(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173046
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】シート搬送装置およびシート搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65H 31/18 20060101AFI20241205BHJP
B65H 31/00 20060101ALI20241205BHJP
B65H 33/06 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65H31/18
B65H31/00 Z
B65H33/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091166
(22)【出願日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】596025412
【氏名又は名称】株式会社ホリゾン
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】西村 理
(72)【発明者】
【氏名】柏木 康平
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054BA02
3F054BB09
3F054BF07
3F054DA05
3F054DA14
(57)【要約】
【課題】複数列のシートを積み重ねて搬送する方向を容易に切り替える。
【解決手段】複数列でシートを搬送する第1搬送部と、第1列のシートを第1集積部に集積し、第2列のシートを第2集積部に集積するシート集積部と、積み重ねたシートを第2搬送方向に沿って搬送する第2搬送部と、を備え、シート集積部は、集積ユニットと、集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有し、第1搬送方向の下流側からシート集積部をみた場合、左方から右方へ向けた第1方向が第2搬送方向となる第1保持状態と、右方から左方へ向けた第2方向が第2搬送方向となる第2保持状態とを切り替える切替工程S104,S107と、第1搬送方向に沿ってシートを搬送する第1搬送工程と、第1保持状態では第1方向へ搬送部材を移動させ、第2保持状態では第2方向へ搬送部材を移動させる第2搬送工程と、を備えるシート搬送方法を提供する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送方向に沿って複数列でシートを搬送するとともに落下位置から下方に落下させる第1搬送部と、
前記第1搬送方向と交差する第2搬送方向の上流側から下流側に向けて高さ方向の位置が漸次増加する第1傾斜面を有する第1集積部と、前記第2搬送方向の上流側から下流側に向けて前記高さ方向の位置が漸次増加する第2傾斜面を有する第2集積部とを有し、前記落下位置から落下する第1列の前記シートを前記第1集積部に集積し、前記落下位置から落下する第2列の前記シートを前記第2集積部に集積するシート集積部と、
前記第2搬送方向に沿って搬送部材を移動させることにより、前記第1傾斜面に集積された第1群の前記シートを前記第2傾斜面に集積された第2群の前記シートの上方に積み重ね、積み重ねられた前記シートを前記第2搬送方向に沿って搬送する第2搬送部と、を備え、
前記シート集積部は、
前記第1集積部および前記第2集積部が本体部を介して取り付けられた集積ユニットと、
前記集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有し、
前記保持部は、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合、水平方向の左方から右方へ向けた第1方向が前記第2搬送方向となる第1保持状態と、前記水平方向の右方から左方へ向けた第2方向が前記第2搬送方向となる第2保持状態とのいずれかで前記集積ユニットを保持し、
前記第2搬送部は、前記保持部が前記第1保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記保持部が前記第2保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第2方向へ前記搬送部材を移動させるシート搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させる第1搬送モードと、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる第2搬送モードとのいずれかを設定する搬送モード設定部と、
前記搬送モード設定部が前記第1搬送モードを設定する場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記搬送モード設定部が前記第2搬送モードを設定する場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させるよう前記第2搬送部を制御する制御部と、を備える請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
シート搬送装置によりシートを搬送するシート搬送方法であって、
前記シート搬送装置は、
第1搬送方向に沿って複数列で前記シートを搬送するとともに落下位置から下方に落下させる第1搬送部と、
前記第1搬送方向と交差する第2搬送方向の上流側から下流側に向けて高さ方向の位置が漸次増加する第1傾斜面を有する第1集積部と、前記第2搬送方向の上流側から下流側に向けて前記高さ方向の位置が漸次増加する第2傾斜面を有する第2集積部とを有し、前記落下位置から落下する第1列の前記シートを前記第1集積部に集積し、前記落下位置から落下する第2列の前記シートを前記第2集積部に集積するシート集積部と、
前記第2搬送方向に沿って搬送部材を移動させることにより、前記第1傾斜面に集積された第1群の前記シートを前記第2傾斜面に集積された第2群の前記シートの上方に積み重ね、積み重ねられた前記シートを前記第2搬送方向に沿って搬送する第2搬送部と、を備え、
前記シート集積部は、
前記第1集積部および前記第2集積部が本体部を介して取り付けられた集積ユニットと、
前記集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有し、
前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合、水平方向の左方から右方へ向けた第1方向が前記第2搬送方向となるように前記保持部が前記集積ユニットを保持する第1保持状態と、前記水平方向の右方から左方へ向けた第2方向が前記第2搬送方向となるように前記保持部が前記集積ユニットを保持する第2保持状態とを切り替える切替工程と、
前記第1搬送方向に沿って複数列で前記シートを搬送するとともに前記落下位置から下方に落下させる第1搬送工程と、
前記保持部が前記第1保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記保持部が前記第2保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる第2搬送工程と、を備えるシート搬送方法。
【請求項4】
前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させる第1搬送モードと、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる第2搬送モードとのいずれかを設定する搬送モード設定工程を備え、
前記第2搬送工程は、前記搬送モード設定工程が前記第1搬送モードを設定する場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記搬送モード設定工程が前記第2搬送モードを設定する場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる請求項3に記載のシート搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置およびシート搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の方向に並んだ複数列のカードをカード排出機構からカード支持機構へ排出し、カード支持機構が受け取った複数列のカードをカード集積機構が所定方向と平行なカード押出方向に押し出すことにより、カードを所定の位置に集積するカード集積装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、カード支持機構が備える複数のカード受け部を、水平状態から、カード押出方向の上流側に位置するカードの列が下流側に位置するカードの列に乗り上がるように斜めに支持する状態に切り替える。複数のカード受け部がカードを斜めに支持する状態で複数列のカードを押し出すことにより、複数列のカードが一纏めに集積された状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカード集積装置は、カード支持機構が受け取った複数列のカードを予め決められた方向(
図4のカード押出方向a1)に押し出して複数列のカードを一纏めに集積するものである。例えば、特許文献1のカード集積装置において、装置の設置位置や作業者の作業性等の関係で、カード支持機構が受け取った複数列のカードを予め決められた方向(
図4のカード押出方向a1)の反対方向に押し出すことが望ましい場合がある。この場合、予め決められた方向の反対方向に押し出すようにカード集積装置を新たに設計・製造する必要がある。
【0006】
また、カード支持機構が受け取った複数列のカードを押し出す方向を異ならせた2種類のカード集積装置を製造する場合、仕様の異なる複数種の装置を在庫として保有しておく必要があり、装置を管理するコストや装置を保管するためのスペースを確保するためのコストが増加してしまう。
【0007】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、シート集積部に集積された複数列のシートを積み重ねて搬送する方向を容易に切り替えることが可能なシート搬送装置およびシート搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るシート搬送装置は、第1搬送方向に沿って複数列でシートを搬送するとともに落下位置から下方に落下させる第1搬送部と、前記第1搬送方向と交差する第2搬送方向の上流側から下流側に向けて高さ方向の位置が漸次増加する第1傾斜面を有する第1集積部と、前記第2搬送方向の上流側から下流側に向けて前記高さ方向の位置が漸次増加する第2傾斜面を有する第2集積部とを有し、前記落下位置から落下する第1列の前記シートを前記第1集積部に集積し、前記落下位置から落下する第2列の前記シートを前記第2集積部に集積するシート集積部と、前記第2搬送方向に沿って搬送部材を移動させることにより、前記第1傾斜面に集積された第1群の前記シートを前記第2傾斜面に集積された第2群の前記シートの上方に積み重ね、積み重ねられた前記シートを前記第2搬送方向に沿って搬送する第2搬送部と、を備え、前記シート集積部は、前記第1集積部および前記第2集積部が本体部を介して取り付けられた集積ユニットと、前記集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有し、前記保持部は、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合、水平方向の左方から右方へ向けた第1方向が前記第2搬送方向となる第1保持状態と、前記水平方向の右方から左方へ向けた第2方向が前記第2搬送方向となる第2保持状態とのいずれかで前記集積ユニットを保持し、前記第2搬送部は、前記保持部が前記第1保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記保持部が前記第2保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる。
【0009】
本発明の一態様に係るシート搬送装置によれば、第1搬送部により搬送される複数列のシートが落下位置から下方に落下し、第1列のシートが第1集積部に集積され、第2列のシートが第2集積部に集積される。そして、搬送部材を第2搬送方向に沿って移動させることにより、第1集積部に集積された第1列のシートが第1傾斜面に沿って高さ方向の上方に移動し、第2集積部に集積された第2列のシートの上方に積み重ねられ、積み重ねられたシートが第2搬送方向に沿って移動する。
【0010】
本発明の一態様に係るシート搬送装置によれば、シート集積部は、第1集積部および第2集積部が本体部を介して取り付けられた集積ユニットと、集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有する。保持部は、第1搬送方向の下流側からシート集積部をみた場合、水平方向の左方から右方へ向けた第1方向が第2搬送方向となる第1保持状態と、水平方向の右方から左方へ向けた第2方向が第2搬送方向となる第2保持状態とのいずれかで集積ユニットを保持する。第1保持状態と第2保持状態とを切り替えることにより、シート集積部に集積された複数列のシートを積み重ねて搬送する方向を容易に切り替えることができる。
【0011】
本発明の一態様に係るシート搬送装置においては、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させる第1搬送モードと、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる第2搬送モードとのいずれかを設定する搬送モード設定部と、前記搬送モード設定部が前記第1搬送モードを設定する場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記搬送モード設定部が前記第2搬送モードを設定する場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させるよう前記第2搬送部を制御する制御部と、を備える構成としてもよい。
【0012】
本構成のシート搬送装置によれば、搬送モード設定部で第1搬送モードと第2搬送モードのいずれかを設定することにより、第1搬送モードを設定する場合は第1方向へ搬送部材を移動させ、第2搬送モードを設定する場合は第2方向へ搬送部材を移動させるよう第2搬送部を適切に制御することができる。
【0013】
本発明の一態様に係るシート搬送方法は、シート搬送装置によりシートを搬送するシート搬送方法であって、前記シート搬送装置は、第1搬送方向に沿って複数列でシートを搬送するとともに落下位置から下方に落下させる第1搬送部と、前記第1搬送方向と交差する第2搬送方向の上流側から下流側に向けて高さ方向の位置が漸次増加する第1傾斜面を有する第1集積部と、前記第2搬送方向の上流側から下流側に向けて前記高さ方向の位置が漸次増加する第2傾斜面を有する第2集積部とを有し、前記落下位置から落下する第1列の前記シートを前記第1集積部に集積し、前記落下位置から落下する第2列の前記シートを前記第2集積部に集積するシート集積部と、前記第2搬送方向に沿って搬送部材を移動させることにより、前記第1傾斜面に集積された第1群の前記シートを前記第2傾斜面に集積された第2群の前記シートの上方に積み重ね、積み重ねられた前記シートを前記第2搬送方向に沿って搬送する第2搬送部と、を備え、前記シート集積部は、前記第1集積部および前記第2集積部が本体部を介して取り付けられた集積ユニットと、前記集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有し、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合、水平方向の左方から右方へ向けた第1方向が前記第2搬送方向となるように前記保持部が前記集積ユニットを保持する第1保持状態と、前記水平方向の右方から左方へ向けた第2方向が前記第2搬送方向となるように前記保持部が前記集積ユニットを保持する第2保持状態とを切り替える切替工程と、前記第1搬送方向に沿って複数列で前記シートを搬送するとともに前記落下位置から下方に落下させる第1搬送工程と、前記保持部が前記第1保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記保持部が前記第2保持状態で前記集積ユニットを保持する場合は前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる第2搬送工程と、を備える。
【0014】
本発明の一態様に係るシート搬送方法によれば、第1搬送工程により搬送される複数列のシートが落下位置から下方に落下し、第1列のシートが第1集積部に集積され、第2列のシートが第2集積部に集積される。そして、第2搬送工程において、搬送部材を第2搬送方向に沿って移動させることにより、第1集積部に集積された第1列のシートが第1傾斜面に沿って高さ方向の上方に移動し、第2集積部に集積された第2列のシートの上方に積み重ねられ、積み重ねられたシートが第2搬送方向に沿って移動する。
【0015】
本発明の一態様に係るシート搬送方法によれば、シート集積部は、第1集積部および第2集積部が本体部を介して取り付けられた集積ユニットと、集積ユニットを着脱可能に保持する保持部と、を有する。切替工程は、第1搬送方向の下流側からシート集積部をみた場合、水平方向の左方から右方へ向けた第1方向が第2搬送方向となるように保持部が集積ユニットを保持する第1保持状態と、水平方向の右方から左方へ向けた第2方向が第2搬送方向となるように保持部が集積ユニットを保持する第2保持状態とを切り替える。切替工程において第1保持状態と第2保持状態とを切り替えることにより、シート集積部に集積された複数列のシートを積み重ねて搬送する方向を容易に切り替えることができる。
【0016】
本発明の一態様に係るシート搬送方法において、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させる第1搬送モードと、前記第1搬送方向の下流側から前記シート集積部をみた場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる第2搬送モードとのいずれかを設定する搬送モード設定工程を備え、前記第2搬送工程は、前記搬送モード設定工程が前記第1搬送モードを設定する場合に前記第1方向へ前記搬送部材を移動させ、前記搬送モード設定工程が前記第2搬送モードを設定する場合に前記第2方向へ前記搬送部材を移動させる構成としてもよい。
【0017】
本構成のシート搬送方法によれば、搬送モード設定工程で第1搬送モードと第2搬送モードのいずれかを設定することにより、第1搬送モードを設定する場合は第1方向へ搬送部材を移動させ、第2搬送モードを設定する場合は第2方向へ搬送部材を移動させるよう第2搬送部により適切にシートを搬送することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シート集積部に集積された複数列のシートを積み重ねて搬送する方向を容易に切り替えることが可能なシート搬送装置およびシート搬送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシート処理システムを示す正面図である。
【
図2】
図1のシート処理システムを上方からみた平面図である。
【
図3】
図1のシート搬送装置を示す正面図であり、ストッパから位置決め部までの距離を第1距離とした状態を示す。
【
図4】
図1のシート搬送装置を示す正面図であり、ストッパから位置決め部までの距離を第2距離とした状態を示す。
【
図5】
図3に示すシート搬送装置の左側面図であり、シート集積部にシートを集積させる搬入状態を示す。
【
図6】
図3に示すシート搬送装置の左側面図であり、シート集積部に集積されたシートを搬出する搬出状態を示す。
【
図7】
図3に示すシート搬送装置の左側面図であり、シート集積部に集積されたシートを搬出する搬出状態を示す。
【
図8】
図3に示すシート搬送装置の左側面図であり、シート集積部に集積されたシートを搬出する搬出状態を示す。
【
図9】
図3に示すシート搬送装置を上方からみた平面図である。
【
図10】
図9に示すシート集積部および第2搬送部を上方からみた平面図であり、保持部が第1保持状態で集積ユニットを保持する状態を示す。
【
図11】
図10に示す集積ユニットを保持部から取り外した状態を示す平面図である。
【
図12】
図9に示すシート集積部および第2搬送部を上方からみた平面図であり、保持部が第2保持状態で集積ユニットを保持する状態を示す。
【
図13】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置の搬送モード設定方法を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図16】シート搬送装置の左側面図であり、シート集積部にシートを集積させる搬入状態を示す。
【
図17】シート搬送装置の左側面図であり、シート集積部に集積されたシートを搬出する搬出状態を示す。
【
図18】シート搬送装置の左側面図であり、シート集積部に集積されたシートを搬出する搬出状態を示す。
【
図19】シート搬送装置の左側面図であり、シート集積部に集積されたシートを搬出する搬出状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係るシート搬送装置100を含むシート処理システム1について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシート処理システム1を示す図である。
図2は、
図1のシート処理システム1を上方からみた平面図である。
図1および
図2に示すように、本実施形態のシート処理システム1は、シート搬送装置100と、給紙装置200と、抜き装置300と、分離装置400と、排出コンベア500と、を備える。
【0021】
給紙装置200は、集積部210に集積された複数枚のシートS0を1枚ずつシート給送部220により抜き装置300へ第1搬送方向TD1に沿って給送する装置である。
【0022】
抜き装置300は、それぞれ
図1中の矢印の向きに回転する抜きローラ310および抜きローラ320が対向する位置にシートS0を通過させることにより、シートS0から複数のシートS1を抜き出す装置である。抜きローラ310および抜きローラ320には、シートS0から複数のシートS1を抜き出すためにシートS0に挿入される抜き型が形成されている。
【0023】
抜き装置300は、シート給送部220により給送されるシートS0を、搬送ローラ330および搬送ベルト340により第1搬送方向TD1に沿って抜きローラ310および抜きローラ320が対向する位置に搬送する。抜きローラ310および抜きローラ320を通過したシートS0は、分離装置400へ搬送される。
【0024】
分離装置400は、抜き装置300によりシートS0から抜き出される複数のシートS1を、シートS0から分離する装置である。分離装置400は、抜き装置300から搬送されるシートS0を搬送ベルト410により分離部420へ搬送する。分離部420は、複数のシートS1をシートS0から分離して搬送ベルト430へ搬送し、複数のシートS1が分離されたシートS0を下方へ排出する。搬送ベルト430は、第1搬送方向TD1に沿って複数のシートS1をシート搬送装置100へ搬送する。
【0025】
シート搬送装置100は、分離装置400から第1搬送方向TD1に沿って搬送される複数列のシートS1を集積し、複数列のシートS1を一纏めに積み重ねて第2搬送方向TD2に沿って排出コンベア500へ向けて搬送する装置である。
図2に示すように、シート搬送装置100は、第1搬送方向TD1の下流側からシート搬送装置100をみた場合、左方から右方(
図2では紙面の上方から下方)に向けた第2搬送方向TD2に沿って、実線で示す排出コンベア500へシートS1を搬送する。
【0026】
また、シート搬送装置100は、第1搬送方向TD1の下流側からシート搬送装置100をみた場合、右方から左方(
図2では紙面の下方から上方)に向けた第2搬送方向TD2に沿って、点線で示す排出コンベア500へシートS1を搬送することも可能である。シート搬送装置100が第2搬送方向TD2を切り替えることについては後述する。
【0027】
排出コンベア500は、シート搬送装置100から搬送されるシートS1を搬送する装置である。排出コンベア500は、複数列のシートS1が一纏めに積み重ねられた状態で、シート搬送装置100からシートS1を受け入れる。排出コンベア500は、
図2に実線で示す位置(第1搬送方向TD1の下流側からシート搬送装置100をみた場合の右方の位置)と、
図2に点線で示す位置(第1搬送方向TD1の下流側からシート搬送装置100をみた場合の左方の位置)のいずれかの位置に配置される。
【0028】
次に、図面を参照してシート搬送装置100について説明する。
図3は、
図1のシート搬送装置100を示す正面図である。
図4は、
図1のシート搬送装置100を示す正面図であり、ストッパ60から位置決め部65までの距離を第2長さL2とした状態を示す。第2長さL2は、第1長さL1よりも長い。
図5は、
図3に示すシート搬送装置100の左側面図でありシート集積部20にシートS1を集積させる搬入状態を示す。
図6から
図8は、
図3に示すシート搬送装置100の左側面図であり、シート集積部20に集積されたシートS1を搬出する搬出状態を示す。
図9は、
図5に示すシート搬送装置100を上方からみた平面図である。
図5から
図9では、シート搬送装置100の一部の構成の図示を省略している。
【0029】
図3および
図4に示すように、シート搬送装置100は、第1搬送部10と、シート集積部20と、第2搬送部30と、シート案内部40と、調整部50と、ストッパ(端板)60と、位置決め部65と、切替部70と、制御装置80と、を備える。
【0030】
第1搬送部10は、第1搬送方向TD1に沿って複数列でシートS1を搬送するとともに落下位置P0から高さ方向HDの下方に落下させる装置である。第1搬送部10は、第1搬送方向TD1の上流側から下流側に向けて、一対の搬送ローラ11と、一対の搬送ローラ12と、一対の搬送ローラ13と、を有する。
図8に示すように、第1搬送部10は、幅方向WDに複数列(
図8に示す例では5列)でシートS1を搬送し、シートS1を落下位置P0からシート集積部20に向けて下方に落下させる。
【0031】
シート集積部20は、落下位置P0から落下する複数列のシートS1を集積する装置である。
図9に示すように、シート集積部20は、第1列Co1のシートS1を集積する一対の第1集積部21と、第2列Co2のシートS1を集積する一対の第2集積部22と、第3列Co3のシートS1を集積する一対の第3集積部23と、第4列Co4のシートS1を集積する一対の第4集積部24と、第5列Co5のシートS1を集積する一対の第5集積部25と、積み重ねられたシートS1を支持するための一対の支持部26と、本体部27と、を有する。第1集積部21,第2集積部22,第3集積部23,第4集積部24,第5集積部25、および支持部26は、本体部27に取り付けられている。
【0032】
図5から
図8に示す第2搬送方向TD2は、シート集積部20に集積されるシートS1を搬送する方向であり、第1搬送方向TD1と直交する(交差する)方向である。
図5から
図8に示すように、第1集積部21は、第2搬送方向TD2の上流側から下流側に向けて高さ方向HDの位置が一定の勾配で漸次増加する第1傾斜面21aを有する。第2集積部22は、第2搬送方向TD2の上流側から下流側に向けて高さ方向HDの位置が一定の勾配で漸次増加する第2傾斜面22aを有する。
【0033】
第3集積部23は、第2搬送方向TD2の上流側から下流側に向けて高さ方向HDの位置が一定の勾配で漸次増加する第3傾斜面23aを有する。第4集積部24は、第2搬送方向TD2の上流側から下流側に向けて高さ方向HDの位置が一定の勾配で漸次増加する第4傾斜面24aを有する。第5集積部25は、第2搬送方向TD2の上流側から下流側に向けて高さ方向HDの位置が一定の勾配で漸次増加する第5傾斜面25aを有する。支持部26は、第2搬送方向TD2の上流側から下流側に向けて高さ方向HDの位置が一定の支持面26aを有する。
【0034】
図10は、シート集積部20および第2搬送部30を上方からみた平面図であり、保持部29が第1保持状態で集積ユニット28を保持する状態を示す。
図11は、
図10に示す集積ユニット28を保持部29から取り外した状態を示す平面図である。
図12は、シート集積部20および第2搬送部30を上方からみた平面図であり、保持部29が第2保持状態で集積ユニット28を保持する状態を示す。
【0035】
図10および
図11に示すようにシート集積部20は、第1集積部21,第2集積部22,第3集積部23,第4集積部24,第5集積部25、および支持部26が本体部27を介して取り付けられた集積ユニット28と、集積ユニット28を着脱可能に保持する保持部29と、を有する。
【0036】
本体部27の幅方向WDの両端部に形成された貫通穴27bと保持部29の幅方向WDの両端部に形成された貫通穴29aに締結ボルト28aを挿入し、締結ボルト28aに締結ナット28bを締結することにより、集積ユニット28が保持部29に保持される。なお、集積ユニット28を保持部29に保持する構造として、他の態様を採用してもよい。例えば、本体部27の貫通穴27bに替えて下方に突出するピンを配置し、ピンを保持部29の貫通穴29aに挿入することで集積ユニット28が保持部29に保持されるようにしてもよい。
【0037】
また、本体部27の下面に磁石を取り付け、保持部29を鉄等の磁性体で形成し、本体部27が磁石の磁力により保持部29に保持されるようにしてよい。また、保持部29の上面に磁石を取り付け、本体部27を鉄等の磁性体で形成し、本体部27が磁石の磁力により保持部29に保持されるようにしてよい。また、本体部27を保持部29に接触させた状態で、本体部27と保持部29とをクリップ等により挟み込むことで本体部27が保持部29に保持されるようにしてもよい。
【0038】
図10に示すように、保持部29は、第1搬送方向TD1の下流側からシート集積部20をみた場合、幅方向(水平方向)WDの左方から右方へ向けた第1方向DR1が第2搬送方向TD2となる第1保持状態で集積ユニット28を保持する。また、
図12に示すように、保持部29は、第1搬送方向TD1の下流側からシート集積部20をみた場合、幅方向(水平方向)WDの右方から左方へ向けた第2方向DR2が第2搬送方向TD2となる第2保持状態で集積ユニット28を保持する。
【0039】
作業者は、第1保持状態を第2保持状態に切り替える場合、締結ボルト28aから締結ナット28bを取り外し、
図10に示す保持部29から集積ユニット28を取り外し、集積ユニット28の幅方向WDの向きを反対側に切り替えて
図11に示す状態とする。その後、作業者は、本体部27の幅方向WDの両端部に形成された貫通穴27bと保持部29の幅方向WDの両端部に形成された貫通穴29aに締結ボルト28aを挿入し、締結ボルト28aに締結ナット28bを締結して
図12に示す状態とする。
【0040】
第2搬送部30は、第2搬送方向TD2に沿って搬送部材31を移動させることにより、第1集積部21,第2集積部22,第3集積部23,第4集積部24,第5集積部25のそれぞれに集積されたシートS1を積み重ね、積み重ねられたシートを第2搬送方向TD2に沿って移動させる装置である。第2搬送部30は、
図5から
図8に矢印で示す回転方向に沿って回転することにより搬送部材31を第2搬送方向TD2に沿って移動させる駆動機構32を備える。
【0041】
第2搬送部30は、
図5に示す第2搬送方向TD2の上流側の位置から第1集積部21へ向けて搬送部材31を移動させ、第1傾斜面21aに集積された第1群のシートS1を、第2傾斜面22aに集積された第2群のシートS1の上方に積み重ねる。第2搬送部30は、搬送部材31を第2搬送方向TD2に沿って更に移動させることにより、第2傾斜面22aに集積されたシートS1を第3傾斜面23aに集積された第3群のシートS1の上方に積み重ねる。
【0042】
また、第3傾斜面23aに集積されたシートS1を第4傾斜面24aに集積された第4群のシートS1の上方に積み重ねる。また、第4傾斜面24aに集積されたシートS1を第5傾斜面25aに集積された第5群のシートS1の上方に積み重ねて
図7に示す状態とする。
図8に示すように、第2搬送部30は、第5傾斜面25aに集積されたシートS1を支持部26の支持面26aに沿って移動させてシート搬送装置100の外部の排出コンベア500へ搬送する。
【0043】
搬送部材31は、断面が矩形の棒状部材である。搬送部材31は、第1集積部21から支持部26に向けて第2搬送方向TD2に沿って移動する際に、高さ方向HDに沿って延びるように配置される。搬送部材31は、第2搬送方向TD2と直交する面をシートS1に突き当てることにより、シートS1を第2搬送方向TD2に沿って移動させる。
【0044】
図10に示すように、シート集積部20の本体部27には、第1集積部21の上流側から支持部26まで第2搬送方向TD2に沿って延びるスリット27aが形成されている。搬送部材31は、スリット27aに挿入された状態で、第1集積部21の上流側から支持部26まで第2搬送方向TD2に沿って移動する。
【0045】
図10に示す第1保持状態において、第2搬送部30は、第1方向DR1へ搬送部材31を移動させてシート集積部20に集積されたシートS1を排出コンベア500へ搬送する。
図12に示す第2保持状態において、第2搬送部30は、第2方向DR2へ搬送部材31を移動させてシート集積部20に集積されたシートS1を排出コンベア500へ搬送する。
【0046】
シート案内部40は、第1搬送部10の落下位置P0から落下する複数列のシートS1が第1集積部21,第2集積部22,第3集積部23,第4集積部24,第5集積部25のそれぞれに落下するように案内する装置である。シート案内部40は、板状に形成される案内部材41,42,43,44,45と、案内部材41,42,43,44,45が取り付けられる本体部46と、を備える。
【0047】
案内部材41は、シート集積部20の上方で第2搬送方向TD2の第1集積部21と第2集積部22の間に高さ方向HDに延びるように配置されるとともに落下位置P0から落下する第1列Co1のシートS1が第1集積部21に落下し、かつ落下位置P0から落下する第2列Co2のシートS1が第2集積部22に落下するように案内する。案内部材41は、第1集積部21の第1傾斜面21aの第2搬送方向TD2の下流側端部に配置される。
【0048】
案内部材42は、シート集積部20の上方で第2搬送方向TD2の第2集積部22と第3集積部23の間に高さ方向HDに延びるように配置されるとともに落下位置P0から落下する第2列Co2のシートS1が第2集積部22に落下し、かつ落下位置P0から落下する第3列Co3のシートS1が第3集積部23に落下するように案内する。案内部材42は、第2集積部22の第2傾斜面22aの第2搬送方向TD2の下流側端部に配置される。
【0049】
案内部材43は、シート集積部20の上方で第2搬送方向TD2の第3集積部23と第4集積部24の間に高さ方向HDに延びるように配置されるとともに落下位置P0から落下する第3列Co3のシートS1が第3集積部23に落下し、かつ落下位置P0から落下する第4列Co4のシートS1が第4集積部24に落下するように案内する。案内部材43は、第3集積部23の第3傾斜面23aの第2搬送方向TD2の下流側端部に配置される。
【0050】
案内部材44は、シート集積部20の上方で第2搬送方向TD2の第4集積部24と第5集積部25の間に高さ方向HDに延びるように配置されるとともに落下位置P0から落下する第4列Co4のシートS1が第4集積部24に落下し、かつ落下位置P0から落下する第5列Co5のシートS1が第5集積部25に落下するように案内する。案内部材44は、第4集積部24の第4傾斜面24aの第2搬送方向TD2の下流側端部に配置される。
【0051】
案内部材45は、シート集積部20の上方で第2搬送方向TD2の第5集積部25と支持部26の間に高さ方向HDに延びるように配置されるとともに落下位置P0から落下する第4列Co4のシートS1が第4集積部24に落下し、かつ落下位置P0から落下する第5列Co5のシートS1が第5集積部25に落下するように案内する。案内部材45は、第5集積部25の第5傾斜面25aの第2搬送方向TD2の下流側端部に配置される。
【0052】
調整部50は、案内部材41,42,43,44,45の高さ方向HDの下端よりも搬送部材31の高さ方向HDの上端が上方に配置される搬入状態と、案内部材41,42,43,44,45の高さ方向HDの下端よりも搬送部材31の高さ方向HDの上端が下方に配置される搬出状態とを切り替えるよう第2搬送部30に対するシート案内部40の高さ方向HDの位置を調整する装置である。
【0053】
調整部50は、シート案内部40の本体部46の第2搬送方向TD2の両端部を高さ方向HDに沿って移動させる一対の調整機構51,52と、シート集積部20の本体部27の第2搬送方向TD2の両端部を高さ方向HDに沿って移動させる一対の調整機構53,54と、を備える。
【0054】
図5において、調整部50は、案内部材41,42,43,44,45の高さ方向HDの下端よりも搬送部材31の高さ方向HDの上端が上方に配置される搬入状態となるように、第2搬送部30に対するシート案内部40の高さ方向HDの位置を調整している。一方、
図6から
図8において、調整部50は、案内部材41,42,43,44,45の高さ方向HDの下端よりも搬送部材31の高さ方向HDの上端が下方に配置される搬出状態となるように、第2搬送部30に対するシート案内部40の高さ方向HDの位置を調整している。
【0055】
調整部50は、
図6から
図8に示す搬出状態において、
図5に示す搬入状態よりも本体部46が上方に配置されるように一対の調整機構51,52を動作させる。また、調整部50は、
図6から
図8に示す搬出状態において、
図5に示す搬入状態よりも本体部27が下方に配置されるように一対の調整機構53,54を動作させる。
【0056】
調整機構51は、連結部材51aによりシート案内部40に連結されている。調整機構52は、連結部材52aによりシート案内部40に連結されている。調整機構53は、連結部材53aによりシート集積部20に連結されている。調整機構54は、連結部材54aによりシート集積部20に連結されている。調整機構51,52は、連結部材51a,52aを高さ方向HDに沿って移動させることにより、シート案内部40の高さ方向HDの位置を調整する。
【0057】
調整機構53,54は、連結部材53a,54aを高さ方向HDに沿って移動させることにより、シート集積部20の高さ方向HDの位置を調整する。調整機構51,52,53,54は、連結部材51a,52a,53a,54aを高さ方向HDに沿って移動させる動力を、例えば、モータ、エアシリンダ、ソレノイド等により発生させる。
【0058】
図3に示すように、ストッパ60は、第1搬送方向TD1のシート集積部20よりも下流側に配置されるとともに落下位置P0から落下するシートS1の第1搬送方向TD1の先端が突き当てられる板状部材である。ストッパ60は、第2搬送方向TD2および高さ方向HDに延びるように形成されている。
【0059】
図3に示すように、位置決め部65は、第1搬送方向TD1のシート集積部20よりも上流側に配置されるとともに落下位置P0から落下するシートS1の第1搬送方向TD1の後端を位置決めする板状部材である。位置決め部65は、第2搬送方向TD2および高さ方向HDに延びるように形成されている。
【0060】
切替部70は、第1搬送方向TD1において、位置決め部65とストッパ60との中間位置に搬送部材31が配置されるように、位置決め部65に対する搬送部材31およびストッパ60の位置を切り替える装置である。切替部70は、操作ハンドル71と、回転軸72と、第1送りねじ73と、第2送りねじ74と、を備える。
【0061】
回転軸72は、作業者が操作ハンドル71を回転させる動力により回転する。回転軸72が回転すると、回転軸72に固定されたタイミングプーリ72aおよびタイミングプーリ72aに掛け回されたタイミングベルト72bが回転する。タイミングベルト72bが回転すると、タイミングベルト72bが掛け回されたタイミングプーリ73aが回転する。
【0062】
タイミングプーリ73aは、第1送りねじ73に形成される雄ねじと係合する雌ねじを有する。タイミングプーリ73aが回転すると、第1送りねじ73が第1搬送方向TD1に沿って進退する。第1送りねじ73の端部にストッパ60が固定されている。ストッパ60は、タイミングプーリ73aの回転に応じて第1搬送方向TD1における位置が変動する。
【0063】
回転軸72が回転すると、回転軸72に固定されたタイミングプーリ72cおよびタイミングプーリ72cに掛け回されたタイミングベルト72dが回転する。タイミングベルト72dが回転すると、タイミングベルト72dが掛け回されたタイミングプーリ74aが回転する。
【0064】
タイミングプーリ74aは、第2送りねじ74に形成される雄ねじと係合する雌ねじを有する。第2送りねじ74は、固定部75に対して回転しないように固定されている。タイミングプーリ74aが回転すると、タイミングプーリ74aが回転可能に連結される台車90が第1搬送方向TD1に沿って進退する。台車90は、タイミングプーリ74aの回転に応じて第1搬送方向TD1における位置が変動する。台車90が移動すると、台車90に固定されたシート集積部20および第2搬送部30が第1搬送方向TD1に移動する。
【0065】
作業者は、操作ハンドル71を回転させることにより、第1搬送方向TD1において、位置決め部65とストッパ60との中間位置に搬送部材31が配置されるように、位置決め部65に対する搬送部材31およびストッパ60の位置を切り替える。操作ハンドル71を1回転させる際、搬送部材31が第1搬送方向TD1に移動する移動量は、ストッパ60が第1搬送方向TD1に移動する移動量の半分となる。そのため、操作ハンドル71を回転させてストッパ60の第1搬送方向TD1の位置を任意の位置に移動させても、位置決め部65とストッパ60との中間位置に搬送部材31が配置される状態が維持される。
【0066】
制御装置80は、シート搬送装置100の各部を制御する装置である。制御装置80は、第1搬送部10が落下位置P0からシートS1を落下させる際に搬入状態となり、第2搬送部30がシート集積部20に集積されたシートS1を搬出する際に搬出状態となるよう調整部50を制御する。
【0067】
制御装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
【0068】
次に、
図13および
図14を参照して、本実施形態の搬送モード設定方法について説明する。
図13は、本発明の一実施形態に係るシート搬送装置100の搬送モード設定方法を示すフローチャートである。
図14は、本発明の一実施形態に係るシート搬送装置100の制御構成を示すブロック図である。
【0069】
図14に示すように、制御装置80は、搬送モード設定部81と、搬送制御部82と、を有する。搬送モード設定部81は、第1搬送方向TD1の下流側からシート集積部20をみた場合に第1方向DR1へ搬送部材31を移動させる第1搬送モードと、第1搬送方向TD1の下流側からシート集積部20をみた場合に第2方向DR2へ搬送部材31を移動させる第2搬送モードとのいずれかを設定する。搬送制御部82は、搬送モード設定部81が第1搬送モードを設定する場合に第1方向DR1へ搬送部材31を移動させ、搬送モード設定部81が第2搬送モードを設定する場合に第2方向DR2へ搬送部材31を移動させるよう第2搬送部30を制御する。
【0070】
図13に示すように、ステップS101で、作業者は、排出コンベア500が
図2に示す実線の位置に配置されるか、点線の位置に配置されるかに応じて、第2搬送方向TD2を第1方向DR1とするか第2方向DR2とするかを判断する。作業者は、排出コンベア500が
図2に示す実線の位置に配置され、第2搬送方向TD2を第1方向DR1とする場合はYESと判断し、排出コンベア500が
図2に示す点線の位置に配置され、第2搬送方向TD2を第2方向DR2とする場合はNOと判断する。
【0071】
ステップS102で、作業者は、第1搬送方向TD1の下流側からシート集積部20をみた場合、幅方向WDの左方から右方へ向けた第1方向DR1が第2搬送方向TD2となるように保持部29が集積ユニット28を保持する第1保持状態(
図10に示す状態)であるか、幅方向WDの右方から左方へ向けた第2方向DR2が第2搬送方向TD2となるように保持部29が集積ユニット28を保持する第2保持状態(
図12に示す状態)であるかを判断する。作業者は、YESであればステップS103に処理を進め、NOであればステップS104に処理を進める。
【0072】
ステップS103で、作業者は、保持部29が集積ユニット28を第1保持状態で保持するため、第1保持状態を第2保持状態に切り替える必要がないと判断し、搬送モード設定部81に対して入力手段(タッチパネル等)を介して第1搬送モードを設定する。作業者は、第1搬送モードを設定したことに応じて、本フローチャートの処理を終了させる。
【0073】
ステップS104で、作業者は、保持部29が集積ユニット28を第2保持状態で保持するため、第2保持状態を第1保持状態に切り替える必要があると判断し、第2保持状態を第1保持状態に切り替える。作業者は、締結ナット28bが締結ボルト28aに締結された状態を解除して保持部29から集積ユニット28を取り外す。
【0074】
その後、作業者は、集積ユニット28の幅方向WDの向きを反対側に入れ替え、本体部27の幅方向WDの両端部に形成された貫通穴27bと保持部29の幅方向WDの両端部に形成された貫通穴29aに締結ボルト28aを挿入し、締結ボルト28aに締結ナット28bを締結して
図10に示す第1保持状態とする。
【0075】
ステップS105で、作業者は、保持部29が集積ユニット28を第2保持状態で保持しているか、第1保持状態で保持しているかを判断する。作業者は、YESであればステップS106に処理を進め、NOであればステップS107に処理を進める。
【0076】
ステップS106で、作業者は、保持部29が集積ユニット28を第2保持状態で保持するため、第2保持状態を第1保持状態に切り替える必要がないと判断し、搬送モード設定部81に対して入力手段(タッチパネル等)を介して第2搬送モードを設定する。作業者は、第2搬送モードを設定したことに応じて、本フローチャートの処理を終了させる。
【0077】
ステップS107で、作業者は、保持部29が集積ユニット28を第1保持状態で保持するため、第1保持状態を第2保持状態に切り替える必要があると判断し、第1保持状態を第2保持状態に切り替える。作業者は、締結ナット28bが締結ボルト28aに締結された状態を解除して保持部29から集積ユニット28を取り外し、
図10に示す第1保持状態を解除して、
図12に示す第2保持状態に切り替える。
【0078】
次に、本発明の一実施形態に係るシート搬送装置100の制御方法について、図面を参照して説明する。
図15は、本発明の一実施形態に係るシート搬送装置100の制御方法を示すフローチャートである。
図15に示す処理は、
図14に示す搬送制御部82が実行する。
【0079】
ステップS201で、搬送制御部82は、案内部材41,42,43,44,45の高さ方向HDの下端よりも搬送部材31の高さ方向HDの上端が下方に配置される搬出状態を、案内部材41,42,43,44,45の高さ方向HDの下端よりも搬送部材31の高さ方向HDの上端が上方に配置される搬入状態に切り替えるように、調整部50を制御する。調整部50は、第2搬送部30に対するシート案内部40の高さ方向HDの距離が短くなるよう一対の調整機構51,52を動作させ、
図5に示す搬入状態とする。
【0080】
また、調整部50は、シート集積部20の本体部27から落下位置P0までの高さ方向HDの距離が第1距離D1となるよう一対の調整機構53,54を動作させる。本体部27から落下位置P0までの第1距離D1は、後述する搬出状態における本体部27から落下位置P0までの第2距離D2よりも短い。搬入状態において、シート集積部20の本体部27から落下位置P0までの第1距離D1を搬出状態における第2距離D2よりも短くしているのは、落下位置P0からシート集積部20までの第1距離D1を搬出状態よりも短くすることで、シートS1がシート集積部20に安定して積載されるようにするためである。
【0081】
ステップS202で、搬送制御部82は、第1搬送部10を駆動して幅方向WDに複数列(
図7に示す例では5列)でシートS1を搬送し、シートS1を落下位置P0からシート集積部20に向けて下方に落下させる。
【0082】
ステップS203で、搬送制御部82は、搬入状態を搬出状態へ変更するかどうかを判断する。制御装置80は、YESと判断する場合にステップS204に処理を進め、NOと判断する場合は搬入状態を維持して第1搬送部10の駆動を継続する。
ステップS204で、搬送制御部82は、第1搬送部10を停止させるよう制御する。なお、ステップS204では、予め給紙装置200からの給紙動作を停止させるようにし、第1搬送部10の駆動を継続する変形例としてもよい。
【0083】
ステップS205で、搬送制御部82は、搬入状態を搬出状態に切り替えるように、調整部50を制御する。調整部50は、第2搬送部30に対するシート案内部40の高さ方向HDの距離が長くなるよう一対の調整機構51,52を動作させ、
図6に示す搬出状態とする。
【0084】
また、調整部50は、シート集積部20から落下位置P0までの高さ方向HDの距離が第2距離D2となるよう一対の調整機構53,54を動作させる。本体部27から落下位置P0までの第2距離D2は、搬入状態における本体部27から落下位置P0までの第1距離D1よりも長い。搬出状態において、シート集積部20から落下位置P0までの第2距離D2を搬入状態における第1距離D1よりも長くしているのは、落下位置P0からシート集積部20までの第2距離D2を搬入状態よりも長くすることで、シート集積部20に集積可能なシートS1の枚数を十分に確保するためである。
【0085】
ステップS206で、搬送制御部82は、第2搬送部30を駆動し、第1集積部21,第2集積部22,第3集積部23,第4集積部24,第5集積部25のそれぞれに集積されたシートS1を積み重ね、積み重ねられたシートS1を第2搬送方向TD2に沿って移動させる。
【0086】
搬送制御部82は、保持部29が第1保持状態で集積ユニット28を保持し、搬送モード設定部81が第1搬送モードを設定する場合に、第1方向DR1へ搬送部材31を移動させるよう第2搬送部30を制御する。すなわち、搬送制御部82は、
図5に示す状態から、
図6,
図7,
図8に示す状態に変化するように第1方向DR1へ搬送部材31を移動させる。
【0087】
また、搬送制御部82は、保持部29が第2保持状態で集積ユニット28を保持し、搬送モード設定部81が第2搬送モードを設定する場合に、第2方向DR2へ搬送部材31を移動させるよう第2搬送部30を制御する。すなわち、搬送制御部82は、
図16に示す状態から、
図17,
図18,
図19に示す状態に変化するように第2方向DR2へ搬送部材31を移動させる。
図16は、シート搬送装置100の左側面図であり、シート集積部20にシートS1を集積させる搬入状態を示す。
図17から
図19は、シート搬送装置100の左側面図であり、シート集積部20に集積されたシートS1を搬出する搬出状態を示す。
【0088】
ステップS207で、搬送制御部82は、第2搬送部30を停止させるよう制御する。
ステップS208で、搬送制御部82は、シートS1の搬送動作を終了させるかどうかを判断し、YESであれば本フローチャートの処理を終了させ、NOであればステップS101以降の処理を繰り返す。
【0089】
以上説明した本実施形態のシート搬送装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のシート搬送装置100によれば、第1搬送部10により搬送される複数列のシートS1が落下位置P0から下方に落下し、第1列Co1のシートが第1集積部21に集積され、第2列Co2のシートS1が第2集積部22に集積される。そして、搬送部材31を第2搬送方向TD2に沿って移動させることにより、第1集積部21に集積された第1列のシートS1が第1傾斜面21aに沿って高さ方向HDの上方に移動し、第2集積部22に集積された第2列Co2のシートS1の上方に積み重ねられ、積み重ねられたシートS1が第2搬送方向TD2に沿って移動する。
【0090】
本実施形態のシート搬送装置100によれば、シート集積部20は、第1集積部21および第2集積部22が本体部27を介して取り付けられた集積ユニット28と、集積ユニット28を着脱可能に保持する保持部29と、を有する。保持部29は、第1搬送方向TD1の下流側からシート集積部20をみた場合、幅方向(水平方向)WDの左方から右方へ向けた第1方向DR1が第2搬送方向TD2となる第1保持状態と、幅方向WDの右方から左方へ向けた第2方向DR2が第2搬送方向TD2となる第2保持状態とのいずれかで集積ユニット28を保持する。第1保持状態と第2保持状態とを切り替えることにより、シート集積部20に集積された複数列のシートS1を積み重ねて搬送する方向を容易に切り替えることができる。
【0091】
また、本実施形態のシート搬送装置100によれば、搬送モード設定部81で第1搬送モードと第2搬送モードのいずれかを設定することにより、第1搬送モードを設定する場合は第1方向DR1へ搬送部材31を移動させ、第2搬送モードを設定する場合は第2方向DR2へ搬送部材31を移動させるよう第2搬送部30を適切に制御することができる。
【0092】
〔他の実施形態〕
以上の説明において、シート処理システム1は、給紙装置200から給紙されるシートS0から抜き装置300で複数のシートS1を抜き出し、分離装置400でシートS0から複数のシートS1を分離してシート搬送装置100へ搬送するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、シート処理システム1は、給紙装置200から給紙されるシートS0をシートカッター(図示略)により第1搬送方向TD1およびそれに直交する方向に切断して詳細図のシートを形成し、形成したシートをシート搬送装置100するものとしてもよい。
【0093】
以上の説明において、第1搬送部10は、分離装置400から供給される複数のシートS1を1枚ずつ落下位置P0からシート集積部20に向けて下方に落下させるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、第1搬送部10がシートS1を第1搬送方向TD1に沿って搬送する搬送速度を分離装置400がシートS1を第1搬送方向TD1に沿って搬送する搬送速度よりも遅くし、第1搬送部10が第1搬送方向TD1において一部が重なった状態の複数のシートS1を落下位置P0からシート集積部20に向けて下方に落下させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 シート処理システム
10 第1搬送部
11,12,13 搬送ローラ
20 シート集積部
21 第1集積部
21a 第1傾斜面
22 第2集積部
22a 第2傾斜面
26 支持部
26a 支持面
27 本体部
27a スリット
27b 貫通穴
28 集積ユニット
28a 締結ボルト
28b 締結ナット
29 保持部
29a 貫通穴
30 第2搬送部
31 搬送部材
32 駆動機構
40 シート案内部
41,42,43,44,45 案内部材
46 本体部
50 調整部
51,52,53,54 調整機構
60 ストッパ
70 切替部
71 操作ハンドル
72 回転軸
73 第1送りねじ
74 第2送りねじ
80 制御装置
81 搬送モード設定部
82 搬送制御部
90 台車
100 シート搬送装置
200 給紙装置
300 抜き装置
400 分離装置
DR1 第1方向
DR2 第2方向
HD 高さ方向
P0 落下位置
S0,S1 シート
TD1 第1搬送方向
TD2 第2搬送方向
WD 幅方向(水平方向)