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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172968
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】荷物積付装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/09 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65G57/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091056
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】野畑 茂広
(57)【要約】
【課題】コンテナの種類に関わらず荷物の積み付けが可能な荷物積付装置を提供する。
【解決手段】コンテナ2は、箱状の本体部60と、本体部60の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部69と、を有する。コンテナ2の中には、本体部60の底面66aの高さが異なるものや、棚部69の高さが異なるものが存在する。従って、検出部70が、本体部60の底面66aの特徴部、及び棚部69の特徴部の少なくとも一方を検出することで、コンテナ2の種類を把握することができる。そのため、積付ロボット15は、コンテナ2の種類に応じた動作で荷物の積付を行うことが可能となる。以上より、コンテナ2の種類に関わらず荷物の積み付けが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された荷物をコンテナに積み付ける積付ユニットと、
前記コンテナの特徴部を検出する検出部と、を備え、
前記コンテナは、箱状の本体部と、前記本体部の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部と、を有し、
前記検出部は、前記本体部の底面の前記特徴部、及び前記棚部の前記特徴部の少なくとも一方を検出する、荷物積付装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記底面の前記特徴部、及び前記棚部の前記特徴部を検出する、請求項1に記載の荷物積付装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記底面の前記特徴部を検出する第1の検出器と、前記棚部の前記特徴部を検出する第2の検出器と、を有する、請求項2に記載の荷物積付装置。
【請求項4】
前記検出部は、距離を測定する測定器を有する、請求項1に記載の荷物積付装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記棚部が高い位置にあるか、低い位置にあるかを検出し、
前記積付ユニットは、前記棚部が高い位置にあると検出された場合と、低い位置にあると検出された場合とで、異なる動作にて、前記棚部への前記荷物の積み付けを行う、請求項1に記載の荷物積付装置。
【請求項6】
前記積付ユニットは、前記棚部が高い位置にあると検出された場合、水平積み付けを行う、請求項5に記載の荷物積付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物積付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、荷物をコンテナに積み付ける荷積み装置が記載されている。特許文献1に記載の荷積み装置は、搬送部から流れてくる荷物を選択し、荷物の寸法等に応じて、積み付けロジックに基づいてコンテナに積み付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-074734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、航空機に搭載される荷物輸送用のコンテナは寸法にばらつきがある。そのため、コンテナの種類によっては、コンテナの内部の棚部への荷物の自動積付が困難であった。荷物輸送用のコンテナは、全国の空港で行き来して使用されるため、汎用的に各コンテナへの自動積付が必要とされる。また、ハンドを反転させて棚部上に荷置きをするような動作では、棚部の高さによっては積付困難なコンテナもある。
【0005】
本発明の目的は、コンテナの種類に関わらず荷物の積み付けが可能な荷物積付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る荷物積付装置は、荷物を搬送する搬送部と、搬送部により搬送された荷物をコンテナに積み付ける積付ユニットと、コンテナの特徴部を検出する検出部と、を備え、コンテナは、箱状の本体部と、本体部の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部と、を有し、検出部は、本体部の底面の特徴部、及び棚部の特徴部の少なくとも一方を検出する。
【0007】
コンテナは、箱状の本体部と、本体部の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部と、を有する。コンテナの中には、本体部の底面の高さが異なるものや、棚部の高さが異なるものが存在する。従って、検出部が、本体部の底面の特徴部、及び棚部の特徴部の少なくとも一方を検出することで、コンテナの種類を把握することができる。そのため、積付ユニットは、コンテナの種類に応じた動作で荷物の積付を行うことが可能となる。以上より、コンテナの種類に関わらず荷物の積み付けが可能となる。
【0008】
検出部は、底面の特徴部、及び棚部の特徴部を検出してよい。このように、検出部が底面の特徴部及び棚部の特徴部を両方検出することで、コンテナの種類をより詳細に把握することができる。
【0009】
検出部は、底面の特徴部を検出する第1の検出器と、棚部の特徴部を検出する第2の検出器と、を有してよい。このように、検出対象によって異なる検出器を用いることで、各検出器の配置の自由度を向上できる。
【0010】
検出部は、距離を測定する測定器を有してよい。この場合、安価に検出部を構成することができる。
【0011】
検出部は、棚部が高い位置にあるか、低い位置にあるかを検出し、積付ユニットは、棚部が高い位置にあると検出された場合と、低い位置にあると検出された場合とで、異なる動作にて、棚部への荷物の積み付けを行ってよい。この場合、積付ユニットは、棚部の高さに応じて、コンテナの壁部との干渉を回避しながら、適切な動作で積み付けを行うことができる。
【0012】
積付ユニットは、棚部が高い位置にあると検出された場合、水平積み付けを行ってよい。この場合、積付ユニットは、コンテナの天井と干渉することを回避しながら、積み付けを行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コンテナの種類に関わらず荷物の積み付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る荷物積付装置を示す概略構成図である。
図2】積付ロボット15をX軸方向の正側から見たときの側面図である。
図3】コンテナの斜視図である。
図4】荷物積付装置の制御系構成図である。
図5】第1の検出器による検出の様子を示す概略図である。
図6】第2の検出器による検出の様子を示す概念図である。
図7】積付ロボットによる積み付けの様子を示す概念図である。
図8】積付ロボットによる積み付けの様子を示す概念図である。
図9】積付ロボットによる積み付けの様子を示す概念図である。
図10】積付ロボットによる積み付けの様子を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る荷物積付装置を示す概略構成図である。図1において、本実施形態の荷物積付装置1は、例えば空港におけるバックヤードの積付場に設置されている。荷物積付装置1は、航空機に積載される複数のコンテナ2に搭乗者の手荷物3(荷物)を積み付ける装置である。ここでは、コンテナ2に積み付けられる手荷物3は、スーツケースである。
【0017】
コンテナ2は、トーイングトラクタ(図示せず)により牽引される複数(ここでは2つ)の台車4上に載置されている。台車4の前端及び後端には、連結器4aが設けられている。各台車4同士は、連結器4aにより連結されている。
【0018】
荷物積付装置1は、複数(ここでは前後2つ)のコンテナ2に対して同時に手荷物3を積み付ける。コンテナ2の一側面には、扉(図示せず)が設けられている。荷物積付装置1は、コンテナ2の扉が開いた状態で、コンテナ2の側方からコンテナ2内に手荷物3を積み付ける。なお、トーイングトラクタの前側に位置するコンテナ2を前コンテナ2Aとし、トーイングトラクタの後側に位置するコンテナ2を後コンテナ2Bとする。前コンテナ2A及び後コンテナ2Bは、横並びに配置されている。
【0019】
荷物積付装置1は、メインコンベア5と、仕分コンベア6と、退避コンベア7と、荷受コンベア8と、プッシャー9と、ターンテーブル10と、プッシャー11と、バッファコンベア12と、プッシャー13と、プッシャー14と、積付ロボット15とを備えている。なお、メインコンベア5と、仕分コンベア6と、退避コンベア7と、荷受コンベア8と、プッシャー9と、ターンテーブル10と、プッシャー11と、バッファコンベア12と、プッシャー13と、プッシャー14と、によって搬送部90が構成される。
【0020】
メインコンベア5、仕分コンベア6及び退避コンベア7は、各コンテナ2の配列方向(X軸方向)に配列されている。荷受コンベア8、ターンテーブル10及びバッファコンベア12は、X軸方向に垂直な方向(Y軸方向)にメインコンベア5よりもコンテナ2に近い位置において、X軸方向に配列されている。バッファコンベア12は、X軸方向において荷受コンベア8よりもコンテナ2に近い位置に配置されている。
【0021】
メインコンベア5は、空港側コンベア16から受け取った手荷物3をコンテナ2に向けて搬送する搬送部である。空港側コンベア16は、空港のターミナルビルに設置された搭乗手続きカウンタからバックヤードの積付場まで手荷物3を搬送する。メインコンベア5は、手荷物3を1つずつ順送りする複数(ここでは5つ)の順送りコンベア17から構成されている。
【0022】
仕分コンベア6は、メインコンベア5よりも下流側に配置されている。仕分コンベア6は、後述する積付ロボット15によりコンテナ2に積み付けられない積付対象外の手荷物3、つまりスーツケース以外の手荷物3を退避コンベア7に向けて送り出す。退避コンベア7は、積付対象外の手荷物3を指定場所まで搬送する。
【0023】
荷受コンベア8は、仕分コンベア6よりも下流側において退避コンベア7に対して分岐して配置されている。荷受コンベア8には、積付ロボット15によりコンテナ2に積み付けられる積付対象の手荷物3(スーツケース)が載置される。プッシャー9は、積付対象の手荷物3を仕分コンベア6から荷受コンベア8に向けて押し付けて移動させる。
【0024】
ターンテーブル10は、荷受コンベア8よりも下流側に配置されている。ターンテーブル10には、積付対象の手荷物3が載置される。プッシャー11は、積付対象の手荷物3を荷受コンベア8からターンテーブル10に向けて押し付けて移動させる。プッシャー9,11は、メインコンベア5により搬送された手荷物3をターンテーブル10に移動させる。
【0025】
バッファコンベア12は、ターンテーブル10よりも下流側に配置されている。バッファコンベア12には、積付対象の手荷物3が載置される。バッファコンベア12のY軸方向のコンテナ2側端部には、位置決め用の壁部18が設けられている。プッシャー13は、積付対象の手荷物3をターンテーブル10からバッファコンベア12に向けて押し付けて移動させる。
【0026】
プッシャー14は、バッファコンベア12に載置された積付対象の手荷物3を壁部18に突き当てるように押し付ける。プッシャー14及び壁部18は、バッファコンベア12に載置された手荷物3をターンテーブル10とバッファコンベア12との配列方向(X軸方向)に垂直な方向(Y軸方向)に対して位置決めする。
【0027】
積付ロボット15は、積付対象の手荷物3をコンテナ2に積み付ける積付ユニットである。積付ロボット15は、ロボットアーム20と、移動部40と、を備える。積付ロボット15は、各コンテナ2の正面側(Y軸方向の負側)の領域に設置されている。また、積付ロボット15は、バッファコンベア12の下流側(X軸方向の負側)に配置されている。
【0028】
ロボットアーム20は、3軸(XYZ軸)方向に移動可能であると共に、3軸回りに回動可能である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に垂直な高さ方向である。ロボットアーム20は、先端部にロボットハンド22を備える。ロボットハンド22は、バッファコンベア12に載置された積付対象の手荷物3を保持する。また、ロボットハンド22は、保持した手荷物3をコンテナ2に載置する。
【0029】
ロボットアーム20は、各コンテナ2に対して手荷物3の積み付けを行う時は、対象となるコンテナ2の正面側(Y軸方向の負側)において、当該コンテナ2と対向するように配置される。ロボットアーム20が前コンテナ2Aに対して手荷物3の積み付けを行う時、ロボットアーム20と前コンテナ2AがY軸方向を対向方向として互いに対向する。ロボットアーム20が後コンテナ2Bに対して手荷物3の積み付けを行う時、ロボットアーム20と後コンテナ2BがY軸方向を対向方向として互いに対向する。
【0030】
移動部40は、ロボットアーム20を所定の移動方向へ移動させる機構である。移動部40は、一対のレール21と、走行台車19と、を備える。ここで、移動方向は、積み付け時のロボットアーム20とコンテナ2との対向方向(Y軸方向)と直交する水平方向(X軸方向)である。
【0031】
一対のレール21は、移動方向(X軸方向)に平行に延びる。一対のレール21は、Y軸方向に互いに離間した状態で互いに平行をなした状態で延びる。レール21は、各コンテナ2のY軸方向の負側に設置されている。つまり、レール21は、各コンテナ2とメインコンベア5及び空港側コンベア16との間に配置されている。走行台車19は、ロボットアーム20が搭載されると共に、レール21に沿ってX軸方向へ走行する。
【0032】
次に、図2を参照して、積付ロボット15の更に詳細な構成について説明する。図2は、積付ロボット15をX軸方向の正側から見たときの側面図である。図2に示すように、ロボットアーム20は、台座部41と、回転部42と、アーム部43,44と、ロボットハンド22と、を備える。
【0033】
回転部42は、台座部41の上側に固定されており、当該台座部41上でZ軸周りに回転する。これにより、ロボットアーム20全体が、向きを変えることができる。アーム部43,44は、長尺な部材であって、関節部周りに回動可能な部材である。アーム部43の一方の端部は関節部46を介して回転部42に接続される。アーム部43の他方の端部は関節部47を介してアーム部44の一方の端部に接続される。ロボットハンド22は、関節部48を介してアーム部44の他方の端部に接続される。なお、ロボットハンド22は、先端部分の保持部22aを回転させることができる。以上のような構成により、ロボットアーム20は、ロボットハンド22の保持部22aを3軸周りに移動及び回動(回転)させることができる。
【0034】
移動部40の走行台車19は、ロボットアーム20を支持する本体部51と、一対のレール21に沿ってスライドする一対のスライド部52と、駆動部53と、を備える。本体部51は、XY平面と平行に広がる板状の部材である。ロボットアーム20は、本体部51の上面に固定される。一対のスライド部52は、本体部51の下面に固定される。各スライド部52は、各レール21に対してスライド可能に取り付けられる。駆動部53は、走行台車19がX軸方向へ走行するための駆動力を発生する。なお、駆動部53の駆動方式は特に限定されず、リニアモータを用いてもよいし、図示されない車輪を回転させてもよい。
【0035】
次に、図3を参照して、コンテナ2の詳細な構成について説明する。図3は、コンテナ2の斜視図である。図3(a)(b)に示すように、コンテナ2には複数種類のコンテナが存在する。図3(a)及び図3(b)は、コンテナ2の一例を示している。図3(a)(b)に示すように、コンテナ2は、側壁部61,62,63,64、下壁部66、及び上壁部67を有する。側壁部61,62は、X軸方向に互いに離間して対向した状態で、YZ平面に平行に広がる。側壁部61は、X軸方向の正側に配置され、側壁部62は、X軸方向の負側に配置される。なお、側壁部62の下端側の一部は傾斜壁部62aとなっている。側壁部63,64は、Y軸方向に互いに離間して対向した状態で、XZ平面に平行に広がる。側壁部63は、Y軸方向の正側に配置され、側壁部64は、Y軸方向の負側に配置される。下壁部66は、側壁部61,62,63,64の下端部においてXY平面に平行に広がる。上壁部67は、側壁部61,62,63,64の上端部においてXY平面に平行に広がる。
【0036】
コンテナ2は、開口部68を有する。開口部68は、積み付け時のロボットアーム20とコンテナ2との対向方向(Y軸方向)においてロボットアーム20側の端部(Y軸方向の負側の端部)に形成される。開口部68は、側壁部64に形成される。なお、開口部68は、X軸方向において、傾斜壁部62aの下端の位置から、側壁部61まで広がっている。開口部68は、Z軸方向において、下壁部66から上壁部67の位置まで広がっている。従って、側壁部61は、X軸方向における開口部68の正側の縁部68aを形成する。また、側壁部64は、X軸方向における開口部68の負側の縁部68bを形成する。
【0037】
コンテナは、箱状の本体部60と、本体部60の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部69と、を有する。本体部60は、上述の各壁部61,62,63,64,66,67を備える。棚部69は、開口部68よりもX軸方向の負側に設けられる。棚部69は、コンテナ毎の種類に応じた高さ位置にて、側壁部63と側壁部64との間で延びている。
【0038】
図3(a)に示すコンテナ2の棚部69の高さ位置は、図3(b)に示すコンテナ2の棚部69の高さ位置よりも高い位置にある。棚部69が高い図3(a)に示すコンテナ2は、棚部69と同じ高さ位置に中間棚65を有する。中間棚65は、奥側の側壁部63に沿ってX軸方向に延びてる。この中間棚65は、奥側の側壁部63へ立てかけるように折り畳むことができる。一方、図3(b)に示すように、棚部69が低いコンテナ2は、中間棚65を有していない。
【0039】
図3(a)に示すコンテナ2の下壁部66の下側(本体部60の底面66a)には何も設けられていない。従って、底面66aの高さ位置は低い位置に設定されている。一方、図3(b)に示すコンテナ2の下壁部66の下側には、フォーク用の穴部90が形成されている。そのため、図3(b)に示す本体部60の底面66aは、図3(a)のコンテナ2に比べ、高い位置に配置される。
【0040】
以上のように、コンテナ2は、「棚部が高い」ものと「棚部が低い」ものに分類することができる。また、コンテナ2は、「底面が高い」ものと「底面が低い」ものに分類される。このように、本実施形態では、コンテナ2は、「棚部の高さ2種類×底面の高さ2種類」の合計4種類に分類するものとする。すなわち、図3に示す二種類のコンテナ2の他、棚部69が高くて底面66aが高いコンテナ2と、棚部69が低くて底面66aが低いコンテナ2が存在する。
【0041】
次に、図4を参照して、荷物積付装置1の制御系構成について説明する。図4は、荷物積付装置1の制御系構成図である。図4において、荷物積付装置1は、上流カメラ23と、下流カメラ24と、積付処理ユニット25と、制御盤26とを備えている。
【0042】
上流カメラ23は、メインコンベア5における最も上流側に位置する順送りコンベア17の上方に配置されている。上流カメラ23は、メインコンベア5に載置された手荷物3を撮像し、手荷物3の撮像画像を取得する。下流カメラ24は、ターンテーブル10の上方に配置されている。下流カメラ24は、ターンテーブル10に載置された手荷物3を撮像し、手荷物3の撮像画像を取得する。
【0043】
積付処理ユニット25は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。積付処理ユニット25は、上流カメラ23及び下流カメラ24により得られた手荷物3の撮像画像を取得し、所定の処理を実行し、制御盤26に制御信号を出力する。
【0044】
制御盤26は、バックヤードの積付場に設置されている。制御盤26は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。制御盤26は、積付処理ユニット25からの制御信号に応じて、プッシャー9,11、ターンテーブル10、プッシャー13,14及び積付ロボット15を制御する。
【0045】
積付処理ユニット25は、第1手荷物検知部28と、第2手荷物検知部29と、積付演算部33とを有している。
【0046】
制御盤26は、移動制御部30と、回転制御部31と、位置制御部32と、積付制御部38とを有している。
【0047】
第1手荷物検知部28は、上流カメラ23により取得された手荷物3の撮像画像に基づいて、メインコンベア5により搬送される手荷物3の種別を検知する。第1手荷物検知部28は、上流カメラ23と協働して手荷物3の種別を検知する。
【0048】
第2手荷物検知部29は、下流カメラ24により取得された手荷物3の撮像画像に基づいて、ターンテーブル10に載置された手荷物3の寸法及び向きを検知する。第2手荷物検知部29は、下流カメラ24と協働して手荷物3の寸法及び向きを検知する。
【0049】
積付演算部33は、第2手荷物検知部29により検知された手荷物3の寸法に基づいて、手荷物3を寸法毎に異なるコンテナ2に優先的に積み付けるような制御信号を求める。
【0050】
移動制御部30は、第1手荷物検知部28の検知データに基づいて、手荷物3が積付対象(スーツケース)であると判断されたときに、プッシャー9,11により手荷物3をターンテーブル10に移動させるような制御信号を制御盤26に送出する。移動制御部30は、制御盤26と協働して、手荷物3がターンテーブル10に移動するようにプッシャー9,11を制御する。
【0051】
回転制御部31は、第2手荷物検知部29により検知された手荷物3の向きに基づいて、ターンテーブル10に載置された手荷物3の向きを一定にするような制御信号を制御盤26に送出する。このとき、回転制御部31は、手荷物3の取手3a(図1参照)がターンテーブル10の下流側(バッファコンベア12側)を向くようなターンテーブル10の回転方向及び回転量を求め、その回転方向及び回転量に応じてターンテーブル10を回転させるような制御信号を制御盤26に送出する。回転制御部31は、制御盤26と協働して、手荷物3の向きが一定となるようにターンテーブル10を制御する。
【0052】
位置制御部32は、手荷物3の向きが一定となるようにターンテーブル10が制御された後、プッシャー13,14によりバッファコンベア12において手荷物3をY軸方向に対して位置決めするような制御信号を制御盤26に送出する。位置制御部32は、制御盤26と協働して、手荷物3がY軸方向に対して位置決めされるようにプッシャー13,14を制御する。
【0053】
積付制御部38は、積付演算部33により得られた制御信号に応じて積付ロボット15を制御する。積付制御部38は、積付ロボット15のロボットアーム20及び移動部40(図1参照)のそれぞれに対して、適切なタイミングで制御信号を送信する。
【0054】
ここで、図5及び図6に示すように、荷物積付装置1は、コンテナ2の特徴部を検出する検出部70を有する。図5に示すように、検出部70は、底面66aの特徴部を検出する。検出部70は、底面66aの特徴部を検出する第1の検出器71を有する。検出部70は、このような第1の検出器71として、距離を測定する測定器を有する。図6に示すように、検出部70は、棚部69の特徴部を検出する。検出部70は、棚部69の特徴部を検出する第2の検出器72を有する。検出部70は、このような第2の検出器72として、距離を測定する測定器を有する。
【0055】
図5に示すように、第1の検出器71は、底面66aの特徴部として、フォーク用の穴部90の有無を検出する。これにより、第1の検出器71は、フォーク用の穴部90の有無に基づいて、底面66aの高さを分類する。第1の検出器71は、下壁部66に対応する高さ位置に配置され、Y軸方向の負側から下壁部66付近の構造物の距離を測定する。図1及び図2に示すように、第1の検出器71は、床面付近のレール21に近接した位置であって、コンテナ2と対向する場所に配置される。
【0056】
第1の検出器71は、図5(a)に示すように、フォーク用の穴部90が検出されなかった場合、底面66aは「低い」と分類される。この場合、荷物積付装置1は、低い底面66aの高さを基準位置ST1として、荷物3の積み付けを行う。第1の検出器71は、図5(b)に示すように、フォーク用の穴部90が検出された場合、底面66aは「高い」と分類される。この場合、荷物積付装置1は、高い底面66aの高さを基準位置ST1として、荷物3の積み付けを行う。
【0057】
図6に示すように、第2の検出器72は、棚部69の特徴部として、中間棚65の有無を検出する。これにより、第2の検出器72は、中間棚65の有無に基づいて、棚部69の高さを分類する。第2の検出器72は、棚部69よりも低い位置に配置され、Y軸方向の負側からコンテナ2の内部の中間棚65付近の構造物の距離を測定する。図1及び図2に示すように、第2の検出器72は、床面付近のレール21に近接した位置であって、コンテナ2と対向する場所に配置される。
【0058】
第2の検出器72は、図6(a)に示すように、中間棚65が検出された場合、棚部69は「高い」と分類される。なお、このときの棚部69の高さのばらつきは20mm程度である。第2の検出器72は、図6(b)に示すように、中間棚65が検出されなかった場合、棚部69は「低い」と分類される。このときの棚部69の高さのばらつきは100mm程度である。
【0059】
積付ロボット15は、棚部69が高い位置にあると検出された場合と、低い位置にあると検出された場合とで、異なる動作にて、棚部69への荷物3の積み付けを行う。図7(a)(b)に示すように、コンテナ2が中間棚65を有し、棚部69が高いと分類された場合、フォーク用の穴部90の有無にかかわらず、積付ロボット15は、水平積み付けを行う。図7(a)に示すように、フォーク用の穴部90がある場合も、図7(b)に示すように、フォーク用の穴部90がない場合も、棚部69の高さ位置には大きな差はない。このとき、棚部69が高いと分類されたグループ内の棚部69の最大高さを棚部基準位置ST2とする。
【0060】
棚部69が高い場合に、積付ロボット15のロボットハンド22を反転させる積付方法(図9参照)を行うと、コンテナ2の天井に干渉する可能性がある。従って、積付ロボット15は、棚部69が高い位置にあると検出された場合、水平積み付けを行う。図8を参照して、水平積み付けについて説明する。まず、図8(a)に示すように、積付ロボット15は、ロボットハンド22を水平姿勢に保ったまま、棚部69の奥側の位置までアプローチする。次に、図8(b)に示すように、積付ロボット15は、ロボットハンド22のコンベアを前進回転させながら、ロボットハンド22を後退させて、棚部69に手荷物3を荷置きする。次に、図8(c)に示すように、積付ロボット15は、棚部69からはみ出た手荷物3の角部を、ロボットハンド22によってならす動作を行い、棚部69へ押し込む。図8(d)に示すように、積付ロボット15は、棚部69における手前側の積込スペース確保のために、手荷物3を奥側へ押し込む。
【0061】
ロボットハンド22と棚部69の落差が大きい場合、落下による衝撃により棚部69より落下する可能性がある。しかし、上記積付方法は、棚部69が高いと分類されたコンテナ2では、高さのばらつきが小さく、落下のばらつきが小さいため、有効な積付手法である。
【0062】
図9に示すように、コンテナ2が中間棚65を有さず、棚部69が低いと分類された場合、フォーク用の穴部90の有無にかかわらず、棚部69の位置に100mm程度のばらつきある。図9(a)に示すように、フォーク用の穴部90がある場合も、図9(b)に示すように、フォーク用の穴部90がない場合も、棚部69の高さ位置のばらつきが大きい。いずれの場合であっても、手荷物3とコンテナ2の天井との間には十分なスペースが存在するため、積付ロボット15は、ロボットハンド22を反転させる積付方法で、棚部69に手荷物3を積み付ける。このとき、棚部69が低いと分類されたグループ内の棚部69の最大高さを棚部基準位置ST2とする。
【0063】
図10を参照して、ロボットハンド22を反転させる積付方法について説明する。まず、図10(a)に示すように、積付ロボット15は、ロボットハンド22を反転させて、棚部69の位置のばらつきにおける最上位置から手荷物3の荷置きを行う。図10(b)に示すように、積付ロボット15は、積み付けによる衝撃で棚部69から荷物3が落下しないように、ロボットハンド22の側面で手荷物3を堰き止める。次に、図10(c)に示すように、積付ロボット15は、積み付けによる手荷物3の位置のばらつきを補正するため、手荷物3のはみ出しを押し込む。棚部69が低いと分類されたコンテナ2では、高さのばらつきが大きく、荷置き時の積み付けによる落差のばらつきが大きいため、落差のばらつきを吸収可能な上記積付方法を有効に活用できる。
【0064】
次に、本実施形態に係る荷物積付装置1の作用・効果について説明する。
【0065】
コンテナ2は、箱状の本体部60と、本体部60の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部69と、を有する。コンテナ2の中には、本体部60の底面66aの高さが異なるものや、棚部69の高さが異なるものが存在する。従って、検出部70が、本体部60の底面66aの特徴部、及び棚部69の特徴部の少なくとも一方を検出することで、コンテナ2の種類を把握することができる。そのため、積付ロボット15は、コンテナ2の種類に応じた動作で荷物の積付を行うことが可能となる。以上より、コンテナ2の種類に関わらず荷物の積み付けが可能となる。
【0066】
検出部70は、底面66aの特徴部、及び棚部69の特徴部を検出してよい。このように、検出部70が底面66aの特徴部及び棚部69の特徴部を両方検出することで、コンテナ2の種類をより詳細に把握することができる。
【0067】
検出部70は、底面66aの特徴部を検出する第1の検出器71と、棚部69の特徴部を検出する第2の検出器72と、を有してよい。このように、検出対象によって異なる検出器71,72を用いることで、各検出器71,72の配置の自由度を向上できる。
【0068】
検出部70は、距離を測定する測定器を有してよい。この場合、安価に検出部70を構成することができる。
【0069】
検出部70は、棚部69が高い位置にあるか、低い位置にあるかを検出し、積付ロボット15は、棚部69が高い位置にあると検出された場合と、低い位置にあると検出された場合とで、異なる動作にて、棚部69への荷物の積み付けを行ってよい。この場合、積付ロボット15は、棚部69の高さに応じて、コンテナ2の壁部との干渉を回避しながら、適切な動作で積み付けを行うことができる。
【0070】
積付ロボット15は、棚部69が高い位置にあると検出された場合、水平積み付けを行ってよい。この場合、積付ロボット15は、コンテナ2の天井と干渉することを回避しながら、積み付けを行うことができる。
【0071】
荷物積付装置1によれば、多種のコンテナに対し、汎用的に自動積付が可能となり、運用面での稼働率を向上することができる。例えば、空港では、多種のコンテナが流動的に使用されるため、単一種コンテナ対応の装置では、使用頻度が低くなる場合がある。「底面高さについて2種類×棚部高さについて2種類」という分類のため、多種のコンテナに対し、多種多様な設定や調整が不要となる。また、多種のコンテナに対し、画像センサ(画像処理システム含む)などの高価なセンサを使用せずに特定部位(フォーク穴、中間棚)の有無を測距センサ等の簡易なセンサで検知することで、汎用的な自動積付が可能となる。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。検出部の構成は、特に上述の実施形態に限定されるものではない。検出部が棚部の特徴部及び底面の特徴部の両方を検出する一つの検出器を有していてもよい。また、検出器として、距離の測定器にかえて、カメラなどを採用してもよい。なお、作業者が棚部や底面の高さを判断し、システムに対して判断結果を入力してもよく、この場合は判断結果の入力部が検出部となる。
【0073】
上述の実施形態では、棚部の特徴部及び底面の特徴部の両方を検出したが、少なくとも一方を検出すればよい。
【0074】
また、「特徴部」に関し、直接的に対象物を見る場合に加えて、間接的に対象物に紐づいた物を見る場合が採用されてもよい。
【0075】
[形態1]
荷物を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送された荷物をコンテナに積み付ける積付ユニットと、
前記コンテナの特徴部を検出する検出部と、を備え、
前記コンテナは、箱状の本体部と、前記本体部の内部において、所定の高さ位置において水平方向に沿って延びる棚部と、を有し、
前記検出部は、前記本体部の底面の前記特徴部、及び前記棚部の前記特徴部の少なくとも一方を検出する、荷物積付装置。
[形態2]
前記検出部は、前記底面の前記特徴部、及び前記棚部の前記特徴部を検出する、形態1に記載の荷物積付装置。
[形態3]
前記検出部は、前記底面の前記特徴部を検出する第1の検出器と、前記棚部の前記特徴部を検出する第2の検出器と、を有する、形態2に記載の荷物積付装置。
[形態4]
前記検出部は、距離を測定する測定器を有する、形態1~3の何れか一項に記載の荷物積付装置。
[形態5]
前記検出部は、前記棚部が高い位置にあるか、低い位置にあるかを検出し、
前記積付ユニットは、前記棚部が高い位置にあると検出された場合と、低い位置にあると検出された場合とで、異なる動作にて、前記棚部への前記荷物の積み付けを行う、形態1~4の何れか一項に記載の荷物積付装置。
[形態6]
前記積付ユニットは、前記棚部が高い位置にあると検出された場合、水平積み付けを行う、形態5に記載の荷物積付装置。
【符号の説明】
【0076】
1…荷物積付装置、2…コンテナ、3…手荷物(荷物)、15…積付ロボット(積付ユニット)、60…本体部、66a…底面、69…棚部、70…検出部、71…第1の検出器、72…第2の検出器、90…搬送部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10