(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173011
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】積分球、積分球検査装置、及び、それを利用したランプ検査システム
(51)【国際特許分類】
G01J 1/02 20060101AFI20241205BHJP
G01J 1/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01J1/02 F
G01J1/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091116
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】508136205
【氏名又は名称】浜井電球工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129159
【弁理士】
【氏名又は名称】黒沼 吉行
(72)【発明者】
【氏名】齋 藤 理 一
【テーマコード(参考)】
2G065
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AA11
2G065AB27
2G065BB42
2G065BC33
2G065BC35
(57)【要約】
【課題】 検査対象のランプをより迅速且つ正確に配置可能とする。しかも検査時間を短縮し温度上昇を回避できる積分球を提供する。
【解決手段】 球形の中心を境に半裁された一対の半球面形とされ、内壁に拡散反射皮膜5が設けられた積分球下部3及び積分球上部4と、該積分球下部3の内壁の曲面の中心3RCを通る水平線に対応する両端の夫々に刻設された一対のリード線受け溝30と、該積分球上部の頂部又は該積分球下部の最低部何れかに配され、積分球下部と積分球上部とが閉じ合わされた場合の積分球の内壁の曲面の中心に向けられた受光素子40と、該受光素子が該積分球上部に設けられた場合に、該受光素子と、該積分球上部の内壁の曲面の中心との間に配され、又は、該受光素子が該積分球下部に設けられた場合に、該受光素子と、該該積分球下部の内壁の曲面の中心との間に配され、全面に拡散反射皮膜が設けられた遮光板42と、を備えた積分球2。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形の中心を境に半裁された一対の半球面形とされ、内壁が拡散反射面とされた積分球下部及び積分球上部と、
該積分球下部の内壁の曲面の中心を通る水平線に対応する両端の夫々に刻設された一対のリード線受け溝と、
該積分球上部又は該積分球下部の内壁に配され、積分球下部と積分球上部とが閉じ合わされた場合の積分球の内壁の曲面の中心に向けられた受光素子と、
該受光素子が該積分球上部に設けられた場合に、該受光素子と該積分球上部の内壁の曲面の中心との間に配され、又は、該受光素子が該積分球下部に設けられた場合に、該受光素子と、該積分球下部の内壁の曲面の中心との間に配され、全面が拡散反射面とされた遮光板と、
を備えたことを特徴とする積分球。
【請求項2】
前記積分球下部がその内壁を上向きに埋設された測定台と、
該積分球下部の一対のリード線受け溝の一方に設けられた正極、及び他方に設けられた負極と、
該測定台の上に搭載され、前記積分球上部がその内壁を下向きに埋め込まれた上部蓋と、
該測定台に対し、該上部蓋を前記積分球下部と積分球上部とが積分球を形成するよう、開閉自在に連結する蝶番部と、
該測定台と該上部蓋との間に設けられ、前記積分球下部に対し積分球上部を開き方向に付勢する開付勢部と、を備えた請求項1記載の積分球を用いた積分球検査装置。
【請求項3】
前記受光素子の出力信号を受信し、検査対象のランプの全光束を表示する光束値表示ユニット、
及び、検査対象のランプに印加された電流値を表示する電流値表示ユニットを有する検査値表示部と、
該上部蓋の該測定台に対する開閉に伴う、前記積分球下部と積分球上部との開閉動作をカウントする数量カウンター部と、
を備えた請求項2記載の積分球検査装置を有するランプ検査システム。
【請求項4】
検査対象のランプの全光束及び印加された電流値に基づき良品か不良品かを判断する判定部と、
信号音記憶部及びスピーカーを有し、該判定部の判断が良品の場合に、良品判定を表す信号音を発し、不良品判定の場合に、良品判定とは異なる不良品判定を表す信号音を発する判定表示部と、
を備えた請求項3記載のランプ検査システム。
【請求項5】
前記数量カウンター部に、
カウント数の精度を高めるチャタリング防止回路と、
カウント数の誤差を無くすディレー回路と、
誤ったカウント数を修正する整流回路と、
が組み込まれてなる、請求項3記載のランプ検査システム。
【請求項6】
検査対象のランプへの印加電圧を表示する電圧値表示ユニットと、
該電流値表示ユニットに設けられた電流値ディジタルメーターリレーと、
該光束値表示ユニットに設けられた全光束値ディジタルメーターリレーと、
を備えた、請求項3記載のランプ検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光放射測定の分野で広く利用されている積分球に関連し、特に、小型の且つ特殊形状のランプの全光束を測定するのに適する積分球、積分球検査装置、及び、それを利用したランプ検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なフィラメントランプは、商品開発や品質管理において従来型の内径30cm前後の球形又は長球形などの開閉型の積分球が用いられている。一般的なサイズ及び形状のランプであれば、支障無く効率的に電流値及び全光束を測定することができる。
【0003】
フィラメントランプの中でも、例えば、直径がΦ2mm以下、長さ3.5乃至10mmの筒型形状の小型且つ特殊形状のアクシャルランプは、ランプの両端から直径Φ0.25mmの細いリード線が、同軸上且つストレートに延伸され、両リード線を含む全長が、例えば、30mm乃至40mm程度のものがあり、電流値及び全光束を測定する場合には、従来型の30cm積分球を用いると、該積分球の開閉操作が大きくなり、又、該小型のアクシャルランプの位置決めセットに要する工数が増加し、ランプ1個当たり、15秒程度を要するものとなり、生産コストを高騰させる要因となっていた。
【0004】
例えば、特許文献1(特開平7-146175号公報)には、ランプと、ランプ点灯装置と、積分球と、この積分球の冷却装置と、ランプ温度制御装置と、ランプ電力測定装置を備え、測定するランプを定電力点灯させたときに積分球を特定温度に冷却するようにした全光束測定装置の構成とされ、球形光束計内において被測定ランプの光特性や電気特性を安定に再現できるために精度良く全光束を測定することができる全光束測定装置が示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開平6-167388号公報)には、半球状の内壁に光拡散材料を塗布した積分半球と、積分半球の内部半球面に受光窓を持つ光検出器と、前記積分半球の内部半球の曲率中心をとおり、前記積分半球の開口部をおおうように平面ミラーを組み合わせる。この平面ミラーの中心に、被測定光源の中心が、前記積分半球の内部半球の曲率中心に一致するよう設置できるように、前記被測定光源の長手方向断面形状と同じ形状に開口を設ける。被測定光源を前記積分半球の内部半球の曲率中心に一致するよう前記開口に設置する点灯治具からなり、あたかも被測定光源が積分球内の空間に点灯治具なしに点灯した状態を実現でき、点灯治具の光束吸収を回避できる。また、被測定光源の半分は、積分空間より外にでていることにより、被測定光源の温度制御を可能にする。これにより高精度の全光束測定を実現した光束計が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-146175号公報
【特許文献2】特開平6-167388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に示された全光束測定装置は、ランプ温度制御装置によって制御される冷却装置が設けられ、ランプの全光束を精度よく測定できるものとなっているが、冷却装置及びランプ温度制御装置の設置を要するため、製造コストがアップし、また、冷却装置が積分球を特定温度まで冷却する間は、精度良く測定出来ないという欠点を残すものであった。
【0008】
また、前記特許文献2に示された光束計は、被測定光源を支持する点灯治具が積分空間外に配されているが、該点灯治具に対する被測定光源の支持構造は示されていない。しかしながら、被測定光源は、1/2球、又は1/4球の積分球の曲率中心に対応し、且つ平面ミラーの開口に正確に配置されなければ、高精度の光束測定を実現できない。このため点灯治具への被測定光源の位置決めを慎重且つ正確に行わなければならず、作業工数を悪化させることが懸念されるものであった。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、検査対象のランプを積分球内の曲率の中心位置により迅速且つ正確に配置可能とする。しかも冷却装置などを要さずとも積分球内の温度上昇を回避できる積分球、積分球検査装置、及び、それを利用したランプ検査システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、球形の中心を境に半裁された一対の半球面形とされ、内壁が拡散反射面とされた積分球下部及び積分球上部と、該積分球下部の内壁の曲面の中心を通る水平線に対応する両端の夫々に刻設された一対のリード線受け溝と、該積分球上部又は該積分球下部の内壁に配され、積分球下部と積分球上部とが閉じ合わされた場合の積分球の内壁の曲面の中心に向けられた受光素子と、該受光素子が該積分球上部に設けられた場合に、該受光素子と、該積分球上部の内壁の曲面の中心との間に配され、又は、該受光素子が該積分球下部に設けられた場合に、該受光素子と該該積分球下部の内壁の曲面の中心との間に配され、全面が拡散反射面とされた遮光板と、を備えた積分球にかかるものである。
【0011】
積分球下部は、積分球の下半分を形成し、測定対象のランプを、積分球及び積分球下部の内壁の曲面の中心に、支持するものとなる。積分球下部は、内壁の全体が拡散反射面とされたものとすることができる。積分球下部は、同積分球下部の内壁の曲面の中心を通る水平線に対応する両端の夫々に、測定対象のランプの直線状のリード線が架け渡され、支持されるリード線受け溝が刻設されたものとすることができる。
【0012】
積分球下部は、積分球下部の最低部に、積分球下部と積分球上部とが閉じ合わされた場合の積分球の内壁の曲面の中心に向けられた受光素子が設けられたものとすることができる。この場合、該受光素子が設けられた該積分球下部に、該受光素子と、該積分球下部の内壁の曲面の中心との間に配され、全面が拡散反射面とされた遮光板が設けられたものとすることができる。
【0013】
リード線受け溝は、積分球及び積分球下部の内壁の曲面の中心に、測定対象のランプを支持するものとなる。リード線受け溝は、積分球及び積分球下部の内壁の曲面の中心を通る水平線に対応する両端の夫々に刻設されたものとすることができる。両リード線受け溝は、架け渡された測定対象のランプのリード線間に電圧を印加する正極と負極とが設けられたものとすることができる。積分球下部の一対のリード線受け溝の一方に設けられた正極、及び他方に設けられた負極の間に電圧が印加され、該一対のリード線受け溝の間に架け渡された検査対象のランプが発光する。
【0014】
積分球上部は、積分球の上半分を形成し、積分球及び積分球上部の頂部に、積分球下部と積分球上部とが閉じ合わされた場合の積分球の内壁の曲面の中心に向けられた受光素子が設けられたものとすることができる。この場合、該受光素子が設けられた該積分球上部に、該受光素子と、該積分球上部の内壁の曲面の中心との間に配され、全面が拡散反射面とされた遮光板が設けられたものとすることができる。
【0015】
受光素子は、測定対象のランプの全光束を検知し、その全光束値を出力する。受光素子は、積分球上部又は積分球下部の内壁に配され、受光部が、積分球の内壁の曲面の中心に向けられたものとすることができる。受光部が積分球上部の頂部、又は、積分球上部のその他の内壁に配されたものとすることができる。また、受光部が積分球下部の最低部、又は、積分球下部のその他の内壁に配されたものとすることができる。受光部に減光フィルタが着脱自在に設けられたものとすることができる。
【0016】
遮光板は、測定対象のランプの発する光が受光素子の受光部に直接照射されないよう遮光する。遮光板は、積分球の内壁の曲面の中心と、受光素子の受光部との間に配されたものとすることができる。受光部が積分球上部に設けられた場合には、積分球上部に対して設けられ、受光部が積分球下部に設けられた場合には、積分球下部に対して設けられたものとすることができる。
【0017】
拡散反射面は、積分球の内部の光りを拡散して均一化し、検知される全光束の値の精度を高める。拡散反射面は、光学薄膜からなる拡散反射皮膜とすることができる。拡散反射皮膜は、例えば、酸化チタン、弗化マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化ケイ素等の光拡散粉末剤を混合した白色塗料が塗布されたもの、又は、光拡散粉末剤を混合した、拡散反射フィルム層等とすることができる。
【0018】
本発明は、前記積分球下部がその内壁を上向きに埋設された測定台と、該積分球下部の一対のリード線受け溝の一方に設けられた正極、及び他方に設けられた負極と、該測定台の上に搭載され、前記積分球上部がその内壁を下向きに埋め込まれた上部蓋と、該測定台に対し、該上部蓋を前記積分球下部と積分球上部とが積分球を形成するよう、開閉自在に連結する蝶番部と、該測定台と該上部蓋との間に設けられ、前記積分球下部に対し積分球上部を開き方向に付勢する開付勢部と、を備えた前記積分球を用いた積分球検査装置にかかるものである。
【0019】
測定台は、積分球下部を上向きに開口するよう埋設された状態に安定に保持し、積分球上部及び上部蓋が開閉自在に施蓋される。測定台は、電気絶縁性、耐熱性、及び充分な機械的強度を有する素材、例えば布入ベークライト製、メラミン樹脂製等の熱硬化性樹脂製とすることができる。測定台は、上部蓋が蝶番部を介して設けられたものとすることができる。測定台は例えば、作業台の上などに安定に置くことができるベース板の上に設けられたものとすることができる。ベース板は、充分な強度をもって測定台を安定に支持する。更に、該測定台の熱を効率的に放熱するものとすることができる。例えば、アルミニウム、銅、黄銅、青銅、鉄、ステンレス、チタン、それらの合金、ファインセラミックス等の素材製とすることができる。例えばベース板は、上部蓋が蝶番部を介して設けられたものとすることができる。
【0020】
上部蓋は、積分球上部を下向きに開口するよう埋め込まれた状態に一体化し、積分球下部及び測定台に対し開閉自在に施蓋する。上部蓋は、測定台と同様に電気絶縁性、耐熱性、及び充分な機械的強度を有する素材、例えば布入ベークライト製、メラミン樹脂製等の熱硬化性樹脂製とすることができる。上部蓋は、測定台又はベース板に対し蝶番部を介して設けられたものとすることができる。
【0021】
蝶番部は、測定台又はベース板に対し、上部蓋を開閉自在に一体化する。蝶番部は、例えば、測定台、ベース板又は上部蓋に対し着脱可能に設けられたものとすることができる。蝶番部は、中途部に着脱自在な連結部を有し、測定台又はベース板から上部蓋を離脱可能なものとされ、メンテンサンス性を高められたものとすることができる。蝶番部は、測定台及び上部蓋の後部に配されたものとすることができる他、左右何れか一方に配されたものとすることができる。
【0022】
開付勢部は、積分球下部に対し積分球上部を開き方向に付勢する。開付勢部は、測定台又はベース板に対し上部蓋を開く方向に付勢する、例えば、圧縮バネ、引張バネ、板バネ等のバネ、ゴムなどの弾性力、油圧、圧縮空気等の流体圧力、又は永久磁石や電磁石等の反発力や吸引力などを利用したものとすることができる。該開付勢部は、測定台又はベース板に対する上部蓋の開き角度を規制する開度制限部が設けられたものとすることができる。開度制限部は、例えば、該開付勢部の変形量を、測定台又はベース板に対する上部蓋との最大の開き角度に相当する変形範囲に規制する変形量規制部とすることができる。変形量規制部は、開付勢部の外側に配された制限枠とすることができる。開度制限部は、例えば、測定台又はベース板に設けられ、測定台又はベース板に対し開かれた上部蓋の後壁、側壁、又は側壁に設けられた当接部や係合部などに当接し、該上部蓋の開き角度を制限するストッパとすることができる。
【0023】
積分球検査装置には閉時スイッチが設けられたものとすることができる。閉時スイッチは、測定台及び積分球下部に対し、上部蓋及び積分球上部が閉じ合わせられた場合に閉成し、開かれた場合に開成するものとすることができる。又、閉じ合わせられた場合に開成し、開かれた場合に閉成するものとすることができる。閉時スイッチは、積分球下部に対し積分球上部が閉じ合わせられる毎に回数をカウントする。開閉カウント部は、例えば、ランプ検査システムの回路のカウント部に開閉毎に信号を発信するものとすることができる。開閉カウント部は、例えば、数量カウンター部又は検査カウンター機に接続されたものとすることができる。閉時スイッチは、例えば、測定台、積分球下部、ベース板、上部蓋、積分球上部又は蝶番部の何れかに設けられたものとすることができる。
【0024】
又、閉時スイッチは、例えば、ランプ検査システムの回路の印加部としての内部電源出力端子を閉成、開成し、該正極及び負極間に電圧を印加するものとすることができる。この場合、該上部蓋の積分球上部が、該測定台の積分球下部に閉じ合わされた場合にONとなり、該上部蓋の積分球上部が、開かれるとOFFになるものとすることができる。該閉時スイッチは、例えば、外部電力の供給を受けて動作するランプ検査システムから供給された電力を受けて正極及び負極間に電圧を印加するものとすることができる。該閉時スイッチは、例えば、開閉カウント部を兼ねるものとすることができる。
【0025】
本発明は、前記受光素子の出力信号を受信し、検査対象のランプの全光束を表示する光束値表示ユニット、及び、検査対象のランプに印加された電流値を表示する電流値表示ユニットを有する検査値表示部と、該上部蓋の該測定台に対する開閉に伴う、前記積分球下部と積分球上部との開閉動作をカウントする数量カウンター部と、を備えた前記積分球検査装置を有するランプ検査システムにかかるものである。
【0026】
検査値表示部は、検査対象のランプの検出結果を表示する。検査値表示部は、ランプ検査システムに設けられたものとすることができる。検査値表示部は、検査値表示機とすることができる。検査値表示部は、例えば、光束値表示ユニット及び電流値表示ユニットを有するものとすることができる。また、光束値表示ユニット、電流値表示ユニット及び電圧値表示ユニットを有するものとすることができる。更に、当該数量カウンター部の開閉カウント数を表示するユニットが追加されたものとすることができる。光束値表示ユニットは、例えば、当該積分球下部と積分球上部との閉動作に連動し、前記受光素子の出力信号を受信し、検査対象のランプの全光束を表示するものとすることができる。電流値表示ユニットは、例えば、当該積分球下部と積分球上部との閉動作に連動し、検査対象のランプに印加された電流値を表示するものとすることができる。電圧値表示ユニットは、例えば、当該積分球下部と積分球上部との閉動作に連動し、検査対象のランプに印加された電圧値を表示するものとすることができる。数量カウンター部は、当該積分球下部と積分球上部との閉動作のカウント数を表示する。数量カウンター部は、ランプ検査システムに設けられたものとすることができる。数量カウンター部は、検査カウンター機とすることができる。
【0027】
本発明は、検査対象のランプの全光束及び印加された電流値に基づき良品か不良品かを判断する判定部と、該判定部の判断が良品の場合に、良品判定を表す信号音を発し、不良品判定の場合に、良品判定とは異なる不良品判定を表す信号音を発する信号音記憶部及びスピーカーを有した判定表示部と、を備えた前記ランプ検査システムにかかるものである。
【0028】
判定部は、検査対象のランプの全光束及び印加された電流値に基づき、該ランプが良品か不良品かを判断する。判定部は、ランプ検査システムのハードウェア及びソフトウェアからなるものとすることができる。判定表示部は、該判定部が判定したランプが良品か、不良品かを表示する。判定表示部は、ランプ検査システムに設けられたディスプレイとすることができる。判定表示部は、ランプ検査システムに接続された判定表示機とすることができる。
【0029】
信号音記憶部は、判定部による判定結果を発信する信号音のデータを記憶する。ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等とすることができる。記録されたデータは、周波数の高低や再生時間の長短の異なるブザー音又は発話等のデータとすることができる。信号音記憶部は、ランプ検査システム、判定表示部又は判定表示機に搭載されたものとすることができる。スピーカーは、判定部による判定結果を、信号音記憶部に記憶された信号音データに基づき再生する。信号音は、周波数や音量、再生時間(秒数)などが異なるブザー音、人の音声(言葉)、その他の音声等とすることができる。信号音の増幅器やボリュームスイッチ等を備えたものとすることができる。
ランプ検査システムは、例えば、当該積分球検査装置、検査カウンター機、判定表示機、検査値表示部、及び、それらを統合的に制御するパーソナルコンピューター等に組み込まれたものとすることができる。
【0030】
本発明は、前記数量カウンター部に、カウントの精度を高めるチャタリング防止回路と、カウント数の誤差を無くすディレー回路と、誤ったカウント数を修正する整流回路と、が組み込まれてなる、前記ランプ検査システムにかかるものである。
【0031】
チャタリング防止回路は、数量カウンター部のチャタリングを解消する。ディレー回路は、カウント数の誤差を無くす。整流回路は、誤ったカウント数を修正する。これらによってカウントの精度が高められる。チャタリング防止回路は、スイッチと平行にコンデンサが挿入されたハードウェアの他、ソフトウェアによって制御されるスイッチ回路に置き換えられたものとすることができる。ディレー回路は、シーケンサやリレー回路等のハードウェアの他、ソフトウェアによって制御されるスイッチ回路に置き換えられたものとすることができる。整流回路は、ダイオードやコンデンサ、サイリスタ等を用いたハードウェアの他、ソフトウェアによって制御されるスイッチ回路に置き換えられたものとすることができる。
【0032】
本発明は、検査対象のランプに印加された電圧を表示する電圧値表示ユニットと、該電流値表示ユニットに設けられた電流値ディジタルメーターリレーと、該光束値表示ユニットに設けられた全光束値ディジタルメーターリレーと、を備えた前記ランプ検査システムにかかるものである。
【0033】
電流値表示ユニットに設けられた電流値ディジタルメーターリレーは、検査対象のランプの電流値を表示する。例えば、規格範囲の設定(例えばHi/Lo)のリレー出力を持つものとすることができる。光束値表示ユニットに設けられた全光束値ディジタルメーターリレーは、検査対象のランプの全光束値を表示する。例えば、規格範囲の設定(例えばHi/Lo)のリレー出力を持つものとすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の積分球によれば、積分球下部の一対のリード線受け溝に、検査対象のランプのリード線を架け渡してセットし、積分球下部と積分球上部とを閉じ合わせるだけで積分球として機能するから、検査対象のランプを位置決めしてセットを終え、検査を開始するまでの工数を大幅に短縮することができるという優れた効果を奏し得る。極短時間の中に検査を終了し、積分球を開くから、温度上昇を防ぎ冷却装置が不要となる。
【0035】
本発明の積分球検査装置によれば、一対のリード線受け溝間に検査対象のランプのリード線を架け渡してセットし、該上部蓋を該測定台に閉じ合わせるだけで検査を終了し、検査工数を大幅に短縮することができる。従来型では検査対象のランプの1個当たり15秒を要していたが、本発明によれば1個当たり5秒に短縮することができた。
【0036】
本発明のランプ検査システムによれば、光束値表示ユニット及び電流値表示ユニットを有する検査値表示部と、数量カウンター部とを積分球検査装置に接続するだけで、該ランプ検査システムによる検査対象のランプの検査を開始できる。検査対象のランプの全光束値、電流値、及び検査した検査対象のランプの数量を素早く確認し、より正確な検査を実現できる。
【0037】
本発明のランプ検査システムによれば、判定部と、信号音記憶部及びスピーカーを有した判定表示部とを備えているから、検査結果を目視によるだけでなく、信号音でも確認することができ、より円滑且つ正確な検査を実現できる。
【0038】
本発明のランプ検査システムによれば、数量カウンター部にチャタリング防止回路、ディレー回路及び整流回路を備えるから、より正確な数量カウントと、より迅速な検査とを実現できる。
【0039】
本発明のランプ検査システムによれば、電圧値表示ユニットが設けられ、該電流値表示ユニットに電流値ディジタルメーターリレーが設けられ、該光束値表示ユニットに全光束値ディジタルメーターリレーが設けられたから、検査値表示部に、電圧値表示ユニット、電流値表示ユニット及び光束値表示ユニットをコンパクトに纏めることができ、同じ基板上に配されたものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図8】(a)検査カウンター機6の正面図。 (b)検査カウンター機6の背面図。 (c)検査カウンター機6の基板の平面図。
【
図9】(a)検査値表示機8の正面図。 (b)判定表示機7の斜視図、及び表示画面の正面図。 (c)検査対象のランプLP1の選別箱を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる積分球2、積分球検査装置1、及び、それを利用したランプ検査システムを具体的に説明する。特に本実施の形態は、フィラメントランプの中でも直径2mm以下の筒型で、両端から直線状のリード線が延伸されたアクシャルタイプのランプLP1(検査対象)の電流値・全光束値を効率的に測定可能としたものである。
【0042】
図1乃至
図3に示すように、積分球2は、内径2IDがΦ20mm乃至50mm(例えばΦ39mm)の中心2Cを境に水平に半裁され、一対の半球面形とされた積分球下部3及び積分球上部4を有している。該積分球下部3及び積分球上部4は、その外径2ODが例えばΦ44.5mmに設定されたものとすることができる。該積分球下部3は、その外壁の半径3ORがR22.3mmに設定されたものとすることができる。該積分球下部3の内壁の曲面の中心3RCを通る水平線に対応する左右端には、左右一対のリード線受け溝30が刻設されている。各リード線受け溝30は、夫々幅30W(例えば5mm)、深さ3DP(例えば2.5mm)のV形状に刻設されている。各リード線受け溝30は、V形が望ましいが、U形、凹形等とすることができる。左右一対のリード線受け溝30は、検査対象のランプLP1の両端から直線状に延伸されたリード線LP2を架け渡し支持可能とする。左右一対のリード線受け溝30にリード線LP2が架け渡された検査対象のランプLP1は、その発光部LP1が該積分球下部3の内壁の曲面の中心3RC(積分球2の中心2C)に配される。
【0043】
該積分球上部4の頂部には、該積分球上部4の内壁の曲面の中心に向けられた受光部401を有する受光素子40が設けられている。該受光部401は例えば、Φ8mmのSiフォトダイオード401とすることができる。該受光素子40は、該受光部401が基板402上に搭載されたものとすることができる。該積分球上部4の頂部には、該受光部401に相当する形状の装着窓41が開口され、該装着窓41に該受光部401が臨むよう、該基板402が該積分球上部4の頂部の外側より装着され、該基板402と該積分球上部4とがネジ結合され、該受光素子40が該積分球上部4の頂部に装着されたものとすることができる。
【0044】
該受光素子40と、該積分球上部4の内壁の曲面の中心4RCとの間にはΦ20mmの遮光板42が配されている。該遮光板42は、脚部420又は脚壁420を介して該積分球上部4に対して固定され支持されたものとすることができる。該遮光板42は、該積分球上部4の内壁の曲面の中心4RCからの離間距離SLが10mmに設定されたものとすることができる。該積分球下部3及び積分球上部4の内壁、及び、遮光板42(脚部又は脚壁420)の夫々の全面に、弗化マグネシウムや酸化チタン等の光拡散粉末剤を混合した白色塗料が塗布されてなる拡散反射面5としての拡散反射皮膜5が設けられたものとすることができる。
【0045】
受光素子40の受光部401は、例えば、視感度フィルタを内蔵したフォトダイオードとすることができる。更に、受光部401に積分球2内の光が均一に当たる様、拡散フィルタが装着されたものとすることができる。積分球上部4の頂部に設けられた受光素子40及び遮光板42は、測定の繰り返し時のホコリやゴミの付着を防止することができる。
【0046】
図1乃至
図8に示すように、ランプ検査システムは、例えば、積分球検査装置1(AXL測定器)、検査カウンター機6、判定表示機7の3個からなるものとすることができる。また、積分球検査装置1(AXL測定器)、検査カウンター機6、判定表示機7、検査値表示機8の4個からなるものとすることができる。
【0047】
ランプ検査システムは、例えば、積分球2、数量カウンター部6、判定表示部7及び検査値表示部8がハードウェアとされ、それらがPC(パーソナルコンピューター、以下PCと記す)に対し、基板やコネクタ、ネットワーク等を介して接続されたものとすることができる。該ランプ検査システムは、該PC及び該PCに搭載されたソフトウェアによって統合的にコントロールされるものとする事ができる。
【0048】
当該積分球検査装置1は、アルミ製のベース板10が設けられている。該ベース板10の上には測定台11が搭載されている。該測定台11は、当該積分球下部3が、その内壁を上向きにされて埋設され、その上端の開口縁が、リード線受け溝30の深さ3DP(例えば2.5mm)分、該測定台11の天面から浮上された位置に固定支持されたものとなっている。該測定台11は、黒色の布入ベークライト製とすることができる。該積分球下部3の一対のリード線受け溝30の一方に正極301が設けられ、一対のリード線受け溝30の他方に負極302が設けられている。該正極301及び負極302は、該一対のリード線受け溝30間に架け渡された検査対象のランプLP1に電圧を印加するものとなる。
【0049】
該測定台11の上には、当該積分球上部4がその内壁を下向きに埋め込まれた上部蓋12が搭載されている。該上部蓋12は、黒色の布入ベークライト製とすることができる。
図4及び
図5に示すように、該上部蓋12の天面には天蓋120がネジ止めや嵌着爪等による着脱構造を介して設けられている。該天蓋120を外すと、積分球上部4の頂部にネジ結合された受光素子40が露出され、該積分球上部4を取り外すことなくメンテナンスできるものとすることができる。該測定台11に対し、該上部蓋12の後端が、蝶番部13を介して開閉自在に連結されたものとすることができる。該蝶番部13は、当該積分球下部3と積分球上部4とを、超小型の積分球2を形成するよう、開閉自在に連結するものとなる。
【0050】
該測定台11と該上部蓋12の後端との間に、開付勢部14が架け渡して設けられたものとすることができる。該開付勢部14は、当該積分球下部3に対し積分球上部4の開かれた姿勢を弾性的に維持する引張コイルバネ14とすることができる。該引張コイルバネ14は、その張力と該上部蓋12の重量とのバランスにより、該上部蓋12を一定の開き角度に姿勢維持可能なものとすることができる。また、
図4及び
図5に示すように、開度制限部140としてのストッパ140が設けられ、該ストッパ140が積分球下部3に対する積分球上部4の開き姿勢を該開付勢部14の付勢力に抗して一定の角度に規制し、外力が加わらない場合には、常時積分球下部3に対し積分球上部4が一定の角度に開かれた姿勢を維持するものとすることができる。
【0051】
該開付勢部14は、引張コイルバネ14の他、圧縮コイルバネ、板バネ、C字形のバネ、永久磁石の反発力を利用したもの、又は、流体の弾性力を利用したもの等に置き換えることが可能である他、該上部蓋12の蝶番部13よりも後方に錘が設けられ、該錘に働く重力によって該上部蓋12を開放方向に付勢可能とされたもの等とすることができる。該測定台11の左右何れか片側とそれに対峙する該上部蓋12との間には、測定台11に対する上部蓋12の開閉を検知する閉時スイッチ15及び開閉カウント部15としてのマイクロスイッチ15が設けられている。該マイクロスイッチ15は、上部蓋12が測定台11に閉じ合わせられる毎に、カウント信号を発信する開閉カウント部15として機能する。又、該マイクロスイッチ15は、例えば、当該正極301及び負極302間に電圧を印加する閉時スイッチ15として機能するものとすることが可能である。
【0052】
図1に示すように、当該積分球下部3と積分球上部4との側部間には、積分球検査装置1の不使用時(電源供給が停止された場合)に、該開付勢部14の付勢力に抗して閉鎖状態に施錠する閉鎖鈎16が設けられたものとすることができる。
【0053】
図6に示すように、前記ベース板10の最後部天壁には、当該受光素子40に繋がる出力信号用端子102、マイクロスイッチ(開閉カウント部)15に繋がる数量カウンター部6の出力信号用端子103、及び、正極301及び負極302に繋がる供給電源端子104が端子台101に設けられたものとすることができる。
【0054】
図5及び
図6に示すように、積分球検査装置1の各部の寸法は、例えば、その全幅1Wが100mm、全高1Hが68mm、ベース板10の全長10Lは190mm、測定台11の全長11Lは120mm、上部蓋12の全長12Lは80mmに設定されたものとすることができる。
【0055】
図7及び
図9(a)に示すように、ランプ検査システムの光束値表示ユニット(E15)は、検査値表示部8としての検査値表示機8に設けられた光束値表示部80とすることができる。光束値表示部80は、例えば、上部蓋12の測定台11に対する閉動作に伴う、前記積分球下部3と積分球上部4との閉動作に連動し、前記受光素子401の出力信号を受信し、検査対象のランプの全光束値を表示する光束表示ディジタルパネルメーター(80,E15)とすることができる。
【0056】
ランプ検査システムの電圧値表示ユニット(E3)は、検査値表示部8としての検査値表示機8に設けられた電圧値表示部81とすることができる。電圧値表示部81は、検査値表示機8に設けられた電圧値表示ユニット(81,E3)とすることができる。電圧値表示ユニット(81,E3)は、例えば、上部蓋12の測定台11に対する閉動作に伴う、前記積分球下部3と積分球上部4との閉動作に連動し、検査対象のランプLP1に印加された電圧値を表示する供給電圧表示ディジタルパネルメーター(81,E3)とすることができる。
【0057】
ランプ検査システムの電流値表示ユニット(E13)は、検査値表示部8としての検査値表示機8に設けられた電流値表示部82とすることができる。電流値表示部82は、検査値表示機8に設けられた電流値表示ユニット(82,E13)とすることができる。電流値表示ユニット(82,E13)は、例えば、両リード線受け溝30間に両リード線LP2が掛け合わせられた検査対象のランプLP1が、正極301と負極302との間に印加された電圧を受けて発光した場合に、検査対象のランプLP1に印加された電流値を表示する電流表示ディジタルパネルメーター(82,E13)とすることができる。検査対象のランプLP1は、フィラメントの発光が安定するまで1乃至2秒のタイムラグが有るため、電力の供給を受けて発光を開始した後、1乃至2秒後に積分球下部3と積分球上部4とを閉じ合わせて電流値及び全光束値を測定するのが良い。又、例えば、検査対象のランプLP1が正極301と陰極302との間に架け渡され、発光と共に変化する電圧値や電流値に基づき、発光状態を検知し、該ランプLP1の発光状態を検知した後1乃至2秒後(発光が安定するまでの時間の後)に、同検査対象のランプLP1に印加された電流値を表示するよう制御する制御部が設けられた電流表示ディジタルパネルメーター(82,E13)とすることができる。
【0058】
図8(a)、(b)(c)に示すように、カウント部6は、検査値表示機8とは別体に設けられた検査カウンター機6とすることができる。
図1、
図4及び
図5に示すように、積分球検査装置1には、上部蓋12の該測定台11に対する開閉に伴う、前記積分球下部3と積分球上部4との開閉動作をカウントするカウント信号を発する開閉カウント部15としてのマイクロスイッチ15が設けられている。
【0059】
該マイクロスイッチ15のカウント信号は、端子台101の出力信号用端子103に接続された検査カウンター機(数量カウンター部)6に送信される。該検査カウンター機(数量カウンター部)6には、チャタリング防止回路と、カウント数の誤差を無くすディレー回路と、誤ったカウント数を修正する整流回路とが組み込まれたものとすることができる。
【0060】
図7及び
図9(b)に示すように、ランプ検査システムは、検査対象のランプLP1の全光束及び供給された電流値に基づき良品か不良品かの判断をするDIGITAL UNIT(判定部)(E17)を有するものとすることができる。該DIGITAL UNIT(判定部)(E17)の出力信号に基づき、良品か不良品かの判断を表示する判定表示機(判定表示部)7を有するものとすることができる。該判定表示機(判定表示部)7は、信号音記憶部及びスピーカー7SKを有し、
図7に示す表示器接続コネクタ(E18)を介してランプ検査システムに接続されたものとすることができる。
図7に示すDIGITAL UNIT(判定部)(E17)の判断が良品の場合に、良品判定を表す信号音を発し、不良品判定の場合に、良品判定とは異なる不良品判定を表す信号音を発するものとすることができる。
【0061】
ランプ検査システムは、当該積分球検査装置1に対し、数量カウンター部6及び検査値表示部8が一体に設けられるか、又は夫々が別体のものとして接続されたものとすることができる。数量カウンター部6は、該上部蓋12の該測定台11に対する開閉に伴う、前記積分球下部3と積分球上部4との開閉動作回数をカウントする。該数量カウンター部6は、
図8に示すように、例えば、該積分球検査装置1とは別体に設けられた検査カウンター機6とすることができる。
【0062】
検査値表示部8は、検査対象のランプLP1の検査値を表示する。該検査値表示部8は、光束値表示部80を有するものとすることができる。該光束値表示部80は、該上部蓋12が測定台11に対して閉じられた状態の前記受光素子40の出力信号を受信し、ランプLP1の全光束を表示する光束表示ディジタルパネルメーター(E15)とすることができる。検査値表示部8は、電圧値表示部81と電流値表示部82とを有するものとすることができる。該電圧値表示部81は、例えば、該上部蓋12が測定台11に対して閉じられた状態でランプLP1に印加された電圧値を表示する供給電圧表示ディジタルパネルメーター(E3)とすることができる。電流値表示部82は、例えば、該上部蓋12が測定台11に対して閉じられた状態でランプLP1に供給された電流値を表示する電流表示ディジタルパネルメーター(E13)とすることができる。光束値表示部80、電圧値表示部81及び電流値表示部82は、例えば、検査対象のランプLP1が正極301と陰極302との間に架け渡され、発光と共に変化する電圧値や電流値に基づき、発光状態を検知し、該ランプLP1の発光状態を検知した後1乃至2秒後(発光が安定するまでの時間の後)に、同検査対象のランプLP1の全光束値、電圧値及び電流値を検知し、表示するよう夫々を制御する制御部が設けられた光束表示ディジタルパネルメーター(E15)、電圧表示ディジタルパネルメーター(E3)及び、電流表示ディジタルパネルメーター(E13)とすることができる。検査値表示部8は、例えば、該積分球検査装置1とは別体に設けられた検査値表示機8とすることができる。
【0063】
図7に示すように、当該ランプ検査システムの回路には、内部電源出力端子(E1)、外部電源入力端子(E2)、供給電圧表示(E3)、マルチSW電源(E4)、電圧監視制御ユニット(E5)、分圧器(E6)、TERM/DIRECT(E7)、整流ユニット(E8)、安定化ユニット(E9)、電圧調整部(E10)、安定化ユニット(E9)の電圧切換部(E11)、分流器(E12)、電流表示部(E13)、電流値ディジタルメーターリレー(E13)、PMLA UNIT(E14)、光束表示部(E15)、全光束値ディジタルメーターリレー(E15)、AMPユニット(E16)、DIGITAL UNIT(E17)、表示器接続コネクタ(E18)等が設けられたものとすることができる。
【0064】
図1乃至
図9に示すように、当該内部電源出力端子(OUT+、OUT-)(E1)はランプLP1を点灯させる為の電源出力である。ランプLP1へ供給される電圧は途中の電圧降下の影響を避ける為、積分球2のランプLP1に接続される接続端子から電圧を検出するものであり。例えば、一般的な測定器で言う4端子とすることができる。
【0065】
外部電源入力端子(EXT_IN+、EXT_IN-)(E2)は、ランプLP1への供給電源を外部から取る場合に使用するものである。例えば、スイッチで内部電源と外部電源とを切り換え可能なものとすることができる。電圧値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター)(E3):(A9111-01 設定:13レンジ(19.999V))は、ランプLP1への供給電圧の表示を行うものとすることができる。マルチSW電源(E4)は、例えば、積分球2からのフォトダイオード401の出力を増幅するフォトアンプユニット(E16)のオペアンプへの供給電源として±12Vと、電圧監視ユニット(E5)他に供給するDC5Vのマルチ出力のスイッチング電源とすることができる。
【0066】
電圧監視制御ユニット(E5)は、定電圧電源に制御するものであり、例えば、ランプLP1へ供給する電圧を可変且つ定電圧に制御するものとすることができる。分圧器(1/10)(E6)は、電圧値表示ユニット(E3)の表示を切り換えるものであり、例えば、電圧値表示ユニット(E3)の表示を199.99Vか19.999Vかに切り換えるものとすることができる。TERM/DIRECT(E7)は、検査値表示部(検査値表示機)8の電圧値表示ユニット(E3)の表示を、外部電源入力端子(E2)の電圧か、内部電源出力端子(E1)の出力電圧かの何れかに切り換えるものとすることができる。整流ユニット(E8)は、交流>直流の変換回路である。例えば、ブリッジダイオードと電解コンデンサからなるものとすることができる。
【0067】
整流ユニット(E8)は、例えば、電源トランスを有し、該電源トランスが、リレーによって電圧をHi又はLoに切り換えるものであり、例えば、整流ユニット(E8)のAC電圧HI表示(赤)は、電圧がHiに切り換えられた場合に点灯する赤色のLEDランプとすることができる。安定化ユニット(E9)は、定電圧電源に制御するものであり、例えば、ランプLP1に印加する電圧を可変且つ定電圧に制御するものとすることができる。安定化ユニット(E9)のヒートシンク(2SB1018)は、安定化ユニット(E9)のトランジスタ(制御部)を冷却するものである。安定化ユニット(E9)の電圧調整部(10K 10T P.M)(E10)は、電源トランスのLo/Hi切り換え時に同じ電圧となるように調整するものである。
【0068】
安定化ユニット(E9)の電圧切換部(LOW、HIGH)(E11)は、電源トランスの端子を一定の電圧から切替えるよう制御をするものである。分流器(ASH-400-25)(E12)は、電流値表示ユニットD.P.M(E13)に、内部電源出力の電圧を印加し、電流値表示ユニットD.P.M(E13)が、該電圧を読み取るものとなっている。電流値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター):(A6111-11。設定:11レンジ(99.99mV)(E13)は、例えば、規格範囲の設定(Hi/Lo)のリレー出力を持つ電流値ディジタルメーターリレー(E13)とすることができる。電流値ディジタルメーターリレー(E13)は、例えば、電流値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター)(E13)に内蔵されたものとすることができる。
【0069】
PMLA UNIT(E14)は、電流値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター)(E13)及び光束値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター)(E15)に接続されたものとすることができる。光束値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター)(E15)は例えば、全光束値ディジタルメーターリレー(E15)を有し、該全光束値ディジタルメーターリレー(E15)からの入力信号を合成演算するものとすることができる。光束値表示ユニット(E15)は、該演算で得たデータをDIGITAL UNIT(E14)に送信するものとすることができる。該演算結果は、例えば、電流のLo/Good/Hiと全光速のLo/Good/Hiのマトリックス出力とされたものとすることができる。光束値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター):(A7111-1 設定:13レンジ(9.999V)(E15)は、検査対象のランプLP1の全光束値を表示するものであり、例えば、規格範囲の設定(Hi/Lo)のリレー出力を持つディジタルメーターリレー(E15)とすることができる。
【0070】
例えば、全光束値ディジタルメーターリレー(E15)は、光束値表示ユニット(D.P.M:ディジタルパネルメーター)(E15)に内蔵されたものとすることができる。AMPユニット(フォトアンプユニット)(E16)は、積分球2からのSiフォトダイオード401の出力の増幅率の切換回路、及び、標準球への値に合わせる校正回路等を有するものとすることができる。DIGITAL UNIT(判定部)(E17)は、例えば、ランプ検査システムとは別体に設けられた判定表示機(判定表示部)7に接続し、判定結果の信号を送信する送信回路が設けられたものとすることができる。
図9(b)に示すように、判定表示機(判定表示部)7には、受信した判定結果の信号に基づき、信号音記憶部に記憶されている中から選択した信号音を再生する回路、スピーカー7SK、及び、音量調節用のボリュームスイッチ7VRが設けられたものとすることができる。電流大小及び良品の品質の優劣等に応じて夫々異なる音質の信号音を発するものとすることができる。表示器接続コネクタ(レセプタクル半田面)(E18)は、判定表示機(判定表示部)7をDIGITAL UNIT(判定部)(E17)に接続するものとすることができる。
【0071】
図9(b)には、判定表示機(判定表示部)7に表示される判定結果の表示項目の一例を示す。例えば、「電流小」「電流大」「光束高不良」「光束高良品」「良品」「光束低良品」「光束低不良」等の項目が表示され、該当する項目が点灯、又は点滅表示されるものとすることができる。
【0072】
判定表示機(判定表示部)7(外部装置)は、例えば、判定結果の表示、判定結果を信号音として出力する。判定表示機7は、ランプ検査システムに接続する外部機器とし、検査者の近くに置かれたものとすることができる。
図1、
図4及び
図5に示すように、マイクロスイッチ15は、例えば、測定台11に取り付けて有り、閉鎖される上部蓋12の金具が接してスイッチを押すものとすることができる。マイクロスイッチ15からのオン信号の精度を上げる為の「チャタリング防止回路」は、例えば、数量カウンター部6に内蔵されて電気的に処理するハードウェアによる回路とすることができる他、該数量カウンター部6を制御するソフトウェアによる制御処理に置き換えられたものとすることができる。カウント数の誤差を無くす「ディレー回路」は、例えば、検査カウンター機(数量カウンター部)6に内蔵されて電気的に処理する回路とすることができる。
【0073】
数量カウンター部6は、例えば、検査カウンター機(数量カウンター部)6に内蔵された回路とすることができる。誤ったカウント数を修正できる「信号音の調整回路」は、検査カウンター機(数量カウンター部)6に内蔵された基板上に搭載されたものとすることができる。信号音の発生回路は、例えば、検査カウンター機(数量カウンター部)6に内蔵され、音データの記憶部、音データの再生部、アンプ、ボリューム、ボリューム操作部及びスピーカー等を有するものとすることができる。例えば、
図8(a)、(b)、(c)に示すように、検査カウンター機(数量カウンター部)6の筐体の背面に、発信音のボリュームスイッチ60VRが設けられ、内部基板上に、発信音の長さを調節するボリュームスイッチ61VR、及び、発信音の周波数を設定するボリュームスイッチ62VRが設けられたものとすることができる。
【0074】
(測定動作)
図1乃至
図9に示すように、ランプ検査システムは、積分球検査装置1、検査カウンター機6、及び判定表示機7及び検査値表示機8を作業台に配して配線を接続し、電源を投入し、検査対象のランプLP1の複数個を作業台の手前のスペースに左右又は前後に揃えて並べ、閉鎖鈎16の施錠を解くと、引張コイルバネ14の付勢と、ストッパ140の開度規制とにより、積分球上部4の上部蓋12が蝶番部13の軸心を中心に例えば30°乃至60°望ましくは45°の角度に開放される。
【0075】
ピンセットで1個の検査対象のランプLP1の片方のリード線LP2の端を摘まみ、
図1及び
図2に示すよう、該ランプLP1が、積分球下部3の内壁の曲面の中心3RCに位置するように左右のリード線受け溝30間に架け渡してセットする。該ランプLP1の両端リード線LP2は夫々正極301、負極302に接地され、セットされた検査対象のランプLP1が発光し、その発光状態は発光開始後1乃至2秒で安定する。
【0076】
該ランプLP1の発光開始から1乃至2秒後に、引張コイルバネ14の開放する力に抗して上部蓋12を測定台11に閉じ合わせる事で、積分球2の積分球下部3と積分球上部4とが閉じ合わせられる。該積分球2が閉じられると、検査カウンター機6及び判定表示機7が夫々のブサー音を発して測定動作が完了する。測定された全光束と電流値は検査値表示機8に表示され、規格判定結果と音により良品か不良品かを知る事ができる。
【0077】
検査が終了し、上部蓋12への押し下げ力を解くと、引張コイルバネ14の張力によってストッパ140の規制角度まで該上部蓋12が開放される。検査を終えたランプLP1は、ピンセットで片方のリード線LP2を摘まみ、輸送用の内箱に詰めて
図9(c)の選別箱70に判定された品質毎に整理する。選別箱70は、例えば判定表示機7に接続され、判定したランプLP1の置き位置を点灯して知らせるものとなっている。
【0078】
検査対象のランプLP1は、例えば、Φ2mmのガラス製でリード線もΦ0.25mmと細く取り扱いが容易では無い為、自動測定が困難な中でも検査効率の向上に充分な効果を得る事ができた。
【0079】
検査カウンター機6には、マイクロスイッチ15からのオン信号の精度を上げる為のチャタリング防止回路が設けあれているから、チャタリングの発生が防止される。また、カウント数に誤差を生じた場合には、ディレー回路が誤ったカウント数を修正する。更に、カウント数を誤った場合には、整流回路がカウント数を修正する。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の積分球、積分球検査装置、及び、それを利用したランプ検査システムは、両端からストレートにリード線が延びている特殊形状のランプの電流値や全光束値等の諸特性の測定に利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 積分球検査装置
1W 同 積分球検査装置1の全幅
1H 同 積分球検査装置1の全高
10 同 ベース板
10L 同 ベース板10の全長
101 同 端子台
102 同 受光素子40の出力信号用端子
103 同 出力信号用端子
104 同 供給電源端子
11 測定台
11L 同 測定台11の全長
12 上部蓋
120 同 天蓋
12L 同 全長
13 蝶番部
14 引張コイルバネ(開付勢部)
140 同 ストッパ(開度制限部)
15 マイクロスイッチ(閉時スイッチ、開閉カウント部)
16 閉鎖鈎
2 積分球
2C 同 積分球の内壁の曲率の中心
ID2 同 積分球の内径
OD2 同 積分球の外径
3 積分球下部
30R 同 積分球下部3の外壁の半径
3RC 同 積分球下部3の内壁の曲面の中心
30 同 リード線受け溝
30W 同 リード線受け溝の幅
3DP 同 リード線受け溝の深さ
301 同 正極
302 同 負極
4 積分球上部
4RC 同 積分球上部の内壁の曲面の中心
40 同 Siフォトダイオード(受光素子)
401 同 受光部
402 同 基板
41 同 装着窓
42 同 遮光板
SL 同 積分球上部4の内壁の曲面の中心4RCからの離間距離
5 拡散反射皮膜(拡散反射面)
6 検査カウンター機(数量カウンター部)
60VR 同 発信音のボリュームスイッチ
61VR 同 発信音の長さを調節するボリュームスイッチ
62VR 同 発信音の周波数を設定するボリュームスイッチ
7 判定表示機(判定表示部)
7SK 同 スピーカー(信号音記憶部)
7VR 同 音量調節用のボリュームスイッチ
70 同 選別箱
8 検査値表示部(検査値表示機)
80 同 光束値表示部
81 同 電圧値表示部
82 同 電流値表示部
9 電源(電源部)
(ランプ検査システムの回路)
(E1) 内部電源出力端子(印加部)
(E2) 外部電源入力端子
(E3) 電圧値表示ユニット(供給電圧表示ディジタルパネルメーター)
(E4) マルチSW電源
(E5) 電圧監視制御ユニット
(E6) 分圧器
(E7) TERM/DIRECT
(E8) 整流ユニット
(E9) 安定化ユニット
(E10) 電圧調整部
(E11) 安定化ユニット(E9)の電圧切換部
(E12) 分流器
(E13) 電流値表示ユニット(電流値ディジタルメーターリレー、電流表示ディジタルパネルメーター)
(E14) PMLA UNIT
(E15) 光束値表示ユニット(全光束値ディジタルメーターリレー、光束表示ディジタルパネルメーター)
(E16) AMPユニット(フォトアンプユニット)
(E17) DIGITAL UNIT(判定部)
(E18) 表示器接続コネクタ
LP1 検査対象のランプ
LP2 同 リード線