(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173009
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ヒートポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/22 20110101AFI20241205BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20241205BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20241205BHJP
F24F 1/56 20110101ALI20241205BHJP
【FI】
F24F1/22
F25B1/00 396A
F25B1/00 396G
F24F5/00 101Z
F24F1/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091114
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 耕
(72)【発明者】
【氏名】山岡 由樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 和人
(72)【発明者】
【氏名】松本 隼人
(72)【発明者】
【氏名】青山 繁男
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA01
3L054BB02
3L054BB03
3L054BG08
(57)【要約】
【課題】本開示は、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができるヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】本開示におけるヒートポンプ装置は、筐体と、可燃性を有する冷媒が封入され、圧縮機、膨張装置、および、熱源側熱交換器が環状に順次接続される冷媒回路と、送風機と圧縮機とを駆動する制御装置と、筐体の上部に配置され、制御装置の一部である第1制御装置を収納する第1の電装ボックス本体と、第1の電装ボックス蓋と、を備える第1の電装ボックスと、第1の電装ボックスの下方に配置され、制御装置の他の一部である第2制御装置を収納する第2の電装ボックス本体と、第2の電装ボックス蓋と、を備える第2の電装ボックスと、第1の電装ボックスと第2の電装ボックスとを連通する連通手段と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置された冷媒回路であって、内部に可燃性を有する冷媒が封入され、圧縮機、膨張装置、および、空気と熱交換する熱源側熱交換器が、環状に順次接続されて内部を冷媒が循環する冷媒回路と、
送風機と前記圧縮機とを駆動する複数の部品からなる制御装置と、
前記筐体の上部に配置された第1の電装ボックスであって、内部に前記制御装置の一部である第1制御装置を収納する第1の電装ボックス本体と、前記第1の電装ボックス本体を開閉自在に気密的に閉蓋する第1の電装ボックス蓋と、を備える第1の電装ボックスと、
前記第1の電装ボックスの下方に配置された第2の電装ボックスであって、内部に前記制御装置の他の一部である第2制御装置を収納する第2の電装ボックス本体と、前記第2の電装ボックス本体を開閉自在に気密的に閉蓋する第2の電装ボックス蓋と、を備える第2の電装ボックスと、
前記第1制御装置と前記第2制御装置とが配線により接続可能なように、前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとの間の空間を気密的に連通する連通手段と、
を備えるヒートポンプ装置。
【請求項2】
前記第2の電装ボックスの内部に設けられた電源端子台と、
前記電源端子台から前記第2の電装ボックスの外部へ接続され前記制御装置に電源を供給する電源線と、
前記電源線が前記第2の電装ボックス本体を貫通する部位の気密性を維持する封止手段と、
を備える請求項1に記載のヒートポンプ装置。
【請求項3】
送風機が上下に2つ配置された、
請求項2に記載のヒートポンプ装置。
【請求項4】
前記第2の電装ボックスは、前記第2の電装ボックス蓋により前記第2の電装ボックス本体の前面を気密的に閉蓋した、
請求項3に記載のヒートポンプ装置。
【請求項5】
前記連通手段は、前記第1の電装ボックスの内部空間と前記第2の電装ボックスの内部空間とを連通する連通路と、前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとを連結する締結手段と、を備える、
請求項1から4のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
【請求項6】
前記連通手段は、円筒状の形状をなして外表面にネジ部を設けると共に、内部を前記配線が通過する前記連通路を形成する連通手段本体と、前記連通手段本体のネジ部と係合するナットと、を備える、
請求項5記載のヒートポンプ装置。
【請求項7】
前記連通手段本体が、前記第1の電装ボックス本体あるいは前記第2の電装ボックス本体に対して回転することを防止する、回り止めを設けた、
請求項6に記載のヒートポンプ装置。
【請求項8】
前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとに挟まれるガスケットを配置した、
請求項5に記載のヒートポンプ装置。
【請求項9】
前記連通手段と前記第1の電装ボックスとに挟まれるガスケットを配置し、
前記連通手段と前記第2の電装ボックスとに挟まれるガスケットを配置した、
請求項5に記載のヒートポンプ装置。
【請求項10】
前記連通手段は、筒状の形状をなす筒状部材と、前記筒状部材を前記第1の電装ボックスに取り付ける第1の取付部材と、前記筒状部材を前記第2の電装ボックスに取り付ける第2の取付部材と、を備える、
請求項1から4のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
【請求項11】
前記筒状部材は伸縮や曲げを許容する柔軟性を有する、
請求項10に記載のヒートポンプ装置。
【請求項12】
可燃性を有する前記冷媒は、R32若しくはR32を70重量パーセント以上含む混合冷媒、またはプロパン若しくはプロパンを含む混合冷媒である、
請求項1から4のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ケーシング内に、可燃性冷媒を作動冷媒として用いた熱交換器と電装品とを収容してなる空気調和装置を開示する。この空気調和装置では、電装品を、冷却を必要としない電装品と、冷却を必要とする電装品とに分け、これら各電装品をそれぞれ電装品収容室内に収容し且つ蓋板によって覆蓋すると共に、冷却を必要とする電装品が収容された電装品収容室には、冷却フィンを備え且つこれを通風領域に接近させて配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができるヒートポンプ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示におけるヒートポンプ装置は、筐体と、前記筐体内に配置された冷媒回路であって、内部に可燃性を有する冷媒が封入され、圧縮機、膨張装置、および、空気と熱交換する熱源側熱交換器が、環状に順次接続されて内部を冷媒が循環する冷媒回路と、送風機と前記圧縮機とを駆動する複数の部品からなる制御装置と、前記筐体の上部に配置された第1の電装ボックスであって、内部に前記制御装置の一部である第1制御装置を収納する第1の電装ボックス本体と、前記第1の電装ボックス本体を開閉自在に気密的に閉蓋する第1の電装ボックス蓋と、を備える第1の電装ボックスと、前記第1の電装ボックスの下方に配置された第2の電装ボックスであって、内部に前記制御装置の他の一部である第2制御装置を収納する第2の電装ボックス本体と、前記第2の電装ボックス本体を開閉自在に気密的に閉蓋する第2の電装ボックス蓋と、を備える第2の電装ボックスと、前記第1制御装置と前記第2制御装置とが配線により接続可能なように、前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとの間の空間を気密的に連通する連通手段と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示におけるヒートポンプ装置は、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、連通手段を介して相互に電装ボックス間に配線を接続可能であると共に、電装ボックスの気密性を確保することが可能である。そのため、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができるヒートポンプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1におけるヒートポンプ装置の斜視図
【
図2】実施の形態1におけるヒートポンプ装置の内部構造を示す斜視図
【
図3】実施の形態1におけるヒートポンプ装置の冷凍サイクル回路図
【
図4】実施の形態1におけるヒートポンプ装置の内部構造を示す正面図
【
図9】実施の形態3におけるヒートポンプ装置の内部構造を示す斜視図
【
図10】実施の形態3におけるヒートポンプ装置の内部構造を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、ヒートポンプ装置では、低GWP(地球温暖化係数)冷媒を使用することが求められるという状況にあった。しかしながら、低GWPの冷媒は総じて反応性が高く、可燃性であるという課題がある。そのため、ヒートポンプ装置では、冷媒回路から冷媒が漏出した場合でも、冷媒を着火させないために、着火源となりうる電装品の部品は漏洩冷媒に暴露されないように気密性が維持された電装ボックス内に収納する必要が生じる。
ここで、ヒートポンプ装置においては、複数の電装ボックスに電装品を分けて配置することに対する需要がある。
【0009】
しかしながら、電装ボックスを複数にして電装品を分けて収納する場合には、双方の電装ボックス内の電装品を配線で接続する必要があるため、配線の取り出し部で気密性が低下する恐れがあるという課題が認められる。また、配線が電装ボックス外に露出することで漏洩冷媒に着火する恐れがあるという課題が認められる。さらに、配線の取り出し部の気密性のシールを厳密に行うと、電装品間の配線の接続作業が複雑になり作業性が低下するという課題が認められる。これらの課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0010】
そこで本開示は、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができるヒートポンプ装置を提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図9を用いて、実施の形態1を説明する。
【0013】
[1-1.構成]
[1-1-1.ヒートポンプ装置の構成]
図1は、実施の形態1におけるヒートポンプ装置1の斜視図である。
図2は、実施の形態1におけるヒートポンプ装置1の内部構造を示す斜視図である。
図1に示すように、ヒートポンプ装置1は、いわゆる室外機の外観を構成する略直方体の筐体10を備えている。本実施の形態では、筐体10の各部は、いずれも鋼板によって形成される。
【0014】
筐体10は、筐体10の底面を形成する底面パネル14(
図2参照)と、筐体10の右側(左右方向一側)を前後から覆う前後一対の側面パネル15と、筐体10の前面の左側(左右方向他側)を覆う前面パネル16と、筐体10の上面を覆う天板17と、を備えている。
前面パネル16には、2つの開口部16aが上下に並べて設けられている。それぞれの開口部16aからは送風機21が露出している。よって、筐体10は、送風機21が一つの場合に比べて、上方に高くなり易い。なお、図示しないが、ヒートポンプ装置1の使用時には、開口部16aは通風が可能な格子によって外側から覆われる。
【0015】
図2に示すように、ヒートポンプ装置1の筐体10の内部空間は、上下方向に延在する仕切り板11によって左右に仕切られる。仕切り板11は、左右方向に厚みを有する矩形状の板である。仕切り板11は、背面側において、空気熱交換器20のエンドプレートとビス止めされて保持される。また、仕切り板11は、下面において、底面パネル14とビス止めされて保持される。仕切り板11によって、筐体10の内部には、左側(左右方向他側)の送風機室12と、右側(左右方向一側)の機械室13と、が形成される。
【0016】
送風機室12には、空気熱交換器(熱源側熱交換器)20が設置されている。本実施形態の空気熱交換器20は、筐体10の高さ方向に沿って延在し、筐体10の背面と側面に露出するように略L字状に形成されている。空気熱交換器20は、筐体10の背面に露出する背面部20aと、筐体10の側面に露出する側面部20bとを有する。空気熱交換器20は、例えば、フィンチューブ式の熱交換器が用いられる。
【0017】
空気熱交換器20の背面部20aの前方には、上下方向に延びる送風機支柱18が設置されている。送風機支柱18は、左右一対設置されている。送風機支柱18は、筐体10の底面パネル14にボルト止めされて保持される。送風機支柱18には、上下に送風機21が支持される。
【0018】
送風機21は、モーター21aと、モーター21aの駆動軸に固定されたファン羽根21bとを有する。送風機21は、例えば、プロペラ状の羽根車を備える軸流ファンが用いられる。送風機21は、駆動時に軸流方向が前面パネル16の開口部16aに向かうよう配置される。
よって、本実施形態の送風機室12には、空気熱交換器20と、送風機支柱18と、送風機21と、が設置されている。
【0019】
機械室13の内部には、圧縮機23、水熱交換器24、膨張装置25(
図3参照)等の冷媒回路29(
図3参照)を形成する各種の機器や、これらを互いに接続する冷媒配管26(
図3参照)が収容されている。
水熱交換器24、例えば、プレート熱交換器が用いられる。
【0020】
[1-1-2.冷媒回路の構成]
図3は、実施の形態1におけるヒートポンプ装置1の冷凍サイクル回路図である。
図3に示すように、圧縮機23、四方弁27、水熱交換器24、膨張装置25および空気熱交換器20は、所定の冷媒配管26を介して環状に接続され、冷媒回路29を構成している。
水熱交換器24には、所定の給水配管22が接続されており、水熱交換器24において、冷媒回路29を循環する冷媒と熱交換が行われる。
【0021】
圧縮機23で圧縮されて高温高圧となった冷媒は、
図3に実線矢印で示すように流れ、水熱交換器24に送られ、水熱交換器24により給水配管22を流れる水と熱交換して冷却され凝縮する。水は、冷媒の熱を受けて温水となって、例えば、利用側機器(図示せず)に供給される。
水熱交換器24から排出された冷媒は、膨張装置25で減圧されて蒸発し、空気熱交換器20で熱交換され、ガス冷媒となって再び圧縮機23に戻される。
【0022】
また、四方弁27を切り替えることにより、
図3に破線矢印で示すように、冷媒が流れ、空気熱交換器20で外気と熱交換し、膨張装置25で減圧された後、水熱交換器24に送られることで、給水配管22を流れる水を冷却することができるように構成されている。冷水は、利用側機器(図示せず)に供給される。
【0023】
ここで、本実施の形態においては、冷媒として可燃性冷媒が用いられる。可燃性冷媒は、R32を使用可能である。また、R32に代えて、可燃性冷媒は、R32を70重量パーセント以上含む混合冷媒でもよい。さらに、これらに代えて、可燃性冷媒は、プロパンでもよい。また、プロパンに代えて、可燃性冷媒は、プロパンを含む混合冷媒でもよい。R32およびプロパンは、それぞれGWPが低い冷媒であり、環境負荷が小さい。
【0024】
冷媒回路29には、種々の物理量を検出するセンサが設けられている。冷媒配管26の各部には、配管表面の温度を計測する温度センサ(図示せず)が設けられている。圧縮機23の吸い込み側と吐出側には、それぞれ冷媒の圧力を計測する圧力センサPS1、PS2が設けられる。また、給水配管22には、水熱交換器24の上流側および下流側において、水温を検出する温度センサTS1、TS2が設けられる。さらに、空気熱交換器20の近傍には、空気熱交換器20からの冷媒の漏出を検出する冷媒センサRS1が設けられる。
膨張装置25および四方弁27には、それぞれこれらを駆動するためのアクチュエータが備わっている。
【0025】
[1-1-3.制御装置の構成]
図4は、実施の形態1におけるヒートポンプ装置1の内部構造を示す正面図である。
図4では、電装ボックス30、50の樹脂フタ32、52を取り付ける前の状態を示す。
ヒートポンプ装置1が備える制御装置(電装品)Cは、送風機21、圧縮機23、膨張装置25、および四方弁27等のヒートポンプ装置1の各部を制御する。また、制御装置Cは、冷媒回路29および給水配管22の各部に取り付けられたセンサに接続され、センサから発信される出力信号を受け取る。具体的には、制御装置Cは、圧力センサPS1、PS2(
図3参照)、温度センサTS1、TS2(
図3参照)、および、冷媒センサRS1(
図3参照)等からの出力信号を受信する。
本実施の形態では、制御装置Cは、制御装置Cの一部である第1制御装置(電装品)40と、制御装置Cの他の一部である第2制御装置(電装品)60と、を有する。制御装置Cを、第1制御装置40と第2制御装置60とに分けることにより、一体では大型化し易い制御装置Cを、第1制御装置40と第2制御装置60という小型化された構造にして、筐体10内に配置し易くできる。
【0026】
[1-1-4.第1の電装ボックスの構成]
筐体10の上部には、第1制御装置40が収納される第1の電装ボックス30が配置される。第1の電装ボックス30は、上側の送風機21よりも上方に配置される。本実施の形態では、第1の電装ボックス30は、仕切り板11と送風機支柱18に支持される。
【0027】
詳細には、
図2に示すように、仕切り板11の上部には、下方に矩形状に凹んだ切り欠き部11aが形成されている。切り欠き部11aには、第1の電装ボックス30が収まるように配置される。第1の電装ボックス30は、機械室13と送風機室12とに跨って、筐体10の上部に配置される。第1の電装ボックス30は、送風機室12では、送風機21を支持する送風機支柱18の上端に取り付けられる。第1の電装ボックス30は、支持板19を介して送風機支柱18の上端に取り付けられる。
【0028】
第1の電装ボックス30は、上面が開放された箱型の電装品収納ケース(第1の電装ボックス本体)31と、電装品収納ケース31を閉塞する樹脂フタ(第1の電装ボックス蓋)32と、を備えている。
電装品収納ケース31は、熱伝導性の高い材料、例えば、金属材料によって形成されている。本実施の形態では、電装品収納ケース31は、板金製である。電装品収納ケース31は、板金が箱状に折り曲げられると共に、折り曲げられた箱状の四隅の接合部が溶接されることで、気密性を有する箱型に形成される。
【0029】
電装品収納ケース31は、平坦な矩形状の底面部33と、底面部33の前後左右からそれぞれ上方に延びる平板状の前側側面部34、後側側面部35、左側側面部36、右側側面部37とを有する。前側側面部34、後側側面部35、左側側面部36、右側側面部37の上端の囲み形状により、電装品収納ケース31には、上方に開口する開口部38が形成される。開口部38の周囲には、フランジ部38a(
図4参照)が形成される。底面部33には、ヒートシンク41が突出する矩形状に開口する底面開口部39(
図4参照)が形成される。
【0030】
樹脂フタ32は、矩形状の平板状に形成される。樹脂フタ32は、環状ゴムパッキン(図示せず)を介して、開口部38を閉塞するように、電装品収納ケース31に取り付けられる。詳細には、樹脂フタ32は、電装品収納ケース31のフランジ部38aの全周に対して適宜にビス止めされる。これにより、電装品収納ケース31の開口部38は、樹脂フタ32および環状ゴムパッキンによって密閉される。樹脂フタ32は、電装品収納ケース31を気密的に閉塞する。なお、本開示において、気密的とは、略気密的な場合も含んだ意味で使用する。すなわち、電装品収納ケース31内に冷媒が漏洩したとしても、その量が少なく内部の冷媒濃度が着火しうる濃度に対して十分低く抑制されることで、着火の恐れがないなど、ヒートポンプ装置1の使用上許容される程度に、厳密な意味での気密でない場合も含んだ意味で使用する。また、環状ゴムパッキンは、例えば、発泡ゴム、クロロプレンゴム、EPDM、NBR、H-NBRなどで形成される。本実施の形態において環状ゴムパッキンは、円形断面の発泡ゴムの紐を環状に形成したOリングである。環状ゴムパッキンは、平板状のゴムパッキンを用いてもよい。
【0031】
電装品収納ケース31の内部には、第1制御装置40と、電装品収納ケース31の底面開口部39(
図4参照)から外部に露出するヒートシンク41と、が配置される。
【0032】
第1制御装置40は、制御基板である。第1制御装置40の上面には、コンデンサ(図示せず)などの電気部品が設けられている。また、第1制御装置40の下面には、インバーター素子(図示せず)が設けられている。第1制御装置40は、送風機21、圧縮機23、膨張装置25、および四方弁27等の制御に使用される。インバーター素子には、大電流が流れ得る。
【0033】
[1-1-5.第2の電装ボックスの構成]
第1の電装ボックス30の下方には、第2制御装置60が収納される第2の電装ボックス50が配置される。第2の電装ボックス50は、上側の送風機21の側方に配置される。本実施の形態では、第2の電装ボックス50は、略全体が、送風機21のモーター21aの駆動軸よりも上方に配置される。第2の電装ボックス50は、第1の電装ボックス30に近接させて配置される。第2の電装ボックス50は、第1の電装ボックス30の底面部33と平面視で見た場合には、重複するように配置される。換言すれば、第2の電装ボックス50は、第1の電装ボックス30の底面部33と対向するように配置される。
【0034】
本実施の形態では、第2の電装ボックス50は、仕切り板11と側面パネル15とにより支持される。詳細には、仕切り板11の上部の側面(右面)には、上下方向に延びるステー48が固定される。また、後側の側面パネル15の前端には、断面略L字状で上下方向に延びるステー49が固定される。仕切り板11側のステー48と、側面パネル15側のステー49とによって、第2の電装ボックス50が左右両側から支持される。これにより、第2の電装ボックス50は、仕切り板11と側面パネル15とにより、筐体10の上部に支持される。
【0035】
第2の電装ボックス50は、前面が開放された箱型の電装品収納ケース(第2の電装ボックス本体)51と、電装品収納ケース51を閉塞する樹脂フタ(第2の電装ボックス蓋)52と、を備えている。
電装品収納ケース51は、熱伝導性の高い材料、例えば、金属材料によって形成されている。本実施の形態では、電装品収納ケース51は、板金製である。電装品収納ケース51は、板金が箱状に折り曲げられると共に、折り曲げられた箱状の四隅の接合部が溶接されることで、気密性を有する箱型に形成される。
【0036】
電装品収納ケース51は、
図4に示すように、平坦な矩形状の底面部53と、底面部53の上下左右からそれぞれ前方に延びる平板状の上側側面部54、下側側面部55、左側側面部56、右側側面部57とを有する。上側側面部54、下側側面部55、左側側面部56、右側側面部57の前端の囲み形状により、電装品収納ケース51には、前方に開口する開口部58が形成される。開口部58の周囲には、フランジ部58aが形成される。
【0037】
樹脂フタ52は、
図2に示すように、矩形状の平板状に形成される。樹脂フタ52は、環状ゴムパッキン(図示せず)を介して、開口部58を閉塞するように、電装品収納ケース51に取り付けられる。詳細には、樹脂フタ52は、電装品収納ケース51のフランジ部58aの全周に対して適宜にビス止めされる。これにより、電装品収納ケース51の開口部58は、樹脂フタ52および環状ゴムパッキンによって開閉自在に密閉される。樹脂フタ52は、電装品収納ケース51を気密的に閉塞する。
【0038】
電装品収納ケース51の内部には、第2制御装置60や、電源端子台61、電装品62などが配置される。第2制御装置60は、底面部53に支持される。第2制御装置60は、第1制御装置40と通信線(配線)63を介して接続される。電源端子台61には、外部に導出され外部電源に接続される電源線64が接続される。また、電源端子台61には、第1制御装置40に電源を供給する電源線65が接続される。さらに、電源端子台61には、第2制御装置60に電源を供給する電源線66が接続される。
【0039】
制御装置Cに電源を外部から供給する電源線64や、圧縮機23に接続される圧縮機接続線(不図示)などの大電流が流れ得る配線は、第2の電装ボックス50の内部から、ケーブルグランド(封止手段)67、68,69を介して外部に引き出される。ケーブルグランド67~69は、電源線64などの配線が電装品収納ケース51を貫通する部位の気密性を維持する。ケーブルグランド67~69が電装品収納ケース51の下側側面部55に気密的に固定される。本実施の形態において、電源線64、および、圧縮機接続線には、最大で基準電流以上の電流が流れる。基準電流は、一例として15Aである。
【0040】
[1-1-6.連通手段の構成]
図5は、実施の形態1における連通手段70の断面図である。
図6は、実施の形態1における連通手段70の分解斜視図である。
ヒートポンプ装置1は、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間の空間を気密的に連通する連通手段70を有する。連通手段70により、第1制御装置40と第2制御装置60とが通信線63により接続可能である。
【0041】
図5、
図6に示すように、第1の電装ボックス30の底面部33には、第1の取付孔33aが形成される。第1の取付孔33aは、第2の電装ボックス50に対向する位置に形成される。本実施の形態では、第1の電装ボックス30の前側側面部34および右側側面部37が接続される隅に近接して形成される。第1の取付孔33aは、円形状に形成される。
第1の取付孔33aに対応して、第2の電装ボックス50の上側側面部54には、第2の取付孔54aが形成される。本実施の形態では、第2の取付孔54aは、第1の取付孔33aと同一の円形状に形成される。第1の取付孔33aと第2の取付孔54aとにより、第1の電装ボックス30の内部空間30a(
図4参照)と、第2の電装ボックス50の内部空間50a(
図4参照)とが連通可能である。
【0042】
第1の取付孔33aと、第2の取付孔54aとには、取付孔33a、54aを貫通するように連通手段70が配置される。
連通手段70は、取付孔33a、54aに挿入される連通手段本体71を備える。連通手段本体71は、軸状に延びる円筒部71aを有する。円筒部71aの外径は、取付孔33a、54aの開口幅よりも小さく形成される。円筒部71aの軸方向一端部には、フランジ部71cが形成される。フランジ部71cは、取付孔33a、54aの開口幅よりも大径に形成される。本実施の形態では、フランジ部71cが、第1の電装ボックス30の底面部33に内面側から当接する。フランジ部71cの外周部には、直線状に切除された切除部71dが形成される。切除部71dは、軸中心L0に対して四方に形状される。軸中心L0を挟んだ一組の切除部71dにより、二面幅部が構成される。
【0043】
円筒部71aの軸方向他端側の外周面には、ネジ部71bが形成される。ネジ部71bは、第2の電装ボックス50の内部に延びる。ネジ部71bには、ナット72が締結される。ナット72の外径は、取付孔33a、54aよりも大径である。ナット72は、第2の電装ボックス50の底面部53に内面側から当接する。
【0044】
ここで、ナット72が、連通手段本体71のネジ部71bに締結されることにより、ナット72とフランジ部71cとは互いに接近する。これにより、第1の電装ボックス30の底面部33はフランジ部71cによって第2の電装ボックス50に向けて押圧される。また、第2の電装ボックス50の上側側面部54はナット72によって第1の電装ボックス30に向けて押圧される。よって、第1の電装ボックス30の底面部33と、第2の電装ボックス50の上側側面部54とには、互いに接近する方向の力が作用する。
【0045】
本実施の形態では、第1の電装ボックス30の底面部33と、第2の電装ボックス50の上側側面部54との間には、環状のガスケット73が配置される。ガスケット73は、厚みδの円環板状である。よって、連通手段本体71とナット72とが締結されることにより、底面部33と上側側面部54とに挟まれてガスケット73が厚み方向に圧縮される。これにより、フランジ部71cと底面部33とが圧接され、底面部33と上側側面部54とがガスケット73を介して圧接され、ナット72と上側側面部54とが圧接される。よって、連通手段70により、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50とが気密的に連通される。
【0046】
本実施の形態では、円筒部71aの内部空間により、第1の電装ボックス30の内部空間30aと第2の電装ボックス50の内部空間50aとを連通する連通路70aが構成される。また、ナット72とネジ部71bとにより、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50とを連結する締結手段が構成される。
【0047】
連通手段本体71のフランジ部71cが配置される側、すなわち、第1の電装ボックス30における第1の取付孔33aの周囲には、周り止め74が設けられる。周り止め74は、本実施の形態では、第1の取付孔33aを挟んで一対設けられる。周り止め74は、折り曲げ板状である。詳細には、周り止め74は、底面部33に固定される板状の固定部74aと、固定部74aの径方向内端から上方に延びる板状の周り止め本体部74bと、を有する。周り止め本体部74bは、フランジ部71cの二面幅部に対応して配置される。
【0048】
次に、連通手段70の取り付け方法の一例について説明する。
連通手段70は、ヒートポンプ装置1が設置される際に取り付けられる。
すなわち、ヒートポンプ装置1の設置の際に、第2の電装ボックス50の電装品収納ケース51が、仕切り板11と、側面パネル15とに固定される。固定された電装品収納ケース51の上側側面部54には、取付孔54aの位置に対応してガスケット73が配置される。
【0049】
そして、第1の電装ボックス30の電装品収納ケース31が、仕切り板11の切欠き部11aおよび支持板19上に配置される。これにより、ガスケット73が、上方の第1の電装ボックス30の底面部33と、下方の第2の電装ボックス50の上側側面部54と、の間に挟まれる。第1の電装ボックス30の電装品収納ケース31は、支持板19に固定されて送風機支柱18に固定される。
【0050】
第1の電装ボックス30の上方の開口部38から、連通手段本体71が取付孔33aに挿入される。このとき、連通手段本体71は、第1の取付孔33a、ガスケット73、第2の取付孔54aを貫通する。よって、連通手段本体71のネジ部71bは、第2の電装ボックス50の開口部58を通じて前方に露出する。すなわち、ネジ部71bが、前方から視認可能となる。ネジ部71bには、第2の電装ボックス50の開口部58から、ナット72が締結される。ナット72が締結されることにより、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間の空間が気密的に連通される。
【0051】
第1の電装ボックス30では、開口部38を介して上方から作業される。また、第2の電装ボックス50では、開口部58を介して前方から作業される。第1の電装ボックス30と第2の電装ボックスと50の間を延びる通信線63と電源線65とは、連通手段70の連通路70aを通じて、一方から他方に配索される。このとき、通信線63と電源線65とは、それぞれの外径に比べて大きな内径を有する連通路70aを通すことにより配索可能であるため、第1の電装ボックス30と、第2の電装ボックス50との間を容易に配索可能である。電装ボックス30、50の電装品収納ケース31、51の開口部38、58は、それぞれの樹脂フタ32、52により密閉される。
【0052】
ここで、第2の電装ボックス50は、第1の電装ボックス30の下方にある。また、第2の電装ボックス50は、前面が開閉可能に閉塞される。よって、第2の電装ボックス50の内部に電源端子台61を設けられた本実施の形態では、電源端子台61の接続部の視認性が良く、また、電源端子台61の接続部に手が届き易い状態で、電源線64~66を接続する作業が可能になっている。
特に、本実施の形態では、送風機21が上下に2つ配置されるために、第1の電装ボックス30の位置は高い位置になり易い。よって、第1の電装ボックス30の下方に配置された第2の電装ボックス50に電源端子台61を設けることによる作業性の向上は顕著でとなっている。
【0053】
[1-2.動作]
以上のように構成されたヒートポンプ装置1について、その動作を以下説明する。
【0054】
ヒートポンプ装置1において、運転時には、制御装置40、60に対して、電源線64を通じて外部電源から給電される。そして、圧縮機23、送風機21、膨張装置25、四方弁27、および冷媒回路29に係る部品は、電装ボックス30、50内の制御装置40、60によってその動作を制御される。
【0055】
このとき、第1制御装置40に第2の電装ボックス50から電源を供給する電源線65や、制御装置40、60を接続する通信線63は、気密的な連通手段70の連通路70aを通って配索される。よって、複数の電装ボックス30、50に電装品が分けて収納されていても、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0056】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、ヒートポンプ装置1は、筐体10と、冷媒回路29と、制御装置Cと、第1の電装ボックス30と、第2の電装ボックス50と、連通手段70と、を備える。冷媒回路29は、筐体10内に配置される。冷媒回路29は、内部に可燃性を有する冷媒が封入され、圧縮機23、膨張装置25、および、空気と熱交換する空気熱交換器20が、環状に順次接続されて内部を冷媒が循環する。制御装置Cは、送風機21と圧縮機23とを駆動する複数の部品からなる。第1の電装ボックス30は、筐体10の上部に配置される。第1の電装ボックス30は、電装品収納ケース31と、樹脂フタ32と、を備える。電装品収納ケース31は、内部に制御装置Cの一部である第1制御装置40を収納する。樹脂フタ32は、電装品収納ケース31を開閉自在に気密的に閉蓋する。第2の電装ボックス50は、第1の電装ボックス30の下方に配置される。第2の電装ボックス50は、電装品収納ケース51と、樹脂フタ52と、を備える。電装品収納ケース51は、内部に制御装置Cの他の一部である第2制御装置60を収納する。樹脂フタ52は、電装品収納ケース51を開閉自在に気密的に閉蓋する。連通手段70は、第1制御装置40と第2制御装置60とが通信線63により接続可能なように、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間の空間を気密的に連通する。
【0057】
この構成によれば、複数の電装ボックス30、50に電装品が分けて収納されていても、連通手段70を介して相互に電装ボックス30、50間に通信線63、電源線65を接続可能であると共に、電装ボックス30、50の気密性を確保することが可能である。そのため、複数の電装ボックス30、50に電装品の一例としての制御装置40、60が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、制御装置40、60の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0058】
本実施の形態のように、第2の電装ボックス50の内部に設けられた電源端子台61と、電源端子台61から第2の電装ボックス50の外部へ接続され制御装置Cに電源を供給する電源線64と、電源線64が電装品収納ケース51を貫通する部位の気密性を維持するケーブルグランド67と、を備えてもよい。
この構成によれば、第1の電装ボックス30より下側にある第2の電装ボックス50の内部に電源端子台61が設けられるため、ヒートポンプ装置1の機器の設置の際に、電源端子台61の接続部の視認性が良く、また、電源端子台61の接続部に手が届きやすい。よって、ヒートポンプ装置1の設置時の電源線64の接続が容易である。また、第2の電装ボックス50を閉蓋する際の作業性も良く、気密性の維持が確実とし易い。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0059】
また、本実施の形態のように、送風機21が上下に2つ配置されてもよい。
この構成によれば、送風機21が上下に2つ配置されるために、第1の電装ボックス30の位置は高い位置になり易いが、第1の電装ボックス30の下方に配置された第2の電装ボックス50の位置は高さが抑制され易い。そのため、第2の電装ボックス50の電源端子台61に電源線64を接続することによる作業性の向上の効果は顕著であり、気密性の確保もより確実に行うことができる。
【0060】
また、本実施の形態のように、第2の電装ボックス50は、樹脂フタ52により電装品収納ケース51の前面を気密的に閉蓋してもよい。
この構成によれば、機器の設置の際、前面側が開放する第2の電装ボックス50で電源線64に接続することで、接続部の視認性が良く、手が届きやすいので、設置時の電源線64の接続が容易である。また、第2の電装ボックス50を閉蓋する際も作業性が良く、気密性の維持が確実となる。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0061】
また、本実施の形態のように、連通手段70は、第1の電装ボックス30の内部空間30aと第2の電装ボックス50の内部空間50aとを連通する連通路70aと、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50とを連結する締結手段と、を備えてもよい。
この構成によれば、締結手段により電装ボックス30、50を密着させることができ、連通路70aの気密性が確実になると共に、連通路70aを通じて、第1制御装置40と第2制御装置60とを、直接、通信線63で接続することができる。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0062】
また、本実施の形態のように、連通手段70は、円筒状の形状をなして外表面にネジ部71bを設けると共に、内部を、通信線63が通過する連通路70aを形成する連通手段本体71と、連通手段本体71のネジ部71bと係合するナット72と、を備えてもよい。
この構成によれば、複数の締結手段で締結する場合に比べて、作業性を向上させ易く、また、当接面が密着し易く気密性が向上する。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0063】
また、本実施の形態のように、連通手段本体71が、電装品収納ケース31あるいは電装品収納ケース51に対して回転することを防止する、回り止め74を設けてもよい。
この構成によれば、ナット72の締結がより確実になり、気密性が向上する。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0064】
また、本実施の形態のように、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50とに挟まれるガスケット73を配置してもよい。
この構成によれば、微小な隙間をガスケット73でシールできるのでさらに気密性を向上させることができる。また、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間にのみにガスケット73を配置する構成であるため、ガスケット73が一点でよい。そのため、部品点数削減により作業性を向上できる。よって、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0065】
また、本実施の形態のように、可燃性冷媒は、R32若しくはR32を70重量パーセント以上含む混合冷媒、またはプロパン若しくはプロパンを含む混合冷媒であってもよい。
この構成により、R32およびプロパンは、それぞれGWPが低い冷媒であるため、環境負荷を小さくすることができる。
【0066】
(実施の形態2)
以下、
図7、
図8を用いて、実施の形態2を説明する。
【0067】
[2-1.全体構成]
図7は、実施の形態2における連通手段70の断面図である。
図8は、実施の形態2における連通手段70の分解斜視図である。
実施の形態2における連通手段70は、実施の形態1における連通手段70と同様の構成を有する。実施の形態2では、ガスケット73に代えて、ガスケット273、274が使用される。実施の形態2では、ガスケット273、274の配置位置が実施の形態1と異なる。
【0068】
ガスケット273、274は、連通手段本体71の円筒部71aの外径に対応する内径を有する円環板状に形成される。
ガスケット273は、第1の電装ボックス30の底面部33の上面(内面)に当接される。ガスケット273は、底面部33と、連通手段本体71のフランジ部71cで挟まれる。ガスケット273には、周り止め74を回避するように直線状に切除された切除部273aが形成される。
ガスケット274は、第2の電装ボックス50の上側側面部54の下面(内面)に当接される。ガスケット274は、上側側面部54と、ナット72で挟まれる。
【0069】
ここで、連通手段本体71とナット72とが締結されることにより、フランジ部71cと底面部33とがガスケット273を介して圧接され、ナット72と上側側面部54とがガスケット274を介して圧接される。よって、連通手段70により、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50とが気密的に連通される。
【0070】
[2-2.効果等]
以上のように、本実施の形態においても、連通手段70は、第1制御装置40と第2制御装置60とが通信線63により接続可能なように、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間の空間を気密的に連通する。よって、本実施の形態においても、そのため、複数の電装ボックス30、50に制御装置40、60が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、制御装置40、60の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0071】
また、本実施の形態のように、連通手段70と第1の電装ボックス30とに挟まれるガスケット273を配置し、連通手段70と第2の電装ボックス50とに挟まれるガスケット274を配置してもよい。
この構成によれば、微小な隙間をガスケット273、274でシールできるのでさらに気密性を向上させることができる。特に、連通手段本体71とナット72とが締結する場合には、ガスケット273、274を、連通手段本体71と、ナット72とのそれぞれに予め取り付けて締結することにより、ガスケット273、274を所定の位置に配置することができる。そのため、ガスケット273、274を予め取り付けておくことで組立性が向上する。よって、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0072】
(実施の形態3)
以下、
図9~
図11を用いて、実施の形態3を説明する。
【0073】
[3-1.全体構成]
[3-1-1.ヒートポンプ装置の構成]
図9は、実施の形態3におけるヒートポンプ装置301の内部構造を示す斜視図である。
図10は、実施の形態3におけるヒートポンプ装置301の内部構造を示す正面図である。
図10では、電装ボックス30、50の樹脂フタ32、52を取り付ける前の状態を示す。
実施の形態3のヒートポンプ装置301では、第2の電装ボックス50の配置位置が、実施の形態1、2のヒートポンプ装置1とは異なる。すなわち、実施の形態3のヒートポンプ装置301では、第2の電装ボックス50が、実施の形態1、2よりも、第1の電装ボックス30から下方に離間する。
【0074】
[3-1-2.第2の電装ボックスの構成]
第2の電装ボックス50は、上側の送風機21の側方に配置される。本実施の形態では、第2の電装ボックス50は、正面視で、送風機21の上下幅の範囲に含まれる位置に配置される。第2の電装ボックス50は、上下の半分以上が、送風機21のモーター21aの駆動軸よりも上方に配置される。第2の電装ボックス50は、左右のステー48、49を介して、仕切り板11と側面パネル15とに支持される。
【0075】
第1の電装ボックス30の底面部33には、ケーブルグランド342が支持される。ケーブルグランド342は、底面部33から下方に突出する。よって、本実施の形態では、第1の電装ボックス30の下方から、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間の空間に配線(不図示)を導出可能である。
【0076】
[3-1-3.連通手段の構成]
図11は、実施の形態3における連通手段370の断面図である。
実施の形態3におけるヒートポンプ装置301は、実施の形態1の連通手段70に代えて、連通手段370を有する。
連通手段370は、筒状部材の一例としての蛇腹パイプ371を有する。蛇腹パイプ371の一端には、蛇腹パイプ371を第1の電装ボックス30に取り付ける第1の取付部材372が設けられている。また、蛇腹パイプ371の他端には、蛇腹パイプ371を第2の電装ボックス50に取り付ける第2の取付部材373が設けられている。
【0077】
蛇腹パイプ371は、軸方向に延びる蛇腹形状の蛇腹部371aと、蛇腹部371aの軸方向両端に形成された筒部371b、371cと、を有する。蛇腹部371aは、その蛇腹形状により、伸縮可能である。また、蛇腹部371aは、その蛇腹形状により曲げることも可能である。
【0078】
蛇腹パイプ371の一方の第1の取付部材372は、軸状に延びる筒状の筒軸部374を有する。筒軸部374の軸方向他端側には、蛇腹パイプ371の筒部371bが挿入される孔部374aが形成される。孔部374aには、円筒状のシール部材375を介して蛇腹パイプ371の筒部371bが挿入される。シール部材375は、孔部374aよりも軸方向に長い。なお、シール部材375は筒部371bに固着されてもよい。孔部374aに対応する位置において、筒軸部374の外周面には、接続ネジ部374bが形成される。接続ネジ部374bには、接続ナット376が締結される。本実施の形態の接続ナット376は、袋ナット状に形成される。接続ナット376の袋部分(蓋部分)には、蛇腹パイプ371の筒軸部374が挿通される貫通孔376aが形成される。
【0079】
接続ナット376が接続ネジ部374bに締め付けられることにより、シール部材375が圧縮して変形される。よって、シール部材375が、筒軸部374の孔部374aの内周面および蛇腹パイプ371の筒部371bの外周面と密着する。これにより、蛇腹パイプ371の一端部が、第1の取付部材372に気密的に取り付けられる。
【0080】
筒軸部374の軸方向中央部には、径方向外側に突出するナット部374cが形成される。ナット部374cは、軸方向一端側に平坦面374dを備える。平坦面374dには、円環状のガスケット377が配置される。ガスケット377は、平坦面374dと、第1の電装ボックス30の底面部33の下面(外面)とで挟まれる。
【0081】
ナット部374cの軸方向一端側において、筒軸部374の外周面には、固定ネジ部374eが形成される。固定ネジ部374eは、取付孔33aに挿入される。固定ネジ部374eは、底面部33よりも内側に突出する。固定ネジ部374eには、固定ナット378が締結される。固定ナット378は、第1の電装ボックス30の底面部33の内面側に配置される。固定ナット378と筒軸部374とが締め付けられることにより、ガスケット377によって、取付孔33aが閉塞された状態で、第1の取付部材372が底面部33に気密的に取り付けられる。
【0082】
第2の取付部材373は、底面部33に代えて上側側面部54に取り付けられる点以外は、第1の取付部材372と同様に構成される。
【0083】
よって、連通手段370を介して相互に電装ボックス30、50間に通信線63、電源線65を接続可能であると共に、電装ボックス30、50の気密性を確保することが可能である。また、連通手段370は蛇腹パイプ371を有しており、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50の相対的な位置関係が変化しても、蛇腹パイプ371が変形して、より確実に気密性が確保できる。よって、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50の配置位置などの設計自由度を大きくすることができる。
【0084】
本実施の形態の連通手段370では、蛇腹パイプ371の内部空間、第1の取付部材372の筒軸部374の内部空間、および、第2の取付部材373の筒軸部374の内部空間により、第1の電装ボックス30の内部空間30aと第2の電装ボックス50の内部空間50aとを連通する連通路370aが構成される。
【0085】
[3-2.効果等]
以上のように、本実施の形態においても、連通手段370は、第1制御装置40と第2制御装置60とが通信線63により接続可能なように、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との間の空間を気密的に連通する。よって、本実施の形態においても、複数の電装ボックス30、50に制御装置40、60が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、制御装置40、60の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0086】
また、本実施の形態のように、連通手段370は、筒状の形状をなす蛇腹パイプ371と、蛇腹パイプ371を第1の電装ボックス30に取り付ける第1の取付部材372と、蛇腹パイプ371を第2の電装ボックス50に取り付ける第2の取付部材373と、を備えてもよい。
この構成によれば、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との相対的な位置関係が変化しても気密性を確保しながら連通させることができる。また、蛇腹パイプ371を通じて、第1制御装置40と第2制御装置60とを、直接、通信線63で接続することができる。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0087】
また、本実施の形態のように、蛇腹パイプ371は伸縮や曲げを許容する柔軟性を有してもよい。
この構成によれば、第1の電装ボックス30と第2の電装ボックス50との相対的な位置関係が変化しても、より確実に気密性が確保できる。そのため、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0088】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0089】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1および2では、連通手段70の連通手段本体71は、第1の電装ボックス30から第2の電装ボックス50に挿入して配置される構成を説明した。この構成は、連通手段本体71のネジ部71bを低い位置で前方から視認させることができる点で望ましいが、連通手段70の連通手段本体71を、第2の電装ボックス50から第1の電装ボックス30に挿入して配置する構成でもよい。このとき、回り止め74は、第2の電装ボックス50の上側側面部54の内面に設ければよい。
【0090】
実施の形態3では、連通手段370は、筒状部材の一例としての、蛇腹部371aを有する蛇腹パイプ371の構成を説明したが、これに限定されず、蛇腹形状でなくてもよい。すなわち、例えば、伸縮や曲げを許容する柔軟性を有する気密性を有する素材で製造された筒状部材でもよい。また、筒状部材は、伸縮や曲げを許容する柔軟性を有することが望ましいが、直管形状の筒状部材でもよい。また、筒状部材は、直管形状の筒状部材に限らず、あらかじめ曲がった形状としてもよい。
【0091】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0092】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0093】
(技術1)筐体と、前記筐体内に配置された冷媒回路であって、内部に可燃性を有する冷媒が封入され、圧縮機、膨張装置、および、空気と熱交換する熱源側熱交換器が、環状に順次接続されて内部を冷媒が循環する冷媒回路と、送風機と前記圧縮機とを駆動する複数の部品からなる制御装置と、前記筐体の上部に配置された第1の電装ボックスであって、内部に前記制御装置の一部である第1制御装置を収納する第1の電装ボックス本体と、前記第1の電装ボックス本体を開閉自在に気密的に閉蓋する第1の電装ボックス蓋と、を備える第1の電装ボックスと、前記第1の電装ボックスの下方に配置された第2の電装ボックスであって、内部に前記制御装置の他の一部である第2制御装置を収納する第2の電装ボックス本体と、前記第2の電装ボックス本体を開閉自在に気密的に閉蓋する第2の電装ボックス蓋と、を備える第2の電装ボックスと、前記第1制御装置と前記第2制御装置とが配線により接続可能なように、前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとの間の空間を気密的に連通する連通手段と、を備えるヒートポンプ装置。
この構成によれば、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、連通手段を介して相互に電装ボックス間に配線を接続可能であると共に、電装ボックスの気密性を確保することが可能である。そのため、複数の電装ボックスに電装品が分けて収納されていても、組立の作業性を向上させつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができるヒートポンプ装置を提供することができる。
【0094】
(技術2)前記第2の電装ボックスの内部に設けられた電源端子台と、前記電源端子台から前記第2の電装ボックスの外部へ接続され前記制御装置に電源を供給する電源線と、前記電源線が前記第2の電装ボックス本体を貫通する部位の気密性を維持する封止手段と、を備える技術1に記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、第1の電装ボックスより下側にある第2の電装ボックスの内部に電源端子台が設けられるため、ヒートポンプ装置の機器の設置の際に、電源端子台の接続部の視認性が良く、また、電源端子台の接続部に手が届きやすい。よって、ヒートポンプ装置の設置時の電源線の接続が容易である。また、第2の電装ボックスを閉蓋する際の作業性も良く、気密性の維持が確実とし易い。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0095】
(技術3)送風機が上下に2つ配置された、技術2に記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、送風機が上下に2つ配置されるために、第1の電装ボックスの位置は高い位置になり易いが、第1の電装ボックスの下方に配置された第2の電装ボックスの位置は高さが抑制され易い。そのため、第2の電装ボックスの電源端子台に電源線を接続することによる作業性の向上の効果は顕著であり、気密性の確保もより確実に行うことができる。
【0096】
(技術4)前記第2の電装ボックスは、前記第2の電装ボックス蓋により前記第2の電装ボックス本体の前面を気密的に閉蓋した、技術2または3に記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、機器の設置の際、前面側が開放する第2の電装ボックスで電源線に接続することで、接続部の視認性が良く、手が届きやすいので、設置時の電源線の接続が容易である。また、第2の電装ボックスを閉蓋する際も作業性が良く、気密性の維持が確実となる。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0097】
(技術5)前記連通手段は、前記第1の電装ボックスの内部空間と前記第2の電装ボックスの内部空間とを連通する連通路と、前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとを連結する締結手段と、を備える、技術1から4のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、締結手段により電装ボックスを密着させることができ、連通路の気密性が確実になると共に、連通路を通じて、第1制御装置と第2制御装置とを、直接、配線で接続することができる。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0098】
(技術6)前記連通手段は、円筒状の形状をなして外表面にネジ部を設けると共に、内部を前記配線が通過する前記連通路を形成する連通手段本体と、前記連通手段本体のネジ部と係合するナットと、を備える、技術5記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、複数の締結手段で締結する場合に比べて、作業性を向上させ易く、また、当接面が密着し易く気密性が向上する。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0099】
(技術7)前記連通手段本体が、前記第1の電装ボックス本体あるいは前記第2の電装ボックス本体に対して回転することを防止する、回り止めを設けた、技術6に記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、ナットの締結がより確実になり、気密性が向上する。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0100】
(技術8)前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとに挟まれるガスケットを配置した、技術5から7のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、微小な隙間をガスケットでシールできるのでさらに気密性を向上させることができる。また、前記第1の電装ボックスと前記第2の電装ボックスとの間にのみにガスケットを配置する構成であるため、ガスケットが1点でよい。そのため、部品点数削減により作業性を向上できる。よって、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0101】
(技術9)前記連通手段と前記第1の電装ボックスとに挟まれるガスケットを配置し、前記連通手段と前記第2の電装ボックスとに挟まれるガスケットを配置した、技術5から7のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、微小な隙間をガスケットでシールできるのでさらに気密性を向上させることができる。特に、連通手段本体とナットとが締結する場合には、ガスケットを、連通手段本体と、ナットとのそれぞれに予め取り付けて締結することにより、ガスケットを所定の位置に配置することができる。そのため、ガスケットを予め取り付けておくことで組立性が向上する。よって、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0102】
(技術10)前記連通手段は、筒状の形状をなす筒状部材と、前記筒状部材を前記第1の電装ボックスに取り付ける第1の取付部材と、前記筒状部材を前記第2の電装ボックスに取り付ける第2の取付部材と、を備える、技術1から4のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、第1の電装ボックスと第2の電装ボックスとの相対的な位置関係が変化しても気密性を確保しながら連通させることができる。また、筒状部材を通じて、第1制御装置と第2制御装置とを、直接、配線で接続することができる。そのため、組立の作業性を向上しつつ、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0103】
(技術11)前記筒状部材は伸縮や曲げを許容する柔軟性を有する、技術10に記載のヒートポンプ装置。
この構成によれば、第1の電装ボックスと第2の電装ボックスとの相対的な位置関係が変化しても、より確実に気密性が確保できる。そのため、電装品の部品による漏洩冷媒への着火を防止することができる。
【0104】
(技術12)可燃性を有する前記冷媒は、R32若しくはR32を70重量パーセント以上含む混合冷媒、またはプロパン若しくはプロパンを含む混合冷媒である、技術1から11のいずれかに記載のヒートポンプ装置。
この構成により、R32およびプロパンは、それぞれGWPが低い冷媒であるため、環境負荷を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示は、可燃性を有する冷媒を用いるヒートポンプ装置に適用可能である。具体的には、ヒートポンプ温水暖房機のほか、ヒートポンプ式の給湯器またはヒートポンプ装置などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 ヒートポンプ装置
10 筐体
11 仕切り板
11a 切り欠き部
12 送風機室
13 機械室
14 底面パネル
15 側面パネル
16 前面パネル
16a 開口部
17 天板
18 送風機支柱
19 支持板
20 空気熱交換器(熱源側熱交換器)
20a 背面部
20b 側面部
21 送風機
21a モーター
21b ファン羽根
22 給水配管
23 圧縮機
24 水熱交換器
25 膨張装置
26 冷媒配管
27 四方弁
29 冷媒回路
30 第1の電装ボックス
30a 内部空間
31 電装品収納ケース(第1の電装ボックス本体)
32 樹脂フタ(第1の電装ボックス蓋)
33 底面部
33a 第1の取付孔
34 前側側面部
35 後側側面部
36 左側側面部
37 右側側面部
38 開口部
38a フランジ部
39 底面開口部
40 第1制御装置(電装品)
41 ヒートシンク
48 ステー
49 ステー
50 第2の電装ボックス
50a 内部空間
51 電装品収納ケース(第2の電装ボックス本体)
52 第2の電装ボックス蓋(樹脂フタ)
53 底面部
54 上側側面部
54a 第2の取付孔
55 下側側面部
56 左側側面部
57 右側側面部
58 開口部
58a フランジ部
60 第2制御装置(電装品)
61 電源端子台
62 電装品
63 通信線(配線)
64 電源線
65 電源線
66 電源線
67 ケーブルグランド(封止手段)
68 ケーブルグランド
69 ケーブルグランド
70 連通手段
70a 連通路
71 連通手段本体
71a 円筒部
71b ネジ部(締結手段)
71c フランジ部
71d 切除部
72 ナット(締結手段)
73 ガスケット
74a 固定部
74b 周り止め本体部
273 ガスケット
273a 切除部
274 ガスケット
301 ヒートポンプ装置
342 ケーブルグランド
370 連通手段
370a 連通路
371 蛇腹パイプ(筒状部材)
371a 蛇腹部
371b 筒部
371c 筒部
372 第1の取付部材
373 第2の取付部材
374 筒軸部
374a 孔部
374b 接続ネジ部
374c ナット部
374d 平坦面
374e 固定ネジ部
375 シール部材
376 接続ナット
376a 貫通孔
377 ガスケット
378 固定ナット
C 制御装置
L0 軸中心
PS1 圧力センサ
PS2 圧力センサ
RS1 冷媒センサ
TS1 温度センサ
TS2 温度センサ
δ 厚み