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特開2024-173042評価装置、評価プログラム及び評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173042
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】評価装置、評価プログラム及び評価方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20241205BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20241205BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20241205BHJP
【FI】
G09B19/00 G
G09B5/02
G09B19/00 H
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091161
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】橋本 利紀
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028BB01
2C028BC05
2C028BD01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】デジタル教材を評価するために資する情報を提供することができる評価装置、評価プログラム及び評価方法を提供する。
【解決手段】評価装置100は、教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する感情推定部101と、感情推定部101が推定した複数の学習者の感情に基づいて、教材に関する情報を生成する情報生成部102と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する感情推定部と、
前記感情推定部が推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する情報生成部と、
を備える、
評価装置。
【請求項2】
前記情報生成部は、前記教材に関する情報として、前記感情推定部が感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、前記教材が分かりにくいという情報を生成する、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項3】
前記情報生成部は、前記学習者の学習に関する情報と、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情と、に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項4】
前記教材上における学習者の視点を推定する視点推定部をさらに備え、
前記情報生成部は、前記学習者の視点が位置する前記教材の箇所について、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項5】
前記教材を学習者に提供する教材提供部をさらに備え、
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に前記教材に関する情報を生成し、
前記教材提供部は、前記教材に関する情報に基づいて、前記教材の前記所定の区分毎に所定のアイコンを表示する、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項6】
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記教材の評価値を生成する、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項7】
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成する、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項8】
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成し、
前記学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力する、補講提案部をさらに備える、
請求項1に記載の評価装置。
【請求項9】
コンピュータに、
教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する処理と、
推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する処理と、
を実行させる、評価プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定し、
推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価装置、評価プログラム及び評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デジタル教科書の普及が進められている。しかし、デジタル教科書は、タブレット端末等の端末装置によって閲覧されるものであり、製本された教科書とは異なる利点・欠点を有すると考えられる。そのため、デジタル教科書は、製本された教科書とは異なる観点で評価される必要性が想定される。
【0003】
特許文献1には、個々の学習者の感情の変化を推定し、個々の学習者に、当該学習者の感情の変化に応じた教材の内容を提供する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-039934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、既に用意された教材に含まれる難易度が異なる問題や解説のうち、何れの問題や解説を学習者に提供するかを、個々の学習者の感情に応じて決定するものである。そのため、特許文献1に記載の技術は、教材そのものの評価を行うものではない。
【0006】
本開示の目的は、デジタル教材を評価するために資する情報を提供することができる評価装置、評価プログラム及び評価方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る評価装置は、教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する感情推定部と、前記感情推定部が推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する情報生成部と、を備える。
【0008】
本開示に係る評価プログラムは、コンピュータに、教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する処理と、推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する処理と、を実行させる、プログラムである。
【0009】
本開示に係る評価方法は、コンピュータが、教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定し、推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する方法である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、デジタル教材を評価するために資する情報を提供することができる評価装置、評価プログラム及び評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に係る評価装置の構成を示す概略的なブロック図である。
図2】本開示に係る評価システムの構成を示す概略的なブロック図である。
図3】本開示に係るサーバの構成を示す概略的なブロック図である。
図4】本開示に係る教材に関する情報の一例を示す図である。
図5】本開示に係る学習端末に提示される教材の一例を示す図である。
図6】本開示に係る学習端末の構成を示す概略的なブロック図である。
図7】本開示に係る管理者端末の構成を示す概略的なブロック図である。
図8】本開示に係る評価方法の一例を示すフローチャートである。
図9】本開示に係る評価方法の他の一例を示すフローチャートである。
図10】本開示に係る評価方法の他の一例を示すフローチャートである。
図11】本開示に係る評価方法の他の一例を示すフローチャートである。
図12】本開示に係るコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1に、本開示に係る評価装置100の概略的なブロック図を示す。図1に示す評価装置100は、感情推定部101、情報生成部102を備える。
【0014】
感情推定部101は、教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する。ここで、教材とは、例えば、デジタル教材であり、学習端末(不図示)によって当該学習者に提示される。また、学習者の顔画像は、当該学習端末に内蔵された又は当該学習端末に接続されたカメラ等によって撮像される。また、感情推定部101は、学習者の顔画像から、感情推定に必要な情報を抽出し、抽出した情報に基づいて、学習者の感情を推定する。推定される感情の種類としては、例えば、幸せ、怒り、嫌悪、恐怖、驚き、悲しみ、中立、緊張、集中、ストレス等があり、例えば、それぞれの感情の強弱は、1~10等のスコアで表される。
【0015】
情報生成部102は、感情推定部101によって推定された複数の学習者の感情に基づいて、教材に関する情報を生成する。具体的には、情報生成部102は、感情推定部101によって推定された感情の種類及び当該感情の強弱に基づいて、教材に関する情報を生成する。ここで、教材に関する情報としては、例えば、当該教材が分かりやすいか否か等を示す情報が挙げられる。
【0016】
本開示に係る評価装置100では、教材を閲覧している複数の学習者の感情が推定され、当該感情に基づいて、当該教材が分かりやすいか否か等の教材に関する情報が生成される。そのため、当該教材に関する情報を活用することにより、当該教材の改善を行うことが可能となる。したがって、デジタル教材を評価するために資する情報を提供することができる。
【0017】
<実施の形態2>
図2に、本開示に係る評価システム200を示す。評価システム200は、評価装置としてのサーバ300、学習端末400_1~400_n(nは、1以上の整数)、管理者端末500を備える。以下、学習端末400_1~400_nを特に区別しない場合、単に、学習端末400と称する。学習端末400は、それぞれ、複数の学習者に、デジタル教材(以下、単に「教材」とも称する。)を提示する。学習端末400の数は、限定されないが、例えば、学校の1つのクラスに所属する生徒数(例えば、20人、30人又は任意の好適な数)、学校の1学年に対応する生徒数(例えば、100名又は任意の好適な数)、試験の受験者数(例えば、3000人又は任意の好適な数)、都道府県単位等の地域の生徒数等であってもよい。管理者端末500は、管理者(例えば、教材の出版社、学習の主催者、教師、試験監督等)が使用する端末装置である。なお、評価システム200は、複数の管理者端末500を備えていてもよい。サーバ300と学習端末400及び管理者端末500とはネットワークNを介して通信可能となっている。また、学習端末400と管理者端末500とがネットワークNを介して通信可能となっていてもよい。また、デジタル教材は、例えば、デジタル教科書、デジタル副教材、試験問題等である。
【0018】
図3に、本開示に係るサーバ300を示す。サーバ300は、感情推定部301、情報生成部302、教材提供部303、視点推定部304、通知部305、補講提案部306、記憶部307を備える。また、記憶部307は、デジタル教材の教材データ308、学習者の学習に関する情報としての成績データ309等を格納している。
【0019】
感情推定部301は、図1に示す感情推定部101と同様に、デジタル教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する。また、各学習者の顔画像は、当該学習者にデジタル教材を提示している各学習端末400の顔画像取得部401によって取得される。そして、各学習者の顔画像は、各学習端末400からサーバ300へ送信される。また、感情推定部301は、学習者の顔画像から、感情推定に必要な情報を抽出し、抽出した情報に基づいて、学習者の感情を推定する。推定される感情の種類としては、例えば、幸せ、怒り、嫌悪、恐怖、驚き、悲しみ、中立、緊張、集中、ストレス等があり、例えば、それぞれの感情の強弱は、1~10等のスコアで表される。また、感情推定に必要な情報とは、感情推定に必要な特徴点、開眼度、視線、筋肉の微細な動き等である。
【0020】
情報生成部302は、図1に示す情報生成部102と同様に、感情推定部301によって推定された複数の学習者の感情に基づいて、教材に関する情報を生成する。具体的には、情報生成部302は、感情推定部301によって推定された感情の種類及び当該感情の強弱に基づいて、教材に関する情報を生成する。
【0021】
例えば、情報生成部302は、教材に関する情報として、当該教材の評価値を生成する。具体的には、情報生成部302は、教材の評価値として、感情推定部301が感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、当該教材が分かりにくいという情報を生成する。ここで、負の感情とは、例えば、怒り、嫌悪、悲しみ、緊張、ストレス等が挙げられる。また、情報生成部302は、教材の分かりやすさを示す情報を生成するため、学習者の感情に応じた教材の評価値を生成する。例えば、情報生成部302は、教材の評価値として、例えば、当該教材の分かりやすさを表す1~10等のスコアを生成する。そして、情報生成部302は、感情推定部301が感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、教材が分かりにくいという情報として、所定の値より低い値のスコアを生成する。ここで、所定の値は、適宜設定される値であり、例えば、スコアが1~10の場合、所定の値は5である。
【0022】
また、情報生成部302は、例えば、教材に関する情報として、当該教材を閲覧した学習者の理解度を生成する。具体的には、情報生成部302は、学習者の理解度として、感情推定部301が感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、当該学習者の理解度は低いという情報を生成する。また、情報生成部302は、学習者の理解度として、例えば、当該学習者の理解度を表す1~10等のスコアを生成する。
【0023】
また、情報生成部302は、例えば、記憶部307に格納された各学習者の成績データ309と、感情推定部301が推定した各学習者の感情と、に基づいて、教材に関する情報を生成する。例えば、ある学習者の成績データ309が成績優秀であり、当該学習者の感情が負の感情であった場合、情報生成部302は、当該教材が分かりにくいという情報を生成する。すなわち、情報生成部302は、成績優秀な学習者の感情が負の感情であった場合に、教材の評価値として、所定の値より低い値のスコアを生成する。
【0024】
また、情報生成部302は、例えば、視点推定部304によって推定された、学習者の視点が位置する教材の箇所について、当該学習者の感情に基づいて、教材に関する情報(例えば、教材の評価値又は学習者の理解度)を生成する。
【0025】
また、情報生成部302は、例えば、教材の所定の区分毎に、教材に関する情報(例えば、教材の評価値又は学習者の理解度)を生成する。ここで、所定の区分とは、例えば、教材の単元、節、ページ等である。図4に、情報生成部302が生成する教材に関する情報の一例を示す。図4に示すように、教材に関する情報は、教材の評価値又は学習者の理解度を単元毎に示す棒グラフであってもよい。具体的には、図4に示すグラフにおいて、横軸は単元を示す。また、当該グラフにおいて、縦軸は、複数の学習者の顔画像から推定された感情に基づいて生成された、教材の評価値の平均値又は学習者の理解度の平均値を示す棒グラフである。
【0026】
また、情報生成部302は、学校毎、地域毎等に、教材に関する情報(例えば、教材の評価値又は学習者の理解度)を生成してもよい。例えば、地域毎に、図4に示すような教材に関する情報を生成してもよい。これにより、例えば、情報生成部302が、地域毎に教材の評価値を生成することにより、当該教材の出版社が、地域毎に、教材を改善することが可能となる。また、例えば、情報生成部302が、学校毎に、学習者の理解度を生成することにより、教師が、当該学校における授業の内容を改善することが可能となる。
【0027】
教材提供部303は、各学習者に、各学習端末400を介して、教材を提供する。具体的には、教材提供部303は、記憶部307に格納された教材データ308から所定のデジタル教材を取得し、当該デジタル教材を各学習端末400に送信する。
【0028】
また、教材提供部303は、情報生成部302が所定の区分毎に生成した教材に関する情報に基づいて、当該教材の当該所定の区分毎に、所定のアイコンを表示してもよい。図5に、学習端末400の表示部402に表示されるデジタル教材の一例を示す。教材提供部303は、例えば、図5に示すように、教材のある単元(図5では、「単元:5」)についての学習者の理解度が低い場合に、表示部402に表示された当該単元の所定の箇所に「つまずきポイント」等のアイコンXを表示するように、当該教材を変更してもよい。また、教材提供部303は、学習者が学習端末400に提示された教材の当該アイコンを選択した場合に、学習端末400において追加説明がさらに提示されるように、当該教材を変更してもよい。
【0029】
また、教材提供部303は、デジタル教科書を閲覧した学習者の感情に基づいて情報生成部302が生成した学習者の理解度に応じた難易度のデジタル副教材を、当該学習者の学習端末400に送信してもよい。
【0030】
視点推定部304は、公知の方法により、学習者の顔画像から学習者の視線方向を推定し、当該視線方向に基づいて、学習端末400の表示部402に表示された教材上の学習者の視点の位置を推定する。また、視点推定部304は、推定した視点の位置に対応する教材の箇所についての情報を、情報生成部302へ出力する。
【0031】
通知部305は、情報生成部302が生成した教材に関する情報を、管理者端末500に送信する。これにより、管理者端末500を使用する、教材の出版社、学習の主催者、教師、試験監督等の管理者は、教材に関する情報に基づいて、教材の改善、授業の内容の改善等を行うことが可能となる。
【0032】
補講提案部306は、情報生成部302が生成した学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力する。例えば、ある単元を学習した複数の学習者の感情に基づいて、情報生成部302が生成した学習者の理解度が所定の値以下であった場合に、当該単元についての補講の実施の提案を管理者端末500に送信する。ここで、所定の値は、適宜設定される値であり、例えば、理解度が1~10で表される場合、所定の値は5である。
【0033】
教材データ308は、複数のデジタル教材のデータを含む。デジタル教材は、デジタル教科書、デジタル副教材、試験問題等を含む。また、教材データ308は、複数の難易度のデジタル教材のデータを含む。
【0034】
成績データ309は、学習者の識別情報と、当該学習者の成績、得意科目、及び不得意科目等を含む成績情報とが対応付けられた情報である。成績データ309は、予め、管理者端末500からサーバ300へ送信されてもよい。また、学習端末400において所定のテストが行われた結果が、成績データ309として、当該学習端末400からサーバ300へ送信されてもよい。
【0035】
図6に、本開示に係る学習端末400を示す。学習端末400は、例えばパソコン、スマートフォン、タブレット端末、カメラ付き携帯電話等、任意の好適な端末である。また学習端末400は、学習者を撮影するカメラ、学習者の発話を収音するマイク及び画像データや音声データを送受信する通信機能を有する装置であれば上記のものに限られない。また、サーバ300から送信されたデジタル教材は、学習端末400の記憶部(不図示)に格納されてもよい。具体的には、学習端末400は、顔画像取得部401、表示部402、入力部403を備える。
【0036】
顔画像取得部401は、学習端末400に内蔵された又は当該学習端末400に接続されたカメラ等である。顔画像取得部401によって取得された顔画像は、サーバ300へ送信される。
【0037】
表示部402は、例えば、タッチパネルディスプレイであり、図5に示すようなデジタル教材を表示する。また、表示部402は、図5に示すようなアイコンを選択可能に表示する。
【0038】
入力部403は、学習者が各種の情報を学習端末400に入力するためのインターフェースである。なお、表示部402と入力部403は一体であってもよい。
【0039】
図7に、本開示に係る管理者端末500を示す。管理者端末500は、サーバ300から送信された教材に関する情報を管理者に提示する。具体的には、管理者端末500は、情報取得部501、表示部502を備える。
【0040】
情報取得部501は、サーバ300から、教材に関する情報を取得する。情報取得部501は、取得した教材に関する情報を記憶部(不図示)に格納してもよい。
【0041】
表示部502は、例えば、タッチパネルディスプレイであり、図4に示すような、教材に関する情報を表示する。これにより、管理者端末500を利用する管理者(例えば、教材の出版社、学習の主催者、教師、試験監督等)は、当該教材に関する情報を知覚することができ、教材の改善、授業の内容の改善等を行うことが可能となる。
【0042】
次に、図8を参照しながら、本開示に係る評価方法の一例について説明する。まず、教材提供部303が、記憶部307に格納された教材データ308から所定のデジタル教材を取得し、当該デジタル教材を各学習端末400に送信する(ステップS101)。そして、各学習端末400の表示部402にデジタル教材が表示され、学習者が当該デジタル教材を閲覧する。同時に、各学習端末400の顔画像取得部401が、各学習者の顔画像を経時的に取得する。各学習者の顔画像は、当該学習者が閲覧している教材の所定の区分(例えば、単元、節、ページ)等と対応付けられて、サーバ300へ送信される。
【0043】
次に、感情推定部301が、デジタル教材を閲覧している複数の学習者の顔画像から当該学習者の感情を推定する(ステップS102)。
【0044】
次に、情報生成部302が、ステップS102において推定された、複数の学習者の感情に基づいて、教材に関する情報を生成し(ステップS103)、本処理を終了する。具体的には、情報生成部302は、教材の所定の区分毎に、教材に関する情報(例えば、教材の評価値又は学習者の理解度)を生成する。ここで、所定の区分とは、例えば、教材の単元、節、ページ等である。
【0045】
次に、図9を参照しながら、本開示に係る評価方法の他の一例について説明する。図9に示すステップS201の処理は、図8に示すステップS101の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
次に、視点推定部304が、各学習端末400の表示部402に表示された教材上の各学習者の視点の位置を推定する(ステップS202)。また、視点推定部304は、推定した視点の位置に対応する教材の箇所についての情報を、情報生成部302へ出力する。
【0047】
次に、感情推定部301が、ステップS202において視点が推定された各学習者の感情を推定する(ステップS203)。
【0048】
次に、情報生成部302が、ステップS202において推定された、各学習者の視点が位置する教材の箇所について、ステップS203において推定された各学習者の感情に基づいて、教材に関する情報を生成し(ステップS204)、本処理を終了する。具体的には、情報生成部302は、視点が教材の同一の箇所に位置する複数の学習者の感情に基づいて、当該教材の箇所について、教材に関する情報を生成する。
【0049】
次に、図10を参照しながら、本開示に係る評価方法の他の一例について説明する。図10に示すステップS301~ステップS303の処理は、図8に示すステップS101~ステップS103の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0050】
次に、教材提供部303は、ステップS303において、所定の区分毎に生成された、複数の学習者の理解度(教材に関する情報)に基づいて、当該教材の当該所定の区分毎に、所定のアイコンを表示し(ステップS304)、本処理を終了する。
【0051】
次に、図11を参照しながら、本開示に係る評価方法の他の一例について説明する。図11に示すステップS401~ステップS403の処理は、図8に示すステップS101~ステップS103の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0052】
次に、補講提案部306は、ステップS403において生成された学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力し(ステップS404)、本処理を終了する。例えば、ある単元を学習した複数の学習者の理解度が所定の値以下であった場合に、当該単元についての補講の実施の提案を管理者端末500に送信する。
【0053】
上述したように、本開示に係る評価システム200では、教材を閲覧している複数の学習者の感情が推定され、当該感情に基づいて、当該教材が分かりやすいか否か等の教材に関する情報が生成される。そのため、当該教材に関する情報を活用することにより、当該教材の改善を行うことが可能となる。したがって、デジタル教材を評価するために資する情報を提供することができる。
【0054】
また、本開示に係る情報生成部302は、各学習者の成績データ309と、感情推定部301が推定した各学習者の感情と、に基づいて、教材に関する情報を生成する。具体的には、ある学習者の成績データ309が成績優秀であり、当該学習者の感情が負の感情であった場合、情報生成部302は、教材の評価値として所定の値より低い値のスコアを生成する、すなわち、当該教材が分かりにくいという情報を生成する。これにより、より的確に、教材の評価を行うことが可能となる。
【0055】
また、本開示に係る情報生成部302は、視点推定部304によって推定された、学習者の視点が位置する教材の箇所について、当該学習者の感情に基づいて、教材に関する情報(例えば、教材の評価値又は学習者の理解度)を生成する。これにより、教材の単元、節、パージ等の所定の区分よりも小さい箇所毎に、教材に関する情報を生成でき、より詳細に、教材の評価を行うことが可能となる。
【0056】
また、本開示に係る教材提供部303は、情報生成部302が所定の区分毎に生成した教材に関する情報に基づいて、当該教材の当該所定の区分毎に、所定のアイコンXを表示する。これにより、教材の評価値が低い区分又は学習者の理解度が低い区分に、「つまずきポイント」等のアイコンXを表示でき、当該アイコンXが学習者によって選択された倍に、追加説明を提示することが可能となる。
【0057】
また、本開示に係る情報生成部302は、教材の所定の区分(単元、節、ページ等)毎に、教材に関する情報を生成する。これにより、例えば、当該教材の出版社が、所定の区分毎に生成された教材の評価値を参照して、当該所定の区分毎に、教材を改善することが可能となる。また、例えば、教師が、所定の区分毎に生成された学習者の理解度を参照することにより、当該所定の区分毎に、授業の内容を改善することが可能となる。
【0058】
また、本開示に係る情報生成部302は、学校毎、地域毎等に、教材に関する情報を生成する。これにより、例えば、当該教材の出版社が、地域毎に生成された教材の評価値を参照することにより、地域毎に、教材を改善することが可能となる。また、例えば、教師が、学校毎に生成された学習者の理解度を参照することにより、当該学校における授業の内容を改善することが可能となる。
【0059】
また、本開示に係る補講提案部306は、情報生成部302が生成した学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力する。これにより、教師に補講の必要性を気づかせることができる。
【0060】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。評価装置100、サーバ300、学習端末400、又は管理者端末500についての上述した機能(処理)は、例えば次のような構成を有するコンピュータ600により実現されてもよい。
【0061】
図12は、評価装置100、サーバ300、学習端末400、又は管理者端末500の処理を実現するコンピュータ600の構成を示すブロック図である。図12に示すように、コンピュータ600は、メモリ601、及び、プロセッサ602を含む。
【0062】
メモリ601は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ601は、プロセッサ602により実行されるプログラム、及び各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。サーバ300の記憶部307、学習端末400の記憶部(不図示)、管理者端末500の記憶部(不図示)は、メモリ601により実現されてもよい。ただし、これらが、他の任意の記憶装置により実現されてもよい。
【0063】
プロセッサ602は、メモリ601からプログラムを読み出して実行することで、各装置の処理を行う。プロセッサ602は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ602は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0064】
上記の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等である。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0065】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する感情推定部と、
前記感情推定部が推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する情報生成部と、
を備える、
評価装置。
(付記2)
前記情報生成部は、前記教材に関する情報として、前記感情推定部が感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、前記教材が分かりにくいという情報を生成する、
付記1に記載の評価装置。
(付記3)
前記情報生成部は、前記学習者の学習に関する情報と、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情と、に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
付記1に記載の評価装置。
(付記4)
前記教材上における学習者の視点を推定する視点推定部をさらに備え、
前記情報生成部は、前記学習者の視点が位置する前記教材の箇所について、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
付記1に記載の評価装置。
(付記5)
前記教材を学習者に提供する教材提供部をさらに備え、
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に前記教材に関する情報を生成し、
前記教材提供部は、前記教材に関する情報に基づいて、前記教材の前記所定の区分毎に所定のアイコンを表示する、
付記1に記載の評価装置。
(付記6)
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記教材の評価値を生成する、
付記1に記載の評価装置。
(付記7)
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成する、
付記1に記載の評価装置。
(付記8)
前記情報生成部は、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成し、
前記学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力する、補講提案部をさらに備える、
付記1に記載の評価装置。
(付記9)
コンピュータに、
教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定する処理と、
推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する処理と、
を実行させる、評価プログラム。
(付記10)
前記コンピュータに、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記教材に関する情報として、感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、前記教材が分かりにくいという情報を生成させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記11)
前記コンピュータに、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記学習者の学習に関する情報と、推定した前記学習者の感情と、に基づいて、前記教材に関する情報を生成させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記12)
前記コンピュータに、
前記教材上における学習者の視点を推定する処理をさらに実行させ、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記学習者の視点が位置する前記教材の箇所について、推定した前記学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記13)
前記コンピュータに、
前記教材を学習者に提供する処理をさらに実行させ、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記教材の所定の区分毎に前記教材に関する情報を生成させ、
前記教材を学習者に提供する処理において、前記教材に関する情報に基づいて、前記教材の前記所定の区分毎に所定のアイコンを表示させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記14)
前記コンピュータに、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、推定した前記学習者の感情に応じた前記教材の評価値を生成させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記15)
前記コンピュータに、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、推定した前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記16)
前記コンピュータに、
前記教材に関する情報を生成する処理において、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成し、
前記学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力する処理をさらに実行させる、
付記9に記載の評価プログラム。
(付記17)
コンピュータが、
教材を閲覧している学習者の顔画像から学習者の感情を推定し、
推定した複数の学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
評価方法。
(付記18)
前記コンピュータが、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記教材に関する情報として、感情を推定した複数の学習者のうち、負の感情を有する学習者が多く含まれるほど、前記教材が分かりにくいという情報を生成する、
付記17に記載の評価方法。
(付記19)
前記コンピュータが、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記学習者の学習に関する情報と、推定した前記学習者の感情と、に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
付記17に記載の評価方法。
(付記20)
前記コンピュータが、
さらに、前記教材上における学習者の視点を推定し、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記学習者の視点が位置する前記教材の箇所について、推定した前記学習者の感情に基づいて、前記教材に関する情報を生成する、
付記17に記載の評価方法。
(付記21)
前記コンピュータが、
さらに、前記教材を学習者に提供し、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記教材の所定の区分毎に前記教材に関する情報を生成し、
前記教材を学習者に提供する際に、前記教材に関する情報に基づいて、前記教材の前記所定の区分毎に所定のアイコンを表示する、
付記17に記載の評価方法。
(付記22)
前記コンピュータが、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、推定した前記学習者の感情に応じた前記教材の評価値を生成する、
付記17に記載の評価方法。
(付記23)
前記コンピュータが、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、推定した前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成する、
付記17に記載の評価方法。
(付記24)
前記コンピュータが、
前記教材に関する情報を生成する際に、前記教材の所定の区分毎に、前記教材に関する情報として、前記感情推定部によって推定された前記学習者の感情に応じた前記学習者の理解度を生成し、
さらに、前記学習者の理解度に応じて、補講の実施の提案を出力する、
付記17に記載の評価方法。
【符号の説明】
【0067】
100 評価装置
200 評価システム
300 サーバ(評価装置)
400_1~400_n 学習端末
500 管理者端末
101、301 感情推定部
102、302 情報生成部
303 教材提供部
304 視点推定部
305 通知部
306 補講提案部
307 記憶部
308 教材データ
309 成績データ
401 顔画像取得部
402 表示部
403 入力部
501 情報取得部
502 表示部
X アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12