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特開2024-173147情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173147
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20241205BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/105
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091369
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩室 拓海
(72)【発明者】
【氏名】井本 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】今出 守人
(72)【発明者】
【氏名】若杉 祐依
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】効率的な業務管理が実現可能となる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の一形態に係る情報処理システムは、取得部と、通知部と、回答受付部とを具備する。前記取得部は、従業員の同居人から検出される生体情報を取得する。前記通知部は、取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨を前記従業員に通知する。前記回答受付部は、前記通知部からの通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付ける。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
従業員の同居人から検出される生体情報を取得する取得部と、
取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨を前記従業員に通知する通知部と、
前記通知部からの通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付ける回答受付部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記通知部は、取得された前記生体情報が異常である旨を、前記従業員の業務を管理する管理者に通知する
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記通知部は、前記従業員からの前記同居人の体調が不良の旨の回答が受け付けられた場合に、その旨を前記従業員の業務を管理する管理者に通知する
情報処理システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の情報処理システムであって、さらに、
前記従業員及び前記管理者の少なくとも一方により入力される前記従業員の業務に関する所定の手続きを受け付ける手続き受付部を具備する
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、さらに、
前記従業員からの前記同居人の体調が不良の旨の回答が受け付けられた場合に、前記従業員に対して、前記従業員の業務及び前記同居人の体調の不良の少なくとも一方に関する提案を行う提案部を具備する
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記通知部は、前記従業員の居住空間に配置される音声入出力装置を介して、音声により、取得された前記生体情報が異常である旨を通知し、
前記回答受付部は、前記音声入出力装置を介して音声により入力される、前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付ける
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムであって、さらに、
前記従業員及び前記同居人の各々の発話内容を解析する発話解析部と、前記発話解析部による解析結果に基づいて、所定の応答処理を実行する応答処理部とを具備する
情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記取得部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、前記生体情報を取得する
情報処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理システムであって、
前記取得部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人のうち特定の人物の体調が不良である可能性が検出された場合、前記特定の人物から検出される前記生体情報を取得する
情報処理システム。
【請求項10】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、前記同居人から前記生体情報を検出するセンサに対して前記生体情報の出力を指示する
情報処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人のうち特定の人物の体調が不良である可能性が検出された場合、前記特定の人物から前記生体情報を検出するセンサに対して前記生体情報の出力を指示する
情報処理システム。
【請求項12】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記従業員からの前記同居人の体調が不良である旨の回答が検出された場合、前記従業員の業務及び前記同居人の体調の不良の少なくとも一方に関する提案を行う
情報処理システム。
【請求項13】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記従業員の業務及び前記同居人の体調の不良の少なくとも一方に関する指示が検出された場合、前記指示に応じた応答処理を実行する
情報処理システム。
【請求項14】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記従業員の業務に関する業務情報、及び流行している病気、天候、及び社会情勢の少なくとも1つを含む社会情勢・環境情報の少なくとも一方を反映させて、前記応答処理を実行する
情報処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記応答処理に反映させる項目に関する重み付け情報に基づいて、前記業務情報及び前記社会情勢・環境情報の少なくとも一方を反映させて、前記応答処理を実行する
情報処理システム。
【請求項16】
請求項7に記載の情報処理システムであって、
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、体調が重篤である人物が存在する可能性が検出された場合、救急車の出動を要請する
情報処理システム。
【請求項17】
従業員の同居人から検出される生体情報を取得し、
取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨を前記従業員に通知し、
前記通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付ける
ことをコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項18】
従業員の同居人から検出される生体情報を取得するステップと、
取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨を前記従業員に通知するステップと、
前記通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付けるステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従業員の業務管理等に適用可能な情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の健康管理システムでは、ユーザを認証するための生体認証情報を取得するタイミングで、同時にユーザの体温情報が測定される。これにより、簡単にユーザの健康状態の情報を取得することが可能となり、出勤可否を判断することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許7211663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような効率的な業務管理を実現可能とする技術が求められている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、効率的な業務管理が実現可能となる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、取得部と、通知部と、回答受付部とを具備する。
前記取得部は、従業員の同居人から検出される生体情報を取得する。
前記通知部は、取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨を前記従業員に通知する。
前記回答受付部は、前記通知部からの通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付ける。
【0007】
前記通知部は、取得された前記生体情報が異常である旨を、前記従業員の業務を管理する管理者に通知してもよい。
【0008】
前記通知部は、前記従業員からの前記同居人の体調が不良の旨の回答が受け付けられた場合に、その旨を前記従業員の業務を管理する管理者に通知してもよい。
【0009】
前記情報処理システムは、さらに、前記従業員及び前記管理者の少なくとも一方により入力される前記従業員の業務に関する所定の手続きを受け付ける手続き受付部を具備してもよい。
【0010】
前記情報処理システムは、さらに、前記従業員からの前記同居人の体調が不良の旨の回答が受け付けられた場合に、前記従業員に対して、前記従業員の業務及び前記同居人の体調の不良の少なくとも一方に関する提案を行う提案部を具備してもよい。
【0011】
前記通知部は、前記従業員の居住空間に配置される音声入出力装置を介して、音声により、取得された前記生体情報が異常である旨を通知してもよい。この場合、前記回答受付部は、前記音声入出力装置を介して音声により入力される、前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付けてもよい。
【0012】
前記情報処理システムは、さらに、前記従業員及び前記同居人の各々の発話内容を解析する発話解析部と、前記発話解析部による解析結果に基づいて、所定の応答処理を実行する応答処理部とを具備してもよい。
【0013】
前記取得部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、前記生体情報を取得してもよい。
【0014】
前記取得部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人のうち特定の人物の体調が不良である可能性が検出された場合、前記特定の人物から検出される前記生体情報を取得してもよい。
【0015】
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、前記同居人から前記生体情報を検出するセンサに対して前記生体情報の出力を指示してもよい。
【0016】
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記同居人のうち特定の人物の体調が不良である可能性が検出された場合、前記特定の人物から前記生体情報を検出するセンサに対して前記生体情報の出力を指示してもよい。
【0017】
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記従業員からの前記同居人の体調が不良である旨の回答が検出された場合、前記従業員の業務及び前記同居人の体調の不良の少なくとも一方に関する提案を行ってもよい。
【0018】
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、前記従業員の業務及び前記同居人の体調の不良の少なくとも一方に関する指示が検出された場合、前記指示に応じた応答処理を実行してもよい。
【0019】
前記応答処理部は、前記従業員の業務に関する業務情報、及び流行している病気、天候、及び社会情勢の少なくとも1つを含む社会情勢・環境情報の少なくとも一方を反映させて、前記応答処理を実行してもよい。
【0020】
前記応答処理部は、前記応答処理に反映させる項目に関する重み付け情報に基づいて、前記業務情報及び前記社会情勢・環境情報の少なくとも一方を反映させて、前記応答処理を実行してもよい。
【0021】
前記応答処理部は、前記発話内容が解析された結果、体調が重篤である人物が存在する可能性が検出された場合、救急車の出動を要請してもよい。
【0022】
本発明の一形態に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、従業員の同居人から検出される生体情報を取得することを含む。
取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨が前記従業員に通知される。
前記通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答が受け付けられる。
【0023】
本発明の一形態に係るプログラムは、コンピュータに以下のステップを実行させる。
従業員の同居人から検出される生体情報を取得するステップ。
取得された前記生体情報が異常である場合に、その旨を前記従業員に通知するステップ。
前記通知に対して入力される前記従業員からの前記同居人の体調に関する回答を受け付けるステップ。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、効率的な業務管理が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施形態に係る業務管理システムを適用することが可能な従業員の家族構成例を示す模式図である。
図2】業務管理システムの構成例を示す説明するための模式図である。
図3】サーバ装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
図4】DBに記憶される業務情報の一例を示す模式図である(従業員データテーブル)。
図5】DBに記憶される業務情報の一例を示す模式図である(同居人データテーブル)。
図6】ライフログ情報取得部により取得されるライフログ情報の一例を示す模式図である。
図7】生体情報の異常判定に用いられる判定基準値の一例を示す模式図である。
図8】DBに業務情報として記憶される休暇申請情報の一例を示す模式図である。
図9】サーバ装置の基本的な動作例を示すフローチャートである。
図10】とくに同居人の生体情報に対して動作する処理例を示すフローチャートである。
図11】業務管理システムにおける処理例を示すフローチャートである。
図12】従業員端末に表示される異常通知画面の一例を示す模式図である。
図13】サーバ装置から管理端末への通知例を示すフローチャートである。
図14】管理端末に表示される異常通知画面の一例を示す模式図である。
図15】管理端末に表示される異常通知画面の一例を示す模式図である。
図16】第2の実施形態に係る業務管理システムを適用することが可能な従業員の家族構成例を示す模式図である。
図17】業務管理システムの構成例を示す説明するための模式図である。
図18】DBに記憶される業務情報の一例を示す模式図である(従業員データテーブル)。
図19】業務管理システムにおける処理例を示すフローチャートである。
図20】とくに同居人の体調不良に着目して動作する処理例を示すフローチャートである。
図21】センサ装置、管理端末、サーバ装置、及びスマートスピーカとして用いることが可能なコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0027】
<第1の実施形態>
[業務管理システム]
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る業務管理システムの構成例を説明するための模式図である。業務管理システム1は、企業等の団体における業務管理を行うことが可能である。例えば、企業等の団体に所属する従業員2の業務に関する種々の手続きを実行し、従業員2ごとの業務に関する業務情報を管理することが可能である。
【0028】
とくに、本実施形態に係る業務管理システム1は、従業員2の健康状態が業務に影響を与える点に着目し、効率的な業務管理を実現することを目的として構築される。本業務管理システム1を、健康管理システムと呼ぶことも可能である。
【0029】
本開示において、業務管理は、業務に関する任意の事項に対する任意の管理業務を含む。例えば、就業管理、勤怠管理、人事管理、予算管理等が、本技術に関する業務管理に含まれる。また、業務内容に関する任意の事項に対する管理業務も、業務管理に含まれる。例えば、業務計画の立案、業務内容の見直し、人員の配置等も、業務管理に含まれる。
【0030】
図1は、本業務管理システム1を適用することが可能な従業員2の家族構成例を示す模式図である。図1に示す例では、従業員2が「Living room」「Hobby room」「Bed room」を備える居住空間Sにて、妻と子供と3人で生活している。妻及び子供は、従業員2にとって同居人3となる(妻を3aとし、子供を3bとする)。
【0031】
本開示において、従業員2の同居人3とは、居住空間Sの少なくとも一部を、従業員2と共有する任意の人物を含むものとする。例えば、一軒家やマンション等の居住空間Sにて、ともに生活をおくる人物は、従業員2の同居人3に含まれる。また、社員寮やシェアハウス等の、各々が主に自分の部屋で生活しつつ「Living room」やお風呂等の所定の居住空間Sを従業員2と共有して生活する人物も、従業員2の同居人3に含まれる。
【0032】
図1に例示したような従業員2の家族に限定されず、従業員2の友人やルームメイト等、様々な人物が従業員2の同居人3になり得る。また従業員2が、他の従業員2の同居人3となる場合もあり得る。
【0033】
図2は、業務管理システム1の構成例を示す説明するための模式図である。本業務管理システム1では、従業員2及び同居人3の各々から検出されるライフログ情報、とくに生体情報が有効に活用される。以下、詳しく説明する。
【0034】
図2に示すように、業務管理システム1は、センサ装置5と、従業員端末6と、管理端末7と、サーバ装置8と、データベース(DB)9とを含む。
【0035】
センサ装置5、従業員端末6、管理端末7、及びサーバ装置8は、ネットワーク10を介して、互いに通信可能に接続されている。ネットワーク10は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク10を構築するためのプロトコルは限定されない。
【0036】
センサ装置5、従業員端末6、管理端末7、及びサーバ装置8は、例えばCPU、GPU、DSP等のプロセッサ、ROM、RAM等のメモリ、HDD等の記憶デバイス等、コンピュータに必要なハードウェアを有する(図21参照)。プロセッサが記憶部やメモリに記憶されている本技術に係るプログラムをRAMにロードして実行することにより、本技術に係る情報処理方法(健康管理方法)が実行される。
【0037】
センサ装置5は、従業員2及び同居人3のライフログ情報を検出し、ネットワーク10を介して、サーバ装置8に送信する。
【0038】
本開示において、ライフログ情報は、日々の生活を送る従業員2及び同居人3の様々な行いや様々な状態が記録された任意のログ情報を含む。例えば、従業員2及び同居人3の位置情報(行動履歴情報)や生体情報のログ情報が、ライフログ情報に含まれる。
【0039】
例えば、従業員2及び同居人3の現在地の情報、さらに詳しく屋内であるか、屋外であるか、会議中であるか等の情報が、ライフログ情報に含まれる。また例えば、移動距離、移動時間、移動速度、歩数、歩いた距離、走った距離、使用した交通手段、交通手段を利用した時間、交通手段で移動した距離等が、ライフログ情報に含まれる。
【0040】
また、従業員2及び同居人3の様々な生体情報が、ライフログ情報に含まれる。なお、本開示において、生体情報は、生体に関する任意の情報を含むものとする。
【0041】
例えば、従業員2及び同居人3の生体的な特徴を示す任意の情報や、従業員2及び同居人3の生体的な特徴を抽出することが可能な任意の情報は、生体情報に含まれる。また従業員2及び同居人3が活動することで生み出される任意の情報は、生体情報に含まれる。その他、生体に関する任意の情報が、生体情報に含まれる。
【0042】
例えば、体温、血圧、脈拍数、心拍数、発汗量、血糖値、水分量、体脂肪率、体重、身長、筋肉量バランス、骨密度、呼吸数、肺活量、血液検査の結果、MRSの検査結果、尿検査、血中アルコール濃度等が生体情報に含まれる。また、睡眠状態であるか覚醒状態であるか、どのような睡眠状態であるか(レム睡眠、ノンレム睡眠、深い睡眠、浅い睡眠等)の情報も、生体情報に含まれる。
【0043】
また従業員2及び同居人3が行う運動に関する運動情報も、生体情報に含まれる。例えば歩行中、走行中、電車にて移動中、運転中等の情報が、生体情報として取得可能である。また座っているか、立っているか、前屈みか、横を向いているか、上を向いているか等の、姿勢に関する情報等も、生体情報として取得可能である。
【0044】
また、カメラにより撮影された従業員2及び同居人3の画像や、マイクにより取得された従業員2及び同居人3の会話等の音声情報等も、生体情報に含まれる。なお本開示において、画像は、静止画像及び動画像(映像)の両方を含む。
【0045】
上記のような様々なライフログ情報は、例えば、IMU(Inertial Measurement Unit)センサ、GPS、様々な種類の生体センサ、イメージセンサ(カメラ)等の、各種センサを用いて検出することが可能である。これらのセンサにより検出される検出結果(値等)自体を、ライフログ情報として利用することが可能である。これに限定されず、センサにより検出される検出結果に基づいて、さらに様々なライフログ情報を生成することも可能である。
【0046】
例えばGPSにより位置情報として緯度及び経度の座標値がライフログ情報として検出される。当該ライフログ情報に基づいて、従業員2及び同居人3が立ち寄ったランドマーク等の情報を含む行動履歴情報が、さらにライフログ情報として生成されてもよい。
【0047】
また、体温を測定可能な温度センサ、心拍数を測定可能な心拍センサ、発汗量を測定可能な発汗センサ等の検出値がライフログ情報(生体情報)として検出される。これらの検出値に基づいて、従業員2及び同居人3の健康状態や睡眠状態等がライフログ情報(生体情報)として生成されてもよい。
【0048】
センサにより検出される検出結果(値等)自体を、ライフログ情報として利用する場合、当該ライフログ情報が検出された時間が、ライフログ情報の検出時間となる。一方で、センサにより検出される検出結果に基づいて、さらに様々なライフログ情報が生成される場合は、ライフログ情報の生成に用いられるセンサの検出結果が検出された時間が、ライフログ情報の検出時間となる。
【0049】
例えば、所定の時刻(年月日時刻Aとする)にてIMUセンサにより「加速度」が検出されたとする。この場合、当該「加速度」がライフログ情報として利用される場合は、「加速度」が検出された時間(年月日時刻A)が、ライフログ情報の検出時間となる。
【0050】
一方で、年月日時刻AにてIMUセンサにより検出された「加速度」に基づいて、「歩行中」というライフログ情報が生成されたとする。この場合、「歩行中」というライフログ情報が生成された時間ではなく、「加速度」が検出された時間(年月日時刻A)が、「歩行中」というライフログ情報の検出時間であるとする。すなわち、従業員2及び同居人3が「歩行中」である年月日時刻が、その「歩行中」というライフログ情報の検出時間となる。
【0051】
センサ装置5は、ライフログ情報を検出可能なセンサを搭載したコンピュータにより構成される。あるいは、ライフログ情報を検出可能であり、ネットワーク10を介して通信可能なセンサにより構成される。
【0052】
図2に示す例では、センサ装置5として、スマートフォン、HMD(眼鏡型のウェアラブルデバイスともいえる)、時計型(リストバンド型)のウェアラブルデバイス、カメラが例示されている。もちろん、これらのデバイスに限定されず、センサ装置5を実現するために様々な構成が採用されてよい。
【0053】
また図2では、従業員2、同居人3a(妻)及び同居人3b(子供)の各々に対して、センサ装置5a~5cが準備されている。これに限定されず、所定の居住空間Sに設置されたカメラにより、従業員2、同居人3a及び3bの画像が撮影され、その撮影画像に基づいて従業員2、同居人3a及び3bの各々のライフログ情報が取得されてもよい。
【0054】
本開示において、情報等の取得は、当該情報を他の装置から受信すること、及び自ら解析処理、抽出処理、推定処理等を実行することで、当該情報を生成することの両方を含む。すなわち、本開示において、ライフログ情報の取得は、例えばセンサ装置5により検出されたライフログ情報を受信する場合と、センサ装置5の検出結果に基づいてライフログ情報を自身で生成する場合の両方を含む。
【0055】
センサ装置5により、自身で検出した検出結果に基づいて、ライフログ情報が生成されてもよい。また、サーバ装置8により、センサ装置5から受信した検出結果や、センサ装置5により生成されたライフログ情報等に基づいて、さらにライフログ情報が生成されてもよい。
【0056】
ライフログ情報の取得等のために、任意の技術(アルゴリズム等)が用いられてよい。例えばDNN(Deep Neural Network:深層ニューラルネットワーク)、RNN(Recurrent Neural Network:回帰型ニューラルネットワーク)、CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)等を用いた任意の機械学習アルゴリズムが用いられてもよい。例えばディープラーニング(深層学習)を行うAI(人工知能)等を用いることで、各処理を高い精度で実行することが可能となる。
【0057】
例えば、ライフログ情報を出力するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、センサの検出結果等を入力することで、ライフログ情報を学習モデルから取得することが可能である。
【0058】
学習モデルの学習方法として、例えば誤差逆伝播法が用いられる。誤差逆伝播法は、ニューラルネットワークの学習のために一般的に良く利用される学習手法である。ニューラルネットワークとは、元々人間の脳神経回路を模倣したモデルであり、入力層、中間層(隠れ層)、出力層の3種類の層からなる層構造を持ったモデルである。
【0059】
多数の中間層を持つニューラルネットワークは特にディープニューラルネットワークと呼ばれ、これを学習するためのディープラーニング技術は、大量データの中に潜んでいる複雑なパターンを学習できるモデルとして知られている。誤差逆伝播法はこのような学習手法の1つであり、例えば、画像や動画の認識に用いられるCNNなどの学習によく用いられる。
【0060】
また、このような機械学習を実現するハードウェア構造としては、ニューラルネットワークの概念を組み込まれたニューロチップ/ニューロモーフィック・チップが用いられ得る。
【0061】
学習モデルを学習させるためのアルゴリズムは限定されず、任意の機械学習アルゴリズムが用いられてよい。例えば、機械学習アルゴリズムとして、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、逆強化学習、能動学習、転移学習等が挙げられる。また、HMM(Hidden Markov Model:隠れマルコフモデル)やSVM(Support Vector Machine)等の機械学習モデルが用いられてもよい。
【0062】
学習モデルを学習させるための学習ブロック(学習部)が、センサ装置5やサーバ装置8に構成されてもよい。あるいは、学習ブロック(学習部)が、センサ装置5やサーバ装置8とは異なるコンピュータ内に構成され、学習が実行されたのちの学習済みの学習モデルが、センサ装置5やサーバ装置8に搭載されてもよい。その他、学習モデル、及び学習モデルを学習するための学習ブロック(学習部)の具体的な構成は限定されない。
【0063】
なお機械学習アルゴリズムの適用は、本開示内の任意の処理に対して実行されてよい。すなわち、本開示内にて説明する任意の処理について、機械学習を用いた処理が実行されてよい。
【0064】
また従業員2及び同居人3が撮影された撮影画像からライフログ情報を抽出するための方法も限定されず、任意の技術(アルゴリズム)が用いられてよい。例えば物体のモデル画像を用いたマッチング処理、エッジ検出、射影変換等の任意の画像認識技術が用いられてよい。また骨格推定(ボーン推定)等が用いられてもよい。また外部で構築された既存の画像処理や機械学習等の機能を持つライブラリが利用されてもよい。
【0065】
撮影画像からライフログ情報を抽出するために、任意の機械学習アルゴリズムが用いられてもよい。例えば、画像情報に対してセマンティックセグメンテーションを実行することで、画像内の各画素に対して、物体の種類を判定することも可能となる。
【0066】
サーバ装置8は、業務管理サービスを提供するための装置である。サーバ装置8により、業務管理に関する様々な処理が実行される。例えば、就業管理、勤怠管理、人事管理、予算管理、業務内容に関する任意の事項に対する管理業務に関する様々な処理が実行される。
【0067】
DB9には、業務に関する任意の情報(業務情報)が記憶される。例えば従業員2の名前、性別、住所、電話番号等の従業員情報や、従業員2ごとに支払われる給与、出退勤、休暇、残業等に関する就業情報や勤怠情報が記憶される。その他、人事、予算、業務内容等に関する任意の情報が、業務情報として記憶される。
【0068】
またDB9には、従業員2の同居人3に関する同居人情報が記憶される。またDB9には、従業員2及び同居人3の各々から検出されるライフログ情報が記憶される。
【0069】
図2に示す例では、DB9が、サーバ装置8とは別体の記憶装置等により構成されており、サーバ装置8に接続されている。この構成に限定されず、サーバ装置8の記憶部(図27参照)によりDB9が構成されてもよい。またネットワーク10上にDB9が構築され、ネットワーク10を介しDB9にアクセス可能な構成が採用されてもよい。
【0070】
なお図2では、サーバ装置8が、1つの筐体からなるコンピュータにより模式的に図示されている。もちろんこのような構成に限定されず、様々な機能を有する複数のサーバ装置が協働することで、業務に関する様々な処理が実行されてもよい。
【0071】
従業員端末6は、従業員2が使用する端末である。図2に示すように、従業員端末6は、主に従業員2が自宅等から企業の所定の従業員(例えば管理者11等)や総務部等に連絡するために用いられる。
【0072】
例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末に、本業務管理サービスを提供するアプリケーションがインストールされる。従業員2は、当該アプリケーションを起動させることで、本業務管理サービスを利用することが可能となる。
【0073】
例えば従業員2は、従業員端末6を使って、本業務管理システム1へログインするためのログイン画面を表示させる。そして、自分の個人ID及びパスワード等を入力して、ログインを行う。このログイン操作により、サーバ装置8は、ログインを行った従業員2の情報を把握することが可能となる。
【0074】
従業員2は、従業員端末6を操作することで、例えば所定のUI(User Interface)やメール機能等を介して、サーバ装置8や管理端末7等からの通知を受け取ることが可能となる。また所定のUIやメール機能等を介して、サーバ装置8や管理端末7等へ、連絡等を行うことが可能となる。また管理者11や総務部等に電話を行う(架電する)ことも可能である。
【0075】
本開示において、従業員2等に対するUIの提供は、GUI(Graphical User Interface)の表示や、音声によるUI(音声UI)の出力等を含む。例えば、サーバ装置8等から従業員2への情報の出力、及び従業員2からサーバ装置8等への情報の入力は、従業員端末6の表示デバイスに表示されたGUI等を介して行うことが可能である。これに限定されず、従業員端末6のスピーカ等の音声出力装置や、マイク等の音声入力装置等を介して、会話形式で情報の出力及び入力が行われてもよい。もちろん、GUIの表示及び音声の出入力がともに行われてもよい。
【0076】
管理端末7は、管理者11が使用する端末である。管理者11は、従業員2よりも大きな権限を有し従業員2の業務を管理する従業員の一例であり、具体的な役職等はとくに限定されない。例えば、本業務管理サービスを提供するアプリケーションがインストールされた携帯端末に対して、管理者11によりログイン操作が行われる。これにより、サーバ装置8は、ログインを行った管理者11の情報を把握することが可能となる。
【0077】
管理者11は、管理端末7を操作することで、例えば所定のUIやメール機能等を介して、サーバ装置8や従業員端末6等からの通知を受け取ることが可能となる。また所定のUIやメール機能等を介して、サーバ装置8や従業員端末6等へ、連絡等を行うことが可能となる。また従業員2や総務部等に電話を行う(架電する)ことも可能である。
【0078】
図2では、1人の従業員2と、2人の同居人3a及び3bと、1人の管理者11が図示されている。もちろん、本業務管理システム1が適用可能な従業員2(同居人3)の数や、管理者11の数等は限定されない。より多い人数の従業員2(同居人3)及び管理者11に対して、本業務管理システム1は適用可能である。
【0079】
[サーバ装置の機能的な構成例]
図3は、サーバ装置8の機能的な構成例を示すブロック図である。図3に示すように本実施形態では、サーバ装置8のプロセッサが所定のプログラムを実行することで、機能ブロックとして、ライフログ情報取得部13、異常判定部14、異常通知部15、回答受付部16、手続き受付部17、及び手続き処理部18が構成される。もちろん機能ブロックを実現するために、IC(集積回路)等の専用のハードウェアが用いられてもよい。
【0080】
プログラムは、例えば種々の記録媒体を介してサーバ装置8にインストールされる。あるいは、インターネット等を介してプログラムのインストールが実行されてもよい。プログラムが記録される記録媒体の種類等は限定されず、コンピュータが読み取り可能な任意の記録媒体が用いられてよい。例えば、コンピュータが読み取り可能な非一過性の任意の記憶媒体が用いられてよい。
【0081】
ライフログ情報取得部13は、従業員2及び同居人3から検出されるライフログ情報を取得する。ライフログ情報取得部13により、センサ装置5から検出されたライフログ情報の受信、センサ装置5により生成されたライフログ情報の受信、センサ装置5により検出された検出結果に基づいたライフログ情報の生成等が実行される。
【0082】
とくに本実施形態では、ライフログ情報取得部13により、従業員2及び同居人3から検出される生体情報が取得される。すなわち、ライフログ情報取得部13により、センサ装置5から検出された生体情報の受信、センサ装置5により生成された生体情報の受信、センサ装置5により検出された検出結果に基づいた生体情報の生成等が実行される。
【0083】
ライフログ情報取得部13により取得されたライフログ情報(生体情報)は、DB9に記憶される。例えば、従業員2ごとに付与される従業員ID(「個人ID」)に基づいて、種別ごとにライフログ情報が記憶される。ライフログ情報の種別は、ライフログ情報の項目ともいえる。
【0084】
異常判定部14は、ライフログ情報取得部13により取得されたライフログ情報が異常であるか否かが判定される。とくに本実施形態では、異常判定部14により、従業員2及び同居人3から検出された生体情報が異常であるか否かが判定される。生体情報が異常であるか否かの判定は、例えば生体情報の種別ごとに設定される判定基準値(閾値)に基づいて実行される(図7参照)。もちろん、そのような判定方法に限定されるわけではない。
【0085】
異常通知部15は、ライフログ情報取得部13により取得されたライフログ情報が異常である場合に、その旨を従業員2に通知する。具体的には、ライフログ情報が異常である旨の情報を、従業員端末6を介して通知する。従業員2に対する従業員端末6を介した通知の態様は限定されず、任意の態様で通知が行われてよい。
【0086】
とくに本実施形態では、異常通知部15により、従業員2及び同居人3から検出された生体情報が異常である場合に、その旨が従業員2に通知される。例えば図1及び図2に示す例では、同居人3aである妻の生体情報や、同居人3bである子供の生体情報について異常であると判定された場合に、その旨が従業員端末6を介して従業員2に通知される。
【0087】
回答受付部16は、異常通知部15からの通知に対して入力される従業員2からの回答を受け付ける。具体的には、従業員2により、通知に対する回答が従業員端末6に入力され、入力された回答がサーバ装置8の回答受付部16に受け付けられる。
【0088】
とくに本実施形態では、回答受付部16により、異常通知部15からの同居人3から検出された生体情報が異常である旨の通知に対して入力される、従業員2からの同居人3の体調に関する回答が受け付けられる。
【0089】
手続き受付部17は、管理者11により入力される従業員2の業務に関する所定の手続きを受け付ける。具体的には、管理端末7を介して管理者11が、所望の手続きを行うための指示を入力する。手続き受付部17は、当該指示に応じて、管理者11が所望する手続きを受け付ける。
【0090】
また手続き受付部17は、従業員2により入力される、従業員2の業務に関する所定の手続きを受け付ける。具体的には、従業員端末6を介して従業員2が、所望の手続きを行うための指示を入力する。手続き受付部17は、当該指示に応じて、従業員2が所望する手続きを受け付ける。
【0091】
手続き処理部18は、手続き受付部17により受け付けられた手続きを実行する。もちろん、手続きを行わない旨の処理が実行される場合もあり得る。すなわち、手続き処理部18により、受け付けられた手続きを実行するか否かが判定されてもよい。
【0092】
手続き受付部17により、指示された手続きが適正か否か等が判定され、適正ではないと判定された手続きに関しては、受付を拒否するといった設定も可能である。
【0093】
従業員2の業務に関する手続きとしては、例えば、テレワークの申請、有給申請(休暇申請)の申請等、従業員2の業務に関する様々な任意の手続きが含まれる。
【0094】
図4及び図5は、DB9に記憶される業務情報の一例を示す模式図である。図4に示すように、本実施形態では、DB9に「従業員データテーブル」が記憶される。
【0095】
図4に示すように、「従業員データテーブル」は、従業員2(管理者11も含む)に関する以下の情報を含む。
「個人ID」…従業員2を識別可能なID。例えば4桁の数字等で構成される。もちろん、他の任意の形態のデータが「個人ID」として用いられてよい。
「氏名」…従業員2の氏名。
「所属名」…従業員2が所属している部署等の名称。
「性別」…従業員2の性別。
「生年月日」…従業員2の生年月日。
「センサ装置ID」…従業員2のライフログ情報(生体情報)を検出するセンサ装置5を識別可能なID。例えば10桁の数字等で構成される。もちろん、他の任意の形態のデータが「センサ装置ID」として用いられてよい。
「メールアドレス」…従業員2に対して配布されるメールアドレス。本メールアドレス宛に送信されるメールは、従業員端末6(管理端末7)にて確認可能である。
【0096】
図4に示す例では、「営業一課」に所属する「△△隆之」さんと、「〇〇潤一」さんとのデータが格納されている。「△△隆之」さんは「課長」であり、「主事」である「〇〇潤一」の上司となる。例えば、図1及び図2に示す従業員2を「〇〇潤一」さん、管理者11を「△△隆之」さんとして、本業務管理システム1に関する説明を当てはめることが可能である。
【0097】
図5に示すように、業務情報として、「同居人データテーブル」も記憶される。「同居人データテーブル」は、以下の情報を含む。
「個人ID」…従業員2を識別可能なID。この「個人ID」を有する従業員2の同居人3の情報が格納されることになる。
「同居人氏名」…同居人3の氏名。
「続柄」…従業員2に対する同居人3の続柄(従業員から見た同居人3の続柄)。
「性別」…同居人3の性別。
「生年月日」…同居人3の生年月日。
「センサ装置ID」…同居人3のライフログ情報(生体情報)を検出するセンサ装置5を識別可能なID。
【0098】
図5に示す例では、「個人ID」が「3333」である「営業一課」の「〇〇潤一」さんの同居人3のデータが格納されている。具体的には、「〇〇潤一」さんの「父」の「〇〇浩司」さん、「〇〇潤一」さんの「母」の「〇〇奈津子」さん、「〇〇潤一」さんの「妻」の「〇〇亜由美」さん、「〇〇潤一」さんの「子」の「〇〇健」さん、これら4人のデータが、同居人3のデータとして格納されている。
【0099】
図4及び図5に示す「従業員データテーブル」及び「同居人データテーブル」は、本技術を実施する上での基本データともいえる。また、従業員2の業務に関する業務情報として、他の任意の情報が記憶されてよい。
【0100】
図6は、ライフログ情報取得部13により取得されるライフログ情報の一例を示す模式図である。DB9には、ライフログ情報のデータである「ログデータテーブル」が記憶される。
【0101】
「ログデータテーブル」は、以下の情報を含む。
「センサ装置ID」…ライフログ情報(生体情報)を検出したセンサ装置5を識別可能なID。図4に示す「従業員データテーブル」及び図5に示す「同居人データテーブル」にて格納される「センサ装置ID」と同じ情報が用いられる。
「日付」…ライフログ情報が検出された日付。
「時刻」…ライフログ情報が検出された時刻。
「種別」…ライフログ情報の種別。
「値」…ライフログ情報の内容を表すデータ。センサ装置5により検出される検出結果が格納される場合もあるし、センサ装置5の検出結果に基づいて生成されるデータが格納される場合もある。
【0102】
図6に示す例では、「〇〇潤一」さんの「子」の「〇〇健」さんのライフログ情報(生体情報)を検出するセンサ装置5(「センサ装置ID」=「EEEEEEEEEE」)により検出されたライフログ情報が格納される。すなわち、「〇〇健」さんから検出されたライフログ情報が格納される。
【0103】
具体的には、「2023/4/3」の「6:00」に「起床(覚醒)」した「〇〇健」さんの「体温」(=「38.5」℃)、「心拍数」(=「100」)、及び「GPS」(=「35.681111,139,766667」)が格納されている。
【0104】
なお、「睡眠」は、睡眠センサにより検出可能である。「GPS」は、GPSにより検出可能である。「心拍数」は、心拍センサにより検出可能である。もちろん、図6に図示された種別以外の、様々なライフログ情報を取得することが可能である。
【0105】
図7は、生体情報の異常判定に用いられる判定基準値の一例を示す模式図である。DB9には、判定基準値のデータである「判定基準値データテーブル」が記憶される。
【0106】
「判定基準値データテーブル」は、以下の情報を含む。
「種別」…生体情報の種別。
「基準値(正常範囲)」…生体情報が異常であるか否かを判定するための閾値。図7に示す例では、生体情報の種別ごとに正常範囲のデータが格納される。取得される生体情報が、「基準値(正常範囲)」から外れる場合には、当該生体情報は異常であると判定される。もちろん、異常と判断される異常範囲が「基準値」として格納されてもよい。また、ある生体情報には正常範囲が「基準値」として格納され、別の生体情報には異常範囲が「基準値」として格納される。このような設定も可能である。
【0107】
図7に示す例では、「体温」に対して「基準値(正常範囲)」が「35~37」(℃)に設定される。従って、35度よりも低い体温、及び37度よりも高い体温は、異常状態として判定される。また「心拍数」に対して「基準値(正常範囲)」が「60~90」(bpm)に設定される。従って、60bmpよりも遅い心拍数、及び90bpmよりも速い心拍数は、異常状態として判定される。
【0108】
また、「血圧」に対して「基準値(正常範囲)」が「115/75以下」(mmHg)に設定される。従って、収縮期血圧(最大血圧)が115mmHgよりも大きい値となる状態、及び拡張期血圧(最小血圧)が75mmHgよりも大きい値となる状態のいずれか一方でも該当する場合には、異常状態として判定される。
【0109】
また、「酸素飽和度」に対して「基準値(正常範囲)」が「96~99」(%)に設定される。従って、96%よりも低い酸素飽和度、及び99%よりも高い酸素飽和度は、異常状態として判定される。
【0110】
生体情報の種別ごとの「基準値」は限定されず、任意に設定することが可能である。もちろん、図7に例示した「体温」「心拍数」「血圧」「酸素飽和度」以外の、様々な種別の生体情報に対して、異常判定の基準となる基準値を任意に設定することが可能である。
【0111】
図8は、DB9に業務情報として記憶される休暇申請情報の一例を示す模式図である。DB9には、休暇申請情報のデータとして「休暇申請データ」が記憶される。
【0112】
「休暇申請データ」は、以下の情報を含む。
「個人ID」
「休暇年月日」…休暇申請の対象となる年月日。
「ステータス」…休暇申請に対する処理状況のステータス。例えば、「受付中」「承認中」「承認済」「却下」等の情報が格納される。
「休暇種別」…休暇の種別。例えば、「有給休暇」「夏期休暇」「忌引休暇」「育児休暇」等の情報が格納される。
「事由」…休暇を申請する理由。
【0113】
図8に示す例では、「個人ID」が「3333」である「〇〇潤一」さんに関する「家族の体調不良」を理由とする「有給休暇」の申請が、「承認中」である旨の情報が格納されている。
【0114】
なお、従業員2の休暇申請等は、従業員2自身で、従業員端末6を介して入力することが可能である。また従業員2の業務を管理する管理者11により、管理端末7を介して入力することも可能である。
【0115】
[サーバ装置の基本動作]
図9は、サーバ装置8の基本的な動作例を示すフローチャートである。ライフログ情報取得部13により、従業員2及び同居人3から検出された生体情報が取得される(ステップ101)。例えば、センサ装置5により、所定のフレームレートで定期的に従業員2及び同居人3に対して生体情報の検出が実行される。そして、検出された生体情報が、ネットワーク10を介して、サーバ装置8に送信される。ライフログ情報取得部13は、センサ装置5から送信された生体情報を受信する。
【0116】
または、センサ装置5が生体情報を送信するためのトリガが適宜設定されてもよい。例えば、所定の時刻になると、センサ装置5により、その時刻までに検出された未送信の生体情報が送信される。あるいは、サーバ装置8からの要求等があった場合に、センサ装置5により、それまでに検出された生体情報が送信される。その他、任意の設定が採用されてよい。
【0117】
異常判定部14により、取得された生体情報が異常であるか否かが判定される(ステップ102)。当該判定は、例えば図7に例示する判定基準値データテーブルを参照して実行される。生体情報が異常ではない場合(ステップ102のNo)、処理は終了する。
【0118】
生体情報が異常である場合(ステップ102のYes)、異常通知部15により、取得された生体情報が異常である旨が従業員2に通知される(ステップ103)。
【0119】
回答受付部16により、従業員2から入力される、異常と判定された生体情報が検出された人物の体調に関する回答が受け付けられる。例えば、ステップ102にて、従業員2から検出された生体情報が異常であると判定された場合は、ステップ103にて、その旨が従業員2に通知される。そして、ステップ104にて、従業員2の体調に関する回答が受け付けられる。
【0120】
またステップ102にて、同居人3から検出された生体情報が異常であると判定された場合は、ステップ103にて、その旨が従業員2に通知される。そして、ステップ104にて、同居人3の体調に関する回答が受け付けられる。
【0121】
図10は、とくに同居人3の生体情報に対して動作する処理例を示すフローチャートである。すなわち、図9に示すフローにおいて、従業員2の生体情報に対しては動作せず、同居人3の生体情報に対して動作するフローとなる。
【0122】
ライフログ情報取得部13により、同居人3から検出された生体情報が取得される(ステップ201)。異常判定部14により、取得された生体情報が異常であるか否かが判定される(ステップ202)。生体情報が異常ではない場合(ステップ202のNo)、処理は終了する。
【0123】
生体情報が異常である場合(ステップ202のYes)、異常通知部15により、取得された生体情報が異常である旨が従業員2に通知される(ステップ203)。回答受付部16により、従業員2から入力される、異常と判定された生体情報が検出された同居人3の体調に関する回答が受け付けられる。
【0124】
このように、同居人3の生体情報に着目して、本業務管理システム1を動作させることも可能である。
【0125】
図11は、業務管理システム1における処理例を示すフローチャートである。図11には、同居人3の生体情報に対して動作する、センサ装置5b及び5c、従業員端末6、及びサーバ装置8の処理例が図示されている。
【0126】
同居人3の生体情報を検出するセンサ装置5(5b及び5c)により、同居人3の生体情報が検出され、サーバ装置8に送信される(ステップ301)。サーバ装置8のライフログ情報取得部13により、センサ装置5から送信される同居人3の生体情報が取得される。図6に例示するように、取得された同居人3の生体情報は、DB9に記憶される(ステップ302)。
【0127】
異常判定部14により、同居人3の生体情報が、図7に例示する判定基準値と比較され、生体情報が異常であるか否かが判定される(ステップ303及び304)。同居人3の生体情報が異常でない場合は(ステップ304のNo)、処理は終了する。
【0128】
同居人3の生体情報が異常である場合(ステップ304のYes)、異常通知部15により、その旨が従業員2に通知される(ステップ305)。具体的には、同居人3の生体情報が異常である旨の情報が、従業員端末6に送信される。そして、従業員端末6の表示デバイスに、同居人3の生体情報が異常である旨が表示される(ステップ306)。
【0129】
図12は、従業員端末6に表示される異常通知画面の一例を示す模式図である。図12に示す異常通知画面20は、同居人3の生体情報が異常である旨を表示して従業員2に通知するための画面である。
【0130】
図12に示す異常通知画面 は、以下の項目の情報を含む。
「送信日時」…本例では、「2023/4/3 6:05AM」。
「送信元」…本例では、「健康管理システム」。
「送信先」…本例では、「営業一課 〇〇潤一」。
「件名」…本例では、「ヘルスデータ異常のご連絡」
「本文」…本例では、従業員2の情報、異常と判定された生体情報が検出された同居人3の情報、異常と判定された生体情報の値、同居人3の体調の確認をお願いする旨の内容等が、本文に表示される。
【0131】
具体的には、営業一課の〇〇潤一さんの家族である〇〇健さんの生体情報(ヘルスデータ)が、異常値である旨が本文に表示される。また「ご確認をお願いします」といった文章と、異常値となった体温(38.1度)及び心拍数(100)が、本文に表示される。
【0132】
さらに、図12に示す異常通知画面20では、この異常通知に対する回答を入力するか否かを従業員2に尋ねる旨の文章と、OKボタンが表示される。従業員2は、異常通知に対する回答を入力する場合には、OKボタンを選択する。そうすると、異常通知に対する回答を入力するための入力画面に移動する(図示は省略)。
【0133】
異常通知に対する回答は、典型的には、同居人3の体調に関する回答である。例えば、生体情報が異常であると判定された同居人3が実際に体調不良であるか否かの情報を、同居人3の体調に関する回答として入力することが可能である。すなわち、同居人3の体調が不良の旨の回答や、同居人3の体調は不良ではなく正常である旨の回答等を入力することが可能である。
【0134】
例えば、〇〇健は実際に体温が高く心拍数も速い状態であり、体調が不良であるといった情報を、同居人3の体調に関する回答として入力することが可能である。また、〇〇健は実際には平熱で心拍数も正常であり、いたって元気であるといった情報を、同居人3の体調に関する回答として入力することが可能である。
【0135】
図11に示す例では、ステップ307にて、従業員2からの異常通知に対する回答の入力の有無が判定される。異常通知に対する回答の入力がない場合は(ステップ307のNo)、処理は終了する。例えば、所定の時間が経過するまでに回答の入力がない場合に、ステップ307にてNoと判定されてもよい。あるいは、異常通知画面20内に、回答しない旨のボタンが準備されており、当該ボタンが選択された場合にステップ307にてNoと判定されてもよい。
【0136】
異常通知に対する回答の入力がある場合は(ステップ307のYes)、同居人3の体調に関する回答が、サーバ装置8に送信される(ステップ308)。サーバ装置8の回答受付部16により、従業員端末6から送信された回答が受け付けられる(ステップ309)。
【0137】
ステップ305にて、同居人3の生体情報が異常である旨の情報を従業員端末6に送信するための形態は限定されない。例えば、メール機能、SNS機能、ショートメッセージ機能等、任意の形態で、生体情報が異常である旨の情報が送信されてよい。
【0138】
また、従業員端末6に表示される異常通知画面20の構成(例えば文章構成や文章内容等)も限定されず、任意の構成が採用されてよい。異常通知画面20の表示に代えて、もしくは異常通知画面20の表示に加えて、音声により、同居人3の生体情報が異常である旨が通知されてもよい。
【0139】
また、従業員2が異常通知に対する回答、すなわち同居人3の体調に関する回答を入力するためのUIも限定されず、任意のGUIや音声UIが採用されてよい。例えば、従業員2によるテキスト入力、音声入力、プルダウンの選択等、同居人3の体調に関する回答を入力することが可能な任意の形態を採用することが可能である。
【0140】
同居人3の生体情報が異常である旨の情報、及び異常通知に対する従業員2からの同居人3の体調に関する回答は、業務管理に有効に利用することが可能である。
【0141】
図13は、サーバ装置8から管理端末7への通知例を示すフローチャートである。まず、サーバ装置8の異常通知部15により、同居人3の生体情報が異常となった従業員2が特定される(ステップ401)。本ステップは、例えは、図6に示す「ログデータテーブル」、図5に示す「同居人データテーブル」を参照することで実行可能である。
【0142】
また、異常通知部15により、ステップ401にて特定された従業員2の業務を管理する管理者11が特定される(ステップ402)。本ステップは、例えば、図4に示す「従業員データテーブル」を参照することで実行可能である。
【0143】
異常通知部15により、従業員2から同居人3の体調に関する回答の有無が判定される(ステップ403)。同居人3の体調に関する回答がない場合は(ステップ403のNo)、異常通知部15により、同居人3の生体情報が異常である旨が、管理者11に通知される(ステップ404)。具体的には、同居人3の生体情報が異常である旨の情報が、管理端末7に送信される。そして、管理端末7の表示デバイスに、同居人3の生体情報が異常である旨が表示される(ステップ405)。
【0144】
図14は、管理端末7に表示される異常通知画面の一例を示す模式図である。図14に示す異常通知画面22は、同居人3の生体情報が異常である旨を表示して管理者11に通知するための画面である。
【0145】
図14に示す異常通知画面22は、以下の項目の情報を含む。
「送信日時」…本例では、「2023/4/3 6:15AM」。
「送信元」…本例では、「健康管理システム」。
「送信先」…本例では、「営業一課 △△隆之」。
「件名」…本例では、「ヘルスデータ異常のご連絡(〇〇潤一の同居人)」。
「本文」…本例では、同居人3の生体情報が異常となった従業員2の情報、異常と判定された生体情報が検出された同居人3の情報、異常と判定された生体情報の値が、本文に表示される。
【0146】
具体的には、営業一課の〇〇潤一さんの家族である〇〇健さんの生体情報(ヘルスデータ)が、異常値である旨が本文に表示される。また異常値となった体温(38.1度)及び心拍数(100)が本文に表示される。
【0147】
さらに、図14に示す異常通知画面22では、行いたい関連手続きを選択可能なチェックボックスと、OKボタンとが表示される。関連手続きは、同居人3の生体情報が異常である状況に関連する任意の手続きを含む。
【0148】
図14に示す例では、同居人3の生体情報が異常となった従業員2である「〇〇潤一」さんの休暇申請手続き、同居人3の生体情報が異常となった従業員2である「〇〇潤一」さんのテレワーク申請手続き、及び総務部への連絡が、関連手続きとして表示される。
【0149】
管理者11は、行いたい関連手続きのチェックボックスを選択し、OKボタンを押す。そうすると、選択した関連手続きを実行するための画面に移動する(図示は省略)。
【0150】
図13に示す例では、ステップ406にて、関連手続きを行う旨の入力の有無が判定される。関連手続きを行う旨の入力がない場合は(ステップ406のNo)、処理は終了する。例えば、所定の時間が経過するまでに、図14に示すいずれかの関連手続きの選択がない場合に、ステップ406にてNoと判定されてもよい。あるいは、異常通知画面22内に、関連手続きを行わない旨のボタンが準備されており、当該ボタンが選択された場合にステップ406にてNoと判定されてもよい。
【0151】
関連手続きを行う旨の入力がある場合(ステップ406のYes)、当該関連手続きの指示が、サーバ装置8に送信される(ステップ407)。例えば、図14に示す異常通知画面22に表示されたいずれかの関連手続きのチェックボックスが選択され、OKボタンが選択される。そうすると、ステップ406にてYesと判定される。そして、ステップ407にて、選択された関連手続きの指示が、サーバ装置8に送信される。
【0152】
サーバ装置8の手続き受付部17により、管理者11により選択された関連手続きの指示が受け付けられる。当該関連手続きの指示の受け付けは、管理者11により入力される従業員2の業務に関する所定の手続きの受け付けの一実施形態に相当する。
【0153】
そして、サーバ装置8の手続き処理部18により、手続き受付部17による受け付けられた関連手続きが実行される(ステップ408)。例えば、休暇申請の手続きが受け付けられて処理される場合には、図8に示す「休暇申請データ」が作成されて記憶される。
【0154】
ステップ403にて、同居人3の体調に関する回答があった場合は(Yes)、受け付けられた回答が、同居人3が実際に体調不良である旨の回答であるか否かが判定される。すなわち、回答受付部16により、従業員2から同居人3の体調が不良の旨の回答が受け付けられたか、それとも従業員2から同居人3の体調が不良でない旨の回答が受け付けられたかが判定される(ステップ409)。なお、本ステップは、回答受付部16により実行されてもよいし、異常通知部15により実行されてもよい。
【0155】
従業員2から同居人3の体調が不良の旨の回答が受け付けられない場合(ステップ409のNo)、処理は終了する。
【0156】
従業員2から同居人3の体調が不良の旨の回答が受け付けられた場合(ステップ409のYes)、異常通知部15により、その旨が管理者11に通知される(ステップ410)。具体的には、同居人3の体調が不良である旨の情報が、管理端末7に送信される。そして、管理端末7の表示デバイスに、同居人3の体調が不良である旨が表示される(ステップ411)。
【0157】
図15は、管理端末7に表示される異常通知画面の一例を示す模式図である。図15に示す異常通知画面24は、同居人3の体調が不良である旨を表示して管理者11に通知するための画面である。
【0158】
図15に示す異常通知画面24は、以下の項目の情報を含む。
「送信日時」…本例では、「2023/4/3 6:15AM」。
「送信元」…本例では、「健康管理システム」。
「送信先」…本例では、「営業一課 △△隆之」。
「件名」…本例では、「体調不良のご連絡(〇〇潤一の同居人)」。
「本文」…本例では、同居人3の体調が不良となった従業員2の情報、体調が不良となった同居人3の情報、異常と判定された生体情報の値が、本文に表示される。
【0159】
具体的には、営業一課の〇〇潤一さんの家族である〇〇健さんの体調が不良である旨が本文に表示される。また異常値となった体温(38.1度)及び心拍数(100)が本文に表示される。
【0160】
さらに、図15に示す異常通知画面24では、図14に示す異常通知画面22と同様に、行いたい関連手続きを選択可能なチェックボックスと、OKボタンとが表示される。もちろん、図14に示す異常通知画面22に表示される関連手続きと、図15に示す異常通知画面24に表示される関連手続きとが異なっていてもよい。
【0161】
管理者11は、行いたい関連手続きのチェックボックスを選択し、OKボタンを押す。そうすると、選択した手続きを実行するための画面に移動する(図示は省略)。
【0162】
図13に示すステップ406~408が実行され、管理者11が所望する関連手続きが実行される。もちろん、管理者11が、関連手続きを実行しないことを選択することも可能である。
【0163】
ステップ404にて同居人3の生体情報が異常である旨の情報を管理端末7に送信するための形態、及びステップ410にて同居人3の体調が不良である旨の情報を管理端末7に送信するための形態は限定されない。例えば、メール機能、SNS機能、ショートメッセージ機能等、任意の形態で、生体情報が異常である旨及び体調が不良である旨の情報が送信されてよい。
【0164】
また、管理端末7に表示される異常通知画面22及び24の構成(例えば文章構成や文章内容等)も限定されず、任意の構成が採用されてよい。異常通知画面22及び24の表示に代えて、もしくは異常通知画面22及び24の表示に加えて、音声により、同居人3の生体情報が異常である旨及び同居人3の体調が不良である旨が通知されてもよい。
【0165】
また、管理者11が、所望の関連手続きを選択(指示)するためのUIも限定されず、任意のGUIや音声UIが採用されてよい。例えば、管理者11によるテキスト入力、音声入力、プルダウンの選択等、所望の関連手続きを選択(指示)することが可能な任意の形態を採用することが可能である。
【0166】
以上、本実施形態に係る業務管理システム1では、従業員2の同居人3から検出される生体情報が取得され、当該生体情報が異常である場合に、その旨が従業員2に通知される。また、当該通知に対して入力される従業員2からの同居人3の体調に関する回答が受け付けられる。これにより、効率的な業務管理を実現することが可能となる。
【0167】
近年、ウェアラブルデバイスの発達により様々なヘルスデータを取得できるようになったことで、体調不良を予測・検出することが可能となった。また、上記の特許文献1に記載のように、従業員2の健康状態の情報を取得する技術も開示されている。
【0168】
一方で、従業員2本人が健康でも、従業員2の家族等の同居人3が体調不良となる場合も十分にあり得る。この場合、体調不良となった同居人3の看病のため、あるいは従業員2自身に自宅待機が必要といったことにより、当日出社しての業務ができなくなる場合もあり得る。そうすると、急遽、代理で業務を行う他の従業員2の手配等の人員管理や、業務の進捗予定をずらすといった進捗管理等の、業務管理が必要となる。
【0169】
本実施形態に係る業務管理システム1では、従業員2のみならず、同居人3のライフログ情報(とくに生体情報)を取得し、異常であるか否かの判定が行われる。そして、従業員2に、同居人3の体調を確認する旨の通知を行い、その回答が受け付けられる。
【0170】
これにより、従業員2及び同居人3の体調不良を早期に検出することが可能となり、従業員2の業務に関する影響を把握することが可能となる。具体的には、同居人3の体調不良により、従業員2自身が休む可能性があるといったことや、テレワークが必要であるといったことを、早期に把握することが可能となる。また、休暇申請やテレワーク申請等の、必要な手続き受け付けて処理することが可能となる。この結果、効率的な業務管理が実現される。
【0171】
もちろん、同居人3の性別や年齢等を限定することなく、本業務管理システム1を利用することが可能となる。例えば、同居人3が乳幼児等であっても、ライフログ情報(生体情報)を検出可能なようにセンサ装置5を設置することで、異常判定及び異常通知を問題なく実行することが可能となる。また、乳幼児の体調の異常を、速やかに通知するといった意味でも、本業務管理システム1は有効である。
【0172】
本実施形態において、業務管理システム1は、本発明に係る情報処理システムの一実施形態に相当する。
ライフログ情報取得部13は、本発明に係る取得部の一実施形態として機能する。
異常判定部14及び異常通知部15は、本発明に係る通知部の一実施形態として機能する。
回答受付部16は、本発明に係る回答受付部の一実施形態として機能する。
手続き受付部17は、本発明に係る手続き受付部の一実施形態として機能する。
【0173】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る業務管理システムについて説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した業務管理システム1における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
【0174】
図16図18は、本実施形態に係る業務管理システム26を説明するための模式図である。本実施形態に係る業務管理システム26では、従業員端末6の代わりに、スマートスピーカ27が用いられる。図16に示すように、スマートスピーカ27は、従業員2の居住空間Sに配置され、従業員2及び同居人3に対して、音声対話システムを構築することが可能である。
【0175】
また、図18に示すように、本実施形態では、「従業員データテーブル」に、さらに「スマートスピーカID」が記憶される。
【0176】
スマートスピーカ27は、例えばCPU、GPU、DSP等のプロセッサ、ROM、RAM等のメモリ、HDD等の記憶デバイス等、コンピュータに必要なハードウェアを有する(図21参照)。プロセッサが記憶部やメモリに記憶されている本技術に係るプログラムをRAMにロードして実行することにより、本技術に係る情報処理方法(健康管理方法)が実行される。
【0177】
また、スマートスピーカ27は、スピーカ等の音声出力装置、及びマイク等の音声入力装置を備える(図示は省略)。その他、表示ディスプレイや、カメラ等のライフログ情報を検出するためのセンサが備えられてもよい。その場合、スマートスピーカ27は、センサ装置5としても機能することになる。
【0178】
図17に模式的に示すように、本実施形態では、スマートスピーカ27のプロセッサが所定のプログラムを実行することで、機能ブロックとして、発話解析部28と、応答処理部29とが構成される。
【0179】
発話解析部28は、従業員2及び同居人3の各々の発話内容を解析する。具体的には、発話解析部28は、従業員2及び同居人3からの発話音声から発話意図を解析する。例えば、発話解析部28は、発話音声に対して音声認識処理を実行し、音声データをテキストデータに変換する。そして、変換されたテキストデータに対して、自然言語理解処理を実行し、テキストデータから発話意図を解析する。
【0180】
発話意図の解析のために、様々な単語や語彙が集約された辞書データが記憶部(図21参照)に記憶されており、適宜参照されてもよい。また、従業員2及び同居人3の音声サンプルデータ等が記憶部(図21参照)に記憶されており、発話者の特定処理が実行されてもよい。
【0181】
スマートスピーカ27は、どの人物がどのような意図の発話をしたかを解析することが可能である。図16に示す例では、従業員2と同居人3とが、どのような内容の会話を行ったかを認識することが可能である。また、会話の中の発言が、どの人物から発せられたものかを認識することが可能である。
【0182】
発話意図の解析、及び発話者の特定のための具体的なアルゴリズムは限定されない。例えば、機械学習アルゴリズムにより学習された学習モデルが用いられて、発話意図の解析や、発話者の特定が実行されてもよい。
【0183】
応答処理部29は、発話解析部28による解析結果に基づいて、所定の応答処理を実行する。応答処理は自動的に実行される処理であり、応答処理を自動応答処理ということも可能である。
【0184】
応答処理部29は、応答処理として、従業員2及び同居人3の会話や、従業員2及び同居人3からの音声による指示、要求、依頼、呼びかけ等に応じて、応答音声を出力する。具体的には、音声として出力する内容が例えばテキストデータで生成される。当該テキストデータが音声データに変換され、応答音声としてスピーカ等から出力される。
【0185】
スマートスピーカ27に表示デバイスや照明等が備えられている場合には、応答処理として、応答画像の表示や、所定の態様で照明を制御する応答照明等が実行される。その他、サーバ装置8への通知、管理端末7への通知、電化製品の電源のON/OFF、音声コンテンツや映像コンテンツの再生、クーラーの温度設定、所定のWebサイトの表示、商品の注文、ネットワーク上の様々なサーバからの情報の収集、計算等、応答処理として、様々な処理が実行可能である。
【0186】
応答処理ための具体的なアルゴリズムは限定されない。例えば、機械学習アルゴリズムにより学習された学習モデルが用いられて、応答処理が実行されてもよい。
【0187】
図17に示すように、スマートスピーカ27は、ネットワーク10を介して、センサ装置5、管理端末7、及びサーバ装置8と、互いに通信可能に接続されている。従って、スマートスピーカ27により、センサ装置5、管理端末7、及びサーバ装置8からの、従業員2や同居人3への様々な通知を音声で出力することも可能である。また、スマートスピーカ27を介して、従業員2及び同居人3から、センサ装置5、管理端末7、及びサーバ装置8に対して、様々な操作や指示のための音声入力を行うことも可能である。
【0188】
スマートスピーカ27により、第1の実施形態で説明した、従業員2と従業員端末6との間の、音声を介した情報の出力や情報の入力等を実行することも可能である。例えば、スマートスピーカ27を介して、サーバ装置8からの同居人3の生体情報が異常である旨の異常通知を、音声により出力することも可能である。
【0189】
すなわち、本実施形態では、異常通知部15により、従業員2の居住空間Sに配置されるスマートスピーカ27を介して、音声により、取得された生体情報が異常である旨の通知を実行することが可能である。
【0190】
また、スマートスピーカ27を介して、従業員2から、同居人3の体調に関する回答を、音声により入力することも可能である。そして、回答受付部16により、スマートスピーカ27を介して音声により入力される、従業員2からの同居人3の体調に関する回答が受け付けられる。
【0191】
例えば、スマートスピーカ27から、「〇〇健さんのヘルスデータが異常値となりましたので確認お願いします」といった異常通知が、音声により出力されてもよい。その他、図12に示すような異常通知画面20の内容が、音声により出力されてもよい。
【0192】
そして、当該通知に対する「〇〇潤一」さんからの、「確かに熱があり、健は体調不良のようです」といった音声が、同居人3の体調が不良の旨の回答として、入力されてもよい。入力された回答は、発話解析部28により意図が解析され、応答処理部29によりサーバ装置8に送信される。そして、サーバ装置8の回答受付部16により、発話解析部28の解析結果が、同居人3の体調が不良の旨の回答として受け付けられる。
【0193】
もちろん、「〇〇潤一」さんからの、「いや、健は平熱で、いたって元気です」といった音声が、同居人3の体調は不良ではない旨の回答として、入力されてもよい。入力された回答は、発話解析部28により意図が解析され、応答処理部29によりサーバ装置8に送信される。そして、サーバ装置8の回答受付部16により、発話解析部28の解析結果が、同居人の体調は不良ではない旨の回答として受け付けられる。
【0194】
なお、従業員2からの発話であるか、同居人3からの発話であるかが判定され、従業員2からの発話のみに対して反応するといった設定も可能である。
【0195】
このように、従業員2の居住空間Sに配置されたスマートスピーカ27により、従業員2及び同居人3に対して、音声対話システムを構築する。これにより、本発明に係る業務管理システム(健康管理システム)を、さらに効果的に動作させることが可能となる。
【0196】
[従業員2及び同居人3の発話の解析]
従業員2及び同居人3の発話内容の解析結果に基づいて、同居人3の生体情報が取得されてもよい。例えば、発話解析部28により、従業員2及び同居人3の発話内容が解析された結果、同居人3の体調が不良である可能性が検出された場合に、ライフログ情報取得部13による同居人3生体情報の取得が行われる。
【0197】
例えば、スマートスピーカ27の記憶部に、「体調不良」「発熱」「〇〇病」「〇〇ウイルス」等の体調不良に関する語彙を含む辞書データを記憶させる。スマートスピーカ27の発話解析部28により、これらの語彙が含まれる発話が検出された場合に、従業員2及び同居人3のいずれかの人物の体調が不良である可能性が検出されたと判定される。
【0198】
あるいは、「あなた、健がぐったりしてて熱があるみたいなの」という妻(同居人3a)の発話や、「お母さん、体が熱くて辛いよ」という子供(同居人3b)の発話等を解析することで、従業員2及び同居人3のうち、どの人物が体調不良の可能性があるのかを解析して特定することも可能である。
【0199】
従業員2及び同居人3のいずれかの人物が体調が不良である可能性が検出された場合に、同居人3の体調が不良である可能性が検出されたと判定されてもよい。すなわち、人物を特定することなく、体調が不良の人物が存在する可能性が検出された場合に、同居人3の体調が不良である可能性が検出されたと判定してもよい。
【0200】
あるいは、体調が不良の可能性がある人物は、従業員2ではなくて、同居人3であるという点まで解析して特定した場合に、同居人3の体調が不良である可能性が検出されたと判定してもよい。もちろん、体調が不良の可能性がある人物が、同居人3のうち誰であるかを特定することも可能である。
【0201】
ライフアログ情報取得部13は、同居人3の体調が不良である可能性が検出された場合に、同居人3の生体情報を取得する。例えば、発話解析部28により解析された同居人3の体調が不良である可能性が検出された旨の情報は、応答処理部29により、応答処理として、サーバ装置8のライフログ情報取得部13に送信される。
【0202】
ライフログ情報取得部13は、センサ装置5から定期的に送信される同居人3の生体情報に対して、同居人3の体調が不良である可能性が検出されない場合は、無効な情報としてDB9には記憶しない。一方で、同居人3の体調が不良である可能性が検出された場合は、有効な情報としてDB9に記憶する。また、記憶した生体情報に基づいて、さらに生体情報が生成されてもよい。このような処理は、本技術に係る「同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、同居人の生体情報を取得する」処理に含まれる。
【0203】
あるいは、サーバ装置8からの要求に基づいて、センサ装置5からサーバ装置8への生体情報の送信が実行される設定を採用する。そして、同居人3の体調が不良である可能性が検出されない場合は、サーバ装置8からセンサ装置5への生体情報の送信の要求は出力されない。一方で、同居人3の体調が不良である可能性が検出される場合は、サーバ装置8からセンサ装置5への生体情報の送信の要求が出力される。このような処理も、本技術に係る「同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、同居人の生体情報を取得する」処理に含まれる。
【0204】
あるいは、スマートスピーカ27により、センサ装置5からサーバ装置8への同居人3の生体情報の送信が制御されてもよい。すなわち、発話解析部28により同居人3の体調が不良である可能性が検出されない場合には、応答処理部29による応答処理として、センサ装置5からサーバ装置8への同居人3の生体情報の送信は規制される。
【0205】
一方で、発話解析部28により同居人3の体調が不良である可能性が検出された場合には、応答処理部29による応答処理として、センサ装置5からサーバ装置8への同居人3の生体情報の送信が指示される。すなわち、同居人3から生体情報を検出するセンサに対して、生体情報の出力が指示される。このような処理は、本技術に係る「同居人の体調が不良である可能性が検出された場合に、同居人の生体情報を取得する」処理に含まれる。
【0206】
発話解析部28により発話内容が解析された結果、同居人3のうち特定の人物の体調が不良である可能性が検出された場合、その特定の人物から検出される生体情報が、ライフログ情報取得部13により取得されてもよい。
【0207】
例えば、同居人3のうち特定の人物の体調が不良である可能性が検出された場合、その特定の人物から検出された生体情報が有効な情報としてDB9に記憶されてもよい。あるいは、サーバ装置8から、その特定の人物から生体情報を検出するセンサに対する、生体情報の送信の要求が出力されてもよい。
【0208】
あるいは、応答処理部29により、その特定の人物から生体情報を検出するセンサに対して、生体情報の出力が指示されてもよい。
【0209】
このように、従業員2及び同居人3の発話内容を解析して、同居人3の体調が不良である可能性を検出する。これにより、効率のよい生体情報の取得が実現され、DB9の記憶容量の節約や、通信データ量の削減を図ることが可能となる。
【0210】
図19は、業務管理システム26における処理例を示すフローチャートである。スマートスピーカ27の発話解析部28により、発話内容に体調不良に関する語彙が含まれているか否かが監視される(ステップ501)。
【0211】
発話内容に体調不良に関する語彙が含まれている場合(ステップ501のYes)、発話解析部28により、体調不良者が特定される(ステップ502)。体調不良者を特定するために、発話者の特定や、発話内容の解析等、任意のアルゴリズムが用いられてよい。
【0212】
発話解析部28により、特定された体調不良者が、従業員2及び同居人3のいずれかであるか否かが判定される(ステップ503)。特定された体調不良者が、従業員2及び同居人3のいずれにも該当しない場合(ステップ503のNo)、処理は終了する。
【0213】
例えば、従業員2や同居人3がテレビ等を見ている場合等において、有名人の病気がニュースとして流れる場合もあり得る。当該有名人の病気について会話している場合等では、体調不良者は、従業員2及び同居人3以外の人物となり、処理は終了する。
【0214】
特定された体調不良者が、従業員2及び同居人3のいずれかである場合(ステップ503のYes)、応答処理部29により、特定した人物の生体情報の検出及び送信が指示される。すなわち、特定した人物から生体情報を検出するセンサに対して生体情報の出力が指示される(ステップ504)。指示を受けたセンサ装置5により、特定した人物から生体情報が検出され、サーバ装置8に送信される(ステップ505)。
【0215】
図20は、とくに同居人3の体調不良に着目して動作する処理例を示すフローチャートである。
【0216】
スマートスピーカ27の発話解析部28により、発話内容に体調不良に関する語彙が含まれているか否かが監視される(ステップ601)。発話内容に体調不良に関する語彙が含まれている場合(ステップ601のYes)、発話解析部28により、体調不良者が特定される(ステップ602)。
【0217】
発話解析部28により、特定された体調不良者が、同居人3であるか否かが判定される(ステップ603)。特定された体調不良者が、同居人3ではない場合(ステップ603のNo)、処理は終了する。
【0218】
特定された体調不良者が、同居人3である場合(ステップ603のYes)、応答処理部29により、特定した同居人3の生体情報の検出及び送信が指示される。すなわち、特定した同居人3から生体情報を検出するセンサに対して生体情報の出力が指示される(ステップ604)。指示を受けたセンサ装置5により、特定した同居人3から生体情報が検出され、サーバ装置8に送信される(ステップ605)。
【0219】
このように、同居人3の体調不良に着目して、本業務管理システム26を動作させることも可能である。
【0220】
また、発話解析部28により発話内容が解析された結果、従業員2からの同居人3の体調が不良である旨の回答が検出された場合、応答処理部29により、従業員2の業務及び同居人3の体調の不良の少なくとも一方に関する提案を行うことも可能である。
【0221】
従業員2の業務に関する提案としては、例えは、管理者11や総務部へ連絡するか否かの提案(「管理者へ連絡しますか?」「総務部へ連絡しますか?」等)、テレワークを申請するか否かの提案(「テレワーク申請をしますか?」等)、有給申請(休暇申請)を申請するか否かの提案(「有給を申請しますか?」等)、業務に関する様々な提案を行うことが可能である。
【0222】
同居人3の体調の不良に関する提案としては、病院に連れていくか否かの提案(「健くんを病院につれていってはどうでしょう?」等)、病院に電話するか否かの提案(「病院に電話しますか?」等)、近くの病院の情報の通知(「近くに救急病院があります」等)、救急車の出動を要請するか否かの提案(「救急者を呼びましょうか?」等)、応急処置に関する情報の通知(「おでこを冷やしてください」等)、同居人3の体調の不良に関する様々な提案を行うことが可能である。
【0223】
また、発話解析部28により発話内容が解析された結果、従業員2の業務及び同居人3の体調の不良の少なくとも一方に関する指示が検出された場合、応答処理部29により指示に応じた応答処理を実行させることが可能である。
【0224】
例えば、管理者11や総務部への連絡、テレワークの申請、有給申請(休暇申請)の申請等の従業員2の業務に関する様々な指示に応じて、管理者11や総務部への架電、テレワークの申請処理、有給申請(休暇申請)の申請処理等、対応する応答処理を実行することが可能である。
【0225】
また、例えば病院の情報の開示、病院への連絡、タクシーの要請、救急車の出動の要請、応急処置の情報の開示等、同居人3の体調の不良に関する様々な指示に応じて、病院の情報の通知、病院への架電、タクシー会社への架電(タクシー配車アプリケーションによるタクシーの呼び出し)、119番への架電、応急処置の情報の通知等、対応する応答処理を実行することが可能である。
【0226】
サーバ装置8の手続き受付部17は、スマートスピーカ27の応答処理部29から、業務に関する手続きの指示が送信された場合は、当該手続きを受け付ける。サーバ装置8の手続き処理部18により、手続き受付部17による受け付けられた関連手続きが実行される。
【0227】
また、発話解析部28により発話内容が解析された結果、体調が重篤である人物が存在する可能性が検出された場合、応答処理部29により救急車の出動を要請することも可能である。このように、従業員2から明確な指示や要求がない場合でも、発話内容に基づいて必要な応答処理を判断し実行することも可能である。
【0228】
応答処理部29により、従業員2の業務に関する業務情報、及び流行している病気、天候、及び社会情勢の少なくとも1つを含む社会情勢・環境情報の少なくとも一方を反映させて、応答処理を実行することも可能である。
【0229】
例えば就業規則、勤務スケジュール(従業員2本人や部下の当日のスケジュール等)、休暇申請等の各種届出申請の種類、業務の進捗状況(従業員2本人や部下の進捗状況、担当プロジェクトの進捗状況等)、業務の成果及び業績(当月の売り上げ達成度等)、業種、役職、繁忙期、その他会社独自の情報を含む、様々な業務情報を反映させて、柔軟で適切な応答処理を実行することが可能である。なお、これらの業務情報は、DB9から取得することが可能である。
【0230】
また、例えば、流行している病気、天候、社会情勢に関する詳細情報等を含む、様々な社会情勢・環境情報を反映させて、応答処理を実行することが可能である。例えば、今日の天気・気温・湿度、季節柄流行する可能性の高い病気についての情報、コロナやインフルエンザほか新しい感染症等に関する情報、自治体等が発表感染者数の情報、小学校や中学校等の休校についての情報、緊急事態宣言ほか政府から発せられる注意喚起の情報、かかりつけの病院の休診日・診察時間についての情報等を反映させて、柔軟で適切な応答処理を実行することが可能である。なお、これらの社会情勢・環境情報は、ネットワーク上の様々なサーバ等、外部から取得することが可能である。
【0231】
例えば、従業員2である「〇〇潤一」さんから、同居人3である「〇〇健」さんの体調が不良の旨の回答が入力されて受け付けられた場合には、以下のような応答音声が出力される。
【0232】
「〇〇健さんの体温は38度を超えていて、脈拍数も100を超えています。8時現在、周辺の天気は快晴、気温は30度、湿度は69%です。もしかしたら熱中症かもしれません。〇〇潤一さんの今日の予定を確認すると、15:00に社長報告の予定が入っていますので、午前のみ、お休みすることをおすすめします。」「課長の△△隆之さんに、午前半休の申請を行いますか?」
【0233】
このように、季節や気温・天気、当日のスケジュールなどを踏まえた応答が実現可能になり、従業員2とって非常に有用なシステムとして動作させることが可能となる。
【0234】
業務情報や社会情勢・環境情報が反映された応答動作を実行する際に、これらの情報のどの項目(パラメータ)を重視して反映させるかを制御することも可能である。例えば、サーバ装置8により、応答処理に反映させる項目に関する重み付け情報が生成される。重み付け情報は、業務情報や社会情勢・環境情報の各項目に対して、優先的に反映させる度合い(優先度)に応じた重み付けが設定された情報である。
【0235】
例えば、業務の進捗状況や、業務の成果及び業績に即した提案等を行いたい場合には、業務の進捗状況や、業務の成果及び業績に関する項目の重み付け(優先度)を高く設定する。従業員2の有給休暇の消化を促進させたい場合には、有給休暇の申請に関する項目やや勤務スケジュールに関する項目の重み付け(優先度)を高く設定する。その他、任意の設定が可能である。
【0236】
また例えば、流行している感染症の対策を重視したい場合には、当該感染症に関する情報に関する項目や政府から発せられる注意喚起の情報に関する項目重み付け(優先度)を高く設定する。その他、任意の設定が可能である。
【0237】
業務情報や社会情勢・環境情報に基づいて、どのような提案を行うことに関する重み付けを行うことも可能である。例えば、直近で締め切り予定がないデスクワークのみの勤務スケジュールである場合には、一日休暇の提案の重み付けを高くする。役員との打合せやクライアントとの会合が勤務スケジュールに入っている場合は、休暇申請の提案の重み付けを低くする。当月の売上達成度が低い場合は、休暇申請の提案の重み付けを低くする。かかりつけの病院が休診日の場合は、休暇申請の提案の重み付けを高くする。体温が37度以上でもその人の平熱との乖離が一定以下の場合は、通常出勤の重み付けを高くする。このような、業務情報に応じた適切な応答が実現可能となる。
【0238】
業務情報や社会情勢・環境情報を反映した応答動作、応答処理に反映させる項目に関する重み付け情報に基づいた応答動作、従業員2に対する提案の種類に対する重み付けを実現するための具体的なアルゴリズムは限定されない。例えば、機械学習アルゴリズムにより学習された学習モデルが用いられて、これらの応答処理が実行されてもよい。
【0239】
本実施形態において、業務管理システム26は、本発明に係る情報処理システムの一実施形態に相当する。
スマートスピーカ27は、本発明に係る音声入出力装置の一実施形態として機能する。
発話解析部28は、本発明に係る発話解析部の一実施形態として機能する。
応答処理部29は、本発明に係る応答処理部の一実施形態として機能する。
【0240】
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0241】
図2に示す例では、各センサ装置5が、ネットワーク10に接続されている。これに限定されず、従業員端末6のみがネットワーク10に接続されており、センサ装置5は、従業員端末6を介してライフログ情報をサーバ装置8に送信する。このような構成が採用されてもよい。
【0242】
第1の実施形態で説明した従業員端末6と、第2の実施形態で説明したスマートスピーカ27とが併用されてもよい。また、第1の実施形態で説明した従業員端末6に、第2の実施形態で説明したスマートスピーカ27の機能を搭載することも可能である。また、第2の実施形態で説明したスマートスピーカ27により、第1の実施形態で説明した従業員端末6と同等の機能を発揮させることも可能である。この場合、スマートスピーカ27を従業員端末6として用いる形態ともいえる。
【0243】
第1の実施形態において、サーバ装置8に従業員2からの同居人3の体調が不良の旨の回答が受け付けられた場合に、従業員2に対して、従業員2の業務及び同居人3の体調の不良の少なくとも一方に関する提案を行う提案部が構築されてもよい。そして、サーバ装置8の提案部が動作することにより、第2の実施形態で説明したような従業員2に対する様々な提案が実現されてもよい。当該提案は、例えば、従業員端末6を介して実行される。
【0244】
図6に示す「ログデータテーブル」では、同居人3の位置情報(GPS座標)も取得されている。例えば、同居人3の生体情報が異常である場合に、当該同居人3の位置情報が参照されてもよい。すなわち、生体情報が異常となる同居人3がどこにいるかが参照されてもよい。
【0245】
例えば、同居人3が従業員2から離れた位置や、隔離された位置にいる場合には、従業員2の体調への影響はほとんどないだろうといった推定を行うことも可能である。また、従業員2との距離に応じて、従業員2の体調への影響度が算出されてもよい。このように、ライフログ情報のうちの生体情報以外の情報が適宜利用されてもよい。
【0246】
上記の各実施形態では、ライフログ情報のうち生体情報に着目して、生体情報の異常判定や異常通知、従業員2からの同居人3の体調に関する回答の受け付け、従業員2や管理者11からの関連手続きの受付及び関連手続きの実行、従業員2に対する様々な提案について説明した。これに限定されず、ライフログ情報のうちの生体情報以外の情報に対しても、同様の処理を実行することが可能である。
【0247】
例えば、位置情報に対して、異常判定や異常通知が実行される。例えば、同居人3である子供が、家等の所定の位置(所定の地域)から外れた場合に、位置情報が異常であると判定され、従業員2に異常通知が実行される。そして、従業員2から入力される同居人3の位置に関する回答が受け付けられる。また従業員2や管理者11からの同居人3の位置が異常状態であることに関連する任意の関連手続きの受け付け、及び関連手続きの処理が実行される。また従業員2に対して、同居人3の位置に関する様々な提案が実行される。このようなシステムを構築することも可能である。
【0248】
もちろん、ライフログ情報のうち、生体情報及び位置情報以外の情報に対して、同様のシステムを構築することも可能である。
【0249】
図21は、センサ装置5、管理端末7、サーバ装置8、及びスマートスピーカ27として用いることが可能なコンピュータ60のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、センサ装置5には、さらにセンサが備えられる。
【0250】
コンピュータ60は、CPU61、ROM62、RAM63、入出力インタフェース65、及びこれらを互いに接続するバス64を備える。入出力インタフェース65には、表示部66、入力部67、記憶部68、通信部69、及びドライブ部70等が接続される。
表示部66は、例えば液晶、EL等を用いた表示デバイスである。入力部67は、例えばキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、その他の操作装置である。入力部67がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部66と一体となり得る。
記憶部68は、不揮発性の記憶デバイスであり、例えばHDD、フラッシュメモリ、その他の固体メモリである。ドライブ部70は、例えば光学記録媒体、磁気記録テープ等、リムーバブルの記録媒体71を駆動することが可能なデバイスである。
通信部69は、LAN、WAN等に接続可能な、他のデバイスと通信するためのモデム、ルータ、その他の通信機器である。通信部69は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。通信部69は、コンピュータ60とは別体で使用される場合が多い。
上記のようなハードウェア構成を有するコンピュータ60による情報処理は、記憶部68またはROM62等に記憶されたソフトウェアと、コンピュータ60のハードウェア資源との協働により実現される。具体的には、ROM62等に記憶された、ソフトウェアを構成するプログラムをRAM63にロードして実行することにより、本発明に係る情報処理方法が実現される。
プログラムは、例えば記録媒体71を介してコンピュータ60にインストールされる。あるいは、グローバルネットワーク等を介してプログラムがコンピュータ60にインストールされてもよい。その他、コンピュータ読み取り可能な非一過性の任意の記憶媒体が用いられてよい。
【0251】
ネットワーク等を介して通信可能に接続された複数のコンピュータが協働することで、本発明に係る情報処理方法(健康管理方法)及びプログラムが実行され、本発明に係る情報処理システムや情報処理装置が構築されてもよい。
すなわち本発明に係る情報処理方法、及びプログラムは、単体のコンピュータにより構成されたコンピュータシステムのみならず、複数のコンピュータが連動して動作するコンピュータシステムにおいても実行可能である。
なお本開示において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれもシステムである。
【0252】
コンピュータシステムによる本発明に係る情報処理方法、及びプログラムの実行は、例えばライフログ情報(生体情報)の取得、ライフログ情報(生体情報)が異常である旨の通知、従業員からの通知に対する回答の受け付け、関連手続きの受け付け、関連手続きの処理、発話内容の解析、応答処理の実行、従業員に対する提案等が、単体のコンピュータにより実行される場合、及び各処理が異なるコンピュータにより実行される場合の両方を含む。また所定のコンピュータによる各処理の実行は、当該処理の一部または全部を他のコンピュータに実行させその結果を取得することを含む。
すなわち本発明に係る情報処理方法及びプログラムは、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成にも適用することが可能である。
【0253】
各図面を参照して説明した業務管理システム、センサ装置、サーバ装置、管理端末、DB、スマートスピーカ、各種異常通知画面の各構成、ライフログ情報(生体情報)の検出、ライフログ情報(生体情報)の異常判定、異常通知、回答受付等の各処理フロー等はあくまで一実施形態であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変形可能である。すなわち本発明を実施するための他の任意の構成やアルゴリズム等が採用されてよい。
【0254】
本開示において、説明の理解を容易とするために、「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言が適宜使用される場合がある。一方で、これら「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言を使用する場合と使用しない場合とで、明確な差異が規定されるわけではない。
すなわち、本開示において、「中心」「中央」「均一」「等しい」「同じ」「直交」「平行」「対称」「延在」「軸方向」「円柱形状」「円筒形状」「リング形状」「円環形状」等の、形状、サイズ、位置関係、状態等を規定する概念は、「実質的に中心」「実質的に中央」「実質的に均一」「実質的に等しい」「実質的に同じ」「実質的に直交」「実質的に平行」「実質的に対称」「実質的に延在」「実質的に軸方向」「実質的に円柱形状」「実質的に円筒形状」「実質的にリング形状」「実質的に円環形状」等を含む概念とする。
例えば「完全に中心」「完全に中央」「完全に均一」「完全に等しい」「完全に同じ」「完全に直交」「完全に平行」「完全に対称」「完全に延在」「完全に軸方向」「完全に円柱形状」「完全に円筒形状」「完全にリング形状」「完全に円環形状」等を基準とした所定の範囲(例えば±10%の範囲)に含まれる状態も含まれる。
従って、「略」「ほぼ」「おおよそ」等の文言が付加されていない場合でも、いわゆる「略」「ほぼ」「おおよそ」等を付加して表現される概念が含まれ得る。反対に、「略」「ほぼ」「おおよそ」等を付加して表現された状態について、完全な状態が必ず排除されるというわけではない。
【0255】
本開示において、「Aより大きい」「Aより小さい」といった「より」を使った表現は、Aと同等である場合を含む概念と、Aと同等である場合を含まない概念の両方を包括的に含む表現である。例えば「Aより大きい」は、Aと同等は含まない場合に限定されず、「A以上」も含む。また「Aより小さい」は、「A未満」に限定されず、「A以下」も含む。
本技術を実施する際には、上記で説明した効果が発揮されるように、「Aより大きい」及び「Aより小さい」に含まれる概念から、具体的な設定等を適宜採用すればよい。
【0256】
以上説明した本発明に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0257】
本発明は、従業員の健康管理を行う業務管理システムにおいて、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0258】
S…居住空間
1、26…業務管理システム
2…従業員
3……同居人
5…センサ装置
6…従業員端末
7…管理端末
8…サーバ装置
9…データベース(DB)
11…管理者
20、22、24…異常通知画面
27…スマートスピーカ
60…コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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