(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172991
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ハードカプセル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20241205BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20241205BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20241205BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20241205BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20241205BHJP
A23F 3/16 20060101ALI20241205BHJP
A61K 36/82 20060101ALI20241205BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20241205BHJP
A61K 31/51 20060101ALI20241205BHJP
A61K 31/525 20060101ALI20241205BHJP
A61K 31/4415 20060101ALI20241205BHJP
A61K 31/375 20060101ALI20241205BHJP
A61K 33/26 20060101ALI20241205BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241205BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20241205BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20241205BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241205BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20241205BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20241205BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241205BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L5/00 C
A23L33/135
A23L33/15
A23L33/16
A23F3/16
A61K36/82
A61K35/747
A61K31/51
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A61K33/26
A61K9/48
A61K47/36
A61K47/02
A61K47/12
A61K31/353
A61P3/04
A61P43/00 121
C12N1/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091090
(22)【出願日】2023-06-01
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】505427632
【氏名又は名称】株式会社ランクアップ
(71)【出願人】
【識別番号】591045471
【氏名又は名称】アピ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】向井 真理子
(72)【発明者】
【氏名】秦 健敏
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健司
(72)【発明者】
【氏名】長田 典久
(72)【発明者】
【氏名】林 博斗
【テーマコード(参考)】
4B018
4B027
4B035
4B065
4C076
4C086
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB10
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(57)【要約】
【課題】優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できるとともに、摂取しやすいハードカプセル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のハードカプセルは、茶抽出物、ラクトバチルス・プランタラム(ラクチプランチバチルス・プランタラム) 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、及び鉄化合物を含む運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤が内容物として充填されたことを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶抽出物、ラクトバチルス・プランタラム(ラクチプランチバチルス・プランタラム) 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、及び鉄化合物を含む運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤が内容物として充填されたハードカプセル。
【請求項2】
前記運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤が、運動・食事療法後の食欲抑制若しくは低減剤、又は空腹感の抑制若しくは低減剤として用いられるものである請求項1に記載のハードカプセル。
【請求項3】
前記水溶性ビタミンが、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、及びビタミンCから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項4】
前記ハードカプセル中における内容物の含有量が300mg以上360mg以下である請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項5】
前記ハードカプセル中における内容物の含有量に対して、前記茶抽出物の含有量が50質量%以上70質量%以下である請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項6】
前記ハードカプセル中における内容物の含有量に対して、前記茶抽出物として含有される総カテキン含有量が37.5質量%以上52.5質量%以下である請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項7】
前記ハードカプセル中における内容物の含有量に対して、前記茶抽出物として含有されるエピガロカテキンガレート含有量が20質量%以上28質量%以下である請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項8】
前記ハードカプセルは、総カテキンの摂取量として450mg/日以上摂取される請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項9】
前記ハードカプセルは、エピガロカテキンガレートの摂取量として150mg/日以上摂取される請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項10】
前記ハードカプセルは、さらに澱粉を内容物として含む請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項11】
前記澱粉の水分活性が0.2未満である請求項10に記載のハードカプセル。
【請求項12】
前記ハードカプセルは、さらに二酸化ケイ素を内容物として含む請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項13】
前記ハードカプセルは、さらにステアリン酸金属塩を内容物として含む請求項1又は2に記載のハードカプセル。
【請求項14】
請求項13に記載のハードカプセルの製造方法であって、以下の(A)~(C)の工程を有するハードカプセルの製造方法。
工程(A):茶抽出物及びステアリン酸金属塩を混合してなる混合物を乾式で造粒し、乾式造粒品を得る工程。
工程(B):前記工程(A)の乾式造粒品に、少なくともラクトバチルス・プランタラム(ラクチプランチバチルス・プランタラム) 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、鉄化合物、及びステアリン酸金属塩を混合し、混合品を得る工程。
工程(C):前記工程(B)の混合品を、ハードカプセルに充填する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できるとともに、内容物を摂取しやすいハードカプセル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、正常な状態に比べ体重が多い状況又は体脂肪が過剰に蓄積した状態を肥満という。最近では、肥満は、体格指数(BMI)を指標として定量的に把握することが可能となった。肥満となる原因は、様々であるが、例えば高カロリー食、飲酒・喫煙、運動不足、ストレス等の生活習慣が原因で生ずることが多い。肥満は、心筋梗塞、脳梗塞等の成人病の原因とされる動脈硬化症の危険因子として知られ、社会的に重大な問題となっている。
【0003】
しかしながら、肥満の症状は、食生活の改善、適度な運動以外に根本的な治療法が確立されていないのが現状である。肥満の症状を改善するための方法としては、摂取エネルギーを低減させる方法、消費エネルギーを増大させる方法等のダイエット法を組み合わせて、体重又は体脂肪を低減させる方法が一般的である。また、下記文献に示されるように、特定の成分について、体脂肪及び体重の減少効果が報告されている。
【0004】
非特許文献1は、総カテキン類摂取量が450mg/日の場合における体脂肪及び体重の減少効果が開示されている。非特許文献2は、総カテキン類摂取量が600mg/日の場合における体脂肪の減少及び体重減少効果が開示されている。非特許文献3は、エピガロカテキンガレート(EGCg)摂取量が150~250mg/日の場合における体脂肪の減少効果が開示されている。さらに、特許文献1及び非特許文献4は、内臓脂肪減少に効果があるが体内吸収率が低いEGCgを、吸収し易いエピガロカテキン(EGC)に腸内で変換させるタンナーゼ活性を有するラクトバチルス・プランタラム 22A-3株(FERM P-21411)の生菌(スマート乳酸菌:丸善製薬社製)が開示されている。
【0005】
ところが、摂取エネルギーの制限等のダイエットにより、体内において恒常性機能が活発化し、消費エネルギーの低減、栄養の吸収強化、脂肪の蓄積作用の増大等が生ずる。それにより、体重又は体脂肪減少の停滞が生ずる。特にダイエット法を一時停止した場合、一旦減少した体重又は体脂肪が元の状態以上となるまで増加、いわゆるリバウンドが生ずることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Journal of Health Science (2005年), 51(2) 161-171頁
【非特許文献2】Progress in Medicine (2002年), 22, 2189-2203頁
【非特許文献3】Food Funct.,(2016年), 7(1), 498-507頁
【非特許文献4】「スマート乳酸菌」に更なる可能性!、最終更新日2022年7月26日、PR TIMESホームページ[令和5年3月22日検索]、インターネット<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000070472.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記文献に記載のEGCg及びEGC等のエステル型カテキンは、ダイエットに効果があるが、摂取時に強い苦みがあるという問題があった。そのため、カテキン類を高含有で摂取する場合には、呈味を感じないような剤型を選択する必要があった。
【0009】
上記の背景から、優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できるとともに、内容物を摂取しやすいハードカプセル及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、内容物として茶抽出物、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、及び鉄化合物を含むハードカプセルが、優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮することを新たに見出した。
【0011】
上記課題を解決する各態様を記載する。
態様1のハードカプセルは、茶抽出物、ラクトバチルス・プランタラム(ラクチプランチバチルス・プランタラム) 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、及び鉄化合物を含む運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤が内容物として充填されたことを特徴とする。
【0012】
態様2は、態様1に記載のハードカプセルにおいて、前記運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤が、運動・食事療法後の食欲抑制若しくは低減剤、又は空腹感の抑制若しくは低減剤として用いられるものである。
【0013】
態様3は、態様1又は2に記載のハードカプセルにおいて、前記水溶性ビタミンが、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、及びビタミンCから選ばれる少なくとも1種を含む。
【0014】
態様4は、態様1~3のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセル中における内容物の含有量が300mg以上360mg以下である。
態様5は、態様1~4のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセル中における内容物の含有量に対して、前記茶抽出物の含有量が50質量%以上70質量%以下である。
【0015】
態様6は、態様1~5のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセル中における内容物の含有量に対して、前記茶抽出物として含有される総カテキン含有量が37.5質量%以上52.5質量%以下である。
【0016】
態様7は、態様1~6のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセル中における内容物の含有量に対して、前記茶抽出物として含有されるエピガロカテキンガレート含有量が20質量%以上28質量%以下である。
【0017】
態様8は、態様1~7のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセルは、総カテキンの摂取量として450mg/日以上摂取される。
態様9は、態様1~8のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセルは、エピガロカテキンガレートの摂取量として150mg/日以上摂取される。
【0018】
態様10は、態様1~9のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセルは、さらに澱粉を内容物として含む。
態様11は、態様10に記載のハードカプセルにおいて、前記澱粉の水分活性が0.2未満である。
【0019】
態様12は、態様1~11のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセルは、さらに二酸化ケイ素を内容物として含む。
態様13は、態様1~12のいずれか一態様に記載のハードカプセルにおいて、前記ハードカプセルは、さらにステアリン酸金属塩を内容物として含む。
【0020】
態様14のハードカプセルの製造方法は、態様13に記載のハードカプセルの製造方法であって、以下の(A)~(C)の工程を有するハードカプセルの製造方法。
工程(A):茶抽出物及びステアリン酸金属塩を混合してなる混合物を乾式で造粒し、乾式造粒品を得る工程。
【0021】
工程(B):前記工程(A)の乾式造粒品に、少なくともラクトバチルス・プランタラム(ラクチプランチバチルス・プランタラム) 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、鉄化合物、及びステアリン酸金属塩を混合し、混合品を得る工程。
【0022】
工程(C):前記工程(B)の混合品を、ハードカプセルに充填する工程。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できるとともに、内容物を摂取しやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るハードカプセルを具体化した実施形態について説明する。本実施形態のハードカプセルは、茶抽出物、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、及び鉄化合物を含む運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤(以下、「再増加抑制剤」という)が内容物として充填されている。なお、ラクトバチルス・プランタラムは、2020年の再分類によりラクチプランチバチルス・プランタラムに属名変更されている。
【0025】
(茶抽出物)
茶抽出物の原料として用いられる茶葉としては、特に限定されず、不発酵茶である緑茶、半発酵茶、発酵茶等が挙げられるが、いずれであってもよい。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でより優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる観点から緑茶が好ましい。
【0026】
緑茶としては、例えば煎茶、玉露用途、碾茶、番茶等が挙げられる。半発酵茶としては、例えばウーロン茶等が挙げられる。発酵茶としては、例えば紅茶等が挙げられる。
茶の抽出方法は、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、撹拌抽出、ニーダー抽出、ドリップ抽出、カラム抽出等の公知の抽出方法を採用できる。抽出溶剤としては、例えば硬水、軟水、イオン交換水、蒸留水等の水、さらにエタノール等の有機溶剤、上記の水とエタノール等の有機溶剤との混合液等が挙げられる。抽出溶剤は、必要により抽出助剤等を添加することができる。抽出助剤としては、例えばアスコルビン酸、炭酸カリウム、重曹等のpH調整剤が挙げられる。
【0027】
抽出温度は、適宜設定されるが、好ましくは70~100℃、より好ましくは80~95℃である。抽出溶媒の使用量は、適宜設定されるが、茶葉に対する質量比で好ましくは5~60倍、より好ましくは10~50倍である。抽出時間は、適宜設定されるが、好ましくは1~20分、より好ましくは2~10分である。
【0028】
得られた抽出物は、水を蒸発させて濃縮処理、又は乾燥及び粉末化される。処理液の濃縮及び乾燥には、公知の減圧濃縮、膜濃縮、凍結濃縮、真空乾燥、噴霧乾燥、又は凍結乾燥が採用される。
【0029】
茶抽出物には、ポリフェノールとして茶カテキンが主成分として含まれる。茶カテキンとしては、フラバノールを骨格に有する化合物であって、例えばエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、フラバノール(カテキン)、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等が挙げられる。茶抽出物中には、これらの茶カテキンは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる観点から、エピガロカテキンガレートが茶抽出物中に含まれることが好ましい。
【0030】
また、茶抽出物は、上記のように抽出して得られた茶抽出物からさらに茶カテキンが抽出、粗精製、精製されたものを使用することが好ましい。かかる構成により、茶カテキンが高濃度で再増加抑制剤中に配合できる。茶カテキンは、上記のように得られた茶抽出物をさらに1又は2以上のクロマトグラフィを用いて分離する工程を経ることにより得られる。クロマトグラフィとしては、公知のクロマトグラフィ、例えばガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、超臨界流体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ等を用いることができる。液体クロマトグラフィとしては、例えばカラムクロマトグラフィを用いることができ、より具体的には高速液体クロマトグラフィ(HPLC)及びオープンカラムクロマトグラフィを挙げることができる。クロマトグラフィ担体の具体例としては、例えばイオン交換クロマトグラフィ、分配クロマトグラフィ(順相・逆相クロマトグラフィ)、吸着クロマトグラフィ、分子排斥クロマトグラフィ等が挙げられる。
【0031】
ハードカプセルの内容物中(再増加抑制剤の乾物中(以下、同じ))における茶抽出物の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは50質量%以上70質量%以下、より好ましくは55質量%以上65質量%以下である。茶抽出物の含有量が、かかる範囲に規定されることにより、効率的に運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる。
【0032】
ハードカプセルの内容物中において茶抽出物として含有される総カテキン含有量は、適宜設定されるが、好ましくは37.5質量%以上52.5質量%以下である。総カテキンの含有量が、かかる範囲に規定されることにより、効率的に運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる。
【0033】
ハードカプセルの内容物中において茶抽出物として含有されるエピガロカテキンガレート含有量は、適宜設定されるが、好ましくは20質量%以上28質量%以下である。エピガロカテキンガレートの含有量が、かかる範囲に規定されることにより、効率的に運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる。
【0034】
また、運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を効率的に得るために、総カテキンの摂取量は適宜設定されるが、好ましくは450mg/日以上、より好ましくは500mg/日以上、さらに好ましくは550mg/日以上、特に好ましくは600mg/日以上である。
【0035】
また、運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を効率的に得るために、エピガロカテキンガレート(EGCg)の摂取量は適宜設定されるが、好ましくは150mg/日以上、より好ましくは200mg/日以上、さらに好ましくは250mg/日以上である。
【0036】
(ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株)
ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株は、タンナーゼ活性を有し、かつ、没食子酸脱炭酸酵素活性を有さないラクトバシルス・プランタラムであって、イヌリン資化性を有するラクトバチルス・プランタラムの一種である。
【0037】
ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株は、漬物より分取してもよく、市販品より入手してもよい。また、市販品としては、例えば特許文献1及び非特許文献4に記載の丸善製薬社製のスマート乳酸菌(登録商標)が挙げられる。
【0038】
ハードカプセル1錠での内容物中におけるラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の含有量は、適宜設定されるが、好ましくは生菌数として1億個以上11億個以下、より好ましくは2億個以上10億個以下である。かかる範囲に規定されることにより、効率的に運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる。
【0039】
また、運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を効率的に得るために、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の摂取量は、適宜設定されるが、生菌数として4億個/日以上44億個/日以下が好ましく、8億個/日以上40億個/日以下がより好ましい。
【0040】
(水溶性ビタミン)
上記以外で配合成分として水溶性ビタミンが挙げられる。水溶性ビタミンは、内容量が制限されるハードカプセルにおいて、少ない摂取量で身体のコンディション作りに効果を発揮する。水溶性ビタミンとしては、例えばビタミンC、ビタミンB群が挙げられる。ビタミンB群の具体例としては、例えばビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
これらの中でより優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる観点からビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、及びビタミンCから選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、再増加抑制剤は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、及びビタミンCを含むことがより好ましい。なお、ビタミンCは、後述する鉄化合物の吸収を促進する効果を発揮する。
【0042】
ハードカプセルの内容物中における総水溶性ビタミンの含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。かかる総水溶性ビタミンの含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。
【0043】
ハードカプセルの内容物中における水溶性ビタミンの個別の含有量としては、以下の通りである。
ハードカプセルの内容物中におけるビタミンB1の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは0.07質量%以上である。かかるビタミンB1の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.18質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。
【0044】
ハードカプセルの内容物中におけるビタミンB2の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上である。かかるビタミンB2の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.19質量%以下、より好ましくは0.16質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。
【0045】
ハードカプセルの内容物中におけるビタミンB6の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上である。かかるビタミンB6の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.21質量%以下、より好ましくは0.18質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。
【0046】
ハードカプセルの内容物中におけるビタミンCの含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上である。かかるビタミンCの含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは5.5質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。
【0047】
水溶性ビタミンの含有量が、かかる範囲に規定されることにより、効率的に運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる。
(鉄化合物)
上記以外で配合成分として鉄化合物が挙げられる。鉄化合物は、内容量が制限されるハードカプセルにおいて、少ない摂取量で身体のコンディション作りに効果を発揮する。再増加抑制剤に適用される鉄化合物の種類としては、特に限定されず、二価鉄であっても、三価鉄であってもよい。三価鉄の具体例としては、例えばクエン酸鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄、リン酸第二鉄、水酸化第二鉄、酸化第二鉄等が挙げられる。これらの中でピロリン酸第二鉄が好ましく適用される。二価鉄の具体例としては、例えばクエン酸第一鉄ナトリウム、ピロリン酸第一鉄、リン酸第一鉄、水酸化第一鉄、酸化第一鉄等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
ハードカプセルの内容物中における鉄化合物の含有量の下限は、適宜設定されるが、鉄量として好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。かかる鉄化合物の含有量の上限は、適宜設定されるが、鉄量として好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。鉄化合物の含有量が、かかる範囲に規定されることにより、効率的に運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮できる。
【0049】
(添加剤)
再増加抑制剤は、添加剤としてステアリン酸金属塩、及び必要により加えられるその他の添加剤とともにハードカプセルに充填される。その他の添加剤としては、上記以外の植物抽出物、賦形剤、固結防止剤、助剤、糖類、香料、甘味料、油脂等が挙げられる。
【0050】
ステアリン酸金属塩は、内容物が粉末状の場合、粒子の流動性を向上させるために配合される。後述するように、茶抽出物とステアリン酸塩の混合物を乾式造粒することにより、水分含有量を低減させて、水分による生菌である乳酸菌の死滅を抑制しながら、ハードカプセルに充填できる茶抽出物の量を増やすことができる。
【0051】
ステアリン酸金属塩を構成する金属塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩の具体例としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属塩の具体例としては、第2族元素に該当する金属、例えばカルシウム、マグネシウム、ベリリウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
【0052】
ハードカプセルの内容物中におけるステアリン酸金属塩の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは2質量%以上、より好ましくは4質量%以上である。かかるステアリン酸金属塩の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。なお、上記の上限及び下限を任意に組み合わせた範囲も想定される。ステアリン酸金属塩の含有量が、かかる範囲に規定されることにより、内容物の流動性を向上させて、カードカプセルの製造性を向上できる。
【0053】
賦形剤としては、公知のものが適宜採用されるが、例えば澱粉、セルロース、糖類等が挙げられる。これらの中で、再増加抑制剤に配合される各成分に影響を与えることがなく、内容物を容易に粉末造粒することができる観点から澱粉が好ましい。澱粉の具体例としては、例えばコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉が挙げられる。賦形剤として澱粉が用いられる場合、澱粉の水分活性は、好ましくは0.2未満、より好ましくは0.1未満、さらに好ましくは0.05未満である。かかる範囲に規定されることにより、内容物中に水分含有量を低減させて、水分による乳酸菌の死滅を抑制できる。
【0054】
固結防止剤の具体例としては、例えば二酸化ケイ素、リン酸カルシウム、粉末セルロース、ケイ酸塩等が挙げられる。これらの中で、再増加抑制剤に配合される各成分に影響を与えることがなく、内容物を容易に粉末造粒することができる観点から二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素は、内容物の流動性を向上できる観点から微粒二酸化ケイ素であることが好ましい。
【0055】
(ハードカプセル)
ハードカプセルは、上述した各成分を含有する再増加抑制剤が内容物として充填される。内容物の剤型は、特に限定されず、粉末状、粒子状、顆粒状等が挙げられる。内容物のうち、茶抽出物及びステアリン酸塩は、好ましくは乾式造粒法を用いて造粒されてからハードカプセル内に充填される。また、内容物の充填方法としては、例えばオーガ式、タッピング式、ファンネル式等が挙げられる。充填方式は、特に限定されないが、好ましくはタッピング式、オーガ式が適用され、さらに好ましくはオーガ式が適用される。
【0056】
ハードカプセルの製造方法は、公知の方法を用いて製造することができる。本実施形態のハードカプセルは、以下の(A)~(C)の工程を有することが好ましい。かかる工程を経ることにより、茶抽出物をより多く含む内容物を効率的に得られる。また、工程(A)で造粒を乾式で行うことにより、内容物中に水分含有量を低減させて、水分による乳酸菌の死滅を抑制できる。
【0057】
工程(A):茶抽出物及びステアリン酸金属塩を混合してなる混合物を乾式で造粒し、乾式造粒品を得る工程。
工程(B):前記工程(A)の乾式造粒品に、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、鉄化合物、及びステアリン酸金属塩を混合し、混合品を得る工程。
【0058】
工程(C):前記工程(B)の混合品を、ハードカプセルに充填する工程。
上記成分以外のその他成分が含まれる場合、上記工程(A)及び工程(B)のいずれの工程で配合されてもよい。
【0059】
ハードカプセルを構成する材料としては、公知のものを適宜採用することができ、例えばセルロース、プルラン等の植物性多糖類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン等が挙げられる。これらの材料は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。ハードカプセルの形状も特に限定されず、公知の形状、例えば本体部(ボディ)と蓋部(キャップ)から構成される形状等を適宜採用することができる。これらのカプセルは、瓶詰め包装、PTP包装、パウチ等の包装形態で包装されてもよい。ハードカプセル中における内容物の含有量は、カプセル1粒当たり300mg以上360mg以下が好ましい。かかる範囲に規定することにより、再増加抑制剤を効率よく摂取することができる。
【0060】
(再増加抑制剤)
再増加抑制剤は、上述した成分により運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮する。いわゆるダイエット後のリバウンドを抑制する作用を発揮する。体重の再増加とは、ダイエットにより減少した体重が増加する現象をいう。体重の再増加とは、特に脂肪の増加による体重増加を示す。運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用として、具体的に運動・食事療法後の食欲抑制又は低減作用、空腹感の抑制又は低減作用が挙げられる。さらに食欲抑制又は低減作用として、具体的に甘味に対する食欲の抑制又は低減作用、間食に対する食欲の抑制又は低減作用が挙げられる。これらの作用により、運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮する。そのため、再増加抑制剤は、運動・食事療法後の食欲抑制又は低減剤、空腹感の抑制又は低減剤、甘味に対する食欲の抑制又は低減剤、間食に対する食欲の抑制又は低減剤として適用することもできる。
【0061】
(使用形態)
本実施形態の再増加抑制剤を充填するハードカプセルの具体的な配合形態としては、上記の作用効果を得ることを目的とした食品、医薬品、医薬部外品等として適用することができる。
【0062】
本実施形態の再増加抑制剤を充填するハードカプセルを食品に適用する場合、さらに内容物として、上記以外の添加剤、例えば基材、食品添加剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。食品の用途としては、特に限定されず、いわゆる(1)一般食品、(2)栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品、サプリメント等の健康食品、(3)特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、機能性食品等の保健機能食品、(4)病者用食品等の特別用途食品等が挙げられる。飲食品において用途の表示をする場合、包装、容器等のパッケージへの表示の他、パンフレット等の広告媒体への表示も含まれる。
【0063】
再増加抑制の用途の表示をする場合、運動・食事療法後の体重又は脂肪の再増加抑制等の表示が挙げられる。また、運動・食事療法後の食欲抑制又は低減、空腹感の抑制又は低減、甘味に対する食欲の抑制又は低減、間食に対する食欲の抑制又は低減等の表示が挙げられる。また、これらの抑制又は低減を示唆する表示も含まれる。具体的に、ダイエット後のリバウンドを抑制等の表示も例示される。
【0064】
医薬組成物や医薬部外品として使用する場合は、ハードカプセルの形態により服用(経口摂取)される。医薬組成物や医薬部外品として用いる場合、さらに内容物として、薬学的に許容される上記以外の添加剤、例えば基剤、担体、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を配合してもよい。
【0065】
本実施形態のハードカプセルを食品等として適用する場合、一日当たりの摂取量は特に限定されない。優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用の発現の観点から、再増加抑制剤の含有量として、好ましくは100mg以上3000mg以下/日、より好ましくは150mg以上2000mg以下/日となる投与量である。また、摂取時期は、特に限定されず、ダイエット期間中、及びダイエット期間終了後に摂取することができる。優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用の発現の観点から、ダイエット開始からダイエット期間終了後、数か月に亘って摂取することが好ましい。
【0066】
本実施形態のハードカプセルの効果について説明する。
(1)本実施形態のハードカプセルは、上述した茶抽出物、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の生菌、水溶性ビタミン、及び鉄化合物を含む再増加抑制剤を内容物として充填して構成した。したがって、優れた運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用を発揮する。よって、ダイエット後の体型又は体重を維持することができる。また、剤型にハードカプセルを選定したことにより、茶抽出物を高含率で配合した場合であってもエステル型カテキンの苦みに影響しないように容易に摂取できる。
【0067】
(2)また、茶抽出物を乾式での造粒を行った場合、ハードカプセルへの茶抽出物の充填量を多くすることができるとともに、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株の生菌の安定性を向上できる。また、リバウンド防止のための機能性素材として、水溶性ビタミン及び鉄化合物を配合するとともに、リバウンド防止にも役立つラクトバチルス・プランタラム 22A-3株及びカテキン類を配合した。そのため、内容物容積の節約にもつながる。また、摂取が必要なハードカプセル数が最小限になり、摂取のしやすさ及びコストメリットが向上する。さらに、ラクトバチルス・プランタラム 22A-3株のタンナーゼ活性により、EGCgの体内吸収率を上昇させることができ、それによりリバウンド防止をより向上できる。
【0068】
(3)また、運動・食事療法後の体重の再増加抑制剤は、優れた運動・食事療法後の食欲抑制若しくは低減作用、又は空腹感の抑制若しくは低減作用を発揮する。したがって、容易にダイエット後の体型又は体重の維持を図ることができる。
【0069】
(4)本実施形態のハードカプセルにおいて、内容物が乾式造粒法を用いて成形される場合、水分含有量を低減させて、水分による生菌である乳酸菌の死滅を抑制することができる。また、カプセル中に多くの内容物を充填することができる。さらに、賦形剤に水分活性の低いタピオカ澱粉を使用した場合も、生菌である乳酸菌の死滅を抑制することができる。
【0070】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
・上記実施形態におけるハードカプセルは、ヒトに対して適用することができるのみならず、ペット、家畜等の飼養動物に対して適用してもよい。
【実施例0071】
以下、本発明の構成及び効果について実施例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験例1:ハードカプセル摂取試験>
被験者が下記に示されるように製造された再増加抑制剤を内容物として充填するハードカプセルを、所定期間摂取した場合における運動・食事療法後の体重の再増加抑制作用について試験した。
【0072】
(1)ハードカプセルの製造方法
下記の表1に示される成分からなる再増加抑制剤を内容物として使用した。ハードカプセルとしてHPMCから構成される本体部と蓋部とを有する2号カプセルを使用した。下記に示される工程(A)~(C)を経る方法によりハードカプセルを調製した。
【0073】
【表1】
工程(A)として、茶抽出物及び上記ステアリン酸カルシウム量のうち4mg/粒を混合してなる混合物を乾式で造粒し、乾式造粒品を得た。次に、工程(B)として、工程(A)の乾式造粒品に、茶抽出物以外の成分及び上記ステアリン酸金属の残りの18.054mg/粒を混合し、混合品を得た。工程(C)として、ハードカプセルの本体部内に工程(B)の混合品を330mg/粒の割合で充填し、蓋部を被せて再増加抑制剤を内容物として充填するハードカプセルを得た。
【0074】
(2)運動・食事療法及びハードカプセルの摂取
25~49歳の14名の成人が被験者として参加した。
下記表2に示されるように、試験期間は、運動・食事療法によるダイエット期間、上記再増加抑制剤が充填されたハードカプセルの摂取期間、プラセボ(内容物:澱粉)の摂取期間から構成される。
【0075】
まず、運動・食事療法によるダイエットを30日間行った。各被験者において、無理のないダイエットを行ってもらうために、年齢、体重、生活習慣等を考慮し、通常より数百キロカロリー/日以内でのカロリー摂取制限、又は通常よりプラスの運動を行ってもらった。
【0076】
ダイエット期間の30日間及びダイエット期間終了後30日間の計60日間、上記ハードカプセルを摂取した。ハードカプセルは、1日に4粒(内容物として合計1320mg)を摂取した。ハードカプセル摂取期間が終了した後、さらに30日間プラセボを摂取した。プラセボの摂取量は、ハードカプセルと同量とした。
【0077】
【表2】
(3)体重の測定
各被験者について、ダイエット開始前(試験開始0日)、ダイエット期間終了後(試験開始30日目)、ハードカプセル摂取期間終了後(試験開始60日目)、プラセボ摂取期間終了後(試験開始90日目)に体重を測定した。
【0078】
ダイエット開始前の体重を基準として、各期間の増減量(kg)を求めた。ダイエット期間終了後の体重の変化量、ハードカプセル摂取期間終了後の体重の変化量、プラセボ摂取期間終了後の体重の変化量が、表3の「ダイエット期間終了後の体重変化(kg)(a)」欄、「ハードカプセル摂取期終了後の体重変化(kg)(b)」、「プラセボ摂取期終了後の体重変化(kg)(c)」欄にそれぞれ示される。また、ダイエット期間終了後からハードカプセル摂取期間終了後の体重の変化量(kg)が、表3の「(b)-(a)」欄に示される。また、ハードカプセル摂取期間終了後からプラセボ摂取期間終了後の体重の変化量(kg)が、表3の「(c)-(b)」欄に示される。
【0079】
【表3】
表3に示されるように、ダイエット期間が終了した後の体重は、ハードカプセル摂取期間において、大きく増加することはなく、体重の平均値は若干減少する傾向を示した。一方、ハードカプセルの摂取を終了し、プラセボを摂取した後の体重は、増加する傾向を示した。ハードカプセルの摂取により、ダイエット期間が終了した後の体重の増加が抑制されていたことが示された。
【0080】
(4)ウエストの測定
各被験者について、ダイエット開始前(試験開始0日)、ダイエット期間終了後(試験開始30日目)、ハードカプセル摂取期間終了後(試験開始60日目)、プラセボ摂取期間終了後(試験開始90日目)にへそ回りのウエストを測定した。
【0081】
ダイエット開始前のへそ周りのウエストを基準として、各期間の増減量(cm)を求めた。ダイエット期間終了後のへそ周りのウエストの変化量、ハードカプセル摂取期間終了後のへそ周りのウエストの変化量、プラセボ摂取期間終了後のへそ周りのウエストの変化量が、表4の「ダイエット期間終了後のへそ周り変化(cm)(a)」欄、「ハードカプセル摂取期終了後のへそ周り変化(cm)(b)」、「プラセボ摂取期終了後のへそ周り変化(cm)(c)」欄にそれぞれ示される。また、ダイエット期間終了後からハードカプセル摂取期間終了後のへそ周りのウエストの変化量(cm)が、表4の「(b)-(a)」欄に示される。また、ハードカプセル摂取期間終了後からプラセボ摂取期間終了後のへそ周りのウエストの変化量(cm)が、表4の「(c)-(b)」欄に示される。
【0082】
【表4】
表4に示されるように、ダイエット期間が終了した後のへそ周りのウエストは、ハードカプセル摂取期間において、大きく増加することはなく、ウエストの平均値は若干減少する傾向を示した。一方、ハードカプセルの摂取を終了し、プラセボを摂取した後のへそ周りのウエストは、増加する傾向を示した。ハードカプセルの摂取により、ダイエット期間が終了した後のへそ周りのウエストの増加が抑制されていたことが示された。
【0083】
(5)アンケート1
表2に示される運動・食事療法によるダイエット期間及びハードカプセルの摂取期間が終了した後、及びプラセボの摂取期間が終了した後において、被験者14名に下記の項目についてアンケートを実施した。
【0084】
アンケートの項目として「ダイエット期間終了後、ハードカプセル摂取期において、リバウンドを抑制できたと感じるか否か」について、5段階:感じる、やや感じる、あまり感じない、感じない、分からない、で評価を行った。また、「プラセボ摂取期において、リバウンドを抑制できたと感じるか否か」について、5段階(感じる、やや感じる、あまり感じない、感じない、分からない)で評価を行った。表5に該当する項目に答えた人数を示す。
【0085】
【表5】
表5に示されるように、ハードカプセルの摂取により、被験者自身がリバウンドを抑制できたと感じる人数の割合が多いことが確認された。一方、プラセボの摂取期においては、被験者自身がリバウンドを抑制できたとあまり感じない又は感じないと答えた人数の割合が大幅に増加したことが確認された。
【0086】
(6)アンケート2
表2に示される運動・食事療法によるダイエット期間終了後、ハードカプセルの摂取期間終了後、及びさらにプラセボの摂取期間終了後において、被験者14名に下記の項目についてアンケートを実施した。
【0087】
食欲に関する設問として、「食事量が減った」、「お腹が空きづらくなった」、「甘いものを欲さなくなった」、「間食が減った」との各設問について、該当すると感じる被験者の人数を求めた。また、体型に関する設問として、「贅肉が減った」、「体のラインに変化(スリム化)を感じた」との各設問について、該当すると感じる被験者の人数を求めた。結果を表6に示す。
【0088】
【表6】
表6に示されるように、ハードカプセルの摂取期間において、食欲低減又は空腹感低減効果を感じる人数の割合が多いことが確認された。また、体型的にも脂肪の低減効果を感じる人数の割合が多いことが確認された。一方、プラセボの摂取期間終了後においては、食欲低減又は空腹感低減効果を感じる人数の割合が大幅に低下することが確認された。また、体型的に脂肪の低減効果を感じる人数の割合が低下する傾向を示したことが確認された。