IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイリスオーヤマ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電気掃除機 図1
  • 特開-電気掃除機 図2
  • 特開-電気掃除機 図3
  • 特開-電気掃除機 図4
  • 特開-電気掃除機 図5
  • 特開-電気掃除機 図6
  • 特開-電気掃除機 図7
  • 特開-電気掃除機 図8
  • 特開-電気掃除機 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024173155
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/32 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A47L9/32 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091384
(22)【出願日】2023-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】寺本 燎
(72)【発明者】
【氏名】福元 大地
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有輝
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057FA04
3B057FA13
3B057FA14
3B057FA22
(57)【要約】
【課題】軽量化を図りつつ、耐久性を向上させることが可能な電気掃除機を実現することを目的とした。
【解決手段】電気掃除機1は、吸引力を発生させる電動送風機14を有する掃除機本体10と、吸引した塵埃を集塵する集塵部50と、を備え、掃除機本体10が、ハンドル本体部44と、ハンドル本体部44を前側から覆うように支持する前筐体30と、前筐体30とは別部品であってハンドル本体部44を後側から覆うように支持する後筐体32と、を有するものであり、前筐体30及び後筐体32のそれぞれの一部と、ハンドル本体部44と、によって掃除機本体10のハンドル部16が構成されるものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生させる電動送風機を有する掃除機本体と、
吸引した塵埃を集塵する集塵部と、
を備え、
前記掃除機本体が、
ハンドル本体部と、
前記ハンドル本体部を前側から覆うように支持する前筐体と、
前記前筐体とは別部品であって前記ハンドル本体部を後側から覆うように支持する後筐体と、
を有するものであり、
前記前筐体及び前記後筐体のそれぞれの一部と、前記ハンドル本体部と、によって前記掃除機本体のハンドル部が構成されることを特徴とする、電気掃除機。
【請求項2】
前記電動送風機の吸気口側を支持する吸気側支持部を備え、
前記掃除機本体が、前記集塵部の排出口と連通する流入口を有し、
前記吸気側支持部が、前記流入口と前記電動送風機の吸気口との間において、前記前筐体と前記後筐体とによって挟み込まれることを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記電動送風機の吸気口側を支持する吸気側支持部を備え、
前記掃除機本体が、
前記集塵部の排出口と連通する流入口と、
吸引口を端部に有する筒部と、
を有し、
前記筒部が、流路を内部に備えたカバー体を備えたものであり、
前記カバー体が、前カバー体、及び後カバー体を有するものであり、
前記吸気側支持部が前記流入口及び前記電動送風機の吸気口の間に配されるとともに、前記吸気側支持部と前記後筐体との間に前記前カバー体が挟み込まれることを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記電動送風機の外周を支持する外周側支持部を備え、
前記外周側支持部が、前記前筐体と前記後筐体とで挟み込まれることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記掃除機本体が、前記集塵部の排出口と連通する流入口を有する流入口構成部を備え、
前記流入口構成部が、前記前筐体又は前記後筐体と一体で構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記掃除機本体が、吸引口を端部に有する筒部を有し、
前記後筐体が、前記筒部の一部を構成することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記筒部が、流路を内部に備えたカバー体を備えたものであり、
前記カバー体が、前カバー体、及び後カバー体を有するものであり、
前記後筐体が、前記後カバー体と一体又は1部品として構成されることを特徴とする、請求項6に記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記ハンドル部には、前記電動送風機の駆動のオンオフを操作するための操作部が設けられており、
前記ハンドル本体部が、環状に構成され、外周に沿った凹みを有するものであり、
前記操作部と前記電動送風機とを電気的に接続する配線が、前記凹みに配されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項9】
前記ハンドル本体部が、1部品で構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項10】
前記前筐体及び前記後筐体が、それぞれ1部品で構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているように、集塵部、電動送風機、コードリールを内蔵する本体ケースと、該本体ケースの一端側に配設される延長管と、前記本体ケースの他端側に配設されるハンドル部と、前記本体ケースの下面に突出して設けられた受部とを有する電気掃除機が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1-15020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に係る電気掃除機は、掃除機本体の強度が弱く、例えば転倒させる等した場合に損傷させてしまう懸念があるといった問題があった。その一方で、耐久性を高めるために、本体ケースの厚みを厚くしたり、本体ケースを保護カバーで覆ったりするなどして複数部品を結合させる等の対策を講じることが考えられる。しかしながら、このような対策を講じた場合は、電気掃除機の重量が増加してしまうといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、軽量化を図りつつ、耐久性を向上させることが可能な電気掃除機を実現することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気掃除機は、吸引力を発生させる電動送風機を有する掃除機本体と、吸引した塵埃を集塵する集塵部と、を備え、前記掃除機本体が、ハンドル本体部と、前記ハンドル本体部を前側から覆うように支持する前筐体と、前記前筐体とは別部品であって前記ハンドル本体部を後側から覆うように支持する後筐体と、を有するものであり、前記前筐体及び前記後筐体のそれぞれの一部と、前記ハンドル本体部と、によって前記掃除機本体のハンドル部が構成されるものである。
【0007】
本発明の電気掃除機は、ハンドル本体部を前筐体及び後筐体によって前側及び後側から覆うように支持したシンプルな構成によってハンドル部が設けられたものである。また、本発明の電気掃除機は、負荷が作用するハンドル部について、ハンドル本体部のみでハンドル部を構成する場合よりも耐久性が高いものとすることができる。従って、本発明によれば、軽量化を図りつつ、耐久性を向上させることが可能な電気掃除機を実現できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上述した課題を解決した電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体を分解した状態を示す分解図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体を構成するハンドル本体部及び電動送風機を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体を構成する電動送風機、集塵部、及び前カバー体を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体を構成する電動送風機、集塵部、及び前カバー体を含む部分を示す分解斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の掃除機本体を後方側から見た状態を示す斜視図である。
図9】変形例に係る電機掃除機の掃除機本体の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機1の全体構成について概略を説明した後、要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向、前後方向等の位置関係については、図1に示すように電気掃除機1を立設させた状態を基準として説明する。
【0011】
≪電気掃除機1の全体構成について≫
図1図2に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、例えば、充電式のものとすることも可能であるが、本実施形態では電源コードを介して外部電源から電力を得るものとされている。図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体10、集塵部50(集塵装置)、吸込具100及び延長管150(管部)等を備えている。
【0012】
掃除機本体10は、電気掃除機1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、図3図4に示すように、掃除機本体10は、筐体をなす本体ケース12の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための電動送風機14や制御基板部20、その他の部品等を組み込んだものとされている。また、掃除機本体10は、ハンドル部16を備えている。
【0013】
電動送風機14は、電気掃除機1において吸引力を発生させるものである。電動送風機14は、掃除機本体10において後方側(背面側)であって、後述する集塵部50に対して上方側の位置に設けられている。
【0014】
ハンドル部16は、電気掃除機1の使用者が掃除機本体10を把持するために設けられた部分である。すなわち、電気掃除機1は、例えばハンドル部16により構成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、掃除機本体10を把持できる構成とされている。
【0015】
制御基板部20は、操作部46の操作により電気掃除機1の動作を制御するためのものである。制御基板部20は、例えば電動送風機14に対して上側や、電動送風機14に対して前後左右に隣接する位置、あるいはその他の位置等、掃除機本体10の各部に配することが可能である。本実施形態では、制御基板部20は、ハンドル部16に対して下方側となる位置に配置されている。
【0016】
集塵部50は、電気掃除機1により吸引された塵芥が集められる部分である。図1図2に示すように、集塵部50は、掃除機本体10に対して連続するように設けられている。集塵部50は、いわゆる紙パック式のものや、いわゆるサイクロン式の集塵装置等、適宜のものとすることができる。本実施形態では、集塵部50は、サイクロン式の集塵装置によって構成されている。すなわち、集塵部50は、外筒52に設けられた集塵部流入口52bから空気を導入し、外筒52内で旋回気流を形成した後、空気を排出させる過程において集塵できるものとされている。集塵部50は、いわゆる単段あるいは複数段の分離方式のものを採用できるが、本実施形態では単段式の分離方式を採用したものとされている。図4に示すように、集塵部50は、外筒52(ダストカップ)及び構造体54を有し、これらの間に集塵空間56が形成されたものとされている。
【0017】
図1図2に示すように、延長管150は、掃除機本体10と吸込具100とを着脱可能に接続する筒状の部材である。延長管150は、一端側が掃除機本体10に設けられた吸引口40xに差し込み可能な形状とされ、他端が吸込具100に対して接続可能な形状とされている。延長管150を介して掃除機本体10と吸込具100とを接続することにより、吸込具100から掃除機本体10に至る一連の連通した経路(風路)を形成できる。
【0018】
吸込具100は、吸引源となる掃除機本体10の吸引口40xに対して直接的、あるいは延長管150を介して間接的に接続されるものである。吸込具100は、吸込口103及び継手部104を有する。吸込口103は、底面に向けて開口している。また、継手部104は、吸引口40xあるいは延長管150に接続可能とされている。
【0019】
電気掃除機1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機1は、掃除機本体10に特徴的な構造を備えたものとされている。以下、掃除機本体10について、さらに詳細に説明する。
【0020】
≪掃除機本体10について≫
以下、本実施形態の掃除機本体10において、さらに詳細に説明する。掃除機本体10は、上述した本体ケース12やハンドル部16を構成する各部に特徴的構成を備えている。掃除機本体10は、ハンドル部16を上下方向の上側に有し、吸引口40xを上下方向の下側の端部に備えた構成とされている。以下、掃除機本体10を構成する各部についてさらに詳細に説明する。
【0021】
図1図4に示すように、掃除機本体10は、前筐体30と、後筐体32とを備えている。前筐体30及び後筐体32は、それぞれ別部材として構成されている。また、前筐体30及び後筐体32は、それぞれ一部材として構成されている。前筐体30は、本体ケース12やハンドル部16において前方側となる部分を構成する部材である。また、後筐体32は、本体ケース12やハンドル部16において後方側となる部分を構成する部材である。
【0022】
前筐体30は、前側ハンドル構成部30a、及び前側本体構成部30bを有する。前側ハンドル構成部30aは、前筐体30において、ハンドル部16に相当する部分をなすものである。また、前側本体構成部30bは、前筐体30において、本体ケース12の電動送風機14等が収容される部分をなすものである。前筐体30は、前側ハンドル構成部30a及び前側本体構成部30bを一体的に形成したものとされている。
【0023】
後筐体32は、後側ハンドル構成部32a、後側本体構成部32b、及び後カバー体構成部32cを有する。後側ハンドル構成部32aは、後筐体32において、ハンドル部16に相当する部分をなすものである。後側本体構成部32bは、前筐体30において、本体ケース12の電動送風機14等が収容される部分をなすものである。また、後カバー体構成部32cは、後に詳述する筒部40の一部をなすものである。後筐体32は、後側ハンドル構成部32a、後側本体構成部32b、及び後カバー体構成部32cを一体的に形成したものとされている。
【0024】
掃除機本体10において、ハンドル部16は、上述した前筐体30の一部、及び後筐体32の一部と、ハンドル本体部44とによって構成されている。また、ハンドル部16には、電動送風機14の駆動のオンオフを操作するための操作部46が設けられている。
【0025】
図3図7等に示すように、ハンドル本体部44は、樹脂等により環状に構成された部材である。ハンドル本体部44は、円形のものや、楕円形や長円形等のオーバル状の形状を有するもの、多角形状の形状を有するもの、棒状のもの等、適宜の形状を有するものとすることができる。本実施形態では、オーバル状の形状を有するものとされている。また、図5に示すように、ハンドル本体部44は、外周に沿って形成された凹みからなる凹部44aを有する。図3において破線で示すように、凹部44aには、操作部46と電動送風機14とを電気的に接続する配線48が配策されている。配線48は、電動送風機14の排気側から出てハンドル本体部44の凹部44の後側、上側、前側に配策される。
【0026】
ハンドル部16は、上述したハンドル本体部44に対し、前筐体30の一部である前側ハンドル構成部30aによって前側から覆うように装着するとともに、後筐体32の一部である後側ハンドル構成部32aによって後側から覆うように装着することにより、ハンドル本体部44を支持したものとされている。また、ハンドル本体部44の凹部44aは、前筐体30及び後筐体32によってカバーされた状態とされる。そのため、凹部44aに配策された配線48は、前筐体30及び後筐体32によって保護された状態で、ハンドル部16に収容されている。
【0027】
図3図7等に示すように、掃除機本体10は、上述した構成に加えて、流入口構成部34を備えている。また、掃除機本体10は、電動送風機14を支持するための構成として、吸気側支持部36、排気側支持部37、外周側支持部38を備えている。さらに、掃除機本体10は、筒部40や掛部42を備えている。
【0028】
流入口構成部34は、流入口34aを有する。流入口構成部34は、前筐体30及び後筐体32と別部材で構成することも、前筐体30あるいは後筐体32のいずれか一方と一体で構成することも可能である。本実施形態では、図3に示すように、流入口構成部34は、前筐体30及び後筐体32と別部材で構成されている。流入口構成部34は、前筐体30及び後筐体32に亘って横方向(本実施形態では水平方向)に延びるように配された板状の部材によって構成されている。流入口34aは、流入口構成部34において集塵部50の天面側に設けられた排出口58と連通する開口によって形成されている。
【0029】
吸気側支持部36は、電動送風機14の吸気口14a側を支持するものである。本実施形態では、電動送風機14は、掃除機本体10の内部において、吸気口14aを下側(集塵部50側)に向けた状態で収容されている。そのため、吸気側支持部36は、電動送風機14の下端側(集塵部50側)の部分を支持するものである。
【0030】
吸気側支持部36は、電動送風機14を支持可能なものであれば良いが、本実施形態では弾性部材によって構成されている。これにより、吸気側支持部36は、電動送風機14において発生する振動を吸収あるいは緩和しつつ、電動送風機14を支持可能なものとされている。吸気側支持部36は、流入口34aと電動送風機14の吸気口14aとの間において、前筐体30と後筐体32とで挟み込まれた状態で掃除機本体10の内部に配されている。
【0031】
排気側支持部37は、電動送風機14の排気側において電動送風機14を支持するものである。本実施形態では、電動送風機14は、掃除機本体10の内部において、ケーシング14hの周部において排気口14bが形成された側(排気側)を上側(集塵部50とは反対側)に向けた状態で収容されている。そのため、排気側支持部37は、電動送風機14の上端側(集塵部50とは反対側)の部分を支持するものである。ケーシング14hの排気口14bは、後側に2カ所設けられており、2つの排気口14bそれぞれに対向して掃除機本体10の排気口となる本体排気口12b(図3等参照)が設けられる。
【0032】
排気側支持部37は、電動送風機14を支持可能なものであれば良いが、本実施形態では弾性部材によって構成されている。これにより、排気側支持部37は、電動送風機14において発生する振動を吸収あるいは緩和しつつ、電動送風機14を支持可能なものとされている。
【0033】
外周側支持部38は、電動送風機14の外周を支持するものである。ここで、電動送風機14のケーシング14hには、モータ14mが収容されているモータ収容部14xや、ファン14fが収容されているファン収容部14yがある。外周側支持部38は、モータ収容部14x、ファン収容部14y等、適宜の箇所に設けると良いが、本実施形態では、ファン収容部14yの外周に設けられている。これにより、外周側支持部38は、ファンの作動に伴う振動の発生が想定されるファン収容部14yの周面を支持可能とされている。
【0034】
また、外周側支持部38は、電動送風機14を支持可能なものであれば良いが、本実施形態では弾性部材またはスポンジ状の部材によって構成されている。これにより、外周側支持部38は、電動送風機14(特にファン収容部14y)において発生する振動を吸収あるいは緩和しつつ、電動送風機14を支持可能なものとされている。外周側支持部38は、前筐体30及び後筐体32によって挟み込まれた状態で掃除機本体10の内部に配されている。
【0035】
筒部40は、吸引口40xとなる開口を端部に有する筒状の部分である。筒部40は、空気の通路となる流路40yを内部に備えたカバー体45を備えたものとされている。カバー体45は、前カバー体45a、及び後カバー体45bを有する。前カバー体45aは、筒部40において掃除機本体10の前方側に向く部分をなすものである。
【0036】
前カバー体45aは、吸気側支持部36と後筐体32との間に挟み込まれることにより支持されている。具体的に、前カバー体45aは、その上端側に、吸気側支持部36と係合する前カバー体係合部45cを有する。前カバー体係合部45cは、吸気側支持部36の外周部に形成された凹凸形状部分に対応した形状とされており、当該凹凸形状部分対して側方から嵌め込み可能な形状とされている。前カバー体45aは、前カバー体係合部45cを吸気側支持部36の凹凸形状部分に嵌め込んだ状態とすることにより、吸気側支持部36に対して接続されている。
【0037】
流路40yは、前カバー体45a及び後カバー体45bによって構成することも可能であるが、本実施形態では中空の流路構成体40zが別途設けられている。筒部40は、流路構成体40zを前カバー体45a及び後カバー体45bによって挟み込むことにより、内部に流路40yを備えたものとされている。
【0038】
図2に示すように、掛部42は、掃除機本体10の後側において電源コード70が巻き付けられるものである。電源コード70は、電動送風機14に電力を供給するためのものであり、掃除機本体10の後側から引き出されている。掛部42は、このような電源コード70を掃除機本体10の後側において掛け回すことができるように、後筐体32に設けられている。
【0039】
掛部42は、1以上あれば良いが、2以上が好ましい。図8等に示すように、掛部42は、第一掛部42a、及び第二掛部42bを有する。第一掛部42a及び第二掛部42bは、後筐体32において上下方向に離れて配置されている。具体的には、第一掛部42aは、掃除機本体10の上下方向において、掃除機本体10に収容されている電動送風機14と重なる位置に配されている。また、第二掛部42bは、筒部40のうち吸引口40xに近い側に設けられている。
【0040】
第一掛部42a及び第二掛部42bは、それぞれ、屈曲した形状を有するものとされている。具体的には、第一掛部42a及び第二掛部42bは、それぞれ、側面視において後方に向けて突出する部分(後方突出部42c)と、これに対して交差する方向に延びるように突出した部分(交差方向突出部42d)とを有する。本実施形態では、第一掛部42a及び第二掛部42bは、それぞれL字型に屈曲した形状とされている。
【0041】
また、第一掛部42a及び第二掛部42bは、一方又は双方(本実施形態では第一掛部42a)が、交差方向突出部42dの突出方向を変更可能とされている。本実施形態では、第一掛部42aが、後方突出部42cにおいて、前後方向に延びる回動軸線を中心として回動可能とされている。そのため、第一掛部42aは、前述の回動軸線を中心として回動させることにより、交差方向突出部42dの突出方向を変更することができる。一方、第二掛部42bは、後方突出部42cにおいて交差方向突出部42dが下向きに突出した状態で回動不能に固定されている。
【0042】
掛部42は、第一掛部42aの交差方向突出部42dが上向きとなり、第二掛部42bの交差方向突出部42dが下向きとなる状態において、第一掛部42a及び第二掛部42bの後方突出部42c,42cに対して電源コード70を巻き付けることができる。これにより、第一掛部42a及び第二掛部42bの交差方向突出部42d,42dによって掛部42に巻き付けた電源コード70が脱落しないように保持することができる。また、掛部42に電源コード70を巻き付けた状態において第一掛部42aの交差方向突出部42dが下向きとなるようにすることにより、交差方向突出部42d,42dによる電源コード70の保持が解除される。これにより、電源コード70が掛部42から自然に外れる状態としたり、電源コード70を掛部42から取り外しやすい状態としたりすることができる。
【0043】
ここで、上述した電気掃除機1は、掃除機本体10、延長管150、及び吸込具100が接続された状態で壁面に立て掛けることができる。掛部42は、掃除機本体10、延長管150、及び吸込具100が接続されて壁面に立て掛けられる場合に、壁面と接触して掃除機本体10を支持できるものとされている。
【0044】
また、掛部42は、第一掛部42a及び第二掛部42bにマグネットを備えたものとすることができる。本実施形態では第一掛部42aにマグネットが内蔵されたものとされている。これにより、スチール製の什器やパーテション、壁面等に対して電気掃除機1を立てかける際に、壁面等に対する固定力を発揮させ、電気掃除機1(掃除機本体10)を一層安定的に支持することができる。なお、第一掛部42a及び第二掛部42bに、マグネットに代えてゴム部材を備えたものとしてもよい。
【0045】
以上のように、電源コード70から電力供給を受けて動作する電気掃除機1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バッテリーを備えた電気掃除機であってもよい。具体的に、電気掃除機をバッテリー式のものとする場合、図9に示すように電動送風機14と前後に並ぶようバッテリー18が設けられると良い。電動送風機14の動作を制御する制御基板20は、図9に例示するように、電動送風機14とバッテリー18の間に設けられるか、電動送風機14とハンドル本体部44の間に設けられると良い。
【0046】
≪作用効果等について≫
以下、上述した掃除機本体10により得られる効果等について説明する。
【0047】
[本発明の第一の態様に係る電気掃除機1について]
(1-1)本実施形態の電気掃除機1は、吸引力を発生させる電動送風機14を有する掃除機本体10と、吸引した塵埃を集塵する集塵部50と、を備え、掃除機本体10が、ハンドル本体部44と、ハンドル本体部44を前側から覆うように支持する前筐体30と、前筐体30とは別部品であってハンドル本体部44を後側から覆うように支持する後筐体32と、を有するものであり、前筐体30及び後筐体32のそれぞれの一部と、ハンドル本体部44と、によって掃除機本体10のハンドル部16が構成されるものである。
【0048】
電気掃除機1は、上記(1-1)のように、ハンドル本体部44を前筐体30及び後筐体32によって前側及び後側から覆うように支持したシンプルな構成によってハンドル部16が設けられたものである。また、電気掃除機1は、負荷が作用するハンドル部16について、ハンドル本体部44のみでハンドル部16を構成する場合よりも耐久性が高いものとすることができる。従って、上記(1-1)のような構成とすることにより、軽量化を図りつつ、耐久性を向上させることが可能な電気掃除機1を実現できる。
【0049】
(1-2)上記(1-1)に係る電気掃除機1は、電動送風機14の吸気口14a側を支持する吸気側支持部36を備え、掃除機本体10が、集塵部50の排出口58と連通する流入口34aを有し、吸気側支持部36が、流入口34aと電動送風機14の吸気口14aとの間において、前筐体30と後筐体32とによって挟み込まれるものであると良い。
【0050】
電気掃除機1は、上記(1-2)のような構成とすることにより、電動送風機14を支持する吸気側支持部36を前筐体30及び後筐体32によって挟み込んで保持することができる。これにより、電気掃除機1は、掃除機本体10において電動送風機14を安定的に支持することができる。
【0051】
(1-3)上記(1-1)又は(1-2)に係る電気掃除機1は、電動送風機14の吸気口14a側を支持する吸気側支持部36を備え、掃除機本体10が、集塵部50の排出口58と連通する流入口34aと、吸引口40xを端部に有する筒部40と、を有し、筒部40が、流路40yを内部に備えたカバー体45を備えたものであり、カバー体45が、前カバー体45a、及び後カバー体45bを有するものであり、吸気側支持部36が流入口34a及び電動送風機14の吸気口14aの間に配されるとともに、吸気側支持部36と後筐体32との間に前カバー体45aが挟み込まれるものであると良い。
【0052】
電気掃除機1は、上記(1-3)のように吸気側支持部36が流入口34a及び電動送風機14の吸気口14aの間に配されるとともに、吸気側支持部36と後筐体32との間に前カバー体45aが挟み込まれた構成とすることにより、吸気側支持部36、後筐体32、及び前カバー体45a(カバー体45)を位置決め精度良く配置することができる。これにより、電気掃除機1は、駆動に伴い振動が発生する電動送風機14を安定的に支持することができる。
【0053】
(1-4)上記(1-1)~(1-3)のいずれかに係る電気掃除機1は、電動送風機14の外周を支持する外周側支持部38を備え、外周側支持部38が、前筐体30と後筐体32とで挟み込まれるものであると良い。
【0054】
電気掃除機1は、上記(1-4)のような構成とすることにより、外周側支持部38により支持される電動送風機14を、前筐体30及び後筐体32の間において安定的に支持できる。
【0055】
(1-5)上記(1-1)~(1-4)のいずれかに係る電気掃除機1は、掃除機本体10が、集塵部50の排出口58と連通する流入口34aを有する流入口構成部34を備え、流入口構成部34が、前筐体30又は後筐体32と一体で構成されているものであると良い。
【0056】
電気掃除機1は、上記(1-5)のような構成とすることにより、流入口構成部34を安定的かつ位置決め精度良く掃除機本体10に設けることができる。
【0057】
(1-6)上記(1-1)~(1-5)のいずれかに係る電気掃除機1は、掃除機本体10が、吸引口40xを端部に有する筒部40を有し、後筐体32が、筒部40の一部を構成するものであると良い。
【0058】
電気掃除機1は、上記(1-6)のような構成とすることにより、筒部40の構成を簡素化することができる。これにより、電気掃除機1は、部品点数を抑制し、軽量化や製造コストの抑制を図ることができる。
【0059】
(1-7)上記(1-1)~(1-6)のいずれかに係る電気掃除機1は、筒部40が、流路40yを内部に備えたカバー体45を備えたものであり、カバー体45が、前カバー体45a、及び後カバー体45bを有するものであり、後筐体32が、後カバー体45bと一体又は1部品として構成されるものであると良い。
【0060】
電気掃除機1は、上記(1-7)のような構成とすることにより、後カバー体45bの構成を簡素化することができる。これにより、電気掃除機1は、部品点数を抑制し、軽量化や製造コストの抑制を図ることができる。
【0061】
なお、上記(1-1)~(1-7)の電気掃除機1は、バッテリー式の電気掃除機も包含される。
【0062】
(1-8)上記(1-1)~(1-7)のいずれかに係る電気掃除機1は、ハンドル部16には、電動送風機14の駆動のオンオフを操作するための操作部46が設けられており、ハンドル本体部44が、環状に構成され、外周に沿った凹部44a(凹み)を有するものであり、操作部46と電動送風機14とを電気的に接続する配線48が、凹部44a(凹み)に配されるものであると良い。
【0063】
電気掃除機1は、上記(1-8)のような構成とすることにより、ハンドル本体部44に設けられた凹部44aを配線48の配策に活用できる。これにより、電気掃除機1は、装置構成の簡素化や軽量化を図ることができる。
【0064】
(1-9)上記(1-1)~(1-8)のいずれかに係る電気掃除機1は、ハンドル本体部44が、1部品で構成されるものであると良い。
【0065】
電気掃除機1は、上記(1-9)のような構成とすることにより、ハンドル本体部44を複数の部品で構成する場合に比べて、ハンドル本体部44の簡素化や、ハンドル本体部44の強度向上を図ることができる。
【0066】
(1-10)上記(1-1)~(1-9)のいずれかに係る電気掃除機1は、前筐体30及び後筐体32が、それぞれ1部品で構成されるものであると良い。
【0067】
電気掃除機1は、上記(1-10)のような構成とすることにより、前筐体30や後筐体32を複数の部品で構成する場合に比べて、前筐体30や後筐体32の簡素化や強度向上を図ることができる。
【0068】
なお、上記(1-9)~(1-10)の電気掃除機1は、上記(1-8)の構成を前提としない場合はバッテリー式の電気掃除機も包含される。
【0069】
[本発明の第二の態様に係る電気掃除機1について]
ここで、特開平1-15020号公報に開示されているように、集塵部、電動送風機、及びコードリールを内蔵する本体ケースと、該本体ケースの一端側に配設される延長管と、本体ケースの他端側に配設されるハンドル部と、本体ケースの下面に突出して設けられた受部とを有する電機掃除機が提供されている。
【0070】
上述した従来技術の電機掃除機は、コードリールに収納された電源コードのプラグによって壁面が傷つかないようハンドル形状や本体ケースの形状に配慮しているが、ハンドル形状および本体ケースの外観設計において自由度が低下してしまうといった問題がある。
【0071】
そこで本発明は、電源コードを有した縦型の電気掃除機において掃除機本体の設計自由度を向上させることが可能とすることを目的とした。
【0072】
(2-1)上述した課題を解決すべく、本実施形態の電気掃除機1は、吸引力を発生させる電動送風機14を有する掃除機本体10と、吸引した塵埃を集塵する集塵部50と、を備え、掃除機本体10は、ハンドル部16を上下方向の上側に有し、吸引口40xを上下方向の下側の端部に有する筒部40を有するものであり、集塵部50は、筒部40の前側において掃除機本体10に設けられたものであり、掃除機本体10は、電動送風機14に電力を供給するための電源コード70が後側から引き出されたものであり、掃除機本体10の後側には、電源コード70が巻き付けられる掛部42が設けられたものとされている。
【0073】
電気掃除機1は、上記(2-1)のように、掃除機本体10の後側に設けられた掛部42に対して電源コード70を巻き付けるものとされており、従来技術のように本体ケース内にコードリール等を設ける必要がない。そのため、電気掃除機1は、掃除機本体10の設計自由度が高い。
【0074】
(2-2)上記(2-1)に係る電気掃除機1は、掛部42として、上下方向に沿って掃除機本体10に第一掛部42a、及び第二掛部42bが設けられ、第一掛部42aが、上下方向において電動送風機14と重なる位置に配されたものであり、第二掛部42bが、筒部40のうち吸引口40xに近い側に設けられたものであるものであると良い。
【0075】
電気掃除機1は、上記(2-2)のような構成とすることにより、第一掛部42a及び第二掛部42bを上下方向に離れた位置に配することができる。これにより、電気掃除機1は、例えば単一の巻付部に電源コード70を巻き付ける構成とした場合や、第一掛部42a及び第二掛部42bが近接した構成とした場合に比べて、掛部42に電源コード70を巻き付ける際の巻き付け回数を抑制し、利便性を向上できる。
【0076】
(2-3)上記(2-1)又は(2-2)に係る電気掃除機1は、掃除機本体10、延長管150、及び吸込具100が接続された状態で壁面に立て掛けられる場合に、掛部42が壁面と接触することで掃除機本体10を支持するものであると良い。
【0077】
電気掃除機1は、上記(2-3)のような構成とすることにより、壁面に立てかけて保管する場合に、掃除機本体10の支持のために掛部42を活用できる。
【0078】
(2-4)上記(2-1)~(2-3)のいずれかに係る電気掃除機1は、掃除機本体10が、ハンドル本体部44と、ハンドル本体部44を前側から覆うよう支持する前筐体30と、前筐体30とは別部品であって、ハンドル本体部44を後側から覆うよう支持する後筐体32と、を有し、前筐体30及び後筐体32のそれぞれの一部と、ハンドル本体部44と、によってハンドル部16が構成され、掛部42が、後筐体32に設けられるものであると良い。
【0079】
電気掃除機1は、上記(2-4)のような構成とすることにより、ハンドル本体部44を前筐体30及び後筐体32によって前側及び後側から覆うように支持したシンプルな構成によってハンドル部16を形成することができる。また、電気掃除機1は、負荷が作用するハンドル部16について、ハンドル本体部44のみでハンドル部16を構成する場合よりも耐久性が高いものとすることができる。従って、上記(2-4)のような構成とすることにより、軽量化を図りつつ、耐久性を向上させることが可能な電気掃除機1を実現できる。
【0080】
また、電気掃除機1は、上記(2-4)のように掛部42を後筐体32に設けることにより、壁面に立てかけた際に、電源コード70の一部又は全部が掃除機本体10の後方側(背面側)に隠れた状態になる。これにより、電気掃除機1は、正面側から見て外観がすっきりとした状態となるように壁面に立てかけることができる。
【0081】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、電気掃除機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0083】
1 :電気掃除機
10 :掃除機本体
14 :電動送風機
14a :吸気口
16 :ハンドル部
30 :前筐体
32 :後筐体
34 :流入口構成部
34a :流入口
36 :吸気側支持部
38 :外周側支持部
40 :筒部
40x :吸引口
40y :流路
42 :掛部
42a :第一掛部
42b :第二掛部
44 :ハンドル本体部
45 :カバー体
45a :前カバー体
45b :後カバー体
46 :操作部
48 :配線
50 :集塵部
58 :排出口
70 :電源コード
100 :吸込具
150 :延長管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9