(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173028
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ダンボール材の位置決め機構
(51)【国際特許分類】
B65B 43/30 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65B43/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091143
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立巳 陽菜
(72)【発明者】
【氏名】山本 知宏
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030BA04
3E030BB02
3E030BC01
3E030CA02
3E030CB01
3E030DA02
3E030GA03
(57)【要約】
【課題】ダンボール箱の製函装置に設けられて、平板形状に折り畳まれたダンボール材を、好ましくは矩形筒状の立体形状に展開し易いように位置決めできる位置決め機構を提供する。
【解決手段】第1軸の方向Xに延設配置された下端ガイド部11と、第1軸の方向Xにおいて対向する一方側に配置された側面固定ガイドプレート12及び他方側に配置された側端部移動ガイドプレート13と、下端ガイド部11よりも上方の領域で、第2軸の方向Yにおいて対向する一方側に配置された正面側下部ガイドプレート14及び正面側上部ガイドプレート15と、他方側に配置された背面側移動ガイドプレート16とを含んで構成される。展開機構30によって矩形筒状に展開される平板形状のダンボール材50は、下端縁部が下端ガイド部11に載置されるように供給されて、位置決めされる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の正面部及び一対の側面部を有するダンボール箱を製函する製函装置に設けられて、平板形状に折り畳まれた状態と筒状の立体形状に展開された状態とで、向きが同じままの前記正面部及び向きが変わる前記側面部を含む平板形状に折り畳まれたダンボール材の各々を、展開機構によって展開できるように位置決めするダンボール材の位置決め機構であって、
展開されたダンボール材の前記一対の側面部が対向する左右方向を第1軸の方向、前記一対の正面部が対向する前後方向を第2軸の方向、該第1軸及び第2軸と垂直な上下方向を第3軸の方向として、
前記第1軸の方向に延設配置された下端ガイド部と、前記第1軸の方向において対向する一方側に配置された側面固定ガイドプレート及び他方側に配置された側端部移動ガイドプレートと、前記下端ガイド部よりも上方の領域で、前記第2軸の方向において対向する一方側に配置された正面側下部ガイドプレート及び正面側上部ガイドプレートと、他方側に配置された背面側移動ガイドプレートとを含んで構成されており、
平板形状の前記ダンボール材は、一枚ずつ供給されて、下端縁部が前記下端ガイド部に載置されるようになされており、
前記側端部移動ガイドプレートは、前記第1軸の方向に進退することで、前記側面固定ガイドプレートとの間に前記ダンボール材を左右方向に挟み込むようにして、前記第1軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なうようになされており、
前記背面側移動ガイドプレートは、前記第2軸の方向に進退することで、前記正面側下部ガイドプレートとの間に前記ダンボール材を前後方向に挟み込むようにして、前記第2軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なうようになされており、
且つ前記ダンボール材が前記第1軸の方向及び前記第2軸の方向に位置決めされた後に、前記正面側下部ガイドプレートは、位置決めされた前記ダンボール材の下端よりも下方に退避し、前記正面側上部ガイドプレートは、前記位置決めされた前記ダンボール材の上端よりも上方に退避するようになされているダンボール材の位置決め機構。
【請求項2】
前記正面側上部ガイドプレートは、前記第3軸の方向における位置を調整可能に設けられる請求項1記載のダンボール材の位置決め機構。
【請求項3】
前記側端部移動ガイドプレートは、前記第3軸の方向における位置を調整可能に設けられる請求項1又は2記載のダンボール材の位置決め機構。
【請求項4】
前記側面固定ガイドプレートは、筒状の立体形状に展開される前記ダンボール材の一方の側面部を当接させる側面当接面部を備えている請求項1~3のいずれか1項記載のダンボール材の位置決め機構。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載のダンボール材の位置決め機構が設けられた製函装置において用いられる展開機構であって
前記位置決め機構により前記ダンボール材が位置決めされた状態で、前記ダンボール材における前記正面側下部ガイドプレート側の前記正面部を正面側の正面部、前記背面側移動ガイドプレート側の前記正面部を背面側の正面部として、
前記ダンボール材の背面側の正面部に着脱可能に接触し、該背面側の正面部を位置決めされた位置に保持する第1面保持部と、前記ダンボール材の正面側の正面部に着脱可能に接触し、該正面側の正面部を保持する第2面保持部とを備えており、
該第2面保持部は、前記正面側の正面部を保持した状態で、上面視で円弧状の軌道に沿って移動することによって、前記正面側の正面部を、位置決めされた位置から、当該正面側の正面部が前記一対の側面部と直角状に配置される位置まで移動させることで、前記ダンボール材を筒状の立体形状に展開させるダンボール材の展開機構。
【請求項6】
前記第1面保持部及び前記第2面保持部は、吸着により前記正面部をそれぞれ保持する請求項5記載のダンボール材の展開機構。
【請求項7】
前記第1面保持部は、位置決めされた背面側の正面部と間隔をおいて当該背面側の正面部と平行に配置される板状ガイド部と、該板状ガイド部から前記第2軸の方向に進退する保持本体部とを含んで構成される請求項5又は6記載のダンボール材の展開機構。
【請求項8】
前記第1面保持部は、前記第3軸の方向における位置を調整可能に設けられる請求項5~7のいずれか1項記載のダンボール材の展開機構。
【請求項9】
第3面保持部をさらに備えており、該第3面保持部は、筒状の立体形状に展開された前記ダンボール材の、前記側面固定ガイドプレート側の一方の側面部と対向する、他方の側面部に着脱可能に外側から接触し、前記第2面保持部と共に、前記ダンボール材の筒状の立体形状を保持する請求項5~8のいずれか1項記載のダンボール材の展開機構。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項記載のダンボール材の位置決め機構を用いたダンボール材の位置決め方法であって、
前記下端ガイド部に前記ダンボール材の下端縁部を載置して、前記ダンボール材を、前記第1軸の方向において対向する前記側面固定ガイドプレート及び前記側端部移動ガイドプレートと、前記第2軸の方向において対向する前記正面側下部ガイドプレート及び前記背面側移動ガイドプレートとによって四方を囲まれる領域に供給する工程と、
前記側端部移動ガイドプレートを移動させて、前記側面固定ガイドプレートとの間に前記ダンボール材を挟み込むようにすることで、前記第1軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なう工程と、
前記背面側移動ガイドプレートを移動させて、前記正面側下部ガイドプレートとの間に前記ダンボール材の下端部分を挟み込むようにすることで、前記第2軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なう工程とを含んで構成されるダンボール材の位置決め方法。
【請求項11】
請求項5~9のいずれか1項記載のダンボール材の展開機構を用いたダンボール材の展開方法であって、
前記位置決め機構により前記ダンボール材を位置決めした状態で、前記ダンボール材の背面側の正面部に前記第1面保持部を接触させて、当該背面側の正面部を位置決めした位置に保持する工程と、
前記位置決め機構の前記正面側下部ガイドプレートを、位置決めした前記ダンボール材の下方に退避させると共に、前記正面側上部ガイドプレートを、位置決めした前記ダンボール材の上方に退避させて、位置決めした前記ダンボール材が筒状の立体形状に展開される際に、これらのガイドプレートが前記ダンボール材と干渉しないようにする工程と、
前記ダンボール材の正面側の正面部に前記第2面保持部を接触させて、当該正面側の正面部を保持する工程と、
前記ダンボール材の正面側の正面部を保持した前記第2面保持部を、上面視で円弧状の軌道に沿って移動させることによって、前記正面側の正面部を、位置決めした位置から、当該正面側の正面部が前記一対の側面部と直角状に配置される位置まで移動させることで、前記ダンボール材を、筒状の立体形状に展開させる工程とを含んで構成されるダンボール材の展開方法。
【請求項12】
矩形筒状の立体形状に展開された前記ダンボール材の、前記側面固定ガイドプレート側の一方の側面部と対向する他方の側面部に、第3面保持部を外側から接触させて、前記正面側の正面部に接触した前記第2面保持部と共に、前記ダンボール材の筒状の立体形状を保持させる工程をさらに含む請求項11記載のダンボール材の展開方法。
【請求項13】
前記第2面保持部を前記ダンボール材の正面側の正面部に接触させると共に、第3面保持部を前記他方の側面部に接触させて、筒状の立体形状を保持した状態で、前記ダンボール材を次工程に向けて移載させる工程をさらに含む請求項12記載のダンボール材の展開方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボール箱を製函する製函装置に設けられる、ダンボール材の位置決め機構、及びダンボール材の展開機構、並びにダンボール材の位置決め方法、及びダンボール材の展開方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板形状に折り畳まれたダンボール材から、例えば前後一対の正面部及び左右一対の側面部を有する六面体形状のダンボール箱を製函する製函装置として、好ましくは2箇所のアームを備えたロボットを用いたものが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。これらの製函装置では、ロボットの2箇所のアームのエンドエフェクタが、それぞれ吸着部を備えており、これらの吸着部によって、平板形状に折り畳まれたダンボール材の所定の部位を吸着して保持したり、吸着を解除したりしながら、アームやエンドエフェクタの動きを細かく制御して、ダンボール材を好ましくは矩形筒状の立体形状に展開する作業を行わせるようになっている。また、矩形筒状の立体形状に展開されたダンボール材は、好ましくは六面体形状のダンボール箱を製函するために後続する工程に送られて、底面部が形成されたり、内部に収容物が収容されたり、上面部が閉塞されたりすることになる(
図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-86837号公報
【特許文献2】特開2017-119411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の製函装置では、ダンボール材を例えば矩形の筒状の立体形状に展開する際に、ロボットのアームやエンドエフェクタの動きの制御が複雑になると、動作に時間がかかってスムーズに展開することが困難になると共に、対象となるダンボール材の大きさや形状が変更される場合には、装置自体の設定や、ロボットアームやエンドエフェクタの動きの制御の変更に多くの手間を要することになる。このようなことから、より簡易に且つスムーズに、ダンボール材を筒状の立体形状に展開可能とする技術の開発が望まれている。
【0005】
一方、製函装置において、ダンボール材を筒状の立体形状にスムーズに展開できるようにするには、平板形状に折り畳まれたダンボール材を所定の位置に位置決めして展開し易いようにすることで、より簡易に且つ効率良く、展開することが可能になると考えられる。
【0006】
本発明は、ダンボール箱を製函する製函装置に設けられて、平板形状に折り畳まれたダンボール材をガイドすることにより効率良く位置決めすることで、ダンボール材を、より簡易に且つスムーズに、筒状の立体形状に展開させることのできるダンボール材の位置決め機構、及びダンボール材の展開機構、並びにダンボール材の位置決め方法、及びダンボール材の展開方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一対の正面部及び一対の側面部を有するダンボール箱を製函する製函装置に設けられて、平板形状に折り畳まれた状態と筒状の立体形状に展開された状態とで、向きが同じままの前記正面部及び向きが変わる前記側面部を含む平板形状に折り畳まれたダンボール材の各々を、展開機構によって展開できるように位置決めするダンボール材の位置決め機構であって、展開されたダンボール材の前記一対の側面部が対向する左右方向を第1軸の方向、前記一対の正面部が対向する前後方向を第2軸の方向、該第1軸及び第2軸と垂直な上下方向を第3軸の方向として、前記第1軸の方向に延設配置された下端ガイド部と、前記第1軸の方向において対向する一方側に配置された側面固定ガイドプレート及び他方側に配置された側端部移動ガイドプレートと、前記下端ガイド部よりも上方の領域で、前記第2軸の方向において対向する一方側に配置された正面側下部ガイドプレート及び正面側上部ガイドプレートと、他方側に配置された背面側移動ガイドプレートとを含んで構成されている。平板形状の前記ダンボール材は、一枚ずつ供給されて、下端縁部が前記下端ガイド部に載置されるようになされており、前記側端部移動ガイドプレートは、前記第1軸の方向に進退することで、前記側面固定ガイドプレートとの間に前記ダンボール材を左右方向に挟み込むようにして、前記第1軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なうようになされており、前記背面側移動ガイドプレートは、前記第2軸の方向に進退することで、前記正面側下部ガイドプレートとの間に前記ダンボール材を前後方向に挟み込むようにして、前記第2軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なうようになされており、且つ前記ダンボール材が前記第1軸の方向及び前記第2軸の方向に位置決めされた後に、前記正面側下部ガイドプレートは、位置決めされた前記ダンボール材の下端よりも下方に退避し、前記正面側上部ガイドプレートは、前記位置決めされた前記ダンボール材の上端よりも上方に退避するようになされている。
【0008】
また、本発明は、上記のダンボール材の位置決め機構が設けられた製函装置において用いられる展開機構であって、前記位置決め機構により前記ダンボール材が位置決めされた状態で、前記ダンボール材における前記正面側下部ガイドプレート側の前記正面部を正面側の正面部、前記背面側移動ガイドプレート側の前記正面部を背面側の正面部として、前記ダンボール材の背面側の正面部に着脱可能に接触し、該背面側の正面部を位置決めされた位置に保持する第1面保持部と、前記ダンボール材の正面側の正面部に着脱可能に接触し、該正面側の正面部を保持する第2面保持部とを備えている。該第2面保持部は、前記正面側の正面部を保持した状態で、上面視で円弧状の軌道に沿って移動することによって、前記正面側の正面部を、位置決めされた位置から、当該正面側の正面部が前記一対の側面部と直角状に配置される位置まで移動させることで、前記ダンボール材を筒状の立体形状に展開させる。
【0009】
さらに、本発明は、上記のダンボール材の位置決め機構を用いたダンボール材の位置決め方法であって、前記下端ガイド部に前記ダンボール材の下端縁部を載置して、前記ダンボール材を、前記第1軸の方向において対向する前記側面固定ガイドプレート及び前記側端部移動ガイドプレートと、前記第2軸の方向において対向する前記正面側下部ガイドプレート及び前記背面側移動ガイドプレートとによって四方を囲まれる領域に供給する工程と、前記側端部移動ガイドプレートを移動させて、前記側面固定ガイドプレートとの間に前記ダンボール材を挟み込むようにすることで、前記第1軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なう工程と、前記背面側移動ガイドプレートを移動させて、前記正面側下部ガイドプレートとの間に前記ダンボール材の下端部分を挟み込むようにすることで、前記第2軸の方向における前記ダンボール材の位置決めを行なう工程とを含んで構成される。
【0010】
さらにまた、本発明は、上記のダンボール材の展開機構を用いたダンボール材の展開方法であって、前記位置決め機構により前記ダンボール材を位置決めした状態で、前記ダンボール材の背面側の正面部に前記第1面保持部を接触させて、当該背面側の正面部を位置決めした位置に保持する工程と、前記位置決め機構の前記正面側下部ガイドプレートを、位置決めした前記ダンボール材の下方に退避させると共に、前記正面側上部ガイドプレートを、位置決めした前記ダンボール材の上方に退避させて、位置決めした前記ダンボール材が筒状の立体形状に展開される際に、これらのガイドプレートが前記ダンボール材と干渉しないようにする工程と、前記ダンボール材の正面側の正面部に前記第2面保持部を接触させて、当該正面側の正面部を保持する工程と、前記ダンボール材の正面側の正面部を保持した前記第2面保持部を、上面視で円弧状の軌道に沿って移動させることによって、前記正面側の正面部を、位置決めした位置から、当該正面側の正面部が前記一対の側面部と直角状に配置される位置まで移動させることで、前記ダンボール材を、筒状の立体形状に展開させる工程とを含んで構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のダンボール材の位置決め機構、又はダンボール材の展開機構、若しくはダンボール材の位置決め方法、又はダンボール材の展開方法によれば、平板形状に折り畳まれたダンボール材をガイドすることにより、ダンボール材を展開し易いように、且つ効率良く位置決めすることで、ダンボール材を、より簡易に且つスムーズに、筒状の立体形状に展開させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(a)は、本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール材の位置決め機構を説明する正面側から見た斜視図、
図1(b)は、背面側から見た斜視図である。
【
図2】
図2(a)は、本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール材の位置決め機構を説明する、ダンボール板を供給した状態の正面側から見た斜視図、
図2(b)は、背面側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、平板形状に折り畳まれたダンボール材を、矩形筒状の立体形状に展開させた状態を説明する斜視図である。
【
図4】
図4は、矩形筒状の立体形状に展開させたダンボール材から、ダンボール箱の底面部を形成する状態を説明する斜視図である。
【
図5】
図5は、第1軸の方向におけるダンボール材の位置決めを行う工程を説明する斜視図である。
【
図6】
図6は、下端ガイド部、側面固定ガイドプレート、及び側端部移動ガイドプレートの位置関係の説明図である。
【
図7】
図7は、第2軸の方向におけるダンボール材の位置決めを行う工程を説明する斜視図である。
【
図8】
図8(a)、(b)は、第2軸の方向におけるダンボール材の位置決めを行う工程を説明する略示断面図である。
【
図9】
図9(a)、(b)は、位置決めされたダンボール材を面保持部によって保持すると共に、正面側下部ガイドプレート及び正面側上部ガイドプレートを退避させる工程を説明する略示断面図である。
【
図10】
図10(a)~(c)は、ダンボール材を、矩形筒状の立体形状となるように展開させる工程を説明する略示断面図である。
【
図11】
図11(a)、(b)は、ダンボール材を、矩形筒状の立体形状を保持した状態で次工程に向けて移載させる工程を説明する略示断面図である。
【
図12】
図12は、展開機構を構成する第1面保持部を例示する斜視図である。
【
図13】
図13(a)、(b)は、第1面保持部によって背面側の正面部を保持する状況を説明する上面図である。
【
図14】展開機構を構成する第2面保持部を例示する斜視図である。
【
図15】展開機構を構成する第3面保持部を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(a)、(b)に示す本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール材の位置決め機構10は、好ましくは六面体形状のダンボール箱を製函する製函装置の構成部分として設けられて、平板形状に折り畳まれたダンボール材50を、好ましくは矩形筒状の立体形状に展開させる際に(
図3参照)、後述する面保持部31,32(
図10(a)~(c)参照)を備える展開機構30によって、スムーズに展開できるように位置決めするための機構として用いられる(
図2(a)、(b)参照)。本実施形態の位置決め機構10は、好ましくはロボットのアームによる操作や手作業によって、一枚ずつ所定の位置に立てた状態で供給されたダンボール材50(
図2(a)、(b)参照)の各々を、後述する展開機構30を用いて展開可能なように、所定の位置にガイドしながら効率良く位置決めして、平板形状に折り畳まれたダンボール材50を、より簡易に且つスムーズに、矩形筒状の立体形状に展開可能とする機能を備えている。
【0014】
そして、本実施形態のダンボール材の位置決め機構10は、一対の正面部51a,51b及び一対の側面部52a,52b(
図4参照)を有する好ましくは六面体形状のダンボール箱を製函する製函装置に設けられて、平板形状に折り畳まれた状態と、好ましくは矩形筒状の立体形状に展開された状態とで、向きが同じままの正面部51a,51b及び向きが変わる側面部52a,52bを含む、平板形状に折り畳まれたダンボール材50(
図3参照)の各々を、展開機構30によって展開できるように位置決めする機構である。
展開されたダンボール材50の一対の側面部52a,52bが対向する左右方向を第1軸の方向X(
図4参照)、前記一対の正面部51a,51bが対向する前後方向を第2軸の方向Y(
図4参照)、第1軸及び第2軸と垂直な上下方向を第3軸の方向Zとする(
図4参照)。
本実施形態のダンボール材の位置決め機構10は、
図1(a)、(b)及び
図2(a)、(b)に示すように、下端ガイド部11が第1軸の方向Xに延設配置される。第1軸の方向Xにおいて対向する一方側に側面固定ガイドプレート12が配置され、また、他方側に側端部移動ガイドプレート13が配置される。下端ガイド部11よりも上方の領域で、第2軸の方向Yにおいて対向する一方側に正面側下部ガイドプレート14及び正面側上部ガイドプレート15が配置され、他方側に背面側移動ガイドプレート16が配置される。本実施形態のダンボール材の位置決め機構10は、平板形状のダンボール材50が一枚ずつ供給されて、下端縁部が下端ガイド部11に載置されるようになされている(
図2(a)、(b)参照)。
本実施形態では、下端ガイド部11に載置されるダンボール材50の下端縁部は、矩形筒状の立体形状に展開された際に(
図3、
図4参照)、上下方向(第3軸の方向Z)の下側に配置される、後述する底面側第1フラップ55aや底面側第2フラップ55bの部分における下端縁部となっている。
【0015】
側端部移動ガイドプレート13は、第1軸の方向Xに進退することで、側面固定ガイドプレート12との間にダンボール材50を左右方向に挟み込むようにして、第1軸の方向Xにおけるダンボール材50の位置決めを行なうようになされている。背面側移動ガイドプレート16は、第2軸の方向Yに進退することで、正面側下部ガイドプレート14との間にダンボール材50を前後方向に挟み込むようにして、第2軸の方向Yにおけるダンボール材50の位置決めを行なうようになされている。且つダンボール材50が第1軸の方向X及び第2軸の方向Yに位置決めされた後に、正面側下部ガイドプレート14は、位置決めされたダンボール材50の下端よりも下方に退避し、正面側上部ガイドプレート15は、位置決めされたダンボール材50の上端よりも上方に退避するようになされている(
図9参照)。
【0016】
また、本実施形態では、側端部移動ガイドプレート13は、好ましくは第3軸の方向Zにおける位置を調整可能に設けられており、正面側上部ガイドプレート15は、好ましくは第3軸の方向Zにおける位置を調整可能に設けられている。
【0017】
本実施形態では、ダンボール材50は、
図3及び
図4に示すように、好ましくはいわゆるA式(みかん箱タイプ)のダンボール箱を形成できるものとなっており、前後一対の正面部51a,51bとなる部分と、左右一対の側面部52a,52bとなる部分とが、4箇所の縦方向折り線53aを介在させて連接していると共に、一方の正面部51a及び側面部52aと、他方の正面部51b及び側面部52bとが、各々組となって、折り重なるようして平坦に配置されていることで、平板形状に折り畳まれた状態となっている。また各々の正面部51a,51bとなる部分の上辺となる辺部には、横方向折り線53bを介して、天面側第1フラップ54aが連接して設けられていると共に、下辺となる辺部には、横方向折り線53bを介して底面側第1フラップ55aが連接して設けられている。各々の側面部51b,52bとなる部分の上辺となる辺部には、横方向折り線53bを介して天面側第2フラップ54bが連接して設けられていると共に、下辺となる辺部には、横方向折り線53bを介して底面側第2フラップ55bが連接して設けられている。なお、A式のダンボール箱を形成するためのダンボール材の場合、底面側第1フラップ55aと底面側第2フラップ55bとで、横方向折り線53bからの張出し幅が異なっていて、例えば底面側第2フラップ55bの張出し幅の方が、底面側第1フラップ55aの張出し幅よりも大きくなっているものがあるが、このようなダンボール材では、例えば張出し幅が大きい底面側第2フラップ55bの下端縁部が、位置決め機構10の下端ガイド部11に載置される下端縁部となる。
【0018】
このようなダンボール材50は、上述の構成を備える、下端ガイド部11と、第1軸の方向Xにおいて対向する側面固定ガイドプレート12及び側端部移動ガイドプレート13と、第2軸の方向Yにおいて対向する一方側に配置された正面側下部ガイドプレート14及び正面側上部ガイドプレート15と、第2軸の方向Yにおいて対向する他方側に配置された背面側移動ガイドプレート16とを含む、本実施形態のダンボール材の位置決め機構10によって(
図2(a)、(b)参照)、所定の位置に位置決めされる。また位置決めされた状態から、後述する展開機構30を用いて展開されると、ダンボール材50は、一対の正面部51a,51bが、位置決めされた際の第1軸の方向Xと同じままの向きを保持すると共に、一対の側面部52a,52bが、位置決めされた際の第1軸の方向Xから、これと直角な第2軸の方向Yに向きを変えた状態で、矩形筒状の立体形状となるように、各々展開されることになる(
図10(a)~(c)参照)。
【0019】
そして、実施形態では、上述の構成を備える位置決め機構10は、
図1(a),(b)及び
図2(a)、(b)に示すように、基台部41から立設する一対の柱フレーム42と、これらの一対の柱フレーム42の上端部を連結する上端梁フレーム43とを含む門型支持フレーム40によって、強固に支持された状態で設けられている。また門型支持フレーム40の高さ方向の中間部分には、帯板形状の中間部梁フレーム44が、一対の柱フレーム42の間に架設されることで、上端梁フレーム43と平行に延設して取り付けられている。上端梁フレーム43及び中間部梁フレーム44は、展開されるダンボール材50における第1軸の方向Xに沿って延設した状態で、配置される。位置決め機構10を構成する下端ガイド部11は、中間部梁フレーム44の上面に固着されて設けられていることで、第1軸の方向Xに延設して配置される。
【0020】
下端ガイド部11は、本実施形態では、帯板形状の中間部梁フレーム44の上面部に、矩形の断面形状を有する複数のコマ状単位部材11aを、その中心軸を第2軸の方向Yに沿わせて配置すると共に、中間部梁フレーム44の延設方向である第1軸の方向Xに、所定の間隔をおいて連設して配置することにより形成されている。これによって、例えば平坦なプレート状の部材を下端ガイド部として用いた場合と比較して、載置されたダンボール材50の下端縁部との接触長さを低減させ、摺動抵抗が軽減されることで、ダンボール材50をよりスムーズに、第1軸の方向Xに、スライド移動させることが可能になる。摺動抵抗をさらに軽減できるように、好ましくはコマ状単位部材11aの、ダンボール材50との接触面となる上面部には、摩擦係数の低いMCナイロン、スーパーミュー等の、低摩擦の樹脂材料を取り付けておくこともできるし、コマ状単位部材11aを低摩擦の樹脂材料で構成してもよい。なお、低摩擦の樹脂材料を上面に取り付けた、又は、低摩擦の樹脂材料で構成された、平坦なプレート状の部材を下端ガイド部としてもよい。
【0021】
第1軸Xの方向において対向する一方側に配置された側面固定ガイドプレート12は、ステンレス等の金属製、又は合成樹脂製のプレート部材からなり、門型支持フレーム40を構成する一方の柱フレーム42に支持させて、後述する側面当接面部12bを第1軸Xの方向に向けた状態で、好ましくは側面当接面部12bが鉛直に配置されて固定されている。側面固定ガイドプレート12は、好ましくは矩形状の正面形状を備えており、第1軸の方向Xにおいて一方の柱フレーム42と重なる領域の側縁部分に、矩形状に切り欠かれた切欠き部12aが形成されている。これによって、後述する展開機構30の第1面保持部31を、一方の柱フレーム42の周囲に回動させることができるようになっている。また側面固定ガイドプレート12の切欠き部12aを除く部分は、第2軸の方向Yに正面側下部ガイドプレート14を超えて張り出しており、筒状の立体形状に展開されるダンボール材50の一方の側面部52aを当接させる側面当接面部12bを構成する。なお、側面固定ガイドプレート12は、位置決め作業の開始時において、側端部移動ガイドプレート13と対向する所定の位置に固定さていれば良く、例えば位置決め作業の開始前には他の位置に退避していたものを、例えばシリンダ等の駆動機構を介して移動させて、位置決め作業の開始時には、所定の位置に固定さるようになっていても良い。
【0022】
第1軸の方向Xにおいて対向する他方側に配置された側端部移動ガイドプレート13は、ステンレス等の金属製、又は合成樹脂製のプレート部材からなる。側端部移動ガイドプレート13は、門型支持フレーム40の基台部41に設置された、公知の第1進退機構45と連結して立設する支柱プレート13aの上端部分に取り付けられる。第1進退機構45から立設する支柱プレート13aは、上面視で下端ガイド部11の側方(第2軸の方向Y)に外れて位置しており、側端部移動ガイドプレート13は、上面視で下端ガイド部11の上方に張り出すようにして設けられている。これによって、側端部移動ガイドプレート13は、下端ガイド部11及び進退可能な背面側移動ガイドプレート16と干渉することなく、第1進退機構45(
図1(b)参照)の駆動によって、第1軸Xの方向に進退できるようになっている。
【0023】
また、本実施形態では、側端部移動ガイドプレート13は、上部が側面固定ガイドプレート12と対向する方向とは反対側に折れ曲がって斜めに延設する形状を備えている。これによって、ダンボール材50を供給した際に、下端縁部が第1軸の方向Xの適切な位置において下端ガイド部11の上に載置されるように、ダンボール材50をよりスムーズに誘導することが可能になる(
図6参照)。
【0024】
さらに、本実施形態では、側端部移動ガイドプレート13は、例えば支柱プレート13aの長さを可変としたり、支柱プレート13aに対する取付位置を可変とすることで、好ましくは上述のように、第3軸の方向Zにおける位置を調整可能に設けることができる。これによって、第3軸の方向Zの高さが異なる複数の種類のダンボール材50に対応させて、側端部移動ガイドプレート13の第3軸の方向Zの高さ位置を調整しつつ、より安定した状態で、これらのダンボール材50の第1軸の方向Xにおける位置決めを、スムーズに行なうことが可能になる。
【0025】
正面側下部ガイドプレート14は、ステンレス等の金属製、又は合成樹脂製のプレート部材からなり、門型支持フレーム40の基台部41に設置された公知の第2進退機構46(
図1(a))に支持されて、第3軸Zの方向である上下方向に進退可能な状態で、下端ガイド部11を挟んだ第2軸の方向Yの一方側に配置されて設けられている。正面側下部ガイドプレート14は、第1軸の方向Xに横長の、矩形の正面形状を有しており、内側面を、下端ガイド部11を構成する複数のコマ状単位部材11aの正面側の端面に沿わせた状態で、下端ガイド部11を挟んだ一方側に配設されている。正面側下部ガイドプレート14は、後述するダンボール材50を位置決めする工程では、例えばその上半部分をコマ状単位部材11aの上面部よりも上方の領域に突出させて、対向する背面側移動ガイドプレート16との間にダンボール材50の下端部分を挟み込むことで、第2軸Yの方向におけるダンボール材50の位置決めを可能にする。また正面側下部ガイドプレート14は、後述するダンボール材50を展開する工程では、例えばエアシリンダ等を備える第2進退機構46の駆動により下方に移動して、上端部がコマ状単位部材11aの上面部から突出しない位置まで、退避できるようになっている(
図9参照)。
【0026】
第2軸の方向Yにおいて対向する一方側に配置された正面側上部ガイドプレート15は、ステンレス等の金属製、又は合成樹脂製のプレート部材からなる。正面側上部ガイドプレート15は、門型支持フレーム40を構成する一方の柱フレーム42に支持させて側面固定ガイドプレート12よりも上方に固定された回転駆動部47(
図1(a)参照)から、下端ガイド部11の上方領域まで延設している。また正面側上部ガイドプレート15は、第1軸の方向Xの方向に沿って上端梁フレーム43と平行に延設している回転ロッド47aに、一体として接合された状態で取り付けられている。正面側上部ガイドプレート15は、第1軸の方向XからみてL字状の断面形状を有し、第1軸の方向Xに横長の部材である。正面側上部ガイドプレート15は、後述するダンボール材50を位置決めする工程では、L字状の断面形状の一方の辺部である当接面部15aの表面を、下方の正面側下部ガイドプレート14の内側面と面一となるように配置して、第2軸の方向Yに位置決めされるダンボール材50の上端部を当接させることで、当該上端部を安定した状態で位置決めできるようになっている。また正面側上部ガイドプレート15の当接面部15aは、後述するダンボール材50を展開する工程では、例えばロータリアクチュエータ等を備える回転駆動部47の駆動によって、例えば下部ガイド11と並行になるように90度回動することで、ダンボール材50の上端部と干渉しない位置まで、上方に退避させることができるようになっている(
図9参照)。
【0027】
また、本実施形態では、正面側上部ガイドプレート15は、例えば一方の柱フレーム42に支持させた回転駆動部47の支持位置(取付け位置)を、柱フレーム42に沿って上下(第3軸の方向Z)に進退できるようにしておくことで、好ましくは上述のように、第3軸の方向Zにおける高さ位置を、調整可能に設けておくことができる。これによって、第3軸の方向Zの高さが異なる複数の種類のダンボール材50に対応させて、第3軸の方向Zにおける正面側上部ガイドプレート15の当接面部15aの高さ位置を調整しつつ、より安定した状態で、ダンボール材50の第2軸の方向Yの位置決めを、スムーズに行なうことが可能になる。
【0028】
背面側移動ガイドプレート16は、ステンレス等の金属製、又は合成樹脂製のプレート部材からなる。背面側移動ガイドプレート16は、門型支持フレーム40の基台部41に設置された公知の第3進退機構48(
図1(b)参照)に支持させて、第2軸の方向Yに進退可能な状態で、下端ガイド部11を挟んだ正面側下部ガイドプレート14とは反対の、第2軸の方向Yの他方側に配置されて設けられている。背面側移動ガイドプレート16は、第1軸の方向Xに横長の矩形の正面形状を有しているが、その下端縁部分は、下端ガイド部11を構成する複数のコマ状単位部材11aと対応する箇所が矩形状に切り欠かれた、櫛歯状の形状を有している。これによって背面側移動ガイドプレート16を、下端ガイド部11の複数の短尺コマ状部材11aと干渉させることなく、下方の正面側下部ガイドプレート14と近接する位置まで、第2軸の方向Yに進退させることができるようになっている。
【0029】
また、本実施形態では、背面側移動ガイドプレート16は、上部が正面側下部ガイドプレート14と対向する方向とは反対側に折れ曲がって斜めに延設する形状を備えている。これによって、ダンボール材50を供給した際に、下端縁部が下端ガイド部11の上に載置されるように、ダンボール材50をよりスムーズに誘導することが可能になる(
図8(a)参照)。
【0030】
上述の構成を備えるダンボール材の位置決め機構10を用いて、各々のダンボール材50を、後述する展開機構30によって展開できるように位置決めするには、
図2(a)、(b)に示すように、平板形状に折り畳まれたダンボール材50を、一枚ずつ、下端縁部が下端ガイド部11に載置されるようにしつつ、第1軸の方向Xにおいて対向する側面固定ガイドプレート12及び側端部移動ガイドプレート13と、第2軸の方向Yにおいて対向する正面側下部ガイドプレート14及び背面側移動ガイドプレート16とによって四方を囲まれる領域に、立設させた状態で供給する。ダンボール材50を供給する工程では、
図8(a)に示すように、ダンボール材50の上端部を正面側上部ガイドプレート15の当接面部15aに寄り掛けた状態で、ダンボール材50の下端縁部を下端ガイド部11に載置するのが好ましい。これによって、供給されたダンボール材50が背面側に倒れて脱落するのを、効果的に回避できる。
【0031】
ここで、本実施形態では、ダンボール材50を供給する際に、側面固定ガイドプレート12と側端部移動ガイドプレート13との間には、平坦に折り畳まれたダンボール材50の横幅Bよりも、例えば10~20mm程度広い間隔Sを、第1軸の方向Xに保持しておくことが好ましい(
図6参照)。また供給されたダンボール材50の側端部移動ガイドプレート13側の端部と、当該側端部移動ガイドプレート13との間の隙間は、側面固定ガイドプレート12側の端部と、当該側面固定ガイドプレート12との間の隙間と等しいか、又はこれよりも大きくしておくことが好ましい。ダンボール材50の側端部移動ガイドプレート13側の端部と当該側端部移動ガイドプレート13との間の隙間は、ダンボール材50のサイズに応じて適宜設定できるが、10mmとすることが好ましく、5mmとすることがさらに好ましい。
【0032】
平板形状に折り畳まれたダンボール材50を、位置決め機構10に供給後、
図5に示すように、第1進退機構45によって、側端部移動ガイドプレート13を第1軸の方向Xにおける側面固定ガイドプレート12と近づく側に移動させ、側面固定ガイドプレート12との間にダンボール材50を左右方向に挟み込むようにして、第1軸の方向Xにおけるダンボール材50の位置決めを行なう。第1軸の方向Xにおけるダンボール材50の位置決めを行なう際に、側面固定ガイドプレート12と側端部移動ガイドプレート13との間には、平坦に折り畳まれたダンボール材50の横幅Bに対して、好ましくは1mm程度のクリアランスを持たせるのが好ましく、0.5mm程度のクリアランスを持たせるのがさらに好ましい。これによって、位置決めを行なう際にダンボール材50が破損したり、第2軸の方向Yのダンボール材50の位置合わせがし難くなったりするのを、効果的に回避できる。
【0033】
引き続いて
図7及び
図8(b)に示すように、正面側上部ガイドプレート15の当接面部15aが、正面側下部ガイドプレート14の内側面と面一に配置されている状態で、第3進退機構48によって、背面側移動ガイドプレート16を、第2軸の方向Yにおける正面側下部ガイドプレート14と近づく側に移動させ、正面側下部ガイドプレート14との間にダンボール材50の下端部分を前後方向に挟み込むようにして、第2軸の方向Yにおけるダンボール材の位置決めを行なう。
【0034】
すなわち、本実施形態では、下端ガイド部11に下端縁部を載置して、ダンボール材50を、第1軸の方向Xにおいて対向する側面固定ガイドプレート12及び側端部移動ガイドプレート13と、第2軸の方向Yにおいて対向する正面側下部ガイドプレート14及び背面側移動ガイドプレート16とによって四方を囲まれる領域に供給する工程と、側端部移動ガイドプレート13を移動させて、第1軸の方向Xにおいて対向する側面固定ガイドプレート12との間に、ダンボール材50を挟み込むようにすることで、第1軸の方向Xにおけるダンボール材50の位置決めを行なう工程と、背面側移動ガイドプレート16を移動させて、第2軸の方向Yにおいて対向する正面側下部ガイドプレート14との間に、ダンボール材50の下端部分を挟み込むようにすることで、第2軸の方向Yにおけるダンボール材50の位置決めを行なう工程とを含んで構成されるダンボール材の位置決め方法によって、平坦に折り畳まれたダンボール材50を、展開機構30によって展開できるように位置決めすることが可能になる。本実施形態では、第1軸の方向Xにおけるダンボール材50の位置決めを行なう工程の後に、第2軸の方向Yにおけるダンボール材の位置決めを行なう工程を実施しているが、これに限定されることなく、第2軸の方向Yにおけるダンボール材の位置決めを行なう工程の後に、第1軸の方向Xにおけるダンボール材50の位置決めを行なう工程を実施することも可能である。
【0035】
また本実施形態では、上述の位置決め方法によってダンボール材50を位置決めしたら、
図9に示すように、正面側下部ガイドプレート14を、位置決めされたダンボール材50の下端よりも下方に退避させると共、正面側上部ガイドプレート15の当接面部15aを、位置決めされたダンボール材50の上端よりも上方に退避させることで、後述する展開機構30を用いた以下のダンボール材の展開方法によって、平坦に折り畳まれたダンボール材50を、矩形筒状の立体形状となるように展開することが可能になる。
【0036】
すなわち、本実施形態のダンボール材の展開方法は、
図10(a)~(c)及び
図9に示すように、上述の位置決め機構10によりダンボール材50を位置決めした状態で、ダンボール材50の背面側の正面部51bに第1面保持部31を接触させて、当該背面側の正面部51bを位置決めした位置に保持する工程(
図10(a)参照)と、位置決め機構10の正面側下部ガイドプレート14を、位置決めしたダンボール材50の下方に退避させると共に、正面側上部ガイドプレート15を、位置決めしたダンボール材50の上方に退避させて、位置決めしたダンボール材50が好ましくは矩形筒状の立体形状に展開される際に、これらのガイドプレート14,15がダンボール材50と干渉しないようにする工程(
図9参照)と、ダンボール材50の正面側の正面部51aに第2面保持部32を接触させて、当該正面側の正面部を保持する工程(
図10(a)参照)と、ダンボール材50の正面側の正面部51aを保持した第2面保持部32を、上面視で円弧状の軌道C(
図10(a)参照)に沿って移動させることによって、正面側の正面部51aを、位置決めした位置から、当該正面側の正面部51aが一対の側面部52a,52bと直角状に配置される位置まで移動させることで、ダンボール材50を、好ましくは矩形筒状の立体形状に展開させる工程(
図10(a),(b))とを含んで構成されている。ここで、直角状には、直角(90°)の他、例えば90±5°程度の、略直角な状態も含まれる。
【0037】
また、本実施形態のダンボール材の展開方法は、
図11(a)、(b)に示すように、上述の展開させる工程で矩形筒状の立体形状に展開されたダンボール材50の、側面固定ガイドプレート12側の一方の側面部52aと第1軸の方向Xにおいて対向する他方の側面部52bに、第3面保持部33を外側から接触させて、正面側の正面部52aに接触した第2面保持部32と共に、ダンボール材50の好ましくは矩形筒状の立体形状を保持させる工程をさらに含んでいることが好ましい。これによって、第1面保持部31で背面側の正面部51bを保持した状態を解除しても、ダンボール材50の好ましくは矩形筒状の立体形状となるように展開された状態を、保持し続けることが可能になる。またこれによって、好ましくは第2面保持部32をダンボール材50の正面側の正面部51aに接触させると共に、第3面保持部33を他方の側面部52bに接触させて、好ましくは矩形筒状の立体形状を保持した状態で、ダンボール材50を次工程に向けて例えば下方に移載させる工程を、さらに含めることも可能になる。
【0038】
次工程に向けて移載された、好ましくは矩形筒状の立体形状を保持したダンボール材50は、当該次工程において、例えば底面部が形成されたり、内部に収容物が収容されたり、上面部が閉塞されたりする(
図4参照)ことができる。
【0039】
そして、本実施形態では、このようなダンボール材の展開方法は、上述のダンボール材の位置決め機構10が設けられた製函装置において、以下の展開機構30を用いることによって容易に実施することができる。
位置決め機構10によりダンボール材50が位置決めされた状態で、ダンボール材50における正面側下部ガイドプレート14側の正面部を正面側の正面部51a、背面側移動ガイドプレート16側の正面部を背面側の正面部51bとする。
本実施形態の展開機構30は、
図2(b)、
図10(a)~(c)、及び
図12に示すように、位置決め機構10によりダンボール材50が位置決めされた状態で、ダンボール材50の背面側の正面部51bに着脱可能に接触し、背面側の正面部51bを位置決めされた位置に保持する第1面保持部51と、
図10(a)~(c)、
図11(a)、(b)及び
図14に示すように、ダンボール材50の正面側の正面部51aに着脱可能に接触し、正面側の正面部51aを保持する第2面保持部32とを備えている。第2面保持部32は、正面側の正面部51aを保持した状態で、上面視で円弧状の軌道Cに沿って移動することによって、正面側の正面部51aを、位置決めされた位置から、当該正面側の正面部51aが一対の側面部52a,52bと直角状に配置される位置まで移動させることで、ダンボール材50を好ましくは矩形筒状の立体形状に展開させる(
図10(a)~(c)参照)。
【0040】
また、第1面保持部31及び第2面保持部32は、着脱可能に接触して正面部51a、51bをそれぞれ保持するが、本実施形態の展開機構30では、第1面保持部31及び第2面保持部32は、好ましくは吸着により正面部51b,51aをそれぞれ保持する。吸着は負圧を付与することで保持力を奏し、負圧を解除することで保持力を失うため、着脱可能に接触して正面部を保持できる。
【0041】
さらに、本実施形態の展開機構30では、
図11(a)、(b)、及び
図15に示すように、好ましくは第3面保持部33を備えており、第3面保持部33は、好ましくは矩形筒状の立体形状に展開されたダンボール材50の、側面固定ガイドプレート12側の一方の側面部52aと対向する、他方の側面部52bに着脱可能に外側から接触し、第2面保持部32と共に、ダンボール材50の好ましくは矩形筒状の立体形状を保持するようになっている。本実施形態の展開機構30では、第3面保持部33は、好ましくは吸着により側面部52bを保持する。
【0042】
本実施形態では、展開機構30を構成する第1面保持部31は、
図5、
図12、及び
図13(a)、(b)に示すように、位置決めされたダンボール材50の背面側の正面部51bと間隔をおいて、当該背面側の正面部51bと平行に配置される板状ガイド部31aと、板状ガイド部31aから第2軸の方向Yに進退する保持本体部31bとを含んで構成されている。また板状ガイド部31a及び保持本体部31bは、帯板形状の回転アーム部34の先端部分に取り付けられている(
図12参照)。回転アーム部34は、位置決め機構10を支持する門型支持フレーム40の側面固定ガイドプレート12側の一方の柱フレーム42に取り付けられた、上下にスライド移動可能なベース台35に設置された、例えばロータリアクチュエータを備える回転駆動機構36に、基端部分が一体として接合されている。これによって、回転アーム部34及びこれの先端部分に取り付けられた第1面保持部31は、柱フレーム42と平行に配置された回転駆動機構36の中心軸を中心として、回転駆動機構36の駆動によって、例えば回転アーム部34が第2軸の方向Yに沿って配置された状態から、第1軸の方向Xに沿って第1面保持部31の板状ガイド部31aが配置される位置まで、90度回転移動できるようになっている。
【0043】
また、本実施形態では、ベース台35は、好ましくはベース台進退機構37によって、一方の柱フレーム42に沿って第3軸の方向Zである上下方向に進退できるようになっており、回転駆動機構36及びこれに接合された回転アーム部34や第1面保持部31は、例えばベース台35に設置した押出しシリンダ38によって、第2軸の方向Yに進退できるようになっている。これらによって、第3軸の方向Zの高さが異なる複数の種類のダンボール材50に対応させて、第3軸の方向Zにおける第1面保持部31の高さ位置を、調整することが可能になると共に、第1面保持部31を構成する保持本体部31bの、第2軸の方向Yへの移動量を増加させて、保持本体部31bを、位置決めされたダンボール材50背面側の正面部51bに、確実に接触させることが可能になる。
【0044】
本実施形態では、第1面保持部31を構成する板状ガイド部31aは、横長矩形の正面形状を備える、ステンレス等の金属製又は合成樹脂製のプレート部材となっており、保持本体部31bが通る円形開口31cが、横方向に並べて2箇所に形成されている。板状ガイド部31aは、回転アーム部34の先端部分において、複数本のスペーサシャフト31dによって支持されていることで、回転アーム部34と間隔をおいてこれと平行に、内側に張り出すように配置されて取り付けられている。回転アーム部34と板状ガイド部31aとの間隔部分には、例えばエアシリンダを備える駆動部31eによって進退可能な、2つの保持本体部31bが、各々の円形開口31cから突出可能に収容されている。
【0045】
第1面保持部31を構成する保持本体部31bは、例えば吸引装置31fによる吸引力によってダンボール材50の背面側の正面部51bを吸着可能な、吸着パットを含んで構成される。吸着パットは、好ましくは弾性を有する材質として、シリコン、ナイロン、ニトリルゴム、フッ素ゴム等からなるものを用いることができ、直径や個数は、適宜設計することができる。吸着パットは、ダンボール材50とのズレや傾きの影響を吸収できるように、2段以上の蛇腹構造とすることが好ましく、また重力の影響により下方向に位置ずれしないように、2段の蛇腹構造とすることが好ましい。
【0046】
本実施形態では、例えば回転駆動機構36の駆動により回転アーム部34を回動させて、第1面保持部31の板状ガイド部31aが第1軸の方向Xに沿って、ダンボール材50の背面側の正面部51bとの間に好ましくは0.5mm程度の隙間を残した状態で、正面部51bと平行に配置されるように位置決めする(
図13(a)参照)。しかる後に、回転アーム部34と板状ガイド部31aとの間隔部分に収容されていた保持本体部31bを、円形開口31cを介して板状ガイド部31aから突出させて正面部51bと接触させる。そして、吸引装置31fによる吸引力によりダンボール材50の背面側の正面部51bを吸着させて、位置決めされたダンボール材50を保持する(
図13(b)参照)。
【0047】
この際に、上述にように、ベース台35に設置した押出しシリンダ38によって、回転駆動機構36及びこれに接合された回転アーム部34や第1面保持部31を、第2軸の方向Yに進退させることにより、第1面保持部31を構成する保持本体部31bの、第2軸の方向Yへの移動量を増加させて、保持本体部31bを、位置決めされたダンボール材50背面側の正面部51bに、確実に接触させることが可能になる。また第1面保持部31は、位置決めされた背面側の正面部51bと間隔をおいて当該背面側の正面部51bと平行に配置される板状ガイド部31aと、板状ガイド部31aから第2軸の方向Yに進退する好ましくは吸着パットによる保持本体部31bとを含んで構成されているので、例えば保持本体部31bによって保持したダンボール材50の重量によって、特に蛇腹構造を備える、弾性を有する吸着パットによる保持本体部31bが、落ち込むようにして下方に変形するのを、効果的に防止することが可能になる。
【0048】
本実施形態では、展開機構30を構成する第2面保持部32や第3面保持部33は、例えばダンボール材の位置決め機構10が設けられた製函装置において、好ましくは門型支持フレーム40に支持された下端ガイド部11の周囲の作業領域に据え付けられた、ロボットアーム(図示せず。)に、エンドエフェクタとして各々取り付けられている。第2面保持部32や第3面保持部33は、各々、ロボットアームの動きを制御することによって、位置決めされた平板形状のダンボール材50や、好ましくは矩形筒状の立体形状となるように展開されたダンボール材50の所定の位置に、着脱可能に接触されるようになっている。第2面保持部32や第3面保持部33が、ロボットアームに取り付けられていることで、ロボットアームを動作させることによって、第2面保持部32や第3面保持部33を、第1軸の方向Xや第2軸の方向Yや第3軸の方向Zに、自在に動かすことが可能になる。ロボットアームは、好ましくは5軸や6軸の垂直多関節ロボット、パラレルリンクロボット、双腕ロボット等を構成するアームとすることができる。
【0049】
展開機構30を構成する第2面保持部32は、ロボットアーム(図示せず。)に接合される接合基台部32cと、スペーサシャフト32dによって支持されている。第2面保持部32は、
図14にも示すように、接合基台部32cとの間に間隔をおいて、これと平行に配置されて取り付けられた板状ガイド部32aと、板状ガイド部32aと接合基台部32cとの間隔部分に収容された保持本体部32bとを含んで構成されている。本実施形態では、保持本体部32bは、好ましくは吸着パットを含んで構成される。板状ガイド部32aには、保持本体部32bが通る円形開口32eが形成され、例えばエアシリンダを備える駆動部32fの駆動によって、円形開口32eを介して保持本体部32bを板状ガイド部32aから突出させ、ダンボール材50の正面側の正面部51aの所定の位置に接触させることができる。保持本体部32bは、吸引装置による吸引力によりダンボール材50の正面側の正面部51aを保持する(
図10(a)~(c)参照)。
【0050】
ここで、第2面保持部32の保持本体部32bを接触させる正面側の正面部51aの所定の位置は、第1軸の方向Xにおいては、一方の側面部52aにはみ出ない範囲で、当該一方の側面部52aとの間の縦方向折り線53aと、できるだけ近い位置であることが好ましい。第3軸の方向Zにおいては、正面側の正面部51aの中央部分であることが好ましい。第2面保持部32の保持本体部32bを接触させる正面側の正面部51aの所定の位置は、サイズの異なる複数の種類のダンボール材50に対応させて、これらのサイズの違いを吸収できる位置とすることが好ましい。第2面保持部32を接触させるダンボール材50の所定の位置は、ダンボール材50の種類またはサイズに応じて、ロボットアームを制御することにより自動で調整することもできる。また第2面保持部32は、その位置を調整可能であることから、例えば第1軸の方向Xと第3軸の方向Zによる平面上の所定の位置に移動可能となっていて、ダンボール材50の正面側の正面部51aと接触する位置を適宜調整できるようになっている。
【0051】
展開機構30を構成する第3面保持部33は、
図11(a)、(b)及び
図15に示すように、ロボットアーム(図示せず。)に接合される接合基台部33cと、板状ガイド部33aと、保持本体部33bとを含んで構成されている。板状ガイド部33aは、スペーサシャフト33dによって支持されていることで、接合基台部33cとの間に間隔をおいて、これと平行に配置されて取り付けられている。保持本体部33bは、板状ガイド部33aと接合基台部33cとの間隔部分に収容されている。本実施形態では、保持本体部33bは、好ましくは吸着パットを含んで構成される。板状ガイド部33aには、保持本体部33bが通る円形開口33eが形成され、例えばエアシリンダを備える駆動部の駆動によって、円形開口33eを介して部保持本体部33bを板状ガイド部33aから突出させ、ダンボール材50の他方の側面部52bの所定の位置に接触させることができる。保持本体部33bは、吸引装置33fによる吸引力によりダンボール材50の他方の側面部52bを保持できる。
【0052】
ここで、第2面保持部33の保持本体部33bによって好ましくは矩形筒状の立体形状となるように展開されたダンボール材50の他方の側面部52bを吸着させる所定の位置は、当該他方の側面部52bのaの中央部分であることが好ましい。
【0053】
第2面保持部32をダンボール材50の正面側の正面部51aに接触させると共に、第3面保持部33を他方の側面部51bに接触させて、矩形筒状の立体形状が保持されたダンボール材50は、上述のように、ダンボール箱を製函する製函装置において、次工程に向けて移載されて、例えば底面部が形成されたり、内部に収容物が収容されたり、上面部が閉塞されたりすることができる。
【0054】
そして、本実施形態のダンボール材の位置決め機構10、ダンボール材の展開機構30、ダンボール材の位置決め方法、又はダンボール材の展開方法によれば、平板形状に折り畳まれたダンボール材50をガイドして、ダンボール材50を展開し易いように効率良く位置決めすることで、ダンボール材50を、より簡易に且つスムーズに、好ましくは矩形筒状の立体形状となるように展開させることが可能になる。
【0055】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、第1面保持部や第2面保持部や第3面保持部は、吸着により接触して、正面部や側面部を保持するものである必要は必ずしも無く、その他の種々の着脱可能に接触できる接触手段であっても良い。また、一対の正面部及び一対の側面部を有する製函されるダンボール箱は、六面体形状のダンボール箱である必要は必ずしも無く、例えば四方の角部部分が面取りされた、八角形の上面形状を備えるダンボール箱であっても良い。筒状の立体形状に展開されるダンボール材は、矩形筒状の立体形状に展開される必要は必ずしも無く、例えば八角形の筒状の立体形状等に展開することもできる。進退機構は、エアシリンダの他、ロボシリンダやリニア等の直進機構を備えるものであって良い。進退機構として好ましくはロボシリンダやサーボを用いることによって、ダンボール材の種類やサイズに応じて、所定の位置や距離に自動でガイドプレートを進退させることが可能になる。進退機構は、ラックピニオン、ボールネジ+サーボモータ、ステッピングモータ等の多軸駆動のものであっても良い。ポールプッシュとシャフト、LMガイド等によって、直進運動と剛性を補助することもできる。回転駆動部や回転駆動機構は、電動式又は空圧式のロータリアクチュエータの他、モータや機構で旋回させるものであって良い。これらによって、側端部移動ガイドプレートの進退量や、上部ガイドプレートの当接面高さや、第1面保持部の接触高さや、第2面保持部の接触位置と円弧運動を、自動調整することが可能になる。
【符号の説明】
【0056】
10 ダンボール材の位置決め機構
11 下端ガイド部
11a 短尺コマ状部材
12 側面固定ガイドプレート
12a 切欠き部
12b 側面当接面部
13 側端部移動ガイドプレート
13a 支柱プレート
14 正面側下部ガイドプレート
15 正面側上部ガイドプレート
15a 当接面部
16 背面側移動ガイドプレート
30 展開機構
31 第1面保持部
31a,32a,33a 板状ガイド部
31b,32b,33b 保持本体部(吸着パット)
31c,32e,33e 円形開口
31d,32d,33d スペーサシャフト
31e,32f 駆動部
31f,33f 吸引装置
32 第2面保持部
32c,33c 接合基台部
33 第3面保持部
34 回転アーム部
35 ベース台
36 回転駆動機構
37 ベース台進退機構
38 押出しシリンダ
40 門型支持フレーム
41 基台部
42 柱フレーム
43 上端梁フレーム
44 中間部梁フレーム
45 第1進退機構
46 第2進退機構
47 回転駆動部
48 第3進退機構
47a 回転ロッド
50 ダンボール材
51a 正面側の正面部
51b 背面側の正面部
52a 一方の側面部
52b 他方の側面部
53a 縦方向折り線
53b 横方向折り線
54a 天面側第1フラップ
54b 天面側第2フラップ
55a 底面側第1フラップ
55b 底面側第2フラップ
B 平坦に折り畳まれたダンボール材の横幅
C 円弧状の軌道
S 側面固定ガイドプレートと側端部移動ガイドプレートとの間の間隔
X 第1軸の方向
Y 第2軸の方向
Z 第3軸の方向