IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 丸藤シートパイル株式会社の特許一覧

特開2024-173076覆工板用昇降タラップ及びその取付具
<>
  • 特開-覆工板用昇降タラップ及びその取付具 図1
  • 特開-覆工板用昇降タラップ及びその取付具 図2
  • 特開-覆工板用昇降タラップ及びその取付具 図3
  • 特開-覆工板用昇降タラップ及びその取付具 図4
  • 特開-覆工板用昇降タラップ及びその取付具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173076
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】覆工板用昇降タラップ及びその取付具
(51)【国際特許分類】
   E01C 9/08 20060101AFI20241205BHJP
   E01C 9/10 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E01C9/08 A
E01C9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091198
(22)【出願日】2023-06-01
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】391014550
【氏名又は名称】丸藤シートパイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】吉野 充
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博紀
(72)【発明者】
【氏名】渡井 聖
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA07
2D051AH07
(57)【要約】
【課題】覆工板の積層体に容易に着脱できる昇降タラップを提供する
【解決手段】覆工板200の積層体に取り付けられる昇降タラップ100であって、覆工板200のズレ止め板210に一部を引っ掛けるようにして覆工板200の立面220に固定される取付具10,20と、取付具10,20によって保持されるタラップ本体30を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
覆工板(200)の積層体に取り付けられる昇降タラップ(100)であって、
前記覆工板のズレ止め板(210)に一部を引っ掛けるようにして前記覆工板の立面(220)に固定される取付具(10,20)と、
前記取付具によって保持されるタラップ本体(30)を備える
昇降タラップ。
【請求項2】
前記取付具は、
前記覆工板の立面に当接される取付部品(10)と、
前記取付部品と前記覆工板のズレ止め板をクランプすることにより前記取付部品を前記覆工板の立面に固定する締結部品(20)を有する
請求項1に記載の昇降タラップ。
【請求項3】
前記取付部品は、
第1の覆工板(200(a))の立面(220(a))に当接する正面部(11)と、
前記正面部から上方に延在し、前記第1の覆工板の上方に積層された第2の覆工板(200(b))の立面(220(b))に当接する押え部(14)を有し、
前記締結部品は、前記取付部品の前記押え部と前記覆工板のズレ止め板をクランプする
請求項2に記載の昇降タラップ。
【請求項4】
前記締結部品(20)は、
一端側に前記覆工板のズレ止め板に引っ掛けられる引掛部(21b)を有するボルト(21)と、
前記ボルトの他端側から締め込まれるナット(22)を有する
請求項2に記載の昇降タラップ。
【請求項5】
覆工板(200)の積層体にタラップ本体(30)を取り付けるための取付具(10,20)であって、
前記取付具は、前記覆工板のズレ止め板(210)に一部を引っ掛けるようにして前記覆工板の立面(220)に固定され、前記タラップ本体を保持するための保持部(12)を有する
取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ねられた覆工板を昇降するためのタラップに関する。また、本発明は、タラップ本体を覆工板の積層体に取り付けるための取付具にも関連する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄工事や上下水道など、道路を掘削して構造物を埋設する工事では、開削工法により路面を掘削して地下工事を施工することが一般的である。その場合、例えば交通の少ない夜間に路面を掘削や掘削土砂の搬出が行われ、昼間は交通を妨げないように開渠又は立て杭上面を覆工板で覆い、この覆工板上を車や人等が通行できるようにしている。例えば、掘削溝の壁面に沿って複数の矢板を打ち込み作業空間を確保するとともに、掘削溝を横切るようにH型鋼材等からなる受桁が所定の間隔で配設され、この受桁上に覆工板が設置される。また、覆工板は、その底面に断面L字型のズレ止め板が複数枚固定されており、このズレ止め板を受桁に係合させることで、受桁上でズレないように位置決めされる。
【0003】
このような覆工板は、掘削工事中は受桁上に配設する必要がないことから、工事現場の空きスペース等に複数枚積み重ねて保管されている。また、覆工板を工事現場に搬送したり現場から回収する際には、トラックの荷台等に覆工板が複数枚積み重ねられることになる。このとき、例えば積み重ねられた覆工板が崩れないようにワイヤー等で拘束しておく必要があるが、その際には覆工板の積層体の上に作業員が乗り、ワイヤーの位置決め作業や締め具合の確認作業を行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3102254号公報
【特許文献2】特開2002-088705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、作業員が覆工板の積層体の上に乗って何らかの作業を行うことがあるが、その際には、覆工板のズレ止め板がスペーサの役割を果たすことによって形成された隙間に、作業員が爪先を掛けて覆工板を昇降するという動作が、従来から一般的に行われている。しかし、覆工板はほぼ垂直に積み重ねられることから、このような昇降動作では作業員がバランスを取りにくいという問題がある。特に、覆工板の積層体には爪先を掛ける場所はあっても手で掴む場所が少ないことから、昇降する作業員の体重が爪先に集中することになり、もし爪先が覆工板から外れてしまうと作業員が一気に転落してしまうという危険性がある。また、脚立やステップなどを別途設置して覆工板の積層体への昇降を補助することも考えられるが、トラックの荷台や保管スペースの限られた現場ではこのような脚立等を設置する余裕がないことも多い。このため、覆工板の積層体に少ないスペースで容易に取り付けることのできるタラップ(梯子)があると便利である。
【0006】
そこで、本発明は、覆工板の積層体に容易に着脱できる昇降タラップを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、上記の目的を達成する手段について鋭意検討した結果、一般的な覆工板にはズレ止め板が設けられていることに着目し、このズレ止め板に一部を引っ掛けるようにして覆工板の積層体に昇降タラップを固定できるようにすれば、昇降タラップの着脱が容易になるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成を有する。
【0008】
本発明の第1の側面は、昇降タラップ100に関する。昇降タラップ100は、覆工板200の積層体に取り付けて使用される。昇降タラップ100は、取付具10,20とタラップ本体30を備える。取付具10,20は、覆工板200のズレ止め板210に一部を引っ掛けるようにして覆工板200の立面220に固定される。タラップ本体30は、
この取付具10,20によって保持されるものであり、作業員が昇降可能な梯子構造となっている。なお、タラップ本体30は、取付具10,20に対して取外し可能なものであってもよいし、取付具10,20に対して取り外しできないように一体化されていてもよい。
【0009】
前述したとおり、覆工板200の底面には、現場での施工時に、H型鋼材等からなる受桁に係合させるための断面L字型のズレ止め板210が設けられている。また、このズレ止め板210は、覆工板200を積み重ねるときには、上下の覆工板200の間に隙間を形成するスペーサの役割を果たす。そこで、本発明のように、この覆工板200のズレ止め板210に引っ掛けて固定可能な構造を採用することで、覆工板200の積層体に容易に着脱できる昇降タラップ100を提供することができる。
【0010】
本発明に係る昇降タラップ100において、取付具10,20は、取付部品10と締結部品20を有することが好ましい。取付部品10は、覆工板200の立面220に当接させるための部品である。締結部品20は、取付部品10と覆工板200のズレ止め板210をクランプすることにより、取付部品10を覆工板200の立面220に固定するための部品である。なお、「クランプする」とは、締結部品20によって取付部品10とズレ止め板210(あるいはそれらの間の覆工板200の一部)に対して圧縮力を付加し、それに反発する張力(軸力)を発生させることを意味する。これにより、取付部品10を覆工板200の立面220に固定することができる。締結部品20としては、例えばボルトとナットの組み合わせや、取付部品10とズレ止め板210を挟み込む締め具などを用いることができる。これにより、昇降タラップ100を覆工板200の積層体に容易に着脱することができる。
【0011】
本発明に係る昇降タラップ100において、取付部品10は、正面部11と押え部14を有することが好ましい。正面部11は、第1の覆工板200(a)の立面220(a)に当接する部位である。押え部14は、この正面部11から上方に延在し、第1の覆工板200(a)の上方に積層された第2の覆工板200(b)の立面220(b)に当接する部位である。この場合、締結部品20は、取付部品10の押え部14と覆工板200のズレ止め板210をクランプする。取付部品10の押え部14と覆工板200のズレ止め板210は、第1の覆工板200(a)と第2の覆工板200(b)の間の隙間に位置することから、簡易的な構造の締結部品20(後述するボルト21とナット22等)によって取付部品10を覆工板200の立面220に固定することができる。
【0012】
本発明に係る昇降タラップ100において、締結部品20は、ボルト21とナット22を有することが好ましい。ボルト21は、その一端側に覆工板200のズレ止め板210に引っ掛けられる引掛部21bを有している。ナット22は、ボルト21の他端側から締め込まれる。このようにボルト21とナット22といった簡易的な構造によって締結部品20を実現できる。
【0013】
本発明の第2の側面は、取付具10,20に関する。取付具10,20は、覆工板200の積層体にタラップ本体30を取り付けるために用いられる。取付具10,20は、覆工板200のズレ止め板210に一部を引っ掛けるようにして覆工板200の立面220に固定され、タラップ本体30を保持するための保持部12を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、覆工板の積層体に容易に着脱できる昇降タラップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る昇降タラップを示した斜視図である。
図2図2は、昇降タラップの構成要素を示した分解斜視図である。
図3図3は、昇降タラップを覆工板の積層体に固定した状態を示した側面図である。
図4図4は、昇降タラップを覆工板の積層体に固定した状態を示した正面図である。
図5図5は、昇降タラップと覆工板の取付部分を示した拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る昇降タラップ100を示している。図1では、昇降タラップ100を実線で示し、この昇降タラップ100が固定される覆工板200の積層体を破線で示している。また、図2は、昇降タラップ100の構成要素を分解して示したものであり、各要素の結合位置を破線で示している。図3から図5は、昇降タラップ100を覆工板200の積層体に固定した状態を示しており、特に図5は昇降タラップ100と覆工板200の取付部分を拡大して示している。
【0018】
昇降タラップ100が取り付けられる覆工板200としては、一般的に市販され流通しているものを用いればよい。図1図3で示した例では、覆工板200は、その底面に断面L字型のズレ止め板210が前後に2箇所ずつ(合計4箇所)設けられている。L字型のズレ止め板210は、一方の片が覆工板200の底面に接合され、他方の片が覆工板200の底面に対して垂直に起立するように構成されている。このズレ止め板210は、覆工板200を工事現場等に配置する際に受桁に係合させて、この受桁上で覆工板200を位置決めするために用いられる。また、図3等に示されるように、複数の覆工板200を積み重ねる際には、このズレ止め板210が各覆工板200の間に隙間を形成するスペーサの役割りを果たす。各ズレ止め板210は、一定の高さを有するものであり、例えばズレ止め板210の高さは50~100mm(特に70~80mm)とすることが一般的であるが、これに限定されない。また、覆工板200は、平面上に設置したときに略垂直な面となる立面220を有している。この立面220の高さは覆工板200の厚みに相当する。立面220の高さは、例えば150~250mm(特に180~220mm)とすることが一般的であるが、これに限定されない。
【0019】
各図に示されるように、昇降タラップ100は、主に、取付部品10、締結部品20、及びタラップ本体30を備える。取付部品10は、締結部品20によって覆工板200の立面220に固定され、タラップ本体30を保持するために用いられる部品である。締結部品20は、取付部品10を固定するために用いられる部品である。タラップ本体30は、取付部品10によって保持され、作業者が覆工板200の積層体を昇降するための梯子構造をなしている。
【0020】
取付部品10は、例えば図2に示されるように、基本的には断面L字型の金具であり、覆工板200への固定状態において、覆工板200の立面220に当接する板状の正面部11と、覆工板200の天面に当接する板状の上面部13を有している。これらの正面部11と上面部13は略直角に交わっている。これにより、取付部品10は覆工板200の角部分に密着するようになる。また、取付部品10の正面部11には、タラップ本体30を保持するための保持部12が設けられている。具体的には、取付部品10の保持部12は、タラップ本体30の被保持部33と係合することにより、このタラップ本体30を保持する。本実施形態において、タラップ本体30の被保持部33は下向きのL字型のピン形状となっており、取付部品10の保持部12は、このピン形状の被保持部33を差し込み可能な上向きの筒形状となっている。なお、本実施形態において、取付部品10には保持部12が2箇所設けられ、同様にタラップ本体30にも被保持部33が2箇所設けられている。これにより、取付部品10によるタラップ本体30の保持状態が安定する。
【0021】
また、取付部品10は、押え部14をさらに有している。この押え部14は、正面部11の上方に延在した板状の部位であり、正面部11と平行かつ一直線上に連なった平面をなしている。本実施形態において、押え部14は、取付部品10の長手方向の両端に1箇所ずつ(合計2箇所)設けられている。この押え部14の高さは、覆工板200のズレ止め板210よりも高くなるように設計する必要がある。換言すると、この押え部14の高さは、積み重ねられた上下の覆工板200の間の隙間の高さよりも高くなっている。具体的には、図5に示されるように、取付部品10を第1の覆工板200(a)とその上方に積み重ねられた第2の覆工板200(b)の間に取り付けることを想定する。この場合に、取付部品10の正面部11を第1の覆工板200(a)の立面220に当接した状態とすると、取付部品10の押え部14は、第1の覆工板200(a)と第2の覆工板200(b)の間の隙間を超えて、第2の覆工板200(b)の立面220にまで延在し、この第2の覆工板200(b)の立面220に当接した状態となる。押え部14の高さが足りないと取付部品10を覆工板200の積層体に固定することができなくなるため留意すべきである。
【0022】
また、取付部品10の押え部14は、締結部品20によって、覆工板200のズレ止め板210と共にクランプされる。すなわち、締結部品20は、主に取付部品10の押え部14と覆工板200のズレ止め板210に対して圧縮力を付与する。これにより、締結部品20に張力(軸力)が発生し、取付部品10全体が覆工板200の立面220に対して密着するように付勢され、その結果、取付部品10は覆工板200の立面220に固定される。
【0023】
本実施形態では、締結部品20として、例えば図2図5に示されるように、ボルト21、ナット22、及びワッシャ23が用いられている。また、取付部品10の押え部14には差込孔15が形成されており、この差込孔15には締結部品20のボルト21を差し込むことができる。ボルト21は、ネジ山が形成された棒状のネジ部21aと、このネジ部21aの一端に設けれられた引掛部21bと、このネジ部21aの他端に設けられた把持部21cを含んで構成されている。ボルト21の引掛部21bは、覆工板200のズレ止め板210の裏面(ズレ止め板210のうち取付部品10とは正対しない面)に引っ掛けることができるように構成されている。例えば、引掛部21bは、ボルト21の一端から横方向に向かって延びる板状の部材によって構成されている。なお、前述した取付部品10の押え部14に形成された差込孔15は、このボルト21の引掛部21bが通過できる開口面積と形状となっている。さらに、ボルト21のネジ部21aの他端には把持部21cが接合されている。この把持部21cは、例えば引掛部21bを覆工板200のズレ止め板210の裏面側に引っ掛けた状態において、ネジ部21aの他端から下方に向かって延在する円柱又は円筒状の部材である。ボルト21の把持部21cは、後述するようにナット22を締め込む際にボルト21が回転してしまうことを阻止するために、作業者によって把持されることを想定している。
【0024】
また、ボルト21のネジ部21aには、ナット22及びワッシャ23が嵌め込まれている。本実施形態では、前述した通り、ネジ部21aの他端に把持部21cが設けられているため、後からナット22及びワッシャ23をネジ部21aに嵌合させることができない。このため、ネジ部21aに把持部21cを接合する前に、このネジ部21aにナット22とワッシャ23を嵌合させておく必要がある。なお、ワッシャ23は、ボルト21のネジ部21aに嵌合している状態において、ボルト21の引掛部21bとナット22の間に設けられる。なお、ナット22は人手で締め込みやすいように、いわゆる蝶型となっていることが好ましい。また、前述した取付部品10の押え部14に形成された差込孔15は、このワッシャ23及びナット22が通過できない程度の開口面積と形状となっている。
【0025】
図5を参照して、締結部品20を用いて取付部品10を覆工板200に固定する方法を説明する。まず、取付部品10を覆工板200の立面220に当接させた後に、取付部品10の押え部14の差込孔15にボルト21の引掛部21bを差し込む。そのままの状態でボルト21の引掛部21bを覆工板200のズレ止め板210の裏側にまわして引っ掛ける。その後、作業者は、例えばボルト21の把持部21cを片手で把持し、ボルト21の回転を押さえながら、もう片方の手でナット22を締め込んでいく。これにより、覆工板200のズレ止め板210と、取付部品10の押え部14と、それらの間に位置する覆工板200の部位が圧縮される。また、ボルト21のネジ部21aには、この圧縮力に半端する張力(軸力)が発生する。このようにして、取付部品10が覆工板200の立面220に固定される。この取付部品10は、タラップ本体30を保持するために用いられる。
【0026】
タラップ本体30は、例えば図2に示されるように、2本の縦枠材31と、これらの間に架設された複数のステップ32を有する。また、タラップ本体30は、2本の縦枠材31のそれぞれに被保持部33が設けられている。被保持部33は、取付部品10の保持部12によって保持される部位である。本実施形態において、タラップ本体30の被保持部33は、下向きのL字型のピン形状となっており、取付部品10の筒状の保持部12に差し込むことができる。また、2本の縦枠材31のそれぞれには、さらにスペーサ34が設けられている。スペーサ34は、タラップ本体30の被保持部33を取付部品10の保持部12と係合させた状態において、タラップ本体30の縦枠材31と覆工板200の積層体との間の間隔を保つために設けられている。スペーサ34は、例えば覆工板200の立面220に当接する突起状とすればよい。このようにして、タラップ本体30は、取付部品10により、覆工板200の積層体に対して固定される。タラップ本体30は安定的に固定されていることから、作業者はタラップ本体30のステップ32に足を掛けて、覆工板200の積層体を安全に昇降することができる。
【0027】
このように、本発明に係る昇降タラップ100(取付部品10、締結部品20、及びタラップ本体30)は、覆工板200の積層体に対して簡単に取り付けることができる。また、昇降タラップ100は、ここで説明した手順とは逆の手順で、覆工板200の積層体から簡単に取り外すこともできる。
【0028】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0029】
10…取付部品 11…正面部
12…保持部 13…上面部
14…押え部 15…差込孔
20…締結部品 21…ボルト
21a…ネジ部 21b…引掛部
21c…把持部 22…ナット
23…ワッシャ 30…タラップ本体
31…縦枠材 32…ステップ
33…被保持部 34…スペーサ
100…昇降タラップ 200…覆工板
210…ズレ止め板 220…立面
図1
図2
図3
図4
図5