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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001730
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】クローラ型車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/06 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
B62D55/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100582
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】598092498
【氏名又は名称】小山田 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】小山田 昌弘
(57)【要約】
【課題】安定して走行することができるクローラ型車両を提供する。
【解決手段】クローラ型車両10は、運転者Dが着座して運転する操作ユニット20と、操作ユニット20の両側で挟んで操作ユニット20を支持する一対の走行ユニット30と、操作ユニット20に搭載され、走行ユニット30による走行を駆動する駆動部40とを備えている。走行ユニット30は、運転者Dが通り抜けて操作ユニット20に乗車する大きさに形成された環状のメインフレーム311と、メインフレーム311から後方へ延びるサブフレーム312と、サブフレーム312に取り付けられ、駆動部40により駆動される駆動輪33と、駆動輪33とメインフレーム311との間を接地区間Lとして、駆動輪33とメインフレーム311の外周部分を周回するクローラ34とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が着座して運転する操作ユニットと、前記操作ユニットの両側で挟んで前記操作ユニットを支持する一対の走行ユニットと、前記操作ユニットに搭載され、前記走行ユニットによる走行を駆動する駆動部とを備え、
前記走行ユニットは、運転者が通り抜けて前記操作ユニットに乗車する大きさに形成された環状のフレームと、前記フレームの後部に取り付けられ、前記駆動部により駆動される駆動輪と、前記駆動輪と前記フレームの底部との所定範囲を接地区間として、前記駆動輪と前記フレームの外周部分を周回するクローラとを備えたクローラ型車両。
【請求項2】
前記フレームの周囲面と前記クローラとの間に、前記駆動輪に巻かれた前記クローラの周回を案内する誘導輪が所定数配置された請求項1記載のクローラ型車両。
【請求項3】
前記フレームの下端に設けられた第1誘導輪は、前記フレームの他の位置に設けられた第2誘導輪より大径に形成された請求項2記載のクローラ型車両。
【請求項4】
前記第1誘導輪と前記駆動輪との間に、前記第2誘導輪が所定数設けられた請求項3記載のクローラ型車両。
【請求項5】
前記第2誘導輪は、外周方向に向かって高さ調整が可能に形成された請求項3または4記載のクローラ型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状のメインフレームの周囲をクローラが周回して走行するクローラ型車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環状のメインフレームを有する車両にて、メインフレームを通過して運転者が乗車したり、またはメインフレーム内に位置して運転したりするものとして、例えば、特許文献1-3に記載の従来の車両が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の水陸両用一輪車は、チャンバーを有する環状ケースを備え、環状ケースの両側の開口を密閉するためのドアが環状ケースに回転するように接続され、環状ケースにそれぞれ環状に配置された外部回転子モーターが設けられ、チャンバー内に一輪車の運行を駆動するための動力システムが設けられたものである。
【0004】
特許文献2に記載の一輪車両は、タイヤを有する車輪外縁と、車輪外縁内に回転可能に取り付けられ、座席を支持するフレームと、車両を推進するように構成されている移動手段および制動手段とを備えたものである。
【0005】
特許文献3に記載の一輪車の車輪の中で人が運転する乗り物は、使用する人の身長に合わせて、リムの大きさを決めタイヤを付け、フレーム体をリム頂点にベアリングを介して接しさせ、離脱防止としてリム突起部を左右よりローラーで挟み、これを2箇所に設け車輪と一体とし、フレーム体に、ハンドルバーとニギリ、サドル、ペダル、クランク、前ギアを固定し、並列接続した歯車と前ギアに、フレーム体の後ギア用の歯に噛み合わせた後ギアにチェーンを掛け、ペダルを踏むとリムが回転し走行するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2016-527133号公報
【特許文献2】特表2021-535044号公報
【特許文献3】特開2001-151182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の水陸両用一輪車では、横並びした一対の外部回転子により走行するものである。そのため、外部回転子が段差などの障害物に乗り上げたときには、支持フレームの下端に設けられた滑り止め車輪が地面に接地して支えるが、不安定となるおそれがある。
【0008】
また、特許文献2に記載の一輪車両では、中央部のフレームに取り付けられたタイヤを挟んだ両側に取り付けられた一対の補助車輪により走行するものである。そのため、一輪車両が段差に乗り上げたときには、直径が大きいタイヤは乗り上げるが直径が小さい補助車輪は乗り上がらず不安定となるおそれがある。
【0009】
更に、特許文献3に記載の一輪車は、ブレーキー用ゴム車輪が前方に突き出て制動している。そのため、一輪車両が段差に乗り上げるときには、先にブレーキー用ゴム車輪が段差に接触して不安定となるおそれがある。
【0010】
そこで本発明は、安定して走行することができるクローラ型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のクローラ型車両は、運転者が着座して運転する操作ユニットと、前記操作ユニットの両側で挟んで前記操作ユニットを支持する一対の走行ユニットと、前記操作ユニットに搭載され、前記走行ユニットによる走行を駆動する駆動部とを備え、前記走行ユニットは、運転者が通り抜けて前記操作ユニットに乗車する大きさに形成された環状のフレームと、前記フレームの後部に取り付けられ、前記駆動部により駆動される駆動輪と、前記駆動輪と前記フレームの底部との所定範囲を接地区間として、前記駆動輪と前記フレームの外周部分を周回するクローラとを備えたことを特徴としたものである。
【0012】
本発明のクローラ型車両によれば、運転者が操作ユニットに着座して運転すると、操作ユニットの両側で挟んで操作ユニットを支持する一対の走行ユニットが、操作ユニットに搭載された駆動部により駆動されることで走行する。運転者が通り抜けて操作ユニットに乗車する大きさに形成された環状のフレームの後部には、駆動部により駆動される駆動輪が取り付けられている。そして、駆動輪とフレームの底部との所定範囲を接地区間として、クローラが駆動輪とフレームの外周部分を周回する。従って、クローラにより障害物や段差を乗り越えることができる。また、フレームから離れた駆動輪とフレームとの間を接地区間としているためクローラの接地長さを長く取ることができる。
【0013】
前記フレームの周囲面と前記クローラとの間に、前記駆動輪に巻かれた前記クローラの周回を案内する誘導輪が所定数配置されたものとすることができる。
誘導輪が所定数配置されていることで、クローラがフレームから離れた状態で周回するので、段差や小物体が前方にあってもクローラがフレーム側に撓み変形するので、容易に乗り越えることができる。
【0014】
前記フレームの下端に設けられた第1誘導輪は、前記フレームの他の位置に設けられた第2誘導輪より大径に形成されたものとすることができる。
第2誘導輪より大径の第1誘導輪により操作ユニットおよび走行ユニットを支持させることができ、荷重に対して強化させることができるので、安定して走行させることができる。
【0015】
前記第1誘導輪と前記駆動輪との間に、前記第2誘導輪が所定数設けられたものとすることができる。そうすることで、接地区間のクローラを安定して接地させることができるので、クローラによる駆動を確実に地面に伝えることができる。
【0016】
前記第2誘導輪は、外周方向に向かって高さ調整が可能に形成されたものとすることができる。第2誘導輪の高さを調整することで、クローラのテンションを調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、クローラにより障害物や段差を乗り越えることができ、クローラの接地長さを長く取ることができるので、安定して走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係るクローラ型車両を側方から見た図である。
図2図1に示すクローラ型車両を上方から見た図である。
図3図1に示すクローラ型車両のメインフレームに第1誘導輪が取り付けられている状態を説明するための一部拡大図である。
図4】本発明の実施の形態2に係るクローラ型車両を側方から見た図である。
図5図4に示すクローラ型車両を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るクローラ型車両を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すクローラ型車両10は、運転者Dが着座して運転する操作ユニット20と、操作ユニット20の両側で挟んで操作ユニット20を支持する一対の走行ユニット30と、操作ユニット20に搭載され、走行ユニット30による走行を駆動する駆動部40とを備えている。
【0020】
操作ユニット20は、一対の走行ユニット30に連結されたベース板21と、ベース板21に設けられたサドル部22と、運転者Dが前進、後退や旋回を操作する操作部23とを備えている。
【0021】
ベース板21は、矩形状に形成され、前後方向の両端部が走行ユニット30(後述するメインフレーム311)にねじ止めにより連結されている。
サドル部22は、運転者Dが着座するサドル本体221と、ベース板21から立設してサドル本体221を支持するポスト222とを備えている。
操作部23は、一対の走行ユニット30を操作するための一対のレバー231a,231bが設けれた操作盤231と、ベース板21から立設して操作盤231を支持するポスト232とを備えている。
【0022】
走行ユニット30は、環状に形成されたフレーム31と、フレーム31に取り付けられ、駆動部40により駆動される駆動輪33と、駆動輪33とフレーム31の底部との所定範囲を接地区間Lとして、駆動輪33とフレーム31の外周部分を周回するクローラ34とを備えている。
【0023】
フレーム31は、円形状のメインフレーム311と、メインフレーム311から後方へ延びるサブフレーム312とを備えている。従って、接地区間Lは、駆動輪33とメインフレーム311の底部との間である。
本実施の形態では、メインフレーム31は、運転者Dが通り抜けて乗車したり降車したりすることができる大きさに形成されており、例えば、内径が約1.2mに形成されている。
【0024】
サブフレーム312は、2本の平板部材(棒状部材)により形成され、一方の端部312aがメインフレーム311に連結され、他方の端部312b同士が連結されと共に、駆動輪33の回転軸に回転自在に連結されることでV字状に形成されている。
【0025】
駆動輪33は、メインフレーム311より小径に形成されている。駆動輪33には、同軸にスプロケット33aが設けられている。このスプロケット33aには、駆動部40からのチェーン41が巻回されている。
図2に示す駆動輪33の車軸33b同士は、ジョイント部33cにより連結されている。ジョイント部33cは、車軸33b同士を一体的に連結して1本の車軸として剛性を高める一方で、車軸33bの回転を非伝達とするものである。
【0026】
クローラ34は、駆動輪33と誘導輪35とに巻回され、周回するベルトである。クローラ34は、耐摩耗性の高いゴムとすることができる。
【0027】
メインフレーム311の周囲面とクローラ34との間であり、後部斜め上から前部を回って下部となる位置までのメインフレーム311の周囲には、駆動輪33に巻かれたクローラ34を案内する誘導輪35が所定数配置されている。
誘導輪35は、メインフレーム311の下端に位置する大径の第1誘導輪351と、第1誘導輪351より小径な第2誘導輪352とを備えてる。
【0028】
第1誘導輪351は、図3に示すように、メインフレーム311の円周方向に沿って形成された貫通孔311aに嵌め込まれ、車軸351aが回転自在にメインフレーム311に取り付けられている。
図1に示すように、第2誘導輪352は、メインフレーム311の外周面に8個取り付けられている。第2誘導輪352は、トッププレートがメインフレーム311に固定されることで取り付けられている。第2誘導輪352は、一対のフォーク先端同士に車輪の車軸が回転自在に取り付けられていることで車輪が回転する。第2誘導輪352は、外周方向に向かって高さ調整可能に形成されている。これにより、クローラ34のテンションを調整することができる。
【0029】
駆動部40は、一方が前述した駆動輪33に巻回されたチェーン41と、チェーン41の他方が回転軸に巻回されたモーター42と、モーター42の電源となる電池43とを備えている。モーター42と電池43とは、ベース板21に固定されたケース44に収納されていると共に、チェーン41は、ケース44の後壁面に開設された貫通孔から駆動輪33へ延びている。
【0030】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係るクローラ型車両10の動作および使用状態について図面に基づいて説明する。
まず、運転者Dがクローラ型車両10に乗車する。運転者Dが乗車するときには、クローラ型車両10の側方から接近し、メインフレーム311内を通り抜けて、ベース板21に乗り、サドル部22に着座する。
【0031】
運転者Dが前部より乗車するときには操作部23が邪魔になったり、後部より乗車するときには駆動輪33や駆動部40が邪魔になったりする。しかし、運転者Dが通り抜けることが可能な大きさに、メインフレーム311が形成されているため、側部から容易に乗車することができる。
【0032】
前進するときには、運転者Dは、操作部23の一対のレバー231a,231bを2本とも前倒しにする。そうすることで、モーター42,42が回転し、チェーン41,41が周回する。チェーン41,41が周回することで、駆動輪33,33が回転する。駆動輪33,33の回転によりクローラ34,34が誘導輪35,35に案内されて周回する。
【0033】
駆動輪33とメインフレーム311との間を接地区間Lとして、駆動輪33と、第1誘導輪351との間のクローラ34が接地した状態で、周回することで、クローラ型車両10が前進する。
第1誘導輪351はメインフレーム311に設けられており、駆動輪33は、第1誘導輪351から離れた、メインフレーム311から後方に延びるサブフレーム312に設けられている。従って、一対のクローラ34の長い区間が接地しているため、クローラ型車両10は、走行路が平坦路であれば安定した状態で走行することができる。また、段差や障害物が前方にあっても、メインフレーム311の前方の斜め下方に位置するクローラ34が段差や障害物に乗り超えながら走行することができる。
【0034】
クローラ型車両10の前部では、第2誘導輪352によってクローラ34がメインフレーム311から離れた状態で周回する。従って、段差や小物体が前方にあってもクローラ34がメインフレーム311側に弾性変形するので、容易に乗り越えることができる。
【0035】
また、誘導輪35では、第1誘導輪351が、メインフレーム311の他の位置に設けられた第2誘導輪352より大径に形成されている。そのため、第2誘導輪352より大径の第1誘導輪351により操作ユニット20および走行ユニット30を支持させることができ、荷重に対して強化させることができるので、安定して走行させることができる。
【0036】
次に、運転者Dは、操作部23の一対のレバー231a,231bを2本とも後ろ倒しにする。そうすることで、モーター42,42が逆転し、チェーン41,41が逆方向に周回する。
従って、駆動輪33,33が逆転することでクローラ34,34が逆転するので、クローラ型車両10を後退させることができる。
【0037】
また、運転者Dは、操作部23の一方のレバー231aを前倒しに、他方のレバー231bを後ろ倒しにする。
そうすることで、一方のクローラ34(操作ユニット20に対して右側のクローラ34)が正転し、他方のクローラ34(操作ユニット20に対して左側のクローラ34)が逆転するため、クローラ型車両10は、その場で旋回することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、駆動源として駆動輪33ごとに対応させたモーター42としているが、例えば、燃料を燃焼させて駆動するエンジンとしてもよい。
その場合には、エンジンの回転速度を変更する変速機と、変速機からの駆動を駆動輪33,33に伝達しつつ、内輪となる駆動輪33と外輪となる駆動輪33との回転差を吸収するため差動装置とを備えることで可能である。
【0039】
また、本実施の形態1では、誘導輪35によりクローラ34をメインフレーム311の周囲に案内しているが、メインフレーム311の外周面にクローラ34が低摩擦で周回できれば、誘導輪35は省略することができる。
【0040】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るクローラ型車両を図面に基づいて説明する。なお、図4および図5においては、図1および図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図4および図5に示すクローラ型車両11は、走行ユニット30が環状のフレーム36を有する。
フレーム36は、駆動輪33の中心から前方に向かって徐々に間隔が広くなる後部フレーム361と、後部フレーム361の先端同士に繋がり、前方に向かって凸となる円弧状に形成された前部フレーム362とにより、水滴状に形成されている。
【0041】
実施の形態2では、駆動輪33が設けられたフレーム36の後端部から、フレーム36の底部の先端部までの所定範囲が接地区間Lとしている。
フレーム36には、実施の形態1と同様に、第2誘導輪352が設けられているが、実施の形態2では、第1誘導輪351と駆動輪33との間のクローラ34の接地区間Lにも第2誘導輪352が所定数設けられている。本実施の形態2では、接地区間Lに3個の第2誘導輪352が設けられている。
従って、接地区間Lのクローラ34を安定して接地させることができるので、クローラ34による駆動を確実に地面に伝えることができる。
【0042】
第2誘導輪352のうち、フレーム36の上部後端に位置する第2誘導輪352が、外周方向に向かって高さ調整可能に形成されている。これにより、実施の形態2に係るクローラ型車両11でもクローラ34のテンションを調整することができる。
【0043】
また、クローラ型車両11は、操作部24を有している。
操作部24は、台部241と、スイッチ部242と、ハンドル部243と、アクセルペダル244とを備えている。
台部241の前部241aは、ベース板21の前部21aが円弧状の前部フレーム362に沿って円弧面状に形成されている。台部241の天面部241bに、スイッチ部242と、ハンドル部243とが設けられている。
スイッチ部242は、クローラ型車両11の全ての電源投入または切断を行うためのメインスイッチ242aと、前進と後退とを切り替える方向切替スイッチ242bとを備えている。
【0044】
ハンドル部243は、回転軸243cから把持部243a,243bが左右方向に延びている。把持部243a,243bのいずれか一方を前方へ回転させることで、回転角度に応じて一方のクローラ34の周回速度が早くなり、他方のクローラ34の周回速度が遅くなる。
アクセルペダル244は、駆動部40へ踏み込み状態が伝達され、クローラ34の周回速度が調整される。
【0045】
次に、クローラ型車両11の動作および使用状態について図面に基づいて説明する。
クローラ型車両11を走行させるときには、運転者Dがクローラ型車両11の側方から乗り込み、サドル部22に着席して、方向切替スイッチ242bを前進の状態にして、メインスイッチ242aを有効とする。そうすることで駆動部40が通電する。
次に、まず、まっすぐ走行するときには、ハンドル部243の把持部243a,243bを左右方向に平行状態としてアクセルペダル244を踏み込む。そうすることで、駆動部40が駆動輪33を駆動することでクローラ34が周回する。このとき、一対のクローラ34は、同じ速度で周回するため、クローラ型車両11は直進する。
【0046】
次に、右折する場合には、運転者Dは、ハンドル部243の左側に位置する把持部243bを前方に押すことで、右側に位置する把持部243aが後方へ移動する。そうすると、駆動部40は、左側のモーター42の回転を上昇させると共に、右側のモーター42の回転を低下させる。従って、左側のクローラ34の周回が早くなり、右側のクローラ34の周回が遅くなるため、クローラ型車両11は右方向へ曲がる。
左折する場合には、運転者Dは、ハンドル部243の右側に位置する把持部243aを前方に押すことで、右折時と同様に、クローラ型車両11は左方向へ曲がる。
【0047】
停止する場合には、アクセルペダル244を元の状態に戻せば、モーター42への電流が流れなくなるため、クローラ型車両11は停止状態となる。
【0048】
後退する場合には、方向切替スイッチ242bを前進から後退へ切り替える。そうすることで、モーター42への電流が逆方向に流れるように切り替わる。
従って、アクセルペダル244を踏めば、クローラ34が逆転するため、クローラ型車両11は後退する。
後方右側へ曲がる場合には、ハンドル部243の右側に位置する把持部243aを後方へ下げることで、左側に位置する把持部243bが前方へ移動する。そうすると、駆動部40は、左側のモーター42の回転を上昇させると共に、右側のモーター42の回転を低下させる。従って、左側のクローラ34の逆回転が早くなり、右側のクローラ34の逆回転が遅くなるため、クローラ型車両11は後方右側へ曲がる。
【0049】
後方左側へ曲がる場合には、ハンドル部243の左側に位置する把持部243bを後方へ下げることで、右側に位置する把持部243aが前方へ移動する。後は、後方右側へ曲がるときと同じであるため省略する。
【0050】
このようにフレーム36が、後部フレーム361と前部フレーム362とにより水滴状に形成されていても、運転者Dがフレーム36を通り抜けて操作ユニット20に乗車することができる。
また、クローラ型車両11は、クローラ34により障害物や段差を乗り越えることができる。更に、駆動輪とフレームの底部との所定範囲間を接地区間としているためクローラの接地長さを長く取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のクローラ型車両は、舗装道路だけでなく未舗装道路などの走行に好適である。また、一般道の走行だけでなく、雪上車として雪の上を走行させたり、遊戯施設のアトラクションとして使用したりしても好適である。
【符号の説明】
【0052】
10,11 クローラ型車両
20 操作ユニット
21 ベース板
21a 前部
22 サドル部
221 サドル本体
222 ポスト
23 操作部
231 操作盤
231a,231b レバー
232 ポスト
24 操作部
241 台部
241a 前部
241b 天面部
242 スイッチ部
242a メインスイッチ
242b 方向切替スイッチ
243 ハンドル部
243a,243b 把持部
243c 回転軸
244 アクセルペダル
30 走行ユニット
31 フレーム
311 メインフレーム
311a 貫通孔
312 サブフレーム
312a 一方の端部
312b 他方の端部
33 駆動輪
33a スプロケット
33b 車軸
33c ジョイント部
34 クローラ
35 誘導輪
351 第1誘導輪
351a 車軸
352 第2誘導輪
36 フレーム
361 後部フレーム
362 前部フレーム
36a 後端部
36b 底部
36c 先端部
40 駆動部
41 チェーン
42 モーター
43 電池
44 ケース
D 運転者
L 接地区間
図1
図2
図3
図4
図5