る画像形成装置100における処理フローの一例であって、図4に示すS403における、処理対象の色に対応する全てのスロットに装着されるインクタンク182の状態の確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、S701にて、残量取得部204は、処理対象の色に対応する全てのスロットに装着されているインクタンク182のインク残量値、すなわち、第1インク残量値及び第2インク残量値の合計値を算出する。なお、第1インク残量値及び第2インク残量値は、S401及びS402の処理におけるS502において取得済みである。次に、S702にて、検知部205は、S701にて算出した合計値が所定の閾値(以下「閾値B」と表記する。)以下であるか否かを判定する。閾値Bを示す情報は、閾値Aと同様に、ROM105又はNVRAM107に記憶されており、検知部205は、ROM105又はNVRAM107から当該情報を読み出すことにより、閾値Bを取得する。
【0033】
ここでは、一例として、閾値Bは、「新品のインクタンクに貯留されているインク量と処理対象の色に対応するスロットの総数との積の50%に相当する値」であるものとする。ここで、実施形態1に係る画像形成装置100のインク供給部181には、各色に対応するスロットの個数は2である。したがって、このように定義した閾値Bは、処理対象の色に対応する全てのスロットに新品のインクタンク182を装着してから画像形成装置100の使用を開始し、通常において1本目が空になったときのインク残量値の合計値に相当する。すなわち、インク残量値の合計値が閾値B以上であれば、インクの残量の総量は、新品のインクタンクの1個分のインクの量以上であることになる。
【0034】
S702にて合計値が閾値B以下でない、すなわち、合計値が閾値Bより大きいと判定された場合、画像形成装置100は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。S702にて合計値が閾値B以下であると判定された場合、S703にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みか否かを判定する。当該判定は、S504の処理と同様に、第1スロットのステータス情報に基づいて行うことができる。S703にて第1スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みであると判定された場合、画像形成装置100は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。S703にて第1スロット用の新品のインクタンクが未だ発注済みでないと判定された場合、S704にて、処理対象の色に対応する第2スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みか否かを判定する。当該判定は、S5045の処理と同様に、第2スロットのステータス情報に基づいて行うことができる。S704にて第2スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みであると判定された場合、画像形成装置100は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
【0035】
S704にて第2スロット用の新品のインクタンクが未だ発注済みでないと判定された場合、S705にて、検知部205は、処理対象の色のインクの残量が低下していることをユーザ301に通知する。具体的には、S705にて、表示制御部202は、処理対象の色のインクの残量が低下している旨を示す警告画面を生成して、生成した警告画面を表示部102に表示する。なお、表示制御部202は、警告画面に替えて図6に一例として示す確認画面600を生成して、表示部102に表示してもよい。以下、ユーザ301による操作部101の操作により、確認画面600におけるボタン601が押下されたものとして説明する。S705の後、S706にて、発注部206は、処理対象の色に対応する新品のインクタンクを1個発注する発注処理を実行する。S706の処理は、S506の処理と同様である。
【0036】
次に、S707にて、発注部206は、第1スロットを使用中であるか否かを判定する。具体的には、発注部206は、現状における印刷の際に、印刷部108に対して、第1スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクが供給されているか否かを判定することにより、第1スロットを使用中であるか否かを判定する。S707にて第1スロットを使用中であると判定された場合、S708にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロットのステータス情報を「発注済み」に変更する。S708の処理は、S507の処理と同様である。S707にて第1スロットを使用中でない、すなわち、第2スロットを使用中であると判定された場合、S709にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロットのステータス情報を「発注済み」に変更する。S709の処理は、S507の処理と同様である。S708又はS709の後、画像形成装置100は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
【0037】
以上のように構成した画像形成装置100によれば、同じ色のインクを貯留する複数のインクタンク182のそれぞれに貯留されているインクの残量の総量に基づいて、インクの残量に関する警告を通知することができる。そのため、画像形成装置100によれば、使用中でないスロットに装着されているインクタンク182が中古品等であるために貯留されているインクの残量が十分でない場合であっても、インクの残量に関する警告をユーザに対して適切なタイミングで通知することができる。結果として、ユーザは、適切なタイミングで、交換用のインクタンクの準備を開始することができ、これにより、画像形成装置100におけるダウンタイムが抑制される。
【0038】
[実施形態2]
図1乃至6及び図8を参照して、実施形態2に係る画像形成装置100について説明する。実施形態2に係る画像形成装置100の構成は、図1及び2に一例として示す、実施形態1に係る画像形成装置100の構成と同様であるため、構成についての説明を省略する。
【0039】
図8は、実施形態2に係る画像形成装置100(以下、単に「画像形成装置100」と表記する。)の処理フローの一例を示すフローチャートである。具体的には、図8は、図4に示すS403における、処理対象の色に対応する全てのスロットに装着されるインクタンク182の状態の確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、S801にて、残量取得部204は、処理対象の色に対応する全てのスロットに装着されているインクタンク182のインク残量値の合計値、すなわち、第1インク残量値及び第2インク残量値の合計値を算出する。なお、S801の処理は、S701の処理と同様である。
【0040】
次に、S802にて、検知部205は、S801にて算出した合計値が所定の閾値(以下「閾値C」と表記する。)以下であるか否かを判定する。閾値Cを示す情報は、閾値A及びBと同様に、ROM105又はNVRAM107に記憶されており、検知部205は、ROM105又はNVRAM107から当該情報を読み出すことにより、閾値Cを取得する。ここでは、一例として、閾値Cは、「新品のインクタンクに貯留されているインク量と処理対象の色に対応するスロットの総数との積の30%に相当する値」であるものとする。閾値Cは、新しいインクタンクを発注してから納品されるまでの期間等の、ユーザ301が新しいインクタンクを準備するまでの期間において、インク切れによるダウンタイムが生じないような値であればよい。しかしながら、ユーザ301による画像形成装置100の使用頻度、又はインクタンクの物流状況又は流通等状況等からして、閾値Cを一意に決定するのは困難である。そのため、閾値Cについては、ユーザ301による変更が可能なように管理されてもよい。この場合、閾値Cのデータは、NVRAM107に記憶されており、ユーザ301による閾値Cの変更作業は、操作部101等を介して行うことができる。
【0041】
S802にて合計値が閾値C以下でない、すなわち、閾値Cより大きいと判定された場合、画像形成装置100は、図8に示すフローチャートの処理を終了する。S802にて合計値が閾値C以下であると判定された場合、S803にて、発注部206は、第1スロットを使用中であるか否かを判定する。具体的には、発注部206は、現状における印刷の際に、印刷部108に対して、第1スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクが供給されているか否かを判定することにより、第1スロットを使用中であるか否かを判定する。
【0042】
S803にて第1スロットを使用中であると判定された場合、S804にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みか否かを判定する。当該判定は、S504の処理と同様に、第1スロットのステータス情報に基づいて行うことができる。S804にて第1スロット用の新品のインクタンクが未だ発注済みでないと判定された場合、S805にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロットのステータス情報を「発注予約」に変更する。ここで、「発注予約」の状態とは、図8に示すフローチャートにおける一連の処理において使用される一時的な状態である。S804にて第1スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みであると判定された場合、又はS805の後、S806にて、発注部206は、処理対象の色に対応する、第1インク残量値が第2インク残量値より小さいか否かを判定する。
【0043】
S806にて第1インク残量値が第2インク残量値より小さくない、すなわち、第1インク残量値が第2インク残量値以上であると判定された場合、画像形成装置100は、S820の処理を実行する。S820の処理については後述する。S806にて第1インク残量値が第2インク残量値より小さいと判定された場合、S807にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みか否かを判定する。当該判定は、S504の処理と同様に、第2スロットのステータス情報に基づいて行うことができる。S807にて第2スロット用の新品のインクタンクが未だ発注済みでないと判定された場合、S808にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロットのステータス情報を「発注予約」に変更する。S807にて第2スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みであると判定された場合、又はS808の後、画像形成装置100は、S820の処理を実行する。S820の処理については後述する。
【0044】
S803にて第1スロットを使用中でない、すなわち、第2スロットを使用中であると判定された場合、S814にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みか否かを判定する。当該判定は、S504の処理と同様に、第2スロットのステータス情報に基づいて行うことができる。S814にて第2スロット用の新品のインクタンクが未だ発注済みでないと判定された場合、S815にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロットのステータス情報を「発注予約」に変更する。S814にて第2スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みであると判定された場合、又はS815の後、S816にて、発注部206は、処理対象の色に対応する、第2インク残量値が第1インク残量値より小さいか否かを判定する。
【0045】
S816にて第2インク残量値が第1インク残量値より小さくない、すなわち、第2インク残量値が第1インク残量値以上であると判定された場合、画像形成装置100は、S820の処理を実行する。S820の処理については後述する。S816にて第2インク残量値が第1インク残量値より小さいと判定された場合、S817にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みか否かを判定する。当該判定は、S504の処理と同様に、第1スロットのステータス情報に基づいて行うことができる。S817にて第1スロット用の新品のインクタンクが未だ発注済みでないと判定された場合、S818にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロットのステータス情報を「発注予約」に変更する。S817にて第1スロット用の新品のインクタンクが既に発注済みであると判定された場合、又はS818の後、画像形成装置100は、S820の処理を実行する。
【0046】
S820にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロットのステータス情報に基づいて、当該第1スロットの状態が発注予約であるか否かを判定する。S820にて第1スロットの状態が発注予約であると判定された場合、S821にて、検知部205は、第1スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクの残量が少なくなっていることをユーザ301に通知する。具体的には、S821にて、表示制御部202は、第1スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクの残量が少なくなっている旨を示す警告画面を生成して、生成した警告画面を表示部102に表示する。
【0047】
なお、表示制御部202は、警告画面に替えて図6に一例として示す確認画面600を生成して、表示部102に表示してもよい。以下、ユーザ301による操作部101の操作により、確認画面600におけるボタン601が押下されたものとして説明する。次に、S822にて、発注部206は、第1スロット用の新品のインクタンクを1個発注する発注処理を実行する。S822の処理は、S506の処理と同様である。次に、S823にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第1スロットのステータス情報を「発注済み」に変更する。S823の処理は、S507の処理と同様である。
【0048】
S820にて第1スロットの状態が発注予約でないと判定された場合、又はS823の後、S824にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロットのステータス情報に基づいて、当該第2スロットの状態が発注予約であるか否かを判定する。S824にて第2スロットの状態が発注予約でないと判定された場合、画像形成装置100は、図8に示すフローチャートの処理を終了する。S824にて第2スロットの状態が発注予約であると判定された場合、S825にて、検知部205は、第2スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクの残量が少なくなっていることをユーザ301に通知する。具体的には、S825にて、表示制御部202は、第2スロットに装着されているインクタンク182に貯留されているインクの残量が少なくなっている旨を示す警告画面を生成して、生成した警告画面を表示部102に表示する。
【0049】
なお、表示制御部202は、警告画面に替えて図6に一例として示す確認画面600を生成して、表示部102に表示してもよい。以下、ユーザ301による操作部101の操作により、確認画面600におけるボタン601が押下されたものとして説明する。次に、S826にて、発注部206は、第2スロット用の新品のインクタンクを1個発注する発注処理を実行する。S826の処理は、S506の処理と同様である。次に、S827にて、発注部206は、処理対象の色に対応する第2スロットのステータス情報を「発注済み」に変更する。S827の処理は、S507の処理と同様である。S827の後、画像形成装置100は、図8に示すフローチャートの処理を終了する。
【0050】
以上のように構成した画像形成装置100によれば、同じ色のインクを貯留する複数のインクタンク182のそれぞれに貯留されているインクの残量の総量に基づいて、インクの残量に関する警告を通知することができる。そのため、画像形成装置100によれば、使用中でないスロットに装着されているインクタンク182が中古品等であるために貯留されているインクの残量が十分でない場合であっても、インクの残量に関する警告をユーザに対して適切なタイミングで通知することができる。結果として、ユーザは、適切なタイミングで、交換用のインクタンクの準備を開始することができ、これにより、画像形成装置100におけるダウンタイムが抑制される。
【0051】
[その他の実施形態]
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0052】
なお、本開示はその開示の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、各実施形態の任意の構成要素の変形、又は、各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0053】
[本開示の構成]
本開示は、以下の構成、方法、及びプログラムを含む。
【0054】
[構成1]
同じ色の色材を収容する複数の色材容器を装着し得る画像形成装置であって、
前記画像形成装置に装着されている前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の合計値を取得する取得手段と、
前記合計値に基づいて、色材の残量に関する警告を通知する通知手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0055】
[構成2]
前記通知手段は、前記合計値が所定の閾値以下である場合に前記警告を通知すること、
を特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
【0056】
[構成3]
前記通知手段は、色材の残量が低下している旨を示す警告画面を表示制御することにより、前記警告を通知すること、
を特徴とする構成1又は2に記載の画像形成装置。
【0057】
[構成4]
前記合計値に基づいて、同じ色の色材を収容する色材容器に対応する交換用の色材容器の発注を行う発注手段、
を更に有することを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0058】
[構成5]
前記発注手段は、前記合計値が所定の閾値以下である場合に記発注を行うこと、
を特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
【0059】
[構成6]
前記発注手段は、前記発注を行う前に、前記発注を行うことの確認画面を表示制御し、ユーザから前記発注を行うことの了承を示す操作入力に基づいて、前記発注を行うこと、
を特徴とする構成4又は5に記載の画像形成装置。
【0060】
[構成7]
前記取得手段は、前記合計値と、前記画像形成装置に装着されている、同じ色の色材を収容する前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値とを取得し、
前記発注手段は、前記複数の色材容器のうちの第1の色材容器に対応する前記交換用の色材容器の前記発注を行う場合において、前記複数の色材容器のうちの、前記第1の色材容器とは異なる第2の色材容器の色材の残量値が、前記第1の色材容器の色材の残量値よりも小さい場合に、前記第2の色材容器に対応する前記交換用の色材容器の前記発注についても行うこと、
を特徴とする構成4乃至6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0061】
[構成8]
前記発注手段は、
前記合計値に基づいて前記交換用の色材容器の前記発注を行う第1の発注手段と、
前記合計値とは異なる情報に基づいて前記交換用の色材容器の前記発注を行う第2の発注手段と、
を有し、
前記第1の発注手段は、前記第2の発注手段により前記交換用の色材容器の前記発注が行われていた場合に、前記交換用の色材容器の前記発注を重複して行わないこと
を特徴とする構成4乃至7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0062】
[構成9]
前記取得手段は、前記合計値と、前記画像形成装置に装着されている、同じ色の色材を収容する前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値とを取得し、
前記第2の発注手段は、前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値に基づいて、前記交換用の色材容器の前記発注を行うこと
を特徴とする構成8に記載の画像形成装置。
【0063】
[構成10]
前記第2の発注手段は、前記複数の色材容器のうちの色材の残量値が所定の閾値以下である色材容器に対応する前記交換用の色材容器の前記発注を行うこと
を特徴とする構成9に記載の画像形成装置。
【0064】
[構成11]
前記画像形成装置は、複数の色の色材のそれぞれを収容する色材容器を、同じ色において複数装着し得るものであって、
前記取得手段は、前記複数の色のうちの処理対象の色の色材を収容する前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の前記合計値を取得し、
前記通知手段は、前記処理対象の色に対応する前記合計値に基づいて、前記処理対象の色に対応する色材の残量に関する警告を通知すること、
を有することを特徴とする構成1乃至10のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0065】
[方法]
同じ色の色材を収容する複数の色材容器を装着し得る画像形成装置を制御する制御方法であって、
前記画像形成装置に装着されている前記複数の色材容器のそれぞれに収容されている色材の残量値の合計値を取得する取得工程と、
前記合計値に基づいて、色材の残量に関する警告を通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【0066】
[プログラム]
コンピュータを、構成1乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0067】
100 画像形成装置
204 残量取得部
205 検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8