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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017309
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20240201BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240201BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B41J29/13
B41J29/00 E
G06K7/10 264
B41J29/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119856
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長島 祐己
(72)【発明者】
【氏名】茂木 万梨子
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB05
2C061BB10
2C061BB35
2C061CG01
2C061CG15
(57)【要約】
【課題】排出されるシートと外部機器とが干渉することを抑制でき、外部機器を近距離無線通信基板にかざす操作が阻害されることがない画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、トップカバー22を備え、トップカバー22により天面が形成される筐体2と、トップカバー22に設けられ、筐体2から排出されるシートを支持する排出トレイ3と、操作パネル50と、近距離無線通信基板60と、操作パネル50および近距離無線通信基板60を内部に収容するパネルカバー4であって、トップカバー22から上方に突出し、シートの排出方向と直交する方向において排出トレイ3の外側に位置するパネルカバー4と、を備え、パネルカバー4は、操作パネル50を支持する第1壁41と、第1壁41よりも排出方向の上流に位置し、近距離無線通信基板60を支持する第2壁42とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップカバーを備え、前記トップカバーにより天面が形成される筐体と、
前記トップカバーに設けられ、前記筐体から排出されるシートを支持する排出トレイと、
操作パネルと、
近距離無線通信基板と、
前記操作パネルおよび前記近距離無線通信基板を内部に収容するパネルカバーであって、前記トップカバーから上方に突出し、シートの排出方向と直交する方向において前記排出トレイの外側に位置するパネルカバーと、
を備え、
前記パネルカバーは、
前記操作パネルを支持する第1壁と、前記第1壁よりも前記排出方向の上流に位置し、前記近距離無線通信基板を支持する第2壁とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記パネルカバーにおける前記第2壁の上面は、前記排出方向の下流へいくに従って下方に傾斜する傾斜面である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記パネルカバーは、前記第2壁における前記上面の前記排出方向における下流端から上方に突出する突起を有する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パネルカバーにおける前記第2壁の上面は、水平面と平行な面である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記パネルカバーにおける前記第2壁の上面は、前記排出方向の上流へいくに従って下方に傾斜する傾斜面である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記パネルカバー内において前記近距離無線通信基板の下方に位置するUSBモジュールを更に備え、
前記近距離無線通信基板と前記USBモジュールとの間の第1距離は、前記近距離無線通信基板と前記第2壁の上面との間の第2距離よりも大きい請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記近距離無線通信基板と、前記USBモジュールの前記近距離無線通信基板と対向する面とが、平行に配置される請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記パネルカバーは、前記USBモジュールのUSBポートが開口する第3壁を有しており、
前記第3壁は、前記排出方向の上流側に面している請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1壁は、前記排出方向の下流へいくに従って下方に傾斜している請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信によって、ICカードやスマートフォン等の外部機器と通信可能な画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1には、近距離無線通信用のアンテナを備えた近距離無線通信基板が、筐体の上面部分に配置された画像形成装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載される画像形成装置においては、筐体の上面部分に配置される上面カバーに、筐体から排出されるシートを支持する排出トレイと、シートの排出方向と直交する方向において排出トレイの外側に配置される操作パネルとが設けられている。また、近距離無線通信基板は、シートの排出方向において操作パネルの下流に配置されており、基板カバーに覆われている。このような構成においては、基板カバーの上面に外部機器をかざすことで、外部機器と近距離無線通信基板との間で通信を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-70264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の画像形成装置においては、基板カバーの上面と排出トレイが形成される上面カバーの上面とが同じ高さ位置にあるため、基板カバーの上面にかざした外部機器が、シートの排出方向と直交する方向において近距離無線通信基板が配置される箇所からはみ出して排出トレイと重なると、排出されたシートと外部機器とが干渉するおそれがあった。
【0006】
また、外部機器とシートとが干渉することを抑制するための構成として、例えば外部機器をかざす近距離無線通信基板を筐体の側壁に配置することが考えられる。しかし、近距離無線通信基板を筐体の側壁に配置した場合は、側壁が壁に隣接するように画像形成装置を配置した際に、外部機器を近距離無線通信基板にかざすことが困難になるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明においては、外部機器を近距離無線通信基板にかざした際に、排出されるシートと外部機器とが干渉することを抑制でき、外部機器を近距離無線通信基板にかざす操作が阻害されることがない画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、画像形成装置は、トップカバーを備え、前記トップカバーにより天面が形成される筐体と、前記トップカバーに設けられ、前記筐体から排出されるシートを支持する排出トレイと、操作パネルと、近距離無線通信基板と、前記操作パネルおよび前記近距離無線通信基板を内部に収容するパネルカバーであって、前記トップカバーから上方に突出し、シートの排出方向と直交する方向において前記排出トレイの外側に位置するパネルカバーと、を備え、前記パネルカバーは、前記操作パネルを支持する第1壁と、前記第1壁よりも前記排出方向の上流に位置し、前記近距離無線通信基板を支持する第2壁とを有する。
【0010】
このように、パネルカバーの第2壁は、トップカバーよりも上方に位置しているため、外部機器を、近距離無線通信基板を支持する第2壁にかざしたり載置したりしたときに、外部機器がシートの排出方向と直交する方向において排出トレイと重なったとしても、排出されるシートと外部機器とが干渉することを抑制できる。また、画像形成装置の側面等を壁に隣接して配置した場合でも、外部機器を第2壁にかざしたり載置したりする操作が阻害されることを抑制できる。さらに、近距離無線通信基板と操作パネルとは、共にパネルカバーの内部に収容されており、近距離無線通信基板を操作パネルの近くに配置することが可能である。従って、ユーザが操作する操作部を集約して操作性を向上することができるとともに、近距離無線通信基板と操作パネル用の制御基板とを接続するハーネスを短くして近距離無線通信基板による通信のノイズ等による影響を減少することができる。
【0011】
また、前記パネルカバーにおける前記第2壁の上面は、前記排出方向の下流へいくに従って下方に傾斜する傾斜面である。
【0012】
これにより、画像形成装置1における排出方向の下流から外部機器を第2壁の上面にかざしたり載置したりする際に第2壁の上面を認識し易くなり、外部機器を第2壁の上面にかざしたり載置したりする操作が容易となる。
【0013】
また、前記パネルカバーは、前記第2壁における前記上面の前記排出方向における下流端から上方に突出する突起を有する。
【0014】
これにより、外部機器を第2壁の上面に載置した際に、外部機器が第2壁の上面から前方へ滑り落ちることを突起によって抑制することができる。
【0015】
また、前記パネルカバーにおける前記第2壁の上面は、水平面と平行な面である。
【0016】
これにより、外部機器を第2壁の上面に載置した際に、外部機器が第2壁の上面から滑り落ちにくく、外部機器を安定して第2壁の上面に載置することができる。
【0017】
また、前記パネルカバーにおける前記第2壁の上面は、前記排出方向の上流へいくに従って下方に傾斜する傾斜面である。
【0018】
これにより、パネルカバーが排出方向と直交する方向からみて山形形状となり、パネルカバーが占めるスペースを小さくすることができる。
【0019】
また、前記パネルカバー内において前記近距離無線通信基板の下方に位置するUSBモジュールを更に備え、前記近距離無線通信基板と前記USBモジュールとの間の第1距離は、前記近距離無線通信基板と前記第2壁の上面との間の第2距離よりも大きい。
【0020】
これにより、第2壁の上面にかざしたり載置したりする外部機器に対して必要となる近距離無線通信基板の通信距離を確保することができる。
【0021】
また、前記近距離無線通信基板と、前記USBモジュールの前記近距離無線通信基板と対向する面とが、平行に配置される。
【0022】
これにより、USBモジュールと近距離無線通信基板との間の第1距離を、全体的に大きく確保することができ、近距離無線通信基板と外部機器との無線通信を安定して行うことができる。
【0023】
また、前記パネルカバーは、前記USBモジュールのUSBポートが開口する第3壁を有しており、前記第3壁は、前記排出方向の上流側に面している。
【0024】
これにより、例えば画像形成装置の側面を壁に隣接して配置した場合でも、USB機器をUSBポートに容易に差し込むことができる。また、USBポートに差し込んだUSB機器は操作パネルを操作するユーザから見えにくいため、画像形成装置の外観を損なうことを抑制できる。
【0025】
また、前記第1壁は、前記排出方向の下流へいくに従って下方に傾斜している。
【0026】
これにより、ユーザがシートの排出方向の下流から操作パネルを見たり、操作パネルの操作を行ったりする際に、操作パネルの認識および操作を行い易くなる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、外部機器を第2壁にかざしたり載置したりしたときに、排出されるシートと外部機器とが干渉することを抑制できる。また、外部機器を第2壁にかざしたり載置したりする操作が阻害されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】画像形成装置を示す前方斜視図である。
図2】画像形成装置を示す後方斜視図である。
図3】画像形成装置を示す平面図である。
図4】パネルカバーの内部を示す斜視図である。
図5】パネルカバーおよびパネルカバーの内部を示す側面断面図である。
図6】第2実施形態に係るパネルカバーを示す斜視図である。
図7】第2実施形態に係るパネルカバーを示す側面図である。
図8】第3実施形態に係るパネルカバーを示す斜視図である。
図9】第4実施形態に係るパネルカバーを示す斜視図である。
図10】第4実施形態に係るパネルカバーの変形例を示す斜視図である。
図11】第4実施形態に係るパネルカバーの変形例を示す側面断面図である。
図12】パネルカバーの右側壁および第2壁に設けられた、近距離無線通信基板を支持するための基板ガイドを示す斜視図である。
図13】基板ホルダに設けられた、近距離無線通信基板を支持するための基板ガイドを示す斜視図である。
図14】パネルカバーの右側壁に支持された距離無線通信基板を示す後面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0030】
以下の説明では、図1に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準とし、排出トレイ3におけるシート排出方向を前、その反対側を後とし、画像形成装置1を前側から見て左右方向を規定し、さらに画像形成装置1のトップカバー22側を上、筐体本体21側を下とし、各方向を定める。
【0031】
[画像形成装置]
図1図3に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに画像を形成するレーザプリンタである。但し、画像形成装置1は電子写真方式に限るものではなく、インクジェット方式等の他の方式に構成することも可能である。
【0032】
画像形成装置1は、筐体2と、排出トレイ3と、パネルカバー4とを備えている。筐体2は、筐体本体21と、トップカバー22とを備えている。筐体本体21は、前面、後面、左面、右面、および底面を備えた箱形状に形成されている。トップカバー22は、筐体本体21の上方に位置しており、筐体2の天面を形成している。
【0033】
筐体2は、画像形成前のシートを支持するシートトレイ10と、シートトレイ10からシートを搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されてきたシートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部から筐体2の外部へシートを排出する排出機構とが収容されている。
【0034】
排出トレイ3はトップカバー22に設けられており、排出機構によって筐体2の外部に排出されたシートを支持する。排出トレイ3は、前側から後側へ向かうにつれてトップカバー22の上面22aから下方に傾斜する支持面31と、支持面31の左端とトップカバー22の上面22aとの間において上下方向に延出する左側面32と、支持面31の右端とトップカバー22の上面22aとの間において上下方向に延出する右側面33とを有している。
【0035】
排出トレイ3の後端部には排出口34が形成されており、筐体2内において画像が形成されたシートは、排出機構によって排出口34から前方へ向かって排出され、支持面31に支持される。排出トレイ3は、左右方向において左側面32と右側面33との間の範囲Rに形成されている。
【0036】
パネルカバー4は、トップカバー22における排出トレイ3の左方に位置している。つまり、パネルカバー4は、左右方向において、排出トレイ3が形成される範囲Rの外側に位置している。排出トレイ3に排出されるシートの排出方向は前後方向であり、左右方向はシートの排出方向と直交する方向である。
【0037】
[パネルカバー]
パネルカバー4は、トップカバー22の上面22aから上方に突出している。パネルカバー4は、左右方向において、筐体2の左端よりも左方に突出している。但し、パネルカバー4は、左右方向において、筐体2の左端よりも左方に突出していなくてもよい。
【0038】
図4図5に示すように、画像形成装置1は、操作パネル50と、近距離無線通信基板60と、USBモジュール70と、パネル基板80と、基板ホルダ90とを備えている。パネルカバー4は、操作パネル50、近距離無線通信基板60、USBモジュール70、パネル基板80、および基板ホルダ90を内部に収容している。
【0039】
操作パネル50は、画像形成装置を操作するためのパネルであり、液晶パネル等の表示具とタッチパネル等の操作具とにより構成されている。近距離無線通信基板60は、ICカードやスマートフォン等の外部機器と近距離無線通信を行うための基板である。本実施形態において、近距離無線通信基板60はNFC(Near Field Communication)を用いている。
【0040】
近距離無線通信基板60は、略矩形の板状の回路基板であり、外部機器と通信するための電波を送受信するアンテナ部61と、アンテナ部61以外の回路が配置される回路部62とを有している。アンテナ部61においては、近距離無線通信基板60の下面60aにアンテナ回路が形成されている。USBモジュール70は、外部のUSB機器を画像形成装置1に接続するための部材である。
【0041】
パネル基板80は操作パネル50を制御するための制御基板であり、基板ホルダ90はパネル基板80を支持するための支持具である。基板ホルダ90はパネルカバー4に支持されており、パネル基板80は基板ホルダ90の下面に支持されている。操作パネル50および近距離無線通信基板60は、ハーネスによりパネル基板80と接続されている。
【0042】
図1図5に示すように、パネルカバー4は、第1壁41、第2壁42、第3壁43、および段差壁44を有している。
【0043】
第1壁41は、パネルカバー4の内部側において操作パネル50を支持している。第1壁41は開口部41aを有しており、開口部41aから操作パネル50が外部に露出している。第1壁41は前方へいくに従って下方に傾斜している。前方は、シートの排出方向における下流の一例である。
【0044】
操作パネル50を支持する第1壁41が前方へいくに従って下方に傾斜していることにより、ユーザがシートの排出方向の下流である前方から操作パネル50を見たり、操作パネル50の操作を行ったりする際に、操作パネル50の認識および操作を行い易くなっている。なお、本実施形態においては、第1壁41は前方へいくに従って下方に傾斜しているが、第1壁41は水平面と平行であってもよい。
【0045】
第2壁42は、パネルカバー4の内部側において近距離無線通信基板60を支持している。第2壁42は、第1壁41よりも後方に位置している。後方は、シートの排出方向における上流の一例である。第2壁42は、トップカバー22の上面22aよりも上方に位置している。
【0046】
第2壁42の上面42aは、前方へいくに従って下方に傾斜する傾斜面に形成されている。上面42aは、水平方向に対して角度θ1だけ前方に傾斜している。第2壁42の上面42aは、第1壁41の後端よりも下方に位置しており、第2壁42の上面42aと第1壁41の後端との間には段差が存在している。第1壁41の後端と第2壁42とは、段差壁44により接続されている。
【0047】
段差壁44は、第2壁42の前端において上面42aから上方に延びている。つまり、段差壁44は、第2壁42における上面42aの前端から上方に突出する突起である。前端は、排出方向における下流端の一例である。
【0048】
近距離無線通信基板60と外部機器との間で近距離無線通信を行う場合、外部機器を第2壁42の上面42aにかざしたり、上面42aに載置したりすることで無線通信を行うことが可能である。
【0049】
第2壁42の上面42aは、前方へいくに従って下方に傾斜する傾斜面であるため、画像形成装置1の前方から外部機器を上面42aにかざしたり載置したりする際に上面42aを認識し易くなり、外部機器を上面42aにかざしたり載置したりする操作が容易となる。
【0050】
また、パネルカバー4においては、段差壁44が第2壁42における上面42aの前端から上方に突出しているため、外部機器を上面42aに載置した際に、外部機器が上面42aから前方へ滑り落ちることを段差壁44によって抑制することが可能となっている。
【0051】
また、パネルカバー4の第2壁42は、トップカバー22の上面22aよりも上方に位置しているため、外部機器を、近距離無線通信基板60を支持する第2壁42の上面42aにかざしたり載置したりしたときに、外部機器が左右方向において排出トレイ3と重なったとしても、排出されるシートと外部機器とが干渉することを抑制できる。さらに、画像形成装置1の左側面等を壁に隣接して配置した場合でも、外部機器を第2壁42の上面42aにかざしたり載置したりする操作が阻害されることを抑制できる。
【0052】
また、近距離無線通信基板60と操作パネル50とは、共にパネルカバー4の内部に収容されており、近距離無線通信基板60を操作パネル50の近くに配置することが可能である。従って、ユーザが操作する操作部を集約して操作性を向上することができるとともに、近距離無線通信基板60と操作パネル50用の制御基板であるパネル基板80とを接続するハーネスを短くして近距離無線通信基板60による通信のノイズ等による影響を減少することができる。
【0053】
USBモジュール70は、パネルカバー4の内部において、近距離無線通信基板60の下方に位置している。USBモジュール70は、USB基板71と、USB基板71に実装されるUSBコネクタ72と、USB基板71に支持されるアースプレート73とを有している。アースプレート73は金属部材にて形成されており、接地されている。USB基板71の上面71aには接地された接地回路が形成されており、アースプレート73はUSB基板71の上面71aに形成された接地回路と接続されている。
【0054】
パネルカバー4の第3壁43は、第2壁42の後端からトップカバー22の上面22aに至るまで下方へ延びており、後側に面している。後側は、排出方向の上流側の一例である。第3壁43にはUSBポート43aが開口しており、USBポート43aからUSBコネクタ72が外部に露出している。USBコネクタ72には、USBポート43aを通じてUSB機器を後方から接続することが可能である。
【0055】
パネルカバー4の内部に収容されるUSBモジュール70と近距離無線通信基板60とは、第1距離L1だけ離れて位置している。具体的には、USBモジュール70におけるUSB基板71の上面71aと近距離無線通信基板60の下面60aとは第1距離L1だけ離れて位置している。また、近距離無線通信基板60と第2壁42の上面42aとは第2距離L2だけ離れて位置している。具体的には、近距離無線通信基板60の下面60aと第2壁42の上面42aとは第2距離L2だけ離れて位置している。
【0056】
画像形成装置1においては、USBモジュール70と近距離無線通信基板60との間の第1距離L1は、近距離無線通信基板60と第2壁42の上面42aとの間の第2距離L2よりも大きく形成されている。
【0057】
近距離無線通信基板60のアンテナ部61から送信される電波は、近距離無線通信基板60の近くに接地された金属部品等が存在すると届く範囲が狭くなり、近距離無線通信基板60と外部機器との通信可能距離が短くなる傾向にある。
【0058】
従って、接地されたアースプレート73および接地回路が形成されたUSB基板71を有するUSBモジュール70と、近距離無線通信基板60との間の第1距離L1を、近距離無線通信基板60と、外部機器をかざしたり載置したりする第2壁42の上面42aとの間の第2距離L1よりも大きく形成して、USBモジュール70を近距離無線通信基板60から離れた位置に配置している。
【0059】
これにより、第2壁42の上面42aにかざしたり載置したりする外部機器に対して必要となる近距離無線通信基板60の通信距離を確保することが可能となっている。
【0060】
また、USBモジュール70は、近距離無線通信基板60の下面60aと、USBモジュール70におけるUSB基板71の上面71aとが平行になる姿勢に配置されている。USB基板71の上面71aは、USBモジュールの近距離無線通信基板と対向する面の一例である。
【0061】
このように、USBモジュール70と近距離無線通信基板60とを平行に配置することで、USBモジュール70と近距離無線通信基板60との間の第1距離L1を、全体的に大きく確保することができ、近距離無線通信基板60と外部機器との無線通信を安定して行うことが可能となる。
【0062】
また、パネルカバー4においては、USBポート43aが開口する第3壁43は後側に面しているため、例えば画像形成装置1の側面を壁に隣接して配置した場合でも、USB機器を後方からUSBポート43aに容易に差し込んで、USBコネクタ72と接続することができる。また、USBポート43aに差し込んだUSB機器は、USBポート43aが開口する第3壁43よりも前方に位置する操作パネル50を操作するユーザから見えにくいため、画像形成装置1の外観を損なうことを抑制できる。
【0063】
[パネルカバーの第2実施形態]
パネルカバー4は、図6図7に示すパネルカバー4Aのように構成することもできる。パネルカバー4Aは、トップカバー22の上面22aから上方に突出している。パネルカバー4Aは、第1壁141、第2壁142、第3壁143、および突起144を有している。
【0064】
第1壁141は、パネルカバー4Aの内部側において操作パネル50を支持している。第1壁141は開口部141aを有しており、開口部141aから操作パネル50が外部に露出している。第1壁141は前方へいくに従って下方に傾斜している。
【0065】
第2壁142は、パネルカバー4Aの内部側において近距離無線通信基板60を支持している。第2壁142は、第1壁141よりも後方に位置している。第2壁142は、トップカバー22の上面22aよりも上方に位置している。
【0066】
第2壁142の上面142aは、前方へいくに従って下方に傾斜する傾斜面に形成されている。上面142aは、水平方向に対して角度θ2だけ前方に傾斜している。第2壁142の前端は第1壁141の後端と接続されており、第2壁142の前端における上面142aは、第1壁141の後端と同じ高さに位置している。
【0067】
突起144は、第2壁142の前端と第1壁141の後端との境界部分に設けられており、第2壁142における上面142aの前端から上方に突出している。
【0068】
パネルカバー4Aの第2壁142においては、上面142aは前方へいくに従って下方に傾斜する傾斜面であるため、外部機器を上面142aにかざしたり載置したりする際に上面142aを認識し易くなり、外部機器を上面142aにかざしたり載置したりする操作が容易となる。
【0069】
また、パネルカバー4Aにおいては、突起144が第2壁142における上面142aの前端から上方に突出しているため、外部機器を上面142aに載置した際に、外部機器が上面142aから前方へ滑り落ちることを突起144によって抑制することが可能となっている。
【0070】
パネルカバー4Aの第3壁143は、第2壁142の後端からトップカバー22の上面22aに至るまで下方へ延びており、後側に面している。
【0071】
[パネルカバーの第3実施形態]
パネルカバー4は、図8に示すパネルカバー4Bのように構成することもできる。パネルカバー4Bは、トップカバー22の上面22aから上方に突出している。パネルカバー4Bは、第1壁241および第2壁242を有している。
【0072】
第1壁241は、パネルカバー4Bの内部側において操作パネル50を支持している。第1壁241は開口部241aを有しており、開口部241aから操作パネル50が外部に露出している。第1壁241は前方へいくに従って下方に傾斜している。
【0073】
第2壁242は、パネルカバー4Bの内部側において近距離無線通信基板60を支持している。第2壁242は、第1壁241よりも後方に位置している。第2壁242は、トップカバー22の上面22aよりも上方に位置している。
【0074】
第2壁242の上面242aは、後方へいくに従って下方に傾斜する傾斜面に形成されている。近距離無線通信基板60と外部機器との間で近距離無線通信を行う場合、外部機器を第2壁242の上面242aに斜め後上方からかざす、または外部機器を第2壁242の上面242aに後側から立て掛けることにより、無線通信を行うことが可能である。
【0075】
パネルカバー4Bのように、第2壁242の上面242aを、後方へいくに従って下方に傾斜する傾斜面に形成することで、パネルカバー4Bが左右方向からみて山形形状となり、パネルカバー4Bが占めるスペースを小さくすることができる。
【0076】
[パネルカバーの第4実施形態]
パネルカバー4は、図9に示すパネルカバー4Cのように構成することもできる。パネルカバー4Cは、トップカバー22の上面22aから上方に突出している。パネルカバー4Cは、第1壁341、第2壁342、および第3壁343を有している。
【0077】
第1壁341は、パネルカバー4Cの内部側において操作パネル50を支持している。第1壁341は開口部341aを有しており、開口部341aから操作パネル50が外部に露出している。第1壁341は前方へいくに従って下方に傾斜している。
【0078】
第2壁342は、パネルカバー4Cの内部側において近距離無線通信基板60を支持している。第2壁342は、第1壁341よりも後方に位置している。第2壁342は、トップカバー22の上面22aよりも上方に位置している。
【0079】
第2壁342の上面342aは、水平面と平行な面に形成されている。第2壁342の前端は第1壁341の後端と接続されており、第2壁342の前端における上面342aは、第1壁341の後端と同じ高さに位置している。
【0080】
パネルカバー4Cにおける第2壁342の上面342aは水平面と平行な面であるため、外部機器を上面342aに載置した際に、外部機器が上面342aから滑り落ちにくく、外部機器を安定して第2壁342の上面342aに載置することが可能となっている。
【0081】
パネルカバー4Cの第3壁343は、第2壁342の後端からトップカバー22の上面22aに至るまで下方へ延びており、後側に面している。
【0082】
[第4実施形態に係るパネルカバーの変形例]
図10図11に示すように、パネルカバー4Cは、排出トレイ3の左側面32の上端から上方に延びる右側壁345を有している。パネルカバー4Cにおいては、近距離無線通信基板60を、右側壁345の内部側において支持することもできる。より詳しくは、近距離無線通信基板60を、上下方向において排出トレイ3の左側面32からパネルカバー4Cの右側壁345にかけて支持することができる。
【0083】
この場合、近距離無線通信基板60は、アンテナ部61が、シートが排出トレイ3に満載されたときのシートの上端位置であるシート満載位置Smax(図11参照)よりも上方に位置するように、右側壁345に支持される。
【0084】
このように、アンテナ部61がシート満載位置Smaxよりも上方に位置するように支持することで、アンテナ部61が送受信する電波が、排出トレイ3に排出されたシートに遮蔽されることがなく、近距離無線通信基板60と外部機器との無線通信を安定して行うことが可能となる。
【0085】
なお、画像形成装置1は、排出トレイ3に排出されたシートの量を検知するセンサを有しており、センサは、排出トレイ3に排出されたシートに接触するアクチュエータ35が上方へ押し上げられることで、排出トレイ3に排出されたシートの量を検知する。画像形成装置1においては、アクチュエータ35がシート満載位置Smaxまで押し上げられると、センサが排出トレイ3の容量の上限までシートが排出されたことを検知して、排出トレイ3への排出が停止される。
【0086】
図12に示すように、パネルカバー4Cにおいては、右側壁345は、パネルカバー4Cの内部側の面に、近距離無線通信基板60の前端および後端を支持する基板ガイド345aを有している。基板ガイド345aによって近距離無線通信基板60を支持することで、右側壁345に支持される近距離無線通信基板60の前後方向および左右方向への移動が規制されている。
【0087】
図12図14に示すように、パネルカバー4Cの第2壁342は、パネルカバー4Cの内部側の面に、近距離無線通信基板60の上端に当接する基板ガイド342bを有している。近距離無線通信基板60が基板ガイド342bに当接することで、右側壁345に支持される近距離無線通信基板60の上方への移動が規制されている。
【0088】
図13図14に示すように、パネルカバー4Cに支持されている基板ホルダ90は、近距離無線通信基板60の下端に当接する基板ガイド90aを有している。近距離無線通信基板60が基板ガイド90aに当接することで、右側壁345に支持される近距離無線通信基板60の下方への移動が規制されている。
【0089】
このように、基板ガイド345a、基板ガイド342a、および基板ガイド90aによって近距離無線通信基板60を支持することで、近距離無線通信基板60を右側壁345によって安定的に支持することが可能となっている。
【符号の説明】
【0090】
1 画像形成装置
2 筐体
3 排出トレイ
4、4A、4B、4C パネルカバー
21 筐体本体
22 トップカバー
22a 上面
41 第1壁
42、142、242、342 第2壁
42a、142a、242a、342a 上面
43 第3壁
43a USBポート
44 段差壁
50 操作パネル
60 近距離無線通信基板
70 USBモジュール
71 USB基板
72 USBコネクタ
71a 上面
144 突起
L1 第1距離
L2 第2距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14